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高大接続システム改革会議(第13回) 議事録

1.日時

平成28年3月11日(金曜日)16時00分~18時00分

2.場所

文部科学省 東館3階 講堂

(東京都千代田区霞が関3-2-2)

3.議題

  1. 学習指導要領等の改訂に向けた検討状況について
  2. 「高等学校基礎学力テスト(仮称)」の問題作成イメージの例について
  3. 「最終報告(原案)」について
  4. その他

4.出席者

委員

(座長)安西祐一郎委員
(副座長)片峰茂委員
(委員)荒瀬克己,五十嵐俊子,乾 健太郎,浦野光人,岡本和夫,恩藏直人,河野真理子,五神 真,小林 浩,佐藤東洋士,佐野元彦,鈴木典比古,関根郁夫,長崎榮三,長塚篤夫,南風原 朝和,羽入佐和子,宮本久也,山極壽一,山本廣基の各委員         

文部科学省

  (文部科学省)土屋事務次官,藤原官房長,関政策評価審議官, 小松初等中等教育局長,常盤高等教育局長,伯井初等中等教育局審議官,河村国立教育政策所研究所長,瀧本総務課長,小林国際教育課長,葛城英語教育改革プロジェクトマネージャー,今井初等中等教育局高校教育改革プロジェクトリーダー,新田高等教育局主任大学改革官,塩見大学振興課長,橋田大学入試室長,福澤専門官 他

5.議事録

(1)学習指導要領等の改訂に向けた検討状況について
資料1-1,資料1-2に基づき説明があり,その後,意見交換が行われた。

【安西座長】  時間でございますので,ただいまから第13回高大接続システム改革会議になりますが,始めさせていただきます。
委員の皆様,御多用の中お集まりいただきまして,誠にありがとうございます。
まず,事務局から配付資料について確認をお願いいたします。
【新田主任大学改革官】  失礼いたします。議事次第にございますとおり,配付資料1-1から資料3まで四つございます。机上配付等はございません。落丁等ございましたら,事務局まで合図していただければと思います。以上でございます。
【安西座長】  よろしいでしょうか。
本日は最初に,新しいテストの検討にも大きく関わってまいります学習指導要領等の改訂に向けた検討状況について御報告を頂きたいと考えております。続きまして,「高等学校基礎学力テスト(仮称)」の問題作成のイメージ例について御議論を頂きまして,それから,これまでの審議等を踏まえた上で,最終報告の原案としての案文をお諮りし,議論をしていただければと考えております。よろしくお願いをいたします。
それでは,議事に沿って進行を進めさせていただきます。事務局から資料の説明をお願いいたします。
【大杉教育課程課教育課程企画室長】  失礼いたします。教育課程企画室長の大杉です。学習指導要領の改訂に向けた検討状況ということで,10分ということで,少し駆け足になることを御容赦いただければと存じます。資料の1-1,1-2でございます。
学習指導要領に関しましては,高大接続改革とも歩調を合わせる形で,現在,検討を進めさせていただいております。全体像につきましては,資料の1-1でございますけれども,1ページ目,下にございますように,昨年8月に中央教育審議会教育課程企画特別部会でおまとめいただいた論点整理に基づきまして,現在,各教科と別の議論を進めさせていただいているところでございます。
おめくりいただきまして2ページ目の上に,22の専門部会,ワーキング等が設置されているところでございます。本会議の関係の先生方にも御協力を賜っているところでございます。今回,改訂ですけれども,従来と少し異なり,この8月の論点整理というものがあることで,高大接続改革の動向も含め,全体的な方向性ということを各教科で共有しながら議論を進めさせていただいているということでございます。
大きな方向性といたしましては,5ページ目,下にございます社会に開かれた教育課程という理念を共有させていただいておるところでございます。
また,7ページ目にございますような,これは高大接続答申とも同様の問題意識でございますけれども,これからの時代を生きる子供たちにどのような力が求められるのかということ,そうしたことを目指して現行学習指導要領の成果を受け継ぎながら,それを更に進化させていくという方向性でございます。
8ページ目,9ページ目が諮問の方向性でございますけれども,何を学ぶか,どのように学ぶか,何ができるようになるかという観点から指導要領の構造化を図っていくということ。
そしてその中で10ページ目にございますような資質・能力の三つの柱を各教科共通で明らかにし,構造化していくということでございます。特に公職選挙法の改正等も含めまして,18歳までに必要な力をしっかりと育んで,社会へ送り出していくということが強く求められておりますので,高等学校終了までに求められる力ということを明確にした上で,カリキュラムの中でしっかりとそれを育んでいくということ。
それを,12ページ目のように,各教科等の学ぶ本質的な意義ということと教科等横断的な学びということのカリキュラムの力というものを発揮させながら,しっかりと育んでいきたいということでございます。
当然のことながら,その中では,13ページ目にございますような高大接続の流れということを常に念頭に置きながら議論させていただいているところでございます。
次のページにございますようなカリキュラム・マネジメント,そしてアクティブ・ラーニングということをしっかりと連動させながら,子供たちの各教科等の内容の深い理解と資質・能力の育成を育んでいくということでございます。
教育課程企画特別部会におきましては,こうした論点整理の考え方を中央教育審議会の議論に生かすとともに,各学校現場にも広く伝えていってほしいというようなおまとめを頂いておりましたので,17ページ目にございますような各種広報ということも取り組ませていただいているところでございます。
それでは,具体的な中身でございますけれども,資料1-2を御覧いただければと存じます。先ほど御覧いただきましたように,トータルで22の専門部会が動いているところでございますけれども,その中から特に本会議に関連の深い部分を抜粋して御紹介をさせていただければと存じます。まだまだ議論の最中でございますので,今後いろいろな変化があるかとは存じますけれども,基本的な考え方ということで,このような方向性で議論いただいているということを御紹介させていただきたいと存じます。
まずは言語能力の向上に関する特別チームということでございますけれども,これは国語教育の充実と外国語教育の充実,これをそれぞれ図りつつ,また,それを効果的に連携させながら,子供たちの言語能力の向上を目指していくというために設けられた特別チームでございます。目次をおめくりいただきまして,1枚目でございますけれども,言語能力の向上に関する特別チーム,具体的には2枚目にございますように,先ほど御紹介申し上げた資質・能力の三つの柱ということに沿って,国語教育,外国語教育を通じて育んでいく言語能力ということの整理を頂いております。ここでは言語の持つ三つの側面,創造的思考とそれを支える論理的思考の側面,感性・情緒の側面,他者とのコミュニケーションの側面,この三つの側面に着目しながら資質・能力の整理を頂いているところでございます。そして言語に関する資質・能力の要素ということで,3ページ目にございますような,テクスト・情報の理解,文章や発話による表現という思考のプロセスの中で,どのような資質・能力の要素が働いているのかということを整理を頂いているところでございます。
これを踏まえて議論をさせていただいておりますのは国語ワーキンググループでございます。6ページ目でございます。国語ワーキンググループでございますけれども,例えば高等学校の国語総合におきますと,7ページ目にございますような,例えば話題設定・取材・構成等々といった指導事項が現在定められているところでございますが,これらの指導事項を先ほど言語能力の要素ということで御覧いただいた思考のプロセスの中で働く要素ということに照らしながら再整理をしていく必要があるのではないかということで御議論を頂いているところでございます。そうした観点から,国語科における学習活動の要素ということで8ページ目,9ページ目のような,それぞれの領域における指導事項の要素ということを再整理させていただいているところでございます。また,10ページ目のように,国語科で育成すべき資質・能力の在り方,全体像と,それから小中高それぞれにおいてそれをどのように系統的に育んでいくかということが11ページ目,12ページ目,そして小中高と国語教育をどのように発展的に積み重ねて展開していくかということのイメージ,これが最終的には指導要領の目標の構造になってまいるわけでございますけれども,これが13ページ目のイメージでございます。特に高等学校の国語につきましては,14ページ目にございますような観点から,15ページ目のような現代の国語,言語文化という二つの共通必履修科目ということも含め,科目構造の見直しを行っているところでございます。
16ページ目,外国語ワーキンググループでございます。外国語ワーキンググループにつきましては,18ページ目にございますような英語科目の見直しということを小中高を通じた英語の技能あるいは資質・能力の育成という中で検討させていただいているところでございます。英語コミュニケーション1,2,3ということと論理・表現1,2,3ということでございます。また,育成すべき資質・能力の整理,20ページにございますように,また,国際標準でありますCEFRを踏まえた国の指標形式の目標ということも検討させていただいておりまして,それが21ページ目のようなイメージでございます。22ページ目が英語の学びのプロセス,主にコミュニケーションの側面に着目したものでございます。
23ページ目以降が高等学校の地歴公民の新科目のイメージでございます。24ページ目からが歴史総合のイメージでございますけれども,歴史を考察する手立てを用いて現在の諸課題の歴史的背景を追究するという学びを重視し,25ページ目にございますように,基軸となる問いというものに着目しながら構成を考えているところでございます。26ページ目が選択科目との関係性でございます。
27ページ目,駆け足で本当に大変恐縮ですけれども,地理総合のイメージでございます。地理的な物の見方,考え方を育てる。これにつきましても28ページ目にございますような問いと授業展開のイメージということを大事にしながら構成を検討させていただいているところでございます。
また,共通科目,公共でございますけれども,30ページ目のように,公共の扉というところで様々な選択・判断の基準となる考え方を学び,それを具体的な様々な社会的な事象に当てはめて関係性を考えていくということが31ページ目,そして持続可能な社会作りのための探究を行うという32ページ目のような構成を検討しているところでございます。具体的な選択科目との関係性は33ページ目でございます。
そして倫理,政経につきましては34ページ目,35ページ目のようなイメージで検討させていただいております。
これらも含めまして,社会科系科目全体を通じて資質・能力のイメージを統一的に考えているところでございます。37ページ目にございますような小中高を見通した思考力・判断力・表現力の育成,そしてその中核となります38ページ目にございますような社会的事象を追究する見方や考え方というものを,これは従来からもう指導要領にございますけれども,それが何かということを明らかにしていくということでございます。そしてそれを重視しながら問いを追究し,概念的な知識を身に付けていくという課程を重視するという39ページ目のようなイメージでございます。具体的に学習プロセスに落とし込んでいきます40ページ目のようなイメージではないかということでございます。
算数・数学ワーキンググループにつきましても,全て同様でございます。42ページ目のような学習の問題発見・解決のプロセスをイメージしながら,その中で43ページ目AからFにございますような思考力・判断力・表現力を育んでいくということ,そしてそれを44ページ目のような小中高のつながりの中で育んでいくこと,更に詳細に考えますと45ページ目のような三つの柱ということでございます。これらが指導要領の中に構造化されていくということでございます。
理科ワーキンググループも,47ページ目,学習プロセス,そして理科における科学的な見方・考え方の明確化ということを48ページ目,49ページ目でさせていただいております。小中高を見通したのが50ページ目,そして三つの柱が51ページ目ということでございます。
そして今回,高等学校の数学・理科にわたる探究的科目ということで,53ページ目にございますような総合性,融合性,探究の手立て,挑戦性,アイデアの創発ということを重視した,これはSSH(スーパー・サイエンス・ハイスクール)における積み重ねを参考にしながら新科目の在り方を検討させていただいております。具体的には56ページ目に育成すべき資質・能力のイメージ,それから57ページ目にございますような基礎の修得段階と探究を深める段階ということをイメージしながら創造的な力ということをしっかりと育んでいくというようなイメージでございます。また,そのためには大学,企業との連携も含めて,様々な条件整備等も必要になってまいります。大学での学びにどのようにつないでいくかという視点も重要でございますので,58ページ目のような視点から検討を進めているところでございます。そういう探究の構造についての基本的な考え方は59ページ目でございます。
情報ワーキンググループにおきましては,新共通必履修科目の情報について,資質・能力の在り方,61ページ目,そして63ページ目にございますように,共通必履修科目情報Ⅰと選択科目情報Ⅱを検討させていただいております。情報のⅠにつきましては,御覧のような1から5の項目について,このような資質・能力を育むために,例えばこのような学習活動を重視してはどうかということ,情報2につきましても同様でございます。また,こうした情報の学びにつなげていくために,小中高を通じて情報活用能力の育成を強化していくということ。5ページ目にございますように,情報活用能力の整理をしてございますけれども,これを7ページ目にございますような小中高の発達段階に応じて育んでいくということ,そして情報活用能力を各教科の特性に応じ,どのように育んでいくのかというのを整理したものが72ページ目以降でございます。
最後に生活・総合的な学習の時間ワーキンググループでございます。76ページ目,77ページ目でございますけれども,今後のカリキュラム・マネジメントの核となるものとして総合的な学習の時間を位置付けていくということ。また,78ページ目のように探究を深めながら自分自身の考え方を深め,他者や社会との関わりも深めていくという探究のプロセスの意義と全体的な整理,そして79ページ目が資質・能力でございます。
最後に,現在,各ワーキング等の議論の中で出てきている点でございますけれども,四角枠囲みのような御意見が特に歴史科目,それから生物を中心とした理解について出されているところでございまして,各教科の見方や考え方につながる重要な概念を中心に用語については重点化や構造化を図ることが重要であろうということでございます。また,歴史系科目につきましては,共通必履修科目と選択科目で育まれた力が一体的に入学者選抜で評価されるということが望ましいというような御意見も頂いておりまして,これは私どもの審議の内容にもしっかりと反映していきたいと思いますけれども,こちらの会議においても,こうした点を踏まえて御議論いただければ幸いでございます。
長くなりましたが,以上でございます。
【安西座長】  ありがとうございました。
ただいま,事務局から御説明いただきました学習指導要領等の改訂に向けた検討状況につきまして,御質問,御意見のある方は御発言をお願いできればと思います。
これは,中央教育審議会教育課程企画特別部会で御検討いただいていますが,大変密に議論していただいていることでございます。部会長の羽入委員からお願いできますでしょうか。
【羽入委員】  ありがとうございます。特にございませんが,今,御説明いただきましたように,大変私たちが重視していますのは,縦と横のつながりということでございます。教育課程の縦のつながり,それから科目間の横のつながりというのを大変重視しております。ここの会議との関連で言えば,高等学校教育が単独に捉えられるのではなくて,小中高という,その学びの中での成果が発揮できるような,あるいはそれを測ることのできるような問題意識を我々は持つ必要があるのではないかと考えております。ありがとうございます。
【安西座長】  ありがとうございました。

山極委員,お願いいたします。
【山極委員】  ありがとうございます。大変詳細にわたっていろいろな新しいことが盛り込まれていると思いますけれども,この資料1-1の7ページです。ここに括弧付きで「生きる力」という言葉がございます。これは大学教育においても重要で,最近,どういう将来の目標を持ったらいいのか,どういう生きる指針を持ったらいいのかで随分悩んでいる学生が多いです。こういうことを大きな一つのテーマにされたのはとてもすばらしいことだと思うのですけれども,この後,「生きる力」という言葉が全然出てこないです。ですから,それはこの後のいろいろな能力に関連する話だと思いますけれども,わざわざこの鍵括弧付きで「生きる力」ということを一つの目標にされた,それに関連する新しい取組というのを少し説明していただけるとありがたいですけれども。
【大杉教育課程課教育課程企画室長】  失礼いたします。「生きる力」につきましては,ある意味これまでの指導要領改訂の中でも大変重視されてきた考え方であろうかと存じます。おめくりいただきまして,10ページ目でございますけれども,「生きる力」につきましては,10ページ目の三角形の右隅に少し小さい字で書いてございますが,確かな学力,健やかな体,豊かな心,この三つから構成されるということが従来整理をされてきているわけでございます。今回は様々な資質・能力ということを捉えて考えるときに,これらが,ある意味ばらばらで知徳体が育まれるということはこれらを一体的に捉えながら,それを指導要領の構造の中にどのように落とし込んでいくかというような議論の途中の段階であろうと考えております。これが全体的に構造化されて,最終的な取りまとめに入ってきますと,まさに全体として目指していく「生きる力」ということとの関係性ということをまた再度,これまでの改訂の成果も踏まえながら整理をさせていただくということになろうかと思いますので,御指摘も踏まえながら検討していきたいと存じます。
【安西座長】  ありがとうございます。
ほかにはいかがでしょうか。
よろしければ,本日は御報告を頂いたということでございまして,この学習指導要領の改訂と,ここで議論されております大学入学時選抜のこと,あるいは「高等学校基礎学力テスト(仮称)」のこと,あるいは大学教育のこと,これもやはりつながっていることでございますので,本日の事務局からの報告につきましては,現状でございますけれども,御理解を頂ければと思います。特に資料1-2の一番最後の80ページにあります大学入試の科目に関する意見等につきましても,これもやはり委員の皆様,いろいろお考えいただけると幸いだと思います。それでは,この議題につきましてはここまでにさせていただきます。

(2)「高等学校基礎学力テスト(仮称)」の問題作成イメージの例について
資料2に基づき説明があり,その後,意見交換が行われた。

【安西座長】
次に「高等学校基礎学力テスト(仮称)」問題作成イメージ例につきまして御議論いただければと思います。まず,事務局から資料の説明をお願いいたします。
【今井高校教育改革プロジェクトリーダー】  失礼いたします。それでは,資料2に基づいて御説明を事務局よりさせていただきたいと存じます。「高等学校基礎学力テスト(仮称)」の問題作成イメージの例等でございます。「高等学校基礎学力テスト(仮称)」につきましては,この高大接続システム改革会議におきましても,高校生の多様性を踏まえ,同一問題・一斉実施の方法ではなく,複数レベルの問題から学校や受検者が選んで受検し,生徒の基礎学力の定着度合いに応じた評価を段階表示で結果提供する,そういったことをイメージしながら,今後,そのシステムを考えていこうということでございますが,その目的の中で,具体的にどういった問題を作り,そうしたものを進めていくのか,そのイメージの例を整理させていただいたものでございます。
1ページ目の破線の中に三つの赤丸がございますが,御留意いただけたらと思っておりますのは,一つ目の赤丸にもございますように,本日御説明する資料は検討を深めていく際のたたき台として用意したもので,あくまで一例でございます。また,二つ目の赤丸にありますように,このまま問題として使用する,また,1回のテストが全部ここで御説明するような形式になるということでもございません。また,三つ目の赤丸にありますように,実際の「高等学校基礎学力テスト(仮称)」につきましては,この4月から,28年度予算が成立した以降につきましては,試行・準備作業を通じて更に検討を進めさせていただきたいと考えているところでございます。
それでは,その問題の説明に入る前に,一応考え方を幾つか整理しているものを改めて少し確認をさせていただきたいと存じます。1枚おめくりいただきまして,まず2ページ目を御覧いただけたらと存じます。そもそも「高等学校基礎学力テスト(仮称)」につきましては,難易度,活用方法のイメージの中でございますように,この2ページ目の資料の下段にあります赤いところでございますが,高等学校教育の質の確保・向上,このための仕組みとして導入をし,内容といたしましては知識・技能,思考力・判断力・表現力をバランスよく問うていくということであります。また,テストの難易度につきましては,いわゆる平均的な層から学力に課題を抱える層,そういったところをターゲットにして進めていくということでございます。
また,3ページ目でございますが,前回,複数レベルの問題のイメージを御説明,文書でさせていただきましたが,上の破線の中であります。基本的な考え方といたしまして,「高等学校基礎学力テスト(仮称)」,アイテムバンクに蓄積した問題群から複数レベルの問題のセットを作り,学校がその中から適切なものを選んで受検できる仕組みを目指したいと考えております。その「高等学校基礎学力テスト(仮称)」については,集団における相対的な位置ではなくて,生徒の基礎学力の定着度合い,これを把握して,段階表示で結果提供できる,そういった方法で考えていきたいということであります。その概念的なイメージとしては,下段の方にありますように,いろいろな問題セットが出てくると思いますが,その難易度に応じて提供できる,そういったことを考えていければということであります。
続きまして,4ページ目を御覧いただけたらと存じます。後ほど国数英の問題作問イメージを御説明いたしますが,英語につきましては,こちらにございますように,特にCEFR(Common European Framework of Reference for Languages)との関係,位置付け,整理を,ひも付けがされておりますので,こちらのような形で評価の基準があるものに対して問題の難易度が示されているということで御参照いただけたらと存じます。
そして5ページでございますが,「高等学校基礎学力テスト(仮称)」の位置付け・目的を踏まえた上で,その出題の方向性でございます。前々回の会議でもお示しをさせていただきましたように,出題の狙い,破線の箱の上の方でございますけれども,「社会で自立し,社会に参画・貢献していくために必要な力」,それを様々な場面で生かされることを想定して出題をしていきたいと考えているところであります。
例えば場面の一例といたしまして,国語であれば,ニュース,演説,社会で用いられる文章,そこから要点を的確に捉えて書き出す,若しくは概要にまとめたりするということ。また,会議,打合せなどで必要な情報を収集・提案できる内容が考えられるかどうか。それについて表現を工夫して,根拠を持って説明できるかといったことであります。
また,数学につきましては,商品の売上げ等に関するグラフなどから情報を読み取ることができるかどうか。また,利率,コスト等の条件を比較し,将来的な見通しが立てられるかどうか。
また,英語につきましては,Eメール,手紙など,そういったものから求められている情報を適切に書いて伝えられるか。英語の掲示等々から必要な情報を取り出して目的を達成することができるか。
こういったことを場面としてイメージをしながら,例えば出題の工夫にありますように,生徒の学習意欲を高めるような場面設定,題材を様々な工夫で取り込んでいくこと。当然,学習指導要領との関連もしっかりと意識して出題をしていくということ。そして最後に,その問題から指導にどうやって生かしていくのか,そういった高等学校においての様々な指導の工夫につなげていくことも目指していきたいと考えているところであります。
このような基本的な考え方をベースに,6ページ目以降でございますが,国数英についての問題作問イメージを御説明させていただきます。
まず,国語でございますが,問題例が四つ示させていただいております。一つ目は,生活との関わりを意識させた出題例。問題2につきましては,オーソドックスな形式の問題もお示しをしたいと考えております。また,問題例3では,義務教育段階の学び直しの観点で,高等学校でも確認をしていく事項。また,問題例4では,高等学校でも引き続き,その指導が必要ではないかと考えられるような事項の例のイメージでございます。
7ページにございますように,問題例1でございますけれども,これは問題例1,問題例2ともに,高等学校の教科書に書かれている文章を題材に,問題は新しく作ったものであります。ここにございますように,例えば高等学校を卒業した後,将来よく目にするであろう,例えば学校からの公式な文章,また,薬の説明書などを比較して読んでいただくということでございます。
例えば8ページでございますが,そういった中で,その公式な文章の中で,謹啓,敬具といった,いわゆる一般的な常識,そういったものも問うていくということができるのではないかということ,また,下段の方では,特に薬の文章,これが一体何を表現して述べたものかというものを選んでいただくということであります。
また,9ページにございますように,この文例1と文例2,この共通点について,何が共通的に言われているのかというものを選んでいただくということで,この問3の答えはエということでありますが,例えば内容としては赤い破線にございますように,これを条件を付して記述をさせていくという問題も考え得るのではないかということで,こういった選択,それから条件で記述をさせていくことも併せて検討していくことでいけないかということでございます。
また,10ページ目につきましても,一定程度の文章の文字を書かせていく,三つの観点を示していくということであります。正解例では,例えば先ほどの文例1は,バザーへの案内でございますので,この観点から,その場所がより分かるように,また,保護者のために,その会議図等の位置を案内図に示したらいいだろうということを導き出せればということですが,出題例としては,例えば赤い破線にございますように,文章をそのまま書かせるということもありますが,例えば誰のために何を入れたらいいかといういわゆる短答式の聞き方もあるのではないかということでございます。このあたり,様々な高等学校の実態状況等々に応じて,使い分けて出すということも考え得るのではないかということであります。
続きまして,11ページ目につきましては,オーソドックスな形式のイメージの問題例であります。11ページ,12ページ,13ページを御覧いただければ,これは13ページにございますように,高等学校卒業程度認定試験から取ってきた問題でございまして,高等学校卒業程度認定試験が国語総合を範囲として出されているものであります。中間まとめでもこういった高等学校卒業程度認定試験との共有化ということも指摘を頂いておりますので,こういった問題も使い得るだろうということであります。
また,14ページ目,15ページ目につきましては,義務段階の中で,高等学校段階で確認をしておいたらよいだろうということでありまして,例えば中学校3年の国語のA問題からこういったものを出していくということも十分考え得るのではないか。例えば14ページのところの問題につきましては,これは正答率58%,大体6割ぐらいということであります。
また,15ページのところは正答率9割ということですが,私どもの「高等学校基礎学力テスト(仮称)」の方では,いわゆる平均層から課題を抱える層をターゲットとしていきたいと考えておりますので,ここで正答できていない可能性の高い生徒に対して,改めてこういった問題を出して確認をしていくということも十分考え得るのではないかということであります。
また,16ページ目につきましては,高等学校段階でも引き続き指導が必要と考えられる問題のイメージでございまして,16,17,18,19とございます。こういったいわゆる国語,これも全国学力・学習状況調査からのB問題でございますが,例えば18ページ,19ページ御覧いただきますように,こういった二つの文章を比較して読んでいただきながら問題に答えていくということでありますが,例えばこの段階でも正答率,例えば18ページございますように,問1であれば30%,問2であれば6%でございます。
また,19ページにございますように,20字から50字でこういった記述を求めた問題についても,3割という正答率でございますので,残りの正答に至らなかった生徒のその後の状況については,高等学校を通じてやはりしっかりと見ていく必要があるのではないかということで,こういったことも問題の中に入れ込んでいくということは考え得るのではないかということでございます。
続きまして,数学でございます。20ページにございますように,ここは国語と同じ考え方で問題例1から4を出させていただいております。例えば21ページ,問題例1でございますが,これは和歌山県の高等学校入試の問題を改題しております。ポイントは,指導要領との関係では数学の中の不等式を使って解いていただく,そういったことに改題をして出しているものでありますが,将来,いわゆるこういった製品を買って,その光熱費を安く済ませるのがいいのか,それから手洗いを続けるのがいいのかということを比較しながら,どのタイミングで何年使えばどれぐらい安くなるのかを不等式を使って解いていくということであります。
一方で,次の22ページを御覧いただければと思いますが,その基となった問題でございますが,これはむしろ条件として10年間使用していく場合という,10年というものをもう最初から問題に入れておくということでございます。その結果,答えにございますように,四則計算をしっかりと解いていくことで,どのタイミングでどちらが安くなるか説明を問うということであります。これは中学校までの学習指導要領に基づいて出している問題ということですので,先ほどのように同じような題材を使っても,高等学校の数1のレベルの問題を聞く問題から,それまでの義務段階の学びのことも可能ではないかということでございます。
また,23ページにございますように,これは神奈川県の問題でございますけれども,「高等学校基礎学力テスト(仮称)」ではこういったオーソドックスな問題,因数分解でありますとか,2次関数のグラフなども当然問うていくようなことも考えております。
また,24ページ目には,問題例3,問題例4が24,25とございます。こちらも,いわゆる図形の問題でございますが,正答率がございますように,24であれば4人に3人は正答されておりますが,その残りが高等学校の中できちんとできているのかどうか,そういったことを確認することも考え得るだろうと
また,25,6にありますように,これは数学のB問題でございますけれども,正答率もやはり5割というところでございますので,高等学校段階で,まだ引き続き指導することが必要ではないかと思われる問題でありますので,こういった問題も「高等学校基礎学力テスト(仮称)」の中に入れ込むことで,そういったもの,授業の改善に資していくようなことができないかということであります。
最後に,27ページの英語でございます。英語につきましては,問題例四つ用意しておりますが,これはそれぞれ聞くこと,読むこと,書くこと,話すことを例示として出していく問題でございます。
28ページ以降を御覧ください。28ページ目は,まず聞くことに関しての問題イメージでございますが,これは上の赤い箱の横にそれぞれCEFRとの関係が記載されておりますが,これはA1レベルで,その問題を,いわゆるネイティブの,イギリスの方のところに委託をして作っていただいた問題でございます。
この問題は,29ページにある,それぞれ三つの問題を,それぞれ男性・女性のやりとりを聞いていただきながら,例えば1番であれば,その人物の特定,また,2番であれば休日の過ごし方,3番であれば,昨晩何をしたのかというのを問うていくというような問題のイメージで,いわゆる聞くこと,リスニングを問うていってはどうかというイメージでございます。
また,30ページと31ページを御覧いただけたらと存じます。これは読むことを中心に作ったものでありますが,CEFRのA1とA2それぞれであります。例えば30ページの方がCEFRのA1との関係でひも付けられた問題でありますが,こちらにあるような,極めて短い文章が,どういったシチュエーションで見掛けるものなのかというのを念頭に置きながら,この読解力として問うていくことができるのではないかと。ただ一方で,31ページのように,一定程度の分量を読んでいただいて,それぞれ設問を解いていただくということもあるだろうということで,この難易度についても,それぞれA1,A2ということでありますので,こういったものを問うていくことで生徒のいわゆる読む力を難易度別に見ていくということができないかということであります。
また,32ページ目につきましては,これは書くことのイメージ例でございます。こちらにございますように,一つの絵の中で,友人にメールを打つと。その際に,三つの観点から書いていきましょうということを20から30の単語で書くことを求めるような問題であります。御覧いただければ分かりますように,非常に簡単な単語だけではありますけれども,その三つの観点に対してきちんと応えて文章が作れるかどうか,そういったところを見ていくようなイメージで,これは内容によってはA1レベルから,実はそのA1の更に下というようなところが識別できる問題として,そのイメージが用意されているものであります。
そして最後に33ページでございますが,話すことでございます。話すことにつきましては,前々回のときにも御紹介をさせていただきましたが,四技能を聞く際の,この話すことの試験の出し方はまだまだ検討の余地がございます。そういったことを大前提として,例えば,試験官用のこれは原稿でございますが,パート1のところでは,名前を確認する,それから出身地を確認するといったような質問を出すということであります。その後,二つ目のパートのところにございますように,例えば自由時間についての聞き方で,スタンダードな質問を問い掛けるということであります。この問い掛けに反応が鈍ければ,バックアップの問題である青い問題を聞くことで,イエス・ノーでその問い掛けの状況を確認するというようなイメージでございます。また,赤い問いについても,一般的な問題から,更に少し進んだ問題を聞くというようなことを,例えばパート1のBのところの上ではやると。また,今度はシチュエーションを変えて,学校を軸にした問題でスタンダードな問題を聞いて,反応が悪ければバックアップ問題を聞く。そしてもう一歩進んだ質問をして,その反応を見ると。こういったことをしていくことで,話すことのイメージ,問題のイメージとして考えられないかということで,御提案を本日させていただいたところでございます。
以上,駆け足になりましたが,「高等学校基礎学力テスト(仮称)」の問題作問イメージの例等についてでございました。
【安西座長】  ありがとうございました。
ただいまの事務局からの説明につきまして,御意見,御質問がおありになる方はお願いします。どなたでも結構であります。
長塚委員,お願いいたします。
【長塚委員】  「高等学校基礎学力テスト(仮称)」について,幾種類か設定していただくということになっているようなのですが,レベルが幾つか分かれてくるということで,必ずしも統一的なレベルを表すものではないということになるわけです。確かに高等学校の生徒の実態としては,基礎学力といってもそこに幅があって,高校生は入学者選抜で高等学校別に,基礎学力のレベルが結構固まった状態で分かれている,その多様性がかなりある。その中で,どれだけ全体として必要な共通の力を付けていこうかという課題がここにあって,基礎学力のレベルをひとまとまりじゃなくて,それぞれの段階ごとに見て,それを向上に結び付ていこうということだろうと思うのですが,それは,実態に合った方法ではないかと思います。そういう中で各学校は,その学校としての評価をして,実は調査書なども作成しているわけで,それと余り,いわゆるこのテストの結果が乖離するようなことでも,逆に言えば変だと思います。それはそれで生徒の力として評価していくことは非常に重要なことで,ステップアップしていくわけでありますので,こういう細やかなテストの作り方というのはいいのではないかと思います。学校ごとでなくて個人別にももちろん,ある生徒は別なテストを受けられるとか,そういうことになっていくことが望ましいといえます。例えば英語検定で言えば,4級の試験を受ける子,3級の試験を受ける子がいて,それぞれの検定をクリアしていって,更に上位級を目指すようなことをしていくわけですので,そういう一つの指標にもなっていくと思います。
それから問題例を挙げていただきましたけれども,世界的に言えばPISAがあるわけで,高1の生徒が受けるレベルのテストです。この世界的なPISA型のテストは多分,著作権の問題で事例としてここに盛り込まれていないとは思うのですが,PISAの学習到達度で,レベルが1から5以上まである中で,1の生徒がまだ日本の高校生,高1のところで多いと,それが課題だということになっているわけですので,その辺,世界的なレベルでどうなのかという,PISA型の問題を参考にするような問題も入っていって良いのではないでしょうか。そうすると国内だけでなくて,まさにグローバルな社会での高校生の基礎学力がどうであるか,それをどうしたらいいのかということにもつながりやすいのではないか,そういう思いがいたしました。
以上でございます。
【安西座長】  ありがとうございました。
事務局はいかがですか。よろしいですか。
ほかにはいかがでしょうか。
高等学校,また高校生のそれぞれがいろいろな目標を持って,これから学びの多様化の中で改善を図っていくことと,この「高等学校基礎学力テスト(仮称)」の在り方をどういうふうに結び付けて対応させていくのについて,今,長塚委員の言われたとおりだと思いますけれども,やはりこのテストの方も多様な姿を出していく必要があるということだと理解しております。
ほかにはいかがでしょうか。
宮本委員,お願いいたします。
【宮本委員】  ありがとうございます。具体的なイメージを示していただいたので,かなり我々も,より本当に分かりやすいイメージをつかめるようになってありがとうございました。特に中学校までの学習を意識した形の問題が幾つも作られているということで,まさに先ほど長塚委員がおっしゃったように,多様な生徒の中で,どこでつまずいているのかというところが,このテストをうまく活用していけばしっかりと把握していけるということで,そういう意味では非常にいい方向性の形の例を出していただけたと思っています。また,学校によって,生徒の実態に合わせて,様々な使い方ができるという意味で,非常にこれは,この形で実現していけばいいのかと思っています。
一つ御質問ですが,一番最初の注意事項のところで,2番目の丸のところで,問題が全てこのような形式で行うわけではないというふうに書かれてあるわけですけれども,本日お示ししたイメージ以外に,具体的にどういうふうな形の出題を現時点でお考えになっていらっしゃるのか。お考えがあれば少し教えていただきたいと思います。
以上です。
【安西座長】  事務局からお願いできますか。
【今井高校教育改革プロジェクトリーダー】  失礼いたします。基本的にはこちらにございますよう,いわゆる多肢選択でございますとか記述,それから短答式,いろいろなものを本日取りそろえたわけでございますが,例えばここで申し上げたかったのは,ここでお示ししたような分量のままいくのかどうか。例えば基本的にテストのフォームに作ってみたときに,多肢選択が多くなるかもしれないし,それがまた新しい様々な手法で入り得るかもしれないということでありますので,私どもとしてはこの示したものが今後,そのままいくということではないという意味を表させていただいたものとして御理解いただけたらと存じます。
【安西座長】  ありがとうございました。
それでは,恩藏委員,河野委員,お願いいたします。
【恩藏委員】  大変分かりやすい説明をありがとうございます。問題そのものはよくできているし,こういった試験がもし導入されたらプラスになるだろうという印象を持ちました。ただ,前々回あたりから私も述べていますけれども,どういう形で使っていくのか,あるいは導入するのか。つまり,高校1年,2年がメインだと思うのですが,例えば学習意欲を高めていこうとするとなると,難易度で三つ出していただいていますが,一番下を1年のときにクリアした人は,2年,3年のときに二つ目,問題セットのBとかCとか,そういった試験を受けるのか受けないのか。つまり,レベルをアップした形でチャレンジすることを考えているのかどうかです。そのあたりのことをお聞きしたいと思います。
【今井高校教育改革プロジェクトリーダー】  失礼いたします。ただいま頂いた御質問でございますけれども,ここで,特に資料2の3ページでお示ししているこのA,B,Cは,あくまで複数あるということを表示したかったものでございまして,必ずしも1年,2年,3年とかをイメージしているものではありません。いわゆる3段階ぐらいのものを示して,こういったものを更にどこまで増やしていくのか,そういったことは今後の検討課題だと思っているところであります。また,「高等学校基礎学力テスト(仮称)」自体の難易度のイメージは,その前のページにある2ページ目の,この横にございますように,ターゲットといたしましては平均的な学力層から学力面で課題を抱えている層の中で,このテストを活用していただきたいということで,そのレベルでの難易度をイメージするということでございますので,上げるというよりは,むしろ今の高等学校の多様な実態の中で,きちんと何が身に付いているのかが,定着度の度合いが把握できるように,その識別になるテストを,この平均層から課題のある層を対象に考えていけないかということでございます。
【恩藏委員】  少しよろしいですか。
【安西座長】  はい。
【恩藏委員】  学年とひも付いていない点はよく分かります。問題は,難易度が幾つかあったときに,一番低いレベルをクリアしたとき,次があるのかないのかということです。つまり,試験を受けるか否かについて,高等学校で選んだり,本人で選べるようですが,そういった設計になっているかどうか,あるいは現時点でどのようにお考えになっているかということです。
【今井高校教育改革プロジェクトリーダー】  失礼いたします。今の御質問につきましては,基本的には,この「高等学校基礎学力テスト(仮称)」については,前々回,前回,まさに高大接続システム改革会議で御議論いただきましたように,高等学校が極めて多様な状況になっておりますので,まずはどのレベルでどういった使い方をするかについては,私どもとしては学校が基礎学力の定着を考えるために,やはりみずからしっかりと考えていただくと。そのため,例えば自校の今の生徒の状況とかそういったものを勘案したときに,どのレベルでテストを使うのか使わないのか。使うとなったときに,難易度の低いものから使い出すのか,真ん中から使うのか,それ以外なのか。また,私どもも実際どういう難易度の段階にするかまだ決め切れておりませんので,是非学校が自分たちの生徒の状況を見ながら,適切な難易度が使えるようなものとして御提示ができるように検討していければと考えておりますので,上に行くか行かないかは,例えばその状況がよければ,次の年度で受けるときには,もう一つ上の難易度を選ぶということも,これは学校の選択として十分あり得ると思いますし,その受けたものが,まだやはり定着度合いがしっかりしていないなという御判断があれば,また同じ難易度で,今度は違う問題をやっていくということもあり得るのではないか。これは全て学校のところでしっかりと考えながら活用いただくことをイメージしているということでございます。
【安西座長】  学校あるいは個人,両方の道があるわけでありますけれども,基本的には,ある難易度でこのテストを受けた後,また別の難易度でもって受けるということは開かれていると考えていいのではないかと思いますが,それでよろしゅうございますか。
【今井高校教育改革プロジェクトリーダー】  はい。結構でございます。
【安西座長】  よろしいでしょうか。ありがとうございました。
河野委員,その後,佐野委員,お願いいたします。
【河野委員】  ありがとうございます。まず大変分かりやすくお作りいただきましてありがとうございました。感想と質問とお願いしたいと思います。
まず基礎学力の定着ということと,また高校生は本当に多様なので,このバリエーションを拝見したとき,直観として今までの試験問題と違い,生活に密着し社会の中で自立を促すような意図が見える問題が多くあるように思いました。間違っていたら教えていただきたいのですが,生活の中できちんと経験を積んでいけば,点数も上がっていくというか,社会の中でよりよく生きるということに強く関わっているように見えまして,多様なレベルがいらっしゃるということを考えると,とてもよいと感じました。
一つ質問というのは,頂いた資料の5ページのところの出題の狙いの国語のところの中に,御説明いただいた「根拠を持って説明したりすることができるか」という部分がありまして,今,社会人の人材育成をする中で,根拠を持って話すということが難しくなっているので,何かこの中でそれに関係する問題とかあれば教えていただきたいと思いました。
以上です。
【今井高校教育改革プロジェクトリーダー】  失礼いたします。明確に根拠を持って説明するという,特定していたわけでは少しなかったので,大変恐縮ではございますが,ただ,例えば国語の中でも記述式の問題を条件を付して一定の観点に基づいて書いていくということの中で,そういった一定のやはり,ここにございますように,どうしてそういった文章を記述式で書いていくのかというところには,それぞれの生徒によって一定の根拠を持ってそれを書いていくということにもなろうかと思います。そのあたりについて,1問1問,まだ対応関係ができているわけでも確かにございませんので,ここに書いてあるのはあくまで場面のイメージでございましたので,我々としてはそういったことも念頭に置きながら,また,様々な問題を集めていく,若しくは新作をしていく中で,こういった根拠を持って説明したりすることが確認できるような問題というのが,どういった形であれば作っていけるのか。また,それが生徒たちにどういうふうに説いていただくことで確認ができるのかというのは,更に詰めさせていただきたいと考えておるところであります。
【河野委員】  一ついいですか。すみません。ありがとうございます。根拠を示すというか根拠を持って話すこと自体がその人にとって非常に重要だという程度でもいいのですが,もう少しレベルが低いところかもしれないですけれども,そのあたりの気付きのような問題も,レベルに合わせて入れていただけるといいと思いました。ありがとうございます。
【安西座長】  ありがとうございます。
佐野委員,お願いいたします。
【佐野委員】  ありがとうございます。今回,レベル別のセットでA,B,Cというようなグループ分けをした問題を御提示いただいて,高校生の基礎学力テストというか習熟度検定というか,そのイメージが非常に明確になって,我々親としても非常に分かりやすい,そして子供たちに目標が明確になる,これをクリアしようと,この次はここに行こうというようなところが明確になって,非常に姿がはっきり見えてきました。ありがとうございます。
そこで,実はイメージしているのが,もしこの「高等学校基礎学力テスト(仮称)」,あるいは習熟度の検定等を見ると,こういう考え方が広まってくると,教科別習熟度学習というような,教科別習熟度クラス分けみたいなところが学校現場,教育現場の中に,高等学校の中に,そういう指導方法あるいは学習方法が広がっていただければ,いわゆる付いていけないというような,落ちこぼれというようなところが大幅に減るのではないかと。そんな姿が学校の中に実現してもらいたいなということを強く望んでいるところです。
【安西座長】  高等学校の習熟度別の授業については何か,事務局でありますか。
【今井高校教育改革プロジェクトリーダー】  失礼いたします。網羅的にデータがあるわけではないのですが,例えば東京都におかれましてはチャレンジスクール,エンカレッジスクールといった形で,一生懸命基礎学力の定着に向けた努力をしている学校があります。そういった学校の中では,例えば最初には30分授業をうまく組み合わせることで,短い時間の中でこつこつと能力を高めていくというやり方もあれば,まさに今御指摘いただいたような習熟度に分けてクラスで授業をしていくという例も先行事例ではございます。そういったことも念頭に置きながら,「高等学校基礎学力テスト(仮称)」が使っていただけるようなことは是非考えていければとは考えております。ありがとうございました。

(3)「最終報告(原案)」について
資料3に基づき説明があり,その後,意見交換が行われた。

【安西座長】 次に行かせていただければと思います。本日,この「高等学校基礎学力テスト(仮称)」の問題作成イメージ例等,また,先ほど学習指導要領の改訂の御報告もございまして,先般から「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」のこと,あるいは大学教育のいわゆる3ポリシーの公表等についてのこと,多々いろいろなテーマについて議論を頂いてまいりました。そういったブロックといいましょうか,大きなブロックがやはり連携し合って,この高大接続のシステムが出来上がっていくわけでございますけれども,その最終報告の原案について議論を頂ければと思います。まず,事務局から資料の説明をお願いいたします。
【新田主任大学改革官】  資料の3を御覧いただければと思います。最終報告(案)ということで,本システム改革会議といたしまして,昨年3月以来,御審議を重ねていただいたわけですが,それを年度内には一定の方向性ということで御報告を頂きたいということでの最終報告の案でございます。
1枚おめくりいただきまして,目次でございます。全体の構成,時計数字大きな1,検討の背景と狙い,時計数字の2,改革の基本的な内容・実施方法,時計数字の3,改革の実現のための具体的な方策,そしてずっと下へ行っていただきまして時計数字の4,今後の検討体制等という構造,そしてその3の具体的な方策の中が,1の高等学校教育の改革,それから真ん中33ページとあります2の大学教育の改革,そして大学入学者選抜の改革という三つの分野に分かれているということでございます。
次のページからが案でございますが,基本的に9月におまとめいただきました中間まとめをベースにいたしまして,その後の新テストワーキンググループ,それから多面的な評価検討ワーキンググループの御報告,それから9月以降の論点メモ・資料を基に頂きました議論,それから3番目といたしまして中央教育審議会の中で,教育課程企画特別部会,それから教員養成部会,それから大学教育部会,ここに関します審議の状況を加味しまして加筆していっているというような構造になってございます。
次のページ,3ページからで御覧いただきますと,白地の部分があって,大きく中間報告から加筆している部分が黄色の部分という構造でございますので,特に今回,この後,御議論いただきますよう,短時間で御説明しますので,主に黄色の点がどこから来ているのかということを中心に眺めていただくという感じの御説明になりますことを御容赦いただきたいと思います。
3ページ,1の検討の背景と狙いということですが,二つ目の丸にありますとおりに,全体を通じまして高等学校教育以降の教育が,その義務教育の段階を基盤として学力の3要素を育てるものでなければならないということです。そして次の丸ですけれども,こういう認識というのは,現行学習指導要領においても既に共有されているということで黄色の部分があるということです。次のページをめくっていただきまして,このことは全国学力・学習状況調査においてもつながっています。次の丸のところで,これらを踏まえ,小中学校においてはこんなふうになっているという記述です。そして次の丸ですが,「高等学校については」ということで,多様化している中でということで,次の段落の「一方で」ということで,いろいろな課題もあることを入れております。また,その課題と入学者選抜との在り方がつながっている部分があるということ。次の丸で,更に大学教育においても問題・課題があるということがありまして,5ページ目ですけれども,最初の丸で,このよう状況に対して,「その改革に向けて早急の取組を行う必要がある」という記述でございます。そして,高大接続改革についての提言ということで三つ目の丸で,中間報告以降で,今回,最終報告として改革の方向性を取りまとめるものであるということで次の丸,本最終報告は高大接続システム改革について今後文部科学省において,具体化が図られるべき改革の方向性を提言するものであるということで提示してございます。
次のページをおめくりいただきまして,6ページでございます。ここからが大きな時計数字の2の改革の基本的な内容・実施方法のところですが,括弧の1,基本的内容ということで黄色のところ,学力の3要素を基盤に,高校教育,大学教育の在り方を転換していくということと,その際,重要なことはということで,学びのプロセスを充実することを重視し,取り組むこと,それを多面的に評価するということが重要だということで加筆してございます。次のページ,7ページでございますが,特に多面的な評価検討ワーキンググループの御報告とその内容がこの後に続いてきますので,それについての記述を加筆してございます。
次,8ページが段階を踏まえた着実な実施,特に変更ございません。
9ページ,大きな3からが具体的方策でございますけれども,その内の大きな1,高等学校教育改革の部分でございます。全体的な考え方ということで,次のページ,9ページから,前ページの一番最後からが「高等学校基礎学力テスト(仮称)」についての記述を少し変更してございます。その後,次の丸,PDCAサイクル,それから次の丸,中央教育審議会における,特に教育課程の見直しについての議論との連動,中央教育審議会との関係,そしてそれの条件整備につきまして,少し記述の方を充実させて,又は更新してございます。次の11ページでございますけれども,教育課程の見直しについて書いてございますけれども,先ほどもお話のありました歴史科目等についての用語膨大となっているというような教育課程特別部会での御議論がありましたことについて加筆してございます。
次のページ,12ページのイで,学習・指導方法の改善と教員の指導力の向上ということでずっと書いてございますけれども,13ページ,これは提言について,教員養成について,昨年12月中央教育審議会答申が出ておりますので,そこで受けているという旨について記述してございます。
ウが多面的な評価の充実でございますが,ここは前回,第12回会議で御報告ただきました多面的な評価検討ワーキンググループの審議まとめの内,高等学校における評価に関する部分の記述がこの後,盛り込まれてはいます。なお,入学者選抜に係る評価につきましては,後ろの入学選抜改革の項に反映するということでございます。めくっていただきまして,14ページでございますが,評価の在り方でございますが,一つ目の丸にありますとおりに指導の改善と評価の改善を一体的に進めることの必要性,そして次の二つの丸が学習の評価,観点別な学習状況の評価といったようなこと,そして次の二つの丸が多様な学習活動における学習の成果について,そして加えて入学者選抜の観点からの妥当性・信頼性,上記を踏まえ,学力の3要素をバランスよく評価し,評価の在り方を見直ししていく必要と,一番下の丸のところで「なお」ということで,この学習評価の在り方については中央教育審議会の議論の方と協調して進める必要があるということで最後の丸を記述してございます。
それで,丸の1,各教科等の学習評価の在り方について,次のページをめくっていただきまして,三つ丸を提示してございます。また,丸の2,多様な学習活動の評価の在り方ということで,学習活動の評価と,それからそのときの多様な測定ツールということで民間検定と各種検定試験等の活用等について記載されてございます。丸の3が指導要録の改善を行うということの検討ということです。次のページ,丸の4が評価の妥当性や信頼性の向上ということで,三つ丸で記述してございます。丸の5,生徒自身のキャリア形成に向けた検討の必要性ということで,主体的に学びに向かい,自発的なキャリア形成を促していくことの重要性ということで一つ目,二つ目の丸。三つ目の丸で,これらの観点からポートフォリオ等の取組等の具体的な方策の検討。最後の丸のところで,高大接続という観点から,これらのキャリア形成に向けての学びが継続していくように大学進学時の進路選択が行われることの重要性ということで最後の丸がございます。ページをめくっていただきまして,17ページで丸の6,評価充実のための基盤整備ということで,教員の養成研修あるいは指導要録等の電子化,国における調査研究等についてということで記載しております。
(3)がPDCAサイクルの構築でございます。こちら特に大きな変更はございません。
18ページからが,(4)「高等学校基礎学力テスト(仮称)」の導入ということでございます。ここのところで,取り巻く現状ということで,二つ目で,高等学校の多様性と基礎学力の確保という観点から現行の学習指導要領における位置付けということについて加筆してございます。
19ページでございますけれども,丸の3の現状の背景と大学入学者選抜機能の低下の次に丸の4番といたしまして,その基礎学力の定着度合いを把握する仕組みの構築ということで「高等学校基礎学力テスト(仮称)」を導入することの意義,位置付けについて記載してございます。こちらの記載は,2月17日の第11回の説明資料のところからの記述ということで,多様化した高校教育における質の確保・充実に向けた取組の必要性ということで,「具体的には」ということで1の各高等学校の工夫の促進とともに,ページをめくっていただきまして2ですけれども,それぞれの実状を踏まえて高等学校が基礎学力の定着状況を把握する仕組みとしての「高等学校基礎学力テスト(仮称)」の導入となっております。次の丸のところで,先ほどお話のありました複数レベルの問題から選んで受検できること,目標準拠型の評価度段階的提供,実施時期を柔軟に設定できる仕組みということで丸がございます。
イの基本的事項でございますけれども,目的でございますが,こちらも従来の目的から2月17日の資料にございますとおりに,二つ目の丸にありますとおりに,生徒,学校,設置者ということで,その目的について分かりやすくということで充実をしてございます。対象者,丸の2ということですけれども,一番最後の行のところでは,「希望参加を基本として実施することとし」ということ,次のページ,21ページの丸の3で問題の収集・作成・精査・蓄積・提供の枠組みということで,一つ目の丸,一番最後にありますとおりに,同一問題・同一実施主体というテストではなく,CBTを前提として,相手のバンクに蓄積した大量の問題から引っ張り出してくる仕組みということで提示をしてございます。丸の4,定着度合いを把握するための評価基準の整備ということで,一つ丸を書き加えてございます。
22ページからがウ,基本的な仕組みでございますが,対象教科・科目については大きな変更のところはございません。一番下のところの丸の2,問題の内容ということで,難易度の設定,それから次のページ,23ページに行っていただきまして,一つ目の丸になりますが,ボリュームゾーンとなる平均層から,更に学力面で課題のある層と言いつつも,ここが学校設置者又は受検生が適切に判断できるようにする仕組みだということで少し丁寧に記述をするということで加筆してございます。
24ページをおめくりいただければと思います。24ページからが出題・回答・成績提供方式ということで加筆をしてございます。そしてIRTの導入,次のページ,25ページ,CBTの導入ということで,このCBTの導入について三つ目の丸のところで,このコンピューターは学校内に整備されているコンピューターを使うというインハウス方式であるということで,2月17日の資料から記述してございます。
成績提供の結果提供ということで次のページ,26ページ,それから26ページ丸の4,受検回数・時期ということで,2月17日の資料から,受検については各学校の科目履修の進捗状況を踏まえて学校又は設置者において適切に判断できる仕組みとするということで,従来,中間報告では2年生,3年生を対象にということで,それにつきましては2月17日の資料で1年からということにしておりましたので,それに合わせて記述でございます。それから日程,それから次のページ,27ページ,実施場所,受検料と来まして,結果活用の方式についてということで,これまでのメモを基に少し丁寧に,その利用方途について次のページ,28ページまで記述を加えているということでございます。特に28ページ,指導の工夫・充実に用いる場合ということで,四つ丸がございますけれども,各学校又は本人ということの用い方について,定着度度合いをどのようにして評価するのかを明確にするなどによって利用するということを記述してございます。
29ページ,施策の改善に用いる場合についてということで,都道府県等について少し記述を記載してございます。
30ページ,丸の7,民間の活用と,それから31ページ,その他で高卒認定試験との関係,そして32ページと来まして,一番最後のところ,名称につきましては,テストの性格が診断検査,検定といった性格であることを踏まえながら,29年度初頭予定の新テストの実施方針までに確定をするということでございます。
33ページからが大学教育改革でございます。5ページほどございます。(1)大学教育改革の必要性,(2)ポリシーに基づく大学教育の充実方策ということでございますが,めくっていただきまして34ページ,三つのポリシーの策定に関する位置付けの強化ということでございます。これにつきましては中間報告を踏まえて,一つ目の丸にありますとおりに,中央教育審議会の大学分科会で御議論を頂いております。二つ目の丸にありますとおりに,三つのポリシーの策定・公表の法令上の位置付け,それから次の丸で,三つのポリシーの策定・運用に関するガイドラインということについて取りまとめられつつあるところであるということで,状況及び内容について記載しているということでございます。なおPとございますのは, 3月中の策定又は改正ということでございますので,最終的に時制を合わせる必要があるということでのPでございます。
それから35ページ,それによって三つのポリシーに基づく教学マネジメントの確立ということで,例えば二つ目の丸にありますような,卒業認定・学位授与,教育課程,それから入学者選抜を含めて全体としての一貫性,そしてその後ろ二つにございますとおり,学習指導方法,学習成果評価等の在り方,それからカリキュラム改善と教育の改善を図っていく必要があるということについて記載してございます。
次のページ,36ページでございますが,中央教育審議会ではこれとあわせてスタッフ・ディベロップメントの機会の充実ということについての御議論を頂いておりますので,その状況についても加筆をしたということでございます。最後の二つの丸のところが,国における大学に対する取組の支援ということで,二つ丸を付けてございます。
(3)認証評価制度の改善ということで,一つ目の丸にありますとおりに,これら三つのポリシーに基づきます各大学の教育への取組についての新しい評価が必要であるということで,中間報告を基に中央教育審議会の方でも御議論いただいておりましたので,37ページにございますとおりに,一つ目の丸ですが,これらについて中央教育審議会においての認証評価制度の改革の方向性ということでぽつ四つ,特に上の一番一つ目のぽつの内部質保証の重視,あるいは二つ目の三つのポリシーについての評価ということでの認証評価制度の改革の状況ということについて方向性を記載してございます。
おめくりいただきまして38ページでございます。38ページからが大学入学者選抜改革でございます。(1)の改革の必要性,それから(2)個別大学における入学者選抜の改革,そしてページが飛びますけれども,この後(3)として「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」の導入というこの3本の柱になってございます。この内の二つ目の個別大学における選抜改革として,アの基本的な考え方ということで丸の1,三つのポリシーの内のアドミッション・ポリシーに基づいて,学力の3要素を多面的・総合的に評価する入学者選抜へ改善していくということ。このことについて39ページでございますけれども,39ページの二つ目の丸で,アドミッション・ポリシーにおいて求める能力とその評価方法,そしてその評価方法の比重ということをアドミッション・ポリシーを用いて責任を持って説明できるようにするということでございます。また,これらについて認証評価においても適切な評価が行われるべきであるということ。
次のページ,40ページでございます。多様な背景を持つ受検者の選抜ということでございますが,ここは留学生の視点ということについて加筆をしてございます。丸の3が学力の評価が十分に行われていない大学における入学者選抜の改善等ということで,41ページでございますが,評価の在り方をおまとめいただきましたので,それを反映した更新を幾つかしてございます。
42ページからでございますが,これらの個別選抜改革を推進するために求められる具体的方策ということで,ここから少し黄色が多くなりますが,基本的には前回,2月24日第12回にお示しした論点メモからこちらに引き写しているのが主ということでございます。丸の1で新たなルール作りということで,二つ目の丸にありますとおり,入学者選抜実施要項があり,三つ目の丸ですが,AO入試,推薦入試,一般入試に区分され,それについての定義要件が示されているということについて,現状ではということで二つのポチがございますけれども,このような課題があるので,その改善の取組を進める必要があるということ。次の43ページでございますけれども,以下のような見直しの方向性を踏まえて,新たなルールの構築をする必要性ということでございます。
「特に」ということで,現行のAO入試,推薦入試について指摘されている課題の改善ということで,一つ目の丸にあるような,AO入試,推薦入試等で学力検査を免除するといったような中で,知識・技能,思考力・判断力・表現力を適切に把握できるように改めるべきであると。また,三つ目の丸の推薦書等の活用といったこと。
また,次の一般選抜についての課題ということで,そこにおける一つ目の丸,調査書,学習・活動歴,学修計画書等の活用でありますとか,また,一般入試における,二つ目の丸ですけれども,課題がある中で,これについても改善を図っていく必要があるということ。
次のページをめくっていただきまして,44ページ,選抜の実施時期についてですが,三つぽつがございますが,前回もこれ,御議論になりましたが,AO入試,推薦入試,一般入試ということで時期を定めておりますけれども,この時期の捉え方について新たなルールとして整理する必要があるということ。
次の括弧の,こうした新たなルールに関する今後の検討の進め方ということにつきましては,これら入学者選抜実施要項に係るものにつきましては,関係者による改善協議の場において議論をすると。このときに,32年度に実施される入学者選抜から適用できるようにということで,一番下の行ですけれども,29年度初頭を目途に各大学等に予告することが適当であるということ。
丸の2,大学入学前の多様な学習・活動に係る評価方法の改善ということで,ここは多面的な評価検討ワーキンググループのまとめの内,入学者選抜に係る部分についてがここに入ってくるということでございます。改革の方向性ということで,大学入学前の学習や多様な活動に関する評価の充実を図ると。「このため」ということで調査書等の提出書類の在り方の見直しといったもの。
45ページが,まず一つ目の括弧ですけれども,入学者選抜実施要項で定められています調査書の見直しといったこと。それから次の括弧ですけれども,校長等による推薦書の見直し。次のページ,46ページでございますけれども,それ以外の本人が出す提出書類の多様化や内容の充実といったこと。提出書類というのは,二つ目の丸にありますような活動報告書や希望理由書,学修計画書等々といったことでございます。そして,次の括弧で,高等学校での学習状況等を踏まえた大学教育の改善ということで,一つ目の丸にありますけれども,初年次教育等の大学教育の改善,あるいは二つ目の丸にありますような,高等学校までの履歴とその後の多様な大学での学びの履歴への接続ということ。次の括弧ですけれども,これら調査書や提出書類等の在り方に関する検討については,先ほどと同様,入学者選抜実施要項にも関わりますので,その改善協議の場で更に御議論いただきたいということ。それで,先ほどと同様,29年度初頭目途に各大学に予告できるように検討を進めるといったことが記載してございます。
それから次のページ,47ページからが(3)「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」の導入,ここから先,10ページほどございますが,基本的に12月から2月までの第9回,10回,11回におけます論点メモ及び資料を落とし込んであるということでございます。
ア検討の経緯ということで,2行目にありますとおりに,共通テストとしてどのように改革するのかが鍵であるということ。その際,三つ目の丸ですが,学力の3要素,二つ目のぽつの高校教育,それから大学教育への影響といったこと,三つ目として,各大学独自の評価方法との適切な組合せといった観点からの検討であるということ。
イからが基本的事項ということでございますけれども,48ページからでございます。丸の2,評価すべき能力の明確化とそれを踏まえた作問といったこと。これも過去の資料からここに移してございます。そして丸の3,今後の社会で特に重要となる能力の育成・評価ということで,例えば現行の大学入試センター試験について以下のような指摘があるという三つのぽつ,そして「このうち」ということで,情報の統合・構造化,その過程を表現する能力といったことが今後よりよく育成していくことが重要な課題である。49ページ,「そのため」ということで,このような能力,上から4行目ほどございますけれども,今申し上げたような能力を評価するという観点から,マークシート式問題の改善とともに記述式を導入することが有効であり,検討するということ。「その際」ということで,先ほどの,次の丸ですけれども,中央教育審議会での次期学習指導要領策定に向けた議論ということとの整合性をとる必要性があり,特にそれを考えますと,単なる知識の量や細かな知識の有無のみにより評価を行うことがないよう検討する必要があるということ。あわせて英語の問題ということで,次の丸で加筆してございます。
ウからが具体的な仕組みの考え方ということですけれども,丸の1,対象とする教科・科目というということで,次のページに行っていただきまして,50ページからでございますが,大きく先ほどの,特に対象教科・科目の内,新学習指導要領の検討状況と連動した記述を,歴史総合,あるいは先ほどの数理探究などにつきまして加筆してございます。
それから51ページでございます。51ページでマーク式問題の改善ということで,前回までの論点メモにあります改革の方向性,あるいは中間報告にありました改革の方向性ということで並んでございます。
そして52ページでございますけれども,「また」ということで一つ目のぽつにございますが,大学で得点比重を判定できるような方策に取り組む。結果提供については多様な情報,例えば素点ではなくて問いごとの回答状況や各科目の領域ごと等の情報を提供するといったこと。
丸の3からが記述式の導入ですけれども,先ほど申し上げましたとおりに記述式を導入することが有効であるということで,三つ目の丸ですが,今後更に実証的・専門的な検討を丁寧に進めていくとしております。
次の53ページでございます。作問と結果表示ということで,一つ目のぽつにあります条件付き記述を中心に作問を行うということ,二つ目の対象教科で国語,数学と,32年度からは短文記述式,36年度ではより文字数の多い記述式を導入するということ。それで一番下のぽつでございますけれども,特性を踏まえ段階別表示とすることとしております。
それから採点方法・体制等ということで,条件への適合性を中心とした評価,それらの採点基準に基づく個々の条件への適合性の判定業務については,例えば民間活用であるとか,あるいは採点業務の効率化・安定化を図るために,採点支援業務等に人工知能等を活用することを含めた新たな技術開発の活用も積極的に進めるということ。次の54ページでございますけれども,採点方法・体制等については更に専門的な検討を行っていくということ。
実施時期ということについては,今後更に十分検討するということ。「その際」ということで,マークシート式問題と同日あるいは別,それぞれについて検討を行うということ。
丸の4が英語の多技能を評価する問題の導入に係るところということで,少し電子機器のことについて加筆をしてございます。
それから次の55ページ,難易度設定,それから丸の6,CBTの導入,それから丸の7,実施回数の在り方ということで,一番最後の行でございますけれども,1回の共通テストで教科の知識を基盤とした学力を1点刻みで評価するこれまでの枠組みを改善することを狙いとして議論を行ったということで,56ページ,次の丸にありますようなIRTに関すること,それから次の丸の等化に関することといったことを含めて,最後の丸のところで,今回マークシート式,それから記述式,英語の多技能評価ということで,これまでの共通テスト以上に学力を多面的・総合的に評価する新たな枠組みを提供することを狙いとしているということで,これらによって,この新たな枠組みの検討を一義とした上で,同種のテストを複数回実施することについては引き続き検討することが必要であると記述をしてございます。丸の8,環境整備の方策ということがございます。
57ページ,大きな時計数字の4で,今後の検討体制等については次回お示しさせていただくということでございます。
以上でございます。
【安西座長】  ありがとうございました。
それでは,ただいまの資料の説明につきまして,御質問,御意見を頂ければと思います。どなたでも結構です。
五神委員,お願いいたします。
【五神委員】  ありがとうございます。最終報告案は,今までの議論をかなり丁寧に踏まえていただいたというまず印象を持ちまして,そういう意味で,これを用意していただいた関係者の御努力に敬意を表したいと思います。
その上で,これをぱっとやはり見ますと,一番インパクトの大きい入試改革というところの印象が強いということを踏まえますと,検討の背景と狙いというところを,より丁寧に注意深く,この議論がどういうふうに行われた結果こういう結論に至ったのだということを説き起こすべきだと感じました。
まず,1点目としては,学力の3要素ということが,今までの教育再生実行会議,中央教育審議会,そして本会議という流れの中できちんと議論された上,出てきたわけですが,本来であれば20年後,30年後の産業構造の変化を捉えて,労働市場についてきちんと具体的な姿を提示した上で,その中で活躍する人材として,逆算してどのような能力を今の学生が身に付けなければいけないかということを語るべきであって,その結論としてこういうものだということを言いたいわけですが,しかし残念ながら,そういうことを見通せる人はいないわけです。これはこの間閣議決定された第5期の科学技術基本計画を見ても,どういうふうに変えたらいいかというやり方についてはよくても,では何をするかという具体的なことは示せていない。それは仕方がないことで,それは世界で誰も分からないという状況なわけです。それがあたかも見通せているような形で,だからこの能力を育てましょうという言い方は,少なくともこれを読むお子さんたちやその親御さんたちに対する態度としては誠実性を欠くのではないかということで,そこのところが誤解のないように,見えないからこそこういうことをやらなければいけない。つまり労働市場がどういう分布になって,その中で失職しないためには何を身に付けなきゃいけないかということが読めないけれども,こういう改革をしなければいけないという論調でないといけないと思います。少しそういう観点で見ると気になるところが多々,まだ見付かるように思いますので,是非修文のところでやっていただきたい。
もう一つは,やはりいろいろ全般的な議論,例えば大学改革について三つのポリシーを明示するとかそういうことをやっていて,そういうことが包括的に本体では書かれていますけれども,やはり際立つのは入試改革というところになるというわけです。ただ,全体の改革をする上で,入試改革が全てではないということは,ここでもさんざん議論されましたが,しかし実効性のある改革を進める上で,やはり入試についての議論をすべきであるという結論になったというのはこの議論の成果だと思います。ですからそこのところをもう少し説き起こす形できちんと書くということだと思います。
こうした議論に喚起されて,例えば今年度の入学試験を見ても,本学の入試でも相当力を入れて工夫をしたと自負しておりますが,そういう改革が進んでいるので,現場の状況を否定するということではなくて,その改革を加速するという位置付けを明確化するということがよいのではないかと思います。本来ならば未来の社会をしっかり支える人材の質と量を確実に確保するということが育成の目的であって,ですから大学教育で言えば,出口のところで量と質をきちんと確保するというやり方であるので,現在のような入学管理というところだけになりますと,入試改革というのが必然的になるということですが,そこは前提が変わってくる可能性があるわけです。多様化するわけですから,入学者は。帰国子女の方も増えるでしょうし,外国人の方も増えるという中で,多様化する中で,出口としての質と量を最大化するためにどうしたらいいかということがあるわけです。ただ,現実的に,今ステップとして進めるものは,こういう形になりますというような説き起こしが必要で,厳しい財政状況の中で,公共財としての教育というものをどういうふうに支え合うかということがきちんとある中で,高等教育の平等な機会保証というものは非常に重要ですし,それが格差の再生産を防止するようなものでなければいけないと。これは入試改革を下手にすると,格差の再生産ということにつながってしまう可能性があるので,そこについても,私たちはこの会議の中で十分な議論を尽くした結果,この結論に至ったのだということを冒頭のところで書くことが極めて必要で,そうでないと,この改革が安定性を保つ中で着実に行われるということを子供やその親御さんたちに伝えないと,我々の本意ではないわけで,そういう部分をより丁寧にしていただきたいということで,最後のブラッシュアップの段階になると思うので,是非,今申し上げた点を踏まえて,丁寧に仕上げていただいて,信頼性の高いものにしていただきたいと思います。
以上です。
【安西座長】  ありがとうございました。
私から,お答えではないのでありますけれども,今3点頂きまして,20年後,30年後,本当にどうなるか,それは誰も読めないと思います。その中での改革をしていくのだということは,やはりおっしゃるとおりで,それをきちんと誠実に出していくということは大事なことだと思います。
それから入試改革がやはり一つの大きなポイントだということもおっしゃるとおりでございまして,一方で個人的には高等学校の多様性の中で高等学校の教育をしっかり確立していくということが,多様性を持って確立していくということが大事だということも申し上げておければと思います。
それから,入口より出口というのは,これも私はもう全くそのとおりだと思っておりまして,大学の役割というのは,やはりその大学の卒業生が社会でもってどういうふうな人生を歩んでいくのか,どう活躍していくのかということをその大学がお考えになってそれを教育に反映していただくのが最も大事なことだと思いますので,この案では,何とかディプロマ・ポリシーの方から先に書いてありまして,アドミッション・ポリシー,カリキュラム・ポリシー,ディプロマ・ポリシーの順ではなくて,逆の順になっているかと思います。それは,今,五神委員が言われたことを意識してのことではありますけれども,やはりもっと今言われた点については,書き込まれていいのではないかと私も思います。
ありがとうございました。

山極委員,お願いいたします。
【山極委員】  ありがとうございます。五神委員と少し重複するところもありますけれども,この最初の序文です。これ,いわゆる現状分析,その後のいろいろな文章を読みますと,現状分析は非常に正確になされていて,今我々が直面している課題というのはきちんと網羅されていると思うのですけれども,やはり最初に明治以来のとうたってある以上,やはりこれから30年先,40年先から眺めたときに,一体ここでどういう改革があったのかというのは,とても気になるところです。これを見ますと,やはりどういう高大接続にして,どういう学生をこれから世に送り出したいのかということがビジョンとして余り語られていない。それはこの序文に書くべきだと思います。例えば「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」にしても,これは高校生のためだけにあるのではなくて,社会人に対しても適応されるし,それから将来的には国際的に留学生に対しても適用されると思います。そういうこともビジョンとして書くべきであって,国際化というのが最初に少し出てくるだけで,しかも数値としては,例えば高等学校入学が99%近くなっていると書いてありますけれども,大学の入学率というのがいまだに半分ぐらい。つまり高等学校は全入だけれども,その内の半分が大学に入学している,その後の半分はどこへ行っているかということであって,これは,いうなればその現状を黙認し,現状の課題をただ注視して,その解決を図るということに過ぎないように見えるわけです。高大接続のシステムとして改革をしながら,では一体どういう高等学校に,どういう大学にしていくべきかというビジョンがやはり薄いような気がします。これを見ると,高等学校というのが分岐点になっていて,半分は大学に進む。大学に進む人は「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」を受ける。大学に上がらない方は,底上げを図るために「高等学校基礎学力テスト(仮称)」を受けるというようなふうに読めてしまうわけです。では高等学校が本当に今も将来も分岐点になるのか。例えば,大学入学希望者が今の18歳人口だけではなくて,海外からも,あるいは社会人からも受け入れられるような社会になって,そしてその中で新たに大学を位置付けるというビジョンがあるならば,それはまた違った形の書き方になるだろうと思いますし,「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」が18歳人口の,しかも高校生だけに向けられたものではないということは,どこかで語ってはいますけれども,序文には余り語られていないわけです。そういう改革の目的,そして目標というのが,この最初の部分に語られていて,ああ,このときに,日本はこういう改革を目指したのだということがはっきり分かるように書いていただきたい。先ほど五神委員もおっしゃられましたが,見えないところはあります。例えば10年後,20年後先に今の職業がほとんどない,半分ぐらいしかないという意見もあるぐらいですから。一体学生たちにどういう職業を目指したらいいのかということはなかなか我々自身として語れない。だからこそ,どういう形で学問というものを修めなくてはいけないのか。将来いろいろな可能性を持ったところに進むためには,こういう学問を少なくとも修めておく必要があるのだという精神に立ち返って考えるならば,そういう書き方が可能でしょうし,そのあたりのことがほとんど高校生本人に,あるいは高校生の親たちに丸投げされています。どういうふうになってほしいかということが,現状の課題の解決にあたふたしているだけで,将来の形が見えていないというのが私の大きな不満です。これ,最初から申し上げているのですけれども,そのあたりをやはり大きく語っていただきたいというのが私の希望です。
【安西座長】  ありがとうございました。
今,五神委員また山極委員の言われたことは,もちろん私も全く同様でございまして,そういう形でこの最終報告の冒頭に,やはり理念といいましょうか,将来に向かって,多くの方々がそうだと思うような,そういう考え方を掲げるということで,よろしければ是非そうさせていただきたいと思います。
その一方で,と申し上げておければと思いますのが,この件は長い間,中央教育審議会で議論されてまいりまして,中央教育審議会で一昨年の12月に出されました,この高大接続答申におきましては,かなりそういう意味での理念といいましょうか,そういうことは議論され,語られてきたわけでございます。その上でこの会議は,むしろ実行,実際,文部科学省の方で実践していただくためにどういうことが必要かということをまとめて,システムとして上げてほしいということで,それで開催されている会議でございまして,そのことも是非,文部科学省に成り代わってといったらあれですけれども,御理解は頂ければと思います。この時点で大きな理念を掲げるということが,この会議の目的ではむしろなかったものですから,そのことは是非,御理解いただければと思います。ただ,なかなかやはり非常に大きな改革でございまして,世の中に対してメッセージをきちんと伝えるということは,それは続けてしていかなければいけないと思いますので,もしよろしければ今のお二方の委員のおっしゃっていることを受けて,この案については,やはりもっと高らかにうたっていくということを検討していただければと思います。よろしゅうございましょうか。
ありがとうございました。
それでは,長塚委員,それから小林委員,それから関根委員,それから浦野委員,南風原委員というふうにさせていただきます。長塚委員,お願いいたします。
【長塚委員】  2点ございます。一つはアクティブ・ラーニングという言葉の使い方です。最近,アクティブ・ラーニングというのが随分流行のようになっていますが,これは研究者によっていろいろな解釈あるようです。この言葉が余り明確には定義されていないことが原因していると思います。これまでは現学習指導要領の言語活動の充実という,その先にあるものだというような表現で,何か余り明確にはしていなかったということだと思うのです。しかし今回,高等学校教育改革の9ページあたりから,アクティブ・ラーニングの視点という言葉でくくられていて,次期の学習指導要領の改訂の各教科でもアクティブ・ラーニングの視点から見るというようなことになっています。ところが,そのアクティブ・ラーニングの視点とは何かということが必ずしも分かりやすい形では書かれていません。ここの脚注を読むと,そこが書いてあるわけです。この脚注に「アクティブ・ラーニングの視点からの学習」云々とはと書いてあって,それは12ページの三つの視点に立って学習の改善をすることだということなのです。これは相当読み込まないと,アクティブ・ラーニングの視点という言葉,アクティブ・ラーニングじゃなくて,その視点という意味さえも,実は分からないような書き方になっています。しかしその内容は,従来の言語活動の充実というよりも,非常にきちんと捉え直しした表現になっていて,12ページの1,2,3を踏まえたような学習の仕方に変えていく,改善していくということを促していることとしては明確に書かれていて,非常に重要だと思います。これは,脚注に書くようなものではなくて,どこかに明確に書く方がよいのではないでしょうか。アクティブ・ラーニングの視点という言葉がこの後もずっと続くんですね。いろいろなページにです。アクティブ・ラーニングという言葉の解釈が先走りしないためにも,それは大事だと思います。また,さすがに大学教育の方ではアクティブ・ラーニングという言葉でなく,能動的学習という形でまとまっていますが,それでも大学入学者選抜は,やはり高等学校のアクティブ・ラーニングの視点の学びをした生徒の,学びの結果を受け止めるような入試改善であってほしいし,高等学校までの教育がアクティブ・ラーニングの視点でいくのであれば,大学教育もまた,それを更に促進するような学びになっていってほしいということが,もう少し強調されてもよいのではないかという思いがします。高等学校までの学びと大学教育が,そこで少し切れているような感じがしないではない。大学教育にもすでに能動的学習がありますので,アクティブ・ラーニングという言葉を入れろとまでは思いませんが,それを受けて,一層促進するというぐらいのことがあってもいいのではないかというのが一つです。
もう一つは21ページです。ここに先ほどの2点目の議論の「高等学校基礎学力テスト(仮称)」のところで,テストをいろいろなところから,例えば高等学校などからも集めるのだということです。アイテムバンクに蓄積するために,大量に問題を集めるということですが,これは高等学校などから吸い上げるだけじゃなくて,高等学校でもそれを使えるようにすることがあってもよいのではないでしょうか。各レベルのものがあれば,各高等学校の多様な段階に応じて,各学校が定期テストや実力テストでも使えて,全国の高等学校がそれを使えるということであれば,このアイテムバンクの意義が高まります。国家的にやる事業としたならば,それを全国の生徒も使える,高校も使えるようにする,そういう方向で,双方向でこれが使えるような形にしていただきたい。そういう文言が是非欲しいという思いです。
以上です。
【安西座長】  ありがとうございました。
アクティブ・ラーニングのことについては,やはり言葉の使い方で混乱している面があるとは思いますし,また,今のアイテムバンクについてもおっしゃることはよく理解できることだと思いますが。
ありがとうございました。
それでは,小林委員,お願いいたします。
【小林委員】  おまとめいただきありがとうございます。3点ございまして,1点目は全国の高校等に回っていますと,よく質問を受けることがありまして,ここ20ページに「高等学校基礎学力テスト(仮称)」の対象者,丸2というところがあると思います。ここに,一番最後に,下の行に,「取組が進められるように構築することを踏まえ,希望参加を基本として実施することとし,学校単位での受検と個人単位での受検の両方が可能とする」というふうに書いてありますが,これ,確認ですけれども,学校単位での受検を基本として個人が受けられるようにするではなくて,個人の希望参加を基本として学校単位でも受けられるというふうな形なのでしょうかというのが,これ,よく質問を受けるので確認が1点です。
それから二つ目は,これは56ページのところの回数,これは「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」の方の実施回数ですが,この55ページの一番下のところに,これは前回まとめられた高大接続改革答申において,大学入学希望者に挑戦の機会を与えるとともに,資格試験的利用を促進する観点から年複数回実施するということが提言されています。この黄色の56ページにまとめていただいたところによると,記述式とマーク式を別日程とすることによって,議論の狙いが相当程度実現するのではないかということが書かれています。これはもし記述式テストとマークシートを別々の日でも両方受けなければいけないとすると,併せて1回と考えられるとも見えます。ですので,これが相当程度実現するというのは少し言い過ぎじゃないかと私は思います。これは,この場は高大接続改革のシステムを作る会議だと思いますので,高等学校の評価の方も多面的な評価をこれから行っていくということで,「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」以外のところもいろいろ見て,ポートフォリオ的なところも指導要録も改善していくということになりますので,是非こういった資格試験的な使われ方,あるいは複数回の実現ということを,旗をおろさずにやっていただきたいというふうに是非記述していただきたいと思っております。
三つ目は,五神委員もおっしゃいましたけれども,今まで日本はどちらかというと大学入学がゴールであったような気がします。これからは入学の,私は「入学の国から卒業の国へ」とよく申し上げているのですけれども,入学がゴールではなくて,卒業にもっと力が入るように,卒業要件の厳格化等を含めて社会との接続を強化するという卒業の国になっていくというところが一つの大きなポイントだと思っていますので,少し重ねた発言になると思いますが,是非そういった卒業の国に向けたところへの記述を入れていただければと思っております。
以上でございます。
【安西座長】  ありがとうございました。
今の,最初の方のところ,事務局から何かありますか。
【今井高校教育改革プロジェクトリーダー】  失礼いたします。「高等学校基礎学力テスト(仮称)」の対象者,対象のここの部分につきましては,基本的には指導の工夫,それから充実に使うということを目的の中で,中間まとめの段階でかなり強く出しておりますので,それまで答申では生徒の参加希望を前提としておりましたけれども,中間まとめの段階で,学校での参加と,それを前提に生徒の参加希望とするということになっておりますので,考え方としては,その考え方を踏襲しているというふうに事務局としては考え方を整理しているところでございます。
【安西座長】  ありがとうございました。
それでは,関根委員,お願いいたします。
【関根委員】  今回のこの改革は非常に大きな改革だと思っています。私は,特に大きなことが二つあると思っています。一つは,学力保証をするということ。つまり「高等学校基礎学力テスト(仮称)」の意図は,一人一人きちんと学力を付けましょうということだと思うのです。これは,実は物すごく大きな変革でして,履修主義から修得主義へ,とまでは言いませんけれども,その方向にかなりシフトしたという意味では,日本の教育の大きなターニングポイントになることだと思うのです。その辺は,できればどこかに少し書いていただきたいと思います。もっと言えば,高大接続に直接関わってくることではないですけれども,小中の全国学力・学習状況調査では,義務教育の学力保証ができているわけではありません。そういうシステムになっていません。そういった意味で,今回のこの改革は学力保証,つまり修得主義的なものに移行していくという方向性が非常に重要なところだと思っています。そこは,少し書けるところがあれば書いていただきたいというのが一つです。
もう一つの大きなことは,高等学校,大学含めて学びの改革になるという点だと思います。これを本当に盛り上げていくためには,例えば問作にしても,採点にしても,是非,高等学校の先生とか中学校の先生を大きく巻き込んでほしい。そういうムーブメントを作っていけばよいと思います。これにいろいろな先生が関わるというふうに,一緒にやっていきましょうという形の記述をどこかに少し盛り込んで頂けるとありがたいということです。
【安西座長】  ありがとうございました。
それでは,山本委員,それから浦野委員,南風原委員,羽入委員,それから五十嵐委員にお願いいたします。
【山本委員】  失礼します。冒頭,五神委員と,それから山極委員もおっしゃられた,この最初のバックグラウンド,緒言に当たる部分ですけれども,先生方がおっしゃったのはそのとおりだと思います。その上でですけれども,4ページです。この冒頭の方からは,小中についてかなり評価が高く書いてあるのですが,その下の高等学校は,もちろんこれは高大接続改革ということですから,そうでしょうけれども,高等学校と大学については,この書きぶりだけを見ますと,こんなにひどいことになっているのかというような印象であります。私,ここでももちろん関係者の方がたくさんいらっしゃいますし,高等学校,大学でもこの10年で非常に大きな改革があって,これは文部科学省の方でもいろいろなGPとかいうようなシステムで,政策的な誘導もあって,物すごくいい取組がたくさんあるわけです。ですから,それを一つ一つ書くというわけではなくて,幾つかこういったこともやられていて,これを一層推進するために更に改革をやるのだというような書きぶりにしていただくのがいいのではないでしょうか。これを一般の方が見られたときに,高等学校,大学なんか行きたくないと思ってしまってはまずいと思っております。
それからもう1点は,27ページですか,これはもう前回も,中間まとめで出ていたところですけれども,一番上のところ,2行目です。「『高等学校基礎学力テスト(仮称)』はボリュームゾーンとなる平均的な学力層や,学力に課題のある層の生徒を主な対象とするものであることから」とこう書かれています。これは最初の方の議論ではこうであったのですが,大学入試に使わないというようなことが途中で出てきて,ですから目的が高等学校教育,もちろんこの目的も初めからあったのですが,高等学校教育における質の保証と,それから生徒の学習意欲を喚起するのだということになってきました。今のこのまとめで,ここにこれが残っているということは,対象者としてこういったものを意識しているのかなということがあるわけですよね。やはりこの層を意識しつつ,この「高等学校基礎学力テスト(仮称)」を導入するということであれば,前の「高等学校基礎学力テスト(仮称)」の初めの方の対象者のところにこういったような記述が要るでしょうし,もしそうでなければ,こういったことが当初は議論されたのだけれども,現在考えている「高等学校基礎学力テスト(仮称)」はこうじゃないのだということであれば,この部分を削除して,「望ましい一方,生徒の集中力が持続できる」云々と続けてもいいのではないかと思っています。
あと,テクニカルな面が幾つかあります。例えば知識・技能を中心に評価する問題と思考力・判断力・表現力を中心に評価する問題とに分けて設定し云々と,これは「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」の方ですけれども,それとか,できるだけ広範囲な難易度で云々という,こういった記述が幾つかあって,これらは,テスト理論的に言うと非常に難しいことが書かれているという印象ではありますが,本日は内容について,特にもう時間もないので,これで終わらせていただきます。
【安西座長】  ありがとうございました。
これ,この文章をお読みになると,恐らく大学教育のところがそれほど書かれていないです,実質的には。これは大学の教育の問題というのは,大学ひとくくりではなかなか語ることができないので,私の個人的な感覚としてはやはり,いわゆるトップレベルの大学といいましょうかそういういろいろな大学がありますけれども,それぞれにやはり課題を抱えていると思いますし,個別にはよくやっておられるところも,それはおありになるのですけれども,ここでそこまで細かく書けるかというところは少しいろいろあるのではないかと思っているところでございます。
どうもありがとうございます。
それでは,浦野委員にお願いいたします。
【浦野委員】  私の方からは1点だけです。今回のこの全体のメッセージです。読み方はいろいろあると思うのですけれども,産業界の方の目から見たときに,一つの一番大きなメッセージは,生徒,学生に対して,自己評価をきちんとしなさいというのが非常に大きなメッセージだと思います。やはり今,他人からの評価を受けることには慣れているのですけれども,自分で自分がしっかり分析できないというところが,やはり日本の弱さの一つだと私は思っています。そういう意味で,この「高等学校基礎学力テスト(仮称)」にしても,それから「大学入学者希望者学力評価テスト(仮称)」の方にしても,そのメッセージがきちんと書いてあるように私は思います。そういう意味で,やはりこの自己評価を他人からの評価に合わせてきちんとすることによって,それぞれが,社会に出る人は働く覚悟,大学に入る人は学ぶ覚悟をしっかり示してもらうと。そのことによって,いずれ社会に出ていくときに,円滑に社会に接続できるようにしてもらいたいと思っています。そういう意味で,46ページの一番上段の方に書いてあります本人が記載する提出書類の多様化や内容の充実,中でもこの2番目の丸の方ですけれども,大学入学希望理由書とか学修計画書等,これを本当に書いてもらうとなると,ある意味大変なことだと思うのですが,これを積極的に活用されるよう促すということは,逆に生徒にきちんとそのことを書くような指導が行き届かないとだめだと思います。このことは多分,今の就職試験等を見ていても,18歳の生徒にこれを求めるというのは相当難いしことだと思っていますので,高等学校の先生方に是非,そういったことが書けるような生徒に教育していただけるようにお願いをしたいと思っています。以上です。
【安西座長】  ありがとうございました。
申し訳ありませんが,片峰副座長がもうすぐ退席されるそうですので,少し途中で恐縮ですけれども,片峰委員,お願いいたします。
【片峰副座長】  今までいろいろ御意見が出たのですけれども,やはり今回の最終報告,大学サイドから見ますと,幾つかのポイントがあって,一つは平成32年度に「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」を導入する時点で,ここが非常に重要なマイルストーンになります。それに基づいて前倒しで今からいろいろなことがこの4月以降,具体的なものが動いていくということになると思います。もう様々なことがこの時期に集中するわけです。例えば大学で言うと,先ず3ポリシーの法制化があって,3ポリシーのリバイスを掛けていくという大きな作業がありますし,その中で実際,国立大学協会等も関わりながら,積み残しになっている具体的な学力評価テスト等の制度設計を進めていくという作業もあります。それと同時に個別のそれぞれの大学,あるいは国立大学協会等々それぞれのセクターで,独自の入試に対する対応の準備もしなければいけないわけです。そういった意味で,一番最後のページ,まだペンディングになっている部分ですが全体像が分かるように,32年度に向けた工程表を分かりやすく示していただきたいというのが一つです。
それから,次の重要なステップは36年度,今議論になっています指導要領が変わって,それを受けた学生たちが受検するポイントであると思います。今の書きぶりでは,そこは指導要領に基づいて学力評価テストの中身が変わるのだということは書いてあるけれども,今まで議論がありましたように,実は今回の報告書の最大のポイントである,学力の3要素をバランスよくやるという観点以外にも,高大接続,将来的な教育改革の観点というのはたくさんあると思います。先ほど入り口と出口の問題も出ましたし。だからそういった意味では,このプロセスの中で,この高大接続システムを定着させる,あるいはそれを成熟させ,さらには進化させる。一つの流れの中でやはり改革し,続けなくてはいけないと思うので,そういった意味では,36年度に限る必要はないけれども,今後いろいろな形で,議論の中で,この改革自体が可塑性を持って,機動性を持って進化していくというイメージを是非盛り込んでいただきたいということを最終報告に向けて希望したいと思います。
【安西座長】  ありがとうございました。
そのとおりだと思いますので,本日はいろいろ御意見を頂いて,最終報告に向けてブラッシュアップできればと思っております。
どうもありがとうございました。
南風原委員,お願いいたします。
【南風原委員】  この会議は,もう理念を検討する場ではないということを言われました。私もそう思っていまして,中央教育審議会の答申を受けて,今度は専門家会議だと言われたので,ここで,例えば新しいテスト等の具体的な設計がなされるだろうと考えて私も参加してきたのですけれども,事務局の御努力は相当分かりますが,この二つのテストについては,やはりまだまだ形がはっきりしないというか,あるいは山本委員から今指摘がありましたように,幾つか問題をはらんでいると思います。問題を先延ばしするのであれば,それはそれでよいと思いますけれども,問題をはらんだままの最終答申というのはよくないと思いますので,是非,山本委員からも何か後で出してもらうとか,私もいろいろありますが,時間がないのでポイントだけ言いますが,場合によっては後でまとめて出させてもらって検討してもらうということが必要かと考えています。
まず一つめの「高等学校基礎学力テスト(仮称)」の方ですけれども,これは複数の,いろいろなところから問題を寄せ集めて,かつ複数レベルで,また同じレベルでも複数のものがあって,自由に使えて,夢のような話です。この夢がどうやったら実現できるのかが見えていない。難易度の異なるテストが,例えばA,B,Cとあるときに,例えば段階評価だとして,Aのある段階とBのある段階は等しいという形になっていくのか。それとも1級の試験,2級の試験のように全くばらばらなのか。要するにつなぐのかどうかということです。そこをはっきりさせなくてはいけないし,もしつなぐとしたら,どうやってこれがつなげるのかという,基本的なところは見せないと,絵に描いた餅のようになってしまいますので,少しここは,具体的なところが必要だろうと思います。
さらには,長塚委員から出ましたように,高等学校側からも自由に使えるとなると,問題のセキュリティーはどうなっているのかとか,様々な問題が出てきます。少なくとも先ほどの,1本につなげるのか,つなげるとしたらどうやってこれが可能なのかという方向性については,示すなり,あるいは宿題にするなりしていく必要があるだろうと思います。
それから,「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」につきましては,かなり議論されてきましたけれども,やはり何とか思考力をもっと測りたい,今の大学入試センター試験を何とか変えていきたいという思いは分かるのですが,例えば先ほどマークシートにおいても改善すべきことということでたくさんのことが書いてあって,例えば多数の正解があり得る問題とするとあります。これ,一般には悪い問題です。テスト作りからすれば,しっかりと何を測るのか,何ができることとできないことを分けるのかということで,ピンポイントにやっていくのがよいテストであって,そういった疑問に思うことがたくさん並んでいます。また,内容的にも時間の掛かる問題になるようなことが書かれています。したがって60分の中ではわずかな問題しか実施できない,60分の中では項目数が減ってしまうようなテストが今,志向されています。かなり難度も高くなるということは書いていますけれども,これは相当大事なことで,この方向性というのは,大学入試センター試験で今,高得点を取っている生徒たちに対し,本当はそこまで分かっていないでしょうということが分かるような,そこの識別を目指したテストのように見えます。今の大学入試センター試験で低得点を取っている人は,もう手も足も出ない,そういう問題にしようとしているわけです。そういう高いレベルのところの識別だけでいいのか。しかもそのために短答式とかいろいろなものを付けて,いろいろな形式を足していって,そうするとかなりいびつな,場合によっては難問奇問に戻りかねないような心配もあります。その辺,測りたいものを測っているかという妥当性の問題以前に,きちんと識別できるかどうかという問題があります。識別できてもなお妥当でない可能性があります。それは変な軸で識別している可能性があるからです。だけど今の形だともう半分以下のところ,下のところではほとんど手も足も出ないというような問題を志向しているような形になりますので,そもそも識別すらできない。そこは設計の問題として,きちんと検討して書いていく必要があるだろうと思います。
以上です。
【安西座長】  ありがとうございました。
生徒一人一人の学習の改善に役立てるということと,選別若しくは識別するということをどういうふうに見ていくかということだと見ておりまして,詳細についてはいろいろ議論を続けていただく必要があるかと思いますけれども,この会議体としては,先ほど最初にお二人の方が言われましたように,やはりきちんと将来に向けての考え方を述べるとともに,文部科学省にお渡しできる,そういう,できるだけ具体的な部分を示していくことだと思っております。
それでは,羽入委員にお願いしたいと思いますが,少し時間が既に6時を過ぎておりますけれども,大事なことでございますので続けさせていただきます。
【羽入委員】  ありがとうございます。簡単に2点だけ申し上げたいと思います。
【安西座長】  お願いいたします。
【羽入委員】  一つは,先ほどからも議論に出ていますけれども,この高大接続システムの中で,例えば社会人,この新しい教育体系の中でしばらく教育を受けて,それで更に社会人になって,もう一度この試験のシステムの中に入るとどういう位置付けになるのかということを,もしできたらどこかに書き込んでいただければと思います。
もう一つは,採点方法のところで書かれていますけれども,AIを使うと書いてあるのですが,これはすごく何か唐突な感じが少ししまして,53ページですけれども,例えば,これはもう十分議論が済んでいることだったら,これは問題ないですが,53ページの一番最後のところに,「採点支援業務に人工知能を活用することも含め」と書いてありますが,むしろ「新たな技術の開発と活用を積極的に進める」というぐらいにしておいて,注にして,例えばAIというように書くと,すんなり読めるような気がするのですが,この議論,もう既にこういう形になっているのだったら,これはこれでいいかと思いますが,少し気になりました。
以上です。
【安西座長】  ありがとうございました。
社会人のことについては,私もこの件に随分長く関わっておりますけれども,中央教育審議会のときからも気になっておりまして,なかなか具体的な議論にはならないのでありますが,誰にでも開かれた,そういうテストであってもらいたいということは前から申し上げてきているところでございます。
人工知能については,これはもう皆様のことと思いますけれども,御意見を頂いて,文部科学省の方で検討していただくということにしたいと思います。AIについて一言だけ申し上げれば,どの辺のレベルのシステムといいましょうか,アルゴリズムというプログラムのことをAIと呼ぶのかというのはもう千差万別でありますので,何か大層なものが入ってくるという意味ではないのではないかと思いますけれども,少しその辺は私も余り申し上げるとどうかと思います。ただ,これからの時代に人工知能と呼ばれているような,そういう技術を支援のために,あるいは労力を軽減するために使っていくというのは,まず必須の方向ではないかとは思います。
それでは,五十嵐委員,お願いいたします。
【五十嵐委員】  ありがとうございます。時間がない中すみません。私はこの今回の最終報告は,本当に日本の教育全体に関わる大きな大きな提言になると思っています。過去の中央教育審議会の討議の中においても,やはりこのままではいけないのではないかという議論がたくさんなされていまして,例えば本当に入試に向けてもう一生懸命に頑張って,やっとそこの目標を達成して,あとは次に就職活動にまっしぐら,これでいいのかという論議があったように思います。そこから生まれてきて,具体的に,では世の中のいろいろな背景も,国際的な背景もありますし,また,本日は3.11で震災から5年たちました。こういった,これからも大きな自然災害があるでしょうし,こういうときに,今までのように与えられた知識だけではどうにもならない。もう本当に,どうその知恵を出していくか,知識をどう使っていくかということを本当にできる人間を育てなきゃいけないという長年の議論の上に立って具体的なこの改革会議があったのだと自分は理解してここに参加しています。ですので,これをどう伝えるかというのもとても大事で,私はこの内容を見て,ああ,やっと始まるのだと思っていますが,心配なのは,ここの参加されている先生方も多分,皆,同じ思いだとは思うのですが,これが外に出ていくとき,今現在そうですが,報道されるものがマイナスイメージが多過ぎます。大変だ,問題だ,大変だ,いいのかって。もうさんざんこれではいけないという論議を長年続けてきた上です。待ったなしです。子供はどんどん育っていって,もうあれから5年,その子供たちもどんどん考える力も育んでいますので,子供の育ちに待ったない中で,大人の都合で待ったを掛けるのは,私はおかしいと思うのです。ですので,皆,同じ理念なので,なかなか具体的,現実的に難しい問題はあるとしても,やはりこれはここに,先ほど教育課程や学習指導要領が変わるということで,学び方のアクティブ・ラーニング,それから教科に個別じゃなくて横断的に見るのだというカリキュラム・マネジメントの大切さというのを出していただいたのですが,これはもう大学に限ったことじゃなくて,小中高大全部です。そういうメッセージをもっと分かるように,保護者にも分かるように出していかないから誤解の多い報道があるのではないかて,少しそれを最近心配し始めているところです。
ですので,具体的にはまだまだ問題は当然あるとは思うのですけれども,これがどれだけ大事なことなのか。この先の日本を背負っていく,未来を育む子供たちのために,もう小学校も先ほどありましたが,小学校で落ちこぼしを作ってしまっては大変ですので,本当に基礎的なものは徹底して教えてあげなければいけない。それからまた,教わるだけではなくて,小学校で,今も始まっていますが,問題を解決して,友達と物事を作っていく力を小学校から培う。もっともっと培わなければいけない。それはもう幼児期からもあると思うのですが,そういう全ての大事なことの基礎が含まれて上での現実的なこういう報告書なのだということを,もう少し分かるようにしなければいけないのではないかと思っています。
先ほど前段でもう少し理念をというお話があったのですが,足りないのであれば,そこのところをもう少し振り返って,今に始まったことではないということ,今までの経緯の上に立った改革なのだということは,もう少しPRの工夫が必要。ではどうすればいいのだろうと悩むのですが,そこのところをお願い,みんなでまた考えていければと思っています。
以上です。
【安西座長】  ありがとうございました。
恩藏先生,お願いいたします。
【恩藏委員】  私,一委員として基本的には賛成していますが,一応私学の人間なので,確認させていただきたいことがあります。まず三つのポリシーというのは,今年から各大学が取り組んで,法制化に向けて動き出すわけですので,デッドラインが非常に明確です。ところが,例えば41ページに,注やや上のところに幾つかあるのですが,これからアドミッション・ポリシーが学力の3要素にリンクしてきて,更にそれが入学者選抜に結び付いてくる。そういったときに,国公立の場合ですと,「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」が20年に導入されるということで,選抜の方法も非常に明確になっているし,スケジュール感もよく分かる。それに対して,では私学は,これを受けてどのくらいの,何ていったらいいのですか,自由度を持っているのか。あるいはスケジュール感をどう考えたらいいのか。多分,多くの私学はこれから動かなくてはいけないので,そのあたりのスケジュール感を示していただいた方がいいのではないかと思います。いかがでしょうか。
【橋田大学入試室長】  御指摘ありがとうございます。今回,42ページ以降に示しておりますとおり,AO入試,推薦入試,一般入試の在り方を見直して新たなルールを構築していくということで,いろいろと現行のAO入試,推薦入試の課題,あるいは一般入試の課題の解決という中で,ここは私立大学の方法も含めてというところでお示しさせていただいておりますけれども,そこのところは44ページの中ほどにございますように,今後,この最終報告で基本的な方向をお示しいただきまして,新テストの検討状況もございますけれども,32年度から実施される入学者選抜から適用するということを念頭に,今後また国公私立大学,国公関係者を交えた協議をしていかないといけないと思っております。その中で具体的に決めていくと。当然,各大学が十分余裕を持ってこの検討準備を進められるようにということで,29年度初頭を目途に,その内容を示せるように,予告ができるようにということで検討を進めていきたいと考えております。
【恩藏委員】  すみません,よろしいですか。一部の大学は,これにかかわらず,早稲田大学もそうですけれども,いろいろな入試改革に向けてもう動いてはいます。ただ,その一方で多くの私立大学には,必ずしも動いていないところもあります。そこで,早めに文部科学省によるこういった方針というのですか,方向性を示していただいた方がいいかと思います。
【安西座長】  ありがとうございました。
時間が大分過ぎておりまして,いろいろ御意見を頂きまして,最終報告に向けて,中に入れていければと思います。私が見ていてもこの原案は少し,ワーディーというとあれですけれども,これだけのことを書くとこういう長さにはなるような気がしますが,もう少しブラッシュアップしていただければと思いますので,これだけまとめていただくのも,事務局を拝見していると相当大変であるということは是非御理解いただきたいと思います。
もうこれだけの時間でありますけれども,できれば岡本委員と荒瀬委員に,ワーキンググループの主査でもいらっしゃいますので,一言ずつ。岡本委員,お願いいたします。
【岡本委員】  すみません,油断をしていました。テストのワーキングというのをやっていて,実際にいろいろな問題を作ったりとかやったのですけれども,一つだけ言うとすると,今までのいろいろな考え方だけでやっていたのではだめで,何か方法があって,それを適用するというのではなくて,そういうやりたいことがあったら,それに合った方法を考えるというときに来ているのではないかなと思いました。私はその一言だけ申し上げておきます。いろいろな意見は,また文書等で送りますので。
【安西座長】  ありがとうございます。
荒瀬委員,お願いいたします。
【荒瀬委員】  多面的な評価検討ワーキンググループの中で,いろいろと御意見を頂きました。それを盛り込んでいただいたわけですけれども。高等学校が多様であるとか,高校生が多様であるとよく言われるのですけれども,共通性というときに,このテストで基礎学力を見よう,社会に出て生きていくための力を見ようということですが,その前提になっているのは,これは明らかに多様な高校生全てに共通しているのは,彼らはこれからの社会を生きていくということだと思います。そこをベースにしてこういったものが語られてきたわけだし,そこが盛り込まれるというのが,最初お二人がおっしゃったような理念にもつながっていくのではないかということを思いながら聞いておりました。あと1回でこれがまとまるということですので,なかなか大変かと思いますけれども,これから本当に始まっていくということを私たちは少なくとも知っているわけですから,それが伝わるようになっていけばいいと思っております。以上でございます。
【安西座長】  ありがとうございました。
そろそろにさせていただければと思います。
五神委員が言われたように,未来の時代というのはもちろん誰にも分からないわけですけれども,そこに向けて教育の在り方がやはり変わっていくべきであるということは多くの方々に共有されていると思いますので,これに対して入試も含めて,技術的にどういうふうに対応していくのかということについては,私も今,岡本委員が言われたように,やはりやるべきことがあるのであれば,それを解決できるような技術を開発していくということが我々に課された使命なのではないかと思っております。
いろいろ,多様な御意見を頂きまして,それを事務局でも受け止めていただいて,最終報告の案を改めて作っていただければと思います。
それでは,ここまでにさせていただきます。大変貴重な御意見を頂きましたことを改めて感謝を申し上げます。また,事務局も本当に一生懸命やっておりまして,そのことも感謝を申し上げたいと思います。
それでは,その他の事項を事務局からお願いいたします。
【新田主任大学改革官】  ありがとうございます。本日頂きました御意見を踏まえまして,最終報告案を精査して,次回,最終取りまとめとさせていただければと思っております。なお,各委員におかれましては,本日以降でお気付きの点等,追加の御意見等ございましたら,事務局まで御連絡を頂ければと思います。次回までに,場合によっては修文の必要のある御意見もあるかと思いますので,できれば早めに頂ければ有り難いと思っております。
なお,次回日程につきましては,調整の上,追って御連絡をさせていただきますので,どうぞよろしくお願いいたします。
【安西座長】  ありがとうございました。
今,言われましたように,次回の会までにできるだけ早くお気付き点,追加の御意見があれば,事務局まで御連絡いただければと思います。次回,最終の取りまとめを行わせていただきます。
それでは,ここまでにさせていただきます。どうもありがとうございました。

―― 了 ――


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