大学における看護系人材養成の在り方に関する検討会(2019)(第7回) 議事録

1.日時

令和2年3月9日(月曜日)13時30分~15時30分

2.場所

旧文部省庁舎2階 第2会議室

3.議題

  1. 大学における看護系人材養成に関する実習ガイドラインについて
  2. その他

4.出席者

委員

秋山委員,井村委員,大島委員,岡島委員,岡谷委員代理,鎌倉委員,釜萢委員,岸委員,小見山委員,高田委員,彦根委員,宮﨑委員,柳田委員

文部科学省

森大臣官房審議官,丸山医学教育課長,中湖医学教育課長補佐,杉田医学教育課看護教育専門官

オブザーバー

島田厚生労働省医政局看護課長

5.議事録

【杉田看護教育専門官】 少々お時間より早いのですが,始めさせていただきたいと思います。第7回大学における看護系人材養成の在り方に関する検討会を開催いたします。
それでは高田座長,よろしくお願いいたします。
【高田座長】 それでは,よろしくお願いいたします。
本会議は冒頭より公開とさせていただきますことを御了承ください。カメラでの撮影につきましては,議事に入るまでとさせていただきますので,御協力をお願いいたします。
なお,今回は動画を配信する形で公開したいと思います。公開は3月中旬を予定しております。本日は大学における看護系人材養成に関する実習ガイドラインについて検討していきます。前回もお伝えいたしましたけれども,各大学においては,カリキュラムの検討が始まると考えられますので,この実習ガイドラインを活用して,より充実したカリキュラムにしていただくために,年度末には発出したいと考えております。活発かつ有意義な御議論をお願いいたします。
なお,時節柄,可能な限り早く終わらせたいと思いますので,御協力のほどよろしくお願いいたします。
次に,本日の出席状況と配付資料の確認を事務局よりお願いいたします。
【杉田看護教育専門官】 本日ですが,鈴木委員,中根委員,平野委員より,御欠席の連絡を頂いております。また,上泉委員の代理で,日本看護系大学協議会より,岡谷恵子常任理事が御参加となっております。委員13名,オブザーバー1名,計14名の御出席となっております。
続きまして,配付資料を確認させていただきます。まず会議次第がございます。資料1,「看護学実習ガイドライン(案)」に対する大学教員への意見聴取のまとめ,資料2,看護学実習ガイドライン(案)200309版,本日の日付になってございます。そして,この実習ガイドライン(案)を作るに当たりまして,参考資料の13,教学マネジメント指針を参考にいたしましたので,本日の机上資料にも綴じてございます。参考資料は全てウェブ上にて公表されております。
事務局からは以上になります。
【高田座長】 カメラ撮影はここまでとさせていただきます。
それでは,議事に入ります。最初に事務局より資料に基づいて説明をお願いいたします。
【杉田看護教育専門官】 資料1を御覧いただけますでしょうか。
大学教員への意見聴取のまとめの資料になってございます。これまでの検討会で御了承いただいて,実施したものの報告になります。
目的ですが,この「看護学実習ガイドライン(案)」について,より実用性を高めるために実施させていただきました。
調査方法といたしましては,調査時点において全部の看護系大学,285課程,短期大学17課程の専任教員といたしました。Eメールを用いて意見を収集させていただいております。
3の結果です。全部で166通のメールが届き,283件の御意見を頂けました。内訳はその下に示したとおりでございます。頂いた御意見はできるだけ実習ガイドライン(案)に反映させてございます。一方,反映できない御意見がございまして,主なものをその下にまとめてあります。実習の現状,ガイドラインに掲載するのが難しい要望,コメントでございました。
ローマ数字ごとに御意見をまとめてございまして,ローマ数字5番の評価方法,今回の意見聴取と,委員の御意見とか,委員のネットワークの看護部長さんから頂いた御意見を基に,新たに項目を起こしております。後ほど資料2で御説明いたします。
最後に全般としているところですが,このガイドラインを発出することに賛成の御意見が多かったです。新たな気付きを得た,災害対応が盛り込まれて良かった,現状にマッチして違和感がない,ガイドラインとしてとても分かりやすい,学生から見ても分かりやすいのではないかという御意見が多かったです。その一方,一番下のポツでお示ししたように,ガイドラインを発出するのに反対の御意見がありました。その理由はそこにお示ししたとおりです。大方は賛成で,是非発出していただきたいという御意見が多かったというのが,大学への意見聴取のまとめになってございます。
資料2を御覧ください。大学への意見聴取と委員の御意見,そして委員のネットワークからの御意見から修正しているものになります。
表紙と次の「はじめに」は初めて御提示させていただくものになりますので,青字で示してございます。
2ページ以降は,大学への意見聴取から修正したところを赤字にしております。2ページ目,3ページ目,4ページ目と繰っていただきますと,何かを大きく加えたというよりも,表現をより分かりやすくしたり,主語を明確にしたりとか,そういう趣旨で赤字で書いてございます。
そして,新たに作った項目は13ページになります。評価方法のところの最後に,新たに看護学実習全体の評価ということで,2つの文章で区切ってお示ししてございます。
事務局からは,以上になります。
【高田座長】 では,「看護学実習ガイドライン(案)」への御質問,御意見を頂きたいと考えております。本日は,鈴木委員,中根委員より事前に御意見を預かっておりますので,御紹介させていただきます。読み上げます。
まず,鈴木委員からのコメントでございます。今回の事務局案はこれまでの議論を良く整理されたもので,表現も分かりやすくなったと感じました。とりわけ大学の役割として,講義,演習と臨地における実習を連環させて,効果的なカリキュラムを推進することが明示的に示された点や,学生が実施できる看護技術を学生に対して実習前に伝えることの重要性を明記した点は意義深いと感じました。また,実習指導者や指導教員が否定的に注意するのではなく,肯定的に評価・承認し,言語的に伝えることを心掛けるべきであることを追記した点や,ローマ数字5番の評価方法に,4として看護学実習全体の評価を追記して,PDCAサイクルを回して徐々に改善することの重要性を指摘した点など,多くの改善が適切になされたと感じました。
大学への意見聴取で,新たな気付きがあったとの意見が表明されたことは,ガイドラインを設定・公表することで,現状を確認するだけでなく,質を向上させていく必要があるケースもあることを物語っているように思いました。私にとっては貢献よりも収穫が多い形になってしまいましたが,臨地実習の成功には,数多くのステークホルダーが互いに協力していくことが重要であることを改めて学ぶことができ,とても良い機会を頂きました,ということでございます。
次に,中根委員からのコメントでございます。「はじめに」を含めて,具体的な内容が追加され,特に実習全体の評価が入ったことはすばらしいと思いました。実習施設として,ローマ数字2,3,2),(1)感染対策,と(2)事故対策部分に追記したものを添付いたしますということでございまして,そこを読み上げてみます。
ガイドラインで言う8ページに当たるところでございます。8ページに(イ)がございます。感染症発症時の対応というところですけれども,そこを読み上げてみます。大学は,実習前から学生が体調管理を行うこと,実習中の体調に関する報告基準及び連絡方法について実習要項に明記し,学生が遵守できるようにする。また,実習期間中のみならず,実習後の感染症発生時についても実習施設へ速やかに連絡する。また,実習施設は大学からの情報を,施設の感染管理者へと速やかに共有できる体制を整備し,各実習場所へ周知する,ということでございます。
それから,次の(2)事故対策の(ア),事故予防対策を読み上げてみます。大学は,臨地での実習における事故発生時の対応マニュアルを整備し,実習施設と調整するとともに,実習要項に明示して学生に事故予防を周知する。また,実習領域ごとに,初学者に,発生しやすい事故やその予防方法について実習指導者と事前に確認を行い,実習要項に盛り込んでおくことが望ましい,ということです。その次の(イ)事故発生時の対応の最初のところ,「学生は,判断に迷うこと,気になること,ヒヤッとしたりハッとしたりしたこと等があった場合は,すぐに実習指導教員や実習指導者等へ報告し,実習要項に基づき行動する」,これを削除するというものでございます。
それから,今お話しした変更意図は以下のとおりですということでございます。(1)感染対策として,「感染症罹患時」という表現に幅があるため,以下を明確にすると良いと考えました。学生には体調管理を実習前から意識していただきたいこと。体調の報告基準と連絡方法を大学で確認いただきたいこと。実習施設では受けた情報を共有する体制の整備と周知をすべきこと。なお,(イ)の発症時の対応と(ウ)の予防行動の中は逆でも良いように思います。
それから,(2)の事故対策については,いわゆるヒヤリ・ハットはベースに実践知があって気が付けるものです。学生や新人看護職員は,環境に慣れず,いつもヒヤヒヤ,ハッとしていますが,アクシデントに気付くだけの実践知がありません。ここに記載されているインシデントはアクシデントに至る前の事象のように読めますが,インシデントに気付くのは,アクシデントを発見するよりレベルが高く,報告書を書いたらきりがないという感覚があります。脳神経病棟の高齢者と小児病棟の幼児では,起きるアクシデントの傾向が全く異なるように,臨地実習の領域ごとに,ここで起きやすいアクシデントが存在します。安全な医療環境作りには,何でも言い出せる風土の醸成が必要と言われています。大学教員と実習指導者が事前すり合わせをする際,実習領域ごとに共有しておくことが事故対策になると考えます。
報告書を書くより安全な実習の実施が先で,そのためには大学と臨地のコミュニケーション促進が鍵になると思いました。以上です,ということでございます。
意見を御紹介いたしましたけれども,それでは,項目ごとに進めていきたいと思います。特に内容についての御意見をお願いいたします。
それでは,ガイドライン,資料2についてやっていきますが,最初にめくっていただいて1ページ目の「はじめに」から見ていきたいと思いますけれども,いかがでしょうか。お気付きの点はございますか。大体よろしいですか。
また後で戻ってきてもいいのですけれども,それでは,一番のポイントになっていた次のローマ数字1,「看護学実習ガイドラインの策定の趣旨」でございますけれども,ここはいかがでしょうか。よろしいですか。
事前に伺った御意見はほぼ反映してあるかと思いますけれども,よろしいですか。ここが一番ポイントだったように思いますけれども,大部分の時間をここに費やして,相当練られてきたのかと思っております。
どうぞ。
【秋山委員】 秋山です。2ページの5),一番下の行ですが,今後は看護の対象者である、一般的には患者と呼ばれる人たちがより参加する医療,つまり当事者の意見を取り入れて,当事者が主体的に医療に参画する,参加する。これからはそういうスタイルの医療が,進んでいくだろうと思われるので,「国民の理解と参加」という言葉をきちんと入れていただいたことは,とても意義あることだと思うのです。
それで,ほかのところでも,当事者,例えば評価の所でも,看護の対象者の意見を聞く機会とか,そういうニュアンスが伝わるような文面が入ることがとても望ましいかなと思います。まずはこの最初のところで「参加に資するもの」と書いていただいたことがとても意義深いことだと私は受けとめています。
【高田座長】 ありがとうございました。ほかは何かお気付きの点はございますか。
それでは,また戻ってもいいのですけれども,ざっと全部見ていきたいと思います。2番目,5ページからです。「大学と実習施設との連携・協働体制の構築」という項はいかがでしょうか。
どうぞ,鎌倉委員。
【鎌倉委員】 鎌倉です。7ページを御覧ください。
7ページの(3),個人情報及びプライバシーの保護がございます。そこの3行目のところですけれども,少し読みますと,「個人情報及びプライバシーの保護のためのソーシャルネットワーキングサービスへの書き込み等の禁止といった,」になっているのですが,ちょっと分かりにくいものですから,「個人情報」から「保護のための」を後に持ってきて,「ソーシャルネットワーキングサービスへの書き込み等の禁止といった,個人情報及びプライバシーの保護のための具体的行動について」という形で修正した方がいいのではないかと思いました。
それが1点と,あと些細なことではございますが,同じく7ページの2),看護学実習を安全に実施するための体制作り,そこの3行目ですけれども,「及び事故に対する,予防対策,事故・」となっていますので,事故に対する予防対策の意味合いだと思うものですから,この「,」を取っていただいた方が意味がスムーズに通じるのではないかと思いました。
以上でございます。
【高田座長】 ありがとうございました。
このような点,ほかにもあるかと思いますので,また後ほどでも結構ですので,御指摘いただければと思います。どうもありがとうございました。
ほかは大丈夫でしょうか。どうぞ。
【彦根委員】 彦根です。8ページ,(ウ)の学生が行う予防行動,先ほど中根委員のところにもありましたけれども,「学生さん自身も健康管理に努め」というようなことを入れていただけるとありがたいかと思います。私ども受け入れていても,大変緊張されていてというのも分かるのですけれども,こういう御時世でございますので,体調が悪いにもかかわらず無理をなさってというようなこともあり,後のトラブルシューティングみたいなことの方が大変になってしまわれる場合もあります。今後,学生さん自身もきちんと健康管理に努めて,具合の悪いときにはきちっと言えるということそのものは,今後,仕事をしていく中でもとても大切なことだと思います。それから,学生が行うというところを先に入れていただければと私も思ったところでございます。
以上になります。
【高田座長】 ありがとうございました。そのほか大丈夫でしょうか。
どうぞ。
【鎌倉委員】 鎌倉です。今の御意見に対してですけれども,(ウ)学生が行う予防行動の中に,「学生は,自己の健康状態・獲得免疫を把握すると共に,感染防止に必要な」と書いてございますが,それでは不足ということでしょうか。
【彦根委員】 よろしいですか。
【高田座長】 どうぞ。
【彦根委員】 ここは事前で,実習中のこともと思ってしまったんです。分かりました,すみません。了解しました。
【高田座長】 はい。
【杉田看護教育専門官】 事務局からになります。先ほど中根委員からの御意見にもあったかと思うのですが,学生が行う予防行動については,今,2行目に「普段からの感染症予防行動」ということで,実習中だけではなくその前から,実習の後もということでひっくるめてといいますか,卒業後には看護職になっていく方がほとんどですので,「普段からの」と入れてはいるのです。先ほどの中根委員の御意見は,大学は,学生が普段からしっかり健康管理するように,そういうふうに教育的に働き掛けていくというニュアンスが入っていたので,番号で言うと7ページの(ア)感染予防対策は,大学の方が主語で入ってきますので,そこに学生がそういう行動をとるように働き掛けていくというニュアンスを加えていくと,より重層的になっていくかというふうに事務局としては捉えているのですが,いかがでしょうか。
【高田座長】 鎌倉委員,彦根委員,いかがでしょうか。
【鎌倉委員】 賛成でございます。
【高田座長】 そのほかいかがでしょうか。どうぞ。
【岡谷委員代理】 岡谷でございます。今の点につきまして,大学協議会の方でも,今回のコロナウイルス感染のことで話し合ったのですけれども,3月になると卒業する学生が,海外旅行とかそういう形で計画を立てて,行ったりすることが比較的多いので,ある大学などはこういう機会を捉えて,4月から実践の現場に出ていく者としてどういう行動をとらなくてはいけないのか,何を考えなくてはいけないのかというようなことを学生にメッセージで伝えるというような大学もありまして,普段からそういう教育をきちんとやっていくことが本当に大事なことだと痛感しております。
【高田座長】 ありがとうございました。
それでは,次はいかがでしょうか。9ページのローマ数字3,「看護学実習前の調整」。
どうぞ。
【彦根委員】 もしかしたらやっているところもあるのかもしれないですが,9ページの実習要項の作成のところで,4行目に「実習施設と十分な調整を行い」ということで,作成のところについてまでは,私ども保健師の実習を受け入れる側としては,申し訳ありません。大学で作られたものを見せていただきつつ,できるだけそれに沿って,できる範囲のことをというふうになっているのが私ども保健師の現場としてはそのような形です。もしかしたら全国的にそこまでやっていらっしゃるところもあるのかもしれないですけれども,10か所ぐらいある大学ですので,そこまではできていないというところはあるかと思いました。
【高田座長】 これはいかがでしょうか。鎌倉委員,どうぞ。
【鎌倉委員】 これは事前に調整が重要ということで,入れましょうというお話だったかと思います。具体的なところは,各実習施設と例えば日程などを調整して,それを反映させるということを考えています。実習要項の作成主体は教育側と思っていますので,特に問題はないのではないかと思います。
【彦根委員】 どうもありがとうございます。確認させていただきました。ありがとうございました。
【高田座長】 どうぞ,宮﨑委員。
【宮﨑副座長】 宮﨑です。今の御意見を伺って,大事なことは,実習要項を作成するのは大学側の役割であり,そこがぶれることがないように伝わる必要があると思います。作成したものをいかに効果的に,現実的にやっていくのかという,運用という点では,実習施設側との調整が入るわけで,そこら辺がうまく伝わるようにというところで,ここはもう少し文章表現,誤解がないかどうかももう一度点検するということでいかがでしょうか。
【彦根委員】 結構でございます。よろしくお願いします。
【高田座長】 ほかはいかがでしょうか。大体よろしいですか。
それでは,次のページ,4番目,「ケアへの参画における指導方法」の項はいかがでしょうか。大体よろしいですか。
そうしますと,次は12ページになります。ローマ数字5,「評価方法」の項については,最後のところ,13ページになりますけれども,「看護実習全体の評価」というのが今回新たに追加されております。これについていかがでしょうか。
鎌倉委員,どうぞ。
【鎌倉委員】 最初に頂いた案ですと,全体を示していることが良く伝わりにくいと思いましたが,本日の案ですと,ポリシーと看護学実習科目の目的が明確に書かれていますので,これが全体の評価だということが非常によく分かるようになったかと思います。前の項で,実習全体の目的を作ってくださいということも記されていますので,それと両方合わさっていいのではないかと思います。
【高田座長】 ありがとうございました。
大体,そんなところでよろしいですか。
そうしましたら,順番に見てきたわけですけれども,全体を御覧になって,さらに何か御発言等がもしあれば承ります。
どうぞ,釜萢委員。
【釜萢委員】 医療現場において,大学で養成された看護系人材の活躍というのは不可欠であります。非常に大事な役割を担っていただいているわけですが,その方々を今後養成していく上に,今回まとまるこの案は非常にいいものができたと私は思います。本当にいろいろ御苦労いただいた方に感謝を申し上げたいと思って発言いたしました。
【高田座長】 ありがとうございました。
それでは,最後にタイトルといいますか,最初の表紙のところを見ていただきたいのですけれども,タイトルを確認したいと思いますが,(案)と書いて,その下に「大学における看護系人材養成の在り方に関する検討会 第二次報告」,その下に「看護学実習ガイドライン」というような形で,12月に出ました第一次報告に次いで,今回は第二次報告という形でまとめてみましたけれども,こういう形でいかがでしょうか。何か御意見はございますか。よろしいでしょうか。
どうぞ,岡島委員。
【岡島委員】 今,御提案いただいた,表紙とタイトルについては異論ございません。あと今後,このガイドラインを広く周知していく段階で,大学の先生のみならず,実習受け入れ先や,新人を採用する看護師が働く現場にしっかり周知していただく必要もあるかと思います。その点について,今の時点で何か計画等ございましたらお聞かせいただければありがたいです。
【高田座長】 どうしましょう。それでは,事務局の方から。
【杉田看護教育専門官】 御意見をただきましてありがとうございます。この公表方法について確認させていただきたいと思うのですが,まずはもちろん当省のホームページにはアップしたいと考えます。コアカリが掲載されていますので,それに合わせて,まずホームページにアップしていきたいということ。それと同時に短大も含めて全大学へ,電子状態,Eメールを使って発信していきたいと考えております。その際には,本当に短い期間で意見聴取に御協力いただきましたので,お礼も含めてお伝えしたいと考えております。
そして,御意見をいただきました実習先となるところへの周知ですが,団体とか個人とかいろいろあるとは思うのですが,まずは今回御意見いただいた方々がおられますので,その方たちにはダイレクトに,大学への周知と同時に発信したいと考えております。委員の皆様から,ここは絶対というところがございましたら,是非とも事務局の方にお知らせいただきたいと思っております。こちらからダイレクトがいいのか,委員経由で周知いただくのか,そこら辺も併せて御相談させていただきたいと考えております。
【岡島委員】 今回,本会からは三名の臨床現場の看護管理者へ意見をお伺いし,所属や氏名を公開しない形で意見を提出させていただきました。その方々に対しては,本会からフィードバックをしたいと思います。先ほどの意見は,看護職がこのガイドラインに基づいて,養成されているということを医療機関全般に広く知っていただく機会が多くあることが望ましいという趣旨からの発言です。
ガイドライン全体に関する意見を付け加えますと,最初の段階では非常に細かい議論が長く続きましたけれども,今回最終版を拝見しまして,主語が明確になり,大学と実習施設と学生自身がどんな役割と責任を果たすべきかが良く伝わるものになりまして,感謝申し上げます。先生方,どうもありがとうございました。
【高田座長】 どうぞ。
【岡谷委員代理】 今回,これがここで決まれば公表されることになると思うのですけれども,日本看護系大学協議会としましては,ガイドライン作成に至るまでに,実習の基準を作り,それを基盤にして,鎌倉先生が委員長をやってくださっています看護学教育質向上委員会で,委員の先生方が短期間の間にかなり努力して原案を作ってきたプロセスがあります。報告書のどこかにそういう経緯があるということを入れていただきたいと思っております。
【杉田看護教育専門官】 大変失礼いたしました。御意見をいただきましてありがとうございます。是非ともその方向で加筆していきたいと思います。
ありがとうございます。
【高田座長】 全体を見ていって,大体これでよろしいというようなことかと思いますけれども,若干意見等もございましたので,今までに出された御意見を生かして,事務局で最終的な修正案を作りたいと思います。大幅な修正意見はなかったということでございますので,この後は座長あずかりでやらせていただいてよろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【高田座長】 ありがとうございます。
本当に長い間ありがとうございました。
それでは,議事に戻していただいて,2にその他というのがございます。事務局から何かございますか。
【杉田看護教育専門官】 ありがとうございます。本日もお忙しい中,御参加いただきましてありがとうございました。
大幅な修正というわけではございませんが,多少御意見をいただいたかと思いますので,座長,副座長と御相談しながら,完成版に向けて,このまま進めたいと思っております。議事の2としていたのは,先ほど御質問をいただきました公表方法について確認させていただきたいと考えていたのですが,既にご意見をいただいたということで,その方向でいきたいと思います。具体的には,この後また御意見を頂くメールを出しますので,お返事をいただければと思います。
事務局からは以上になります。
【高田座長】 ありがとうございました。
今,公表についての御発言がございましたけれども,公表について何か御質問,あるいはさらにこうした方がいいというような御意見があれば承りたいと思いますが,いかがでしょうか。大体よろしいでしょうか。
どうぞ。
【大島委員】 大島です。臨床側のことで小見山委員にお伺いしたいのですが,今,Nursing Nowの検討をやっていくときにいろいろな団体が来ます。特に臨床側の団体とかあるのですけれども,例えば一挙に,今で言う大学系ですとJANPUとか,私のところは私学ですが,そのような臨床系のかたまりというのは幾つか,国家公務員とかいろいろあるみたいですけれども,何かあるのですか。
【小見山委員】 御質問ありがとうございます。例えば私は国立大学病院で勤務しておりますので,国立大学病院の看護部長の会議に属しています。同じように公立大学病院,私立大学病院の集まりがあります。そのほかには国立病院機構や日本赤十字社,恩賜財団済生会など多くの病院があるところは,本部方が取りまとめをされていると思います。また,地方自治体病院の管理者の集まりもあるかと思います。
看護協会の岡島委員の方が良く御存じかもしれません。
【岡島委員】 日本看護協会では,看護管理者懇談会というものを年1回開催しております。ただ,今年度は2月に終了したばかりで,次回は1年後になりますので,それを待っていては機を逃してしまうかと思います。が,文科省から団体宛てに御発信した意向をお持ちでしたらお知らせいただければ,方法について御相談できると思います。
【大島委員】 いいでしょうか。
【高田座長】 どうぞ。
【大島委員】 先ほど岡島先生からあったように,実習のガイドラインを作る意味というのは,そこに関わる方々が皆さんで了解し合っていいものにしていくことが必要です。こういうガイドラインがあって,これに沿って大学ごとにいろいろな工夫をしながらやっていますが,そういうところにもこういうガイドがあるのだということを是非広めていっていただきたいものですから,よろしくお願いします。
【高田座長】 ありがとうございました。
岸委員,どうぞ。
【岸委員】 広報周知というところで,先ほど最初の段階で秋山委員が言われたように,国民の理解を得るということ,その文言が入っているのは非常にすばらしいと思います。そうしたときに教育機関と実習施設には周知できると思うのですが,そういった国民のことも理解していただくとか,看護としては,国民にも参画してもらう実習を目指しているのだというところを周知できるように,もちろんこちらの文科省のホームページには出すと思うのですけれども,ホームページにアップするときに何らかそういった文言を入れていただくとか,あるいは国民の理解を得るということで,どこか発出する団体があればしていただくということで,広く国民の皆様に周知できるような機会をいただけるとさらにありがたいと思っております。
【高田座長】 ありがとうございました。大体そんなところでよろしいでしょうか。
今回,この検討会でガイドラインを審議していく過程で,私も随分勉強させていただいたのですけれども,本当にありがとうございました。
公表に関してもまだ何かこうした方がいいというようなアイデアがございましたら,事務局の方にお知らせいただければと思っております。
一応これで議事は終わったのですけれども,1年間にわたるこの検討会,最初は指定規則の変更に伴って一次報告という形でまとめて,やれやれと思っていたらこのガイドラインがございまして,1つの検討会で2つもやったという大変忙しい中で,活発な御議論をいただいて,そして議論をいただいた中で随分内容も良くなってきたのではないかと思っております。
本当に1年間,長いというか短いというか,あっという間でしたけれども,最終的な成果物が得られたということで,委員の皆様方の御協力に改めて感謝を申し上げます。拙い司会で随分論議が紛糾したことがございましたけれども,今後ともよろしくお願いいたします。
それでは,1年間本当にありがとうございました。
【杉田看護教育専門官】 ありがとうございました。高田座長,宮﨑副座長,そして委員の皆様,約1年にわたり本検討会へ御参画いただきまして,心より感謝を申し上げます。本当にありがとうございました。
最後に,森大臣官房審議官より御挨拶を申し上げます。
【森大臣官房審議官】 委員の皆様方におかれましては,御多用中のところ,この検討会に御参画いただきまして,そして熱心に御議論いただきましてまことにありがとうございます。
この検討会につきましては,先ほど高田座長からお話がございましたように,看護系人材を養成する大学におきます看護教育のさらなる充実に向けまして,大学において指定規則を適用するに当たっての課題と対策について御検討をいただくということで,最初は設置をしたわけでございます。委員の皆様におかれましては,昨年5月から7回にわたりまして非常に精力的に御審議をいただきまして,12月には第一次報告として指定規則の適用に関する課題と対応策について取りまとめていただきました。さらには,この検討会で継続して御議論いただくということで,この実習ガイドラインを取りまとめていただきまして,改めて感謝を申し上げたいと思います。
これは今後の大学におけます看護系人材養成の質保証を高めるものとして,非常に有効なものではないかと思ってございます。各大学におかれましてはこれまで培われてきた教育理念を踏襲しつつ,本ガイドラインを踏まえて,また2022年度からスタートする新カリキュラムに向けまして,社会のニーズに対応するより質の高い教育課程の在り方について,さらなる検討をいただけると期待しているものでございます。
委員の皆様におかれましては,大学における看護系人材の充実に向けまして,今後ともそれぞれのお立場で御尽力を賜りたいと願っております。併せまして,文科省の取組についての引き続きの御支援,御協力をお願い申し上げたいと思います。どうもありがとうございました。
【杉田看護教育専門官】 では,以上となります。皆様方,本当にどうもありがとうございました。

―― 了 ――

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