第3期中期目標期間における国立大学法人運営費交付金の在り方に関する検討会(第4回) 議事録

1.日時

平成27年1月16日(金曜日)10時~12時

2.場所

文部科学省3階 3F1特別会議室

3.議題

  1. 関係者からのヒアリング
  2. 討議
  3. その他

4.出席者

委員

須藤座長、有川座長代理、上山委員、北山委員、小林委員、鈴木委員、橋本委員、日比谷委員、山本廣基委員

文部科学省

吉田高等教育局長、義本大臣官房審議官(高等教育担当)、常盤研究振興局長、安藤大臣官房審議官(研究振興担当)、豊岡国立大学法人支援課長、木村学術機関課長、合田学術研究助成課長、吉田国立大学法人支援課企画官、瀬戸学術機関課学術研究調整官、手島大学病院支援室長

5.議事録

【須藤座長】  第4回第3期中期目標期間における国立大学法人運営費交付金の在り方に関する検討会を開催いたします。
  本日は、最初に、前回の検討会の議論を踏まえて、座長の私に一任していただきました「見直しの基本的な方向性」につきまして、取りまとめた内容を事務局より説明させていただきます。今後は、この基本的方向性の下で運営費交付金の配分・評価等につきまして更に具体的な検討を進めていくことになります。本日は、その事務局の説明の後、上山委員から「グローバルな基準から見た国立大学について」と題しまして御意見をお聞きしたいと思います。その後、質疑応答を含めまして討議を行いたいと考えております。
  それでは、議題に入りたいと思います。
  国立大学法人運営費交付金の見直しの基本的な方向性につきまして、事務局より説明をお願いいたします。


(事務局より資料1について説明)


【須藤座長】  それでは、引き続きましてヒアリングに移りたいと思います。上山委員、御発表をよろしくお願いいたします。
【上山委員】  上山でございます。こういう機会を頂きまして、まずはお礼を申し上げます。
  今日、私が用意しましたのは、資料2と机上資料1というものですが、最近、文科省からも支援を頂いて、アメリカを中心とした世界の大学についてずっと調べておりまして、そこから、この運営費改革に関係するようなことということで切り出してまいりました。資料2を御覧いただくとお分かりになると思いますけれども、最初のところに、アカデミアの研究の重要性ということをお話しして、それから、70年代、80年代のグローバルな変化ということ、特に大学を中心とした変化をお話しします。それからもう一つは、カリフォルニアという地域に少し注目して、今の日本の国立大学改革の一つのモデルになるのではないかという話をしようと思います。それから、評価指標として、今の御報告にもありましたけれども、大学のオフィスオブプレジデントというものの役割の強化も少しお話をして、特に間接経費が重要だという話をして、私の報告としたいと思います。
  最初に2番のところでございますけれども、我々、社会科学をやっている人間にとっても、大学というのは研究の対象にほとんどなってこなかったという気持ちを持っています。例えば、産業連関表一つをとっても、そこの中に重要な要素としての大学とかアカデミアは存在しないんですね。ということは、大学というものは社会の中で、あるいは産業界の中でどういう役割を果たしているかということを、社会科学者たちもほとんど認識してこなかった。いろいろ理由があると思うんですけれども、一つは大学のデータがなかなか出なかったということだと思います。最近、アメリカの大学の財務データをずっと調べていますと、そこから非常にいろいろなことが分かってきますので、大学というものが、こと産業社会における役割としてどのような経済的な成長戦略における役割を果たしているかという視点が、今後の社会科学にとっても重要だということを、最初の2枚目のスライドのところで上げておきました。
  さて、70年代から80年代についてのアメリカのことを考えてみますと、前に産業競争力会議のワーキンググループでもお話しさせていただきましたけれども、実はグローバルランキングでトップ20のうちの4分の3ぐらいがアメリカの大学になっているという現状は、実はその二、三十年前はそんなことなかったということでありますし、それから、ここに書いていますけれども、70年代に非常に大きな連邦政府からの補助金の削減がずっと続いた時期がございました。そこには、デレク・ボクという、当時、20年間にわたってアメリカのハーバードを率いた学長がこういうことを書いているわけですが、近年、非常に大きな予算が削られてきている、そして、研究者は研究支援の申請に追われている、そして、研究者が事務作業もやらなければいけなくなってしまって、研究時間を奪われている。そのために優秀な人間がアカデミアに来なくなってきているということを77年に書いているわけですが、非常によく似ているという話を前回させていただきました。ちょうどこの頃からアメリカの中におけるアカデミアのマネジェリアル・レボリューションというのでしょうか、経営上の大きな変革が行われたと考えています。特にそれが先鋭的に出てきたのは80年代ですけれども。何より大学の本部、オフィスオブプレジデントの役割の強化、それから、いわゆるプロボストという存在の活用ですね、大学の総長の下にあって、大学の研究、教育業務を一括して担うような、非常に重責を担っている重要な役職ですが、そこの役割が非常に強くなったこと。そして、各大学が自らのビジョンと戦略を立てて動かなければいけなくなってきたということです。それは部局の利害を超えて、それぞれの大学、ハーバードならハーバード、スタンフォードならスタンフォードという、大学全体の動きを戦略的に捉えることが非常に重要になってきたということです。
  例えばプロボストという存在を見ますと、新興大学であるほどそれは非常に早くできている。例えば、スタンフォードとかカルテックなんかは60年代に出てきますけれども、それは、こういう大学はアメリカの中で戦略をとって競争的にならなければならなかった大学ですね。一方でハーバードのように昔からあるエリート大学というのは、プロボストが1991年までないという事実を見ますと、要するに殿様商売でやっていたハーバードと、そうじゃない新興大学との違いはそこにある。つまり、こういう役割をするような部局とか、あるいは人材が大学に非常に求められるようになってきたこと。
  そのことを今から少しデータをお見せしますけれども、明らかに70年代、特に80年代ぐらいから、各大学の財務を見ますと、オフィスオブプレジデントに予算が相当集中するようになってきます。今で言うと、どの大学も、オフィスオブプレジデントは全体の予算の3分の1ぐらいをコントロールしている。かつ、例えばプロボストという存在は、その予算の配分に関して非常に強い権限を持っています。さらには、今は3分の1をコントロールするだけじゃなくて、全ての予算について少なくとも完全に把握している。つまり、各部局がいて、どのようなお金の使い方をしているかということも本部は完全に把握をし、各部局とのネゴシエーションで一番効率的な予算の配分を考えるようになってきている。それから、明らかに寄附金が急速に伸びているということです。
  その次のデータを見ていただきたいんですが、これはスタンフォードの中のバジェットの仕方です。一番上に理事会があって、そしてバジェットオフィスがあり、バジェットグループという、この中でいろいろな分析をするわけですが、それぞれの局面ごとに、例えば授業料であったり、あるいは大学内部の建物であったり、様々な分析が入ってきて、バジェットを一旦組む。ここのバジェットグループの中にファカルティと書いていますけれども、各部局の有力なマネジメントに関わる人間が入ってきて、スタッフが入ってきて、一体どのようなバジェットを組むかを計算した上でプロボストに投げる。プロボストは3分の1ぐらいの予算をほぼ完全にコントロールして、各部局の足らないところ、あるいは成長に資するようなもの、そこに予算を配分していく作業をやっているわけです。
  その下にあります6番というのが、プロボストのコトロールにあるジェネラルファンド、これは3分の1ぐらいなのですけれども。この3分の1の中身を見ますと、例えば間接経費からが25%、それから、大学自身が投資で稼いでいるのが大体二十数%、あとは学生の納付金ですね、こういうものから形成されているバジェットを、プロボストという存在は、ほぼ完全にコントロールして、各部局のところに使うようになっているということです。つまり、そのような中央指令というものが非常に集中するようになってきたということを少し頭に入れておいていただきたいと思います。
  実は様々な形の大学の予算の変化があるわけですが、その次の7番目は、主要大学の大学基金の変化であります。65年から2009年までの変化ですが、主立った研究大学について挙げてあります。明らかに分かるように、1980年ぐらいから急速に伸びているわけです。ハーバードは今大体3兆円を超えているし、各有名どころは大体1兆数千億円の大学の基金を持って、その基金を運用しながら大学の中の財務を豊かにする作業をやっているわけです。スタンフォードで年間の予算が大体4,000億少しでしょうか、ハーバードももうちょっとあるかもしれませんけれども、それの大体20%はこのエンダウメントから稼いでいるお金を一般経費の中に入れる形で大学の財務をやっている。3兆円ぐらいあるわけですから、毎年大体十数%のリターンを確保しているわけです。それによって大学の財務は非常に安定する。ということは、70年代後半から急速に国の予算、国のサポートが減っていく中で、大学は自らの自助努力を始めている実態がそこにある、それはある意味での基金の変化ということに表れています。
  もう一つ下の8番目はカリフォルニア大学ですが、カリフォルニア大学は御存じのように州立大学です。いわゆる日本の国立大学によく似たところですが、カリフォルニア大学は九つのキャンパスがあるわけです。全部のキャンパスで学生数が約20万人、各大学のそれぞれが2万人~3万人ぐらいの大きな大学組織で、全体としてそれは日本の国立大学の研究大学に似ているかもしれません。そのそれぞれのキャンパスが1975年から集めている寄附金の変化を示しているものです。つまり、州立大学、公的な国立大学と言えども、こういうような寄附金収入に非常に頼らざるを得なくなっている、むしろ私の言い方をすると、こういう大学はフリーハンドを持とうとしているということだと思います。自らの大学の戦略において、つまり、公的な資金だけには頼らない非常に戦略的な動きをするためには、財務を健全化し、財務のポートフォリオを豊かにしなければいけなくなってきているということを御覧になればいいと思います。
  さて、9番以降ですが、このアメリカの各研究大学の部局ごとの予算の変化を少し捉えてみました。なかなかオープンになっていない各研究大学のファイナンシャルレポートですので、集めるのに少し苦労したんですけれども、今、主立った研究大学の、1970年代から現代までの全ての財務データを集めている最中でございます。主立ったところは大分集まってきたんですが、いろいろなことが言えますけれども、まず言えることは、80年代から各研究大学の資金が激しく増加している。つまり、公的資金が減るにもかかわらず大きく予算を伸ばしている。それから、応用分野、特に物理工学、生命科学、医学、こういう分野の資金は急増している。それから、際立って言えることは、インターディシプリナリ、つまり学際的な分野の予算が伸びている。学際的な分野であれば、補助金なり、あるいは外部資金を獲得しやすいということであります。ということは、学際的ですから、それぞれの部局をまたぐような研究を作らなければいけないということですね。そのことが、それぞれの研究大学の財務を安定化させるという戦略がそこに見えてくるわけでございます。
  それともう一つは、オフィスオブプレジデント、あるいは、特にセントラルアドミニストレーション、つまり、大学本部の財務に関わる資金が急増している。伸び率で言いますと他の部局よりも大きいということです。つまり、そういうところにお金が入ることによって、大学全体の戦略を考えるということがはっきり出てきているということです。では、一体、外部資金を取ることができないような部局はどうか。例えば、人文科学などが典型的にそうですが、そういう部局の資金は果たしてどうかというと、確かに応用分野の資金ほどは伸びていない、しかし、それでも全体として伸びている。人文学とか法学、あるいは経済なども、実は獲得している資金が伸びている、予算が伸びているということです。すなわち、80年代から行っている研究大学も含めたアメリカの大学の大きな改革は、全体として伸びる成長点である物理工学、医学のみならず、全ての領域における資金を増加させ、研究大学の教育研究の状況を改善させているということを見なければいけない。とりわけ、間接経費は、非常に重要な役割をしていて、この間接経費というのは直接経費に付随する大学の本部に入るお金ですが、これがジェネラルファンドになって大学本部に入る一方、それが、各分野に投資される形で各分野を潤していることがはっきり見えるという、これは全体的なお話ですが、10番からしばらくのところは、スタンフォード大学、ハーバード、ユニバーシティ・オブ・カリフォルニア、主立ったところ、これはなぜかというと、ハーバードは伝統的な有名校でありますし、スタンフォードは新興の新しい競争力のある大学、それから、日本の国立大学におけるカリフォルニア大学、三つの特徴を上げてみたのですが、どの大学を見ても、セントラルアドミニストレーション、すなわちオフィスオブプレジデントに関連する予算が急速に伸びている現状であります。これは、どの部局と比べても伸びが激しいということを、再度強調させていただきます。
  つまり、大学というのは、その意味で公的なもので明らかに守られているわけです。例えば、ハーバードとかスタンフォードにしても、研究予算のほぼ70%~80%は公的資金なんです。つまり、公的資金というものがなければ、こういう研究大学は絶対維持できない。一方で、それ以外にかかる様々な資金というのを自らの力で獲得し、それが大学の戦略を作るという、そういう動きが、ここの中に見えてくるということを注目していただきたいと思っております。
  じゃあ、一方で、そのような資金の変化からこういった大学は、一体何が起こってきたのかというのが、各研究大学の分野ごとに見た研究成果の軌跡であります。ハーバード、スタンフォード、それからユニバーシティ・オブ・カリフォルニアですが、自然科学、工学系の分野は激しく伸びています。過去1970年~2000年までのウエブ・オブ・サイエンスに出ている全ての論文のデータを集めてみましたけれども、このような分野は、当然ながら大きな資金を獲得して、そして、研究者の研究環境を改善して伸びているわけです。分子生物学、バイオテクノロジー、コンピュータサイエンス、こういったところは、非常に伸びている。医学はもちろんながら伸びている。一方で、人文・社会科学はどうかと言うと、この分野で資金が獲得できないからといって、研究大学が、この分野を捨てたということには決してならない。しばしば、こういう競争的環境を研究大学に求めると、じゃあ、お金が取れない古典学とか文学はどうなってしまうんだという議論があるんですが、それは、実はこういった事実を見ると、全く違っているということです。後でずっと見ていただきますけれども、14番のところは、全ての領域の論文数が、こういった大学については急速に伸びているわけです。もちろん、今挙げている大学は、タイムズのハイヤーランキングの中で全て50位以内に入っている大学です。UCバークレーが9位、UCサンフランシスコが11位、そのあたりです。
  この大学の例えば、バイオケミストリーを見ると、当然、非常に激しく伸びている。横のグラフは、それぞれの大学内のその分野の論文の数のシェアですから、それを見ると、生化学といえども、そんなに激しくシェアを伸ばしているわけではない。電子工学も急速に伸びているけれども、大学内のシェアが、非常にそこだけが突出して多いわけではない。文学は残念ながら、文学も全体して伸びているんですね、少しずつ伸びている。したがって、文学とかクラシックとか古典学の領域でも、実は論文数は伸びている。残念ながら、大学のシェアの中では、文学などはちょっと減少していますけれども、いろいろな言語を使うという問題もあるでしょうし、様々な要因が関わっていると思います。法学も伸びているけれども、大学内のシェアは落ちている。注目したいのはエコノミクスですが、エコノミクスは非常に伸びているんです。大学内のシェアも決して悪くないです。
  つまり、このようなデータを財務の面から、そして、アウトプットの面から見ても、80年代以降にアメリカの研究大学がトップランキングの中で4分の3を占めるような状態になったのは、この頃からのアメリカの大学の大きな経営改革があったことを、まず強調しておきたいと思ってこのデータを作りました。
  その意味で、今行われているような運営費の改革、そしてまた一体化した競争資金の改革というものが、単に文部科学省なり政府におんぶに抱っこする形ではなくて、各大学が自らの力で研究環境をアップさせることを考えない限り、なかなかこういう大学とグローバルランキングで争うことはできないということです。今、東京大学の予算が二千数百億円ぐらいですね。今申し上げましたようにスタンフォードで4,500ぐらいあります。もし仮に、東京大学にアディショナルに今2,000億ぐらいあれば、それはもう激しくグローバルランキングを上げていくことができますね。2002年ぐらいで、ほぼ今と変わらないわけです、10年前だったら。しかし、この10年間におけるアメリカのグローバル大学の財務状況の変化を考えてみると、まさに運営費交付金を含めた大学財務の大きな補助金を含めた変革が、今後の10年間に非常に大きな影響を与えるだろうと思っております。
  20番目のところは、カリフォルニアを少し見てくださいという。とても面白いのは、カリフォルニアという地域は、アメリカの中で非常に特異で、かつ、実は面積で言うと、日本と非常に似ているんです。GDPの大きさもよく似ている、人口は大分違いますけれども。そこの中に、エリート大学である九つのキャンパスがあるんです。先ほど言いましたように、学生数で20万人ぐらいのトップエリート大学ですが、その下にカリフォルニアステートユニバーシティという、同じように州立の大学があって、これはむしろ地域型大学に近いようなものでしょうか。その下にカリフォルニアコミュニティカレッジという2年制の州立大学があるわけです。この三つの階層がよく日本に似ている。その意味でこういったところを一つの参考にするのもいいんじゃないかと思って、いろいろなデータを取ってきました。
  とりわけ面白いのは、コミュニティカレッジに関して、何日か前ですが、オバマ大統領は、この2年制のカレッジに関しては、学費を全額無料にするという案を発表しました。ここでやっていることはマスです、数学、読み書き、基本的なエンジニアの知識、まさに直近で役に立つような知識を教える2年制の大学です。重要なことは、こういう大学を経て、その上の第2層、上の上層へと人間が実は動いていることが非常に面白いことであります。つまり、人間が、各大学が、地域の大学をハブとして、そこに学生たちが動いているということです。そういう意味では、非常に効率的な動きをしているということであります。
  21番目のところは、カリフォルニア大学の人間の動きのネットワークを作ってみたものです。私が今手元に持っているのは、一番上の第9校のデータが余りないんですが、少なくとも知っている限りでは、例えば、私がスタンフォードにいたときでも、コミュニティカレッジで2年間やって、というのは学費が非常に安いですから、スタンフォードに行くと学費が年間350万とかするわけですね、ですから、2年間は、安いコミュニティカレッジでやって、非常に成績を上げてスタンフォードに入ってくる、こういうルートが、実は開かれているということです。21番目は、下の120校のコミュニティカレッジから2番目の層にどれぐらい人間が集まっているかというユニットトランスファーのデータを取ってきて、そのネットワークを作ったものですが、非常に複雑に流れているのが分かります。多くの人間が、このコミュニティカレッジで2年間やった上で、ステートユニバーシティにトランスファーしていくわけです。これはある種の教育の形として、あるいは私が強調したいのは、国立大学の各地域大学が果たしている教育上のハブ的な役割、それは、ある意味では参考になるし、それを少し考えてもいいんじゃないかというデータであります。
  22番目のところに書いていますけれども、何よりも国立大学が今後変わっていくとすれば、特定の非常にトップのエリート研究大学も、あるいは地域の研究大学も、様々な形のハブ機能を果たさなければいけないと思います。いろいろな地域の地方の国立大学も、実は結構独立なんです、バラバラに動いている。もちろん地域の中で人材を育成し、地域の中でその地域に役に立つような経済、あるいは人的活動をしていくのであれば、国立大学というのは、本当にまさにハブ機能なんですね。ハブ機能の果たす役割は、例えば、それぞれの地域における小さな私立大学も含めた大学とのネットワークを作りながら、そこで優秀な人間を、門戸を開いて、地域大学に呼び込んでいく。そうすると、そこの中に地域の愛着性も生まれ、地域の経済活性ということも関係し、そして、まさに国立大学である公的な機関が果たすべき役割も関わってくる。そういう意味で、カリフォルニアステートユニバーシティとコミュニティカレッジの関係は、とても面白いと思います。
  更にいうと、研究大学、特定のエリート大学の果たす役割もそういうところにもあって、特定の研究大学というのは大学院を持ったエリート大学ですから、その大学は門戸を開いて各地域の大学からやって来る大学院レベルの人間を吸収していく。それは、まさに研究大学というものが、研究ということを通して果たさなければいけないハブ的な機能ですね。そういう意味で、今まで国立大学というのはエリート機関だったんですが、エリート機関というものの考え方を少し変えた方がいいと思っています。開発発展型経済におけるエリート機関というのは、そのエリート機関でいい人材を作って、国家なり社会に役に立つという、ある種クローズドなエリート空間であったかもしれないですけれども、今後のエリート空間というのは、いろいろなところにチャンスを与えるような、オープンな、開かれた、そういうエリート空間にならなければいけないと思っています。その意味では、この国立大学の改革は、まさに研究大学、あるいは地域の国立大学も含めた、例えば、第2の人生を社会人になって、東京大学に行って、もう一度新しく学び直して、そして、人生をやり直すとか、それもある意味ではエリート大学である、大学院という組織を持っている研究大学の一つの役割でしょうし、そういうような仮想的なチャンネルを、ハブ機能というのは社会に提供すべきだと思っているわけです。社会には、様々な形のヒューマンリソースがあって、実は、18歳の人口の段階では分からないようないろいろな能力を持った人間が、地方にも、いろいろなところにも埋もれている可能性があって、そういうところの人間を引き付けるようなハブ機能というものを、こういう国立大学というのは、今後果たしていくべきだし、そのような役割を、今後財政的にもサポートしていくべきだなと考えております。
  国立大学の指標ですけれども、大学のガバナンスとマネジメントがきちんとできているか、アメリカの研究大学は10年間ぐらいにわたって非常に長期のマネジメント計画を立てていて、特に私が面白いなと思ったのは、スタンフォードなどでも、10年間ぐらいのシナリオを最初に学長などと作るんです。とてもエクストリームなケースとモデストなケースと、スタンダードなケースとモデストなケースと、いろいろな指標を考えながら、10年後にうちの大学は、どのようなことになっているかというシナリオを書くわけですが、それは、まさにオフィスオブプレジデントの役割で、したがって、オフィスオブプレジデントに多くの予算が必要であるとなってきたのは当然だと思います。それに関わって、例えば、IRが充実しているか、プロボストという存在を持っているか、あるいはそのビジョンが学内のリソースのデータに基づいた形で作られているかということも、国立大学の今後の評価指標になってくるだろうし、間接経費をきちんと取ったものを大学の中で動かしているか。あるいは大学の中のヒューマンリソースを完全に把握していて、そして、予算もある程度本部が理解していると、各大学の中で出てくるプロモーションとか、新規人事についても、大学本部はある程度意見を言うことができるわけですね。そういうことができているか。
  そしてまた、大学の本部のお金というのは、各部局に奨金の形で管理されていきますから、各学部を非常に豊かにしていく側面がある、こういったものもあるだろうと考えております。実はこういうデータは机上資料の中に全部詳しく書いてあるわけですが、その中でいいますと、いろいろなことをやってみたんですけれども、机上資料の50ページぐらいから、地域ごとのクラスターのネットワークの可能性みたいなことを、今ある国立大学の科研費と外部資金に関してやってみました。非常に面白いことが分かってきたのは、地域によって科研費とか外部資金の取り方が随分違っている。北海道などは非常に難しい状況だなということが分かります。中核である北海道大学はかなり取れているけれども、ほかの大学ですね、北海道で言いますと、例えば、室蘭工業とか、小樽商科大学とか、帯広畜産とか、旭川医科とか、こういうところは、仮にそういうところがクラスターを組んでネットワークをやってもなかなか難しいかもしれない。あるいは、それに比べて関東圏というのは、中核大学の東京大学も含めて、それ以外のところと2倍ぐらいの外部資金獲得の力の差がある。九州圏は、中核大学だけのみならず、ほかの大学が非常に頑張っているなと。そういうことを見ると、中核大学だけでないところのネットワークに、ある種のやり方もあるかもしれないなということを、今ある大学の財務データから見ているのが、この50ページから70ページぐらいまでのデータでございます。
  それから、もう一つ作ってみたのは、今現在ある国立大学のキャッシュフローから見た経営構造も、ちょうどこの参考資料でいいますと74枚目のスライド以降に作っておきましたので、行政当局の方たちも含めて、また後ほど見ていただきたいと思います。国立大学を法人化して10年で、実は、財務の投資活動に関して、少しずつ変化が見られているということです。キャッシュで持っているのか、有価証券に投資し始めているのかということであります。現行で言いますと、国立大学の持っているお金は、国債とか非常に安全なところにしか投資できませんけれども、アメリカでも、実は70年代半ばぐらいまではそうだったわけですが、ここが変化すると急速に、先ほど見た大学基金のグローバル投資みたいなことを始める。今後同じようなことがもし起こってくると、各大学が自らの力で持っている資金、余剰の資金源で稼ぐというやり方が起こってくる、そのようなことをやり始めている大学と、やり始めていない大学があるということが、このデータから少し見ることができますので、また御覧になっていただければと思います。とりわけ地域大学は、ある意味では地域の金融機関とか証券会社とか、そういうところとより密接なタイアップをして、地域独自の大学の財務環境の改善みたいなことができる可能性はあるなということが、こういうデータを見てみると、何となく読めていく。お金のないところは、それなりに何とかして少しでも利益を確保したいという動きが、こういうところに見えるんですね。わずか10年間の変化ですけれども、10年間であっても、国立大学の法人化以降でこういう経営構造の変化が見られているということ。これ、もしかすると、寄附金の税額の控除であったり、あるいはこういった投資活動に対する規制の変化が起こると、国立大学といえども、もちろん、重厚な公的資金で守られなければいけないけれども、自らのお金で稼ぐという時代がやはりやって来る、そのときにどのような地域なり、あるいは社会に対する貢献を公的機関である大学がやるのかということが求められているということです。
  26番は間接経費なのですが、これも余り時間ございませんので、詳しくはお話ししませんが、間接経費というのは、直接の研究費に付随してくるお金です。これ、アメリカの大学でいうと、50%~75%ぐらいまで、様々な大学によってその値は違うんですが、重要なことは、その経費のほとんどが大学の本部に入り、大学の本部のその運営上の戦略を作るのに欠かせないお金になっていることであります。しかも、また、この間接経費というのが一体何%必要なのかは、各大学の本部が全ての部局の必要な間接的な経費、例えば、建物のお金、あるいは人件費、電気代、そういったものも全部考えながらパーセンテージを作っていかないといけないんですが、間接経費を知ることは、何%であるかを決めることは、大学が全ての内部における動きを把握していくことでありまして、大学のマネジメント力、あるいはガバナンス力を強化するのに非常に重要な役割を果たしている、こういったものが、日本の中でも導入されるべきだと思っております。
  最後のスライドでございますけれども、ずっと思っていることは、日本の大学、特に国立大学は、国内の中の大学間の競争がない。ランキングはありますけれども、ランキングが動かないんですね。ランキングが動く、つまり、エリート大学といえども、その分野においては、他の大学との競争で負けるかもしれないという危機感が生まれたときに、大学の本格的な意味でのマネジメントの変化が生まれてくる。そういう意味では、国内の競争がなくて、グローバルな競争には絶対勝てないということをいろいろなところで思ってお話をしております。
  それから、先ほど言いましたように、それぞれの大学はそれぞれの大学の機能に応じたハブ的な機能を作っていくべきだと思っています。特定の研究大学と地域の研究大学とそれ以外の大学、教養大学も含めて、それは様々な形での公的資金を受けているわけですから、それは、それぞれの役割に応じたネットワークを作るハブ的な機能を作っていく必要があると思っております。
  それから、先ほど言いました、カリフォルニアコミュニティカレッジなんていうのはなかなか面白い構想だなというのは、あれがもし無料になると、そこに多くの人たちが行って、その中で優秀な人間は4年制の大学の中で、更に大学院も含めて行く、こういうシステムが生まれてくるわけですね。それは、公的な形でやるべきある意味では役割の一つかもしれないなと思ったりします。
  そういう意味では、この運営費交付金の改革、それから、それに伴うような公的資金の改革も含めた、文部科学省が果たすべき今後の役割は、非常に大きいということを最後に申し上げて報告を終わりたいと思います。なぜかといいますと、まさに我々が直面しているのは、高度経済成長におけるキャッチアップ型の経済じゃないところでグローバルに生きていかなければいけない。そうすると、文部科学省が持っている行政の範囲というのは、まさにそこなんですね。大学という知識基盤型社会における新しい知識や考え方を作っていく場所を統括していますし、それから、クリエイティブな人間を作っていくというところ、さらには、文部科学省にはカルチャーも入っているというのも面白いと思うんですが、つまり、文化も入っている。文化というのは、今後、とりわけクリエイティブな人間が、こういう科学とかも含めた大学等の中で、本当に先鋭な人間が生まれてくると思うんですね。デザイン性のある新しい未来社会志向型の人間が生まれてくるのは、文化とかカルチャーとかそういうところですから、そこもあると。その意味で言うと、クリエイティブな政策を推進していく重要な役割を果たしているということを考えてみて、日本の産業構造の変化ということにとても大きな役割を果たしていくという意味で、私は大変期待をしております。というお話でございます。長くなりましたけれども、私のお話を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
【須藤座長】  どうもありがとうございました。議論に入ります前に、もう1件だけ資料の説明をお願いします。予算配分に反映するための評価等についての検討課題につきまして、事務局の方から説明をお願いいたします。


(事務局より資料3について説明)


【須藤座長】  それでは、先ほどの上山委員からの御説明の件、それから、ただいまありました事務局からの検討課題の提起、この2件を踏まえつつ、議論あるいは御意見、御質問に移りたいと思います。どなたからでも結構ですので、挙手をしてお願いいたします。
【橋本委員】  橋本でございます。上山先生、どうもありがとうございます。私が出ております産業競争力会議のワーキンググループでも上山先生にお話いただいたことがあり、その時も大変勉強になったのですが、、今日のお話よりももっと少なかったんですけど、今日はさらに多くの内容での方が充実していたんいたので、また新たにいろいろ勉強になりましたけど、お話しいただいて。そのとき大変勉強になったんですけど、今日も新たに。
  ちょっと感想とを述べつつ質問をさせていただきたいと思うんですけれども、います。私たちがすごく印象深かったのは、今日のお話にもありました、余りはっきりおっしゃらなかったですけど、3ページ目の下の方、ハーバードの学長であったデレク・ボク、ハーバードの学長だった方が1977年に嘆いていることが、全部、今、我が国の大学で嘆いていることと一致しているんですよね。私は、これに大変驚いて、日本の現状と全く同じ状況全て同じということがあって、それで、今もアメリカは、全員がハッピーとは言っていないんですねくて、ハッピーと言っている人もいるし、ひどいと言っている人もいるんですけれども、ただ、総体的に国際的な競争力が極めて高いのは間違いないわけで、この状態からマネジメントといいますか、改革をすればやれば、そういうふうにいくんだなという教訓があるわけです。ことで、みんながハッピーということはあり得ないけれど、総体的にいい方向にいくことはできるんだなと強く思いましてったのと、それから、やはりこういった事例をすごく勉強させていただかなければいけないなと思いましたったんです。
  それで、今日のお話のポイントは、マネジメント力、ガバナンス力を高めることが重要であり、だと。そのために財務基盤が極めて重要だと、こういうことですよね。財務基盤の多様性が極めて重要だということでいろいろご説明くださったおっしゃったわけですけれども、今の我が国の状況を見ると、とても無理だよなというふうに、普通パッと切り捨ててしまいがちかと思いますなんですね。例えば、寄附にしてもだって、我が国はそんなに集まらないできないよと、それは文化が違うからだとか、常にそういうふうに切り捨ててしまうんですが、そうしちゃいけないというのが、今日のメッセージだと思うんですね。
  それで、例えば、お話にもちょっとありましたけれども、寄附に関して言うと、寄附税政ですね、税額控除の問題というのは極めて重要で、税額控除をやっていただけるようになると随分変わってくるのは、はっきりしているわけですし。それから、これもどこかで上山先生が言っていたと思うんですけれども、今、民間の財団が、かなり研究費の補助をしているんです。私も実は幾つかの委員をやっていて、そこに具体的には研究補助をトータルでは結構なお金をするんですけど、個々は100万とか多いもので1,000万というのがありますけど、多くは課題あたり100万円ぐらいですが、。しかし、研究補助としてトータルでは結構なお金が出されているのですが、それトータル全部合わせるとかなりあるんですけど、実際に私も関わっているから、調べられると、そこを批判していることになるので、ちょっと言葉を濁しますけれども。今のお話にあったように、今、我が国でこれだけ大学なり研究費の問題が起こっているということを踏まえた配り方や分野設定にはなっていないんですね、あるいは分野にしてもですね。だから、そ大学の研究を誘導するという目的意識を持って様々な財団がういうものを実は全部こういう方向で一緒にやるというふうにいくと、すごい力になると思うん思うのですけれども。
  いずれにしても、そういうことを、寄附税政とかに関しては財務省と、それから、民間財団のことに関しては、民間の有力な方などとお話をと、実は話を結構今しているんです。そうすると、何を言われるかというと、そのとおりだけど、今の大学にやっていてもざるだよな、みたいなことを言われるんですね。要するに、どういうことかというと、自助自己努力をまずしてください、見せてください、しっかり自助自己努力を見せてくれたら、その次にそういうことに次にいくでしょうって、これが本音なんだと思うんですねいます。だから、今、私たちがやろうとしていることは極めて重要だと思っていて、います。これも分かっていて申し上げますけどしかし、ですので、今日のお話で、ここでお話しするときには、運営費交付金だけで議論してしまうしちゃうので、どうしても私たちが自己の努力でできることは限られてきます。、文科省のこの中でできることは、ほかの競争的資金とのオーバーヘッドの部分を、間接費のことを絡めて議論することが重要だと思いますので、しないと、ここはできないので、分かっていながらなかなかできないことを言っておられるいるのはよく分かるん分かるのですけど、でも、あえてもう一度言わせていただきたいと思います。
  あわせてそれをやって、実は文科省以外の競争的資金お金、例えば、具体的に言うと経産省であったり厚労省であったりそういうのがあるわけで、そこにも同じように研究費があるわけで、そことも実は、私、今個人的なベースで話しているんです。文科省でこういう動きをやっていて、是非、そういうところにも間接経費をしっかりと付けていただく必要があると申し上げると言って、必要性は理解するけれどそれもやはり同じことを言われまして、分かるんだけど、まず、は文科省でやってみてくださいくれよなと、それをやらない段階ではで、自分たちが積極的にやるという気はとてもやる気が起きないというか、できないと言われるん言われるのですね。ですので、是非、そういうふうに、まずここで、厳しいけども自助努力をするやることが重要だと思っています。
  長くなりましたが、最後にそれで質問なんですが、。23ページ目のところで、評価指標の可能性をって幾つも書いていただいて、こういう指標っては実はすごく重要ということはだって、今の話で分かるんですけども、これらは定性的ですよね。一方でそれで、今、文科省の方から紹介いただいた参考資料で、例えば、主要な大学ランキングで用いられている指標とか、あるいは研究大学強化促進事業で用いられている指標というのはって、全部、定量的な数字なんですね。それで、ここが実はすごくポイントで、数字で評価しようとするやるとできることは限られているので、このマネジメント力みたいなことは表れないんですね。具体的にはこれをどうやるかというところでのは、アメリカの例やつをしっかり参考にして定量的に持っていくような、、我が国に導入できるような指標みたいなものはあるんでしょうか、定量的に持っていくような。
【須藤座長】  いかがですか。
【上山委員】  定量的にやるというのは確かに非常に難しいんですけれども、そもそも日本の各大学が自らのことを定量的に把握していないんですね。どういう人間がいて、どういう論文を書いて、自らの大学の研究者がどのような研究レベルにあるのかをどれぐらい確保しているかということは、各大学の本部は知らない、各個々人は知っています。じゃあ、ビジョンを作るときに、うちの大学はこういう分野に関してこれぐらい外部資金を取っていて、間接経費がこれぐらい発生して、それがどう還元しているかということを説明できる力があるかをということは、それは定量的に測ることはできる。そういう意味で、ビジョンって掲げましたけども、言葉で書かれているというよりは、エビデンスに基づいているビジョンを出せということだと思うんですね。それをやれているところはほぼない、ほぼ分かっていないと思いますね、完全に。
  その意味で、例えば、バジェットもそうなんですけども、各大学が各部局のバジェットはほとんど知らないです。どういう使い方をしているかも知らない。もし知っていると、ならば、各部局のところで、あなたのところが使っているこの予算を、うちの予算でも出してあげられますよとか、その予算は重なっているから要らないでしょうという交渉もできる。つまり、各大学の内部のマネジメントに使うこともできる。そういう意味では、そういうきちんとしたエビデンスに基づくデータを出しているかどうかは非常に重要だと思うんですね。
  それに基づいて、私は前に大阪大学で書いたんですけれども、アメリカの大学が作っているビジョンって非常に定量的なんです。例えば、18歳人口が10年後には何人になっているだろうか、地域の企業が一体何社ぐらいになっていて、そのときどういう関係を持っているかみたいな予想を書いている。その意味では非常に定量的に、いろいろなシナリオを作っているんですね。日本においてそのシナリオを作るような力を持っている大学はほぼ皆無ですね。そういうことができているかどうかで、行政当局はちゃんと判断していけるだろうというのが、マネジメント的な指標ということになるでしょうか。例えば、外国人が何人いるかとか、そういう割と細かい指標よりは、むしろ重要なのは、エビデンスに基づいたちゃんとしたマネジメントができているかどうかは、かなり、見ればすぐ分かるような状況になると思うので、そういうことをやってほしいなと思います。
  それから、時間がなくて申し訳なかったんですが、最初の、向こうは、そういう意味では国家戦略なんですよね、大学というそのものへの政策が。したがってそれらの財団は例えば、財団のお話もされましたけど、フォードにしてもカーネギーにしても、フィラントロピーじゃないですね、お金があるから社会に貢献しますって、そういうものではないですね。つまり、財団そのものが、アカデミアをどのような形で今後作っていくことが、アメリカという国にとって重要かという戦略の下で、最初の原資になるようなお金を入れているわけですね。例えば、インシチューションそのものに資金をを入れますから。例えば、私がずっと疑問に思っていたのは、スタンフォードは、なぜあんなに強くなったのかとということでした。思ったら、それは、明らかにフォード財団が60年代に急速にお金を入れたからですよね。つまり、スタンフォードという大学を育てることによって、アメリカのアカデミアを、競争的環境にしようとする意図があったと思います。でも、民間のお金って、国のお金と比べれば、そんなに大きくないんです。ただ、最初のシーズとしては非常にインパクトがある。そういう役割を、ある意味では民間のお金というのは果たすべきだと思っています。そういう意味で、確かに日本の財団の中でそういう戦略性を持って動いているところはほとんどないですね。100万とか50万とかのお金をフィロントロピーとして配りますということをやっているけど、それを配っていることが、ある種の免罪符になっているだけで、アカデミア全体に大きなインパクトを与えようなどということは思っていないですね。そこはすごく問題だと。
  それから、寄附税政税制もちょっと時間がないから申し訳ありませんけど、自助努力の部分がなければ、橋本先生が前からおっしゃっている2兆円の枠は超えないですよ。最終的なターゲットは、アカデミアに国が投下している2兆円の枠を超えていく、それをどうやってブレークしていくか、ブレークしていくときには、当然、アカデミア自身がその論理を作らないと、文科省にやってくださいではできないと私は思っているんです。そういう意味では、様々な形のこういうセオリーを作り、なぜ必要かという説明を、アカデミアが自分の努力できちんとそれを裏付けされる形でやっていくことによって、この2兆円の枠は超えていくことができると思っています。
【須藤座長】  ありがとうございました。では北山委員お願いします。
【北山委員】  上山先生の今のでお答えになっているのかとも思うんですけども、財務面から見た場合に、上山先生のプレゼンテーションの中に、で十分アメリカの状況は分かったんですが、米国では70年代から80年代にかけて、国家戦略であるとか、国そのものの方針に大きくアカデミアが大きく関与するようになったことで関わるということで、戦略サイドというか、国の政策ないしは財団、企業の政策、産学官の関係が、大きくそこで変わったというご説明がありましたているわけですね、基礎研究も含めて。そういった環境に、大学が入り込まざるを得なくなった、これは、大学自体が変革しなければならない境遇に追い込まれしなきゃいけなくなった結果だと思うのですがということなんだろうと思うんですけれども、その産学官の変革、それは国の文教予算がずっとの削減削られたというが続き、飢餓状態になったから、大学自体が変わらなきゃいけなくなったろうとした際に、それに呼応して産業界もという、何が大きなきっかけになったんですかね。産学官の、特に産学の関係が大きく変わったきっかけは何だったのでしょうかというところは。
【須藤座長】  じゃあ、お願いいたします。
【上山委員】  それは、やっぱり背後に日本がいたのだと思いますね、80年代。明らかに日本のちょうどバブルの一番最盛期ですから、アメリカの産業は、全部つぶされてしまったわけですよね。つまり、製造業型の産業では、もうアメリカは勝てない。そうすると、知識基盤型の産業に転換していかないといけない。そうするともう大学しかない、大学の中でクリエイティブなものを作っていくという選択肢しかない、多分そうだと思うんですね。国家戦略としては、例えば、60年代ぐらいまではエレクトロニクスとかそういうところの物理工学の予算が連邦政府からいっぱい入っていますけど、ライフサイエンス系に移行していく、まさに情報とか知識の世界の研究開発への投資が始まって、それは、私もよくアメリカ人としゃべっていて、例えば、大学の周りに、シリコンバレーとかに集まってくると、何でこんなことやったんだと言うと、おまえたちが悪いんだと言うんですよ、おまえたちがアメリカの市場を席けんしたから、俺たちは研究所とか作って、いっぱいやらないといけなくなったんだという答えが出てくる。つまり、産業構造の新しい転換点を見据えた大学政策。それは産業界からの求めもあるだろうし、国家的な運命だったと。ちょうどその意味では、日本もそういう時期に来ている。そういう意味では、大学というのは成長の真っただ中にある、非常に重要な役割をするところだと捉え直せば、財務省も金を貸してくれると思うんですけど、いかがでしょう。
【須藤座長】  それでは、ほかの方で何かございますか。鈴木委員、お願いします。
【鈴木委員】  上山委員、ありがとうございました。特に資料の20ページ目のスライドのカリフォルニアのシステムのところで、地域の大学がハブになることについて、非常に共感いたしました。前回、私が御説明させていただいた三重大学が三重県において果たしている役割は、防災においても、医療においても、集落支援においても、まさにハブの機能を担ってくれているというのが、一言でいうとそういうことでありましたので、非常に共感をしたものであります。
  そこで、1個質問と、1個、三重県の事例を御紹介させていただきたいと思っているんですが、質問は、このステートユニバーシティのハブ大学としての、例えば、今、ここのスライドにおいては、学生の移動についてのネットワークのハブのお話を先生にしていただきましたけれども、何か企業とか、あるいは地域との関係で、こういう分野で、こういうハブとしてやっている事例があるよとか、あるいは特徴とかでもいいのですけれども、そういうのをもし御存じだったら教えていただきたいなというのが質問であります。
  私の方から一つ御紹介申し上げたいのは、ドッジファイルの15番のところが私の前回の資料で、その中の8ページ目にあるんですけど、まさに、上山先生がおっしゃったコミュニティカレッジに注目した取組なんですが、三重県では、昨年、シアトルにあるサウスシアトルコミュニティカレッジと三重大学が、航空機産業に関する協定書を締結しました。今は、サウスシアトルカレッジといっていますけれども、ボーイングとか航空機関連の企業組合がコンテンツ作りから、あるいはお金も出資して人材を育成していくところなんですけれども、そこと三重県がコンテンツ作りとか、教員や学生の相互交流、あるいは共同研究ということについての協定を結ぶことで、三重大学が、三重県内の航空機産業の関連企業のハブになるという形の取組を、実は去年からスタートしているところでありまして、まさに上山委員おっしゃっていただいたようなコミュニティカレッジに注目をする、日本の地域の大学とか、地域も、アメリカのコミュニティカレッジとかそういう部分とか、こういうステートユニバーシティみたいなところとの連携というのは、結構これから可能性もあるのかなということで、少し御紹介させていただきましたが、先ほどの質問の点について御教授御教示いただければと思います。
【須藤座長】  では、上山委員、お願いします。
【上山委員】  カリフォルニアの大学の位置をプロットした地図を本当は入れるべきだったと思うんですが、明らかにサンフランシスコ周辺、シリコンバレーですね、それから、ロスからサンディエゴのあたり、ここはバイオ系の企業が集まっていますけれども、この二つに大体集約されます、そのほかにもあるんですけど。そこには、サンフランシスコですと、一番有名なスタンフォード、UCバークレー、UCサンフランシスコというトップスクールがある。下の方でUCLA、UCサンディエゴ、そういう大学がある。こういう大学はトップスクールなんですが、その周りにステートユニバーシティがある。ということは、この地域でなぜがどうしてああいうふうに、例えばシリコンバレーができ、あるいはサンディエゴ周辺の産業集積地ができるかと言うと、このステートユニバーシティから出てくる人材が非常に大きいんです。そういう意味で、まさにコミュニティカレッジから人材を引き上げ、ステートになってくると、ある程度のマスターレベルの人材を作っていくことができる、そして、ベンチャー企業の中に輩出していく。そういう意味での人間と技術を通した周辺のベンチャー企業との密接な関係があの地域にはあるんですね。そういう意味で、まさに人材だけ、これ、ちょうど絵を描くのに一番便利なので、人間の数、動きが分かりますから。それだけではなくて、例えば、就職、あるいは特許を取った技術の移転を含めて、そのサンフランシスコ周辺とロス周辺のところで、トップスクールと中間にあるステートユニバーシティとが、その周辺の産業界と非常に密接な関係を持っていることを考えてみると、まさに本当にハブなんです。そういうことを、日本は結構広いですけど、いろいろな拠点があるでしょうけど、それぞれでそういう地域のその大学というのは果たす役割があって、国立大学の改革でいうと、恐らく特定研究大学というのはそんなに難しくないというか、すぐに選ばれてしまって、役割もある程度分かるんですけど、一番難しいのは、それ以外のところの研究大学がどういう形でサポートを受け、そして、それが今後どういうような未来図を描くかというのは、なかなか作り込みが難しい。その一つの例と言いますか、イグザンプルの一つとして、カリフォルニアはとても面白いなと思って、お話をさせていただきました。
【須藤座長】  よろしいですか。じゃあでは、有川座長代理お願いします。
【有川座長代理】  とても参考になる、組織だったお話をお聞かせしていただきまして、ありがとうございました。多くのことをで全く共感しているのできるんですが、一つ確認の意味も込めて紹介させていただきます。みたいなこともあるんですけれども、様々なデータとや言いますか報告ということですが、例えば、国立ですと、私がいた大学なんかでもそうなんですけど、かなりまともな詳細な財務レポートというのを毎年、印刷物とネット上に出しております。して、退任したやめたから言うわけですけど、ここまでやるんですか、というぐらいのものが出ていると思います。一方ではまた、個人の給料なんかに関しましても、固有名詞こそ出ていませんが、ほぼ特定できるような形でそのときの私のものも含めまして全部オープンになっているわけですねます。それを徹底的に学内的には見ていまして。それから、各部局、・学部等がどのようなんなお金を使って、どのぐらい稼いで、どんなことをやっているかということも、実は、私がいたところではかなり具体的に把握しておりました。
  それから、九州のある国立大学では、私どものところに近い大学で、これは割と中小規模の大学なんですけれども、自分のところ大学だけじゃなくてでなく、オープンになっている今言ったような各大学のそうした財務レポート等を使い、自分の大学とというのは、オープンになっていますので、ネット上で誰でも見られますので、その誰でも見られるデータを、他大学と徹底的に比較して、そして、自分のところ大学の特徴をしっかり見極め浮き上がらせて、ある学部の学生数を減らし、一方で、あまり認識されていなかった強みや実績も顕在化させだからこうするんだと。極端なことをいうと、あるところは、かなり学生数を減らしたりして、しかし、実はそこから浮かび上がってくる、自分のところはこういったところが実は強いんだというところで、新しい組織や学部みたいなものを作るなど大改革を行っていますったりとか。その大学は学長のリーダーシップのもとでIR機能を充実させてがものすごいしっかりしていまして、このようなことを実現したのですが、このような手法そういったようなことがやられていまして。それは、既に多くの国立大学にはお互いに人がいいことをやりますとすぐまねしてくれますので、そういう意味では、波及していると思います。効果という意味では抜群にあるわけですけれども、そういったこともございます。多分御存じ御存知の方も多いとは思いますが、紹介させていただきました。上でお話しいただいたのではないかと思います。
  それから、財政の問題に関しては、卒業生や篤志家からのというのは、寄附に関してインセンティブが効くように税制を改革するなどして、大学に対するを働かせるというか、日本でも、大学に対する寄附文化を醸成する必要があると思います。そのための法人や団体もすでに存在して活動していますので、期待したいと思います。どう作っていくかというのは、そういうことをやっている、ある種の団体みたいなものもありますけれども、そういったものを持っていかなきゃいけないということ。
  それから、日本のもう一つは、大学へのに企業等から研究費の寄付に関しては、奨学寄付金と呼ばれてきたものがありますが、これは、通常小額であり、特定の目的を付さない形で行われていますが、明確な目的や期限を示した上で、大規模なプロジェクトを推進するための寄付も定着して欲しいと思います。お金を頂くときに、これまでの少額寄附金的な、委任経理金と昔は言っていたわけですけど、そういったものだけではなくて、かなり高額な寄附というか契約をして、そして、これについて、いついつまでにこういったものをあなたのところに期待しているんだから、やってくれますよね、というようなことをやる、そういった時期に来ているのではないか。私自身も現役の頃にそういったことをやって、かなりのことをやってきたつもりではいるんですけれども、そうしたことをもうちょっと大きなところで、できていけばいいのかなと思います。
  いずれにしましても、大変参考になりました。ものすごく勉強になりました。ありがとうございました。
【須藤座長】  今の件で何かございますか、よろしいですか。
【上山委員】  是非九州大学を見てみたいです。なかなか、実は公表されているものも、アメリカで見ているデータと比べると、もう少し踏み込んでもいいかなと思うところが国立大学に関してはあります。それと、財務に関しては、先生がおっしゃるようには非常に、九州大学は確かに結構そろっている感じがしますけれども、国立大学全体は、なかなか難しいところがあるなというのが私の印象です。例えば、外部資金の分類も非常に曖昧です。共同経費で取っているのか、寄附で取っているのか分からないということもあって。これは、各大学が、多分、それをやるだけの予算がないんだと思うんです。アメリカの研究大学が、バジェットに関して投入している資金と比べると、なかなか限定があって難しいんだろうなと思います。
【須藤座長】  お待たせしました、日比谷委員、お願いします。
【日比谷委員】  大変興味深いお話を伺いました、どうもありがとうございました。たまたまですけれども、私はこの7のスライドで大学の基金の変遷に上がっている中の一つの大学で83年~88年まで博士課程におりましたので、もちろん、基金がどうなっているかということは、一ドクターの学生として全く関心もありませんでしたし、プレジデンツオフィスがどうしているかも興味がありませんでしたけれども、一方、ドクターの学生から見ると、先生がこのデレク・ボクと同じような嘆きを、日がな一日ですね、文句ばかり言っている人もいれば、こういうことから脱却しなければいけないということで、大変積極的に外部資金を取るとか、どういうふうに研究をマネージしていくかを自ら考えている人もいたので、そういうところの差が、大学にも大きな変化をもたらしたと思いますし、研究者・教育者としての個人の人生にも大きな見開きを作ったという実感を持って伺いました。
  あわせまして、今、たまたま勤めている大学はUCとの協定を持っている日本で一番古い大学になりますので、UC自体の話というより、今日、御説明くださいましたカリフォルニアの中での3層構造のようなことについても、自分たちのところにどういうキャリアパスを持って、どういう学生が来るという話をよく聞くので、非常に関心を持って伺いました。
  その上でちょっと伺いたいと思いましたのは、ゆっくり机上資料を全部追い切れていないんですけれども、今の国立大学の科研費と外部資金からクラスター化をするということをなさっていて、初めていろいろなことが、私は分かったんですが、ここに幾つか類型を、四つとかですかね、お示しくださっていると思うんですが、カリフォルニア州のようなまとまりを地域ごとに持って大学は協力し合っていくことが大事だと思うんですが、様々なタイプがある中で、こういうタイプだったらこういうネットワーク化が可能なんじゃないかとか、こういうところはここをもうちょっと工夫するとユニークなネットワークができるんじゃないか、何かその辺についてお考えがありましたら伺いたいと思います。
【上山委員】  恐らく特定研究大学というカテゴリーは割と簡単です、その後のところは非常に難しいと思って。これは多分いろいろなタイプがあって、私が一応やってみたのは、一つの試みとして、道州制に近いような地域ごとでやってみたんですけれども、それ以外にもサイエンスに特化しているところが結び付くべきだとか、いろいろなパターンがあると思うので、それはそれぞれの大学の内情をちゃんと分析する形で、文部科学行政の中でいろいろなアイデアを出してもらえばいいと思ったんですけれども、やってみて思ったのは、北海道なんかは、やはりちょっと特異と言いますかね、北海道の北大を除いてしまうと相当きついなという感じ。そうすると、それを考えた上でのネットワークの在り方をやらないといけないし。あるいは九州とかは、長崎とかも含めて、頑張っている、そういうところだと、九州大学は別にして、別のところがネットワークを組むことも可能かもしれないとかですね。つまり、今までの現状であるデータに基づいて様々なシナリオを作っていける可能性があるんじゃないかということで、一つの試みとしてやってみたということです。同じように寄附金とかについても頑張ってやろうとしているところ、やろうとしていないところ含めても、いろいろなネットワークのやり方があるかもしれない。
  もう一つだけ、橋本先生の質問とも関係するんですけれども、例えば、最近イギリスは、アメリカのこのような変化をういうものを本当にターゲットにして動いています。いるのは、なぜならなぜかと言うと、イギリスのオックスフォードなんかも、アメリカの研究大学から人をすごく引っ張り抜かれて引き抜かれているわけです。今、オックスフォードとケンブリッジがここ3年ぐらいの間に大学の基金を数倍に伸ばしています。今、オックスフォードは確か6,000億円ぐらいになっています。オックスフォードとケンブリッジって実は大金持ちの大学なんですよ。オックスフォード、ケンブリッジからロンドンに行くまでの間に、自分の敷地を通ってだけ行けるという冗談もあるぐらいの土地所有者なんですけど、すごい大金持ちなんですけれどんだけど、そういう財務体質を改善していかないと、アメリカの大学と対抗できない。その寄附金の集め方なんかも、そういう意味では、各ヨーロッパの大学はしのぎを削り始めているので、まさに今日お話の出た、必要ですよね、どうやればいいですかということになるんですが、日本の大学も自助努力として、アメリカのようにはなれないし、全く同じようにはできないけれども、そのようなことをやり始めることが、大学というかアカデミアの覚悟を示すことであり、そのことが翻っていうと公的資金を増やしていくことになると思っています。
【須藤座長】  ありがとうございました。ほかにございますか。
【小林委員】  幾つか質問があるんですけれどもりますが、一つは、上山先生の発表のところなんですが、カリフォルニアのマスタープランに基づく3層構造というのは1960年にできて、それがだんだんこのようういうふうに発展していって今のような形になっていることについて、非常に詳細なデータで説明していただいたので非常によく分かったと思います。ただ、私もUCのシステムの機構の方のプロボストに会って話を聞いたときに、彼が非常に強調していたのは、UCは九つてと書いてありますけど、もう一つ、マーセドっていう新しいキャンパスがあるんですけど、新しいキャンパスを含めて、その10のキャンパスは研究大学としてみんな平等であると言われていたのいたんです。今日のお話はカリフォルニアの3層構造と比較して、日本の国立大学はステートユニバーシティ、それからコミュニティカレッジも含めて考えた方がいいというお話だったと思いますがうんですけれども、研究大学として10キャンパスは平等であるということと、カリフォルニア・システム全体、の3層構造として日本の国立大学を捉えるのかは大分違う話だと思いますうんですね。ですから、そのあたりをどのようにお考えかということで。特に日本の国立大学は86国立大学が全て平等だという意識で動いていることが今まで非常に多かったと思うんですね。ですから、そのあたりが、日本で機能別分化文化が繰り返し繰り返しカリフォルニアの3層構造システムと関連してのことが提起されながら、なかなか日本では機能分化が起こらない。前回もその点について少し議論したわけですけれども、なぜ日本で機能別の分化が浸透しないのかについて、その阻害要因と言いますか、国立大学だけでいいのいいんですけどが、それがどうしてこういう形でなかなか機能別分化しないのかということについて、アメリカとの比較で、これは繰り返し議論されているんですけれども、なかなか要因が分からない。ですから、そのあたりのことについてお考えがあればお聞かせ願いたいのが1点です。
  それからもう一点は、全然違う質問違うんですけれど、寄附のことなんです。けど、これは御指摘はそのとおりなんなのですが、私の理解している限りでは、私学振興事業団がに受配者指定制度というのがありまして、これは企業からの寄附に対して、振興事業団を通すと優遇するというシステムがあるんあるのですが、国公立大学についてはこういうものがないんですねと思います。ですから、そのあたりもまだ改善する余地があるのではないかと思っているんいるのですけれども。そのあたりは、もし、事務局なりなどで詳しい方があれば教えていただきたいのですが。その二つです。
【須藤座長】  それでは、上山委員の方からお願いします。
【上山委員】  まず最初のところですが、最近、マーセドというのができてUC はおっしゃる通り10校になりました。もっともマーセドが研究大学といえるのかどうか、私ちょっと危ないなと思っていいます。それだけ増えたのはるのは、要するに人口が増えてきているので、もんですからエリート大学が増えているんですね。だけど、今後分からないですよね、つぶすかもしれないです。彼らと話すと、ずっと我々は成長してきている、だけど、それはカリフォルニアという地域の経済規模は拡大してきて人口も増えているからだということで、マーセドというのができていますけども。たしかに、でも、よくごらんになると、カリフォルニア大学の人は、我々これは州立大学で、地域の役割を果たしているからみんな平等だと言うんですが、実態はばらばらですよね。現実には、雇用関係から、賃金から、研究関係、もう全然違う。その意味では、それぞれ競争し合っているんですね、UCの中で。そういうことがあります。
  それから、研究大学というものがなぜできたかというのは、恐らく御専門なので、難しいですが、先生には釈迦に説法ですが、一つは、アメリカというのは大学院という制度を作らざるを得なかった、大学院という制度を作って、ヨーロッパの大学と対抗していくためには、新しい制度を作らなければいけなかったということがあり、そのためには、大学院を持っている、博士課程を持っているところは研究大学だという認識を作らなければいけなかったということだと思います。厳密に言うと、例えば、マーセドは研究大学かというとちょっと危ないですよね。トップ50校に入っているのが、バークレー、UCLA、UCサンフランシスコ、サンディエゴ、デイビスが51位か52位ぐらいですから、その四つぐらいなんです。四つは、これは確かにグローバルに競争できる研究大学と呼んでもいいかもしれない、ほかはそうでもないかもしれないですね。つまり、我々が、日本の特定研究大学がターゲットすべきなのは50位から六、七十位ぐらいまで、というと、アメリカの大学でも相当限られてくると思います。研究大学というものも、例えば、100位ぐらいの中でも相当ばらばらですから。なぜ研究大学というカテゴリーができたかというのは、それは大学院というシステムをアメリカで作ったんだろうなというぐらいのことしか。後でちょっと考えてみますけど。
  もう一つ寄附のことは事務サイドの方から。
【須藤座長】  事務局の方で。
【事務局】  今御指摘のあった私学の寄附のシステム等々については、調べて次回御報告させていただきたいと思います。
【須藤座長】  山本委員、何かございますか。
【山本(廣)委員】  ありがとうございます。皆さんが発言されて、私も上山先生の話で、今日非常にクリアにきれいに整理していただいたので、ありがとうございました。
  先ほどの話で、サンフランシスコとロス近辺に大体今の9大学が集まっているという話で。そうすると、サンフランシスコとロスの間は500マイルぐらいあるかと思うんですけれども、その間にそういうふうな地域拠点になるような大学、コミュニティカレッジはあるんでしょうけれども、そういったところはどうなっているのかというのが、私もデービスレイクスにいたんですけれども、余り南の方に行っていなかったもんですからよく分からないんです。それは一つお聞きしたい。
  というのは、日本の新制大学を各県ずっと合わせて47に置いたときには、国土の均衡ある発展ということと、それからもう一つは高等教育の機会均等というのが今の国立大学の設置理念、私学なんかと違ってですね。そういう意味で、各都道府県に最低一つは置くような形で。
  それから、医科大を作った使った無医学部県がないようにというような形で、。今、統合されて、一つの大学になっているところがたくさんあるんですけれども。そういうふうな意味では、非常に、もちろん、東京には集中した部分があるんですけれども、全国に散らばって大学が設置されているという。そういう意味では、先ほど設置の理念の話をしましたけれども、日本の大学がそれぞれ、それなりにイーブンだという形で、意識は、地方大学含めて持ってきたところだと。もちろん、旧帝大のところは、それぞれの大きな、先生がおっしゃった道州制みたいなところの核になるということは意識しつつですね。
  だから、そこらあたりが、今の機能分化という機能の中に、地域貢献というのがこの法人化以降、教育と研究とセットで必ず言われるようになってきて、非常に重要なことだと思うんですけど、カリフォルニアあたりではそういった、冒頭申し上げましたようなところがどうなっているのか一つお聞きしたい。
  それと、これはこの後の議論になるんですが、評価指標の問題で、もちろんエビデンスベースでということ、今はデジタルなデータがあるものだけをだーっといろいろ並べているみたいなところもあるんですけれども、そういうデータについては、これから、大学評価・学位授与機構の方で今整理していただいているポートレートですね、これも詳細なデータが出てくるので、その辺からいろいろなものを拾ってきて、そういった数字になっているものについては割と見やすくて、これまではどっちかというとそういった手法が多かったんですけれども。ガバナンスとかそういったことについてはどうかという、先ほどお話がありましたけれども。エビデンスがないですといけないんですけれども、全てがクリアに客観的にエビデンスだというような形で表せるものばかりだろうかというところが、なかなか難しいなというところがありますって。このエビデンスをどう定量化、エビデンスというか、もちろん、それぞれの相手によって違うんでしょうけれども、定量化、言葉では言えるんだけど、なかなか数字として表せないような部分はどういうふうに考えていったらいいのかと思います。これは特に上山先生に、これからの議論に恐らくなると思うんですけれども、今日はそういう印象で、上山先生のお話を聞いて本当に、大変ありがとうございました。
【須藤座長】  上山先生委員、何かございますか。
【上山委員】  カリフォルニアを出したのは、これと同じようになれということではなくて、機能分化がとても明確になっているということですよね。だから、ここで機能分化の話が1個出ましたから、研究大学とそうでないところの役割分化みたいなことを考えるにはいいということと。確かに日本は各地域にフラッグユニバーシティを作って、地域貢献のためにやってきたわけですから、それとはやはり若干違うんですね。確かにサンフランシスコとロスに集中していますけれども、例えば、UCサンタバーバラという、ちょうど中間にも研究ある大学があるんですね。今、中村修二さんがいるところです。あそこの大学発ベンチャーを見ると、半分以上に彼が関係していますね、話はずれますが。あそこは工学系が非常に強い大学で、中間にありますけれども、小さいけれどもネットワークを作っている、役割を果たしていると。日本のように、各大学、各県に重要な役割を果たしているというところとは違うし、日本の場合は特殊な大学ですよね、医科大学とか、あるいは水産系の大学とか、教育系の大学とか、そういうものを役割として作ってきたというのがあるので、それをそのまま当てはめることはちょっと難しいと思いますね。むしろそういうところも含めた、特定研究大学ではないところをどういうふうにクラスファイしていくかが恐らくとても難しいし、重要な話だろうし、こういうところでやらなければいけないことだと思います。アメリカの中で様々なカリフォルニアだけではないところにも目を向けると、そういう特殊な大学は結構ありますから。それも含めてネットワークの仕方とかいうことを考えた方がいいかなと思っています。
【須藤座長】  ありがとうございました。今までエビデンスに基づくビジョンとか、それから、定量的なシナリオ、ネットワーク、寄附金といういろいろなキーワードがあって、恐らく今後指標の評価の話に参考になると思いますけれども、何かございますか。
【橋本委員】  大変よい議論ができているので、私も勉強になっているんですけれども、機能分化の話でちょっと気になっているのは、機能分化したときに、ここでの議論も、あるいはほかでもそうですけれども、もし一旦分化するとそこに押し込められてしまうのではないかちゃうんじゃないかという不安を、各大学がすごく持っておられるということです。実際は異なり、ますよね。そうじゃない設定をしようと文科省も異なる分野間で移動することが可能となるような設計を考えて思っておられると思うんです。具体的には、それを明確にするためには、具体的には、卓越大学院の話をもっと表面に出して、機能分化と卓越大学院の関係がどうなっているのかという話と、それから、研究者のモビリティを高める仕組みの話と、これらをとセットで出す必要があり、更にさないと、逆に言えば評価軸もセットで出さないといけないと思うんです。だから、研究者を抱え込まれるんじゃなくて、どんどん動けるようになっている仕組みをそろえていけるかとか、それにあわせて国としてどういう制度を設定するのか。例えば一つは、我々が議論しているものにのは、若手研究員雇用制度みたいなものがあります。けれども、それともう一つあわせて言うと、実はさらに地域ごとでの拠点、拠点というのは、何々拠点と言われているようなもの、例えば、私の専門で言うとナノ研究拠点というのがあちこちにありますがって、そういうところに入れなかった大学で人たち、そこのいわゆるトップの研究大学じゃなかったところで、卓越大学院とは違う分野にもやはり国際的に活躍する研究者人がいるわけです。そういう人たちはがそういう拠点に行って研究できるようになり、る。それで、そういうところを通じてまた人が動いていくみたいな、こういう話のとあわせて提示してセットで見せて、その上で評価軸もセットで出すことをやることによって、そういう不安を大分取り除けるんじゃないかと思うん思うのですけど。今いろいろ議論しているといて、一旦そこに行っちゃうとそうなっちゃう、一旦就職するとその大学でずっとある限定的な環境にいざるを得ない、自分と合わなかったらその中に無理やり押し込められてそこにいなければいけないみたいな、そういうような不安をすごく持っていると言われる方が多いのんですね。絶対そういうことをは考えていないわけですのでし、というか、そうならないようにしなければいけないわけですので。ですから、機能分化や評価軸、他の仕組みなどを総合的に議論してそういう大きな要因をもう一回見せていただくのと、それにあわせて、じゃあ、評価軸はどうあるべきかというものとパラレルにやっていく必要があるんじゃないかというふうに思います。コメントです。
【須藤座長】  先ほど説明のありました19番の資料の、下村大臣が説明した資料に、卓越大学院を含めた、セットで図が載っていますけれども。事務局の方から追加で何かありますか。
【事務局】  今、座長からお話がございましたけれども、机上配付のブルーのファイルの資料番号19番のところに、下村大臣が産業競争力会議のワーキングに対しまして、産業競争力会議のこちらから示された様々な検討課題について、その基本的方向性を御説明したものがございます。この中の一つの項目が、この運営費交付金の配分の在り方の見直しについての、こちらの会議での検討状況の御報告もさせていただいたわけでございます。同じこの19番の資料の10ページ以降、これは、この検討会議で検討をさせていただいているわけではない項目としまして、特定研究大学、卓越大学院、卓越研究院といった仕組みについても、文科省として検討すべきではないかという御指摘があったことを受けて、その際に御説明したものでございます。この場でも名前が何回か出ております特定研究大学、これは11ページの頭の方に書いてございますけれども、これは産業競争力会議の方から、世界と互角に闘う、渡り合う質、量、両面にわたるリソースを持って、ガバナンスの改革といったような一定の要件を満たす、世界水準の研究大学を、こういった特定研究大学ということにしていくような仕組みを検討すべきではないか、そういった御提案を受けて検討しているということでございます。その検討の方向性といいますのは、こちらの産業競争力会議での御議論を踏まえてのものになりますけれども、ここに書いてございますように、方向性としてはそういったものの条件、それから、支援の方策、そういった大学への評価といったものを、全体的に引き続き検討していくということで、その際、御報告をいたしております。いずれにしても、これは非常に世界と互角に渡り合うような質を持ったところについて、何らかのこういった形にすることで、更に支援ができないかという観点から考えているということでございます。
  それから、その後ろには、卓越大学院、これも目的としてグローバル競争に勝ち抜くために世界と闘える教育力、研究力を持った、卓越大学院群の形成が重要ではないかという指摘を受けて検討が行われているものでございます。
  それから13ページのところに、卓越研究員の制度、今、橋本委員からも言及があったかと思いますけれども、各研究機関に対して、人件費の財源の多元化とか、年俸制、パーマネント職の導入を促して、優れた研究者が産学官の機関とか分野の枠を超えて、独創的な研究に専念できるような環境を作っていくべきではないかという問題意識の中から御提案を頂いていると思いますけれども、こういったことにつきましても、別途検討させていただいてございます。運営費交付金の検討会につきましては、いずれにしましても、運営費交付金の配分とか評価の仕方について、どのように整理していくかということで、まずはこちらの検討は進めていきたいと思いますが、この検討がまた先ほど申し上げたような幾つかのカテゴリーの新しい制度にリンクしていくことは当然ございますので、そういった意識で検討を進めていきたいと思っております。
【須藤座長】  ありがとうございました。今の資料の表紙の裏の1ページが全体をまとめた絵と思っていいわけですよね。両方、卓越大学院の話もありますし、この運営費交付金の話も載っていますので。今、橋本委員から指摘がありましたように、この辺は常に頭に置いて議論していく必要があると思います。
【事務局】  ちょっと補足でございまして、橋本委員の方から三つの類型自身が結局レッテルになるんじゃないかという御議論がありますし、また逆に、それぞれの大学がどんな役割を果たしていき、それが特定研究大学院制度ですとか、あるいは卓越研究員ということも含めて、どういうふうにそれが活用されて有機的に連携していくのか、あるいは今日上山先生に頂いたようなネットワークとしてのハブ、その辺の議論を、私どもの事務局でも整理させていただいて。それから、特別大学院につきましては、今、中教審の大学院部会でも御議論いただいているところでございますが、その辺の進展も含めて、もう少し、その関係が分かりやすくなるような形での資料も、今後の議論の中で作らせていただいて、また御議論いただきたいと存じます。
【須藤座長】  ありがとうございました。有川座長代理、お願いします。
【有川座長代理】  ただいまの議論についてですが、けれども、一つは、論点整理、資料1の4ページのところにありますように、るわけですけれども、ここで大事なことは、各大学が自ら3つの類型のうちの一つを選ぶということです。これまで、機能別分化といってかそういった七つの類型が示されとかが出たり、いろいろな議論がありました。この3つの類型はったんですけれども、これは、そういったこととも当然この機能別分化と関係はあるんででしょうけれどもが、大事な点は、機能強化の方向性に応じた重点支援の枠組みということでありまして、そして、ここでもっと大事なことは、重点支援を受けたければ、各大学が自ら選んだ類型におけるどれかを、重点支援を受けたいのであれば選ぶ、選んだところでの評価に基づいて重点支援が得られ行われる、進展に応じて、次の機会にはそれでまた進展したら別な類型を選ぶことも可能である、という点にあると思います。ときには別なものを選ぶという、そういった可能性はある。そういった意味で、橋本委員がおっしゃった先ほどのものでいいますと、資料19の1ページ目の下寄りにあるようなところと関係はしてくるんだろうと思いますがうんですけれども、現時点では、第3期の運営交付金の在り方の検討会ということからしてもますと、「自ら選択した」ということが非常に大事なことだろうと思います。
  それから、ついでで申し訳ないんですけれども、資料1の論点のところの1の赤で囲ったところについてコメントさせて下さい。でございますけれども、これも各大学が、自らの強み・特色を最大限にいかし、自ら改善・発展する仕組みを構築するということになっているんですがけれども、次の2ページの真ん中のところでは、各大学がその強みに対して形成する強み、特色とかいう言い方になっております。同じようなことのように見えますけれどもが、大学の使命としては、これは極めてこれは大事ですがだと思うんですけれども、そうした強み自体を作っていくという機能があるわけでありまして、出来合いの強みを更に強くするというだけではなくて、例えば、他の誰も全く想像さえもしていなかったようなこところを研究していって、そして、それが花を開き、結果として強みになる。こうした「強みの創成」という機能部分がなかったら、社会はそして大学は枯渇してしまいます。できたものを食いつぶしてしまって、その後何も残らない、それじゃまずいだろう、そういう意味では、下の方に書いてあります、各大学が形成する強みという表現は非常にいい大事な表現だと思いますのではないかと感じております。
  以上です。
【須藤座長】  ありがとうございました。今、有川座長代理の方から話があったのに関連しますけど、これから少し、その具体的に何を指標としてどう評価するかということが、ここの議論の中心になってくると思うんですけれども、います。先ほど資料3を事務局から説明してもらっています。評価指標、指標も機能強化に関するもの、それから、学長の裁量に関するもの、あるいは専門分野、こういうのがあると思いますし。評価の機関、それから評価の体制ということも重要なテーマになってくると思います。もうあと5分か10分ほど時間を割いて、この辺をちょっと簡単に御意見をお伺いしたいんしたいのですが。
【橋本委員】  今日の上山委員の御発表は、今日出席されている委員の皆さんそれぞれのある思いを持って聞かれて、それで、確かに我々が今までやってきたのとは違った指標が重要なんだなという、ある種のコンセンサスは得ていると思うんですね。それをもう少し事務局で整理して、今日のお話を基に反映させたそういう指標案みたいなのも作っていただくとよろしいかなと思いました。
【須藤座長】  案を作る上で、今日言っておきたいことは何かございますか。
【橋本委員】  いやいや、上山先生がたくさん言ってくださったから、私からは特にありません。。
【須藤座長】  恐らく事務局も今日はそういう意見をいろいろと皆さんからお聞きしたいんだと思いますけれども。
【有川座長代理】  評価の在り方やり方が、コンセプトも含めまして、これが一番大事だということはよくいわれます。で、いろいろ議論しますと、ちゃんとした評価に基づいてやりましょうね、ということになるのですが、その時点で、評価に頼って、あるいは、任せて、それ以上の議論を避けてしまっていないでしょうか。やはり、って、そこにちょっとアウトソーシングじゃないんだけど、そっちの整理してしまいがちなんですけれども評価そのものを本当にまともに考えなければいけないんだろうと思います。ここは学問の世界と違って、いいものはどんどん今日のアメリカの例を含めて、諸外国の例も含めて参考にしたり真似たりしてもいいと思います。まねすればいいわけでして、それからまた、新しいことに関しましては、やはり新しい発想でもっての評価が必要です。評価のための評価でなく、大学が、そして最終的には、評価やりました、持ってきましたということで終わりじゃなくて、これはやっぱり、国全体のとして活力が出てくるようなやり方にしていかなければなりません。きゃいけないはずですから、そういう意味では、柔軟にいろいろなことを考えながらやっていかなきゃいけないんだろうと思います。ただ、今、評価が大事だというところまで来ているんですけど、評価をどうしていくかというのは、今日のアメリカの例など、諸外国の例なども当然参考にしながら、考えていかなければいけないんだろうと思います。余りイージーなことをやってはいけないと思います。
【須藤座長】  北山委員、お願いします。
【北山委員】  橋本さんが座長をされている産業競争力のイノベーション大学改革の方でも申し上げたんですけれども、評価手法と評価指標、手法と指標ですね、それについては、ここに、考え方、論点書いてあるんですが、それぞれごもっともな話なので、それ評価手法と評価指標については、資料にお示しいただいた考え方に基づいて具体的なことに、案としてに落としていけばいいよいと思うんですけれどもいます。一つ申し上げておきたいのは、手法の方の一部になるかと思うんですけれどもいますが、私が委員長を務めている、国立大学法人の評価委員会の委員長をやっていますので、それは、第2期の6年計画の進捗を年度ごとに評価しているのですがという位置付けで、今、5年目が終わるところなわけですこの。ですから、あと1年、第2期の6年計画。あれは、手法のうちの一つに入るかと思うんですけれども、6年間フィックスしちゃう部分がありますよね、評価結果は、6年間フィックスする形で反映される部分があるという点です。の結果の指定、1.何%でしたっけ、のところはそれはどこかの表資料にもありましたけれどもったように、進捗状況も含めて、年度ごと、ないしは2年刻みで進捗状況の評価を反映させるといったとか、ものによって違うと思うんですけれども、そういったような手法を取り入れると同時に入れ込んでいくことによって、期中の計画計画自体もの6年フィックスじゃなくて、当然、アップグレードするとか、書き直すとか、いろいろな問題があると思いますので、そういった、6年間フィックスしなくて、見直しをより柔軟にできるようにする等、フレキシビリティを組み込んだ制度とすることををビルトインするような形で評価の手法の一つですけれども、申し上げておきたいと思います。検討していただきたいと思います。
【須藤座長】  はい、ありがとうございました。資料1の6ページの話だと思いますけれども。
  ほかにございますか。じゃあでは、小林委員、お願いします。
【小林委員】  評価指標の話なんですけれども、参考の3ページに、主な大学ランキングで用いられている指標というのが挙げられているんいるのですが、これについて、第1回のときにも申し上げましたけれども、こういったランキング指標は様々な問題点を持っていることはいろいろ言われているわけですが、もしあえて参考にするのであれば、USニューズ&ワールドレポートがやはり一番ランキングとしては長い歴史を持って、様々な批判でに対して改良を重ねてきて、ランキングの中では一番定評があるものですので、その指標を参考にすることはあり得ると思います。例えば、今日問題になりました寄附率とか、少人数クラスの割合でありますとか、非常にきめの細かい資料指標を作っておりますので、それを参考に上げることは、それをそのまま使うという意味ではありませんけれども、資料として出していただければと思います。
【須藤座長】  ありがとうございます。参考資料に前回の鈴木委員からの提案というのが載っていますけれども、鈴木委員、何か補足の説明ございますか。
【鈴木委員】  うちの、私が提案させていただいたやつものは1例ということでありますので、私どもとしては、地域の状況に合わせて、独自の指標が設定できるような選択肢を是非設けておいていただきたいということを、念押しというか、だけさせていただきたいと思います。
【須藤座長】  ありがとうございました。
  それでは、本日の意見を参考にして、また事務局で少し指標の具体的な案を考えてみたいと思います。次回以降、その辺を中心に議論していきたいと思います。もちろん、それを決める上での、もっと前段の大局的なところの意見も必要だと思いますので、その辺を含めて次回に向けて資料を作成していきたいと思います。どうもありがとうございました。
  それでは、もう一つ今日のテーマがありまして、御承知のように、平成27年度国立大学法人等に係る予算案が閣議決定されております。その辺の概略の説明を事務局の方からお願いいたします。


(事務局より参考資料について説明)


【須藤座長】  まだ少し時間ありますので、ただいまの説明に対しまして御質問等ございますか。よろしいでしょうか。
  どうもありがとうございました。それでは、ほぼ予定の時間になりましたので、本日はこれで終了したいと思います。
  どうもありがとうございました。

―― 了 ――


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