所得連動返還型奨学金制度有識者会議(第6回) 議事録

1.日時

平成28年2月5日(金曜日)14時~16時

2.場所

一橋大学一橋講堂 特別会議室

(東京都千代田区一ツ橋2-1-2 学術総合センター2階)

3.議題

  1. 所得連動返還型奨学金制度について
  2. その他

4.出席者

委員

小林委員,赤井委員,阪本委員,島委員,濱中委員,樋口委員,不動委員,吉田委員

文部科学省

常盤高等教育局長,松尾大臣官房審議官,井上学生・留学生課長,川村学生・留学生課課長補佐,八島学生・留学生課課長補佐

オブザーバー

高橋理事長代理(日本学生支援機構),甲野理事(日本学生支援機構),宗野顧問弁護士(日本学生支援機構),藤森奨学事業戦略部長(日本学生支援機構)

5.議事録

【小林主査】  それでは,少し定刻には早いですけれども,委員,事務局おそろいですので,これから所得連動返還型奨学金制度有識者会議(第6回)を開催いたします。皆様,御多忙中にもかかわらずお集まりいただきまして,誠にありがとうございます。


 まず議事概要の確認についてですが,資料1,第5回議事概要(案)の内容を御確認ください。修正意見等があれば,2月12日金曜日までに事務局まで御連絡をお願いいたします。その後,私と事務局で修正内容を調整させていただいた上,議事概要として確定させ,文部科学省ウェブサイトに掲載させていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。


 それでは,議事に入ります。前回会議第5回では,返還率や返還猶予の適用年数などについていろいろ議論をいたしました。条件設定を変えて,新しい所得連動返還型奨学金制度を導入した際の回収金の予測についてシミュレーションを行っていただいたわけであります。今回は,保証制度,機関保証と人的保証及び返還期間など新たな条件設定をいたしまして,改めて回収金予測のシミュレーションを行いました。また,返還率についても変更いたしましてシミュレーションを行いましたので,それらについてまず御報告を頂きます。


 それから,本日は,前回までの議論も踏まえまして,この新しいシミュレーションを含めまして,中間まとめの検討素案を更新いたしました。本日が中間まとめのたたき台としてはこれが最後になりますので,それについて御審議いただきたいと思います。


 では,まず事務局から御説明よろしくお願いいたします。



【川村課長補佐】  それでは御説明させていただきます。まず資料2をごらんいただければと思います。資料2,前回からお付けしております概要資料を若干シンプルにいたしました。左側が現行制度,定額で返還額が設定されるというものでございまして,1万4,400円のケースでございますけれども,年収300万円以下のところは返還が猶予されるということで,通常10年でございますけれども,赤い米印のところ,現在の所得連動返還型による措置として,家計支持者の年収が300万円以下の場合には返還猶予の期限なしというもので,これにつきましては新制度においても引き続き適用するということで御議論いただいております。


それから,右側の新制度に移りますと,所得に応じた返還額の設定をする新所得連動返還型,また定額返還型の二つから申込時に返還方法を選択して,卒業時まで変更を可能とするということで御議論を頂いております。新所得連動返還型の方のグラフのところで現在論点となっておりますのは,左下のところにあります返還月額の下限,2,000円から3,000円というところ,それから,この傾き,9%と仮に設定しているところ,また,通算10年と書いております返還猶予の期間,これらにつきまして前回までに御意見を頂いたところでございます。


 それでは,資料3でございます。こちらは前回お配りいたしまして御議論いただきました中間まとめの検討素案でございます。中身につきましては,文言修正以外基本的には変えておりませんので,大まかな変更点のみごらんいただければと思います。


 前半はもう全て同じでございまして,10ページ以降でございます。10ページからが新たな所得連動返還型奨学金制度の設計についてということでございます。これまで御議論いただいたものを前回まとめてお示しいたしまして,(1)対象とする学校種,(2)奨学金の種類,無利子奨学金から先行的に導入,(3)奨学金申請時の家計支持者の所得要件については全員適用,(4)貸与開始年度は29年度新規貸与者から,(5)返還を開始する最低所得金額は年収ゼロ円からということで,これについてはこういった方向でということでございました。


 (6)の最低返還月額につきましては2,000円から3,000円ということで御議論いただきまして,次の12ページに,前回会議での御意見ということで太枠括弧で前回頂いた御意見の概要をお示ししております。まず回収率が2,000円と3,000円でそれほど変わらないのであれば2,000円とすべきではないかという御意見。また,最低の返還月額を高くすると,猶予を申請する人が増加することが予想され,結果的には回収金額が増えないことも考えられるため,なるべく低い額で設定すべきではないかという御意見。また,最低の返還月額は猶予期間の長さと併せて検討すべきではないかという御意見がございました。これに基づきまして,2,000円と3,000円でもう一度シミュレーションを行って,更に検討するということで御指示を頂きました。


 なお,この返還月額が2,000円から3,000円となることが想定される方の例を挙げておりますけれども,例えば専業主婦の方,ニート,フリーターの方,パートタイム労働者で年収が約150万以下の非課税の方,また定年退職者(65歳以上)ということで,これらのうち,家族主義となってまいりますと,被扶養者となっている方は除きまして,そういった方が返還月額が2,000円~3,000円となることが予想されるということでございます。


 それから,(7)につきましては,返還猶予の申請可能所得及び年数ということで,特に年数について御議論がございました。通算10年ということで案としてはお示しいたしておりましたけれども,太枠括弧の中でございます。猶予期間については,家計の急変等に対応するためにも猶予制度は引き続き設けるべきではないかという御意見。また,返還額が下がることに鑑みると,猶予期間を短くすることも検討すべきではないか。10年と15年で回収率が変わらないのであれば,猶予期間を長く設定することも検討すべきではないか。現在でも年収300万円以下で猶予を申請している人は非常に少ない。新制度は返還額が下がることから,10年に設定しても上限期間猶予を使う人はわずかであることが予想され,現行と同じく10年と設定すべきではないかという御意見がございました。また,いわゆる現行の所得連動と同様の家計支持者の年収によって猶予の期間制限を設けない仕組みについては,新制度でも存続すべきという御意見でございました。


 それから,(8)の返還率でございます。これについては。8%,9%,10%,12%で御議論いただきました。まず国の財政負担を抑えるために返還率は高く設定すべき(10%や12%)でははないかという御意見。また,今回のシミュレーションでは,回収額の何十億の違いというのは誤差の範囲ではないかという御意見。それから,個人の返還額として考えた場合に,どの程度まで負担が求められるかという観点からの検討が必要ではないかという御意見。また,返還率を高くすると,年収300万から400万の返還者が多い層で負担が重くなるということで,所得連動型を選択する人が少なくなるということが予想されることから,新制度を活用されるようにするためにも9%又は10%程度とするのがよいのではないかという御意見がございました。これに基づきまして,8%から12%である程度パターンを作成してシミュレーションを行って更に検討するということで御指示がございました。


 (9)の返還期間でございます。これは35年,65歳又は現行どおりということで御意見を頂きました。前回の会議では,返還期間35年又は65歳のうち長い方としてはどうかという御意見。また,現行どおり,返還が完了するまで返還期間は続けるべきではないかという御意見。返還者が高齢となった場合に債権管理コストを考慮すべきではないかという御意見。また,65歳は年金受給開始年齢として設定されていますが,雇用保険法の改正で65歳の要件は外れるということで,その合理性が問われるのではないかという御意見がございました。なお,この返還期間につきましては,返還を途中で免除するということになってまいりますと,現在全て法律で定められている事項でございます。したがいまして,35年又は65歳で返還を免除するという仕組みを検討するということになってまいりますと,法律改正が必要になってまいりますので,相応の理由が求められてこようかと思います。


 それから,(10)の所得の算出方法でございます。こちらにつきましては,課税対象所得ということでございましたが,その用いる額と致しましては,役所から得られる書類をそのまま課税対象所得,住民税の方で所得を算出してはどうかという御意見。また,収入額に基づいて仮想計算した額を用いるのがよいのではないかという御意見がございました。


 (11)の個人主義,家族主義につきましては,いわゆる被扶養者になった場合ということでございます。これにつきましては,扶養者のマイナンバーの提出を求めて,この提出があって,返還者と扶養者の収入の合計が一定額を超えない場合のみ,新所得連動型による返還を認めるということで方向性を頂いております。


 それから,(12)の保証制度でございます。こちらは前回議論がここまで及びませんでしたので,今回シミュレーション等で設定をしておりますので,また御議論いただければと思います。


 (13)の返還方式につきましては,前回の御意見で,卒業後の収入に応じて返還額が分かるシミュレーターを準備すべきじゃないかという御意見がございました。


 それから,その次の5点目のところ,今後検討すべき事項でございます。これは前回項目のみお示ししておりましたが,この項目にそれぞれ文章である程度これまで頂いた御意見等も踏まえまして記載いたしております。


 1番目の貸与総額の上限設定につきましては,複数の大学や大学院に行く場合に貸与総額が多額となる場合があり,大幅に返還額が借りた額に満たないというケースが生じることが考えられますので,その上限設定を検討するということ。


 2番目の貸与年齢の制限につきましては,社会人学生の増加等が見込まれる中で,貸与年齢についても制限を設けることを検討すべきではないかという点でございます。


 3番目は,学生等への周知方法・内容,4番目は,海外居住者の所得の把握・返還方法,5番目は,有利子奨学金への導入に係る検討,6番目は,デフレ・インフレ等の経済情勢の変化に伴う詳細設計の見直しということで,物価が重要な要因となるので,実質所得も考慮に入れた上で制度の安定性・公平性についての見直しが必要であるというのが今後の課題でございます。


 7番目につきましては,既に返還を開始している者等への適用ということです。現在,29年度新規貸与者からということでございますが,現在返還をしている方についての適用についてどうするかというようなことでございます。


 次のページにつきましては,(2)奨学金制度全般についてということです。1番目の割賦月額,それから,返還期間につきましては,現在の定額の方の割賦月額,返還期間は,平成6年に改定された後見直しが行われておりませんが,その後の経済情勢の変化等を踏まえて見直しをするかどうかということでございます。


 2番目の返還金回収における徴収方法。現在は口座振替でございますが,海外では源泉徴収による徴収の国もございますので,この在り方について検討すべきではないかということ。


 3番目は,授業料減免,給付型奨学金及び予約型返還免除に関する検討ということです。これは学生への経済的支援の在り方に関する検討会のまとめでも御議論いただいておりました給付型,それから,返還免除等につきまして,将来的な制度創設に向けた検討を進めていくことが求められるのではないかということでございます。


 4番目は,民間奨学金事業団体との連携,それから,返還終了者等による事業貢献の促進ということです。民間の奨学財団との連携・育成といったこと,また,税制改正で日本学生支援機構への個人寄附の促進が図られる制度,税額控除と所得控除の選択制が導入されましたので,そういったことも踏まえた給付の促進とか,また所得の高い返還者からより多くの金額を納めてもらうといった仕組みの検討も検討課題として盛り込んでおります。資料3の説明は以上でございます。


 資料4に参ります。先ほど幾つか論点ございましたけれども,これをパッケージでお示しするということで,このシミュレーションを作成いたしております。これまでもお示ししたものと類似のものでございますけれども,今回最低返還月額2,000円,3,000円というパターンを設定したもの,それから,返還の期間,65歳までというものと,返還完了まで,この返還完了は85歳までということで仮に置いておりますけれども,そのパターン,それから保証制度について,機関保証のみとした場合と選択制とした場合ということでパターンを作成しております。


 この左側3本,オレンジのところが現行でございます。左端の93.1%は,機関保証がない時代の過去の実績でございまして,要するに,人的保証のみということでございます。それが93.1%。それから,現行で機関保証を入れて全て行った場合には,この93.1%に,6.9%という代位弁済が加わりまして100%になります。それが現行では,機関保証,人的保証がだいたい4対6ということで計算をいたしますと,95.9%というのが現行制度を続けた場合の返還の予測の割合となってまいります。


 真ん中のピンク色のところが,全て機関保証のみとした場合の試算であります。左側2本が最低月額が2,000円とした場合,右側2本が最低月額3,000円でございます。それから,左から1本目と3本目が返還期間65歳まで,それから,左から2本目と4本目が返還完了まで,85歳までという条件でございます。右端のところが3,000円で返還完了,85歳までということなんですが,これでいきますと99.5%という回収率になってまいります。それをずっと下の方にごらんいただいて,表の一番下に総回収額の減というものがございます。これは現行の95.9%という予測からどれだけ回収額が変わるかという予測でございます。これで参りますと,例えば先ほどの99.5%の場合には,現行より129億円回収額が上がるという試算となってまいります。


 それから,右の青と緑のバーのところにつきましては,機関保証と人的保証の選択制にした場合であります。この場合,機関保証の割合が減りますので,上の方にグレーのところで積んでおります代位弁済の額が減ってまいりますので,一番下のところ,総回収額は減ってまいります。これにつきましては,機関保証のみとした場合には,学生の保証料が総額としては増加いたしますので,それにより賄われるという構造となっております。

それから,次の2枚目でございます。これは返還率につきまして,8%,9%,10%,12%でそれぞれどの程度の返還回収割合の違いが出てくるかという資料でございます。上側にございますのが65歳まで,下側が返還完了まで,左側が最低返還月額2,000円,右側が3,000円ということで四つに大きく分かれております。


 それぞれ左から8%,9%,10%,12%でございますけれども,例えば左上のところで65歳まで2,000円ということで見てまいりますと,8%の場合94.3%で,下の表,一番下のところにあります,5の△55.1というのがございますけれども,これが現行からの回収予測の増減でございます。9%に上がるとそれがマイナス27.1億円,10%に上がるとマイナス6.1億円,12%に上がると24.7億円という試算となっております。右下の3,000円で返還完了までというパターンになりますと,これはもうほとんど回収額が100%に近い値になりますので,8%から12%で返還額の差はほとんど出てこない,数億円程度というような試算となっております。資料4の説明は以上でございます。


 続いて資料5でございます。資料5は,前回お配りいたしました返還率を12%から8%まで変えた場合の,それぞれの年収に応じた返還額を一覧化したものでございます。今回12%から8%までそれぞれ返還率を変えることによって,新所得連動型をどの程度選択するかという割合を仮に条件を置いて試算をするということで行ってまいりました。


 この資料の次,資料6と併せてごらんいただければと思います。資料6は,それぞれの学校種別の貸与月額総額,それから,返還の月額等についてまとめた資料でございます。これまでシミュレーションでは1万4,400円という数字を用いてきましたけれども,これはこの表で行きますと上から4列目のところにございます私立・自宅というところでございまして,貸与月額5万4,000円で,貸与総額が約260万。これが新規貸与者数としては4万3,000人で最も多いものでございますのでこれを使っておりますが,この返還額が1万4,400円ということになります。


 これは全体を見ていただきますと,かなり高い,学部段階ではほぼ最も高いという金額でございます。それ以外には,実際には数千円程度,6,000円から9,000円といった返還額となる貸与のパターンもあるわけでございます。したがいまして,これらの返還額とそれから,この割合で示した返還額を比べまして,どちらが返還負担が緩和されるかという観点から,どちらを選ぶかということをシミュレーションいたしましたのが資料7でございます。

資料7の方の御説明をさせていただければと思います。資料7につきましては,これは260万円で返還猶予10年,それから,返還期間は65歳又は返還完了まで,最低返還月額は2,000円又は3,000円,それから,機関保証のみという,先ほどお示ししたシミュレーションのパターンで設定して行ったものでございます。このパターンで仮に現行の定額返還型で返還を行ったとしますと,返還期間は17年となります。実際の返還は15年ですが,猶予を2年使えることになりますので,17年となります。これは,モデルを設定した場合でございますけれども,17年となります。回収額は3,406億円ということで,回収率が95.9%でございます。


 この試算の方法ですけれども,選択率というものを設定いたしました。これは政府統計,就業構造基本調査や賃金構造基本統計調査に基づきまして,返還者の就業状況――大企業,中企業,小企業なのか,また年齢に応じて収入から返還月額を推計いたしました。この返還月額が,定額制の返還月額と比べてどうなのか,自分の給与から来る返還月額が定額の返還月額と比べて下回る期間がある程度長いという場合には,これは所得連動を選ぶというふうなことが考えられますので,そういった選択率を設定いたしまして試算をしております。


 その下の方が結果となってまいりますけれども,まず変化率8%の場合というところでごらんいただければと思います。まず前提として,グラフのところに横軸が0円から100万円,200万円,300万円とありますけれども,だいたい就業形態によりまして就業者は3パターンに分かれます。まず年収が0円のところに無業者の方がいらっしゃいます。無業者の方,それから,その次のパートタイムの方が年収100万円の辺りにいらっしゃいます。この二つの群を合わせますと,大まかな計算で35%ぐらいの方が,無業者又はパートタイム労働者ということで0円から100万円ぐらいのところにいらっしゃるというイメージになってまいります。残りの65%の方がフルタイムで働かれているということで,この方々は,右の方に行って300万台から400万台の後半ぐらいを平均収入として分布しているというような構造になります。


 この35%の方,左側の黄色,下のところに所得がある方につきましては,これは全て新所得連動型,所得連合型がお得になりますので,そちらを選択するというふうに仮に仮定しております。


 65%のフルタイムの方がどういう条件であればこの新所得連動を選ぶかというところで,先ほど申し上げた試算を設定して計算したところの値が右側でございます。返還率8%の場合は,定額と連動が46対54ということでだいたい半々になります。ただ,フルタイムの方に限って見ますと,所得連動型を選ぶ方は約3割ということになります。回収額につきましては,aとbという数字がございますが,aにつきましては最低返還月額2,000円で65歳まで,bは3,000円で返還完了までということですが,これは機関保証のみといたしますと全てプラスになります。この返還期間につきましては16.8年ということで,現行の定額返還よりも,これはフルタイムの方については返還期間が短くなるということでございます。


 返還率を9%にしますと,定額と連動の割合が52対48,フルタイムに限って見ますと,連動を選ぶ方は22%程度ということであります。返還期間は更に短くなりまして,15.6年ということでございます。続きまして,次のページでは10%の場合ですけれども,10%になりますと,定額58%,連動42%ということで,フルタイムのうち連動を選ぶ方は13%ということでございます。返還期間は14.6年。返還率12%の場合につきましては,定額と連動が64対36ということで,フルタイムのうち連動を選ぶ方は4%でございます。返還期間は13年でございます。


 長くなりましたが,説明は以上でございます。



【小林主査】  ありがとうございました。シミュレーションを行っていただきましたので,その詳細な説明がありました。まず,ただいまの御説明について御質問はございませんでしょうか。検討に入る前に,このシミュレーションの結果をまず十分に理解する必要があるかと思いますので,その辺りいかがでしょうか。


 どうぞ。



【赤井委員】  確認なんですけれども,資料4のところの推計では,資料7にあった選択はどういうふうになっているんでしたっけ。



【川村課長補佐】  資料4では,100%の…。



【赤井委員】  もう移ったという。



【川村課長補佐】  はい,選択した場合の仮の値でございます。



【赤井委員】  ですね。ということは,選択の割合によってここの数値がまた変わってくるということですよね。その両方の組合せになるということですね。



【川村課長補佐】  はい,そうです。



【小林主査】  よろしいですか。



【赤井委員】  はい。



【小林主査】  ほかにございませんでしょうか。


 そうしましたら,またこの中間まとめ(案)の検討の中でもこのシミュレーションに基づいて議論することもあるかと思いますので,中間まとめの方に移りたいと思います。先ほど御説明がありましたように,10ページまでは一応合意ができているというふうにみなしていいと思いますが,これで,10ページまでについては特に御意見ございませんでしょうか。


 では,これも一応ここまではこの会議として了承されているということで進めさせていただきます。


 (6)番の最低返還月額2,000円から3,000円ということでありまして,これは次の12ページにありますように,2,000円とすべきという案と,返還月額という問題は,猶予期間の長さということとも関係しますので,その辺を含めて先ほど2,000円,3,000円でシミュレーションをやっていただいたわけですが,これについて御意見ございませんでしょうか。


 どうぞ。



【不動委員】  制度からすると,返済が軽くなっていいということにすると2,000円ということだと思うんですけれども,このシミュレーションで総返済額を見てみますと,やはり3,000円というところが回収からすると非常に効果があるということが見えていますので,やっぱり2,000円,3,000円ということでいうと,3,000円の方が制度を維持するという点ではいいのではないかと思います。



【小林主査】  ありがとうございます。このシミュレーション上でいいますと,大体1%から3%ぐらいですか,結構な金額だということですね。90億ぐらいになりますので,3,000円の方が望ましいという意見ですが,それについてはいかがでしょうか。


 どうぞ。



【吉田委員】  制度の維持という点では3,000円ということが望ましいのかもしれませんけれども,先ほど川村課長補佐から御説明があったように,パートタイマーと無業者の方たちが全体の35%ということでありますので,その方たちに月額3,000円というよりは,やはり少しでも安い方がよろしいのではないかと思います。



【小林主査】  ありがとうございました。これは前回も両論があったわけで,シミュレーションの結果を見ましても当然御意見は両方あるのではないかと思いますが,ほかに御意見ございませんでしょうか。


 どうぞ。



【藤森奨学事業戦略部長】  前回コストについて小林先生からもお話がございました。改めて一般管理費あるいはシステムのコスト等も細かく積み上げてもう一度計算してみますと,大体全体で1件当たり1,600円ちょっと,少し積み上げた分だけもう少し上がります。返還中に限っていうならば1,700円ぐらいと。この前少しその辺が不明確でございましたので,訂正をさせていただきます。



【小林主査】  ありがとうございました。管理コストとしてはそれぐらいかかっているということですが,いかがでしょうか。



【赤井委員】  今の1,700円というのは一月当たりということですか。



【藤森奨学事業戦略部長】  これは年額です。



【小林主査】  ほかに御意見ございませんでしょうか。これは前回も申し上げましたが,繰り返しになりますが,回収を上げようとすれば当然高い方が望ましいという御意見は当然でありますし,逆にできるだけ返還が易しくなるということにすれば低い方が望ましいというトレードオフの関係ですから,ここで決着するというのは非常に難しいと思います。ですから,中間まとめと致しましては,私の考えでは,2,000円から3,000円ということで一応幅を持たせて,この後はパブリックコメントを求めるということになりますので,そこでもう少しほかの御意見も伺ってということにしたいと思いますが,いかがでしょうか。


(「異議なし」の声あり)



【小林主査】  よろしいでしょうか。ありがとうございました。では,そのようにさせていただきます。


 それから,次のところは,返還猶予の申請可能所得及び年数についてとなります。これはそこの御意見にありますように幾つかあるわけですが,猶予制度は設ける必要があるという意見,それから,逆に長さを短くした方がいいという御意見と,それほど変わらないのであれば長くすることも考えられるのではないかという,これもいろいろな意見があったわけであります。これについてはいかがでしょうか。前回も一応シミュレーションの結果で,これも当然のことながら,わずかでありますけれども,長くすれば長くするだけそれは回収額には影響するということが出ていたわけですが,いかがでしょうか。


 どうぞ。



【島委員】  先ほどの2,000円,3,000円の話とも関連するんですけれども,この所得連動奨学金というのは,まずこの奨学金そのものが機会の均等というところから来ているものであって,そういう理念から考えたときに,そういう機会を得た,けれども,将来的に経済的に困ったと,そういった人たちに対してなるべく,優しいという言葉が適切かどうか分かりませんが,そういう制度であるべきではないかと思います。そういう意味においては,僕は先ほどの2,000円,3,000円でいえば,機会均等のための実施のコストということで,多少回収状況が悪くなったとしても2,000円が望ましいと思います。


 更に言えば,これは多分僕一人が主張していることだと思うんですけれども,現状でも返還猶予が10年現在なっていますけれども,それでもなかなか返し切れない人たちがいることは事実ですので,僕はやはりこれを15年にするということは一つの考え方なのではないかと思います。

ただし,この所得連動というシステムを全体で考えたときに,要するに,結果として厳しい状態になった人には優しいシステムであると同時に,結果としてうまくいった人には毎月の返還額が大きくてもそれを負担していただくというような形のシステムにすれば,制度のサステナビリティーを一定の形で維持しながら,要するに,返してもらう部分と借りた人が困らないということをバランスさせることができるのではないかと考えています。


 あともう一つ言うと,今回の所得連動と定額の採用のシミュレーションについてですけれども,これは先ほどの御説明ですと,この年収の人だと所得連動だと大体幾らになるけれども,それが定額と比べたときにどっちが多くなるかということで判断をするというモデルだったかと思うんです。現在のシステムでは,入学時点で一旦定額か連動かを選んで,更に卒業時点で選んで,それが一応生涯変わらないという状況のシステムなので,要するに,未来のことについての判断なのですよね。4年の時点でやったら,一つ目の就職先ということに関してはある程度見えてきているとは思いますけれども,今のこの経済状況が不安定な中で未来に対する不安みたいなものをかなり多くの若者が感じるとするならば,所得連動型を選ぶ人がこのシミュレーションより多くなるというふうには考えられるのではないかと思います。以上です。



【小林主査】  最初の御提案については,2,000円から3,000円ということで,先ほどの話の中に含まれているのでその範囲のことだと思いますが,猶予期間を10年よりも15年の方が望ましいのではないかという御提案ですが,これ,前回も出ていたと思います。これについてどうぞ。



【濱中委員】  何年がいいということは申し上げませんけれども,猶予期間を長くするということは,次の論点の返還免除をどうするかということに深く関わってきます。もし返還免除を65歳なり35年で認めるのであれば,その場合、猶予の資格があるときは猶予を申し出た方が良いと言うか,もしかしたら65歳時ないし35年後に残額が残る可能性があるわけで,みんなが猶予を申し出るようになってしまうと思うんです。したがって,猶予だけを取り出して議論することはできないのではないかというのが一つです。


 もう一つは,今回の新しい所得連動型は,既に返還を開始している人たちには適用されないわけですから,ここでもし猶予期間を15年に延ばすということになれば,月々の返還額がより大きい、現在返還中の方に対してもやはり15年に延ばさないといけないだろうと思います。というよりも,むしろ延ばさない理由がないわけです。そうなったときには,今回我々がここでシミュレーションしている新しい所得連動型だけではなくて,現在返還中の人たちの返還状況にも影響が出てくるので,これもこの場で早々簡単に決められることではないかなと思います。少なくとも現行制度で10年を認めている以上,10年は維持すべきだと思いますけれども,長くするということは今拙速に判断するのはちょっと難しいのではないかと私は考えます。



【小林主査】  これも今まで出ていたことなのですが,それぞれの項目がお互いに関連しておりますので,確かに単独で議論するということは難しいということは御指摘のとおりだと思います。ですから,どうしても議論がぐるぐる回ってしまうようなところがあるわけですけれども,一つの考え方として,次の返還期間の(9)番の問題と併せて考えるべきだという御指摘だったと思いますので,そのことも踏まえまして考えて,御意見を頂ければと思います。


 では,島委員,どうぞ。



【島委員】  濱中委員がおっしゃった前半の返還期間のことは,全くそのとおりだと思います。なぜ15年と言ったかというと,それは意味がなく15年と言ったわけではなくて,現行だと猶予が10年,返還期間が20年ぐらいと。そうしたら30年になるわけですよね。そうすると,65歳の間にそれは当然済むわけです。猶予期間を仮に15年に増やしたとしても,これは働き始めるのが大学の場合で22歳ということで仮定するならば,65歳若しくは35年という間で収まる範囲内であろうということを一応念頭に置いて15年という提案をしました。


 濱中委員の,現行の制度との整合性・連続性ということに関しては,実務的観点からは当然そういう問題は出てくるとは思いますが,連続性・整合性のない形でこれまでも実を言うと制度は改正されているわけで,ここは整合性というふうなことだけで議論しなくてもいいんじゃないかとは思います。



【小林主査】  ありがとうございました。


 ほかにこの点について御意見ございませんでしょうか。


 どうぞ。



【赤井委員】  今の,10年にするか,15年にするかという話ですけれども,今回所得連動を入れることによって,低所得の方は,資料2で見ると1万4,000円のところを2,000円,3,000円でもいいということで,払いやすい形を提示しているので,返還猶予というのは,その額を払えないので猶予するということの位置付けで設定されているとすれば,今回2,000円,3,000円という形で払いやすいパッケージを提示しているわけですから,それによってメリットも得られているので,あえて延ばすということはしなくてもいいんじゃないかというか,これを提示したので,今の通算10年でもよくなっているという理解がいいのではないかと思います。私はそう理解していました。



【小林主査】  ありがとうございました。現行の10年ということでよろしいのではないかという御意見だと思いますけれども,いかがでしょうか。



【赤井委員】  済みません…,どうぞ,島委員,もしあれば。



【島委員】  もう一つだけ。2,000円という額なんですね。つまり,多分ここに集まっている我々からすれば,2,000円,頑張れば何とかなるというふうな印象になりやすい額だと思うんですけれども,僕が今想定しているのは,本当に2,000円が返すのが極めて困難な層が,マジョリティーではないけれども一定層いて,そういう人たちに対する,より対応力のあるシステムみたいなことをとっておく。しかも,これは飽くまで猶予であって,返さなくてよくなるということではないわけなので,そういうことも考えてよりセーフティーネットをしっかりさせるという意味において15年という考え方があるんじゃないかと。


 特に,これは明らかに誤解だと思うんですけれども,今回の所得連動は,所得0円でも2,000円払わなければいけないのかといった形の御意見もあるように伺っておりますけれども,まずそもそもそうではないわけですね。本当に所得が0円だったら猶予が10年間得られるわけですから。ただ,それでも更にこの所得連動の議論を一つのきっかけにして,より借りやすく返しやすいセーフティーネットとしてしっかりしたものにするといったときに15年にするということが考えられる。つまり,2,000円にしたから問題が解決するというところがそもそも我々の間で…。



【赤井委員】  分かりました。


 いいですか。



【小林主査】  はい,どうぞ。



【赤井委員】  多分島委員の言っていることを私なりに理解すると,所得連動を入れたからどうのという話ではなくて,今の問題を解決するには,所得連動による減額の問題と,あと,返還猶予の問題と両方あって,別々に考えて所得連動を入れることも大事だし,返還猶予というのも考えることが大事というように理解すれば,私もそれはそれで理解はできます。


 本来の今入れようとしている制度が,所得連動を入れるかどうかとは別に,現行制度と書いている方でも10年というのは妥当かどうかという議論で,それが妥当ではないという話になったら,同じように所得連動も入れるし,15年も入れるという理解をして整理するのがいいのかなという気がします。


 だから,どちらかというわけでもないですけれども,そこは区別して議論しないといけないですし,現行制度は現行制度でいいと。その上で,所得に応じた返還額を考慮すべきだという目的のために入れるのであればそちらだけを入れるべきであって,10年は変えない方がいいし,今の10年というもの自体,一定の下でも10年というのは問題あるんだということになれば,15年というのも考えられるかなと思います。ちょっと頭の中の整理です。



【小林主査】  二つの条件の組合せで変わるということで,それは先ほども申し上げましたし,今までもそういう議論だったと思いますけれども,これについていかがでしょうか。


 はい,どうぞ。



【宗野顧問弁護士】  現行の制度では,一定の年齢だとか返還期間に達したら返還しなくていいという話じゃないので,特にそこは猶予期間を延ばしたからといって機構側の回収額だとか返済額が変わるわけではないんですけれども,今議論の中で,返還期間として35年若しくは65歳とかいう話が出てくると,返還期間中の猶予期間が長ければ長くなるほど,返還期間の残りの残返済期間が短くはなるので,もし仮に猶予期間の部分を延ばすという話であれば,場合によっては返還の期限の方を延長する,逆に,現行寄りの,年齢等の制限は設けないけれども,要は,例えば額を2,000円にして,猶予期間は例えば10年を15年に延ばすような組合せが考えられると思います。


 あと,誤解されてはいけないとは思うんですけれども,所得が0円といってもいろいろな場合があって,所得が0円でも周りの方から援助を頂いている場合と,生活保護を受けているような場合がある。生活保護を受けている場合ですと,猶予期間は,生活保護受給中は無期限になっていますので,請求の対象になる層というのは,確かに所得0円という枠組みでいうとそれなりの数がいたとしても,その中のある程度の部分,生活保護をある程度受けられる方に関しては猶予という形で期限が延びますので,そこもみんながみんな請求対象になる形ではないということは説明して,補足したいとは思います。



【赤井委員】  生活保護は無期限ですか。



【八島課長補佐】  その間は。



【小林主査】  どうぞ。



【島委員】  たしか2回前に吉田委員の方からそういう話があって,僕も一旦,うん,なるほどと思ったんですけれども,生活保護という基準が厳し過ぎることはないのかというふうなことは実感として思っていて,この発言をしています。



【小林主査】  各委員の御発言の中で,返還期間の問題と併せて考えないといけないという意見が出ましたので,そこだけ,この10年から15年かという問題だけではなくて,(9)番の問題,これについても両方の意見がありますので,返還猶予期間の問題はちょっと置きまして,先に,返還期間をどういうふうにするかという(9)番の問題について御意見をいただきたいのですが,いかがでしょうか。これについても意見が二通りといいますか,選択肢は三つあるわけですが,現在35年あるいは65歳は選択制ということになっておりますので,35年あるいは65歳ということと,現行どおりという二つが実際にはそういう選択になるかと思いますが,これについてはいかがでしょうか。



【樋口委員】  よろしいですか。



【小林主査】  どうぞ。



【樋口委員】  むしろ何で35年,65歳なのかという理由付けはどういう説明なんでしたっけ。



【小林主査】  事務局,お願いします。



【川村課長補佐】  14ページの米印のところに少し書いておりますけれども,35年につきましては,現行,通常20年の上限期間で,返還猶予は10年の上限がございまして,減額返還を行いますと5年間返還期間が延長されますので,それを足し合わせると一応35年という数字が出てまいります。それから,65歳は現在の年金の受給開始年齢というのが,これまでの御議論の中で示された根拠の目安ということでございます。



【小林主査】  それにつきましては,前回の御意見で,65歳の年金受給開始年齢は動く可能性があるので,ほかの合理性が必要ではないかという御意見があったと思いますが,これは一応,65歳というのはそういう位置付けだということです。先ほど来議論になっている点は,35年と区切りますと,返還猶予期間が15年に延びますと,実際に20プラス15になりますから,それと同じぐらいになってしまうということで,そういうことでよろしいのかというのが議論になっていたかと思いますが,いかがでしょうか。



【樋口委員】  これまでの年収は総額ですよね。勤労所得に限らず。



【川村課長補佐】  はい。



【樋口委員】  全ての所得の合計額が年収で300万うんぬんという議論をしてきたと思うんですが,逆に年金受給による収入は,これ,逆に返さなくてもいいという根拠がちょっと分からないのですが。



【小林主査】  どうぞ。



【濱中委員】  小林先生の方から説明した方が本当はいいのかもしれませんが,イギリスがたしかある年齢に達したときに以降の返還を打ち切る制度にしていましたよね。年齢ではなく、年数でしたか。



【小林主査】  両方。



【濱中委員】  そのような制度を設けているのは,一つには,それ以上回収を続けても回収のコストが高くなるということもあるとは思うんですけれども,一方で、進学のときに係る費用を最初政府が肩代わりするとともに,ある程度の所得が得られなかったときにもうそれは払わなくていいですよという仕組みを設けておくことで,高等教育への進学を促そうという,イギリスはそういう仕組みなんだと思うんです,私の理解では。


 恐らくそれを所得連動型のモデルに置いているので,今回の議論においてもやはり,所得連動型と呼ぶからには一定の期間が経過した後に免除する仕組みを設けることが適当なのではないかということが先にあって,それで35年なのか65歳なのかという議論をしてきたのだと思うんです。ローンの回収可能性の問題としてどこで免除を設けるかということではなく,教育費の負担の方法としてこういう制度がありますというところから免除の話は来ているのだと私は理解しています。小林先生に補足していただければと思います。



【小林主査】  それでは,少し説明いたします。これは前の会議でも若干御説明していたんですが,もう1回諸外国の例を御説明いたしますと,イギリスについては,今,濱中委員が申し上げたとおりで,現在は30年ということになりまして,60歳までということになっております。それで,アメリカの場合には20年。これは利子が高いということがありまして,それ以上負担するのが非常に厳しいので,所得連動型の場合は20年で打切りと。20年間返済を続けた場合にはそれ以降残額は返済しなくていいという仕組みが設けられております。これに対してオーストラリアのHECSの場合には本人の死亡までということで,各国でも分かれているというのが現状です。



【樋口委員】  済みません,やはり制度を考える上では,年齢について中立性が担保されるかどうかというのはすごく重要だと思うんです。例えば今,皆さん想定しているのは,18歳で大学に入学して,22歳あるいは23歳で卒業してという,若いときに借りるということを想定しているわけでしょうけれども,年長になってから大学に再入学というか入る。そうすると,65歳までというふうにやると,その期間がすごく短い人たちというのが出てくるわけです。


 その方がある意味,65歳で打切りというふうになると,もしかしたら奨学金を借りにくくなるという可能性も出てくるわけです。今後の社会を考えてみると,そういう人たちも多くなってくるということを考えると,年齢を想定して何歳だと返さなくていいという話になるというのは果たして望ましい制度であるのかどうかというところについてやはり御議論いただいた方がよろしいんじゃないかと思います。



【小林主査】  ありがとうございました。これにつきましても,今後検討すべき事項の2番目に,貸与年齢の制限というのがあります。これはイギリスの場合には50歳までという年齢制限があります。ただ,それが,樋口委員が言われるように,かえって年齢制限になってしまって借りにくい,教育機会を促すための奨学金が使えないということになるとしたら問題であるということは確かに御意見としてはごもっともかと思います。ですから,その辺りどういうふうにするかということは,これもまたこういう形で年齢を制限するのか,それとも年数なのか,それとも年齢なのかということの御意見を頂きたいということで今御議論しているというところです。


 どうぞ。



【吉田委員】  2点あります。1点は,アメリカの補足です。アメリカは20年なんですが,これには返還猶予を3年まで使えるんですが,それの期間も含めて20年になります。ですから,先ほどのように,こちらの14ページの案では,日本の場合,通常20年に,上限10年,それから,減額返還の5年を入れて35年というふうに出ていますが,アメリカの場合は,返還猶予を使ったとしても20年で打切りという。それは利息が高いからだという,そういう理由になります。


 先ほどの島委員の15年まで返還猶予を延ばすべきだという話でありますと,この3年というのが40年に延びるという計算になるかと思います。そして,今,樋口委員がおっしゃったような,65歳という年齢を区切るということの意味を考えますと,65歳というものはなしにして40年というふうに延ばすということは一つ選択としてはありなのかもしれません。



【小林主査】  どうぞ。



【島委員】  これは実を言うと,先ほど事務の方からの説明を受けて思い立ったことなんですけれども,吉田先生がおっしゃったように,僕の提案は,猶予を15年にして,もともとの返還期間が最長で20年,35年を,猶予期間を15年にするから40年になる,僕はこういう提案をしたので,今,吉田先生が整理してくださったとおりです。


 ですが,先ほどの説明だと,僕もあっと思ったんですが,減額返還の5年が入っているんですよね。考えてみたら,所得連動には減額返還の5年というのは不要なので,その減額返還の5年を抜いてしまえば,実を言うと所得連動型に関しては,返還猶予を15年に延ばしても結局35年で収まるというふうに理解できるのかなとちょっと思ったので,そこは確認していただきたい。


 樋口委員がおっしゃったことはごもっともで,実を言うとそういう議論はこれまでもあって,要するに,生涯学習の時代になってきたときに,年配の方に,こういう言葉は悪いですけれども,借りたらもうすぐ返還しなくていい年齢が来てしまうだとか,逆にそうなったら困るから貸さないということになったら困るので,僕個人の意見としては,35年がたつより早く65歳が来る人は35年間という形で合わせるやり方が適当なのではないかというふうな提案をしてきました。


 ただ,もう一つ,きょうの事務局サイドからの説明で気になったのが,こういう従来の,要するに,ある種終身で返還を求めるというやり方を変える,65歳だとか35年だとかそれのミックスだとかということに関しては法律改正が必要になるということで,それなりの理由が必要になってくるというお話だったんですけれども,理由もそもそもそうですが,29年度からこのシステムを成り立たせていくために,実務的な観点からその法律改正というのがどのぐらい現実的なものなのかということについて説明を追加していただければと思います。



【小林主査】  事務局,よろしくお願いします。



【井上学生・留学生課長】  法律改正は,やはり国会で審議がございますし,相応の強い理由,非常に抽象的な言い方で申し訳ありませんけれども,強い理由が必要になると思います。それだけの理由を挙げられるかどうかというところに尽きると思いますが,一般的な感触で申しますと,なかなか非常にタイトなスケジュールの中,この法改正,29年度の入学生から適用ということを考えると,非常に難しいとは思います。



【島委員】  ありがとうございました。



【小林主査】  そうだとすると,そもそも議論することが余り意味がないということになってしまうのですけど。



【赤井委員】  無理してやるかどうかということです。



【小林主査】  いや,ただ,間に合わないというお話ですが。ただ,もちろん委員会としての意見というのはまた別だと思いますけれども,現実の問題として間に合わない可能性が出てくる。


 どうぞ。



【赤井委員】  いいですか。そういうスケジュール等もあると思うんですけれども,今回の議論をちょっと振り返ってみると,所得に応じた返済をどうするのかというのを議論しましょうということで,所得連動型の議論を始めたので,まず2,000円,3,000円まで落とすというところは一番初めの議論なんだと思います。


 先ほど整理したように,それに加えて,今,10年の猶予がいいのかどうかという話とか,現行どおりという,返還完了まで追いかけるのがいいのかという議論がまた新たに二つ入っている。だから,結局この三つを一緒に変えるのかという話になると思うんですけれども,時間的なスケジュールもあるし,本来の目的からすると,まず下げましょうというのが一つだったので,そこまで全てを変える必要もないし,変えるんだったら,もう少し時間かけて議論した方がいいのかなという気がします。


 もう一つは,島委員がおっしゃった,減額を入れると35年等で,その議論で,猶予を15年にしてもいいのではないかという話がありましたけれども,今回減額をしているので,ずっとこれ,所得のない人は,2,000円,3,000円をずっと払い続けるわけですよね。だから,猶予を15年にして,あと20年とかずっと払っていっても返せない可能性があるんですかね。これはもう例えば平均年齢80歳だとしても,返せないわけですよね。



【川村課長補佐】  はい。



【赤井委員】  だから,そういうところから財政的な問題も生じるというところも考慮しながら議論する必要があるかなと思います。以上です。



【小林主査】  ありがとうございました。


 どうぞ。



【阪本委員】  赤井先生の御意見と少しかぶっているところもあるかと思いますけれども,返還期間を長くして,かつ返済額を小さくして,細く長く返還していくというのが一つ,この所得連動型のメリットだというふうに思います。最初の会議で65歳という年金受給開始年齢を言い出したのは私なんですけれども,これもどういうところの観点から申し上げたかと申しますと,通常にストレートで大学を卒業した場合,35年間たったときというのは57歳なので,それより延ばしてもいいんじゃないかというところが一つの論点でしたので,そういうことから考えると,現行どおりにしておいて,できるだけ最低返済額を低く抑えるということの方がむしろ優先事項ではないかなと思います。



【小林主査】  ありがとうございました。現行どおりという意見が出てこなかったのですけれども,今そういうことで出てきたと思うのですが。



【島委員】  じゃ,いいですか。



【小林主査】  どうぞ。



【島委員】  今,赤井委員,阪本委員が御指摘してくださったことと,更に自分が先ほど提案したことも考えあわせて,さらには実務的な観点からも考えると,現行どおりということに私も賛成したいと思います。



【小林主査】  ほかに御意見ございませんでしょうか。



【赤井委員】  今回ここにターゲット絞った方がいいかなと思いますけどね。



【小林主査】  それでは,これにつきましては,いろいろな根拠が必要だということは法律改正の場合には要るということもあるということなのですが,ただ,先ほど,逆に言えば,十分に検討すれば,将来的にはこういうことも考えられるということもありますので,原案としては現行どおりということで,ただ,将来的にこういった35年なり65歳とか,この年齢が適当かどうか含めまして,将来的な検討課題としておいておくということを提案したいのですが,いかがでしょうか。ちょっと先送りになってしまうのですが,実務的に…。



【赤井委員】  猶予に関してもですか。



【小林主査】  猶予に関しても,ですから,10年か15年かということ含めて,これ,関連していますので,置いておきたいと思うのですが,いかがでしょうか。ひとまずは,現行どおり10年ということにしておきまして,それで,組合せによっては15年に延びることもあり得るということで進めたいんですが,いかがでしょうか。



【樋口委員】  将来議論するという文言が入ることの意味というのは,通常ですと,例えば3年以内に検討するとか期間を決めないと,将来に議論するというのは,実質的に何の意味も持たないと思うんですね。



【小林主査】  いや,これは皆さんにはまた別途お諮りしなければいけないのですが,今回のは飽くまで中間まとめです,3月までに。



【樋口委員】  将来というのは,最終報告までに検討するということなんですか。



【小林主査】  ええ,そのように私は考えております。



【樋口委員】  それはまた。



【小林主査】  最終まとめがいつになるかということまではお約束はできませんけれども,それは3年とかかなり時間的には区切られている話だと思います。



【樋口委員】  そうすると,今度実際に実施するのは,中間報告に基づいて実施してしまうということなんですか。



【小林主査】  事務局,お願いします。



【井上学生・留学生課長】  今考えておりますのは,大体年度内に中間報告をおまとめいただいたら,それを基に具体化,告知等予約採用を促すような活動はできます。実際に具体的な数値をフィックスするのは,実はもうその時点で決まっているのが非常に望ましいんですけれども,ただ,少なくとも夏ぐらいには決まってないといけないと思っていますが,一応,中間まとめの段階でも,高校生在学の方への採用活動等はできるので,走り出すことはできると思っています。



【小林主査】  どうぞ。



【濱中委員】  中間まとめとして,両論併記するというのはあり得ると思うのですけれども,この時点で(9)の位置に書く内容は,やはり現行どおりとすべきではないかと思います。将来的にもしある一定の年数なり年齢が来たときに免除を認める制度を導入するようになるとしても,そのことを書くのは、むしろ後ろの今後検討すべき事項の中の返還期間とか貸与年齢の制限と併せて書くべきことであって,もし(9)で現行どおりでないものを出すとすれば,どのような理屈で免除の仕組みを設けるのかとか,そういうところまで言及しなくてはならなくなると思います。単に年数の問題ではないと思うので,むしろここは現行どおりにしておいて,後ろの方に,今後検討するという形式というか書き方にした方がよいのではないかと思います。



【小林主査】  それでは,整理しますけれども,今後検討すべき課題というのは実は二つに分かれておりまして,最終まとめまでにまとめなければいけないこと,これは数字をフィックスすることとかそういうことがあります。それとは別に,更に今後検討を要する課題というのが,すぐには分からないのですけれども,課題としては残されていると,そういう整理になろうかと思いますが,いかがでしょうか。



【樋口委員】  中間報告の段階で制度が走り出して,そして,走り出した後に最終報告が出てくるというのは,やっぱりちょっと違和感を持つなという感じですね。可能性としては,中間報告から最終報告は変更する可能性があるということでしょうから,制度は走っているのに途中で変更しますということは実質的に利用者に対しても不安を与えるだけというようなことになると思いますので,やっぱり確定しておかないと,それはまずいんじゃないかなと思います。



【小林主査】  ありがとうございました。最近のほかの会議でも中間まとめというのがあって,最終報告がないというのも幾つかありますので。



【樋口委員】  それはあるんです。



【小林主査】  多分そういうことが想定されているのではないかと思ったのですが,御意見はごもっともですので,事務局として,もうこれが本当は中間まとめではなくて,最終報告に近いと,3月までに数字までフィックスするというようなことで考えているということでよろしいでしょうか。



【井上学生・留学生課長】  基本的には,それでまとめていただくのが一番望ましいと思います。



【小林主査】  それでは,そういうことで,できるだけ数字を入れたものを3月,これが中間まとめと呼ぶのか,最終報告というのかよく分かりませんけれども,そこまで含めて事務局と少し相談させていただきたいと思いますので,御意見はそういうことで承りましたということで進めさせていただいてよろしいでしょうか。



【赤井委員】  またパブリックコメントはやるんでしたっけ。



【小林主査】  あります。



【赤井委員】  だから,それでまた大きな何かが動けば,また考える可能性もあるけれども,それで大きな議論がなければそのまま最終になっていくという理解だと思います。



【小林主査】  パブリックコメントについては,きょうの段階でこの案について御意見を伺うということになるかと思います。



【赤井委員】  この案というのは。



【小林主査】  きょうの現行案ですね。



【赤井委員】  現行どおりということですか。



【井上学生・留学生課長】  きょうの結果を踏まえた。



【赤井委員】  もちろん,きょうを踏まえて,この色が付いているところは書き直すんですよね。



【井上学生・留学生課長】  はい。



【赤井委員】  それをもう一度見て,それを出すということですね。



【井上学生・留学生課長】  はい。



【小林主査】  ありがとうございました。そうしましたら,一応,(7)番と,一つ飛びましたけれども,(9)番の問題ということで,先ほどありましたように,現行どおりということが原案でありまして,検討課題として,35年あるいは65歳というようなことも検討するということを入れておくということにしたいと思います。


 残ったのが(8)番の返還率であります。これはシミュレーションの結果を見ていただきながら御意見いただきたいのですけれども,もちろん改定額につきましては返還率が上がっていくわけですが,これについてはいかがでしょうか。現在のところ9%で考えていたのですけれども,8%から12%までシミュレーションを出していただきましたので。



【赤井委員】  いいですか。



【小林主査】  どうぞ。



【赤井委員】  返還率の8から12を考えるときの視点は幾つかあると思うんですけれども,一つは,傾きが変わるということにより,毎月の支払額が変わるということと,それによって早く返済が終わるか,もう少し長くなるかということが影響を受けてくると思うんですけれども,どこまでだったら払えるのかというのが一つの視点です。


 それともう一つは,これによって財政的な負担が変わってくるということもありますので,そこの観点も一つ必要になります。それをシミュレーションで見るということになると思います。


 あともう一つは,これによってスイッチングの,先ほど島委員からもこの比率がいいかという議論がありましたけれども,資料7ですかね,選択率が変わってくると思います。このシミュレーションがどこまで正しいかという問題はちょっと置いておいて,この選択率によっても財政的な影響が変わってくるので,そういうところで全て考慮しながら議論していかないといけないのかなという気はします。初め,意見だけです。



【小林主査】  今のは御指摘のとおりだと思いますが,全体これも様々な要因が絡んでこういう形でシミュレーションを行っておりますけれども,いかがでしょうか。



【赤井委員】  もう1個,確認してもいいですか。



【小林主査】  どうぞ。



【赤井委員】  資料7がまさにそうだと思うんですが,回収額のところ,それぞれの返還率の回収額a,bというのがあるんですが,このa,bのプラスというのは,何と比較してプラスなんでしたっけ。プラス37というのは,現行の全て定額の状況をゼロと置いた場合のプラスですか。



【川村課長補佐】  はい,そのとおりです。全て定額で,機関保証と人的保証が4対6という割合で入っている95.9%という,上の方にあります,丸の下に米印ございますけれども,そこの回収額3,406億円,回収率95.9%と比較した数字になります。



【赤井委員】  分かりました。済みません,もう一つですけれども,資料4のところの値の組合せになるわけですよね,基本的には。



【川村課長補佐】  はい,そうです。これは機関保証が全て入っているという前提でありますので,定額につきましては,代位弁済も含めて100%という返還率になります。所得連動につきましては,先ほどのシミュレーションでお示しした返還率と,それから,最低の返還月額については2,000円,3,000円どちらか,返還期間については,先ほどの御議論では,返還完了までの方でごらんいただければよろしいかと思います。



【赤井委員】  もう一つ…,あ,どうぞどうぞ。



【小林主査】  どうぞ。



【濱中委員】  シミュレーション上は,この返還率を上げても,回収率はそんなに上がらないはずだと思うんです。実際少しだけ回収率が上がっているのは,恐らく相対的に低所得の人たちが、平均所得が高くなる年齢の期間に高い率で、言いかえればとれるときにとっておこうという計算になるからであって、そうしたメカニズムが働かない限り,基本的に貸している額は同じなので,返還率を上げても平均的な所得の人にとっては早く返し終わるだけで,総回収率はそんなに変わらないはずなんです。もし回収率が上がるとしても,それはあんまり大した問題ではない。


 むしろやはりこの前からずっと申し上げているように,資料5の返還月額が,本当に払えるのかという観点を重視すべきだと思います。所得が高くなったときに高い月額を払えなくなってしまっては全く意味がないというか,むしろ延滞者を増やすだけなので,やはり現行との見合いで考える必要があるだろうと。そのときに,現在,私立の自宅生が大体15年で返還することを前提にしているとなれば,若いときには返還月額を低く,少し所得が高くなったときに高くするとしても,平均的な所得の返還者の年数が現行と同じになる辺りがちょうどいいところではないかと思うんです。そうなると,資料5の9%と10%の間がちょうど15年です。やはりこの辺がちょうどいいところではないでしょうか。


 ただ,少し考えておかなければいけないのは,あまり今回議論していないのですけれども,返還初年度の月額をどうするかという話でありまして,当然1年目は前年が学生ですから,ほとんどの人は所得がゼロかせいぜいアルバイト代,あったとしてもそれだけですね。そうなると,返還開始の最初の1年間は、ほぼ全員が2,000円若しくは3,000円になってしまうわけです。このことが回収のスピードに影響することは間違いなくて,それを返還率の決定に当たってどの程度考慮するかというところは考えておく必要があるかも知れません。


 付け加えると、今回、返還月額が大きく下がることになるので,かつての返還が年賦の時代は最初の返還月は12月でしたよね。現在は,10月ですけど。もし返還月額が大きく下がるのであれば,JASSOの方での事務処理が間に合うかどうか分からないですけれども,返還の開始月をさらに早めるということも考えざるを得ないかなと思います。



【小林主査】  確かに初年度をどうするかということはここではまだ議論していない問題ですので,それはどういう形にするかどうか含めて,事務局と御相談しておきたいと思います。


 それで,回収額がどれぐらい変わるかという問題ですが,資料4の2枚目のところですが,先ほどの議論で一応下側の返還完了までという形で,85歳でシミュレーション上切っているわけですけれども,こうした場合に,8%,9%,10%,12%でどのぐらい変わっていくかということなんですが,回収額としては大体0.3%から0.5%程度それぞれ上っていくという計算になっています。これは前回ありましたように,このシミュレーションでは誤差の範囲ということも言えるので,濱中委員が言われたように回収額自体にはそれほど大きな影響は与えないんですが,返還の期間にはかなり,1年程度の差が生じるというのがシミュレーションの結果となっています。


 もう一つは,先ほどこれも事務局からも説明あったのですが,考慮していただきたいことは,資料6にありましたように,現在の返還額がそこにありますようにそれぞれ大体決まっているわけでありますが,この1万4,400円というのが奨学生の人数が一番多いということと,一番高い金額の設定だということでモデルケースとして出しているわけであります。実は例えば短期大学でいいますと,現在でも月額の返還額は6,666円ですから,例えば年収300万円になったときに,9%の場合8,500円ですから,これを上回ってしまう。ということは,所得連動型を選択するメリットはかなり減ってしまうのです。ですから,その辺りが先ほど来問題になっている,どちらを選ぶかという問題と関わってきますので,その辺も含めて議論していただければと思います。いかがでしょうか。


 どうぞ。



【島委員】  先ほどお話ししたことの鏡の両面なんですけれども,卒業時点で自分の将来の経済状況というのは未来のことなので分からない。それゆえに,所得連動を選ぶ。自分が結果ふたを開けてみたら,経済的に厳しい状況になったといったときに,低い額で済むことができるし,猶予期間に関しても仮に私が言ったことが通るのであれば,猶予期間についても考慮されると。


 ただし,一旦ふたを開けてみて一定の収入になったときには,定額よりも多少高くても返していただけるような,定額よりも高い額になってもやむを得ないというふうに考える人はそれなりにいるのではないかというふうに僕は思っていますので,単純に定額で考える額よりも所得連動で払う額が高くなる,想定される,仮に所得が一定の額以上超えたときに高くなるからといって,所得連動を丸々忌避するということにはならないんじゃないかと。


 さらに,結果としてふたを開けてみたら,やっぱり経済的な状況が良かったという人たちに対しては,ある程度制度の維持のために利率を多少なりとも上げて,返還のスピードを上げていただくというふうなことは考える必要があるのではないかと思いますので,要すれば,濱中委員が先ほど,現実的には9%から10%という話をされていましたけれども,私はそれに賛成します。むしろ10%というのもあり得るんじゃないかと思います。以上です。



【小林主査】  ありがとうございました。9%ないし10%,10%もあり得るという御意見だったということですが,いかがでしょうか。


 どうぞ。



【赤井委員】  どうぞどうぞ。



【宗野顧問弁護士】  確認なんですけれども,所得連動の場合,今議論している金額ですけれども,一つの例えば大学とか高専で借りたもので考えているんですけれども,今までの従来型だと,大学院が入ってなかったので,例えば大学と大学院の両方で,所得連動で二口借りたときは貸与総額が増えるわけですけれども,そのときに,要は,下限が2,000円,3,000円というのはありますけれども,二つ,大学と大学院を借りたときに,下限が倍になるのか,それとも,下限はそのままで,要は,総額が増えるという形だと,場合によっては今の率の方も高めの方もあり得るかなと思いまして,そこをどういうふうに考えているのかって,私もそこの確認が漏れていましたので,その辺を事務局の方にお聞きしたい。



【小林主査】  どうぞ。



【川村課長補佐】  その点はこれまで御議論なかったと思います。ただ,通常考えますと,これまでの返還についても,債権ごとに返還をされていると思いますので,今回のケースについても,大学と大学院それぞれ借りられているということであれば,大学は一つの債権,大学院は一つの債権としてそれぞれ返還額が別個に設定されて,その合算というふうになるのが通常ではないかと思われます。



【赤井委員】  現在そうなっているんですね。



【川村課長補佐】  はい。



【小林主査】  赤井委員,よろしいですか。



【赤井委員】  ちょっといいですか。ちょっと論点が変わるかも知れませんが,二つあります。一つ目は,定額と連動のところでここ比率が出ていますけれども,今回の目的の所得連動を入れたときに,どのぐらいの人に,何割ぐらいの人にそれを使ってほしいのかというようなイメージとかターゲットみたいなものがあるのか,ないのか。あるんだったら,そこを見ながらこの率というのも考えるべきかなと思います。


 それから,もう一つは,資料7は機関保証のみになっているんですけれども,これ,全員が機関保証を受けた場合という理解でいいんですかね。



【川村課長補佐】  はい,そうです。



【赤井委員】  資料4は4対6とかにしているんですけれども,資料7はどうして100%にしたんでしたっけ。



【小林主査】  どうぞ。



【川村課長補佐】  これまでのシミュレーションは全て機関保証といいますか,機関保証でも人的保証の場合でも返還が滞った場合に,代位弁済

若しくは連帯保証人が全て返還するという前提で全て今までシミュレーションしてきたものですから,今回…。



【赤井委員】  でも,資料4は違うんですよね。



【川村課長補佐】  資料4は,今回初めてこういう形でお出し…,資料4でしたっけ。



【赤井委員】  資料4は,これ,返せてない場合の過去実績がある。



【川村課長補佐】  そうですね,機関保証と人的保証の割合について考慮して出した資料は今回初めてであります。済みません,資料7についてもそういう資料がもちろん作れるわけでありますけれども,一旦全額ということで出しているものでございます。



【赤井委員】  資料7は,機関保証全体ということでもう全部返せているので,ここで回収できない額というのは,基本的には死亡した場合とか,そういうことを想定しているということですか。



【川村課長補佐】  資料7で回収し切れない金額と致しましては,機関保証に入っていても,例えば2,000円でずっと返し続けて,期限が来た。



【赤井委員】  それで,期限が来たと。まあ,死亡ですね。



【川村課長補佐】  死亡ですね。そういう場合が返せない,未回収としての…。



【赤井委員】  返還完了の場合はそうですね。



【小林主査】  前者についてはいかがですか。目標あるいは,これ,4対6ということで資料4になっているわけですけれども,現行は40よりもう少し高かったと思いますけれども。



【赤井委員】  機関と人的な比率ですか。



【小林主査】  ええ。



【川村課長補佐】  特段その割合ということについてはこれまで想定をされていなかったと思います。ただ,所得の低い方については返還額は低くなるというところの方向性というのはあると思いますので,それをどこまで,フルタイムまでどこまで含めるかといったところでの御議論いただくようなことかと思っております。



【小林主査】  ありがとうございました。


 ほかに御意見ございますか。



【赤井委員】  どうぞどうぞ。



【小林主査】  じゃ,樋口先生からまず。



【樋口委員】  シミュレーションというのはあくまでもシミュレーションで,いろいろな想定が置かれているわけですね,これ,例えば物価の話が今のところ,シミュレーションの中には盛り込まれていないのかなというふうに思っているんです。物価変動ゼロあるいはインフレもデフレもないというような想定で議論しているわけですが,今何でこういう問題を議論しているかというと,やっぱりデフレの下において,実質的に定額であっても,結局,実質返還額が増えてきているというような,その重荷に耐えられない人たちが増えてきて,どうするかという話になっているんですね。


 例えば先ほどの資料7の定額連動の選択,返還率8%のとき,46対54ですか,このときにも多分物価の変動はないという想定でやっているわけです。物価の変動があると,例えばデフレの下では明らかに定額の方は実質的に返還額が増えてしまうというような問題になってきて,その比率も相当変わってくるんじゃないかと思うんです。


 そうなってくると,今の8%,9%,10%,12%という,この議論するときに,実は物価はすごく重要な問題なんですが,それはもう固定しているというような下で話をしているので,例えば政府の見通しの2%インフレの話をしていく場合とか,それで相当違ってしまうので,やっぱりこれ,幅持ってシミュレーションの結果を見ていかないと,ここに出てきた数字が何か現実に今後起こってくるんだというところじゃない面が多々あるなと。


 それを考慮した上で選択しておかないと,後でそんな話じゃなかった,物価こんなに二桁でインフレが起こるんですかなんていう話にならないとも限らないし,逆にデフレがいつまでも続くというようなことになると,議論が違ってしまう可能性があるわけです。だから,そこのところはやっぱりリスクを少し考えておいて,幅を持たせて議論をしておいた方がよろしいんじゃないでしょうかねと思います。



【小林主査】  ありがとうございました。シミュレーションの誤差の範囲という言い方をしましたけれども,確かにその程度の誤差は当然あるわけであります。ただ,確かにデフレになれば,非常に返還がきつくなるというのはおっしゃるとおりですが,逆に言うと,所得も下がるかもしれないので,そうすると返還額は逆に小さくなるということもあるので,この辺…。



【樋口委員】  ある意味では連動は,所得に対してニュートラルの力を持っているんですね。ところが,定額の方はこれ,持ってないというところの議論で出ている話ですからということです。



【小林主査】  そうです。ですから,これは非常に返還期間が長くなりますので,20年まで考えて,これ,最後のまさしく検討事項にも入れさせていただいたのですが,そういうことも将来的には考えていかなければいけないわけですけれども,現在の時点でなかなかそこまでシミュレーションを正確にするのは難しいということでありますので…。



【樋口委員】  それは無理だと思います。



【小林主査】  御指摘のように,委員の方は,むしろその程度の誤差があるというふうに考えて議論していただければと思います。


 どうぞ。



【赤井委員】  今の樋口委員がおっしゃった点で,物価はものすごい重要だと思うんですけれども,物価を例えば入れてシミュレーションをしたときに影響を受けてくるのは,多分一番よく受けてくるのは定額連動の比率ですかね。



【樋口委員】  選択率ですね。



【赤井委員】  選択率ですよね。だから,その選択率をやっぱりどういうのが望ましいというふうに見立てて選ぶのかというところが大事になってくるのかなと思います。そのほかのところはそれほど変わらないのかもしれません。



【小林主査】  どうぞ。



【島委員】  樋口委員の御指摘は極めて重要な御意見だと思います。そういう意味で,中間報告のまとめの17ページに6番目,デフレ・インフレについての注意書きがあります。ただ,このことだけではなくて,ユーザー目線でいうと,つまり,所得連動と定額の場合に,デフレというもの,インフレというものがどういう影響があるのかということをちゃんと説明して貸し出すというふうなことによって,今,樋口委員が御指摘した貴重な意見を生かすやり方もあるのかなと。つまり,制度の見直しという点と,借りる方がそのリスクをどう考えるのかということについてちゃんと情報を与えるということの重要性を指摘していただいたのかなというふうに理解しました。



【小林主査】  その点は,今の今後検討すべき事項の3番目にも,学生への周知内容ということで一応書いてあるのですが,これが実はかなり重要な話でありまして,今度,選択制になりますから,どちらが有利かということについてやはり十分な情報,今なかなか不確実な未来のことがあるということまで含めて周知していくということが必要になってきますので,そこにもう少し書き込めばよろしいのではないかと思うのですが,いかがでしょうか。


 ありがとうございました。そうしましたら,ちょっと事務局と相談して,そのようにさせていただきます。


 元に戻りまして,返還率の議論ですが,9%か10%かという議論が大体出てまいったわけで,8%なり12%というのは余り御意見が出てこなかったわけですが,ほかに御意見ございませんでしょうか。9ないし10というのが大体きょうの御意見だったと思いますが。



【赤井委員】  いいですか。



【小林主査】  どうぞ。



【赤井委員】  財政的なところの議論が余りなかったんですけれども,このシミュレーションを見るとプラスになっているので,今よりは財政的な負担は少なくなるみたいな感じにうまく仕上がっていていいんですけれども,これは多分機関保証のみにしているからで,人的保証を入れると,とれない部分がかなりこの資料4を見ているとあるので,例えば4対6の人的保証で,人的保証6割入れると恐らくプラスが大分減りますよね。



【川村課長補佐】  はい。



【赤井委員】  どのぐらい減るのかがちょっと今分からないですけれども,例えば資料4見たときに,3,000円,65歳までだと,マイナス65.3。これ,資料4は何%で計算でしたっけ。



【川村課長補佐】  100%。



【赤井委員】  資料4のところは100%ですか。



【川村課長補佐】  9%です。



【赤井委員】  資料4は9ですか。



【川村課長補佐】  9%。



【赤井委員】  資料4と資料7を見ると,資料7だと,例えば返還完了まででプラス138ですね。3,000円の返還完了までだとプラス138,資料4だと,3,000円の返還完了までだとプラス32ということなので,100ぐらい少ないですね。だから,機関保証と人的保証のバランスというのを少し考えるとこのプラスというのも変わるので,財政的に中立なのが財政の面から望ましいとすれば,そこを4対6に変えたときにどうなるかというところを見て,それが財政的に中立になるようなところで率を選ぶというのも一つの視点かなと思います。



【小林主査】  確かに資料7については,御指摘のように今回は機関保証のみでやっていますので,これは先ほど事務局からも回答がありましたように,これについてもう一回シミュレーションをやるということは一つの考え方だろうと思います。ただ,先ほど来申しましたように,ここで一応中間まとめの素案ということでパブリックコメントに出したいと思っています。きょうは御意見が収れんしないというふうに考えておりますので,9%又は10%という形で中間まとめとしては提示したいと思いますが,いかがでしょう。



【赤井委員】  いいと思います。多分財政的にもその辺りがいいのかなと思います。



【小林主査】  ありがとうございました。そしたら,そういう形でまとめさせていただきたいと思います。シミュレーションについては,次回よろしくお願いいたします。


 それから,(10)番の所得の算出方法ですが,これについては,結局マイナンバーで取得できるというものは住民税の課税対象所得しかないということがあって,それに対して,収入額に基づいてやはりきちんと公式を使って額を適用するということも考えられるのではないかという御意見だったと思うのですが,これについてはいかがでしょうか。


 済みません,この場合,確認ですが,もし新たに公式を使う場合には,住民税の課税対象所得から年収が逆に推定できるんでしょうか。そこができないと,そもそもできないということになりますけれども。



【川村課長補佐】  年収は住民税の課税対象所得が記載されております課税証明書に記載されております。ただ,計算する場合は,控除とかそういったところについてはなかなか考慮するのが困難になってこようかと思います。



【小林主査】  これも確認ですが,被扶養になっているかどうかは分かるけれども,どういう被扶養になっているか分からないということと,逆に御本人がどういう控除対象者を持っているかも分からないということですね。



【川村課長補佐】  はい,分かりません。



【小林主査】  そうしますと,現実の問題としては仮想計算というのは非常に難しいということになるんですが,そういう理解でよろしいんでしょうか。



【川村課長補佐】  はい。



【小林主査】  そうしましたら…。



【樋口委員】  ごめんなさい。



【小林主査】  はい,どうぞ。



【樋口委員】  これ,赤井委員の方が。所得控除を引いているだけですけれども,税額控除はこれ,どういう扱いになるんですか。



【川村課長補佐】  税額控除…。



【樋口委員】  これ,課税対象所得を出すのはこれでいいと思うんですが,この後可処分所得の概念にするというときには,税額控除を引くわけですよね。



【川村課長補佐】  はい。



【赤井委員】  それは控除しない。



【樋口委員】  控除しないということなんですか。



【川村課長補佐】  このマイナンバーを活用したシステムでは,そこまでは不可能。



【赤井委員】  多分しない。お金は入っているからいいんじゃないですかね。例えば税額控除だと,寄附の税額控除も始まりましたけれども,たくさん寄附している人は,実質手元に残っているお金は少ないですけれども,寄附する前には所得はあったので,そっちにするのか,手元にするのかという話はありますけれども,もとでいいんじゃないでしょうか。



【樋口委員】  それも一つの控除だけれど,それ以外にもいろいろ税額控除ありますよね。それは,だから,考慮しなくていいということでしょうか。



【赤井委員】  いいんじゃないですか。



【樋口委員】  課税対象所得だけやればいいということですか,これ。



【赤井委員】  と思いますけどね,普通は。



【小林主査】  現実の問題として,ですから,それが,例えば扶養控除しようとしても,扶養者がいるかどうかということが把握できないということですので,どうも与えられている情報が非常に少ないということがむしろ問題だと思うのですけれども。



【樋口委員】  むしろ給与等のというふうに書いてあるんだけど,給与等収入となっているんですけれども,収入は全部入るというふうに考えていいんですか,これ。



【赤井委員】  分離課税は入らないんじゃないですか。



【樋口委員】  だから,そうなってくるんでしょう。



【赤井委員】  だから,金融とかは入らない。



【樋口委員】  資産所得。



【赤井委員】  だから,すごいお金持ちでもゼロという場合はあると思います。でも,そこはしょうがない。



【川村課長補佐】  そこは難しい。



【赤井委員】  だから,多分分離課税しているのは入らないんじゃないですか,源泉分離している。総合課税で確定申告に基づいたやつだと思うので。



【樋口委員】  している人はね。



【赤井委員】  している人と,してない人は給与所得。



【樋口委員】  になるから,全部外れてしまうという。



【赤井委員】  そうですね,源泉徴収か申告している人だけ。



【樋口委員】  だから,資産家は入らない。



【赤井委員】  そうですね,金融資産の源泉分離課税をしている場合は入らない理解でいいんじゃないですかね。ちょっと間違っているかもしれないですけれども。



【川村課長補佐】  はい。



【赤井委員】  それともう一つ,税額控除の話ですけれども,いろいろな税額控除があるので全てではないと思うんですけれども,通常はいわゆる家族形態とかそういう状況を考慮しているのは所得控除が多くて,税額控除は,寄附とか,最近のふるさと納税とか,そういうその後での何か社会貢献みたいなものに基づくものとかもあるので,そこの部分は考慮せずに家族形態に基づいて考慮するというのであれば,税額控除は入れずに,所得控除の部分だけで作った課税所得でいいという気もします。



【川村課長補佐】  これも前回申し上げましたけれども,確かに資産のことまで考えますと,本来は資産テストみたいなことまでやるというような国もあるわけですけれども,今回はとてもそこまでは多分行けないだろうということと,一つの考え方として,これは大卒という教育を受けたことに対してその便益があったことに対するものですので,資産は関係がないという考え方もあるにはあるんですね。



【赤井委員】  なるほど。



【小林主査】  ですから,その辺りをまだ十分な検討はここではされていないのですが,現実の問題として仮想計算が難しいということですので,これはもう課税所得,とらえられる情報から行くしかないと思いますが,どうでしょうか。



【赤井委員】  そうですね,資産は。



【小林主査】  どうぞ。



【赤井委員】  済みません,JASSOの方にお聞きしたいんですけれども,今の借りる借りないのときの選択も親の所得ですよね。



【藤森奨学事業戦略部長】  はい。



【赤井委員】  親が何億円という資産を持っていても関係ないんですか。



【藤森奨学事業戦略部長】  現状は見ておりません。



【赤井委員】  だから,それと似ている。



【樋口委員】  だから,逆を言えば,今,贈与・相続のところの議論が活発に行われているので,それがあっても働いていなければいいというスタイルですよね。



【赤井委員】  限界ですね。



【樋口委員】  マイナンバーが入ってもそうなんだ。



【赤井委員】  マイナンバーどうなんでしたっけ。マイナンバーが入ると,銀行預金は……。



【樋口委員】  全部分かるはずなんです。そのためにマイナンバーを入れたんだから。



【赤井委員】  じゃ,全部やりましょうか。



【藤森奨学事業戦略部長】  現状では,マイナンバーが入っても,要するに,頂ける情報の中にリストにはそれは入ってないです。それから,現在は,学校で結局一人一人面接をすることが前提になっておりまして,その際にそういったようなことが明確になれば,例えば資産が非常にあるというようなことが明確になれば,推薦されないというのが一応のたてつけにはなっています。



【赤井委員】  通帳を持ってきてくださいと。



【小林主査】  余り今後の検討課題というふうにして先送りするのもどうかとは思いますけれども,ただ,現実そういう問題が残っているということも重要だと思いますので,現在のところはこれしか情報がないのでこれでやりますけれども,将来はそういった資産のことも考えることも必要かというようなことを残しておくことでいかがでしょうか。


 どうぞ。



【濱中委員】  ここで書き込んでおく必要があるかどうか分からないですけれども,一つ心配なのは,住民税の算定対象の課税対象所得を用いるのは良いとしても,税制が変わるというか控除の対象が大きく変わったときに,返還額が大きく変動してしまう年度が今後できる可能性があるんですよね。そういう点においてちょっと含みを残しておくというか,常に住民税の課税対象所得だけで行くのかというのはちょっと考えておいた方がいいのかなというふうに思います。



【小林主査】  原案と致しましては,住民税の課税対象所得しか情報がとれないということなので,それに基づいて行うと。しかし,将来については様々な方法を検討することも課題としてはあり得る,そういう理解でよろしいでしょうか。

ありがとうございました。それでは…。



【樋口委員】  そのタイミング,この間の時間のラグの話だと,多分初年度どうするんだという話もこれ,関連してくるんですね。ここはどうなんでしょうか。前年の所得に応じて,次の年の,この間の話だと10月? 7月,8月でした? どれぐらいのタイミングで把握することができると? 1年半のずれなのか。



【藤森奨学事業戦略部長】  6月頃ですね。6月頃をめどに前年の収入が情報として役場から取得できるのではないかと。まだ制度は始まっておりませんので,現行のことから推測してですね。それを仮に整理をすると,例えばですけれども,10月から金額を見直すと。結局データをとって処理をして,本人に通知をするというようなこともまた例えば想定するとすると,そういうようなスケジュール観になるのではないかなとちょっと漠然と想像しております。



【樋口委員】  ということは,1年半のずれということですか。



【小林主査】  実質的には。



【樋口委員】  そうすると,まさに最初の年,どうするのか。



【島委員】  それでいえば,海外の事例で,当然のことながら,どういうふうになっているのかという点ではどうなんでしょうか。



【小林主査】  それはもちろん最初はとれません。ただ,このラグの問題ということについてはこれまで御議論あったわけですけれども,今後の検討課題のところに書き入れてないと思いますので,それを入れていただきたいと思いますが,いかがでしょうか。各国の所得連動型の場合には,そういった要素を考慮し出すと切りがないので余りそういうことをやらないという例が多いのですけれども,これまでの御議論でも,例えば家計急変の場合にはそれに対応することも必要ではないかというような御意見もあったかと思います。それは急に決まる話ではないと思いますけれども,やはり検討するべき問題だと思いますので,引き続き入れておいていただければと思いますが,事務局,よろしくお願いいたします。


 あと20分弱になってしまったんですが,もう一つ非常に大きな問題は保証制度の問題で,きょうも出ておりました。それから,今後の検討課題についても新しく出てきたところがありますので,ちょっと駆け足になりますが,保証制度については,機関保証のみにするということの御意見もあったかと思いますし,人的保証も必要ではないかという御意見もあったので,これも今のところどちらかということにはなっていないのですが,これについてはいかがでしょうか。


 はい,どうぞ。



【不動委員】  保証制度につきましては,ここに書いておられるように,現在より高齢となった連帯保証人・保証人に保証を求めるのは非常に難しいというふうなところもあると思いますので,やはり奨学生みんなでカバーし合うということからすると,私としては機関保証に移行していくのが非常にいいのではないかなと思います。



【小林主査】  ありがとうございました。機関保証が,これも御議論あった点ですけれども,先ほど来議論がありました,返還期間の長さがかなり長くなるということですから,実際の問題として,人的保証でありますと,連帯保証人をもう1回取り直すとか,そういう作業がかなり発生するということでありますので,原則は機関保証ではないかということだったのですが,いかがでしょうか。


 どうぞ。



【吉田委員】  資料4を見ますと,機関保証のみのところで変換実績が非常に高くなっているというのを見ましても,やはり機関保証のみにする方がよろしいんじゃないかとは思います。ただ,機関保証を選択した場合には,奨学生は月数千円の保証料を負担しなければいけないという問題があります。例えば今回の制度は1種だけを対象にしていて,1種というのは制度全体の3割の学生ですけれども,例えば1種を借りる学生は全員機関保証に入るとかそういうふうにして,そして,みんなで負担をして,そして,保証料を若干下げるような,そういうことを考えていってもいいのかもしれません。



【小林主査】  ありがとうございます。


 ほかに御意見ございませんでしょうか。


 どうぞ。



【濱中委員】  この場合に機関保証を必須にするのは,新所得連動型を選択する場合のみなのか,今,吉田委員がおっしゃったように,第1種の人は今後は全員機関保証を必須とするかによってかなり変わってくるのではないでしょうか。もし機関保証を選択しなければ所得連動型は選べませんという設計にすると,保証料を負担したくないので所得連動を選ぶのはやめておこうか,ということになりかねないので,もし機関保証を必須にするのであれば,第1種全体が機関保証必須というふうにしないと,所得連動型の導入にとってはまずいのではないかなと思います。



【小林主査】  御意見としては,機関保証でよろしいということですか。



【濱中委員】  そこは難しいところで、3,000円の負担を全員に課すことに対してどれぐらい社会的に批判が来るかということはちょっと読めない。前にデータを見せていただきましたけれども,所得の低い方の方が機関保証の選択率が高いという実態を考えれば,むしろ所得の低い人の方が保証料を負担しているということになっていますので,この際,機関保証に移行する方が望ましいとは思います。そうは言っても,保証料は学生にとってそんなに低い負担ではないので,場合によっては選択制を残すということもあり得るかなという感じで,6対4ぐらいで機関保証にというのが私の意見です。



【小林主査】  どうぞ。



【吉田委員】  又は,全員入るとすれば,もしかしたら月数千円の保証料を下げられるかもしれませんので,そういうメリットを説明した上で機関保証に入っていただくようなことを促すというのも一つかなと思います。



【小林主査】  この保証料がどうなるかという問題についてはなかなか現在の時点では予測ができないというようなことだったと思いますが,それについてはいかがですか。機構の方から何か保証料の金額とかについて御意見は。



【藤森奨学事業戦略部長】  今まさに議論していただいている条件が決まらないと,保証料の計算はもちろんできないわけです。ただ,全体的にまず返しやすい制度になる。例えば2,000円とか3,000円でも代位弁済に行かずにずっと続けるということで代位弁済そのものが減るのではないかということと,それから,逆に期間が延びることによってリスクがその間長期間になるということで,増減のそれぞれの要素があるということまでは想定ができるぐらいのところでございます。



【小林主査】  どうぞ。



【島委員】  先ほどから教育機会均等の理念というところからいろいろ話をしていますけれども,そういったものを不動委員がおっしゃったようにみんなで支え合うというシステムにするという理念的な観点からも,吉田先生が御意見くださったように,みんながそれに参加することによって保証料に関してもプラスの影響が仮に出てくるのであれば,恐らく出るのじゃないかと個人的には考えているのですけれども,そういった観点からも,僕は機関保証に移行するということが適切なのではないかと思っています。



【小林主査】  どうぞ。



【赤井委員】  機関保証にすると回収率も上がるので,財政的にはハッピーだし,財政学者としてはいいんですが,ちょっと気になるのは,今回の所得連動は,稼いだ人から稼げなかった人への再分配というのはないので,実質的には所得に連動して返すタイミングが変わるということだけで再分配はないんですけれども,機関保証を全体に入れると,結局払わずに逃げ切ったような人の負担をまじめに払っている人が負担するみたいなことになるので,所得に応じた再分配はないけれども,まじめに払わなかった人をみんなで助けるみたいな,モラルハザード的なものもありますけれども,そういう部分ができてしまうというところは少し気になる。


 それでちょっと保証料が高くなるということになるので,それをちょっと考えていたんですけれども,一つ財政的な観点から見ると,例えば機関保証を全体にすると,資料7で財政的にプラスが出てくるので,そのプラスの分を使って保証料が上がらないような形にして全体に機関保証を課すというふうにすれば,いわゆる所得連動を入れたことによって得られた部分のメリットを,機関保証全体を広げることによってまじめに払った人が負担しないといけない部分を埋めるというような合わせわざによって何か制度がうまくできるんじゃないかなと思いました。以上です。



【小林主査】  ありがとうございました。


 どうぞ。



【島委員】  理屈で考えた場合のモラルハザードの問題はあるわけですけれども,現実的に今,やはり個別信用機関への登録だとか,JASSOのかなり丁寧な回収のスキームとかというふうなことを考えたら,本当に返せるのにただずるをして返さないで済んでいるような現状にはないというのが僕の理解です。



【赤井委員】  現状にはないということですか。



【島委員】  うん。つまり,もし僕が今,赤井委員がおっしゃっていたことを誤解していたら訂正してほしいんですけれども,赤井委員の前半部分の発言は,返さなかった得の人が起きないかということをおっしゃっていたように思ったんです。それに関していうと,現在のシステムで,個信登録の話だとか,その後裁判の話だとか,様々な形で返還を促進するためのスキームが入っていて,むしろこれが厳し過ぎるのじゃないかというぐらいの側面がないとは言えないような状況の中で,そこの部分は余り心配する必要がないのではないかということが僕の意見で,是非詳しい話はJASSOの方から補足いただければと思います。



【赤井委員】  済みません,現状返してない人の状況ということですね。



【島委員】  そうです。



【赤井委員】  済みません,僕に誤解があるかも。



【小林主査】  済みません,時間がないので簡単にお願いします。



【藤森奨学事業戦略部長】  今,島先生のおっしゃったとおりで,通常ですと,一定の時間が来れば代位弁済ということがあるんですけれども,我々のところでは,それ以前にきちんと返していただくということを相当徹底してやっているということが実態でございます。代位弁済に行く前にですね。



【小林主査】  それと,ペナルティがあるというお話でしたが,そのことについて簡単にお願いします。



【藤森奨学事業戦略部長】  個人信用情報機関への登録というのをいわゆる事故が起こった段階で初めて登録するという制度になっておりまして,それが一つ本人にとっては非常に不利な条件になる。それをあらかじめ相当強くアナウンスをしているということもやっております。



【小林主査】  ありがとうございました。


 どうぞ。



【樋口委員】  ただ,見方によっていろいろな見方があるんですけれども,長い間に引っ越しであるとか何とかというのが行われていくわけですよね。どこまでフォローされているんだろうという,まさにそこのところというのはなかなか議論として,金融機関に比べてどうかとか,何に比べてどうかというようなところで大分見方が変わってくるという感じがします。



【小林主査】  それはおっしゃるとおりで。ただ,国際的に見ると,日本のローンの回収率はかなり高いということは事実です。ただ,金融機関に比べればそれはどうかという議論は当然あるかと思いますが,そこはそれほど悪いわけではないということが一つと,ペナルティもかなりきついということもありますので,現実の問題としては,確かにモラルハザードがないとは言えませんけれども,そんなに大量にモラルハザードが起きるということは少し考えにくいのではないかと私自身は思っています。


 ということで,人的保証については,今の御意見以外に余り支持する御意見がなかったと思うのですが,原則は機関保証ということでよろしいでしょうか。


 どうぞ。



【井上学生・留学生課長】  ちょっと背景とか不十分であったら補足していただきたいんですけれども,たしかJASSO法が法案で審議されたときに附帯決議が付いていて,機関保証と人的保証について,特にそこはある程度選択ができるようにというようなところで国会で附帯決議が付いている事実があるので,そことの関係は整理しないといけないなと事務的には思います。



【小林主査】  分かりました。ただ,この御意見としてはそういう意見ですので,その辺りは私と事務局で整合性といいますか,前回のJASSO法の趣旨というのがまだ私も分かっていませんので,詰めさせていただきたいと思いますが,原則としては,それでは,委員会としては機関保証ということで行きたいと思いますが,よろしいでしょうか。


 ありがとうございました。


 それで,済みません,時間がなくなってきましたが,今後検討すべき課題できょうも幾つか取り上げたんですが,新しく入ったことだけ少し御意見いただきたいんです。7番,既に返還を開始している者等への適用ということでありまして,これも大きな論点で,今までは議論してこなかったんですが,新制度は今まで比べると返還者にとってはかなり有利な制度になりますので,今まで返してきた人との不公平ということが起きるということが当然予想されるわけですが,それについて検討するということがあっていいのではないかということで入れさせていただいたんですが,いかがでしょうか。


 よろしいですか。特段御意見がなければ,今後の検討課題ですので,このままここで結論を出すというような話でなく,検討課題として入れさせていただくことだけですので。


 どうぞ。



【濱中委員】  ある程度適用できるという見込みがあってのことならいいのですけれども,期待だけさせておいて全然実現の見込みはありませんという検討結果ではまずいのではないかと思いますが,どうですかね。



【小林主査】  それはおっしゃることも非常によく分かりますが,とにかく検討課題として載せないことにはもう検討しないということになってしまいますので,私としてはとにかく載せておきたいということですけれども。



【赤井委員】  いいです。



【小林主査】  いかがですか。よろしいですか。


 それから,新しく出てきたこととしましては,予約型返還免除に対する検討ということで,これは前から議論としては出ていたわけですけれども,こういったことをもう少し,給付型に近いものを広げていくというようなことも,前回の有識者会議で課題になってきて,今回は所得連動型についてのみですので,これも検討課題としてまだ先送りされているという形になっておりますので,これを入れさせていただいたということです。


 それから,最後のところですが,これは委員の方からも提案がありましたけれども,所得の高い返還者からより多くの金額を納めてもらうことに所得の再分配が図られるような仕組みについて検討を行うということも考えられるのではないかという御意見があったのですが,これについてはいかがですか。


 よろしいですか。



【赤井委員】  今後検討と。



【小林主査】  ほかに御意見ございませんでしょうか。


 済みません,最後のところ駆け足になってしまって十分議論できなかったのですが,繰り返し申し上げているように,きょうで一応,完全な意見な集約は見ていないのですけれども,大体の幅を持ったものとしては一応の収束はできたと思っています。これで今後パブリックコメントということで意見を頂いて,次回に最終的にこの委員会としての,中間まとめになるか最終報告に近いものにするかということを含めて事務局ともう1回検討いたしますが,それを含めましてこれをまとめましてパブリックコメントに出すということで進めさせていただきたいと思いますが,いかがでしょうか。


 よろしいでしょうか。ありがとうございました。


 では,今後の日程について,事務局からよろしくお願いいたします。



【八島課長補佐】  次回の会議は2月の下旬を予定しております。日時,場所が決まり次第,またお伝えしたいと思います。以上でございます。



【小林主査】  ありがとうございました。


 それでは,所得連動返還型奨学金制度の創設についての有識者会議(第6回)をこれで閉めさせていただきます。どうも皆さん御協力ありがとうございました。

 

―― 了 ――

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-- 登録:平成28年06月 --