「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」検討・準備グループ(~平成29年度)(第12回) 議事要旨

1.日時

平成30年3月27日(火曜日)10時~12時

2.場所

文部科学省第一講堂(東館3階)

3.議題

  1. 平成29年度に実施した試行調査(プレテスト)の結果報告について
  2. 大学入試英語成績提供システムへの参加申し込みのあった資格・検定試験に係る参加要件の確認結果について
  3. 大学入学共通テスト実施方針(追加分)について
  4. その他

4.出席者

委員

岡本主査,荒瀬委員,沖委員,川上委員,関根委員,東島委員,平方委員,宮本委員,吉田委員

文部科学省

義本高等教育局長,瀧本大臣官房審議官(高等教育担当),小幡国際教育課長,三浦大学振興課長,山田大学入試室長 他

オブザーバー

独立行政法人大学入試センター 山本理事長,浅田理事,大杉審議役,米澤新テスト実施企画部長

5.議事要旨

「議題1 平成29年度に実施した試行調査(プレテスト)の結果報告について」について,大学入試センターから資料1及び資料2に基づき報告があり,意見交換が行われた。
委員からの主な意見は以下のとおり。

○ 今回の出題内容は,高校生にかなり強いメッセージを与えているのではないか。今回の改革は本来,センター試験だけの問題ではなく小中高大学を一体とした教育改革に結び付くものであるが,現実としては,今までこういう問題を入試に使ったことがない大学が多いので,非常に戸惑うのではないか。

○ 共通テストなので,各大学が最終的には自由にやればいいというわけではなく,ある程度共通性を持たせた評価の仕方がないと,高校側は非常に受験させにくい。

○ どのような学生を輩出したかということが最終的な大学の評価になり,その評価には色々な情報が必要で相当の時間がかかる。入学後の学生がどう伸びたかという追跡調査を行うためにも,素点はできるだけ長く,あるいはずっと提供していただきたいというのが大学側の本音ではないか。

○ もともと入試の選抜を1点刻みで行うことに大きな弊害があったので,素点の提供は,いずれはやめてほしい。高校では1点を取るための受験指導が必要となっており,そうでない能力を伸ばす機会を奪われるという意味では非常に不公平。入試の合否は段階別評価で判断し,入学後にデータを提供して検証すれば良いのではないか。

 次に,「議題2 大学入試英語成績提供システムへの参加申し込みのあった資格・検定試験に係る参加要件の確認結果について」に関して,資料3に基づき大学入試センターから報告があり,文部科学省から資料4「各資格・検定試験とCEFRとの対照表」についての説明があった。後ほど意見交換が行われ,主な委員の意見は以下のとおり。

○ 高校の英語の実態はA1から大体B1までぐらいのところが中心だが,今回参加要件を満たすことが確認された資格・検定試験の中には,下限でもB1でしか測れないというような検定も入っている。本当に全部の検定が高校の学習の実態を正確に測れるものなのか疑問である。

 次に「議題3 大学入学共通テスト実施方針(追加分)について」に関して,資料5-1及び資料5-2に基づき,事務局から説明があり,意見交換が行われた。委員からの主な意見は以下のとおり。

○ C1以上を条件とする根拠はそもそもあるのか。アファーマティブなアクションを行うときに,極めて例外的な人だけが救済される仕組みは余り意味がない。

○ 既卒者について,高校までの段階の学習成果を評価するという観点から高3の4月以降に受けたものはどれを使ってもよいとするのか,受検時の英語力を見るべきとするのか,考え方の整理が必要。

○ 学びの基礎診断として認定を受けたものを例外措置の対象とする意図が理解しにくい。

○ 資格・検定試験の有効期限について,文部科学省で決めてしまうと大学は非常に使いにくくなってしまうので,ある程度大学の判断に任せたほうが良いのではないか。

お問合せ先

文部科学省高等教育局大学振興課大学入試室

(文部科学省高等教育局大学振興課大学入試室)