参考資料3 共通到達度確認試験に関する法科大学院の所見

 文部科学省において、8月下旬から、入学者選抜競争倍率などの客観的指標が一定水準以下の法科大学院(19校)に対し、教育の質の確保に向けた取組などを把握するためにヒアリングを実施した際、共通到達度確認試験についていただいた主な所見(ヒアリング参加者の個人的見解を含む)は以下のとおり。



 【試験科目を法律基本科目7科目とすることに対する見解】

  • 司法試験短答式試験の試験科目から外れた科目について、学生が論文式試験にも求められる基本知識を習得するために有益なシステムと考える。

  • 短答式の勉強と論文式の勉強は異なるため、司法試験短答式試験から外れた科目まで実施するのは、学生の負担となる部分が大きく、対象科目を拡大することには慎重であるべきではないか。

  • 履修科目の配当年次が大学によって異なるので、2年次終了時点で7科目の試験を統一的に実施すると、各大学が履修計画を縛られる可能性がある。実施時期の変更や、進級判定には用いずに最低限の習熟状況の確認のための試験とするなどの検討が必要ではないか。


 【確認試験の趣旨に賛成する意見】

  • 学生の学修到達度を確認するために、大学独自で短答式試験を作成するのは困難であるため、ありがたい制度である。

  • 司法試験短答式試験の免除が約束されるなら、インセンティブのある制度である。

  • 未修者1年次の進級に活用するのであれば有益な制度である。 
     

 【確認試験の効果に懐疑的な意見】

  • 択一試験では考えさせる問題を作成するのは難しく、進級判定に意義のある試験となるか疑問が残る。

  • 大学毎に学修の進捗が異なる中で画一的な共通到達度の指標を作成すると、カリキュラムが画一化され、特色が無くなりかねない。

  • 学生が確認試験の対策を行うようになり、日々の学修が疎かになるのではないかとの懸念がある。


 【その他の意見】

  • 小規模の法科大学院にとって、全国規模の試験が創設されることは学生にとってありがたい機会である。

  • 夜間の学生が受験しやすい体制整備が必要ではないか。

 

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(高等教育局専門教育課専門職大学院室法科大学院係)