資料7 病院における長期実務実習に対する基本的な考え方

平成22年3月
社団法人 日本病院薬剤師会

 

1.基本的考え方

 病院における長期実務実習において、 実習生の受入は薬学教育協議会地区調整機構を介した受入れを原則とする。 長期実務実習は医療現場における薬剤師の役割を体得するとともに、臨床に係る実践的能力を培うために必須のものであるので、実習内容の均質化と参加型の質の高い実習を行うことが基本となる。 各病院における実務実習は、本モデル・コアカリキュラムに対応して行うことに加えて、 それぞれの病院における特徴を活かした取組をすることも必要である。
 また、病院には特定機能病院、一般病院、精神科病院、療養型病院など様々な機能の病院があり、薬学生がそれらの病院で実習を経験できるよう 「グループ実習」を推奨する。
 また、病院実習の地域偏在を少なくするため、実習生が自分の故郷に帰郷して実習を行う 「ふるさと実習」 を推進する。
 なお、医療が高度・複雑化していく中で個々の患者に対する様々な職種によるチーム医療のみでなく、栄養サポート、感染制御、緩和ケア、褥瘡対策など病院全体に係るチーム医療における薬剤師の役割を体験させることも、 今後推進していくこととする。

2.受入れ施設について

受入施設の要件は、以下のとおりとする。
 【受入施設の要件】
 a) 原則として、病床数が100床以上であること。
 b) 薬剤管理指導業務を実施していること。
 c) 認定実務実習指導薬剤師が1名以上配置されていること。
 d) 原則として、認定実務実習指導薬剤師の指導を補完するに相応しい薬剤師 (日本病院薬剤師会認定指導薬剤師) が配置されていること。
 e) 日本病院薬剤師会賠償責任保険(病院契約)又はこれと同等の賠償責任保険に加入していること。 

3.受入学生について

受入学生については、 下記事項が事前に確認されていること。
 1) 実習を行うにあたって必要な知識・技能・態度が修得されていること。
 2) 健康診断を受診し、実習に際し健康上問題がないこと。
 3) 必要な疫学的検査を実施していること。
 4) 必要な予防接種を受けていること。
 5) 傷害保険と損害賠償保険に加入していること。

4.受入れ学生数について

 受入学生数は、実務実習モデル・コアカリキュラムに対応した実習が適正に行われることが保証される数とし、受入施設における構造設備の状況や実習指導体制などを考慮し、適切に設定すること。

5. 一施設で到達目標の全てを実習することができない場合について

 受入施設において、実務実習モデル・コアカリキュラムで求められる到達目標の全てを実習することができない場合は、その一部の実習については、学生が所属する大学の同意の下、当該実習内容を他の施設 (協力施設) に委託することができる。
 受入施設は、 協力施設に実務実習指導の一部を委託する場合、 学生が所属する大学にその旨を伝えるとともに、十分な連携を図るための体制について協議すること。
 協力施設は、受入施設及び受入施設の認定実務実習指導薬剤師との十分な連携を図るとともに、委託を受ける実習内容を指導するに相応しい指導薬剤師(認定実務実習指導薬剤師又は日本病院薬剤師会が認定する指導薬剤師) を配置すること。

6.学生の評価について

 学生の評価については、 早急に日本薬学会薬学教育改革大学人会議において統一的な評価方法を示す必要がある。評価は最終的には大学が行うものであるが、受入施設の認定実務実習指導薬剤師の評価を十分尊重することが必要である。

 

 

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-- 登録:平成27年02月 --