資料5_第8回会議発言要旨

国立教員養成大学・学部、大学院、附属学校の改革に関する有識者会議(第8回)
平成29年6月19日

(主な発言要旨:議論のまとめ案)

【資料1(議論のまとめ案)】
【「主なポイント」】
・1ページの「主なポイント」で抜け落ちているのが,カリキュラムと大学教員の問題。本文からカリキュラムと大学教員に関わる部分を少し抜き書きして入れるべき。
・「主なポイント」の1番目,教員養成機能を最大限に高めることに加えて,小中高特の全体の学校教育の質の向上に資することも入れるべき。
・提言内容を各大学がどのように受け止めて,どのように改革したかのフィードバックをきちんと行い,それを評価して,その上で「よくやっている」というところまできちんと世間的に周知しないと,いつまでもくすぶりかねない。きちんとPDCAを回すことを「ポイント」の中に入れるべき。

【1(1)全体的な状況】
・3ページの「教員養成の学問分野の欠如」について,教科専門科目担当教員は自身の専門分野の研究を深める意識が強く,教員養成とのつながりが弱いと指摘するのは「教科教育法(学)担当教員から」ばかりではないため,ここは削除すべき。
・教科教育法(学)担当教員も,現場重視で学問的探求が弱いと指摘するのは「教科専門科目担当教員から」ばかりではない。よって,「教科教育法(学)担当教員は」の後は,「教科内容を踏まえた教育を行う必要があるものの,当該教科の土台となる学問分野の研究者とは異なる専門性を持っている。その両者の緊密な連携が不可欠でありながら」として,「両者の協働が必ずしも有効に機能していない」につなげるべき。
・削減のことだけが目に入ると,有識者会議としての見識が疑われる。大きく削減の問題と,教育改革を進めていく教員養成に変わることの両方を述べる必要がある。
・教科領域を取り込むことが今回の柱だが,現段階では,知識・技能の習得に偏ったシステムになっており,教科領域の取り込みが,今求められている教育改革と逆行する危険性も含む。グローバル化や産業構造,社会構造が大きく変化する中で,21世紀の学力を支えるシステムに教員養成が変わっていくべきことを,課題として位置付けるべき。
・教員養成に関しては良いところもあり,それもきちんと評価し,日本型の学校教育の良さ,それを支える教員養成の良さを世界に発信していくことについても位置付けることで,自信を取り戻すことにもつながる。
・これまでに取り組んできた教員養成教育大学の努力や良さが感じられない。
・国立教員養成大学・学部のいいところ,残しておくべき良さをもう少し出してほしい。課題だけ解決しても,いいものが継承されないと,教育の質が落ちる。
・国立の良さとしては,就職率だけではなく,安定して教員を輩出していることもあると思われ,それが分かるデータがあるといい。
・本会議でせっかく大規模に行ったアンケート調査結果に基づく記述が数か所しかないが,調査の結果分析から根拠付けられる課題や成果にも触れ,それらを基にした議論であることが分かるようにすべき。
・3ページに教員養成大学・学部は学問の場であると同時に職業教育の場とあるが,学問の場よりは,職業教育との対比としては,むしろ大学教育の場。学術の中心として広く知識を授けるとともに,深く専門の学芸を教授研究することとの対比で職業教育があると考えると,大学教育としての位置付けが薄い。
・「すべきである」「しなければならない」という提言はどういう根拠でここまで言えるのか。マイクロマネジメント的なことに入り込んでいる。結果として教員養成機能の向上につながらなかった場合の責任は誰がとるのか。
・有識者会議としては,教員養成大学・学部はこうあるべき,こう改革すべきと,あくまでも提案をする。それに基づいて,各大学が努力する。当然,改革案や具体的な計画は,必要に応じて文科省が承認・同意することはあり,その場合は文科省も責任を負うが,基本的には,出された方向性に即して,各大学が考え,努力することが基本であり,各大学の責任。時代や環境の変化に合わせて,各国立大学・学部がそれなりの対応ができてきたのなら,こういう言われ方はしないはず。よって,厳しめに言わざるを得ない。
・書きぶりとして,かなり強い言い方で,これをやらなければいけない,あるいは,手法を1つに限定している部分があるので,これは提案であるということ,あるいは,目指すべき方向にたどり着くためにはいくつかの方法があり,そのうちの1つの方法だということが分かるような書きぶりにした方が,受け止める側にとって理解しやすい。
・1で課題が述べられ,2でその対応策という対応関係があるが,対応策にはある「大学教員」に対する課題が指摘されていない等,必ずしも項目が一致していないので揃えるべき。
・今回の報告がどうしたら教育委員会に届くかを事務局で考えていただきたい。教員採用率は教育委員会が把握している。

【1(3)質の保証,評価】
・4ページの「卒業生の実態把握の不足」について,確かに大学のフォロー不足は改善が必要だが,この数字は既に教育委員会が持っており,むしろ教育委員会との連携において,このような実態把握が進んでいないことが課題として追記されるべき。
・大学教育における教員養成の視点が不明確。大学教育の改革は,3つのポリシーに基づく教育改善,インスティテューショナル・リサーチを活用した内部質保証の改善等が進んでおり,教員養成学部も全学の取組の一環ないし大学として取り組む流れにある。
・4ページの「質の保証,評価」について,教員養成機能を就職率だけで評価される現状があるが,それ以外の様々な多様な役割を把握し切れていない。研修や,私立大学では不十分と思われる全教科の教員養成など,様々なメリットがあり,それらも含めて教員養成大学・学部の全体的な役割を把握するというマクロの視点も加えるべき。
・目的大学・目的学部であり,国税が投入されている。どこまで就職率が上がれば目的を達成するかの判断は難しいが,現状の数字はあまりにも低い。単純な就職率は60%,卒業生から保育士や大学院進学者を除いても70%に届かないし,その数字が上がらない。この現実を無視できない。目的大学は,就職することが一番のベースになる。
・全体の外部環境の変化もあり,教員就職率は国立以外も全てが下がっていく。教員就職率以外にも,様々な教育活動の成果を測るものはあり,他にも取り上げるべき事項がある。

【2(1)全体について】
・大学は,各地域の教育委員会のみならず,広く一般に対して,このような改革をしているということを知ってもらうことが大事。各大学に自己改革能力があることをしっかり示すことが,その先の評価につながる。
・例年,教職員の削減や定数化の問題において財政当局が攻めてくるのに対して,教育委員会が最前線に立って守ってくれるわけではない。各地域住民の理解の上に地方3団体等が「このような形できちんとやらなければだめだ」と言ってくれるかどうかが重要。地域の方々に理解される改革の形にすることを全面的に打ち出すべき。
・教員需要が減るので,教員就職率は長期的には減る。この率を今から上げるのは,国立に限らず,日本国全体で無理。西暦2000年の公立学校の教員採用者数は6,300人,現在は2万2,000人で,3~4倍の差があり,これに合わせて入学定員を操作する教育計画はうまくいかない。全ての公立学校の教員の採用の中で国立が何%供給するかも,大きな目安として重要な物差しである。少なくとも,教員就職率だけを引き上げると書かれると,非現実的で大変な問題になる。複眼的に物差しを採用すべき。
・地域の一般の人々向けに発信すべきとの意見があったが,教員就職率を高めることは,目標としては一番分かりやすい。それが変わらないとか,(引き上げが)無理だとかいう消極的な姿勢は,国立としては出せない。
・9ページの教員就職率について,評価やPDCAを回すためにも,正確な数字が共有される必要がある。各大学に努力を求めるトーンが強いが,国立教員養成大学・学部を出て,どんな経緯でどんな先生がいる等は,教育委員会が数字を持っており,その把握を大学が担うのは厳しい。教育委員会と教大協や文科省も連携して,教育データのガイドラインの作成を行った上で,実績のデータを具体的に評価につなげるべき。このような形で実数が出せれば,(過年度卒業者も含む)実際の教員就職率は,現在の6~7割よりも上がる。
・9ページの「日本型教育の海外展開」は重要な観点だが,現在の文章はあくまでも発展途上国を支える内容。OECDの動き等を見ても,グローバルなレベルでの教育の先導性を構成するために海外展開として日本型教育を輸出する面もあり,その視点も入れるべき。
・9ページの「教員志望の高い学生の受け入れ」について,教員志望の高い学生を選り分けて受け入れることも大事だが,教員志望者となる可能性を持つ学生の受け入れも重要。

【2(2)カリキュラム,養成環境について】
・10ページの「最新のニーズや課題への対応」にカリキュラムについて書かれているが,3つのポリシーの策定と運用に係るガイドラインとの関係性が不明。11ページの「実態の把握・分析」も, IR機能の充実と同じ方向性を持っていると思われるが,言及がない。

【2(3)質の保証,評価について】
・11ページの「質の保証・評価」について,総合大学では,岡山大学のように,教師教育センターで全学の教員養成のデータを積み重ねて,学部にフィードバックして,教員採用率を上げたところもある。教員養成系大学はそれができていなかったので,IR機能をもっと強く持つべきであり,その条件整備を応援できるようにすべき。

【2(4)大学教員について】
・12ページの研究者教員の現場経験について,教員養成分野の大学教員としての資質,能力を向上させることができる仕組みの整備が重要。
・なぜ教員のコミュニケーション力,チーム学校,地域との連携・協働が求められるのか,業務改善が必要とされるのか等も含めて,大学教員が現場を丸ごと見る経験をすることで,大学の授業がより現場のニーズに対応したものになる。

【2(5)外部との連携について】
・今回の案には,大学,学部と教育委員会との連携や,学校現場との共同研究など,外に向けた連携・協働は示されているが,教員同士の協働に関する記述をより充実すべき。

【2(6)教職大学院について】
・13ページの「新たな役割」について,教職大学院が学校現場の課題を共同研究して解決することや,すぐれた指導法や教材などが流通するネットワークの拠点となる役割など,学校現場の教育の質を上げる役割を付け加えるべき。
・小中高特の課題を教職大学院が一緒に考え,研究して解決方策を探り,それを積み上げるべきという内容を加えてはどうか。
・14ページの「地域への貢献」について,教職大学院が教育実践の研究の成果を分かりやすく応用可能な形に集約して発信するとあるが,「学校現場の課題を共同で解決したりすることにより」を加えて,一方通行でなく一緒にやることも書き込むべき。
・17ページの教職大学院の教員の評価について,教職大学院の全ての教員が研究と実務の両面を持つことや,ピアレビューの視点で評価をするシステムを構築することが書かれていることはよい。これに加えて,研究と実務の両面を持つ教員を,例えば「実務研究者教員」として評価することを設けてはどうか。修士課程の教科専門の教員にとって,教職大学院への移行に向けた目標となるよう広く周知することにつながる。
・実務家教員の範囲について,「実践力を持っていることが教育委員会等が作成する書類において確認できる」を削除すべき。教育委員会が作成する書類において確認できるとするとお手盛りになる可能性があり,ピアレビューの視点で評価するシステムの構築が重要。同じく「10年以上20年以内の者」の「20年以内」は削除すべき。10年以上であっても,きちんとピアレビューで評価できる者は評価されていい。
・16ページの教職大学院での学びのインセンティブについて,学部新卒学生のインセンティブは書かれているが,現職教員については書かれていない。一昨年12月の教員の資質向上に関する中教審答申等で書かれているので加えてほしい。

【2(7)国立大学附属学校について】
・改革を実行し,確かなエビデンスを基に評価するために,各附属学校の存在意義,成果の還元状況,公私立学校にはない付加価値,全国に発信できる特色等を,客観的なエビデンスをもって示す資料を作成したい。達成状況が確認できるチェックリストの作成や,第三者の評価をどのように受けていくのかも含めて,早急に検討したい。
・この動きにより,努力している学校,他から期待される学校,評価される学校,残したい学校と,逆に,そうでない学校が明らかになる。その結果,附属学校の規模の縮小や統廃合が促進されるという結果を招いたとしても仕方ない。
・今後,多くの教員養成大学,学部の附属学校が,教育委員会と連携し,地域のモデル校の役割を担い,地域のニーズや課題を受け止め,解決の手だてを広める役割を目指す。そのために,入学選抜を含め,公立学校に近い形に変えることを検討することになる。
・全ての附属学校が地域の公立学校がすぐに活用できる教育研究を提供するモデルを目指さなくてもよい。国を代表する教育研究を行っている附属学校は,大きな方向性を変えずに今の教育・研究を推進しても批判は出ない。他ではまねのできない姿を放棄させ,全ての附属学校を公立学校化,画一化することが国益とは思わない。入学者選抜は,各学校の果たすべき役割,達成すべき目標に沿い,根拠を明らかにした上で,各学校で責任を持って実施すべき。入学を希望する者が公平に入学者選抜を受けられる募集方法への改善,その他,地域や時代のニーズに合った学校運営の改革に向かうことは,全ての附属学校が取り組まなければならない緊急の課題。
・附属学校が今後,定員削減等に伴って縮小することは受け入れないといけないが,新しい課題に対応するための条件整備の保証も国に求めたい。幼稚園が定員割れを起こす背景に保護者の勤め方の変化があるが,国立大学の附属が認定こども園になりやすくすることや,放課後児童クラブの設置等が公立学校と同様に認められることも必要。
・この会議は国立教員養成大学・学部が対象だが,附属学校は教員養成系以外の大学も持っており,ここでの提言は(教員養成系以外の附属学校にも)基本的には当てはまる。

【資料2(「組織・体制について」のこれまでの意見や状況の整理)】
【1.定員削減について】
・ミッションの再定義等を経て各大学では定員を削減してきているが,入学定員が減って,卒業をする学生が減るまでには4年かかるので,教員需要のグラフと同様に,削減された後の定員の見通しも示してほしい。
・1ページの「考えられる方向性」について,教員需要の「減少率に見合う」という表現で国立教員養成大学・学部の入学定員を比例的に増減するという形で強く書くと,将来に禍根を残すおそれがあり,慎重に書くべき。
・在り方懇以降,教員需要は増えた中で,国立教員養成大学・学部の教員就職率は上がっていない以上,国立が教員就職率や他の存在価値を上げて,それなりの役割を果たすべきという内容にすることは必要。
・1.が定員削減で2.が養成機能の維持向上になっているが,逆にすべき。
・定員削減は既に通知も出ており重要だが,本有識者会議の一番の目的は教員養成機能を高めること。日本全体の中での今後の学校や,それを支える教員養成の在り方がまずあり,その枠組みの中から体制を考えるスタンスが必要。
・いわゆる受験学力の階層が低い人が教員に採用されている状況が広がっている。東京都も,今年度から,学力を重視する形で採用試験を検討し始めている。
・本来は,教員就職率が上がっていれば,それだけの需要があるということ。教育委員会が教員を採用するに当たり,私立より国立出身者の方が採用が多いなら,教員就職率は上がる。教員就職率が上がれば,それだけの定員を維持してもいいということになる。
・教員就職率を上げるのは難しいという前提に立ってしまうと,「ではどうするのか」という話になる。教員就職率を上げるための努力としてどれだけできるかがあって,それをしてもなお不十分であれば,定数削減はやむを得ない。
・入学定員と教員の定員との関係を考える場合,新課程をどう扱っているのかははっきりさせるべき。
・教育委員会の経験から言うと,国立大学の方たちは地頭が良く,採用してからも伸びるのだが,合格率は低かった。ぜひ就職率・合格率を高めてほしい。
・国立大学では,初年次からたくさんのことを学ばせ負担をかけ過ぎていることが,教員希望者を減らしている一番の原因。
・機能強化の取組がまず先にあって,それでも教員需要や様々な要因があれば,入学定員の減を考えるという流れだと思う。各大学でも既に定員削減については考えている状況だと思われ,ここは非常に神経を使って書かなければいけない。多少,大学自身の分析・検証に任せる部分もあっていい。
・定員削減について,このまま放っておけば,もっと厳しい状況になるため,自らが何らかの方向性を出していく必要性があり,ある程度,期限があった方がいい。少なくとも第3期中には,各大学は何らかの形で方針を示すことは合意できるのではないか。
・単に教員を養成するのではなく,人材を育成していく面での教員養成学部や大学院が持っている財産を広く使えないか。教員養成オンリーでは縮減せざるを得ないが,教育産業など他の分野に打って出ることができないか。
・私立大学は,教員需要が減れば大学の維持管理は無理であり,撤退を考えながらやっていくと思う。ただし,40年後ぐらいには退職する教員の数が増える時代が来て教員需要はまた増える。少数の教科への対応も含めて,国立大学が残らないと現場は困る。

【2.少子化等の中での教員養成機能の維持向上方策について】
・小学校は,全教科担当が原則であることと,養成の段階では教科横断的な見方を持った教員の養成は不可欠なので,教員養成の課程の中に全教科を含むことは重要。
・例えば中学校技術科の教員免許を出せる大学は非常に少なく,教員養成大学に限られるので,そこが大事にされないのは困る。技術科,美術,家庭,音楽等は,中学校では持ち時間数が少なく,小学校と兼ねる場合も生じると思われ,小学校免許と中学校のこれらの教科の免許を同時に持つことは重要。全教科フル装備について,統合や分担ではなく,小規模であっても小学校は全教科を横断できる教育をできる組織を持つべき。
・国立大学の改革の全体の流れとの関係が分からないと,この資料をどう受け止めていいのかも分からない。その説明を聞いてから議論した方がいいと思う。
・この資料に,非常に簡潔ではあるが,これまでの提言や政府から出された方針等が書かれている。また,中教審で全体の大学改革についての審議が始まっており,それらを踏まえる,あるいはそれらにつなげていくということは,これまでの議論でも出ている。
・国立だからこそできることと,私学の教員養成とがネットワークを組んだ枠組での教員養成の機能を考える視点が重要だが,ここまでの議論や資料には私立との関係が少ない。
・私学の経営を考えると,希少価値のある免許は取り上げられないが,免許としては必要。また,小中の両方に対応できる義務教育学校の教員の養成は私学ではやりにくく,この部分を国立大学を残す上でのミッションとして求めていくことを考えた上で,どう削減していくかの工夫が必要。
・教員養成を学部段階でやりつつ,大学院(修士課程)と,それとは別に教職大学院を残すところに無理がある。学部と教職大学院を一貫させる方策をとることで,必要な免許も出しながら,小中の免許も出せる教員を育成する仕組みが可能になる。
・3ページの国立教員養成大学・学部の再編や統合についてもしっかりと書くことが,この会議の意義として重要。教員養成学部の地域的な連合について,学部だけでなく,教職大学院も,地域的な連合や統廃合を視野に入れる必要がある。
・学術研究と教育実践の両面の業績を持つ教員について,必要性は以前から言われてきたが,今回もまたそれと同じとならないように,大学の再編・統合の議論の中に,両面の業績を持つ教員をシェアすることを入れてどうか。
・国立大学の教員養成研修機能は絶対に残るので,これまで以上に学校教育の改善のための教員の資質・能力の向上に大きな役割を果たすべき。そのためには,国立が今までの実績を生かすと同時に,恵まれた資源を最大限に有効活用する方法を考えるべき。
・今の体制は不効率であり,国民の納得を得られる数字や業績は出ていない。機能強化や国立大学としての存在意義を高める新しい形を打ち出す必要があるが,期限を付けなければ,国民に対するアピールにはならず,現実にも動いていかない。
・地域事情や大学の事情も考慮されなければいけないのは当然。その上で,教員養成の高度化や教職大学院の重点化という基本方向の実現のためにどうするかを,組織形態として具体的に例示すべき。
・国立・私立も含んだ地域連合や,芸術系教科等の特定教科について役割分担することも必要。
・地域によっては,教員需要がかなり少なくなるため,何らかの効率化あるいは貢献度を高めるための組織的なまとまりが必要であり,国立大学同士の統合も必要。そうしないと,特に単科大学は給料を払えなくなり,意欲も落ちるので,そうなる前に,若手のやる気のある人に新しい活躍の場が与えられるような前向きな対応が必要。
・地域には多くの学部を持った総合大学があるので,地域事情によっては,総合大学との連携あるいは統合もあり得る。
・11教育大学は教員養成の高度化を先頭に立って担うべきであり,その力を結集して,国立としての貢献度をより高めるような統合の在り方も検討すべき。
・本会議としては,いくつか例示を出して,それぞれの検討は大学にやっていただく。第3期中に何か出せなければ,外圧が来て,非常に厳しい状況になる。
・各大学から地域事情や他の公私立大学の事情等を踏まえた情報を出してもらい文部科学省で調整し,各大学で計画を立ててほしい。統合するのであれば,さらなる機能強化のための支援として運営費交付金を増やしてもらう必要がある。それらまで含めて,平成34年度からの第4期には,何らかの新しいものを前向きなものとして打ち出すべき。
・どういう形の統合・連携ができるかは今後の検討になるが,ここではせめてそれらの例示や時期を明示し,姿勢を示しておく必要がある。はっきりしないことを書くと,結局は我々にはね返ってくる。

【3.国立大学附属学校について】
・附属学校を持つ大学は,ガバナンス体制強化の一環として,大学主導で附属学校の今後の在り方を検討して,附属学校がそのプランを基に教育研究を推進していけるよう,責任を持って指導いただきたい。附属学校を持つ以上は,高い資質・能力を有した人材,経費の確保等は大学の責任によってまかなうべきであり,運営面での工夫と努力を期待したい。
・国には,新たなニーズに対応して国や地域に貢献しようと努力する附属学校に,必要な支援をお願いしたい。
・附属学校については,存在意義を発揮するとともに,各大学でよく附属学校のことを考える必要がある。多くの附属学校を持っている大学もあるので,附属学校全体として,そのミッションを明確にすることや,各学校の役割まで踏み込んで,地域ニーズを踏まえた必要性や存在意義等を検証して,文科省とよく話し合いながら,新しい方向を出すべき。

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