留学生30万人計画実現に向けた留学生の住環境支援の在り方検討会(第4回) 議事録

1.日時

平成26年6月17日(火曜日)15時00分~17時00分

2.場所

文部科学省東館17階17F1会議室
(東京都千代田区霞が関3-2-2)

3.議題

  1. 有識者からのヒアリング 立命館アジア太平洋大学 今村副学長
  2. 議論のまとめ(たたき台)について
  3. その他

4.出席者

委員

有川委員,上野委員、太田委員,末松委員,関委員,谷口委員(主査),友岡委員,山本委員

文部科学省

渡辺学生・留学生課長,大川学生・留学生課課長補佐,田中学生・留学生課課長補佐,坂本学生・留学生課留学生交流室外国人学生指導専門官

オブザーバー

今村副学長(立命館アジア太平洋大学),米川理事(日本学生支援機構),鈴木留学生事業部長(日本学生支援機構)

5.議事録

【谷口主査】  それでは,定刻になりましたので,第4回の留学生30万人計画実現に向けた留学生の住環境支援の在り方に関する検討会を開催いたしたいと思います。

 本日は御多忙の中,御出席いただきまして,誠にありがとうございます。

 初めに事務局より配付資料の確認をお願いいたします。

【坂本外国人学生指導専門官】  本日の配付資料につきましては,お手元の議事次第のとおりとなっておりますので,もし過不足等ございましたら,議事の途中でも結構ですので,事務局までお申し付けいただければと思います。なお,資料1の議事録の案でございますが,こちらは追ってメールでお送りいたしますので,もし御意見等ございましたら,7月1日火曜日までに事務局まで御連絡いただければと思います。

【谷口主査】  それでは,議事に入りたいと思いますが,本日は初めに,留学生宿舎における具体的な事例についてヒアリングを行いたいと思います。立命館アジア太平洋大学の留学生寮の取組について,立命館アジア太平洋大学の今村副学長より御説明をお願いいたします。では,よろしくお願いします。

【今村副学長】  皆さん,こんにちは。立命館アジア太平洋大学の今村でございます。きょうはこういう部会にお招きいただきまして,大変ありがとうございます。こういう機会が頂けることを大変幸いに思っております。

 部会の議論に沿うかどうか,ちょっと自信はないのですけれども,私どもAPUの寮についての御報告をさせていただければと思います。それでは,パワーポイントを使って説明させていただきます。

 私は,この1月から副学長ということでAPUにおりますけれども,1997年から2005年まで,APUの開学に関わっておりました。ですから,8年ぶりにAPUに戻って,今また仕事をしております。特にAPハウスにつきましては,当時,私は学生部におりましたので,この寮のデザイン,設計含めて,かなり深く関わったという思いがございますけれども,当時の混乱的な状況を思いますと,今,非常にいい寮になったなと思っている次第でございます。

 御承知のようにAPUは2000年の開学でございまして,左上にありますような3つの理念を掲げて創立されました。そして,右の下にあります初期のコンセプトで,「3つの50」ということを掲げました。留学生を50の国と地域から,そして留学生比率を50%,教員の50%が外国籍という「3つの50」を掲げましたが,これはもう,1年で達成しまして,現在,留学生については,在学で言いますと80か国前後,そして累積で言いますと133か国になっております。この下の2つも達成しておるということでございますが,実は私ども,APハウス,寮の内容を説明する上で,「3つの50」との関連というのは極めて深いものがございます。そのことはまた後ほど御説明をしたいと思いますが,多文化共生,現在もまだ80か国の学生が一緒に暮らしている寮の姿について報告をさせていただければと思います。

 最初,ちょっと映像を御覧いただきたいと思います。私の話より多分100倍ぐらい面白い映像だと思います。これは「ダメダメ・ビデオ」と学生が言っておりまして,80か国を超える学生の,価値観・常識が全く違う中で,寮のルールをどう守らせるかということで,学生スタッフのレジデント・アシスタントは相当の試行錯誤を重ねてまいりました。毎年,彼らはビデオを作って,新入寮生に見せるのですけれども,これが年々,進化を遂げておりまして,この2014年版というのを私,最近見ましたけれども,非常に面白く仕上がって,ミュージカル風にできておりますけれども,どうやって言葉を乗り越えてルールを徹底しているかということの模範です。ちょっと,五,六分御覧いただければと思います。

 

                                (DVD上映)

【今村副学長】  APUの紹介を最初に,簡単にします。APUの寮との関係において重要なポイントは,まず言語システムです。これは日英2言語の教育をしているということでございます。ですから,国際学生は,英語ベースか日本語ベースかを選択して入学します。そして,初年次から低学年で日本語を集中学習しながら英語で専門の授業を受ける。これがAPUの言語システムの特徴でございます。これによって,APUの国際学生は,2年間で日本語を習得して日本企業に就職する。これをデータ的に申しますと,入学時は英語基準を選択する学生は90%。つまり,9割の学生は日本語ができない状態で入ってきます。進路を見たときには,65%の学生は日本企業に就職しています。そういう,いわば水準を維持しているということがAPUの大きな特徴であります。まさに寮の役割はこの点において大変大きく,APUの揺りかごと呼んでもいいかと思います。

 もともと英語しかできない学生,母国語と英語しかできない学生が入ってくるわけですから,別府市内の町にいきなり住ませることはできないということで,開学と同時に寮を作って,1年間,新入生は寮生活をしながら,新生活に向けた適応の教育も受けるということが,この始まりでございました。

 現在,APハウスは3までございます。1と2はオンキャンパス。APハウス3はオフキャンパスです。寮室,全体で見ますと,約千数百室がキャンパスの中にございまして,そしてAPハウス3はキャンパスの外にございますけれども,こういう状況であります。これは資料を後で御覧いただければと思います。

 APハウスの変遷ですけれども,4期に分けられると思います。第1期は,開学からAPハウス1の完成までですけれども,国際学生の定員は当時400名でした。そして,400名に対して寮室は425室。つまり,まずは留学生全部を受け入れる。そして,二十数名のRAを配置するということからAPハウス1はスタートしているわけです。このときに,400名の寮をどう管理・運営しようかという中で,寮母さんを住み込みで置くのはちょっと無理だろうということで,学生,レジデント・アシスタント,そして学生部,そして管理業者の運営体制を確立したということでございます。まさにこの時期は怒とうの時期でございました。そして第2期ですけれども,もう,1年半後に作りました。これは大学院を2年目,3年目から開講するということでございまして,これに関しまして,APハウス2を相次いで作ったというのが第2期でございます。この507室があるということで,国際学生だけではなくて,徐々にいろんな受け入れ方を模索し始めた時期でもございます。第3期はAPハウス3の完成です。これは,2005年以降のAPUの定員が1.5倍になったことに対応して,キャンパスの外にも寮が必要だという考え方から,APハウス3を完成しました。そして第4期,2007年4月ですけれども,APハウス1・2を増設しました。この大きなポイントは,それまでのAPハウスでの運営の中で,国際学生と国内学生の共同生活の効果に着目したからです。

 ですから,初期はもうやむを得ざる処置として,必要不可欠として国際学生の受入れが必要であったと。そして,もちろん寮があるということは募集にも大きな意味があったわけですけれども,語学も英語しかできない中で受け入れなければいけなかったという寮がスタートしまして,そしてRAの活躍もあって,日本人学生がその寮の中で大きく変わっていったという姿を見ながら,これは国際学生同士が交流して成長するというだけではなくて,日本人学生もどんどん入れていこうということから,APハウスの増設を行いました。

 この部屋は工夫がしてありまして,御覧になった方もおられるかもしれませんけれども,一部屋の間に引き戸を設けて2室に分けています。両方から鍵は掛かります。仲がよければ開けっ放しですけれども,仲が悪ければ閉まりっ放しということです。どちらかが閉めることはできるのです。今の寮の状況を見ていますと,7割から8割は鍵は掛かっていません。そういう状態で,日本人と国際学生がペアで暮らすという空間をAPハウスの増設で実現したということでございます。

 今,「ダメダメ・ビデオ」の中にありましたRAの状況です。今,64名のRAがいます。この比率も,国際学生,国内学生,半々になっています。役割は,もうここに書いているとおりでございますし,業務内容も多岐にわたっております。まさに,APUで言いますと,約4割は寮の生活を経験することになるわけでございまして,その点ではやはりAPハウスにおけるRAの存在は極めて大きく,APUの学生の成長というものを,いわばシンボライズしたものとして学生たちは捉えているわけでございます。まさにAPUが育成したい学生のロールモデルとして,RAというのは存在していると思います。大体,このRAには,数倍の寮の学生が出願します。これをオーディションして,日本語と英語の能力も確認しながら選ぶということでございます。レジデント・アシスタントの状況は,もう先ほど出ましたので,いろんな活動がございます。

 もう一つは,APハウスのマネジメントで,スチューデントオフィスとしては,ハウスのオフィスを,六,七名の職員で,内部に,寮の中にオフィスを置いて,RAを助けているということでございますし,またハウス教育プログラムとして,フィールド・トリップやピースツアーや地域交流などもAPハウスのオフィスが管理しております。そして,24時間態勢として管理人を,日勤4名,夜勤6名で置き,緊急対応等についてもここで対応しています。学生のRAを各フロアに配置し,このRAを側面支援する大学の職員のオフィスを配置し,そして大きなリスクの担保という点では警備業者を置いているという運営によって,今,キャンパスの中では約1,300名の寮を運営しているということでございます。

 近年の特徴について申し上げます。先ほど申し上げましたように,国内学生の入寮希望が年々増加しております。実はAPUにつきまして言いますと,この3年間,国内学生の志願者は伸びてきているわけですけれども,伸びている地域を考えてみたら,ベスト5の都道府県を挙げますと,1位が福岡,2位が大分,3位東京,4位大阪,5位神奈川です。現在の在校生比率を見たときにも,2割が首都圏となっております。私はやはり,この大きな要因はAPハウスだろうと思っています。この80か国を超える学生との共同生活に憧れて入学する学生が多く,国内学生入試合格者の80%がAPハウス入寮を希望いたします。そして,約半数しかまだ認められないということがございます。ですから,こんな話もございます。前年度秋のAO入試で受かった学生が,APハウスに出願し,落ちたのですけれども,APハウスを諦め切れずに,もう一度,翌年の一般入試を受けてAPハウスに出願するという学生も多い。これは特に関東の学生に多いように聞いていますので,この点は,私どもとしては非常に入試という点でも大きな意味があるのかなとは思っています。反面,APUに行けば,APハウスに行けば英語ができるという安易な環境依存の傾向もありますので,ここは,やはりしっかりとした,我々はリビング・ラーニング・コミュニティーと言っていますけれども,住むことを通して学ぶという考え方を確立するプログラムをもっともっと豊かにしていきたいと考えておるわけでございます。

 もう一つの特徴ですが,今は学生だけではなくて企業人の受入れを進めております。これを我々,GCEPと言っています。Global Competency Enhancement Programと書いていますけれども。日本企業の社員のグローバル研修で,APハウスを使った研修を数年前から始めていまして,これは年々増加してきております。私どもの大学はクオーター制をとっていますので,科目等履修生で受け入れて,2か月間,講義を聴いてもらいます。そして,APハウスの共同生活の中で,今ですと例えば1名の日本企業の社員に9名の学生・院生が付きます。英語の授業も9種類の英語ですね。つまり,ブルガリアの英語,インドネシアの英語,中国の英語という形で,英語のレッスンも多様な英語をやっています。会社によっては,この社員はインドに送りたいんだということであれば,もうインド学生だけで取り囲んで,2か月間,共同生活するというシステムを今,作り上げまして,これがかなり評判を得ております。なかなか寮のキャパシティが受け入れる状況にないので,大量にはいかないのですけれども,こういうものを今考えています。

 それからもう一つ,これは海外にある日本企業の支店から,海外で採用した外国人社員を受け入れる制度です。今,10か月研修を,ある銀行とやっております。これは,マレーシア人,インドネシア人,タイ人などの日本企業の社員を受け入れています。APハウスでの生活体験を取り入れた,社会人の異文化教育,企業人材の育成といえます。さらに,小学校・中学校・高校からも,このAPハウスを活用して1泊でも2泊でも住みたいという要望もかなり来ているというのが現状でございます。

 私どもが将来的に考えているのは,企業の研修ニーズや初等中等教育の国際教育ニーズなどを受けとめて,留学生寮としての性格から,多文化環境というものを活用した,より一層広い視野での国際貢献ができる寮を目指していきたいと考えています。私どもAPUは「グローバル・ラーニング」において世界トップレベルを目指したいと目標を設定しておりますけれども,引き続き圧倒的な多国籍・多文化の環境を維持しながら,特にAPUでの経験,授業,自主活動,寮生活,全ての経験が成長につながるんだという仕掛けを,もっともっと研ぎ澄ましていいものにしていきたいと思いますし,APUは今年,1期生が卒業して10周年を迎えました。現在,1万1,000人の卒業生を輩出しておりますが,世界でもいわばトップレベルの学生の成長を実現できるためにも,この卒業生とのネットワークというものを含めてAPU作りを進めていきたいと思います。

 甚だ簡単でございますけれども,以上です。ありがとうございました。

【谷口主査】  どうもありがとうございました。

 今,様々な取組につきまして今村副学長からお話がありましたが,何か御質問がございましたら,お願いいたします。

【上野委員】  よろしいでしょうか。スライドの5枚目なのですけれども,シェアタイプの居室をだんだん増やしているというお話でしたけれども,そのシェアタイプの居室というのが,2人部屋を真ん中で仕切っていて,鍵が掛かる,掛からないという,そのタイプが増えたと考えてよろしいでしょうか。

【今村副学長】  そうです。

【上野委員】  ありがとうございます。あともう一点,運営を業者さんに頼まれているということで,立命館さんは,法人が作られている管理運営会社がございますよね。

【今村副学長】  はい。

【上野委員】  そこがやられているのですか。

【今村副学長】  そうです。そこが契約をしている地元の会社です。立命館が100%出資しています会社がございまして,そこの管理運営を全部そこに任せているのですけれども,そこがまた別の会社に委託してやっております。

【上野委員】  あともう一点,レジデント・アシスタントが64名で,国際学生もそんな感じだということでよろしいでしょうか。

【今村副学長】  レジデント・アシスタントの半分は国際学生です。

【上野委員】  その国際学生は別に日本語ぺらぺらでなくても,日本語が得意ではない学生もいるということですか。

【今村副学長】  そうですね。ぺらぺらまでいくのはどうかというのはあります。1年間はまず寮に全員住みます。2年目からは本来,別府市内におりていくわけですけれども,引き続きRAになりたいという学生が対象になっていくわけです。そうしますと,1年間の日本語レベルですから。ただ,それでもやはり,日本語でもコミュニケーションできるレベルは求めていきます。やはり両言語というのは基本にしていきます。

【上野委員】  RAは,そうすると2年生という。

【今村副学長】  2年生以降ですね。3年生で残っているのもいます。

【上野委員】  分かりました。

【今村副学長】  なるべく国のバランスも考えないといけませんので,韓国ですとか中国という,多い国もありますから,そういう多国籍性というのも維持しながら選抜をしています。

【上野委員】  ありがとうございました。

【谷口主査】  ほかにいかがですか。

【太田委員】  よろしいですか。

【谷口主査】  どうぞ。

【太田委員】  8ページの「ハウスオフィスの役割」のハウス教育プログラムですが,フィールド・トリップとかピースツアーとか地域交流とかは具体的にどんなことをやっておられるのか,もう少し教えていただければと思います。

【今村副学長】  一つは,京都の立命館大学を訪問するツアーです。京都のツアーなどをやっています。そこには国際平和ミュージアムなどもございますので,そういうところを見学して,平和教育なども含めて,国際平和というテーマで教育をして,それから地元の市民の方と,日本舞踊や書道を体験するような地域交流プログラムですね。あるいは,最近やっているかどうか分からないのですけれども,美容師さんの卵の方に来ていただいて,無料で散髪してもらうとかいうこともやっております。それから,世界紅白歌合戦とか,いろんなそういうイベントもやります。地域寮祭的なものも,地域の人を呼んでやるということもやっています。それから,ここはやはり山の上にありますので,フリーマーケットを週何回か,地元の農家の方に野菜を売りに来ていただくとかいうことも含めてやっております。その準備をするということです。

【太田委員】  なるほど。ありがとうございます。

【谷口主査】  ほかに。

【友岡委員】  今,言われたようなプログラムは誰が企画運営をするのですか。

【今村副学長】  APハウスのスチューデントオフィス,学生課の職員と,それからRA。

【友岡委員】  RAの任期はどうなっているのですか。

【今村副学長】  基本は1年です。

【友岡委員】  その先はどうなるのですか。

【今村副学長】  その先で残る学生もおります。

【友岡委員】  もう一回セレクションするわけですか。

【今村副学長】  そうです。もう一回,オーディションします。

【有川委員】  済みません。

【谷口主査】  有川委員,お願いします。

【有川委員】  スライドの8枚目ですが,ハウスオフィスの,6,7名の職員がいらっしゃるということなのですけれども,この方たちはAPUの職員の方が,もうここ専属みたいな形でいらっしゃる感じですか。

【今村副学長】  そうですね。所属は学生部のスチューデントオフィスになっていまして,そこの分室的な意味でAPハウスオフィスを作っています。ですから,そこの中で専任職員は多分,数名ぐらいで,あと,非正規雇用の方がいらっしゃいます。

【有川委員】  その方たちは,基本的にもう,そこ。

【今村副学長】  ええ,朝から夕方までおります。

【有川委員】  異動とかはなく,もう,ここにずっと。

【今村副学長】  いえ,異動はあります。専門職的なものではないので,回っていきます。

【有川委員】  分かりました。あと,スライドの10ページ目に,いろんな企業の人材研修とか,いろんな取組をされていて,大変興味深く伺ったのですけれども,これは企業の方からの要望で対応されていく中で,こういうふうに展開してきたものなのでしょうか。

【今村副学長】  もともと本学にはMBAがありまして,2年制なんです。学生の99%は外国人です。企業としては,2年間はいかにも長いと。そして当然,お金も掛かるということで,そこでクオーターという制度,2か月を利用してできないかと,いわば相互の話合いの中で始まりました。ですから,MBAで受け入れている企業もございますけれども,そういうところも含めて,では2か月で作ってみましょうかということから始まりました。

【有川委員】  ありがとうございました。

【上野委員】  今のところに関連して,企業から2か月で来られる方は,APUハウスに宿泊するということですか。

【今村副学長】  はい,そうです。

【上野委員】  そうすると,その分,一般学生の寮室は減りますよね。

【今村副学長】  そうです。

【上野委員】  その割合は,どんな感じなのですか。

【今村副学長】  だから,大体,空き室を見込んでキャパシティを決めています。ですから,今だと年間20名ぐらいです。実は,1セメスターだと20名ぐらいしか,確実に来てくださいと言えないんです。ですから,我々としてはもう少し広げていきたいと。ニーズはすごくあるので。これは,だから今のキャパシティでは無理なので,将来的には増設をするとかいうことも含めて,そこまでしてでも,かなり好評を頂いているので,もう少し磨きを掛けていきたいなとは思っています。

【上野委員】  10か月の日本語研修の期間も,APハウスに住まわれる。

【今村副学長】  そうです。

【上野委員】  それは何人ぐらい。

【今村副学長】  それも含めて20名です。ですから,ざっと言いますと,今,10か月プランのが,1年使えますので,10名ぐらいの単位ですね。そうすると,今,企業から受けているのは大体10名になります。クオーターですから,4学期と考えれば,例えば1社当たり2名でもずっとやっていけるので。まだ今は何とかなっているのですけれども,ただ積極的に打ち出すというのは,もしたくさん来た場合に難しいという状況はありますが,是非やっていきたいと思っています。

【上野委員】  ありがとうございました。

【谷口主査】  山本先生,お願いします。

【山本委員】  留学生の問題を考える場合に,当然,国内の学生との交流効果というのは非常に重要なことで,これはスライドの5番目に,4期の共同生活効果というのが脇にありますが,そのとおりだろうと思うのですけれど,何か具体的に測定といいましょうか,調査とか,おやりになったことがもしあれば,教えていただきたいと思いますけれど。

【今村副学長】  そうですね。そこまで突っ込んだ分析はなかなかできていないのですけれども,やはりどうしても,住むということ,共同生活をしたか,しなかったかということの学生のアイデンティティの違いというのは非常に大きいです。ですから,我々は将来構想の中では,1回生はもう全寮制にしたいと思っております。これもやはりキャパシティの問題がありますから。当然,投資をしなければいけないわけですけれど,やはり住めない日本人を半分残しているというのはよくないなと。8割が希望しているのにということもありまして,していきたいと。

 実はこういうことが起こっています。1年生,2年生を含めて,例えば留学生が2年目から,下界とさっき言っていましたけれど,山の上からおりていくときに,どういうところに住むかというと,今,大体,シェアハウスが多いです。ですから,市民向けの3DKとか2DKのマンションに,友達,シェアメートを見つけて一緒に暮らすと。そこに日本人学生が入れれば一番いいんですよね。

【山本委員】  そうですね。

【今村副学長】  だから,その部分で頑張っている子もいますし,結局,日本人のコミュニティーから出られないという学生もやはり残してしまっていて,この部分がやはり少し,見ていてつらいなというのは思っています。やはり日本学生の積極性というものを引き出す上では,あのような環境に置くことというのは,非常に,その学生にとって意味があります。これはAPハウス生活者と非生活者のアンケートで見ても,課外活動参加者だとか就職の積極性だとか,あるいは留学にその後行ったかどうかとかいう点では,やはり数字的には出て。ちょっと今,手元にないのですけれども,そういう結果が出たように思います。

【友岡委員】  済みません。入寮の選考は何を基準にしているのですか。

【今村副学長】  日本人ですか。日本人の場合は,結局,成績とエッセーです。特に一般入試は,もう成績です。じっくり面接をすることはできませんので,なかなか,そこはつらいところです。

【友岡委員】  どの段階で,入寮できるというのが分かるのですか。

【今村副学長】  2段階ですね。ですから,AO方式でまず秋に決まったときに一定数を合格させて,あと一般入試用に取っておくんです。その後,また一般入試が決まったらと。だから年2回だと。

【友岡委員】  一般入試の人はいつ知るのですか。

【今村副学長】  合格が決まってからです。

【太田委員】  済みません。

【谷口主査】  どうぞ。

【太田委員】  スライドの6枚目のところで,APU学生のロールモデルにRAがなっていると,非常に厳しい条件だけれども,みんな目指しているというようなことが書いてありますけれども,最初からそうなったわけではないでしょうから,ステータスになるまで持っていく過程の御苦労とか,その辺はどうですか。

【今村副学長】  そうですね。もともと,この制度は,立命館大学の伝統的制度であるオリター制度がヒントになっています。新入生をサポートする先輩たちの集団が,立命館大学では,もうずっと何十年も形成されていまして,今,全学で千五,六百名いるのです。新入生が,先輩たちからいろいろな指導をしてもらって,そのお返しに自分もやりたいということで,続いてきている制度です。RAはその制度を寮で適用したということなのです。

 しかし,当初は,国際寮というのは私たちも初めてですから,はっきり言って1年目は本当にひどい状況でした。ひどい状況というのは,ごみの捨て方も含めてです。我々もプログラムはほとんどゼロに近い状況です。見識を持った方々と一緒に考えながらやるという余裕もありませんでしたので,1年目は本当に,ごみの捨て方からトラブルから,いろんな意味で大変でした。ですから,APハウスがあるのは困ったもんだみたいな世論も一部ありました。ですから我々は当時,多くの批判にさらされてはいましたが,将来,学生がAPハウスを目指してAPUに入学したいといってくれるようになろうと言っていましたけれども,ようやくそうなりつつあります。ちょっと自慢です。

 安定した寮になったと実感し始めたのは,2年目,3年目以降です。そのぐらいになって,ようやく,RAも寮の統括の仕方を覚えていった。ルールの積み上げもそうですね,全部。そうなっていったと思います。例えば自分は掃除をしたことが生まれてから一回もないので,掃除当番をするぐらいならお金を払うと,お金をぽんと払って出ていってしまうとか,そういう学生もおりましたし,魚焼き器の使い方が分からなくて火が出たり,シャワールームでトイレをしたり,いろんなことが起きました。そんなことをひとつひとつ乗り越え,経験が積み上がって安定した寮になりました。「ダメダメ・ビデオ」も初めは非常に単純なものです。ごみを間違って捨てたら,画面一面にバツが表示されるようなものが,進化して今日のようなものになりました。

【谷口主査】  どうぞ。お願いします。

【関委員】  RAになった方というのは,完全にボランティアベースなのか,あるいは寮費をちょっと安くしてもらえるのですか。

【今村副学長】  2万円安くなります。

【関委員】  2万円安く。

【今村副学長】  はい。2万円では割に合わないと言われていますけれども。ただ,やはりRAは,就職でも人気なんです。我々はお断りしていますけれども,RAだけ集めて説明会をしたいという企業もありまして,それは断りしましたが,就職はいいです。1年目のRAは,最初から最後まで苦しんで終わったと言っているのもおりますけれども,それでも草創期のRAも今各方面で非常に活躍していますので。そういう意味では非常に大きな意義のある制度だなと思っています。

【関委員】  あと,留学生が2年目からは別府市内のアパートとかシェアハウスに入るときに,かなりの人が民間のアパートとかシェアハウスに入ると思うのですけれど,保証人はどうされているのでしょうか。大学が保証人になるのでしょうか。

【今村副学長】  開学のときは,県が保証する制度を作っていただいたりしましたけれども。ただ,私も知事の名前で保証人になられても,何かあっても知事のところにはいけないと,結局,私も個人的に当時は100人ぐらい保証人になったということもあります。それは,いちかばちかでやるしかないのですけれど。今はもう,地元の不動産業者との信頼関係も出ていますので,保証人をめぐってもめたということはほとんどありません。

【末松委員】  はい。

【谷口主査】  どうぞ。

【末松委員】  セミナーハウスというのが幾つかあると思うのですけれど,この使い方と,それからキャンパスの中に寮があるということは,キャンパスの施設を利用したり,また大学側が寮の施設を利用したり,相互援助の関係が成り立つと思うのですけれども,そういうことがあるのか。例えば学生が静かに勉強したいときに,図書館がそれほど遅くまで開いているのかとか,そういうことも含めて教えていただけますか。

【今村副学長】  施設の利用について言いますと,図書館は12時までは開けております。24時間オープンも検討したのですけれども,それは今,控えています。食堂は当然,夜は使えるということもあります。共同キッチンもありますので。その点では,寮とキャンパス,全体の中での位置付けというのは,ある程度進んできているのかなと思います。寮の学生でも,倹約家の学生は昼でも一旦寮に帰って,自分で御飯を作ったりしておりますし,うまく両方使いながらやっています。寮の中にイベントホールもありますので,そこで一般学生と交流をしたりしています。

 セミナーハウスですけれども,今,使い方は,在校生のゼミ合宿ですとかサークル合宿,それから外部の受入れですね。例えば海外の学生を受け入れていく場合。例えば2週間のプログラムとかいう場合には,セミナールームを使っています。大体,16人部屋とか,そういう大きな部屋ですので。ベッドが置いてある程度ですけれども。あるいは,夏休みなど,空きがあれば,中学生や高校生のキャンプなども。これも希望が多くて,なかなかちょっと応えられないのですけれども,そういうものをやっております。

【末松委員】  ありがとうございます。

【上野委員】  よろしいですか。

【谷口主査】  どうぞ。

【上野委員】  2年生以降に,下界におりていくときに,別府市あるいは大分県から,援助というか,何らかのサポートみたいなものがもしあれば教えてください。

【今村副学長】  全くありません。

【上野委員】  全くなし。

【今村副学長】  はい。

【上野委員】  例えば市営住宅を何か提供するとか,県営住宅をとか,そういうのはないですか。

【今村副学長】  ないと思います。

【上野委員】  ありがとうございます。

【今村副学長】  今はちょっと住宅過剰だという傾向です。そこは,先ほど申し上げましたように,はじめは学生マンション,ワンルームという先入観で入ったのですけれど,国際学生たちは、家族用マンションをシェアして住んだ方が安いと,例えば3DKでも7万,6万で借りられるわけです。そうすると,学生マンション,4万とか5万というところになかなか入らないとかいうのがあります。それから15年たちますと,やはり新しいところに学生はどんどん行きますので。開学のときにできたマンションなどになかなか入らないとか。ちょっと供給過剰の部分があるんです。ですから,先ほど寮を増やしたいということを申し上げましたけれども,微妙な問題も抱えていまして,そこは市内の住宅状況を見ながら,慎重に進めなければいけないと思っています。

【谷口主査】  ほかに。

【友岡委員】  ちょっと。

【谷口主査】  どうぞ。

【友岡委員】  APハウスの家賃は相場的にどうなのですか,学生にとって。

【今村副学長】  APハウス1,2については,国際学生は1万円,たしかディスカウントしていたと思います。しかも,交通費負担がかからないですから。バスが,7割引の定期でも,半年でたしか7万とか8万するんですよ。ある国の学生からは,バスが買えますと言われたぐらいです。だから,それぐらい高いので,その分は,寮に住めるということで納得してもらっているのかなとは思います。

【友岡委員】  この3は安いのですね。

【今村副学長】  APハウス3は相当安くしています。これは亀川という,APUに比較的近いところの建物です。ただ,ここは短期留学生などの利用に使われています。

【谷口主査】  何か事務局の方から質問はありますか。御遠慮なさらないでください。

【渡辺学生・留学生課長】  4ページの,これは部屋の数と入居者数の数字が違うのは。

【今村副学長】  違いますか。

【渡辺学生・留学生課長】  これは全部,入居していないという意味ですよね。

【今村副学長】  そうかもしれません。ちょっと私,よく確認していないのですけれど。1,2が,さっき言いましたオンキャンパスで,部屋の数は1,310だと思います。ですから,今,2学期で学生が入れ替わりますので,その都度,空きは大体できると思います。大体90%が,ふだんの状況かなと思っています。

【渡辺学生・留学生課長】  先生が今おっしゃったのは,短期の留学生にAPハウス3はお使いになっているという話だったのですけれども,今,短期留学生の受入れというのは,年間で時期的にはいつごろですか。

【今村副学長】  短期というのは,交換留学の場合と,短期の数か月間のプログラムで,これは臨機応変にやっているんです。実は,APハウス2の第2期のときに,507室の増とありましたね。ちょっと,さっき言い忘れたのですけれども,大学院の設置数だと多過ぎる数があります。それは,交換留学なども当時は想定していました。

【渡辺学生・留学生課長】  そうすると,交換留学などでいらっしゃる方は。

【今村副学長】  基本はAPハウスに入れるようにしています。

【渡辺学生・留学生課長】  1回当たりどれぐらいの人数が来るのですか。

【今村副学長】  そうですね。今だと数十名単位だと思います。

【渡辺学生・留学生課長】  数十名で,そうするとAPハウスに入れるけれど,短期留学生用の部屋の稼働率は,どうしても。

【今村副学長】  そうなんです。だから,一定,やはり10%ぐらいの余裕を持たないといけないという。これはありますね。ですから,日本人学生をたくさん入れたいけれども,いろんな形に対応するために一定の余裕が必要だということの中での運営で,結構,四苦八苦している状況です。しかし,何といっても,先ほどの企業人もそうですし,短期留学もそうですけれど,APハウスに住みたいという要望が非常に強いのです。ですから,そこをどう考えるかというのは大きな課題です。

【大川学生・留学生課長補佐】  よろしいですか。済みません。きょうは貴重な御発表ありがとうございます。こういった仕組みはすごく,四苦八苦されて作られてこられたというところで,いろんな大学に汎用性を持たせようと思ったときに,キーとなるというのでしょうか,やはりマネジメントする専属の誰かが必要だとか,何かこういう運営に当たって鍵を握る要素というのがもしあれば教えていただければと思います。

【今村副学長】  そうですね。今,委員の先生からも御指摘いただきましたけれども,我々自身が今,必要だなと思うのは,今の環境自身をもう少し研究的に捉えることが大切だと思っているのです。まだまだ我々には,寮生活の意義,効果を理論的に説明できない部分があります。これまで,必要性に迫られてやってきたことや,解決しなければいけないからその場その場で解決してきたことが多くて,それが積み上がって,今のAPハウスになっています。それを,教育論的に見ればどういうことが成功例のポイントなのかというか,まさに今おっしゃったことを,我々としては専門家の人に来てもらって,研究,分析してもらって,そしてAPハウスのいわば,ありようというものを,普遍化するということが必要なのかなと思っています。

 残念ながら,これまで,開学して十数年間,もうひたすら必死に走ってきたという状況で,この企業人材育成も,ひょうたんから駒,偶然の産物なのです。何か狙いがあってこうやったというわけでもない。ただ,やってみたらうまくいったということなのです。ですから,これは後付けですけれども,少し,きょうお集まりの先生方を含めてですけれども,いろんな形で研究をしていただくことも必要かなと思います。とても内部の力だけではできません。そうすると,私たち自身も気付かされる点があるのかなと。ここはよかったからできたみたいなことは,後から出てくるかなとは思っています。

 ただ,間違いなく,大きなポイントはRAだと思っています。RA自身のモチベーション,それからRA自身の頑張りというもの,それから彼らの成長というのをどう測るかとか。それから80か国の学生同士が,1年間の寮生活の中でどのように親しくなっているのかとか,いろんなことを更に検討する必要があるかなと思っています。是非,皆さんの英知を頂きたいなと思っております。

【谷口主査】  ほかにございますか。

【友岡委員】  RAのオーディションをして,誰が選考するのですか。

【今村副学長】  RAの先輩たちと,それから学生部,学生委員の先生たち,教員,職員です。

【友岡委員】  教職員が。

【今村副学長】  はい。

【渡辺学生・留学生課長】  RAというのは普通,日本で留学生アシストといったら,日本人がなるのが当然みたいになるのですけれども,これはそうではなくて,国際学生と半数ということですよね。でも,RAになったことで,更にそういった,RA同士の交流というのが変わるという効果があるのですかね。

【今村副学長】  そうですね。RA自身の連帯感がすごく強いですね。今,APUには,RAに似た組織がいっぱいできているんです。FLAGという先ほどの立命館大学のオリターと同じで,新入生のサポートを専門にする団体がありますし,コンピュータールームの支援をする学生も出てきています。多種多様に発達しています。その草分けになったのがRAだと思います。国を超えて学生たちが学校運営に参加するというパターンを作ったわけです。これがどんどん広がって,例えば地域ボランティアをやる学生たちとか,非常に広がってきています。

 先ほどの,企業人材育成プログラムをサポートする取組は,学生たちに非常に人気があります。学生たちも,何か英語を教えるというだけではなくて,日本の企業の一線で働いている人たちの経験を聞く機会は貴重です。自分の就職を考えるときに,日本の企業はどうなっているのだろうということで,希望が多いですね。ですから企業人1対サポート学生9とかいう割合になってしまうのですけれども,これは学生のメリットも大きいと思っています。

【太田委員】  よろしいですか。

【谷口主査】  どうぞ。

【太田委員】  この部屋のタイプによる違いというか,シングルタイプの方が数は多いのですが,希望はシングルタイプの方が多いのか,あるいはシェアタイプの方の希望が多いのか。これは単に希望で入れるのか。それから実際上,シェアタイプならシェアタイプで,こういうメリットがあったり,こういうトラブルが起きたり,そういったものはどういう状況なのか。

【今村副学長】  では,なぜ,もともと設計上,個室にしたのかということなのです。私どもが最初に参考にしたのは,立命館大学がブリティッシュコロンビア大学(UBC)に作ったUBCハウスです。これは4戸1です。つまり4部屋があって共同のスペースがある。当初,これを検討していました。ところが,4部屋で1つの機能になりますと,男女ということを考えますと,空き部屋ができる可能性がある。欧米的に4部屋を男女で使うというのは日本では難しいなと。となると,個室の方がむしろ効率がいいと考えたわけです。で,男女のフロア配置をどうするかという課題では随分もめました。今やっているのは,1階は男子フロア,5階は女子フロア,2,3,4は男女混住です。ある国の先生は断固認めないということを随分おっしゃいましたけれども,これまではこの配置を変更せずにやってきておりまして,うまくいっていると思います。宗教上の問題も含めて,どうしても女子だけでないと困るという学生は5階。安全上,1階は男子。あとはもうフリーというのでやっています。

 シェアの方ですけれども,これは先ほど言いましたように,2戸1タイプ。これは日本人を特にターゲットにした構造です。日本人学生は,当然,シェアハウスを希望します。留学生の場合は,余り希望を聞かないです。留学生は,1回生全入寮が基本ですから。もちろん,強制ではありませんので,私はもう日本語がぺらぺらだし,兄が市内に住んでいるから一緒に住みますと言えば別にかまわないのですけれども,基本は全員入寮ですので,こちらで割り振ります。大学院生は少し,ちょっといい仕様になっていまして,ユニットバスが付いているとか,微妙に差がついています。

 シェアハウスの場合,先ほども言いましたけれど,うまくいかないということは,それは当然,起こり得るわけです。シェアハウスは2つなのですけれど,2戸1なのですが,16人でひとまとまりのユニットを作っています。16人ユニット, 8室で1つの共同キッチンを作っていて,駄目な場合は少し,その辺でうまく緩衝材になるようなことも配慮しています。

【太田委員】  3割の,鍵が閉まった状態のところがそうなわけですね。

【今村副学長】  そうですね。余りうまくいっていないケースはあります。

【谷口主査】  逆にそれが城になっているという。

【今村副学長】  そうですね。

【谷口主査】  はい。もうよろしいでしょうか。もうございませんか。

 それでは,どうもありがとうございました。

【今村副学長】  ありがとうございました。

【谷口主査】  ちょうど時間になりましたので,次の議題に移っていきたいと思います。

 それでは,この議論をまとめる方向で検討を行っていきたいと思いますが,本日の検討会では,中間まとめ案の検討を行うということにしていたのですが,留学生の宿舎の支援とか生活支援の在り方,外国人留学生と日本人学生との交流の在り方,それからJASSOの保有する国際交流会館の取扱いという具合に議論を深める必要があるということで,今回は中間まとめは行わずに,最終的なまとめに向けた検討を行っていこうという具合に考えていますので,議論のまとめ案について,事務局の方から御説明をいただきたいと思いますので,よろしくお願いします。

【坂本外国人学生指導専門官】  では,配付資料の3番について御説明をいたします。これまでの3回,検討会でいろいろ御議論いただいてまいりましたが,その3回の議論の内容,委員の先生方から頂戴いたしました御意見等を,今回の議論のまとめのたたき台ということで,事務局の方で取りまとめをさせていただきました。最初に,「はじめに」ということで,今回の検討会を設置して議論を進めていく,もともとの動機といいますか,理由ということで,現在の留学生交流等について置かれている現状ですとか,そのようなベースになる部分についての説明をしております。

 2ページ目になりますが,今度,外国人の留学生受入れを拡大する上で,住環境整備が重要であるということで,具体的に住環境整備をしなければいけない必要性ですとか,住環境を整備するということを通じて大学等が国際化へどのように貢献していくかというようなことについて,こちらの方でまとめております。

 次に3ページ目の3ということで,これは,今まで統計のデータ等を基に,宿舎の入居の現状ですとか,あるいは公的宿舎がどのぐらいあるか,民間のアパート等にどのぐらいの人数の留学生が居住しているか等,データを基にして,現在の状況,それからこれまで3回の議論の中で御紹介しましたアンケート調査等の結果に基づきまして,留学生等の住環境に関して,取り巻く現状等についてまとめた部分が,こちらの3番でございます。

 4ページ目に参りまして,こういうバックデータ等を受けて,国や大学等が留学生の住環境の整備においてどのような役割を果たすべきかということで整理をいたしました。この中で,まず国としての役割としてどういうものがあるか。それから,大学等の役割としてはどのようなものがあるか。それから,その他の民間団体等にはどのようなことが期待されるかというような視点でまとめております。

 資料の6ページ目に参りますが,このようなまとめを受けまして,今後の具体的な方策としてどのような取組を進めていく必要があるかということで整理をしております。ここは,1つは施設の整備活用ということで,いわゆる建物ですから,ハードの面についての方策。それから(2)ということで,今度は,どのような交流事業を行うかとか,いわゆるソフトの面での方策がどのようにあるべきか。それから(3)ということで,その他の今後検討すべき課題ということで整理をしております。

 最後の8ページには,参考ということで,先行事例の御紹介ということで,以前に事例紹介を頂きました,早稲田大学の国際学生寮の事例と,それから本日御紹介を頂きました,立命館アジア太平洋大学のAPハウスの事例と。それから,もう一つは参考ということで,国立大学の事例の一つということで,東北大学のユニバーシティ・ハウス三条の事例をこちらの方に御紹介をしているということです。

 本日は,この事務局の方で作りましたたたき台に沿って,先生方にいろいろ御議論いただければと思います。以上です。

【谷口主査】  極めて簡単に説明をしていただきましたが,順番に議論を進めていきたいと思っています。

 それで,最後のところの8ページで,東北大学のユニバーシティ・ハウス三条というので,末松委員,何かこれに追加することはございますか。

【末松委員】  ユニバーシティ・ハウス三条,今,1と2がありまして,去年,2が完成いたしました。大学院若しくは研究者向けのもう一つの寮も完成しまして,合計1,000名以上,受け入れ態勢はできているのですけれど,まだまだ足りないと。あと数千名の留学生若しくは日本人学生を受け入れる寮が必要だということで,学内で検討しております。

 先ほどお話を伺っていて,私もAPUさんの寮は何度か見せていただいたことがあって,そのたびに,もうため息が出てしまうのですけれども,私たちもまだまだ,RAの意識改革とか研修とかというのは徹底できていなくて,RAが何か企画しても,参加者が非常に少ないという状況です。ここのところを今後何とかしていかないといけないなということで,きょうは大変勉強になりました。

【谷口主査】  それでは,まず「はじめに」というところで,これは今回,30万人計画に向けた,要するに住環境整備というところの書き出しでございますが,3段落,そこに書かれています。ここに書いてあるように,今は少子高齢化の,少子化の問題ということで,2013年現在8,000万人の生産人口が,2060年に4,000万人,半分ぐらいに減少をしていくという事態。それから,優秀な外国人の人材を我が国で活躍していただくと。それを我が国の成長に取り込むということで,女性とか若者とか高齢者は言うに及ばず,高度外国人材というのですか,これは留学生も指しているわけですけれども,そういうものを活用するといいますか,そういうものを通して,我が国がより一層活躍できるようにということだろうと。

 それからグローバル化ということで,大学も,グローバル人材の育成ということが非常に急務になっておりまして,スーパーグローバル大学ということが,文部科学省の下で現在,応募が始まって,その選考という形で世界に向けて,大学の国際化を更に加速していくということ。それから,留学生30万人計画というのが,2020年,もう目前に迫っているのですが,これをどのように実現していくかという。その中で,外国人留学生戦略みたいなものですね。この3月に提言されています。そういうことで,今後,高等教育機関を通して高度人材を,日本人のみならず外国人も含めて,どのように戦略的に育てていくかという書き出しになっています。

 それから,留学生の数は御存じのように14万人前後で,これを2020年に30万だと。約2倍にしていくことなのですけれども,そういうことで文部科学省としてはそういう方向で目指して,様々な取組をしているということです。

 それから,日本留学の魅力というようなことが,ここに書かれています。いろいろ日本留学の促進のための様々な取組。留学生コーディネーターとか,それから大学の徹底した国際化。徹底したというのがどういう意味なのか,ちょっとわからないですけれども,体制整備。それから,外国人留学生を日本の企業に就職させるというか,就職することによって高度人材を獲得していく。就職支援のことだと思うのですが。入り口から出口まで,一貫してオールジャパンとして支援していく。その中で,住環境整備というのは経済的支援の一つですので,奨学金とともに非常に重要で,先ほどからお話がありましたように,ただ経済的支援をするだけではなくて,教育的な非常に大きな課題もあるという。そこで大きく,日本人も住環境として多文化共生みたいなのを学んでいくということが初めにここに書かれています。

 ここらあたり,何か御議論ございましたら,何か。この点が,大事な点が落ちているよというようなことがありましたら,御発言ください。よろしいでしょうか。また後からでも結構です。

【太田委員】  よろしいですか。

【谷口主査】  どうぞ。

【太田委員】  いきなり「はじめに」のところで少子化の問題が出てくるのに違和感があるのですけれども。なおかつ,8,000万人が4,000万人。4,000万人を何とか埋めるという話なのですか。

【谷口主査】  いえいえ,そういう意味ではないのですけれども。

【太田委員】  ですよね。

【谷口主査】  まあ,一般的な。

【太田委員】  そういうふうに,留学生の問題を扱うのに少子化からいきなり入るというのは,違和感がある感じがするのですけれども。

【谷口主査】  御意見は分かりました。何かほかに。留学生にポイントを絞ってという御意見だろうと思います。また後ほど御議論いただければと思います。

 それで,その次なのですけれども,留学生の拡大と住環境整備というところで,先ほども様々な説明がございました。その中で,やはり一番大事なのは,1つは,やはり留学生が日本に来たときに,初年度,日本に来たときのやはり問題というか,住環境の問題であるとか,あるいは教育の問題であるとか,そういうことが非常に重要でして,1年目をうまくクリアできれば,そのまま割とスムーズに大学生活を送るということで,そういう意味で住環境の整備というのは非常に大事なことだろうと思います。安心して住んで,そこから生活あるいは学習に臨んでいくという意味で,住環境の整備というのは非常に大事だろうという。とりわけ留学生を受け入れるということの問題としては大事ですということです。

 それから,あとは30万人計画との関わりの中で,1つ宿舎の確保ということが,日本に来ると,ある程度安心して勉強ができる生活環境が整備されていると。これは国だけではなくて,国全体として政策的に,民間あるいは大学の宿舎の整備も含めて。もちろんJASSOが持っている国際交流会館も含めて整備をしていくということになろうかと思っています。そういう大上段で,外国人留学生の住環境整備を通しての大学の国際化への貢献ということで,先ほどAPUからのお話もありましたように,日本人学生と留学生が交流する,生活をする場の中での教育の効果というか,それは。実際には様々な具体的な例があるわけですけれども,それを普遍的に今後どのように作って研究をし,それを定宿化して,ロールモデルとして全国の大学あるいは民間にそういう宿舎あるいはソフトを提供することによって,一層,留学生だけではなくて日本人学生の教育に貢献していくという役割があるのではないかという,3つぐらいの項目を挙げて書かれています。この点は何か御意見,あるいは何か視点が落ちているのではないかというのがあれば,きょう御出席のAPUの今村先生からも御発言いただければと思っています。

【友岡委員】  中身ではなくて,ちょっと表現ですけれども,2つ目の見出しは主語は何ですか。

【谷口主査】  「国立大学における」というところ。

【友岡委員】  いやいや,ごめんなさい。見出しとは,「外国人留学生の住環境整備を通じた大学等の国際化への貢献」のことですが,この主体は何ですか。見出しだから,別に文章的に主語は要らないのですけれども,中身的にちょっと,主体がよく分からないのですけれど。

【坂本外国人学生指導専門官】  大学ですね。

【友岡委員】  これはちょっと違いますね。大学等の国際化への貢献で,揚げ足を取っているのではなくて,ちゃんと読んでいたらよく分からなくなってしまって。

【谷口主査】  そうですね。

【大川学生・留学生課長補佐】  多分,各段になって,両方が交ざっていると思います。要は,自ら大学が受け入れていくことによって,大学の国際化を自ら図るという意味と,国がまさにいろいろな枠組み,政策を打つことによって国際化を図っていく。この両面だと思います。

【友岡委員】  後者は大学の国際化ですか。

【大川学生・留学生課長補佐】  大学の国際化。

【友岡委員】  ちょっと何かわかりにくい。

【大川学生・留学生課長補佐】  表現がちょっと。

【谷口主査】  文章をちょっと工夫していただけますか。文章を少し工夫してください。今村先生,何かありますか,この件について。御経験も含め,この点が落ちているのではないかというのがあれば。

【今村副学長】  そうですね。どうしても,日本の大学ということになるのでしょうけれど,相互理解という場合に,外国人学生相互というのも大きいんです。そこは,この間,APUになぜ入学してきたのですかとアンケートをとったのですけれども,僕は奨学金がほとんどかと思ったのですけれど,そうではなくて3つに分かれました。1つは就職です。65%が答えたというのは,希望者は全員就職しているということですので,日本企業で就職するということが,やはり日本語教育を必ずやるということから伝わっているのですけれども,これは非常に多くあった。もうひとつ,多文化環境だからというのが出ました。それで,一番極端な例を申し上げますと,アフリカの学生ですけれども,なぜ日本に来たのと質問されて,いやいや日本ではなくて,申請した後で日本と分かりました,APUという大学をずっとマークしていたのですけれど,日本だと知らなかったですという学生がいました。そういう多文化環境というのがやはり面白いのだというのが2つ目で,3つ目が奨学金ですね。

 ですから,それをやはり寮に引き付けて考えますと,自分のキャリア形成ですとか,それから語学の勉強ですとか,それから日本だけではなくて世界の学生とのネットワークですとかというのが,やはり僕はAPハウスに集約されているなということを実感した次第です。

【谷口主査】  なるほどね。

【山本委員】  それは,だから確かに今村先生がおっしゃるように,日本の税金を使うからしようがないのだと思うのですけれど,日本人学生を中心にお書きになっているんですね。そこはやはり,外国人留学生が日本を理解してもらう,あるいはお互いにもうちょっと世界グローバル的な考え方というのは,なかなか難しいところなんですよね。そこら辺は,ちょっと盛り込まれた方がいいということと,それと気になっているのは,外国人留学生といっても学部生,うちの事例が学部生がなっているから非常に言いづらいのですが,大学院生と学部生と,ここはあえて区別されずに14万人ということでお書きになっていますが,なかなか区別はしづらいところはあるので,致し方ないと思うのですが,これだったら,両方,頑張りますということですよね。それはそうかなという気がするのですけれど,後ろの事例を見ると,何となく,では学部から出て,力を入れるのですねという,参考事例がそういうふうになっているもので。そういう,うがった見方もできないのか。そこら辺はなかなか,もしうまく書き分けられれば。

【谷口主査】  要するに,研究留学生と学部生ということですね。

【山本委員】  そう,そう。そういうことです。

【谷口主査】  そこの区別。

【山本委員】  要望だけです。

【末松委員】  これ,留学生が日本語を学ぶという視点はちょっと落ちているのかなと思います。日本人がコミュニケーション能力を高めるというのですけれども,外国人留学生ももちろんコミュニケーション能力を高めていくということがあると思うんです。

【友岡委員】  結局,日本人学生の語学力ということで,先ほどと同じように,すごく偏った見方になっていますよね。放っておくと,みんなが英語でコミュニケーションをとるのが,もう所与になっているのも問題ですし,やはり日本語をちゃんと勉強してもらうというのはとても大事なことです。

【谷口主査】  はい。

【太田委員】  済みません。

【谷口主査】  はい,どうぞ。

【太田委員】  大学及び寮に限られている感じがするのですけれども。座長が最初におっしゃったように,僕もそうだと思うのですけれども,寮を整備して1年以内の。その後,地域社会との交流とか,日本人のうんぬんとか,そういった分野が欠けてしまっていて,APUでも,その後,下界におりていった後,別府の市民との交流とか,あるいはシェアハウスみたいな,いわゆる民間のシェアハウスみたいな,そこをどういうふうにうまく生かしていくかといった観点がないような気がしました。

【谷口主査】  なるほど。御指摘,ありがとうございます。よろしいですか。

 では次,留学生の宿舎の活用状況,これはデータですが,何かこれを見られて,この点が足りないのではないかとお気付きの点があったら御指摘いただければと思います。よろしいでしょうか。

 それで4ページですが,国,大学等が住環境整備において果たす役割ということで,先ほどから何度もお話が出ている,APUの例からもお話がありましたように,日本人だけではなくて外国人もやはり語学あるいはコミュニケーション能力を育成して多文化共生ということ。それに,大学だけではなくて市,地方自治体,あるいは国,大学というのが連携をしながら,住環境の整備をしていくということで,国の役割と,それから先ほど話がありました大学の役割,民間団体への期待という形で,こういう項目で極めて簡単に書いてあるのですが,項目立てとして,何かこの点は落ちているのではないかという点がございましたら御指摘を頂ければと考えております。

 1つは先導的な取組の実施ということ。複数の大学が学生間の交流をするということ。それから,それ以外に国際的・知的交流の実施,地方自治体とのつながり。あるいは大学の役割は学生宿舎等の提供。これだけかどうかは,ちょっとわからないですけど,民間団体で,何かございましたら,この点は落ちているのではないかと御指摘いただければと思いますけれども。このぐらいでよろしいでしょうか。

【米川理事】  よろしいですか。

【谷口主査】  どうぞ。

【米川理事】  これ,3つ,国と大学と民間ということですね。最初の前振りのところで2つしかないような気がするのですけれども。国においてはということと大学等においてはということですけれども,民間がなくて,後で出てきていますね。

【谷口主査】  「等」の中に入って。

【米川理事】  前置きのところで何か1つあればいいのではないかなという気がしますけれども。

【谷口主査】  坂本さん,よろしいですか,今の御指摘。

【坂本外国人学生指導専門官】  では文言はどうするか検討します。

【谷口主査】  何かこの項目がとても落ちているというのがあれば。よろしいですか。そこを動かして。後からでも結構です。

【友岡委員】  項目といいますか,国の役割の丸1のところは中核としての機能,2番目は基盤,3番目は拠点。意図的に使い分けているのか,似たような言葉ですけれども,何か全体的にもう少し体系的にまとめられないかなと。今,答えがあるわけではないのですけれども。中核,基盤,拠点。丸4は何でしょう。丸4は,連携する中で。文章を作るのか。「公共団体とのつながり」というところが,文章的にちょっと位置づけられて。

【谷口主査】  これは。ちょっとここ,工夫していただいたら。大丈夫でしょうか。大学の役割はどうでしょうか。大学の先生がおられますけれど。

【有川委員】  これは住環境に絞って書いているのだと思うのですけれど,これだけ読むと,宿舎等の提供と書いてあって,この中に例えば,もちろん大学が提供できるものは大学の宿舎などになるのですけれども,ただ,それだけではもちろん足りないから,民間などとの,何というのですか。

【谷口主査】  連携ですか。

【有川委員】  連携みたいなのも多分あると思うので,そのあたりまでここで言った方がいいのかどうかも,ごめんなさい,分からないまま言っているのですが。いろんな,民間もそうですし,公的な宿舎も含めて連携しながら,学生にとっての環境を整備するというようなポイントがあるかなと思います。

【渡辺学生・留学生課長】  よろしいですか。この文,ちょっと,まだ実は中身として十分ではなくて,むしろこれについて,きょう御意見を頂きたかった点でありまして。これは確かに,やはりどうこう言っても,やはり大学が学生さんを受け入れして,もちろん大学が独自に宿舎を手配できればいいのですけれども,そうでない場合であっても,やはり来ていただく以上は責任を持って,いろんな形で,最初は宿舎を手配なりあっせんなりするということに加えて,ちょっとここでまだ十分に,プラスアルファの学生さんに対するサポートという視点がまだ入り切れていないんです。そういった点についても少し御意見といいますか,お知恵を拝借できれば。

【末松委員】  すごく生々しいお話で申し訳ないのですけれども,やはり経済支援というのが一体どこに入ってくるのかなと,大学が経済支援をすべきなのか,国がある程度,助成を考えてくれているのかというところは多分,大学として非常に気になるところだと思うのです。大学の立場としましては,寮をもっと建てなければいけないけれど,財政基盤がちょっと難しいということや,場所の問題ということもありますし,あとは東北大学の場合は被災地にあるということで,建設関係の方が一気にアパートを押さえてしまって,留学生に全く行き渡らない。結局,今,アパートの価格が上昇しているのです。学生が全く入れない状況になっているので,復興と留学生支援が反比例するような形になって,本当にちょっと残念なことにはなっているのですけれど,そういうときに何かやはり支援があると有り難いなというところが,私の印象ではございます。どの辺に経済支援が盛り込まれるべきかというのも検討してほしいなと。

【渡辺学生・留学生課長】  おっしゃっているのは,学生への個人的な支援という意味でしょうか。奨学金。

【末松委員】  奨学金という意味で,大学が肩代わりして支援するので,大学の支援ということもありますし,もちろん学生に対する支援というのもありますし,いろんな形の支援があると思うのですけれど。

【太田委員】  よろしいですか。

【谷口主査】  どうぞ。

【太田委員】  先ほど,APUのケースのお話を伺ったわけですが,APUは,誰かが支援するからとか,どこかがやってくれというからやったのではないですよね,基本的には。

【今村副学長】  一緒にやろうということで,大分県とやったんです。

【太田委員】  ですよね。だから,大学が相当イニシアチブを取りながらやっているわけですよね。

【今村副学長】  はい。

【太田委員】  そういう面から言って,やはり大学のイニシアチブをどう取っていくかということがまず書かれていないと,何かおかしいのではないかという気がしますけれども。その上で,どういう支援があれば,これがうまくいくとか。

【今村副学長】  よろしいでしょうか。実はAPUの場合ですと,初期の建物全て,寮以外は大分県の支援で作ったわけです。土地は別府市なんです。ただ,寮は支援を受けられなかったので,これはJASSOさんから,APU1,2,それから増設についても支援を頂いております。非常に大きな支援だったと思っています。今,私ども30万人ということで考えたときに,例えば立命館大学の4,000人の目標もそうですけれども,半分以上は短期留学生ですよね。実は住居として一番厳しいのは短期留学生の確保です。つまり,それは家賃を払い続けても絶対空きができるからです。この部分というのは民間住居に住ませることもなかなか難しいし,大学が引き取るということになるのですけれど,その場合にやっぱりどういう支援があるのかというのは非常に大きいと思います。

 これからの研究も教育も,日本の大学は,国際間連携をかなり強化しなければいけない。そうすると,やはり向こうとの付き合いというのが,例えば交換留学ならまだいいですけれど,これからはもっと集団的な教育研究の交流になるだろうと。何々大学と,何十名の学生と先生が来るということが,もっともっと大きくなると思うのです。これ,留学フェアなどで,例えばヨーロッパのMBAなどの学生がショートトラックで2週間でも3週間でも日本のMBAで勉強したいという希望を聞きます。そのようなテーマを持ち帰って大学で検討すると,いや,もう寮がこれ以上無理だということになる,APUハウスにはこれ以上入れませんという話になるのです。ですから,日本の大学が世界に出て,もっとたくさんやろうと思っても,最終的に,そこが言い切れないから,もごもごして口を濁して帰ってくることになるわけです。韓国の大学は4,000室とか5000室の寮がありますとか,ヨンセ大学みたいに, 6,000名の寮がありますとかいう話になったら,そっちへすっと行ってしまうわけです。オーストラリアが「新コロンボ計画」で1万人アジアに送りたいと言っても,結局,それを受け入れる先というのは,多分,放っておいたら大部分中国,韓国になるのではないか。私は住居というのはもう少し,正規留学生もありますけれど,将来,30万人を考えるときにはやはり短期,それからいろんな形での留学交流というのも含めて,位置づけ直すべきではないかなと思います。

【友岡委員】  ここの書き方の問題,国の役割,大学等の役割というのは,1つの解釈は,国が直接やることというのをここに書いて,そうではないもの,大学等を通じてというのをここに書くのか,それとも直接・間接も含めて,国の役割と大学の役割を書くのか,どちらなのかよく分からないんです。つまり,後者の場合には,大学は,それぞれの大学がいろいろ考えてやるわけで,ここで一般化して書くことはできないわけです。だから,国が自らやることと,大学等を通じて期待することというなら書けると思うのですけれども,そうでないと,あとは自分たちで考えてやりなさいということになってしまいますよね。そうすると,この欄は書くことが余りないわけですね,この場では。

【渡辺学生・留学生課長】  それと,やはり大学がやることはハウジングだけの問題なのかという問題がありますね。教育の問題は一体どうなるかというようなことがあって,多分,大学としてやるのは,教育の問題をどう組み込むかというふうなことが問われているのではないかなという気がしますよね。

【谷口主査】  では民間等ございますか。太田委員,よろしいですか。あと,具体的な方策ということで,ここは,1つは大きな課題としては,JASSOの保有する国際交流会館の活用ということと,それから,ここにも大学等における宿舎の整備という形がありますが,それ以外に公益財団法人の宿舎の提供とかURとか,様々な多面的な民間あるいは公益財団を通して,多面的に住環境の整備ということをしていく必要があるという話。様々な形をと。ここのところはまだ書き込んでいないですけれど。

【山本委員】  丸2のイというのは,国の行うことですから,トップに持ってきて,その後,日本学生支援機構,大学等ではないかと思うのですけれど。テクニカルな話ですが,そこに,今おっしゃったようにまだ少し盛り込めるかどうかということだろうと思うのですけれど。

【谷口主査】  その次が運用面の工夫という形で,あとは,これも未完の状況でございます。それから,今後の検討課題は短期の,あるいは学生宿舎の空き状況の把握と。そういう形でやっていこうと。あと詰めて,内容を豊富化していきたいというような話です。

 それで,JASSOの在り方検討委員会のところでも指摘したように,中核拠点という考え方ですよね。ここのところはやはり,ここの委員会でもきちっと共通認識を図っていく必要があると思いますので,この点について,委員の先生方のお考え,あるいは中核拠点というのはどのようなものをもって中核拠点とするかという,それぞれの先生方のお考えをお聞かせいただければと思ってはいますが。有川委員,いかがですか。先生のお考えで結構なのですけれども,先生としては。まあ,中核拠点,中核拠点と何度も出ているのですけれども,イメージとしてそれぞれどのようにお持ちなのかをお聞かせいただければと思っています。

【有川委員】  そうですね。今までもいろいろ紹介されて,きょう,APUでも御紹介いただいた中にもあると思うのですけれども,恐らく単なる学生の宿舎という,もちろん宿舎として大事なことではあるのですけれども,単に学生が生活しているというところにプラスして,いろんなことが可能になるところである方がいいのかなと思います。それは,例えば地域の人々との交流であったり,あとはいろんな民間とか行政の,例えば国際交流協会のような行政レベルでのところとか,地域との連携,交流につながるかもしれませんけれども,そのようなところとの取組というか交流というか,そのあたりとのうまく連携した形での活動が,中核拠点の施設でできることがあった方がいいのかなと思います。あとは,留学生,日本の学生に限らず,学生主体のいろんな活動もできる。それはもちろん,生活している留学生,日本の学生に限らず,国際交流という観点から言えば,留学生,そこに住んでいない学生,留学生でも,それからそれ以外でも,国際交流ということで,何というのか,位置付けできるような活動については,広くいろんな形で活動の場,拠点として使えるところがあったらいいのではないかと思います。

【谷口主査】  太田委員から。

【太田委員】  きょうのAPUのお話を伺って,要するに憧れの場になっているわけですよね。APUの寮に入りたいという。拠点というからには,そういう場になるというか。留学生にとっても,今,先生がおっしゃったようなことも含めて,そこで何かをする,そこのメンバーに加わるということが憧れであり名誉であり,それから日本人学生もそうだし,そこに集まる地域交流するような日本人の人たちも,あるいはビジネスマンがそこで何かボランティアみたいなものを仮にやるとしても,非常に誇りが持てるような,役割が持てるような,そんなふうなものができれば,そこは中核拠点なのだろうなという気がするのですけれど。

【谷口主査】  では末松委員。

【末松委員】  APUさんのスライドにもありましたように,リビング・ラーニング・コミュニティー。多分,この一言に尽きると思うのです。みんなで一緒に暮らしながら学び合う。寮の中に住んでいる人たちだけではなくて,その周りを囲むコミュニティーであったり,あと日本人と留学生というつながりもそうなのですけれど,留学生の縦のつながりというのは,どうしても希薄になってしまう傾向があるので,例えば日本企業で活躍している留学生がそこに戻ってきて後輩たちに指導するような,縦のつながりも含めたリビング・ラーニング・コミュニティーの形成というのは,非常に大事ではないかなと思います。

【谷口主査】  では関委員。

【関委員】  先ほどお話がございましたけれど,やはり拠点ということは,留学生だけではなくて日本人の,別にRAではないのですけれども,入寮者の比率を今よりももう少し高めていってはどうなのでしょうか。東京国際交流館とか,各地の「交流」という名前が付いていますけれど,実質的にはほとんど留学生だけで。ごく一部のRAはいますけれども。思い切って日本人の学生も入れて,それで様々な,もちろん一緒にそれぞれの文化とか物を学習し合える,異文化理解をできるトリック,仕掛けですとか。中身も,今,資料が付いていますけれども,まだまだ,国際交流館はいろんなイベントとか内容的には充実していますけれど,ほかは開館祭があるぐらいだけとか。こういったところも,より中身を充実させていけば,それは拠点として,日本人の学生も入りたいし,海外から留学生もそこに入って,いろんなことを身につけることができるような場にしてはいかがかと思います。

【谷口主査】  はい,ありがとうございます。友岡委員,お願いします。

【友岡委員】  もう言うことがなくなってしまいましたけれど,一言でまとめると,ダイバーシティーを濃密に体感できる場ですね。もちろんダイバーシティーというのは,日本人同士も,複数の大学,それから外国人同士も,社会人と学生も,世代もですね,いろんな意味でのダイバーシティーを体感できる。それもかなり濃密ですね。そしてまた,できるだけ環境依存的にならないように,先ほどもそういう話がどこかで出ましたけれども,能動的に。それは,先ほどまたどなたか言われましたけれども,憧れの場にすることによって,そういう能動的な人が集まってくるであろう,ということですね。そこに行けば何とかなるや,ではなくて。そんな感じです。

【谷口主査】  山本委員,お願いします。

【山本委員】  いや,僕はちょっと違う考え方なのですけれど。違うというか,私は,中核拠点なら,別に1年などというけちったことをしなくても,もっと堂々と修業期間はいるような施設にすべきだと思うんです。それで,やはり地域政策との関係がありますから,日本全体でバランスというのは考えていただければと思いますけれど。

【谷口主査】  きょうはAPUから来ていただいて,お話を頂いたのですけれども,なかなかすばらしい取組だと思うのですけれども,副学長から見て,例えば今後の寮でやってほしいという,何か夢みたいな話はあるのですか。

【今村副学長】  やはり,今出たダイバーシティーをどれだけ生かせるかとなると,今の寮の規模では,それはなかなか実現できない。ジャンプするような発想で,量的にも思い切って寮室を増やさないと自由に展開できない。今は必要最小限の規模でぎりぎりやっているということなのです。国際展開にとって,住居は大きな武器になると思います。外から人を呼んでくるわけですから,それをおざなりにしていては,なかなか思い切ったことができなくて,これがやがて教育研究の縮みにつながっていく可能性がするんです。もうやめておこう,これ以上やめておこうみたいな話になるのは,国際交流では住居問題ではないかなと。だから,思い切った展開というのはどこかで思い切ってやっていきたいし,我々自身はもう,1回生全寮制ということを言い始めてしまったので,何らかの形で実現しないといけないなとは思います。ですから,改めて住居問題をどう位置づけて,日本全体で支えていくのかということがないと,孤軍奮闘のままで,それぞれの大学まかせになってしまう。何か希望がないと,思い切って海外に展開するぞというときに励まされないというのがあるんです。それはとても重要だなと。

 今回,文部科学省さんに認めていただいた立命館大学のキャンパスアジアプログラムで, 4年間のうち2年間,日中韓の学生たちが各国で共同生活しながら,各国の歴史教科書をテーマにして学ぶという,かなりのものですけれども,2巡目に入って,今,日本に帰ってきました。今はもう,彼らが日中韓3言語で自由に議論しているのには,もうびっくりするんです。お互いの認識がすごく縮まっています。歴史認識も含めてですね。これは,京都の立命館は寮がなくて,それで民間のアパートをお借りしました。それにたまたまですが,このアパートのオーナーがAPUの卒業生なのです。それでAPハウスのことをよく理解しているんです。非常に助かっています。そういうことも含めて,やはりまだまだいろんな経験がぐるぐる回っていくことで,ユニークな寮がもっとできるのかなとは思います。

【谷口主査】  先ほどのお話で,韓国のヨンセだと思いますが,すごい何千という寮を持っているようです。

【今村副学長】  ええ,また増築と聞いています。

【谷口主査】  それはどういうことですか。やはり国がやっているのですか。それとも,ヨンセというのは私学ですよね。

【今村副学長】  あれはインチョン市と国が支援しています。

【谷口主査】  インチョン市と国が支援をして。私学でも。

【友岡委員】  サムスンではないのですか。

【今村副学長】  4,000で始まって,今,6,500か何かに増やすとは,ちょっとこの間,聞きました。

【谷口主査】  そうなんですか。そうすると,日本だったら,どこの企業が。それはちょっと冗談ですけれど。ちょうど,大変貴重な議論を頂きましたが,基本的には友岡委員がおっしゃったような,やはりダイバーシティーを密度よく体験できる,環境に依存しない,能動的にも行動ができるということだろうと思いますし。やはり寮が教育の制限を決めている,国際交流の幅を決めてしまっているというところは,APUの体験から,もっとしたいのだけれども,寮がないからできないということは非常に大事な問題だろうとは思います。だから,住環境というのが,ただ住むだけではないということで,教育の問題,それからもう一つはまさに国際交流の場として,今後拡大していくこととは不可分であるとは考えられるとは,大体皆さんお考えだろうと。どうぞ。

【渡辺学生・留学生課長】  よろしいですか。是非,御提案頂きたいのですけれども,この検討会はそもそもJASSOの国際交流会館の話もあって始まって,1つの要因としてあるのですけれども,今後,更なるいろいろな展開を考える上で,やはり,例えば東京とか兵庫にあるような,今,国際交流会館というのを,成功事例としてきちんとやはり本当の意味での拠点にしてみたいと思います。例えばAPハウスの場合はAPUという,みんな同じ目的の下に集まっている,何かオンキャンパスにあるということで,学生同士も一体感を作りやすいと思うのですけれども,例えばお台場の国際交流館というのは,ゆりかもめに乗っていくと,コースアクセスがよくない。もちろん今後オリンピックが開催されると,若干アクセスが改善されるとしても,ちょっとやはり各大学から離れている場所にあるのですね。で,今は51大学から,単身,夫婦,家族が集まってきているという状況で,今,JASSOも様々なイベントをしており,関先生のところのABICもさりながら,様々なボランティア活動をしていただきながら,随分努力をしてはいるのですけれども,多分,当初期待されたような,本当の拠点と言えるようなアクティビティーになっているかと言われたら,まだもう少し頑張れよという感じではないかと思うんです。そう考えると,さらに,では例えば今,もちろん今は日本人学生というのが,本当はRAで人数が少ない。今,関先生もおっしゃったように,やはり日本人比率を増やしていくというのは,1つのやはり交流を深めるときの考え方だと思いますし,我々も是非,そういうふうにはしていきたいと思います。

 そこで,最後,山本先生がおっしゃったように,ここは大学院生が中心で,入寮している期間も最長でも今のところは原則2年までと,期限を切っているということもあって,なかなか,縦のつながりなども,ある部内の日常活動はされているのですけれども,ちょっとまだ弱いのではないかということもあって,そういった意味で,恐らくこれまで一生懸命やってきたんですけど,ちょっとやはりもう少し視点を変えて,何かやってやらないと,これまでというか,期待されてきたようなミッションは果たしていないのではないかと思われるのと,更にやっぱりもう一皮むけるような活動というのをやる上で,我々も。

 要するに,新しく各大学が作ろうとしているところはいろんなノウハウも積み重ねていって,多分,いろんな形で。あるいは1年生を全員入れるというのはとても分かりやすいコンセプトなのですけれども,そうでない運用をしているところでいかにして本当に。多分,本当,これは国が整備した以上,やはりほかの様々な事例に対してモデルとなるような,いいことを提供していかないといけないと思うんです。そういう意味では,過去十何年間,運用してきていて,それは最初に作ったときに,立派なものを作って,みんな入りたいと思ってやってきたのですけれど,そろそろ建物も老朽化してきて,魅力も減ってきて,ゆりかもめも高いし。何か,もう一ひねりというか,それを今,いろいろ一生懸命考えているのですけれど,なかなかいいアイデアというのが完全に浮かんできていないところなのですけれども。ちょっと,今すぐこんなことを言っても,余りいいアイデアというのが頂けないかもしれないのですけれども,そういった視点から何らか御提案なりを頂けると大変有り難いということです。

【友岡委員】  そのためにこそ,今,中核拠点とは何なのかというのを議論しているのではないですか。

【渡辺学生・留学生課長】  そうです。

【友岡委員】  抽象度は高いですけれども,具体的な中核拠点の候補があそこなわけですから,抽象度は高いけれども,それを基準にして仕分をすべきですよね。その理念に合致したものと合致していないものの仕分をね。そういう具体的なことを考えるためにこそ,今,考えたのだと僕は理解しているのですけれども。

【渡辺学生・留学生課長】  そうですね。

【谷口主査】  何か今,課長が御発言になったこととの関連でも結構ですし,何かありましたら最後に。もう,時間が来ましたので。ありましたら御発言いただければ。どうぞ,有川委員。

【有川委員】  理念として,今,先生方が言っていただいているのを踏まえて,実際,どういうふうにやっていくかということになると思うのですけれど,1つの例として,RAのお話で,日本人学生の比率を上げるということが出ていたと思うのですけれども,このことは私,前回もちょっと発言させていただいたのですけれど,もう一回させていただくと,日本人学生と留学生,留学ビザを持っている学生という形で分けて,多分,募集などもされているのではないかと思うのです。基本的なところはそういう方向で行くとしても,留学のビザではない形で日本の大学に在籍している学生もいますので,実質,運用面で可能になっているのかもしれないのですけれども,そのあたりがもうちょっと見える形というのですか,例えば日本の大学に在籍している人であれば応募できる。ただ,留学生と日本の学生の比率は考慮しないといけないとは思うのですけれど,基本的に外国人留学生の募集と日本人学生,RAの募集という形で募集するのではなくて,入り口のところから日本の大学若しくは大学院に在籍している学生は応募できますよ,というような感じで,基本,同じように募集するというのも1つかなと思います。これは飽くまで1つの例ですけれど。

【谷口主査】  友岡委員。

【友岡委員】  先ほどのAPUのところでも,RAで,2万円ではとても割が合わないみたいな話がありましたけれども,でも時間を掛けてRAというもの自体が非常に憧れの存在になっているわけで。JASSOの国際交流会館でも,世間に打ち出すときに,同じ出すのでも,何というか,自分からお金を払ってもやる意味があるのだ,といったようにポジティブに。うちの大学がいろんなショートプログラムをやって,日本人の学生をアテンドさせるときも,初年度はバイト代を払ったのですけれど,2年目からはお金を取るようにしたんです。それで,かなりスタンスが違うんです。その体験自体がいかに価値があるものかというふうに打ち出せば,むしろ高いお金を払ってもやる価値があるのだよと,出し方の問題ですよね。これは全然違うと思います。それから,着任してから後のモチベーションも違います。

【谷口主査】  RAだけの仕事を見ていればあれだけれど,長い自分の経験というか,学習で,学習というか,得られない,体験的な様々な問題が自分に身につくというのを実感として湧いてくれば,積極的に参加してくると思うのだけど,そこのところの,何かアルバイトをやらされているという,やらされ感では,ちょっとなかなか難しいのではないかなと思いますけれど。そこをどのように仕組みを作っていくかというのが,やはり大事かなという。そういう留学生コーディネーターというのはどうなのでしょうか。そういうことを教えるというのは。教えるというか,そういうこと。

【渡辺学生・留学生課長】  定期的に文部科学省と意見交換をやるぐらいでは,余り見えていないのですかね。変わっていないですかね,それぐらいでは。

【谷口主査】  まあ,ちょっと別の方に行きそうなのですけれど。もし御意見がなければ,今回,第4回をこれで終わりにしたいと思います。できるだけ,この内容について,きょう頂いた御意見を更に豊富化して再度また提出という形で,最後,詰めていきたいと思っています。よろしゅうございますでしょうか。

 それでは,きょうの御議論はどうもありがとうございました。それから今村副学長,どうも,貴重な発表をありがとうございました。

 では今後の日程について,事務局の方から。

【坂本外国人学生指導専門官】  本日も活発な御議論を頂きまして,どうもありがとうございました。次回の会議は,7月に開催を予定しておりますが,日程についてちょっと調整中でございますので,委員の皆様方にはまた追って御連絡を差し上げるようにいたします。

【谷口主査】  それでは,本日の議事は終了いたしました。どうもありがとうございました。

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