障害のある学生の修学支援に関する検討会(平成28年度)(第5回) 議事録

1.日時

平成28年8月17日(水曜日)15時~18時

2.場所

文部科学省3F1特別会議室

3.議題

  1. 「障害者差別解消法を踏まえた「合理的配慮」や「不当な差別的取扱い」に関する考え方の確認」について
  2. 第二次まとめ骨子について
  3. その他

4.議事録

【竹田座長】 本日は、前回に引き続いて、「障害者差別解消法を踏まえた「合理的配慮」や「不当な差別的取扱い」に関する考え方」について御議論を頂きます。その後、第二次まとめの取りまとめに当たっての骨子を資料として用意していますので、当該骨子に基づき御議論頂きます。
なお、本検討会においては、御発言される場合には必ず挙手をした上で、お名前を述べてから御発言頂きますようお願いいたします。
まずは事務局より、配付資料の確認及び最初の議事、「障害者差別解消法を踏まえた「合理的配慮」や「不当な差別的取扱い」」に関し、資料1の説明をお願いします。

【小代課長補佐】 学生・留学生課の小代でございます。本日は大変暑い中、御出席を頂きましてどうもありがとうございます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
それでは配付資料の確認でございます。
資料につきまして、議事次第にあるとおりでございまして、今日は資料1から資料4ということでございます。そのほか、委員の皆様方には机上資料としまして、座席表、それから資料1と資料3に関連して頂きました主な意見をまとめたものをお配りしております。それから参考資料をまとめたピンク色の冊子です。こちらの方を配付しております。
過不足がございましたら、事務局まで議事の途中でも結構でございますので、遠慮なくお申しつけ頂ければと思います。
それでは、早速ですが、資料1につきまして御説明申し上げます。
資料1でございます。本日の議題の「障害者差別解消法を踏まえた「合理的配慮」や「不当な差別的取扱い」に関する考え方の確認」についてということで、前回もこれは御議論頂きました。その前回、第4回の検討会におきます主な議論の内容についてまとめたものでございます。こちらにつきまして、これを参考に、引き続き議論を行って頂きたいというものでございます。
少し御説明申し上げます。
最初に、大学において合理的配慮というものがどういうふうに位置づけられているかということにつきまして、こちらのように学生支援の取組の1つとして位置づけであるという御説明がございました。
次に、ではその合理的配慮というものが障害者差別解消法の中ではどういうふうに定められているかということにつきまして説明がございました。条文から確認しましたところで、まずは業務に関することということでございました。次に意思の表明ということで、そこから合理的配慮の決定プロセスが始まるということが書いてございます。
当然、意思の表明はないけれども、そういったものが明白な場合には、法の趣旨に鑑みて建設的な対話を働きかけるなどの取組が望ましいといったこともございました。
さらに、次のページの(3)のあたりになりますけれども、負担が過重かどうかといったところ、これは一般的、概念的ということではなくて、個別事案ごとの総合的かつ客観的な判断であるというようなことでございます。
それから(4)障害者の権利利益の侵害といったことに関しましては、実際の権利侵害を証明しなくても、合理的配慮の不提供を証明できことになっているということでございました。
最後、個別のニーズといったところでは、年齢、性別、こういったところも含まれるし、プライバシーの扱い、こういったことも、個々のニーズに含まれるということで、これが条文上、書かれている内容であるというような御説明でございました。
こういったことを踏まえまして、合理的配慮の決定プロセスをどうしていくかといったことについて御発表があり、学生、それから大学、法律・規程という3つの要素で考えてはどうかということでございました。
具体的には、学生に関することとしましては、教育に付随する配慮を求める意思の表明があるということと、それから機能障害、社会的障壁がちゃんとあるということを説明するということが内容として考えられるということでした。
次に、大学・教育に関するものとしまして、最初に学生の意思の表明を受けてから対話が開始されるということ。ただ、意思表明が困難な学生さんというのもいますので、そういった方に対するサポートというのが必要な場合もあります。しかし、またその一方で、学生自身が意思を表明できる力を身につけさせるという観点も重要であるというお話がございました。
それからあと、求めている配慮がその大学の業務に付随するものであるということを確認する。それからあと、さらに確認事項が続きます。その機能障害があるといったことを、根拠資料をもとに確認していくというようなこと。当然、それは長期的なものであるとか、あるいは一般的なやり方との関連で、社会的障壁となっていると言えるかとか、あるいは機能障害との関連があるかといったことがあるということです。
それから、大学の教育の部分では、変更できない教育の本質部分との関係をちゃんと確認することが必要である。それは教育の目的、内容、機能、こういったものが関係するので、それを明示しておくことが必要で、そのことに関しては、3つのポリシーの中で明示しておくということがよろしかろうということです。
それから、その教育の目的を達成する方法が社会的障壁となっているか。それからあとは、本質部分を変えずにその障壁の除去が可能か。方法の変更が可能かといったことの検討が必要であるといったこと。
それから最後に、こういったことを行うために大学においては、判断のための体制を整備していくといったことも重要であるといったことがございました。
さらに、3つ目としましては、法律の規程に関することということで、ある意味、これは前提条件といったことでございまして、学内規程と法律の関係の妥当性の確認、それから法律はずっと未来永ごう同じということではなく、常に見直されるものということですので、改めてその都度確認が必要であるというようなことがございました。
こういった考え方を踏まえまして、実際の例示がありました。試験時間の延長等につきまして、一般的な内容と個別ケースとでの違いがある場合があるということ。それから学外実習に関することにつきまして、その内容に関する考え方等も検討した方がよいというような話がございました。
それから、こういったプロセスを踏んできても、紛争といったものが仮に起こってきた場合に、その解決と防止につきまして、決定プロセスの後に、障害を持った学生さんが、決定までの進め方ですとか、不提供の決定そのものでありますとか、決定された内容、そういったものに不満を持ち、それが不幸にして紛争ということに発展する場合もある。その防止のためには、事前的改善措置を計画的に進めることですとか、あるいはマニュアルの作成、教職員への情報共有、学生の意識向上、合理的配慮の決定から実施までの仕組みをちゃんとつくること、こういったことが重要であるというお話がございました。
それから、今申しましたのは防止策でしたが、紛争が生じた場合についても、体制の整備といったものが必要であるというお話がございました。
さらに、机上にお配りしております、資料1に関連して、そのほかに頂いた主な意見も御紹介しておきます。
これは、前回の会議の後に頂いた意見ということで整理し御紹介させて頂くということでございます。
先ほどの合理的配慮について条文から考える内容といったところで、負担の過重なところにつきまして、個別の事案ごとに検討を行うといったことと、一般的、抽象的な理由に基づいて過重な負担に当たると判断するのは、法の趣旨を損なうという御意見を頂きました。
それからあとは、場面ごとの決定プロセス・課題の例といったところで、入試センターでの例を参考にしている場合が多いが、第二次まとめに、それ以外のいろいろなことを載せるようなことができないだろうかというような御意見がございました。
それから新しい項目の追加ということで、そこに書いてある1から4を追記してはいかがというような御意見を一緒に頂きました。
以上、前回の議論の主なところといったことで資料を作成いたしましたので、これらをもとにして議論を頂ければということでございます。
以上でございます。

【竹田座長】 どうもありがとうございました。
それでは、前半、前回の議論の続きということで、委員の皆様方、前回議論し切れなかったテーマ、「不当な差別的取扱い」と「合理的配慮」についての考え方の確認ということでございますが、改めて時間を十分とりましたので、御議論頂きたいと思います。
ただいま御説明頂きました資料1で、大きく1番から5番までというふうに分かれておりますので、一応、それぞれの濃淡があるかなというふうに思いますが、順番に御意見を頂きたいというふうに考えております。
初めに、大学等における合理的配慮の位置づけということですが、こちらにつきましては、先ほどのそのほか意見ということでも、そのほか意見は2番目の方ですね。1番目の方は位置づけということですので、学生支援の取組の中で合理的配慮の提供、障害学生に対する合理的配慮の提供も、その一環として位置づけられるという、そういう理解ということでよろしいでしょうか。
何かこの1番目、大学における合理的配慮の位置づけについて御意見があれば、よろしくお願いいたします。
よろしいでしょうか。今、既に行われている様々な支援と同じように、全ての大学、高等教育機関において、障害学生に対する合理的配慮というものが、支援の取組の1つとして位置づけられるという、そういう前提で議論を進めていくということで御異論はないかというふうに思いますが、次の法令的な解釈、コンプライアンスとしての位置づけという、そういう観点からも、また2番の方でも、御意見を頂けると有り難いかなというふうに思います。
それでは、法律、障害者差別解消法の条文から考える合理的配慮の内容というところで、追加の御意見、あるいは何か御指摘頂きましたら、委員の方からよろしくお願いします。
殿岡委員、お願いいたします。

【殿岡委員】 殿岡です。
議論に入る前というか、1と2の間の話なのですが、ただ、ここには、「不当な差別的取扱いに関する考え方」という方が、やはり出すべきか。「不当な差別的」という記載に関する考え方ですね。今の文章だと、ほぼ、話に出た合理的配慮についてのみ記載があるのですが、障害学生あるいは高等教育と不当な差別的取扱いの関係がどうなるかという基本的な枠組みが、この文章にはないのです。
具体的には(1)です。例えば不当な差別的取扱いが発生し得る場所、(2)として、正当な理由の判断の視点、(3)として、発生した場合の紛争解決方法、(4)として、発生させないための学内体制づくり、こういったような不当な差別的取扱いを網羅的に実施する方が必要であろう。
特にここは、私立大学も義務となる場所になりますので、それが私大にもわかりやすく書くことが大事です。第一次まとめのときは、解消法がありませんでしたから、あくまでも権利条約を含めた合理的配慮ということがトップにいった。ところが、この二次まとめは、当然、そういった不当な差別的取扱いとして解消法が入ってくることが望ましい。その上で、現(2)を(3)として、合理的配慮の内容に流れていくとよいのではないかと思います。
具体的な修文等は、また後ほどということで、項目を挙げさせて頂きました。
以上です。

【竹田座長】 ありがとうございました。
障害者差別解消法の1つの柱でもあるところの不当な差別的取扱いに関する考え方ということで、別紙で頂きました、新しく追加項目として、これは多分、恐らく骨子の方にどう反映していくかという、そういうことになるのかなというふうに思いますが、合理的配慮だけではなくて「不当な差別的取扱いに対する考え方」をしっかりと明示した方がよいという御意見かなというふうに思います。
おっしゃるとおり、非常に私立大学全ての事業者にとって、こちらの方は法的義務ということになりますので、大事な観点かなというふうに思いますが、そのほかの委員の先生方、いかがでしょうか。
白澤委員、お願いいたします。

【白澤委員】 今のことに関係して、わからなかったので教えてほしいのですけれども、この第4回の議論のまとめ、すごくよくわかりやすくまとまっていて、とても重要な議論がまとめられていると思うのですが、これと骨子との関係性がどうなっているのか、これから煮詰めていく部分にはなってくるとは思うのですが、現時点でどういうふうに考えられているのか、教えて頂ければと思います。

【竹田座長】 それでは、追加の方、事務局の方から、よろしくお願いいたします。

【小代課長補佐】 学生・留学生課、小代でございます。
これは、実は、後で骨子のところで御説明しようと思ったのですけれども、今、この資料1のペーパーにつきまして、つまり、合理的配慮と不当な差別的取扱いに関する考え方の確認というところは、いずれにしても重要な部分で、まだこれから議論がたくさんあるだろうというふうに思っておりました。
したがいまして、この内容といったものを、第二次まとめの骨子案の中にはまだ反映しておりません。したがいまして、項目としては後ほど説明しますが、5番といったところで、この項目だけを1つ独立させた形で、骨子案を作成しておりますが、ここに今日、今から御議論頂くもの、それから前回御議論頂いたものも含めて、内容がどさっと載ってくるというふうに考えております。

【竹田座長】 よろしいでしょうか。
そのほか、いかがでしょうか。
では続きまして、お願いします。

【白澤委員】 筑波技術大学の白澤です。
少し戻る形になってしまうのですけれども、1番の大学等における合理的配慮の位置づけというところについて、先ほど竹田座長も少し触れられたコンプライアンスの観点からも、記述が必要なのではないかと思います。障害学生支援の体制というのは、もちろん学生サービスの1つとして、そのほかの大学の機能と同じように、スタンダードなものにしていかなければいけないと思うのですが、同時にそこに育て上げていく過程で、当たり前のことが当たり前に行われていくように、大学のトップが常にモニタリングしていくべきものだと思うのです。このため、こういった文言が頭に出てくると、法律にのっとった障害学生支援の重みづけが出てくるのではないかと思うのですがいかがでしょうか。

【竹田座長】 ありがとうございます。
単なるサービスの一環、サービスの追加ということとは、ちょっと趣を異にした位置づけということをしっかりと明示した方がよいのではないかという御意見かなというふうに思いますが、法令遵守という観点かなと思います。
この辺につきまして、ほかの委員の先生方、いかがでしょうか。
高橋委員、お願いいたします。

【高橋委員】 信州大学の高橋です。
今、白澤先生もおっしゃったとおり、合理的配慮の問題は、学生支援の一部みたいな感じで位置づけられてしまうと、確かに「それって学生相談の問題だよね」みたいな感じで、よく大学の上の方から言われてしまうこともあったりします。障害学生支援、また合理的配慮の提供、不当な差別的取扱いに関する問題は学生支援サービスという感じとはかなり質が異なってきますので、やはり学生支援サービスの1つであるというのを、余り前面に出さなくてもよいかなと思いました。

【竹田座長】 そのほか、いかがでしょうか。
村田委員、お願いいたします。

【村田委員】 京都大学の村田です。
私も基本的には賛成で、障害学生支援というものが充実しているということが評価されていくというようなものよりは、少なくとも現時点ではあくまでベースというか、インフラ的な活動であるというような課題にしていった方がよいのかなと思います。サービスというよりは、あって当たり前というか、そういう文脈がインパクトある形で明示できればよいかなというふうに思います。

【竹田座長】 ありがとうございます。
1番目につきましては、これは前回の議論ということですが、骨子をまとめるに当たっては、これが1番大事なのですけれども、法令遵守的なところはある程度はっきりと明示するということが、皆様の御意見というふうにとらせて頂きましたので、そのような方向性がよいのかなというふうに思います。
それでは2番目は、先ほどの続きですが、条文から考えるということで、これはこの後のプロセスともすごく関わってきますので、ここで区切るということではなくても結構ですが、併せて3番、これが多分、1番御議論が出るところかなというふうに思いますが、合理的配慮の決定プロセスということになってきます。この辺について、議論の時間を少し設けたいと思います。
5番目の紛争解決と防止ということのその前というか、5番と併せて先ほど殿岡委員の方からありました、少しこの不当な差別的取扱いに関する議論というものを併せて行うのが割と近いかな。もちろん合理的配慮の不提供と差別的取扱いと関わってはきますが、まず、合理的配慮の決定プロセスというルーティンワークの中で、非常に大学としては興味・関心、あるいは今後充実させていかなければいけない、そういう内容かなというふうに思いますので、この辺につきまして、御議論を頂ければというふうに思います。
よろしくお願いします。
先ほどの御説明のように、冒頭、学生の意思の表明というあたり、この辺は、いろいろこれまでの国大協の議論だとか、基本方針の中に多分書いてあるかもしれません。意思の表明ということに関しては、条文どおり、文字どおり解釈するものではないというような解釈、そういう解説がいろいろな専門家の方からされる場合が多いかなと思います。
先ほど事務局の方からもありましたように、プロセスの支援ですとか、意思の表明に至るまでの支援ということも非常に重要なのだということが、いろいろな場面で言われているところでありますが、この辺の開始プロセスあたりからは、いかがでしょうか。何か御意見がありましたらお願いします。
白澤委員の方から、どうぞ。

【白澤委員】 筑波技術大学の白澤です。
1番最初の合理的配慮には個別的な性格があるのだという部分については、改めて二次まとめの中で、強調していくべきものではないかと思います。もちろん、この場の中では共有されている考え方だと思うのですが、先日、川島先生の御著書を拝見していて、改めて障害者差別解消法について勉強していたのですが、その中でも個別性については非常に強く強調されていました。御著書によると、これまでの障害者施策というのは、障害者全般に対するサービスや、環境の整備を進めてきたのであって、個々のニーズにどこまで応えられるかは、そこにいるそれぞれの人たちの「思いやり」に委ねられてきたと書かれていました。すなわち合理的配慮というのは、今まで思いやりに任せるしかなかった部分に対して、きちんと対話を保証していくためにつくられた考え方だということです。障害者がニーズを出し、それを受けとめて、対話を開始するプロセスを法的に保証するものなのだということで、私自身もまさにそうだなと感じました。
大学の中では、このように合理的配慮の話が進んで、研修等を行っていても、そんな個別なニーズにまで対応しなければいけないのですか?ということが、よく聞かれます。なので、個別なニーズに対応していくことこそ、この法律の趣旨なのだということを、もっと強調していくべきかと思います。

【竹田座長】 ありがとうございました。
この個別性というのは、これも基本方針の中でもすごく何度も出てきているところで、今日お集まりの皆さん方においては、すごくよくわかっているところではありますけれども、なかなかパッケージとして考えてしまいがちということで、よく指摘される点ではないかなというふうに思いますが、同じ対象のように見えても、提供する合理的配慮が非常に異なってくるというあたりは、非常に重要な点かなというふうに思います。そういう御意見だと思います。
そのほか、いかがでしょうか。
開始プロセスのあたり、個別性、そういうところの中にも個別性は出てくるかと思いますが、どういう手段、あるいは、どういうきっかけで開始がスタートするのか。これは非常に誤解されやすいのは、何度も言うようですが、意思の表明がなければ支援を提供しなくてよいのだという誤解が、非常に多分、一般的には初めてのそういう場面では起こりかねない、そういう指摘もあるところではありますけれども、いかがでしょうか。
村田委員、お願いします。

【村田委員】 村田です。
私からは2点ありまして、1点は個々のニーズにも関連するのですが、現場で合理的配慮の課題に直面している中で大切だと思うのは、見直しのことです。状況はどんどん変化していくというところにも、柔軟に対応していかなければいけないということが日々起こっているなというふうに思っています。
とりわけ大学の教育内容や方法を考えてみますと、1回生でやっていた頃の支援が、2回生、3回生になっていくと、必要性もどんどん変化していく。もちろん、合理的配慮はそれぞれの状況に合わせてやっていくということが前提ではあると思うのですが、きちっとモニタリングしながら、支援の見直しというものも意識しておく必要があります。例えば、極端な話ですが、1回生のときにこういう支援をやっていたので、3回生のあなたに対してもこういう支援ですよというようなことが、画一的に行われるということは防がなければいけないなというふうに思うわけです。個人の特性はもちろんそうですが、環境の変化ということに応じて、支援というものも適宜見直ししていくというようなことは、明示できたらよいなと思います。
もう1点は、合理的配慮に至るプロセスとして、やはり事前的改善措置ということも非常に重要なことだと個人的には思っています。どうしても制度上では、ついでに書いてあるような書かれ方になるのですが、ただ、現場で日に日にニーズが増してきている状況を見ていたり、大学という環境の中で障害学生支援の地盤がまだまだ整い切っていない状況を見ていると、事前的改善措置へのアプローチも大切だと考えます。
どこに記載するかというのは、今後の議論だと思うのですが、この事前的改善措置というものについても、もう少し強調ができるとよいのではないかと考えています。

【竹田座長】 ありがとうございます。
1つは、個人の中で、個人間のそういう先ほどの個別性ということではなくて、同じ、同一対象の方でも、経時的にその必要とされる配慮というのは、合理的配慮が変化してくる。ですので、定期的なフィードバックが必要である。それは非常に重要な点かなということでございます。
それからもう1つは、事前的改善措置の扱いというか、表現の仕方ということになると思いますが、ベースが余り十分でない中での事前的改善措置というのと、もし、例えば10年後の日本の高等教育機関における事前的改善措置、大分違うかなというふうには思うのです。
ですので、最初の二次まとめということで、多くの機関にインパクトを提供するということでは、確かに事前的な改善措置、現状を改善するというメッセージはとても大事かなという、そういう御意見かなというふうに思います。
そのほか、殿岡委員、お願いします。

【殿岡委員】 殿岡です。
合理的配慮は、法のプロセスとはちょっと違うのですけれども、やはり学内の障害学生支援の体制について、何がどこまでできているかということを、全学的にいかに把握できているか。
これによって、次のプロセスでは、ある学生が、学部のときはこうだったけれど、院に上がったら状況が変わったとか、その院で過去にどういう配慮があって、どういう成果が上がっているかというのがございます。共有ですよね。それが、意思の表明を受けたときの、あるいは意思の表明を受ける前に提示するときの、やっぱり鍵になってくるので、ここがやはり、自分ならこの体制をどう見て、それが把握できているかということは、やはり法の内容にはないのですけれども、非常に重要になってくるのかな。
それで、ちょっと1段戻るのですけれども、2のところで、過重負担のところがあるのです。(3)にあるのです。過重負担に関するのは、過去どういったことができているかということをきちっと把握することは大事なのですが、一方で、これは文科省が出している指針の中に書かれている大変よい言葉があって、「一般的・抽象的な理由に基づいて、過重負担に当たることは、法の趣旨を損なうため、適当ではない。」全文読み上げませんが、あるのです。やはり、危ないからやめておきなさいとかということ、何がどう危ないか明示していませんよね。なぜ、どう危険か明示してなくて、過重負担である。あるいは忙しいからできないとか、何が忙しいかということは、過重、明示していない。抽象的な理由でこれは判断できないのだということが大事。
ただ、実際には、ある本1冊、一晩で点訳してくれ。これはもちろん無理なことで、そういう現実的な部分も問題あるのですけれども、やはり抽象的な理由を使って、この過重負担を断ることはできないということは、非常に合理的配慮を考える上で重要な部分になってくるのかなと思います。
その手のものは、最後、話に戻るのですが、自分の学校が、今、何がどうやってできているかということを、いかに正確に把握するかということ、それをベースにやってきているわけですが、改めて重要になってくるのかなという気はしています。
以上です。

【竹田座長】 ありがとうございました。
過重な負担についての議論は、今おっしゃったように、大学の考え方ということで、合理的配慮の決定プロセスの2番にすごく関わってくることで、前回の議論の中でも、何人かの委員の先生方からお話があったように、教育の本質ということも関わってきたりとか、その辺でもまた御意見が出てくるかなというふうに思いますが、過重な負担、あるいは合理的配慮の提供に伴う効果というようなものを学内で共有するというような、そういうことの重要性という御意見かなというふうに思います。
これ、2番にも関わってきます。過重な負担の議論が出てきましたが、それに関連したもの以外の2番の、これは条文的なことが殿岡委員の方からお話が出てきましたが、それでも結構ですし、この合理的配慮の決定プロセスの方のお話でも結構ですが、御意見ほか、いかがでしょうか。
西村委員、お願いいたします。

【西村委員】 合理的配慮の決定プロセスのところで、合理的配慮について、「その提供又は不提供が決定される」という書き方が気になります。もう1つですが、(1)の学生に関することで、学生からの意思の表明があること、それから2番目のところで、学生が大学等に対して説明すると書いてあるのですけれども、ここがどうなのかなと思うのは、学生にとって、それが過重な負担になる場合もあるのではないかと思います。毎学期、新たな授業の担当教員に伝えていくというイメージに聞こえるのですが、これは恐らく体制づくりにも関係していて、学内の障害学生支援の体制が整うこと、つまり、事前的改善措置による支援体制の整備により、ある程度、学生の負担感が減らされると思います。
例えば就職した後も、ある程度会社として、障害者を雇用した場合、会社として障害特性に対する支援をするということが前提としてあるわけですので、大学も大学の支援体制があった上での学生の意思の表明があるべきなのだろうと思うのですが、ここで、このように書いてあると、結局、全部学生が1から全てやっていかなければいけないというふうに読めるあたりが気になります。

【竹田座長】 ありがとうございます。
これ、一応、このお手元の文章、骨子の原案ということではなくて、ゆっくり見てみるとすごく気になるところがあります。
これは前回の議事の粗々なまとめということで、御理解頂きまして、でもこういう点はとてもヒント、骨子を考えていく上で再確認しなければいけない、いろいろな要素が含まれていると思うので、非常に興味深いというか、有り難い御指摘かなというふうに思います。
確かに、合理的配慮というのは、不提供するものではなくて、合理性があれば、合理的配慮であれば提供しなければ法律に触れてしまうということですので、合理的配慮の中身というか、合理的な調整の中身について、建設的対話で決定していくというような、そういう趣旨のものかなというふうに思います。
学生さんの、学生の当事者の方の何か意思の表明ということから、先ほどもお話したように、非常にそれが学生さんの義務というか、それがなければ提供されないのだというような誤った理解のされ方が1番危惧されるというようなこととも、先ほども申したこととも関係するかなというふうに思いますが、これは後の方の恐らく根拠というか、そういうものとも関係してくるかなというふうに思います。
学生さんの意思の表明、あるいは少し飛んで、根拠資料についても含めて、委員の先生方から御意見を頂きますと、有り難いと思います。よろしくお願いします。
いかがでしょうか。
神藤委員。

【神藤委員】 関西大学の神藤です。
この表現が適当かどうかよくわからないのですけれども、そういう学生さんからの意思の表明があるというところで、そこで障害学生支援室は支えるというか、コーディネーターが支えるというようなことがはっきり書かれていればよいのかなと思います。
また、合理的配慮を行うための根拠資料はやはり必要だと思います。ほかの学生さんとの公平性を保つ必要がありますので。
この文章は、いろいろな部分にばらばらに書かれていて、全部を見たらよくわかるのですが、なかなか表現の仕方が難しいと思うのですけれども、その辺をまとめて頂けたらなと思います。

【竹田座長】 恐らくこれ、順番で番号を振っていくので、上から読んでいくと何かベクトルが1方向で、学生から大学へというところがないと、それが何か、そういう反応が進んでいかないと見えてしまいますけれども、これ、双方向のということの中の学生はそういうことをしてほしいし、その後に今度、大学側はこういうことをしてほしいというような対話性のあるというか、双方向性の中での学生さん、当事者の学生さんがやってほしいことというような、そういう部分を抜き出した書き方かなと思います。
ある程度、自分のニーズを説明すること、可能な限り説明すること、あるいは社会的障壁の中身について説明することということは、これは質の高い合理的配慮を提供する上では、不可欠のものなのかなというふうに思いますので、その辺、骨子にまとめるときには、丁寧に記載するということが1番大事な、当事者の方たちがそういうふうに読んだときに誤解しないような表現が大事なのかなというふうには思います。
そのほか、いかがでしょうか。
大島委員、お願いします。

【大島委員】 日本マイクロソフト、大島です。
やはり、書き方に関係してしまうのですが、3番の決定プロセスと4番の場面ごとのプロセスの部分と、5番の紛争解決と防止に絡めてお話させてください。5番の紛争解決と防止の欄を拝見していて、紛争の防止のためにはこれをする、これが大事、重要というふうに書かれているのを一見すると、紛争の防止がすごく重要で、それが目的のように感じられてしまい、それに違和感がありました。
紛争の防止のために手立てを行うわけではもちろんないので、必要な手立てやその決定プロセスについては、紛争の防止の項目でなく、その前の項目で、はっきりと明記されていればよいことなのかなと思いました。やはり書き方というか章立ての話になってしまうのですが。
以上です。

【竹田座長】 ありがとうございました。
そのほか、いかがでしょうか。
西村委員、お願いします。

【西村委員】 富山大学の西村です。
3ページ目の機能障害があることの確認のところなのですけれども、その下にあります機能障害との関連において、社会的障壁になっていると言えるかというあたりが大事になると思うので、機能障害、要するに、医学的な診断が必ず必要。それがないと支援が始まらないというようにとられないようにして頂きたいというのが、実際にリアルタイムで学生を支援していかなければならない立場として思います。
例えば発達障害の場合は、大学に入って修学支援の必要性が判明し、発達障害の特性があるかもしれないと気づく学生もいて、支援開始後に診断の必要性を感じて初めて受診し、診断が出る場合があります。機能障害が医学的な診断だけというのでなくて、心理検査等、行動観察も含めての客観的判断も含めているのでしたら、よいのですが、社会的障壁を踏まえての合理的配慮の提供であることを確認することが重要ではないかと思うのですが、この辺はどういうふうに考えたらよろしいでしょうか。

【竹田座長】 いかがでしょうか。
今、先生がおっしゃった一般的な方法が、これ、多分、教育とかの場面を想定しているのだと思いますが、そこにおける、これは多分、書かれていませんけれども、ニーズの表明があったときに、その方の持っている機能障害、あるいはそれに関連した社会的障壁というものを、ある程度客観的に理解する上での、この2番目と多分、対になっているかなというふうに見ていますけれども、そういうアセスメントの重要性ということについては前回、高橋委員も非常に重要な点として御指摘されているかと思いますが、この2つは当然、一連のもの、関連性があるものかなというふうに、いかがでしょうか、高橋委員、もしコメントがあれば。

【高橋委員】 信州大学の高橋です。
機能障害、どんな障害があるかということが、障害のいわゆる診断名だけでは、状態像が伝わらないというところが難しいということです。診断名の中で、結果として診断があるこの人がうまくいかないことは何なのか。ほかの人と同じようにできないことは何なのかという部分が、結局、機能障害ということになるのかなと思います。
ただ、その部分が、特に西村委員のおっしゃった発達障害ですと、同じ診断名がついていても、できなさの程度にも、できないことにもかなり多様性があるために、一律にどのような対応が合理的な配慮であるかということを決めにくいということがあるかなと思います。
よって、この方は、この部分には機能障害はないのだけれども、例えば書くことはとても苦手だというように、特定の機能に絞って、この部分ができないということの根拠を示す必要があるのかなと思います。

【西村委員】 富山大学の西村です。
一般的に診断名、障害名が支援の根拠になるわけですが、診断名以外に合併したいろいろな問題、困難さがあるわけです。診断名以外の修学上の困難さにつながる障壁が含まれない、医学的診断には含まれないから、配慮は要らないのかというとそうでもなくて、学生が今、困っていることに焦点を当てて、それでそのことについて配慮していくということが、実際的には多いと思うのです。
ここに書いてあります「求めている配慮と機能障害に関連はあるか」の中の括弧の部分です。(医学、心理学による客観的判断やこれまで受けてきた支援に関する資料)、この1番が医学だとすれば、2番が心理学的な客観的判断、3番目にこれまでに受けてきた支援に関する資料、この3つを合理的配慮の判断基準にするとこれからの支援に非常に役に立つ、と思います。

【竹田座長】 殿岡委員。

【殿岡委員】 殿岡です。
少し個人的要望等をお話ししようと思うのですが、根拠資料、エビデンスというと、皆さんあった方がよいという一般的なイメージがあると思うのですけれども、でも、よくよく考えてみて、医学的根拠がなかったら本当に駄目なのか。何のために根拠を求めるのか。もちろん障害及び社会的障壁ということはあるのですが、今、これだけ、私どもでもそうですし、視聴覚でも、学習過程とかコミュニケーション過程とか含めて、様々な状況がある中で、医学的根拠が必要な理由が何ですかというと、これは多分きちんと答えられる人は少ないと思うのです。
いろいろなことが重なった結果、時間延長が必要で、時間延長があれば、勉強した成果がきちんと発揮できて、それが評価できるという状況があるとしたら、そこに医学的な診断がついたか、つかなかったかといった違いですね。あるいは支援機器があったか、なかったかという違いが、なぜ必要かというところが、やはりなかなか出てこないのです。
だからもちろんはっきりと、どう障害を特筆すべき診断がしっかりとあるような場合は、有効だと思うのですが、それは結果としては、機能障害とその結果がイコールであるような障害だけにしか適用されない。それ以外の障害が当然に存在していて、今後も広がっていくというか、いろいろな環境を整えていくと思う。そういったとき、根拠資料がなぜ必要かということが出てこないと、なかなかわかりにくい。
日本の場合、障害というのは、基本的に厚生労働省がつくってきた基準が中心になってきている。文科省も一部あるわけですが、これはどちらかというと、初等中等教育における、特別支援学校との関係でできた基準であり、教育、法律と障害を捉えた基準というのは、まだ日本にないのです。
なので、そう考えてきたときに、やはりどういった困難があって、どういった支援があればその模範というのが発揮できるかところに、最終的には焦点が当たってきた方がわかりやすいのかなというふうに思います。
以上です。

【竹田座長】 ありがとうございました。
広瀬委員、お願いします。

【広瀬委員】 放送大学の広瀬です。
今の殿岡委員の御意見も踏まえて、アメリカの例を紹介したいと思います。
日本とアメリカでは、社会や文化、法律、また法的な訴訟もかなり形が違いますので、一概には言えないと思いますが、アメリカでは、私は過去10年ぐらいアメリカの大学の障害者支援室を訪問し、関係者にインタビューをしてまいりました。障害のない学生が障害があると主張して合理的配慮を求めることが問題になっているとも聞きました。そういう事態をどうやって防げばよいのか、アメリカでは議論になっています。例えば、障害者支援の充実した中学校、高校のある地区は土地の値段が高くなるとも聞きました。まずそれが1点。
それからもう1つは、先ほど大島委員がおっしゃった紛争の解決と防止という点ですが、紛争の防止という言葉がここで前面に出し過ぎている。アメリカでは、どこの大学に行っても、「私たちは常に紛争を抱えています。そしてその紛争を通して、私たちはより良くなるのです。」そういう言い方をされるのです。
日本とは社会や文化が違いますが、日本で障害者差別解消法を制定したということは、この法律に照らして、正しいか、問題があるのか、をしっかりと議論し、さらによいものにしていくことが重要です。紛争を起こらないようにすることだけに躍起となる態度は、かえってよくないのではないでしょうか。
確かに医学的なエビデンスがない学生がいろいろな困難を抱えている場合もあります。診断書などを提供できないこともあると思います。ただ、どこかに線を引かなくてはならないということもあるでしょう。アメリカでは本人の診断書を提出することによって、合理的配慮の必要性が判断される。日本では、どのような形になるか、障害者支援に人が殺到するということは、日本では考えにくいことかもしれませんが、いろいろな例があるということです。

【竹田座長】 ありがとうございました。
高橋委員、お願いします。

【高橋委員】 信州大学の高橋です。
西村委員からの御発言からの流れで、診断と根拠資料と配慮の内容の関係に関してなのですけれども、まず、診断があるものにしか配慮が受けられないのかということに関しては、私はむしろ逆で、診断がその人の機能障害を全てあらわしているとは限らない。だからこそ機能障害の個別の評価があって、やはりここはうまくいかないから苦しい、その部分に対する配慮が受けられるようであってほしいという、そういう意味での機能障害との関連、そういうふうに考えて頂ければなと思っております。
例えばですけれども、読み書き障害というのは、日本ではなかなか医学領域では診断されない状況になっています。そういった中、読み書き障害のある人がうまくいかないという経験の積み重ねで、抑鬱的になるということがあります。それで医療機関に行くと、鬱であったり、試験でうまくいかないということに対する不安障害などといって、診断がつくこともあります。
ただ、そういったときに、診断だけに依存すると、結局、読み書きに関する配慮というのが受けられないということになってしまう。そうではなくて、読み書きの機能をきちんと評価して、そこはやはりうまくいかなくて困っていたのだねということになれば、きちんと適切な配慮が受けられるようになる。そういう意味で、機能障害を中心にということなのかなと考えています。
また、根拠資料も、確かに学生の負担としてというところのお話もあったのですけれども、これは例えば毎学期、毎学期、配慮を受けるために検査を受けないといけないとか、そういったことでは決してないわけで、1度どこかできちんと全体的な機能状態を評価してもらえれば、あとはそれを使って授業の内容ですとか、形式ですとか、そういったものが変わったものに応じて、必要な配慮を考えていけばよいということになるのかなと思います。
ただ、アメリカとの違いという広瀬委員のお話もありましたけれども、前回の会議のときに、アメリカでは報告書、根拠資料として十数ページに及ぶ非常に詳しい評価が提出される。それが1つあれば、どんな状況に応じても配慮が検討してもらえるのに対して、診断名だけ書いてある診断書であれば、それこそ一々本当にこれでよいのかという議論をしなければいけない。そこが1つの課題でもあるかなと思っています。

【竹田座長】 西村委員、お願いします。

【西村委員】 富山大学の西村です。
例えば客観的な検査をして、見立てがあり、実際にやってみて、根拠が得られる場合、当該学生の機能障害が教育場面でこのように表現されるということがわかるという流れもあるのです。
ですから、必ず医学的診断があって、それを根拠に合理的配慮を行うという場合と、それとは逆に、心理検査や行動観察、本人との対話を根拠に、実際に暫定的にやってみて初めてそれが適切だったということがわかり、それが結果的にその人に対する合理的配慮になるというプロセスもあると思うのです。そういうものも含んだ上でのこの書き方にしていくとより現場の感覚にフィットするのではないかと思うわけです。
以上です。

【竹田座長】 ありがとうございます。
重ねてお話しますように、この文言そのものは、これを何か作成過程の原案ということではなく、あくまでも今日の議論の材料ということで、前回のメモランダムという形でとって頂ければよいかなというふうに思うのですが、エビデンスに基づいた合理的配慮というのは、これはやはり避けるわけにはいかない。どうしてかというと、現場というか、求めるもの、求められているものというのは、やはり何か根拠がなければ、質を高めていく集積にもならないし、それからやはり無用な混乱を招くという、そういうもとになるのかなということは、これ、座長ではありますけれども、個人的な感想としては持っております。
ただ一方で、西村委員がおっしゃるように、いわゆる1行の診断書とか、そういうものが余り意味がないということ、あるいは御本人が、今までさしたる根拠がないのだけれども、日常、今、現に進行している修学面での困難さというものをどう受けとめて、それに対応していくかということが、とても大事というか、多分、診断的治療というか、治療してみて、その効果からその人の、もしかしたら未知の機能障害みたいなものに関わってくるようなことがわかるということも、高等教育の場面では、日本では特にありますね。
発達障害などでは、それまで診断がされていないし、特にこれといった御本人の自覚もないまま、高等教育に来て初めてうまくいかないという、多くの支援の担当の方たちはそういう学生さんを見ているわけですが、そこで十分なアセスメントの機能を、今の高等教育機関は持っていないので、それが個々の大学単位でできるのかという問題は多分あります。
恐らくイギリスやアメリカのような、非常に評価の機能を持っているリソースがたくさんある中での高等教育機関と、日本の大学ごとに合理的配慮を提供しろというふうに言われて、さあ、どうするというところでは、全然状況が違うと思うので、そういう、多分、はっきりとした根拠がないときに、どう対応するべきかという、そういう仕組みづくりということは、これからなのかなというふうに思います。
この辺の書き方も、何もないから一切しないとかという、そういうことではなくて、紛争の捉え方も、これこそ多分、建設的対話というふうに、言葉を換えただけで、これはなかなか紛争というふうに捉えると、石川委員からも御発言あったと思うのですが、日本的な紛争処理というのを建設的対話と書きかえたのかなというふうに思っておりますが、その辺、よく捉えれば、双方向、双方のコミュニケーションをいかにポジティブなものにしていくかという、その辺なのかなということだと思いますので、文言にしてしまうと、いろいろ誤解を生む可能性もあるので、その辺の書き方、骨子をつくるときには非常に重要かなというふうに思いますが、石川委員、もしコメントを頂けましたら、何かこの辺につきまして、特にエビデンスですね。根拠については、とても大事な点ではないかというふうに思います。いかがでしょうか。

【石川委員】 西村委員のおっしゃること、とても納得できます。機能障害について確実なエビデンスがある場合もあるでしょうし、そうでない場合もあるでしょう。
また社会的な障害を軽減するための方法論がいろいろある中で、有効かどうかについても、まだ十分知見が共有されているわけでもないし、本人が求めていることと、それからその大学の障害学生支援室として、今まで経験としてやってきたことが全てであるというわけでもないですし、だからそういう発展していくプロセスというか、これからやっていく中で、次第に経験や知見、そういったものを集積していくという、そういう段階にあるということを受けとめた上での書きぶりにしておく方がよいのではないかと思います。
つまり、既に機能障害を、細部にわたるまでアセスできるような知見とか、それから方法論が確立しているわけでもないでしょうし、何が社会的障壁を除去するための合理的方法なのかということを、我々は十分に知っているわけでもないということを前提とした書き方がよいのではないかというふうな感じを持ちました。

【竹田座長】 ありがとうございました。
確かに、一次まとめのときにも、合理的配慮というものと、必ずしも現場でそれ以外の、それ以上のというか、それ以外の困難に対する配慮というものが、付加しても全然差し支えないというか、できるだけその修学を円滑に進めるということが1番の目標なので、合理的配慮かどうか、決まったらそれしかやりません、あとはやる義務がありませんという、そういう捉え方はされないような、そういう書き方というか、理念的な捉え方をきちんと改めて再確認してもらうということが、多分、二次まとめにおいては重要なのかな。
どうしても合理的配慮かどうか、その根拠が何か、決まったらそこまでしかやらないのだという、そういう捉え方をされることが、1番危惧されるところかなというふうには思います。
この辺、非常に大事な議論ですが、また追加で御意見があれば頂きたいと思いますが、次の方にも幾つか大きなテーマがありますので、その下にあります、3番目の下にあります教育の本質部分との関係性というようなこと、これは近年、障害者差別解消法が施行されてから、多くの教育現場、特に実践的な教育現場とかでは、非常に大きなテーマになっているところではあります。このあたりについて、御意見を頂戴していきたいと思いますが、いかがでしょうか。
村田委員、お願いいたします。

【村田委員】 京都大学の村田です。
対話的な側面があるということは前提だとは思うのですけれども、とりわけ、教育の本質という話になってきた場合に、担当する教員にも、より能動的な、積極的な関わりを求めたいなというふうに、現場としてはよく思っています。
つまり、支援のリソースがあって、そこのスタッフと当事者の間で合意形成をして、支援をつくっていくというのではなく、授業担当教員や必要に応じて周辺の教職員も巻き込んでいくことが大切ではないでしょうか。場合によっては、より有効な支援策が教員側から出てくるような提案ことも、可能性としては十分あると思っています。
こういったメッセージをまとめにも反映して、多くの教職員が我がこととして、障害学生支援というものの、ある意味当事者というか、主体的な存在であるということが、どこかに明示されているとよいなと思いました。

【竹田座長】 ありがとうございます。
そのほか、いかがでしょうか。
殿岡委員、お願いします。

【殿岡委員】 ここは、正直、答えがわかっているわけではないのですが、事例として1つ挙げさせて頂こうと思います。
選択的かん黙、いわゆる場面かん黙と呼ばれる障害を持っている人がいます。話すことができない。場合によっては、話すだけではなくて、表出困難、つまり人前で筆談することも苦手という人がいるわけです。授業を聞いて、テストされれば、解答はできる。例えば語学、必修語学で、これからは会話が大事です、会話してくださいというと、コミュニケーションそのものが苦手なわけですから、必修単位を落とすことになる。これが教育の本質かと言われると、最終的にこの人は大学を卒業できないことになる。何を学んで何を答えても、卒業ができないという状態が起きるわけです。
これを聞いて本質と言ってしまうと、当事者からすると権利を奪われて、事実上退学に追い込まれるという例があるわけです。そういうふうに障害の本質と教育の本質とを考える上で、選択的かん黙というのは、1つ考える材料にはなるのではないかと思います。
だからといって、学校で、英語のコミュニケーションを免除できるかというと、実際にはそうではない学校の方が多いと思います。そういったことも踏まえて、ある程度議論頂けると大変大事だなと思います。
以上です。

【竹田座長】 ありがとうございました。
具体的な例でわかりやすい。教育の本質とそれから障害に起因する機能の障害、コンフリクトする場合が多いかなと思うのですけど。
白澤委員、お願いいたします。

【白澤委員】 白澤です。
同じようなことなのですが、いろいろな大学で話をしていると、今、おっしゃったようなチャレンジングな例、すなわち医学部に入学を希望している全ろうの学生や視覚障害学生、脊髄損傷の学生といったチャレンジングな例と、本質的な能力を欠いている例を、どういう考え方でどんなふうに見極めていけばよいのかがわからず、戸惑っているように思います。
またそれをどの段階で見極めていけばよいのかも重要です。入試で判断をすべき・できるものなのか、ある程度受入れて、実践を繰り返してみた上での判断になっていくのかという部分です。このあたりについて、考え方の方向性を示していくために、この場で議論が必要なのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
併せて、前回も申し上げたところなのですが、本質的な能力として、大学が求めている力をきちんと提示することは、非常に重要な部分で、これ自体はとても賛成なのですが、やはりこれが排除のツールにならないように警鐘を鳴らしていく必要性もあると思うのです。大学によっては、ここに書いてあるから断れるというふうにとるところも出てくるでしょうし、だから、保険としていろんなものをここに入れてしまうといった方向になる危険性もあるかと思います。したがって、そういったツールになっていかないよう、どうくぎを刺しておくかについても議論が必要かなと思いました。

【竹田座長】 ありがとうございました。
西村委員、お願いします。

【西村委員】 富山大学の西村です。
医学系、医学部関係で、難しいと思っていることがあります。例えば医師になるとか、看護師になるということの、「職業として向いている、向いていない」と議論が必ず出てくるのです。
例えば自閉症スペクトラムだったら、コミュニケーションが苦手な人に医師は務まらないと言われる場合がありますが、コミュニケーションに関して言えば、彼らこそ言葉を丁寧にきちんと受けとめて、きちんと返すという、ある程度のパターンができると思うのです。
最初から難しいと言われる1番のところが、コミュニケーションのことと言われると、医師になる本質的なところというと、一体何なのかなということも感じるわけですが、支援者としては、そこに太刀打ちできる何かがあるわけではないので、そのあたりを、医療関係の学部にどういうことをきちんと伝えていけばよいのかというあたりを、もう少し具体化した方がよいと思っています。
以上です。

【竹田座長】 ありがとうございました。
高橋委員、お願いします。

【高橋委員】 信州大学の高橋です。
大学として求める能力と言いますか、そういったものを明確にして出すということが、排除のツールになったらよくないというお話もあったのですけれども、別の見方をすると、それは選択のための情報という見方もできるのかなと思いました。大学を選ぶ側(がわ)からですね。
要するに進路選択をする上で、例えば教育学部に進んだら、こんなにいろいろな人と話さなければいけなくなるとは思わなかったみたいな感じで選ばれると、逆に本人にとっても不幸になってしまうという部分もあるのかなという気がします。
ですので、例えばある教育学部が、コミュニケーションの高い教員を養成しますということを前面に出して、アドミッションポリシーでもコミュニケーションの高い受験生を合格させますと言ったら、それはコミュニケーション障害がある人に対する差別かと言ったら、違うのではないかなというふうに思います。
例えば、自分の意見を表明しにくい方、障害ゆえに表明しにくい方が、その人でも表明しやすいような配慮はすることは可能だと思うのですけれども、その上でなお、十分な表明ができないということであれば、やはり合格しないということはあり得るし、それが、障害がない受験生であったとしても、結局、コミュニケーション能力が低い方の学生が落とされるということがあっても、それは当然問題ないわけで、そういったことから、ある学部や大学が、うちの大学としては、こういう能力を持った学生を育てたいとか、合格させたいとかということをいうことは、その本質から外れていない限りは、よいわけです。ただ、その本質からずれて、特定の人を排除しようとしているというような部分が見られたら、それはもちろん、これは社会的に非難されるべき対象となるということなのかなと思います。

【竹田座長】 ありがとうございます。
殿岡委員、お願いします。

【殿岡委員】 殿岡です。
そこはちょっと異なる意見を持っています。というのは、50年、100年という単位で、例えば医学、あと看護学、こういった一部の大学は、50年間、100年間、障害者が1人も入ってこなくても、地域で、医療や看護に貢献したと胸を張って堂々としている学校がある。これは、今まではこれでよかったのですが、解消法ができて以降は、これは違法行為。つまり障害者が1人もいないことを前提に、そういう教育制度がとられているわけですね。もう今から20年ほど前に欠格条項はなくなっているわけです。
ある程度、この段階から、本来はある意味、国民が医学を目指している人に開かれている学校ですから、当然、ある意味、医学を目指す障害がある方が入ってくれるという前提で教育を想定していく義務がある。
少なくとも、法的な欠格条項が解消されて以降は、そういう努力を積んでいかなければいけない。ところが積むときに、今日まで来た学校が、現在もなお存在しているわけですから、明らかに。彼らは、障害者に門戸を開くということが、法律によって要求されていく。そこで障害を持つ人は、医学教育、障害を持つ人の看護教育、薬学教育というものがどうあるべきか。そしてどういった配慮が可能かということが求められている。
その中において、具体的にそれぞれの部門において、特定の障害からとか、大学であれば、発展過程において差が出ることはあると思うのですけれども、障害がないことを前提に医学教育と、そこで当てはまらないからと言って、障害を持つ人を入れないというのは、これは排他的社会的障壁が見られるということにほかならないので、これはやはり否定されていくであろう。当然、ほかは、文学とか経済とか理科系、医学・工学においても、あらゆる障害のある人が入れるよう努力してきたわけであり、医学薬学等も同様な努力が、今後求められると思っています。
以上です。

【竹田座長】 ありがとうございました。
先ほど来のお話で、特に医学、看護・薬学といった国家資格に関係することに関して、委員の皆様御承知のように、欠格事項が、相対的なものになったということが多分ありまして、なくなったわけではないかなと思うのです。
相対的な欠格事項になったということと、あとはコンピテンシーというか、コンピテンシーのスタンダードというものが、多分諸外国ではあるのですけれども、相対的欠格事項というのは、御承知のように割と抽象的で、余り具体的には書かれていないので、どの程度の機能の障害がある学生さんを、あるいは医学教育、あるいは看護の中で教育して、それが実践的に国家資格というところに結びつけることができるのかということが、今、若干、その当事者の選考の先生方、大学は、混乱というか、困惑されている部分があるのかなというふうに思います。
合理的な配慮をする上でも、高橋委員のおっしゃるように、そういう求める人物像、あるいは将来的に求める、例えば看護師像とか、そういうものを公開するということはとても大事で、その上で、合理的調整をする。そういう話合いの中で教育していくということが大事かなと思うのですが、それが白澤委員のおっしゃるように、差別のツールになるリスクがあるのではないかということが、多分、かなりいろいろなところで議論され始めているところかなということで、なかなかこれ、難しい問題で、ここだけで解決できないことかなと思いますが、合理的配慮ということで、特に本質ということに話を言及すると、どうしてもそういう、特に実践的な専攻分野が今すぐに4月以降直面しているということで、いろいろなところからそういう意見が出ているところではあるかなと思います。
もう少し御意見を頂ければと思います。
西村委員、お願いいたします。

【西村委員】 西村です。
非常に具体的な話になって申し訳ないのですけれども、例えば富山大学の医学系で、臨床実習の期間が1つの診療科につき臨床実習期間が2週間から3週間に変わったと聞いています。1つの科に長く実習ができるという意味では、発達障害の方にとっては時間をかけてその場に慣れ、実習が行われることは非常に有効なのです。富山大では1つの診療科ごとの間をあけて、ゆっくり学ぶようなスケジュールにするだけで、かなり学びの本質的なものをクリアすることができるのではないかと思います。
学ぶ環境を整えることが、基礎的な環境を整えることになることが、学科の先生方に理解して頂ければ、配慮に関する話合いはうまくいくのですが、学生本人にとっては、自分にとって有効な配慮であることの認識がない場合、意思の表明をすることが難しいのが現状です。実際に支援を行っていく中で、本人も自分自身の特性がわかり、教員も支援方法がわかることですが、支援する前に、例えば、「自閉症は、コミュニケーションの障害だから、医療従事者には向かない」とかいう判断にならないようにしてほしいと思います。
以上です。

【竹田座長】 ありがとうございました。
前回、確か近藤委員、今日御欠席ですけれども、近藤委員の方から、多分これはアメリカの例で、ADAとかでは、qualified individuals with disabilitiesという、そういう結局、医学・看護といえども、そういう障害がカミングアウトされているので不合格というのは、これは明らかに差別ですけれども、恐らく、本来議論にならないといけないのは、それはあるけれども、非常に優秀で、是非とも入学させて教育したいというのが、その前にあるというところからスタートするという、そういう観点がとても大事ではないかな。
どうしてもこういう議論をすると、そういう機能障害がある人は合格させてよいのかみたいな議論になるわけですけれども、そういうものがあったとしても、入学させて教育したいという、そういう能力がある、そういう人材をいかに教育していくかというところが、多分、そういう分野での合理的配慮、合理的調整のスタートラインではないかなというふうには、個人的には思います。
いかがでしょうか、そのほか。
殿岡委員、お願いします。

【殿岡委員】 1件補足があるのですが、先ほど竹田座長が、欠格条項が相対化しているということ、それ自体、全く間違いないのですけれども、ちょっと1点補足したいことがある。
解消法ができる前の段階から、文科省の公的な見解として、国家資格に制限があることと、大学教育、大学に入学させることということ。あるいは大学で教育を行うことをリンクさせてはいけないということ。これは以前からも文科省の立場で、文科省の入試選抜要項等でも関連の文言は、ここ20年来、あるのです。ですから、もともと解消法があろうがなかろうが、そこをリンクさせて、議論すること自体がおかしいということだけ補足しておきます。
現象として先ほど御提言させて頂くという話はしましたが、法的には、文科省、行政的には、当初からこれを分けて議論するべきだ。だから、絶対が相対になろうが、相対がなくなった科目もあるのですが、相対がゼロになろうが、大学教育とは無関係であるというのが、公式な見解だと思いますので、一応確認で、竹田先生の御発言に補足させて頂きます。
以上です。

【竹田座長】 ありがとうございました。
そのほか。
神藤委員、お願いします。

【神藤委員】 関西大学の神藤です。
表現の仕方、どんなようなものがよいのかということですけれども、これ、べたな言い方ですけれども、門前払いをしてはいけないということをはっきり表現できたらよいのではないかなと思います。
本学の場合は、受験を希望するとなった段階で、その希望の学部の先生、関係者が集まって本人と面談を行います。そこで、先ほども先生方がおっしゃっていましたけれども、受験生はイメージで学部とか研究を捉えているところがすごく多いので、そこで対話をすることによって、学部の教育の本質というのがよくわかるようになる場合が多いのです。
結果、学部を変えるというようなことも起こっておりますので、そういう対話をすることによって、学部の先生方も障害についてとか、障害学生さんについて理解を深めるようなことも多いですし、双方にとってプラスとなるようなことが、本学では起こっておりますので、とにかく門前払いをしないということで、建設的対話をそこでするというような表現にしたらどうかというふうに思います。

【竹田座長】 とても大事な御指摘だと思います。先ほどの高橋委員の、要するに専攻コースの本質的なものを公開するということと、障害のある受験生が事前に相談して、その時点から多分、合理的調整の中身あるいはそのコースの中身についての話合いが始まるというところから、多分関わりを持った方がよいという御意見だというふうに思います。
ありがとうございました。
あと30分ほど、前半というか、メインテーマなのですが、そちらの方の議論の時間が残っていますが、この30分で、こちらの前回のまとめのメモのところの、これは場面ごとのプロセス、課題の例ということですので、実際は先ほど話題になった紛争の解決とか防止とか。これは多分、体制的なものとかも入ってくるかなというふうに思いますし、併せて最初に殿岡委員の方からお話があった差別的取扱いに関する考え方ということについて少し御議論頂ければというふうに思います。よろしくお願いいたします。
いかがでしょうか。
まず紛争の解決と防止というのは、国立大学の先生方は、対応要領という中で、そういう体制づくりというものを必ず書き込む場合が多いかなというふうに思っておりますが、紛争は先ほども議論で、できればというか、ないにこしたことはない。
ただ、一方で、アメリカ的考え方をすれば、それでよいのかなという考え方もあるかもしれませんが、多分、多くの組織、現実問題としては、そういうものはあっては困るというのが現実的ではないかなというふうに思いますが、何かそういうトラブルというか、意見の相違が起きたときに、いかにそれを双方が納得できる形に持っていくかという仕組みということが、対応要領の中にも書かれていて、それが実際どういうふうに、現実に動くのかどうか。動いていくのかというあたりが、問題になっていくのかなというふうに思います。
いかがでしょうか。
実際、多分、支援室とかセンターに関わりのある先生ということで、村田委員の方から、もし何かこういう紛争の防止、あるいはそのために必要ないろいろな取組というものがあれば、御紹介頂ければと思います。

【村田委員】 京都大学の村田です。
何度か他の委員からも出ているとおり、日本でどのようにこの紛争というものが起きていくのか、あるいは何を紛争と呼ぶのかなど、難しい部分もあると思います。
このあたりは大学によって温度差があると思うので、なかなかパターンだけを明示するというのは難しいと個人的には思っていますが、やはり合理的配慮のプロセスも同じだと思いますけれども、まず窓口やシステムをしっかりと明示していくというところが必要かと思います。その必要性については、国公立なのか私立なのかということを問わずに必要であると明確に出していってもよいのかなと思います。
その上で重要なことは、そういったことを学内にいかに周知できているかということです。ちゃんとシステムがあったとしても、それだけ機能していかないと思いますし、多くの教職員も含めて組織全体の理解を深めていく必要があると思います。
ただ一方で、具体的に細かい話になってくると、動かしながらでしかわからない部分もあるように思っています。当然、支援のリソースとしては、できる限り紛争にならないようにしていくことになると思います。例えば、学内で障害のある学生が差別を受けているという事案があったときに、支援のリソースとして一緒に問題解決を図る方向になるのか、あるいは、紛争を後押しするような働きかけになるのか、このあたりはケースが起こってみないとわからない部分があります。繰り返しになりますが、現時点では、窓口やシステムなどをしっかりと明示して周知していくというところが、出発点かなと思います。

【竹田座長】 ありがとうございました。
白澤委員、お願いします。

【白澤委員】 白澤です。
先ほどの例ともつながってくるのですが、学内での紛争解決のプロセスを十分に整備していくのと同時に、大学や障害学生が、どのように考えればよいかわからなくなったときに、相談できる機関や体制をどう作り上げていくかもすごく重要だと思います。
先ほどの例でも、医学部に障害のある学生が入りたいと言っているような場合に、大学の中の発想のみでは、どう考えても無理だと思うといった方向性になりがちだと思うのです。ただ、それは例えばコミュニケーションというものを一義的に捉えているだけで、もっとこういう幅広い考え方をすれば見方も変わってくるのではないですかと提示できる期間があれば、本質的な能力に対する新しい考え方も生まれてくるでしょうし、大学側も広がりを持って、本質的な能力を捉えられると思うのです。
なので、そうした助言・指導をしていけるような機関・体制をどう考えるか。またそれと、文科省の相談窓口の機能をどのように連動させていくのかも重要な検討事項ではないでしょうか。個別の大学からの相談が全部文部科学省に集約される形を作り上げるのか。あるいは我々PEPNet-JapanやAHEAD Japanといったようなネットワークが中間的な機能を担って、そこでも解決できないような問題を文科省に持っていくのか。そういった全国的な枠組みというか、地図づくりみたいなものも少し検討が必要かと思います。
同時に、何かクリティカルな事例が起こったときに、例えば、なければよいなとは思いますが、裁判等が起こって、判決が出たとか、あるいは、文科省や何かの機関が大学に対してあっせんを行ったといった事例が出たときに、そうした情報をいかに早く大学と共有して、地域の隅々の大学にまで伝えていくかも重要だと思います。これは、好事例でも同じです。好事例の共有が、全体的なスタンダードの底上げにつながっていくと思うので、個別の大学の中の仕組みづくりと合わせて、地域全体、全国規模の枠組みづくりというのも検討が必要かと思います。

【竹田座長】 ありがとうございました。
そういう1つの大学だけではなくて、幾つかの全国的な、質的な共通性というか、標準化というか、高いレベルの標準化というふうに言った方がよいかもしれませんが、そういう仕組みをどういうふうにつくっていくかという、そういう御提案というか、御発言だったというふうに思います。
こちらも先ほどの冒頭と同じように、合理的配慮の不提供の決定とか、決定プロセスの後に、トラブルが起きるとかという、やはり若干気になる、そういう今後、骨子を策定していく上で、なかなか1番難しいところで、紛争ってどういうふうに、実際そういうのが余り起きてきていないので、どういう感じで紛争が起きてくるかというのがわからない中でのイメージをしていく難しさを感じる主題ではありますが、多分、合理的配慮の内容とか実際の提供の、要するに「話と実際違うじゃないか」みたいな、そういう点とか、あとはそもそも建設的対話が十分できない。そういう、こちら側の担当者の資質の問題だとか、あるいは感情的なというか、情緒的な、そういう表現の仕方だとか、対応の仕方とか、そういう手続の問題、いろいろなことで紛争というのは多分起きてくるのかなというふうに思います。
そういうことに関する質的なものをどう高めていくかということが、紛争の解決にはなるのかなというふうに思いますが、特に防止のための幾つかマニュアルとか情報共有・研修、学生意識の向上、それから実施の仕組みづくりということですが、これにもう1つ加えると、今の白澤委員の大学間のこういうような仕組みということが、とても大事なような気がします。
そのほか、いかがでしょうか。
広瀬委員からお願いします。

【広瀬委員】 ここの文言で1つ気になるのは、不満を持ちという「不満」はちょっとよろしくないな。もしあれでしたら「不服」の方がまだよいような気がしました。

【竹田座長】 ありがとうございました。
鈴木委員、お願いします。

【鈴木委員】 鈴木です。
想像の範囲内なのですけれども、いつ対話を始めるかということに絡むと思うのですが、やはり私が日々接している中で、ここに絡んできそうなのは、やはり親がすごく絡んできそうだなという気がしています。
学生が不服を訴えるというのは、なかなかなさそうですけれども、親が入ってきそうだなと思うのと、あとは、だからこそ、今、親を見ていると、子供が小さいうちから発達障害の場合とかですと、診断を受けて、様々な社会資源を使いつつ大学につなげていくケースが多いので、どこの大学に入れるか、どういう配慮をしてもらえるかというのを、入学前からかなり交渉というのでしょうか。対話をしてくるかなと思うので、「入学前にこう言っていたじゃないですか」とか、「入試ではこういうことは問われていないではないですか」とか、ということで、入った後にいろいろと、ごくごく一部の方だとは思うのですけれども、そういうことがあるから、また大学は障害学生を入れたくないとかとなるのが、1番怖いなと思っていまして、ではどうすればよいかというのが、なかなか言えないのですけれども、その辺、少なくとも私の勘になってしまうのかもしれないですけれども、「障害学生等が」の「等」の方が、実は結構きちんと議論するというか、考えて制度設計というのでしょうか、ガイドラインというのでしょうか。つくっていかなくてはいけないのかなというふうな思いはしています。

【竹田座長】 ありがとうございました。
保護者の方も含めた対応ということですね。大事だと思います。
殿岡委員、お願いします。

【殿岡委員】 殿岡です。
あえて、学生の側(がわ)から発言させて頂きます。
障害学生は、紛争とか基本的に起こしません。まず不服があったら、1番多いのは泣き寝入りです。これが1番多いです。去年まで、こういった配慮を求めてこなかったから、今年も求めてこないでしょう。去年までもできなかったのだからって悩んでいるうちに、その辺は上がってくるのです。
ですから、紛争解決というよりも、その思いをきちっと大学と建設的対話ができるところまで持っていくには、その泣き寝入りしてきた障害学生が、そうではない、自分はこう思うということを言える、この環境が非常に大切で、そうでなければ、無論、解決プロセスが、絵に描いた餅になってしまう。
この場合、2つのプロセスがあると思っていて、1つは大学の側(がわ)が申し出てよいのだということを担当者が、あるいはそのような表現をふだんからしておく、書いておく、張っておくことが必要。
もう1つは、障害者支援を、教育からでもよいし、学校の中、会合に資料を出すときは、学校に出向くのでもよいのですが、障害学生をアドボケイトして、弁護していく側(がわ)の存在がないと、やはりたった1人で5人、10人の教授を前にして、口頭試問のように自分の弁解をするというのは、とてもできることではないので、やはりそこのプロセスを整理していくことが非常に大事かな。それがこの紛争解決プロセスが適切に回っていく鍵になるのではないかと思っています。
以上です。

【竹田座長】 ありがとうございました。
では、高橋委員。
あと併せて、時間が限られているので、今のようなお話というのは、もう1つ議題として挙げたかった「不当な差別的取扱いに関する考え方」とも関係します。それも併せて、続いて御意見を頂ければと思います。
発言が終わりましたら、マイクのスイッチを切って頂ければと思います。
高橋委員、お願いします。

【高橋委員】 信州大学の高橋です。
殿岡委員の御発言と、あと鈴木委員の御発言に関してということで、まず殿岡委員の発言に関して、学生への周知、この紛争解決のルートがあるのだ。納得がいかなかったら訴えるすべもあるのだということを学生に周知するということは、とても大事かなと思いました。
その際に参考になるかなと思ったのは、ハラスメント相談のようなもの、これは本当にここ10年ぐらい急速に各大学で進んでいるかと思いますけれども、やはりハラスメントに関する啓発のパンフレットのようなものとか、ポスターのようなものを学内でも見かけたりします。そのような形で、学生側に周知をするというのが1点かなということ。
あと、鈴木委員のお話に関して、確かに、学生本人はなかなか言えませんよというお話ですが、親の方から強く言ってくるというケースはあり得るかなというふうに思います。その際にやはり重要かなと思いますのは、きちんとした手続を踏んで、合理的配慮について意思決定がなされている。それが重要かなと思います。
前にもお話しましたように、1つ1つの合理的配慮の決定について、一々細かい文書をつくってというのは、それは大変なのですけれども、少なくとも1回はきちんとした手続を踏んでおく。何となく、なあなあで、こういうふうにやっておけばできるよね、みたいな感じではなく、きちんとこういう手続を踏んでこういう決定をしたよ。学生の方もそれで「じゃ、承知しました」ということを、文章をつくるぐらいのところも含めて、規程にのっとって手続を進める。
そういったことが、それに対する不服があったときに、どのプロセスに問題があったのか。大学としては、こういう観点からこういう決定をしたのだという説明ができるようにしておくこと。それが重要かというふうに思いました。

【竹田座長】 ありがとうございました。
西村委員、お願いします。

【西村委員】 富山大学の西村です。
合理的配慮への決定プロセスの進め方はとても大事だというふうに思います。
発達障害学生の場合、御自分の周りと状況の説明というのはできるかもしれないのですが、例えば教職員の判断を想像することが難しい場合に、そこをうまく支援者がつないであげることによって、相手の意図とか教育目標がわかっていき、納得してくれることは多いと思います。
ですので、決定プロセスを支援者が学生にそのことを伝え、内容を通訳していくことは、非常に大事になってくると思います。
学生が不服に思うことは、時には配慮の内容というよりも、態度とか差別的発言の方に反応することが多いので、紛争防止のための教職員への情報共有・研修というのは、基本的なところからしていかなければいけないということを実感しています。
以上です。

【竹田座長】 そうですね。支援組織が、ある程度しっかりしているということが前提になれば、前段の方で紛争が起きるということは、現実的には余り考えにくいかなというか、対話が続いている限りは、すぐ紛争には至らないわけですので、むしろ先生がおっしゃるように、教職員への啓発とか、周囲の学生の理解とか、意外とそういうところが大事なのかもしれないかなというふうには思いますが、併せて、冒頭にありました「不当な差別的取扱いに関する考え方」ということで、メモとしてあります、殿岡委員の方から御発言があった、そういう差別的取扱いが発生し得る場面、あるいは判断の視点、正当な理由の判断の視点、それから不当な差別的取扱いが発生した場合の、これは今の紛争解決方法ということで、学内体制づくりと併せて御意見を引き続き、あと5分ぐらいですが、頂ければと思います。
いかがでしょうか。
白澤委員、お願いします。

【白澤委員】 筑波技術大学の白澤です。
さっきのところに戻ってしまうのですけれども、殿岡委員がおっしゃった障害学生の後ろ盾になれるような人が必要なのではないかという部分については、私もすごく同意をしています。同時に、大学側も全然知識がない中で、障害のある学生と対応していかなければいけないというので、大学側にもやはりサポートをする人間が必要なのではないかと思うのです。
ということは、やはり、そういった当事者からの話合いをきちんと建設的な方向に向かわせていくための支援があってもよいのかなと思いました。例えば、話合いの場に第3者を入れて協議を進めるとか、あるいは双方に弁護士はないですけれども、サポーターがついたような形で、建設的な対話を作り上げていくことをバックアップするといった形で、こうしたことができるような相談機関があるとよいのかなと感じました。
同時に例えば、我々のPEPNet-Japanでもこれまで似たようなことをずっとやってきてはいるのですけれども、なかなか障害学生にとっても、大学にとってもそういった相談機関がどこにあるのか見えづらい現状があると思うのですね。
なので、例えばこうした当事者間の話合いをサポートできる機関が集まった相談ネットワークのようなものを全国的に作り上げていくことで、大学や障害学生に対して安心感を与えていくといった取組についても可能性もあるのかなと感じました。

【竹田座長】 ありがとうございました。
現在、学生支援機構の方の拠点校相談というのがあって、それは関わっている先生もいらっしゃると思いますが、結構、具体的な、いろいろ配慮事例についての相談というものがあったりして、そういうようなものを、さらに発展させたような形で、大学側、あるいは当事者の学生さんの方の相談に乗れるような専門的な組織というか、そういう機能というものが、ある程度あるとよいのかなというふうには思います。
殿岡委員、お願いします。

【殿岡委員】 やはり時間がないのですが、差別解消法のところをお話ししようと思います。
とりあえず、場面、発達障害の場面なのですが、受験・入学というところは、皆さん、すぐに思いつくと思うのです。これを外す学校はいないと思うのですが、履修登録みたいなときに、定期試験みたいなときに、さっき言った評価・評点だったりとか、それから履修に行く、行かないとか。あるいは、みんながいろいろなところ、オリエンテーションとか、海外に行くとか、どこへ行くとか、そういうときに、みんなで行かせないとか、あらゆるバリエーションがあるのです。
このバリエーションの中で、不当な差別的取扱いが発生していないかどうか。これをきちっと見極めていく作業というのは、合理的配慮の中で、そういうようなことは全く違っていて、おっしゃるように、やはりコンプライアンスに近い部分でもあるわけです。
結果として、実習に行くとかどこへ行くと決めたときに、できる合理的配慮に限りがあるということは事実なのですが、不当な差別的取扱いに関しては、私学も含めて完璧な義務なので、この義務が果たしてよいかどうかをチェックする作業というのは、いろいろな障害学生支援室にこの機能を全部持たせられるかどうか。できる学校は幾つかありますよ。全国的に言えば、幾つかあるとは思うのです。ここをやはりどう徹底していくか。さらに、それに対する利得はないのですが、そういった場合に要るのは何かとか、いろいろ議論、あえて、ちょっと繰り返しになるのですが、それと何が正当な理由になるかどうかという判断というのは、大変、結構、ここは二次まとめに書いていくとしては、新たに書き入れていく部分になっていくと思いますので、やはりそれぞれの場面における不当な差別的取扱いの禁止というのですけれども、きちっと言う、受験・入学だけでなく、あらゆるものを大学生活の中において適用させるような、そういった仕掛けが必要かなと思います。
以上です。

【竹田座長】 ありがとうございました。
いろいろたくさん不当な差別的取扱い、合理的配慮についても御意見を頂きました。これは、今後、二次まとめの取りまとめの中で、非常に重要な中心的なテーマになると思いますので、今日、この議題に関しての時間は一応ここで一旦区切らせて頂きますけれども、まだまだ御意見ある場合には、事務局等へ、メール等で結構ですので、御意見を頂ければと思います。
それでは、ここで一旦、10分間、休憩をとらせて頂きまして、残りの時間で、次の議事の二次まとめの骨子について、御議論を続けさせて頂きたいと思います。
それでは一旦休憩とさせて頂きます。
よろしくお願いいたします。


(休憩)


【竹田座長】 議事を再開させて頂きたいと思います。
次の議事、「第二次まとめ骨子について」に入らせて頂きます。
事務局より資料3について御説明をお願いいたします。

【小代課長補佐】 それでは第二次まとめ(骨子)(案)についての御議論ということで、中心となる資料は資料3です。それからその前提と言いますか、一緒に見て頂きたい参考の資料が資料2ということになりますので、資料2と資料3ということで、御準備頂ければと思います。
まず資料2でございますが、これまで、今後のスケジュールを示した資料の中で、「原案」という言葉を使っていました。「原案の提示」という言い方です。しかし、原案の前に全体の構成の姿を示すということ、すなわち、どういう形でこういうものをつくっていくかということはちゃんと整理した方がよいだろうということを考えました。それから、まだ議論が煮詰まっていない部分がたくさんありますので、その段階で原案という形でまとめてしまうのも、さすがになかなかしんどいところもありますので、今回は「(骨子)(案)」ということでまとめました。その「(骨子)(案)」をまとめるに当たって、これは資料2、前回御議論頂いた第二次まとめ取りまとめに向けた基本的な考え方でございますが、これを踏まえて、「(骨子)(案)」を作成いたしました。
一応、基本的その考え方をちょっとだけ振り返っておきますと、取りまとめの方針ということで、取組むべき内容について、できるだけ具体的に記述して、考え方を常に参照できるようなものにしようということが1つ。
それから2つ目、関係者間の共通理解、連携の推進を図るためのもの。つまり学生本人や大学の人だけではなくて、みんなが読むものとして考えようということです。
それから3つ目、「ニッポン一億総活躍プラン」ですとか、あるいは教育再生実行会議の提言、こういったものの実現に貢献するような形で、その提言内容を踏まえましょうということ。
それから4つ目、これまでも特に取組むべきとされた関係者間のネットワークの構築、それから人材・支援インフラ等のリソースの共有化を実現するための拠点の整備、こういったものについて整備の進め方についての記述・検討をしましょうということ。
あとは、先ほど、各種支援を行うに当たってのより所となる学生の支援内容に関する資料、こういったものの議論を踏まえましょうというのを基本的な方針としました。
当然、骨子案ですので、まだ具体的な記述といったところになっておりませんが、こういったものを踏まえた形で考えてみました。
資料3に戻って頂ければと思います。
構成です。大きく8つの項目からつくってみました。
1番最初です。「はじめに」ということで、その中で、これまでの法律的、制度的な整備ということで、権利条約から障害者差別解消法の施行までの流れ、こういったものの整理、それから障害を持った学生の在籍数が増加しているということ。それからこの二次まとめをなぜ今つくるかということについての考察、それから障害者基本計画との関係といったところ、こういったのを最初に前提条件として掲げておこうということを考えております。
それから2つ目として、障害学生の現状ということで、数といったものの概要ですとか、障害種別ごとの学生さんの数、そういったデータ。それからそのデータにつきましては、入学・進学・就職、諸外国の状況、これは先生方から御意見を頂いたところですけれども、こういったデータの整理を最初にしておこうということです。
それから3つ目としまして、第一次まとめで取組むべきとされた事項について、やはりそれがこれまでどういった形で進捗してきているかということを、一応、十分なところ、不十分なところ、あるかもしれませんが、整理しておこうということです。
そしてその上で、この検討会で検討の対象とするところはどこだったかということで、一次まとめと同じところを、それぞれ一次まとめから拡大されている部分、ここは最初、論点整理のところでまとめたと思いますが、これを整理しておくということです。1から4までが、背景の整理といった形かと思います。
それから5番目からが、実際の課題に対する記述ということになります。そしてこの5.が今、御議論頂きました合理的配慮や不当な差別的取扱いに関する考え方ということで、先ほど申しましたように、ここは4回までの議論の中でのものを並べておりますので、今回の議論が入っておりません。今、すごく大切な議論をたくさん頂きましたので、恐らくこの辺、そっくり差しかわるぐらいのお話になってくるかと思われます。ここは今日の議論を踏まえて、その内容が入ってくるかと思います。
さらに、この部分は非常に重要なので、1つ独立した最初の項目として立ててはいかがかという御提案でございます。
そして2ページ目です。
6.ということで、主要課題に対処するに当たっての考え方と、具体的な取組の方向性の例、こういったものを示すということでの項目を立てております。
そういう中で、小項目という形で(1)教育方法、それから(2)は初等中等教育段階から大学等への移行、いわゆる進学のところ、それから(3)は大学等から就労への移行、就職のところということ。それから(4)は、大学間連携を含む関係機関との連携に関するところ。
それから1枚おめくり頂きまして、今までの項目は、大体、重点検討事項という形での論点整理に沿ってきているのですが、中から1つ、この(5)障害学生支援人材の育成・配置といったことも1つ取り出して、項目に立ててみました。
これはやはり人材というものをいかに養成していくか。あるいは、そういうところが薄いところ、配置が薄いところに、どういうふうに配置していくか。あるいは、そういうものを共有するかという観点は、これまでも重要観点として御議論頂いてきたと記憶しておりますので、1つ取り出して、項立てしてはどうかということでございます。
それからこの後、(7)「その他」として、そのほかの観点を並べているということです。
それから大きな項目として、7つ目、7.障害学生支援ネットワーク(仮称)の形成ということで、これまでも随分御議論頂きましたように、連携のためのセンターとして支援インフラとリソースの共有の核となるようなものの整備しようということになりましたので、ここは1つ独立した形で項を設けて、その内容について記述してはどうかというふうに考えております。
それから最後「おわりに」ということで、今後の課題の整理などについて書くということでどうかということでございます。
それからこれに加えまして、机上にお配りしております、資料3に関連してそのほか頂いた主な意見を御紹介します。
これにつきましては、まず主要な課題に対処するに当たっての考え方と具体的な取組に関して、教育方法のことについて、2つ追加意見を頂きました。
かなり、個々具体の話になってきておりますので、こういったものを記述するということについては、御議論頂く方がよいということで、まだ、今は骨子案に入れておりません。
それから2つ目、(2)の初等中等教育段階から大学等への移行、進学といったところで、1つの追記意見ということで頂いた意見でございます。高等学校への指導という内容で、意識を高めるための指導といったことを入れてはどうかといったことがございます。
ここは、高等学校に直接御指導するといったことがどうかといったこともあり、また、高等学校へはいろいろな情報の発信といった項目が既にありましたので、そちらで網羅できるかと思いましたので、一応、こちらに御意見がございましたというところで御紹介しておりますので、併せて御議論頂ければと思います。
以上、その御意見と、あるいは取りまとめの案、骨子、こういったもの、それからこれまでの御議論、それからヒアリングの内容等も踏まえまして、第二次まとめにつきまして、何を中心に伝えるか。それをどういった構成で取りまとめるか。あるいはそのために必要な記載事項は何かといったこと。それにも恐らくいろいろな濃淡ですとか、メリハリとか、そういったものもあると思いますので、そういった観点を踏まえ、修正、あるいは加筆する事項等について御議論を頂きたいと思っております。
よろしくお願いいたします。

【竹田座長】 どうもありがとうございました。
大体、時間としては30分ちょっとですので、ただいまの御説明を踏まえまして、この骨子案をもとに、構成や項目立て、あるいはその中心となる内容、それからさらにつけ加えるべき項目などがありましたら、1ページ当たり10分ぐらいということになるかと思いますが、御意見を頂戴できればというふうに思います。よろしくお願いします。
まず1ページ目の「はじめに」から、5番目までが、合理的配慮と不当な差別的取扱い、先ほどの議論ですが、その辺につきまして、特に、この二次まとめの基本的な考え方は、取組むべき内容について、できるだけ具体的に記述するということが方針になっておりますので、その観点から御意見を頂ければと思います。よろしくお願いいたします。
いかがでしょうか。「はじめに」ということで、これまでの流れ、それから2番目としては現状、それから一次まとめがどうなっているかという現状、確認ということというふうにいきますか。このあたりはいかがでしょうか。
殿岡委員、お願いします。

【殿岡委員】 殿岡です。
2番の大学等における障害学生の現状とかは、高等学校や特別支援学校から進学をしていくのですが、その現状ですね。これは学校基本調査とか、よく読んでいくとわかるのですが、毎年、特別支援学校から何人が大学へ進学して、高等学校から何人が進学していて、高等学校も通学制とか通信制とか、種目ごとにあると思うのですが、私ども独自に調査している中では、7割ぐらいが高等学校から、残りは支援学校とかということになるのですが、ここではやはり現状をきちっと文科省からデータを出して頂いて、どういう形でどういう特色が、大学に進学しているのか。それから、どういう障害種別にわたって分布しているのか。そのあたりきちっと明らかにして頂けると、この後、移行支援のところも含めて、非常にわかりやすくなるのかなと思いますので、ここは、特別支援課さんとも協調しながら、是非データをつくって頂ければと思います。
以上です。

【竹田座長】 ありがとうございます。
今日、市川委員、御欠席ですが、特別支援教育からの移行ということも含めて、この中にできる範囲で盛り込めたらよいという御意見でした。
そのほか、いかがでしょうか。
石川委員、お願いいたします。

【石川委員】 石川です。
5のところについてなのですが、1つ教員による不当な差別的取扱いについて、若干例が出ているのですけれども、演習での受入れであるとか、研究室の受入れなどについて、学生主導で学生がゼミや研究室を選ぶというふうになっている大学もあれば、教員が学生を選ぶような運用になっている大学もあるように思うのですけれども、いずれにしましても、明示的あるいは非明示的に、教員が障害のある学生の研究室への配属やゼミ実習に対して、消極的あるいは否定的な態度をとるようなことは不当な差別的取扱いの例としてありそうなことで、1番なくすべきことかなというふうに思いまして、そのことについても具体的な問題として取り上げていった方がよいのではないかというふうに思いました。
もう1点は、初等中等教育段階で、例えば、軽度発達障害等の診断が出ていて、保護者と学校との間ではそういうことは共有されていて、何らかの相談をしながら進めているけれども、本人には知らされていないという場合は結構あると思うのです。
そのままの延長線上で、高等教育に進学して、そこでも何らかの配慮は、保護者と大学等の間でやっているという場合に、差別解消法の枠組みに乗ってこないわけですけれども、それをどのように整理すればよいのかということについて、何も書かなくてよいのか。何かしら書いておいた方がよいのかということについて、ちょっと気になっています。
以上です。

【竹田座長】 ありがとうございました。
後者の方は、先ほどのエビデンスというか、根拠ということとも関係してくるのかなと思いますが、いかがでしょうか。それについても結構ですし、時間も限られていますが、それ以外のことに関しても結構ですが。
保護者の方が御本人に言わないで、支援を求められてくることというのは、多分、現実にはもう既に出てきているケースかなというふうに思いますけれども、そういうものを具体的にということですので、そういう場合には、どういう対応が望ましいかというのは、なかなかケース・バイ・ケースで難しいところで、書けるのかどうかというあたりは非常に難しいところですが、先ほどの根拠論から言えば、御本人がある程度わかっていて、御本人がはっきりと、いずれは御本人がということも考える方が望ましいという意見もありますし、今までのそういう支援を余り崩してほしくない、支援の在り方を崩してほしくないという、そういう要望が強いというのも、多分、現実的にはあるかなと思いますが、西村委員あたりいかがでしょうか。
それで先ほど、そういうケースも多いかなと思いますけど。

【西村委員】 西村です。
確かに高校まで、本人は知らないけれども、保護者の方が教員とさりげなく配慮しているというケースはあると思うのですが、高等教育では、やはりそれではうまくいかないことの方が多いし、やはり自分自身の困難さを自分で把握していくということと、社会に出ていくときにも必要なことで、ずっと家族が陰ながら支えていくのは難しいのかなと思います。

【高橋委員】 信州大学の高橋です。
小学校段階での特別支援教育ですと、やはりこの決定、判断、選択というのは親の判断ということになるかなと思いますけれども、やはり大学進学という段階では、これは特別支援教育ではないので、本人が理解しているということが前提かなと思います。
ただ、そこで判断が少し難しいかなと思いますのが、高専の場合ですと、中学卒業の段階で入学してくるという場合に、どこまで御本人の理解と判断を、決定を求めるのかというところでは、やはり高校卒業段階の年齢の人とは少し違う部分もあるかなと思いますので、そのあたり、どう扱っていったらよいのかなというのは少し悩むところです。

【竹田座長】 矢澤委員、いかがでしょうか。

【矢澤委員】 仙台高専の矢澤です。
前回の会議でも、このお話、いろいろ御意見を頂いて、私も勉強になったのですけれども、現実問題として、現場としては、やはり中学校から入学してきた高校1年生年齢の学生さんが、支援という場合には、やはり保護者主導がどうしても多いです。
ですが、前回までの会議でもいろいろ御意見がございましたように、その中でもやはり自分で意思表明をできるように、何とか支援して働きかけてあげることが必要だということも、私、非常に勉強になりまして、ですので、確かにどう書いたらよいかよくわからないのですけれども、そういう最初の段階では、保護者主導でということも認めつつも、やはりそこには、実は、私、再三お願いしてきました人材の配置というのがキーになってくると思うのですけれども、SSTも関係してくるのだと思うのですが、そのままでずっとよいということではなくて、大学4年なり高専5年なりの間に、本人が自分の状況をきちんとわかって、それをきちんと意思表示できていけるような支援をしていくというようなことを、何らかの形で入れることができれば、高専の立場としても非常に有り難い。
前回の会議の後で、そういえばと思ったのですが、低学年のうちは高専で、確かに保護者主導なのですが、やはり大学1、2年に相当する4、5年生になってくると、先ほど見直しも必要だという話があったのですけれども、本人が意思表示を始めるケースも高専では見ていますので、そこをうまく支援してあげるような人材なり財政なりというのをつくっていくということが重要かと思います。それを何らかの形で入れることができれば、非常に有り難いと思います。
以上です。

【竹田座長】 ありがとうございました。
2番目に書かれている保護者、日本の場合は特に保護者との対話をどういうふうに、よい方向に生かしていくかというあたりも課題になってきそうな。何らかの形で、保護者のみしか知らない場合の対応というものが、この中に組み込めればよいかなというふうに思います。
広瀬委員、お願いします。

【広瀬委員】 放送大学の広瀬です。
今の矢澤委員の御発言に賛成です。
例えば5番目の丸の6のところに、「本人や関係者による正当な権利主張を促すための仕組み作り」、例えばこのあたりを、障害の本人及び保護者や支援者のその障害の理解や自己理解、セルフ・アドボカシーの教育、実にそのあたりがとても大切だと思うのです。
今、私たちは彼らにどんな支援をしたらよいかということをずっと議論しているけれども、彼らは社会に出ていって、また自分の力で人生を渡っていかなくてはいけない。そのときに、パターナリズムだけではなくて、やはり自分を理解し、自分にどんな支援が必要なのか。それがあれば、どうやって仕事なり人生を渡っていけるのかというのを、しっかりと教育してあげるということがとても重要だと思います。
今の状況ですと、例えば発達障害の学生さんが授業の中に1人いると、大変それはそれなりに苦労することが多くて、多くの教員は早く卒業してほしい。それで本当に正当な評価よりも、もっと高い評価を与えて、卒業させてしまうというのを何度も見てきました。
就職ができないケースがやはり多いのですけれども、そうすると自分の大学院には欲しくないけれども、どこかの大学院に行かせる。本当にそれが現実で、私は見てきたことがあるのですけれども、なぜその子が、例えばAをとれなくてBなのかというのは、しっかりと教えてあげる。それで自分の強みと弱みを理解させるということが、実は、その人の長い人生にとってとても大切なことだと思います。ですから、今、矢澤委員がおっしゃったところは、しっかりと入れることが大切だと思います。

【竹田座長】 ありがとうございました。
西村委員、お願いします。

【西村委員】 西村です。
ほぼ私も同じ意見なのですが、高校になると、やはり単位がとれないと留年します。高専も同様だと思います。修学上の危機的状況というのは、自分自身の困難さと対峙(たいじ)する機会にもなります。
大学に行かないとできないのではなくて、私は高校段階から、そういう対話ができるようなると思っていて、保護者には現実に起きている事実をきちんと伝えていき、本人が何に困り、どういう配慮があればうまくいくかということを伝えていけば、それは保護者ももちろん納得されることも多いと思います。やはり保護者との対話し、その中で現実的な問題と解決方法を伝えていくということが効果的であると思っています。
以上です。

【竹田座長】 ありがとうございます。
このあたりは、もしかしたら大学側からの発信ということもとても大事で、大学に合った支援の在り方というものが、高校段階から見えるという形で、今後の高校段階での先ほどおっしゃったようなケースというものが、むしろもうちょっと変化してくる素地というのはあるのかなというふうには思います。
それでは次の部分というか、2ページ目の主要な課題に対処するに当たっての考え方と具体的な取組という方に移らせて頂きたいと思います。
この辺は、いろいろな項目がございますので、次のページの「その他」の前の(5)の障害学生支援人材の育成・配置までのところで区切らせて頂いて、御意見を頂戴できればと思います。
教育方法、それから移行支援、それから就労支援の問題、それから大学間連携、関係機関との連携、それから今、言いました人材の育成・配置というようなテーマでありますが、それぞれどの項目からでも結構ですので、御意見を頂ければと思います。いかがでしょうか。
大島委員、お願いします。

【大島委員】 日本マイクロソフト、大島でございます。
ちょっと細かい点が多くなってしまいますが、幾つか意見させて頂きたいと思います。
まず教育方法のところなのですけれども、1番目の「教材や支援機器の開発・使用」ですが、「開発」という言葉が最初に来ていることで、「機器を開発する」ということを言っているようにどうしても見えてしまいました。ここで多分言いたいことって、「ただの教材ではなくて、使える、アクセシブルな教材の開発」ということだと思いますので、例えばですが、「アクセシブルな教材の提供」ですとか、機材のことで言うと「開発」ではなく、「支援機器・支援機能の情報提供、貸出し」「研修等による活用促進」のような言葉が言いたいことにあっているのかなと思いました。
また2番目のアクティブ・ラーニングや反転授業への対応というのも、ちょっと違和感がありました。大学の先生方にとって、これもした方がよいということでしたら、もちろん残して頂いてよいのですが、これをわざわざ取り出して書かれていることに、私は違和感がありました。
また教育方法の最後の部分なのですけれども、「他大学への提供可能な」という部分も、特にテキスト・データに限ることではないと思いますので、例えばですが、「他大学へのアクセシブルなデータの提供」などの言葉がよいと思いました。また「講義」についても、インターネットに限ることでもないと思いますので、「講義の映像提供」というぐらいの書き方でよろしいのかなというふうに思いました。
また、追記意見で、ここに頂いている件も、まとめると、多分、「試験時における代替データ、手段の提供」みたいな言い方で、細かい言い方をしなくても、まとめられるかなと思いました。
また、(3)と(4)の部分なのですけれども、ハローワークぐらいはと言ったら変なのですけれども、違和感がなかったのですが、ACEさんですとかAHEADですとか、PEPNetさんですとか、もちろん、それぞれすごくすばらしい活動をされていることは承知しているのですが、ここにこういう団体名が入ることに、少し違和感がありました。
それぞれの団体が、こういう団体で、こういうことをしているというのが、むしろ別に情報提供のような形であったりする方が、団体名を出す目的としても合っているのかなというふうに思いました。
以上です。

【竹田座長】 ありがとうございました。
本文、参考資料の分け方というか、配置の問題とか、1番最後におっしゃったのは、大事な点かなというふうに思います。
そのほか、教育方法は多分現場ではいろいろ、より具体的なということですので、これまでの議論でもあったような、本質とは何かとか、こういう場合はどうするかみたいなもの、できるだけ何か、多少なりともコミットできるものが書ければということで、いろいろアクティブ・ラーニングとか反転授業とか、ゼミ形式の問題とか、あるいは実習問題とかということが少し書き込めればということかなと思いますが、いかがでしょうか。ここだけでなくて、ほかの部分も含めて、人材育成までの部分で御意見があればお願いいたします。
村田委員、お願いします。

【村田委員】 村田です。
何点かありますけれども、1ページ目の最後の方に、事前的改善措置に関する記載があります。やはり現場で支援に携わっている者として、合理的配慮や不当な差別的取扱いも非常に重要なのですが、事前的改善措置の部分についてももっと強化してもらえないかなという期待を持っています。
例えば、これから支援をやっていこうと大学の話をうかがっていると、我々から見れば、それは合理的配慮というよりも事前的改善措置の範囲であると思えるようなケースもあります。もちろん、既に支援を進めている大学であっても、事前的改善措置が不十分であるということは多いと思います。
例えばハード面のこともそうですし、今、大島委員からも御発言があったような教育方法とこともあります。教材については、1大学だけの問題ではないかもしれませんが、そういったところのベースアップに関して、どこか強調されてもよいかなと思います。
これについて、1つの項目として取り出すかどうかというのは、バランスの問題があると思いますが、多くの人が見たときに、合理的配慮、不当な差別的取扱いと同じように、事前的改善措置もどうやら重要らしいぞということがわかるようなものになっていればよいかなと思います。
また、細かい点なのが、6の(5)のところ、支援人材の育成・配置の部分ですが、これを1つの項目として取り出して頂いたというのは非常に大切なことだと思います。
その中の1番最後の4つ目の丸のところで、支援学生に関する言及があります。この後半部分で「支援学生の負担軽減のための仕組みの充実」という記載がありまして、確かに現場レベルではそういう視点もありますが、負担という表現がややネガティブな記載方法かなと思いました。言いたいことはわかるのですが、運営の仕組みとか、ノウハウというような表現に書きかえることも御検討頂ければと思います。
また、最後ですけれども、6番の中で、様々な連携機関とかネットワークとの連携とか、あるいは就労関係に関してはハローワーク等々ということが記載されていると思うのですが、個人的に1つどこかで加えられないかなと思っているのは、学会のことです。
今回の検討会の中で、学会のやるべきことというのをどう言及するかというのは難しいところがあると思うのですが、学生たちの支援に携わっている中で、非常に支援が受けにくい相手として、残念ながら、学会というものがあると思っています。
学内で合理的配慮を受けながら研究していたとしても、例えば学会で発表したり、参加したりする際に情報保障が受けられないとか、場合によっては、「支援者をあなたが連れてきなさい」と言われるということがあります。
学会がやるべきことをここで言及することは難しいかもしれないですが、そういったことについても何か発信していくとか、そういったことが重要かと思いますので、どこかで一言、学会に関することが加えられるとよいのではないかと思います。以上です。

【竹田座長】 ありがとうございました。
学協会ということになると思いますが、どういう形でそれが。当然、その所管省庁があると思いますので、そういうところがどういうふうにこの差別解消法を、そういったようなところに波及していくかということとも関連してくるかなと思います。
そのほか、いかがでしょうか。
石川委員からお願いいたします。

【石川委員】 今、学会の話が出ていたので、是非学会誌、学会ジャーナルのアクセシビリティーの推進という点も入れられるようなら入れたいです。真面目な話、非常に重要だと考えています。
もう1点なのですけれども、入試に関しては、点字だとか、拡大だとか、DAISYだとかという話はあるのですけれども、面接入試に関しての議論って、余りしてきていないような気がするのですけれども、今日、面接入試においては、圧迫面接はするなというふうに言われていて、何か矛盾があっても矛盾を突いてはいけないとか。困るような質問はするな。つまり相手が、受験生が想定の範囲内の答えやすい質問を投げて、それに対して適切に答えられるかどうかだけを見るという、つまり、面接という共同作業を適切に達成できるかどうかだけを評価していく流れになっているように思います。
それは、例えば発達障害を持った学生にとっては、かなり不利に働くような種類の場面になっているように感じます。無難なことを、はきはきと元気に、とにかく適切に話せるかどうかだけを見ている。それ以上のことは見てはいけないとされているようなのですが、それで一体何を選んでいるかというのは、前々からわからないなと思っていたのですけれども、という問題提起です。

【竹田座長】 ありがとうございました。
殿岡委員、お願いします。

【殿岡委員】 殿岡です。
私からは、(2)の移行(進学)の部分に関して、少しお話をします。
意見にもちょっと書いたのですが、高校段階も本当は非常に重要になってきています。具体的課題に関してはわからないのですが、現状認識としてお話していくと、2012年に、インクルーシブ教育の報告が中教審で出ているわけですね。
あれを読んでいくと、いろいろ書いてあるわけですが、差別解消法ができて以降、あの報告がどう変わっていくのか、あれにどう差別解消法を乗せていくかという議論は、まずないのです。だから、どうしても支援内容が引継ぎということに、限定せざるを得ないという実態がある。
本来であれば、高等学校における合理的配慮、あるいは高等学校における不当な差別的取扱いの禁止ということは、しっかり方向性を本人に言って、頭に入っていけば、必然的に自分の障害の理解というところへ進んでいくわけですから、それが1つ。
それから、引継ぎというところでは、個別指導計画あるいは個別支援計画も思い浮かべることが多いのですが、これも基本的には、高等学校までは学習指導要領があります。学習指導要領による集団指導体制を原則として、それができない生徒を、個別と呼ぶわけです。個別支援で計画をつくっていく。
こういう文脈の中では、やはり獲得すべき合理的配慮が何かという視点もない。頑張って学習指導要領に基づく指導体制に合わせていけば、必然的に個別指導という概念がないという初中段階と、もともとそういった姿勢というものが存在していない(高等教育)、もっとはるかに自由な形の法的提供における合理的配慮でずっと成長してきているわけですが、ここからの違いというのが、どうしても移行ということに大きな影響を与えているのだろうな。
個人的には、15歳過ぎたら、自分の障害ということを見つめていける時間なりプロセスというものが大事だと思うわけですが、そういったことを醸成していく中で、障害者本人の中から自分の内容を大学に向けて伝えていけるような中身が必要で、そういった場合どうしても、外側からの評価、本人側からではない評価、しかも、集団指導か、個別指導かという中で作成された資料を読むということになると、やはり、配慮、概念、大学によって差別解消という意味で、合理的配慮とは異なる概念形成によってつくられた資料でしかない。
だから、そこをきちっと大事にして、大学に入ろうと思ったときには勉強する。基本的に勉強するわけですが、大学に入ろうと思ったときに、自分を知るということのきっかけづくりをして、例えば移行というのを捉えていくことで、大学における合理的配慮の内容が、それで十分に生かせるような移行体制支援が大変だという評価があると思いますが、全部理解しておくよう、大学において、視点を持った上できちっと見ていきたいと思います。
以上です。

【竹田座長】 どうもありがとうございました。
時間の関係もございますので、今の移行支援、大きなテーマになっているかな。教育再生実行会議のことの関係もございますので、今後も少し追加して御議論頂くことになるかと思います。
それでは残りの時間は、その他から7番の障害学生支援ネットワーク(仮称)について、それから「おわりに」というところで、御意見を頂ければと思います。
いかがでしょうか。
この辺も今までいろいろ御議論頂いたことと、少し重複しているところもあるかと思いますが、特にネットワークづくりの大事なこともあるかと思います。
西村委員、お願いします。

【西村委員】 西村です。
実は、2のところの障害学生の現状で、就職の状況というところにも関連したり、今、お話の話題にありました6の(3)就労への移行についてというところにも関連したり、今(6)のその他のところにあります大学等を卒業した障害者の社会における活躍事例の紹介というところにも関わるのですけれども、実際に就職率とか、どんな就職の体系、一般就労か障害者就労かということとかは、JASSOの資料で出ていて、これまでのデータの分析とかも見せて頂いたのですけれども、やはり就職がどのように継続雇用につながっているのかというあたりを、本当はもっと知りたいと思います。

【事務局】 継続かどうかは。

【西村委員】 そこの実態が知りたいなと思います。つまり、就職した後、継続雇用になるためのヒントがあるはずで、職場環境とか、どういうふうな中でどういう仕事をしているのかとか、どういうところを配慮されているのかというのが、とても関心があります。うまく整っているところは継続雇用ができているような気がするのですが、一般枠で就職した場合、なかなか就職した後、ちょっとしたことの困り事を言うところがないので、結果的にやめることを選択する人も多いと聞いています。
本当はこの6番の(3)に入るのか、(6)の今の丸のところに入るのかわかりませんが、企業で継続雇用を実現するための工夫とか、成功事例とかを紹介して頂くと、それが大学での支援にも、非常によい影響を与えるのではないかというふうに思いました。
以上です。

【竹田座長】 どうもありがとうございました。
あとお1人ぐらい、いかがでしょうか。
鈴木委員、お願いいたします。

【鈴木委員】 わからないところなのですけれども、6の(4)と(7)とか、その他というのが、どういうふうに切り分けられているのか。重なっているのかとかがわからないのですが。その辺がどうかな。

【竹田座長】 事務局の方から補足でお願いします。

【小代課長補佐】 学生・留学生課、小代でございます。
御指摘のとおり、例えば連携と、それからネットワークという話でいくと、確かに重なっているというのはあります。これは確かに御議論頂いたものが、いろいろなところに飛んでいるものを、少し重点検討事項の中に落とし込んでいったというところがあって、前回、ここ、今日で言う資料2の内容といったところの再掲という形で示したものです。
ですから、幾つかのところに、その要素としては、この方が入り得るということで、おっしゃるとおり、重複している部分があります。
しかしながら、それは今後、整理していかないといけないということで、今頂いた御議論で、これに軽重をつけて、段をつくっていくということになります。
そしてさらに、(4)と7.というのがどうかという話でいくと、(4)のところは組織をどうこうするという話でなく、やはり連携という形で、今ある組織としての情報の共有であったりということを主に念頭に置きます。
それから1歩進んで、7.といったところは、これはある程度組織化して、組織的にいろいろなことを行っていくということの1つの組織と言いますか。そういったものをイメージしていますので、ここには何らかの支援を含めて、新たな組織を構築するというようなイメージを持っています。

【竹田座長】 よろしいでしょうか。

【井上課長】 文科省の井上です。もうちょっとざっくり言うと、6.に主要課題に対する取組ということで、個別に基本的には書いています。基本的にはここで、主要課題の対象を書くのですが、7.は新たにそれをもとに予算化して次に踏み出す、いわば新たな予算プログラムを念頭に置いての具体的な取組を、ここに特に書いているというふうに御理解頂くと、よりわかりやすいかなと思います。

【竹田座長】 ありがとうございました。
7.が1番重要かなという気がします。6.までの御議論を踏まえて、新たな第1歩というのが7.というふうに理解させて頂きました。
まだまだ御議論あると思いますが、次回、原案ということで、代表の案を御提示して、またそれをもとに御議論頂きますので、今日は時間も限られておりますので、今日のこのバージョンゼロと言いますか。最初の文章をもとに、また委員の先生方、事務局の方に御意見を頂きまして、それをもとに次回、原案をたたき台として上げさせて頂ければというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは最後に、当面の検討会のスケジュールについて、事務局から御説明をお願いいたします。

【小代課長補佐】 学生・留学生課、小代です。
資料4を御覧頂きたいと思います。当面の検討会のスケジュールについてということです。
本日が第5回、8月17日ということです。次回は第6回ということで、9月28日水曜日の15時から18時ということで予定しております。第二次まとめの原案といったところで、できるだけ今日の御議論を含めて、原案を提示した上で、引き続き御議論を頂きたいというふうに考えております。
以上でございます。

【竹田座長】 ありがとうございました。
本日の議事は以上ですが、そのほか、会合全体を通しまして、御意見等はございませんでしょうか。
それでは、以上で障害のある学生の修学支援に関する検討会第5回を終了いたします。
どうもありがとうございました。


お問合せ先

文部科学省高等教育局学生・留学生課

-- 登録:平成28年09月 --