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学生への経済的支援の在り方に関する検討会(第12回) 議事録

1.日時

平成26年6月16日(月曜日)10時~12時

2.場所

文化庁特別会議室(文部科学省旧庁舎5階)

(千代田区霞が関3-2-2)

3.議題

  1. 所得連動返還型奨学金制度について
  2. とりまとめに向けて
  3. その他

4.出席者

委員

相川委員、奥舎委員、小林委員、中村委員、濱田委員、前原委員、松本委員

杉野理事長代理(日本学生支援機構)、甲野理事(日本学生支援機構)、石矢奨学事業本部長(日本学生支援機構)

文部科学省

吉田高等教育局長、佐野審議官、渡辺学生・留学生課長、田中学生・留学生課長補佐、渕村学生・留学生課長補佐

5.議事録

学生への経済的支援の在り方に関する検討会(第12回)
平成26年6月16日


【小林主査】  それでは,時間になりましたので,ただいまから,学生への経済的支援の在り方に関する検討会,第12回を開催したいと思います。
 梅雨の合間の暑い中,お集まりいただきまして,委員の皆様,どうもありがとうございます。
 本日も,日本学生支援機構の関係者が陪席しておりますので,御承知おきいただきたいと思います。
 議事を始めるに当たり,まず,配付資料の確認を,事務局よりお願いいたします。

【田中課長補佐】  おはようございます。お手元の議事次第を御確認いただければと存じます。議事次第の下の方,配付資料と書いてありますが,本日,参考資料も含めて5点,準備させていただいております。資料1,柔軟な「所得連動返還型奨学金制度」についてということで,表裏1枚のもの。それから,資料2ということで,議論のとりまとめの方向性(案)についてというもの。資料3ということで,当面の検討会の日程についてというもの。また,参考資料ということで,これは前回もお配りさせていただいた資料でございますが,柔軟な「所得連動返還型奨学金制度」の主な論点についてというもの。それと,教育再生実行会議で大臣から配付させていただいた資料でございますが,「2020年 教育再生を通じた日本再生の実現に向けて」という資料です。参考資料は適宜御参照いただければと思いますが,全部で5点,お配りさせていただいております。
 以上であります。

【小林主査】  どうもありがとうございました。
 それでは,議事に入ります。本日は,議題として,所得連動返還型奨学金制度についてですが,これは前回も議論していただいたのですが,かなり複雑な制度であるということでして,細部にわたってここで詰めるということは難しいので,むしろ一番重要な点をきちんと方向付けしたいということで,もう一度出させていただきます。これについて議論をしていただきます。
 それから,いよいよ取りまとめに入るわけでありますが,いろいろな論点があり今回のみではできませんので,今回と次回でそれをまとめていただきます。特に,これまで出ていなかった点も含めまして,いろいろな御意見を頂ければと思っております。
 では,最初に,議題1の所得連動返還型奨学金制度についての検討ということで,事務局より資料1の説明をお願いいたします。

【田中課長補佐】  失礼いたします。資料1を御覧いただければと存じます。柔軟な「所得連動返還型奨学金制度」についてということですが,これと,前回お配りした参考資料1も併せて御覧いただければと存じます。
 大まかなところでございますが,制度のイメージをA4横の左側,また,それについて,要検討事項ということで,今後考えなければならない点について,論点を幾つかリストアップしているところでございます。
 また,裏面でございますが,具体的なイメージということで,現行の制度と改正後のイメージ図です。まだ事務局の案をお示しする段階には至っておりませんので,こういった形のイメージというものもあり得るということで,一つの例ということでお示ししていると御理解いただければと存じます。
 それでは,まず制度のイメージでありますけれども,時系列に従って,1,2,3,4と,実際の制度の適用について記載をしているところでございます。まず,1でございますけれども,返還者が所得連動返還を希望する場合,JASSOに対して申請をします。基本,JASSOは返還者のマイナンバーを保持していないため,まずは最初に,しっかりとマイナンバーを把握する必要があります。また,2番目ということで,頂いたマイナンバーを活用して,返還者の方の所得情報等々を取得します。それにあわせまして,3番目ということで,所得に応じた返還月額を決定する。ここは後ほど裏面のイメージ図と併せて御説明いたしますが,所得に応じた返還月額を決定して,返還者に通知をするという段階を踏みます。その後,4番目ということで,決定した返還月額を返還者の口座から引き落とします。このような制度を,現在,一つの案としては考えられるかと思っております。当然これに縛られるものではありませんが,一つのイメージということで御理解いただければと存じます。
 右側でございます。2番目,制度の導入に向けての要検討事項です。冒頭に米印を付しておりますけれども,御案内のとおり,所得連動返還型奨学金制度を導入する前提となるマイナンバー制度でありますが,具体的にどのような情報が入手できるのか,あるいはどのような情報をどのようなプロセスで把握できるかというようなことは,現在調整中ということです。そういった状況を踏まえた上でございますが,具体的に検討しなければいけない事項を挙げております。飽くまで我々の頭の中で考えているだけでございますので,それ以外,こういった論点も考えなければならないというような点について御示唆を頂ければ有り難いと考えております。まず一つ目ですが,マイナンバー制度を活用した返還者の所得情報等の取得状況等を勘案した対象範囲の設定です。これについては,有利子奨学金も対象にするのか,新規に返還を開始する者を対象にするのか,あるいは現在既に返還をしている方々も対象にするのか,というような問題があろうかと考えています。
 参考ですが,平成24年度末において,無利子奨学金の返還者は134万人,有利子奨学金の返還者は189万人です。
 丸の二つ目です。所得情報等の確認が困難である者,具体的にここで挙げておりますが,配偶者や海外の居住者,既に仕事を始めて海外で仕事をしている方々,このような方々のマイナンバーをどのように把握するのか,あるいはどうやって所得の情報を把握していく必要があるのか,ということを記載させていただいております。
 3番目でございます。これも後ほど詳しく説明申し上げますけれども,貸与総額を勘案せずに返還月額を設定することによって,少額ずつ長期間掛けて返還するケースが想定されるため,奨学金事業継続のために回収金の確保が重要です。現在でしたら返還総額に従って固定的に返還月額が決まっているのでございますが,返還月額が若干変わってくるということもありますので,本来回収すべき額,現行の回収すべき額以下しか回収ができないというような状況も想定されるということがあります。そういった場合にどうやってこの原資を確保していくのか。貸与型奨学金でありますので,基本的には借りたものは返すという前提で,返していただいたお金を次の世代の奨学生に渡していくというような制度の立て付けでございます。そういった中で回収金の確保はどうやって図っていく必要があるのかということをここで挙げさせていただいています。
 また,最後でございます。所得情報等を的確に返還月額に反映するための,所得情報の取得から返還月額への反映に係る期間の短縮及び前年から経済状況が急変した者への柔軟な対応。この検討会でも御指摘を頂いたところでありますけれども,所得が急変するような状況も昨今の経済状況を踏まえると大いに考えられる中で,前年度の所得が今年度の所得と大きく違うといった場合に対して,これをどのように対応していく必要があるのか。マイナンバー制度を通じて所得の情報を把握するというプロセスの中で,これを返還月額に反映するのに若干のタイムラグがどうしても出てくると思われます。これがどのぐらいのタイムラグになるのかというところを検討中でありますが,現在の所得の額と前年度の所得の額が大きく違うということも往々にして想定され,これに対してはどのような形で対応していくのかということを論点として提起させていただいているところです。
 裏面を御覧ください。ここはイメージ図ということで模式的に示しているものですが,現行の制度と改正後のイメージ図があります。改正後のイメージ図は例の一つということで,これにこだわるものではございません。もう少し詳細な検討が今後必要かと思っておりますけれども,現在のイメージということで御理解いただければと思います。
 左側の現行制度については,繰り返しになりますが,おさらいということでもう一度掲示させていただいております。月額5万4,000円,貸与総額259万2,000円を15年間で返還する場合という例示です。返還月額については,原則であれば1万4,400円というものが設定されてございます。これは,所得に連動しているものではなく,貸与の総額から計算式によってはじき出されたものでございます。これが,月額1万4,400円,年額にして17万2,800円です。しきい値の300万円を超えると有無を言わさずこの返還月額1万4,400円が発生します。逆に申し上げますと,300万円を超えない,299万9,000円とか,そのような状況であれば,返還月額はゼロで,返還の期限が猶予されているということです。このような形で,一番核心になるのは,しきい値を超えるか超えないかで,返還が発生する,発生しないという,スイッチのオンか,オフかというような制度になっていることです。これが,不十分な所得の連動と言われる理由です。
 これをどのような形で改正するのが望ましいのかという例の一つとして挙げているのが,右の例でございます。ここはしきい値や年収の額の具体的な数値はまだ示しておりませんが,一番核心になるものは,米印のところに書いておりますけれども,返還月額は本人の年収に応じて設定されるということです。括弧書きの中にありますように,貸与総額には依存しないという形でございます。ここがまさに所得に連動して返還をするというところの核心になる部分でございます。しきい値を超えると年収ごとの段階に応じて返還月額が決まっていくということになります。また,これはしきい値未満の場合でも,少額の返還月額を選択可能にするイメージです。まさに所得に連動して,年収が少ない人は少ないなりに返還いただき,年収が増えてくれば,それに従って返還月額も上がっていくと,そういうイメージを模式的に示しているというものでございます。
 冒頭申し上げましたように,我々の頭の中だけで考えていると論点の見落とし等々あるのではないかと想定されます。こういった点についても議論をしなければならないのではないかというような,大所高所からの御指摘を頂ければと考えています。
 説明は,以上でございます。

【小林主査】  ありがとうございました。
 いろいろな要素があって非常に複雑なものをうまくまとめていただいたと思うのですが,幾つか論点がございます。前回もいろいろ御意見を頂いたのですけれども,改めてもう一度これについて御意見を頂きたいと思いますが,その前に,今の説明について質問等ございましたら,まずお伺いしたいのですが,いかがでしょうか。
 なかなか,日本にない制度ですので,イメージで捉えるというのが難しいと思います。それから,いろいろな要因がありまして,私が前に示したものでも,六つぐらいの要因で制度自体が変わるという,非常に複雑な仕組みになります。その中で,現行の返還金回収の水準を下回るということ,つまり返還率が下回るとか,現行より悪くなるのであれば,制度を導入する意味はないわけです。そのような制度設計をしなければいけないということで,しかも返す人にとっては負担が少ない制度にしなければいけないということで,いろいろな難しい問題を含んでいるかと思います。また,幾つかの点について,特にマイナンバー制度についてはまだ,先ほど事務局から説明がありましたように,どういうことになるのか,実態がまだ分かっていませんので,不確かな部分があります。そういう中で決めていかなければいけないという難しい問題はありますけれども,その辺も含めて,こういう点は疑問であるとか,あるいは,こういう点をはっきりさせた方がいいのではないかというような点も含めて御意見を頂ければと思うのですが,いかがでしょうか。
 どうぞ。

【前原委員】  大変複雑なシステムになると思いますが,こういうのを作っていくのはとてもいいことなので,是非よろしくお願いします。
 最近の経済情勢とか労働市場の状況を見ますと,これからの新卒については比較的返せないという問題が減ってくるというように認識しております。したがいまして,問題は少しずつ減ってくるかなと思うのですけれども,そのときに問題なのは,過去十数年の就職氷河期に卒業した者で返せなくなっている人たちがかなりいらっしゃると思うのですね。その人たちに対して,できれば,これは文科省だけではできないので,厚労省の次官にも,あなたの仕事はそれではないかと,この間申し上げたのですが,大学の就職支援をそういった卒業生に対しても何かうまく使えないかということを感じております。特に,奨学金を頂いて学んだ人たちというのは優秀な人が多いと思うのですが,たまたま社会情勢が悪かったために定職につけていないという状態になっているというのは,日本全体の将来にとってもよくないし,本人も,奨学金が返せないというのはとても望ましくないので,何とかきちんとしたところに就職できるようなことを――データで出てきますよね。返還できないという卒業生に対して就職をさせていくという努力をできたら,これは非常に日本の将来にとってプラスになると思います。是非お考えいただければ,有り難いと思います。

【小林主査】  ありがとうございました。
 今の点に関して言いますと,一つは,前回,一層の返還困難者対策ということで幾つか議論していただいたと思いますけれど,今は確かに前原委員がおっしゃるように就職氷河期で返還が難しくなっている人たちが非常に多いということです。就職も大変であり,返還するのもまた大変だということで,そういう人たちに対して何かできないかということで一層の返還困難者対策ということで議論していただいたわけですけれども,それはまた,まとめのところで次回以降に出させていただきたいと思います。
 それからもう一つは,この所得連動返還型に関して言いますと,どこまで対象にするかという問題です。できるだけ早めに多くの人を対象にした方がいいわけですけれども,実際問題としては新規の方から始めるしかないだろうと思います。特に既返還者に対してどの程度うまく適用していくか,そういう制度設計だろうと思いますが,いかがでしょうか。ほかに御意見はありますでしょうか。
 それでは,論点に分けて御意見を頂きたいと思います。今の対象のところですが,これは前回議論していただいたわけですけれども,無利子と有利子とありますが,これは,無利子だけというのは公平性の点から問題があるというのは,前回,論点という形で出させていただきました。基本的な方向性としては,できるだけ多くということでありますので,実際の問題としてどこまでできるかということはともかくとして,方向性としては全奨学生を対象にする,第一種も第二種も対象にするということだったと思いますが,それでよろしいでしょうか。
(「結構です」の声あり)

【小林主査】  ありがとうございました。
 今申しましたとおり,新規の方から始めるとしても,できれば方向性としては全部に広めていきたいということです。
 ただ,もう一つ確認したいことは,最初の,左側にあるIというところで,希望者に対して適用するという仕組みだというようになっております。このあたりについてもいろいろな考え方があるところでありまして,希望者のみにするのか,それとも全員がこの形にするのかというような議論を,実はまだしていません。これについて,何か御意見を頂きたいのですが。というのは,所得連動返還型は非常に複雑な仕組みですので,各国の場合で言いますと,アメリカは希望制です。イギリスの場合には,所得連動返還型しかありません。オーストラリアもそうです。ですから,そのあたり,各国によって考え方が非常に違います。日本の場合,いろいろな考え方はあるかと思いますけれど,希望者のみにするのか,それともこちらに全て移行してしまった方がいいのかということについて御意見を頂ければと思うのですが,いかがでしょうか。
 どうぞ,相川委員。

【相川委員】  希望した場合のパターンはこうですよ,希望しない場合はこうですよということを一度整理していただいて,学生が選択をできるようにするのか,どちらか一本という場合は,今言ったように,希望者のみの場合はこのようになる,移行した場合はこのようになるということをきちんと明確にした上で検討する必要があると思います。また,学生の方に選択をさせるという意味はあると思いますので,どちらか一本にしなければいけないというわけではないのですよね。

【小林主査】  先ほど事務局からもありましたように,まだ具体的な制度設計ができてないので,どちらかという議論は確かに難しいと思います。確かにおっしゃるように,具体的にこうなりますよという情報提供は学生にも十分しなければいけないわけですけれど,それ以前に私たちのところでもまだ情報提供ができていないという状態ですから,ここで決めろというのは無理だという御意見はもっともだと思います。ただ,そのように二通りあるということをまだ全然議論していなかったものですから,そういう意味でどちらもあり得る。もう少し具体的な制度設計ができた段階で考えればいいのではないかという御意見だろうと思います。
 どうぞ。

【渡辺課長】  若干補足ですけれども,資料1の裏の方を御覧いただくと,現行制度と改正後のイメージ図ということで図が二つあります。よく御覧いただくと,1万4,400円で設定してある現行制度の例を,そのまま右にずらしたようなイメージで考えていただくと,しきい値を超えると返還が開始されます。この左側の図の矢印をそのまま延ばすと,ちょうど3番目ぐらいに来ます。つまり,年収に応じて現行の返還月額よりも多くなる人と少なくなる人が発生するということです。ということは,仮に500万円ぐらいの年収があった場合でも,私は,返還月額は少なくしてゆっくり返したいという方がいらっしゃる一方で,もしかしたら早く返したいという方もいらっしゃるかもしれない。現行制度の中でも,繰上げ返還というのはいつでも柔軟にできるようになっていまして,今は,スカラネットからでも申請できますね。

【石矢奨学事業本部長】  はい,できます。

【渡辺課長】  オンラインでネットからでも通常の住宅ローンのように繰上げ返還というのはできます。完全に固定して,今,主査がおっしゃったように,英国方式にするのか,それとも,アメリカ方式,選択制なのかというところは,実はその後の現状と同程度の回収金が担保できるのかということにもつながってまいります。返還月額をイメージ図にあるように階段とするのか,あるいは率で設定して完全に斜めの線にするのか,そういったところまで含めて,今後,かなり細かい議論が必要になってくると思っています。そのあたりは少し時間をかけて整理をする必要があるかなと考えています。

【小林主査】  どうぞ。

【松本委員】  格別に返還が困難になるということに対してどう対応するかということを我々は論議をしているのだろうと思います。これは給付型ではありませんので,まず原則はいろいろなやりくりをしてでも返してもらうということが,この制度の基本的な問題だろうと思います。そういうことから言いますと,今の論点で言えば,これはやはり飽くまでも,申告,申請にすべきだと思います。返さないという事情は,同じ200万円の年収で返せないのでも,いろいろな事情があると思います。その中で,今,課長さんがおっしゃったような,努力をして返す方もいるわけですから,原則は返す。それをベースにして,できない方に対する対応をどうするかというのがこの制度の肝だろうと思います。そこは,何かまた新しい,ここから先は全部返さなくていいという条件を,制度化するのではなくて,飽くまでも返す努力をするということをバックにしてやるということの方がよろしいのではないかと,私は思います。

【小林主査】  ありがとうございました。
 どうぞ。

【奥舎委員】  委員が言われたとおり,もともと行政は申請主義が原則でありますが,現物主義というか,資格証等を渡して,いろいろ書いたらあとは給付するという制度であった場合,先ほど松本委員が言われた本人の自助努力,本当に返そうという気持ちが湧かない。申請手続をするということは,それだけでも将来に向かって個人的な努力義務の意識が本人にも湧くと思います。ですから,原則は申請主義だと思います。ただ,いわゆる情報公開だけは,何回も同じことを言いますが,きちんと行っていただきたい。高校,大学の現場ばかりでなく,あらゆる広報手段を通じて,申請は必要ですがこういう制度がありますということの周知はやっていただきたいと思います。

【小林主査】  ありがとうございました。

【前原委員】  少しお聞きしたいのですが。今の状況ですと,恐らくこれから正規採用がすごく増えると思います。今,新入社員の年収というのはどのぐらいですか。大体300万円を超えるぐらいでしょうか。

【小林主査】  所得統計というのは実は難しいわけで,正確に計るということはかなり難しいのですが,幾つか統計がございまして,一つは賃金センサスというものです。これで見ますと大体,初任給は300万円までは行ってないです。むしろ20代は200万円台です。ただし,これは飽くまで平均ですので,当然いろいろな方がいらっしゃいます。もう一つは就業構造基本調査ですが,これを見ましても,若干数字は違うのですけど,やはり300万円までは行ってないということであります。設計上,しきい値を余り高くしてしまうと,今度は回収金が少なくなってしまう。ところが,低くしてしまうと,せっかく作ったのに返還の負担が軽減される人が少なくなってしまうという非常に難しい問題であります。このしきい値をどうするかというのが,一つの大きな論点なのです。それについても,前回少しお話ししましたけど,日本の場合はむしろ世帯を単位にする方がいいのではないかという議論があったと思います。オーストラリアやイギリスのような個人主義的な国ですと本人の所得で決まるわけですけれども,日本の場合,専業主婦・主夫の方はどうするかというような問題が出てきますので,一つの考え方としては世帯を単位にすることではないかと思っています。このあたりも含めて議論をしなければいけないと思っております。
 もう一つの論点は,今の図を見ていただきたいのですけれど,しきい値そのものを設定するかどうかという議論も,実はあるわけです。図ではしきい値以下の場合「少額の返還月額を選択可能」となっていますが,つまり,しきい値以下ですから全く返還の必要はなく返還期限を猶予するという考え方もありますけれど,少額でもいいから返したいということでしたら,返すという方式もあり得るわけです。ですから,これはやはり,日本の現状にとって一番いいのはどちらかということで選ぶべきだと思います。

【前原委員】  両親と一緒に住んでいる人の場合,年収が300万円もなくてもゆとりがある。あるいは寮に住んでいる人などはそうだろうと思うので,今ですとしきい値に行くまでは返還しないということですけど,むしろ,もう少し収入が少ない段階からきちんと払うという癖を付けた方がいいという考え方もあり得ますよね。だとしたら,できるだけ早く新しい方に全部を移行する方がいいのかもしれないですね。二つ走らせるよりも,多分,システムを作って一本で走らせる方がコスト的には安く済むのではないかと思います。

【小林主査】  今の減額返還と繰上げ返還を組み合わせると,実はこの所得連動返還型にかなり近いのです。ただ,それは飽くまで先ほどの言い方をしますと申請主義でありまして,本人の方がこうしたいからということでやっていることと,必ずしも所得とは関係がない。そのあたりをもう少し,ある意味では機械的なのですけど,所得に連動するということは機械的にやるわけです。その方がむしろ,事務的な手間とか,そういうことも含めて,あるいは本人の負担という点からしてもよろしいのではないかというのが,この考え方だと思います。
 ほかに御意見はございませんでしょうか。この点,かなり大事な議論だと思っております。
 どうぞ。

【濱田委員】  この検討会のいろいろな議論の基本線は,先ほど松本先生がおっしゃったとおりで,私もそのとおりだと思うのですが,結局,返還する主体が誰であるのかということがうっかりすると見失われて,本人ではなく周辺の関係する者が何らかの形で返還を督促したり,あるいは返還を促進したりするために,いろいろな労力を払わなければならないというようなことが,現状としてはあると思います。なるべくそういったことがなく,本人たちがいろいろな状況を判断しながら返還できていくという制度が,基本的には筋としてあるべきではないだろうかと思います。いろいろな御意見が出ておりまして,決してその御意見に対して反論しているわけではないのですけれども,私はそのようなところを確認しておきたいなと思います。

【小林主査】  ありがとうございました。いずれも非常に重要な論点だろうと思います。繰り返しになりますが,まだ具体的にいろいろなことが分かってない中で方向性だけ決めてくださいという,かなり無理なことをお願いしていますので分かりにくいかと思います。大体,各委員の方向性としては同じ方向を向いていると思いますので,所得連動返還型をできるだけいい形で取り入れていきたいと思います。
 ただ,もう一つだけ御意見を伺いたいのは,これで言いますと3番目の論点です。つまり,貸与総額を勘案せずに返還月額を設定するということになりますので,所得が低い人については非常に長期間にわたって返還することになります。場合によっては,総額を返還できないということが当然起こり得るわけです。これは,極端に言えば,無収入の方は全く返さないということが起こり得るわけです。これは所得連動返還型の場合には避けることができない問題です。そうしますと,ここにありますように,奨学金事業継続のための回収金を確保するということが,どうしても問題になります。このあたりは,御参考までに申し上げますと,制度的にこの仕組みはそういう危険性を持っているので,公的な資金を投入して,そこは補わなければいけないという前提があります。それがないと,この仕組みはできないわけです。少なくとも現行制度よりも返還金の回収が悪い制度にすることはできないと申し上げました。例えば回収率にしても,現在,特に新規返還者については,95%ぐらいのところで努力されていると思いますが,それを下回るということはできないと思います。それにしても5%は回収不能なわけです。この制度は先ほど言いましたように回収不能ということをあらかじめ組み込んでいる制度であります。それでいいのかという点について少し御意見を頂きたいと思います。私としては,こういう制度を導入する以上,公的な資金を何らか入れざるを得ない。日本学生支援機構の奨学金が実質的には学生ローンだという批判は随分あると思うのですけれど,それに対しても公的資金が入っているということは全然意味が違いますので,そういう意味から言っても公的な資金を入れていくという方向で考えていかざるを得ないと思うのですが,その点はいかがでしょうか。これはかなり大きい問題なのですけれど。
 どうぞ。

【中村委員】  それしかないですね。ほかに資金がございませんので,公的資金に頼らざるを得ない。授業料無償化や給付制度を考えるなら,返還を免除するシステムよりも,困窮者には大変有り難いと思います。

【小林主査】  ありがとうございます。

【中村委員】  あともう一点,よろしいですか。

【小林主査】  どうぞ。

【中村委員】  マイナンバー制度以前はできないのですか。今,平成30年を目安にしてマイナンバー制度の導入を前提にと言いますけれども,その間の3年間若しくは4年間の中は空白でいいのかということだと思うのですが,マイナンバー制度に簡単に移行できるような事前の制度を,仮の制度として導入することも,是非御検討いただければと思います。

【小林主査】  ありがとうございます。移行までかなり時間が掛かるので,それ以前にということですが,これは理論的にはできるわけです。所得を申告してもらって,それに対して一定額を返還するというような仕組みを作ればいいわけですから。ただ,現実問題としてそれができるかどうかということになりますと,日本学生支援機構の体制などの問題もありますので,そのあたりを含めてこれから検討していかなければいけないと思っております。そのあたりは機構の現状ということとも関係していますので,事務局ともう一回相談させていただくということでよろしいですか。

【渡辺課長】  参考資料1のスケジュールは前回もお示しさせていただきましたけれども,ここでは飽くまでも平成30年を前提とした形で書いております。今,300万人を超える方が奨学金を返還しておりますので,これを日本学生支援機構の職員数だけでこなすには,システムを使わざるを得ない。主査が今おっしゃったような,各返還者が市役所から前年度の所得証明を入手して,それを紙で送ってきて,更に紙ベースで機構の職員が対応ということになると,これは恐らく今の人員では無理なので,その分だけ人員をプラスアルファで雇用する必要が確実に発生いたします。そういうことについて果たして対応は可能かどうかという問題が一つと,もう一つは,このスケジュールはかなり余裕を持ったような設計にしているのですけれども,基本的に来年度はシステムの設計・開発を行うことを前提として今回概算要求を行っていきたいと考えているのですが,実際,平成28年度の予約採用,つまり平成29年度の採用生からは対象とできるように考えています。つまり,平成29年度に大学に入る方は,予約採用は平成28年度には始まります。これは2年後ですけれども,最短で考えても,少なくともいろいろな周知期間等も含めて対応を考えますと,仮にマイナンバーシステムを導入してやるとしても,最も早くてもこれくらいのタイミングで,準備期間が必要になってくると考えています。実際,所得連動の返還なので,返還するタイミングからということですから,そういう意味で考えても,今のこのスケジュールで考えても,現実的にはかなりぎりぎりに近いような状況ではないかなと考えています。

【小林主査】  逆に言いますと,どこまでマイナンバーで情報が取れるかということと非常に深く関わっているわけでありまして,今,課長がおっしゃったように紙ベースでもらってもどうしようもないわけです。ですから,電子データで所得をもらわない限りは,現実には動けない。それ以外に,例えば世帯収入で判断するということになりますと,本人情報のほかに世帯の情報も頂かなければいけないということになります。ですから,そういった情報がどれくらい取れるかということに所得連動返還型の設計というのはかなり大きく依存しているわけです。逆に言いますと,ここでそういった情報が是非欲しいのだと財務当局に対して要求していくというようなことで意見を頂ければ,非常に有り難いです。

【中村委員】  先ほど前原委員もおっしゃいましたように,全貸与者を対象とした場合には,マイナンバー制度を待ってということではないのですね。今までの貸与者の中から申請においてエントリーがあった場合については,マイナンバー制度を待たずに可能なのですか。

【小林主査】  現実問題となると,今,課長が言われたようにいろいろな問題が出てくるので,すぐにはお答えできないので少し待っていただきたいと申し上げたのですけれど,もう一つの問題といたしましては,減額返還等の現行の制度があるわけです。ですから,そのあたりとの関係というのももう一つ考えていかなければいけないし,いろいろな問題が出てきますので,ここですぐお答えできないということです。

【中村委員】  分かりました。

【渡辺課長】  もう1点補足しますと,所得連動返還で最も対象となるのは収入が少ない方々であって,そういった方々についての対応ということも含めて,今年度予算から返還期限猶予制度を5年から10年に延長しています。本当に困っている方であれば,返還期限猶予制度を5年延ばしましたので,少なくとも平成30年度までは猶予されるという期間を担保することで,我々としても所得連動の仕組みをスムーズに導入したいと考えております。それまでの間は,本当に困っている方については猶予制度で何とか救わせていただいて,その後は少ないなりにも返していただけるような制度を導入したいと考えておりますので,その点,御理解いただきたいと思います。

【中村委員】  分かりました。

【前原委員】  今,減額返還というのは,どのぐらいの人たちが申請しているのですか。

【石矢奨学事業本部長】  約1万人です。

【前原委員】  9万人のうちの1万人ですか。 トータルでですか。

【石矢奨学事業本部長】  平成25年度に減額返還の申請をしてきた人が約1万人です。

【前原委員】  何%ぐらいになりますか。

【石矢奨学事業本部長】  対象が約340万人ですから,0.3%ほどです

【前原委員】  新卒ではどうですか。

【石矢奨学事業本部長】  そこは少し区分けをしていません。

【前原委員】  例年。昨年でも,一昨年でも。

【石矢奨学事業本部長】  減額返還制度というのは,平成22年にできた制度で,すごく新しい制度なのです。

【前原委員】  就職氷河期にできたわけですか。

【石矢奨学事業本部長】  これまでのデータについては,新卒と既卒を分けてはいません。平成26年4月から,新卒の方は,証明書なしで,申請書のみで減額返還を受け付けることになりました。今年度からは,新卒の方か,既卒の方か,はっきり分けて統計をとるようにしています。

【前原委員】  そうすると,その状況を見ると分かってきますね。

【渡辺課長】  返還期限猶予の人数はどうですか。

【石矢奨学事業本部長】  返還期限猶予の人数は平成25年度で約12万人です。

【小林主査】  前の会議のときも議論があったと思いますけれど,減額返還や返還期限猶予等の情報がよく知られていないという問題もありまして,機構側は努力されていると思うのですけれど,新しい制度ですのでなかなかそこがまだ伝わっていないという問題もありますので,そういう点も含めてかなり検討が必要です。実は,日本はこういったいろいろな制度は持っています。ですから,それをうまく活用していくということも必要だろうし,そうしますと新しい所得連動返還型との関係でどうするかということも起きてくるということです。
 そのことに関して言いますと,最後の点ですけれども,今の回収金の確保の下に記載されていますが,経済状況が急変した場合というのは,所得連動返還型は対応できません。前年度の所得で判断されますので。私は,各国で調べたのですけれど,これについては各国とも救済制度はありません。そういう意味では厳しいわけです。今年は収入がないからといっても,それは証明できないでしょうと言われてしまうわけです。ですから,そこへいきますと日本の制度というのは減額返還や返還期限猶予といった柔軟なものを持っていますので,先ほどの最初の議論に関わるのですけど,全部所得連動返還型に移行して機械的にやってしまうというのがいいのか。そういう国が多いわけですけれども,それでいいのかということが論点です。せっかく日本はこういう制度を持っているのだったら,もう少しそれも生かした方がいいのではないかという趣旨ですが,いかがでしょうか。

【前原委員】  それは,所得連動返還型をやっていても,今の制度をサブシステムで入れておけば,使えるわけですね。

【小林主査】  ええ,使えるわけです。

【前原委員】  少し複雑になるだけで。

【小林主査】  はい。
 どうぞ。

【中村委員】  申請主義というのは,もちろんこれは前提でないといけないと思いますけれども,過去,日本育英会の時代に,選択肢はありませんでしたか。何か,以前はあったような。返還する期間と併せて,返還金額が選択になっていませんでしたか。

【石矢奨学事業本部長】  過去,日本育英会の時代も含めまして,返還月額の選択制というのはありません。日本育英会の時代に特別貸与奨学金制度というのがあり,一般貸与相当分と特別貸与分というのがあって,優秀な学生については,一般貸与相当分だけお返しいただければ,残額については返還を免除するという制度はございました。

【中村委員】  ありがとうございました。

【小林主査】  ありがとうございました。ほかに,所得連動返還型について,いろいろ細かい点では議論が多いかと思いますけど,方向性としては大体頂いたと思います。

【奥舎委員】  少しいいでしょうか。

【小林主査】  どうぞ。

【奥舎委員】  最後の問題で少し確認させていただきたいのですが,去年の所得がよくて,今年は大きく収入が落ちたと。例えば市民税なんかは,去年の所得が1,000万円で,今年は大きく収入が落ちても,翌年の6月には特別徴収や普通徴収で去年の収入を基準に徴収されます。それに基づく国民健康保険税も一緒に,猶予はないわけです。奨学金制度は,それは検討するということでいいのでしょうか。

【小林主査】  先ほどから申し上げていますように具体的な制度設計でどうするかというのは今お答えできないのですけれど,先ほどからの議論で言いますと,現行制度のいいところは生かした方がいいという御意見ですので,できるだけそういう形で現行制度も入れていきたいということだろうと思います。

【奥舎委員】  いわゆる容赦なしに取れる,税みたいなことは考えないということで。

【小林主査】  細かい議論になりますが,細かいといいますか,大事なことだと思いますけど,議論はあります。例えば,アメリカでは年金受給者からも返還を要求します。所得連動返還型であろうと,なかろうと。非常に厳しい制度です。そういうようなことが果たしていいのかということが論点です。さすがに生活保護世帯から取るというようなことはどこの国もやってないと思いますけれど,そういうことに比べますと,日本はかなりいろいろな制度を持っていますので,そういった制度を有効に利用していただきながら,所得連動返還型も入れていきたいと思います。ただ,ちょっと私が危惧しているのは,整合性がとれなくなるような場合があるのではないかということを検討していただければと思っています。
 よろしいでしょうか。ありがとうございました。
 参考までに,せっかく参考資料2の11ページに大臣の資料でオーストラリアの所得連動返還型が出ていますので御覧ください。前も御紹介したとおり,これは,授業料とは言わないで,高等教育に貢献してくださいと,寄与してくださいというような意味でHECS,コントリビューション・スキームという言い方をするわけですけれど,そこにありますように,源泉徴収だということが非常に重要だということは,これを設計された方や,オーストラリア政府の方もおっしゃっていました。ですから,できるだけ,源泉徴収するということを強く要請したいと思っております。
 それから,種類が5種類あるというのが独特な仕組みでありまして,高等教育に掛かったコストではなくて,将来の貢献度に応じて,つまり所得が高い者についてはたくさん払ってもらうという,そういう仕組みです。医学等は,コストが高いものというよりも,所得が多いだろうと。ですから,法学や経営学とかも実は高い。逆に,非常に社会的な貢献度は高いけど所得が低いであろう職業,例えば看護師ですとか,国家的に優先するような数学とか理科の教師ですとか,そういうものは低くなるという,そういうような仕組みで設定されております。
 重要なのは,その下にありますように,1989年にHECSが導入されるまで,実はオーストラリアの公立大学は授業料を取っていませんでしたので,いきなり授業料負担が増えるということになりました。そこで大きな問題になったのですけれど,見ておわかりのように,HECSが入ったからといって進学率が下がったわけではない。ですから,これが,HECSがいい仕組みだと言われるようになった,大きな理由です。私は何回か調査に行ったのですけれど,源泉徴収ですので,先ほど言ったような無理やり取ってしまうという問題は残るのですが,回収が不能になるということはほとんどない。ただし,海外に行っているようなケースや極端に所得が低い人の場合ですと,回収できないということになっているようです。
 その背景には,図の右側にありますように,実はオーストラリアの経済成長率が高くて,就職状況もいいということがあります。ですから,最初に前原委員が言われたように,やはりこちらの問題が実は非常に大きいので,残念ながら日本はここのところは非常に就職が困難な人が多いわけですから,オーストラリアの仕組みが全てうまくいっているというわけではなくて,こういう経済成長が高いということを背景にして返せるという問題があるということも留意していかなければいけないとは思っております。参考までに少し御説明しました。
 これについて,何か御質問ありますでしょうか。

【前原委員】  確かに,公立大学の授業料はものすごく高くなりましたね。

【小林主査】  ええ,オーストラリアはどんどん上げていますので。

【前原委員】  本当にいいかどうかは,疑問に思いますが。

【小林主査】  日本と違うのは,大学に選択の幅も持たせていますので,大学によって設定するということもできます。そのあたりも少し,日本とは仕組みが違っております。

【前原委員】  日本でもこういうような制度とセットでできるといいですね,授業料分について。

【小林主査】  はい。ですから,次に考えるとしたら,そのあたりだろうと思います。ここでも議論をしていただきましたが,授業料減免や給付型奨学金と併せてHECSの仕組みもできていますので,そういったことも考えていかなければいけないと思っております。
 よろしいでしょうか。ありがとうございました。
 それでは,第二の論点に行きたいと思います。今度は,いよいよ取りまとめに入るわけですが,それについて,資料2で事務局より説明をお願いいたします。

【田中課長補佐】  それでは,資料2の方を御覧いただければと存じます。議論のとりまとめの方向性ということで,本来であれば,本日,素案をお示しできればと考えておりましたが,まだ,所得連動を始め,いろいろな論点,少し検討するべきところが多いということで,本日は,次回以降取りまとめに入っていく予告編ということで簡単な論点を箇条書という形でお示しさせていただきました。次回以降の本格的な議論の前提ということを御理解いただいた上で,こういった論点について記述をしていかなければいけないのではないかというような形で,御意見を賜れればと考えています。
 まず,「はじめに」というところです。通例,こういった報告書については,この報告書の位置付けであるとかというものを記述するというところでありますが,基本的な書きぶりについては,中間まとめの方で示されております,将来目指すべき方向性というものがありました。おおむね3点ほどあります。学生等の学びを社会全体で支える必要があるという話。また,高等教育の無償化に向けて漸進的にその方向を目指す。いわゆる人権規約のA規約の話でございます。それから,「子どもの貧困対策の推進に関する法律」が成立いたしましたけれども,そういった貧困対策の観点から,経済的に困難な状況にある学生等への支援を一層充実することが必要という話。こういった方向性については何ら変わるものではありませんので,そこは引き続き記述をしていく必要があると考えています。
 また,中間まとめ以降,学校関係団体,日弁連,JASSO,延べ8団体から意見を頂戴いたしました。そういったヒアリングを含めて,論点の絞り込み,あるいは所得連動返還型等の議論をしてきたという,中間まとめ以降の議論の概要をここに記述することを考えています。
 また,ローマ数字の2には,ヒアリングの概要を記述する必要があるかと考えています。八つの団体から大まかに記述ということでありますけれども,おおむね書くべき点としては四つほど,記述しています。無利子奨学金の話,より柔軟な所得連動返還型奨学金の導入の話,給付型奨学金の導入を進めていくというような御意見,また,奨学金制度について,早期からの情報提供,理解の増進,これをもっと進めていく必要があるといった御意見,こういったものを頂いたというようなことを,少し紙面を割いて御説明をする必要があると考えています。
 3番目ということで,ここは一番核心の部分になると考えていますが,「今後の方向性として」というものであります。「学生等への経済的支援の在り方について,総論的に記述」と書いていますが,冒頭,中間まとめ以降の議論の最初の方でもありましたけれども,多様な支援の仕組みというのはやはり必要であるというような内容を,総論的なものとして記述していくことになると考えています。
 また,それを踏まえた上でということでございますが,中間まとめにおいて,貸与型の支援,あるいは給付型の支援というような類型化をしておりましたけれども,そういったものについて類型化した上で記述をしていくべきと考えています。ヒアリングの意見も踏まえてということで,大体方向性は同じかと考えていますが,有利子から無利子へという話,授業料減免は充実をしていくという話,いまだ御議論いただいているところですが,より柔軟な所得連動返還型奨学金制度の導入,あるいは,先々の話でございますが,給付型奨学金についての話というところです。こういったものについて,具体的な記述のイメージを膨らませて書いていく必要があるかと考えています。とりわけ所得連動返還型については本日まで御議論いただいておりますけれども,こういったことについて重点的になるべく記載をしていく必要があると考えています。
 その他,授業料減免,給付型の支援についてもいろいろ御指摘を頂いております。授業料減免に関して,専門学校については,他局でございますけれども,別途,検討が進んでいるというような状況も踏まえた上で,こういったものを充実していくということ。あるいは,給付型の奨学金については,いろいろヒアリングの中では創設についての強い希望が示されていると。そういったことも踏まえながら記述をしていく必要があると考えています。
 次のセクションでは,それ以外に,一層の返還困難者対策,奨学金についての一層の情報提供と理解の増進,あるいは,前回御議論いただいたところでございますが,民間奨学団体の連携といった話,こういったところについても述べていく必要があると考えています。そこについても,今後,書きぶりを詳細にし,充実させていく必要があると考えていますが,返還困難者対策についても,前回御議論いただいたことも踏まえて,なるべく返還に対する意欲を失わないような返還の制度。長期にわたって延滞の状況が続いているような方々は経済的に困難というような状況を抱えているということもありますので,その辺のバランスをとりながら何らかの方策を考えていく必要があるのではないかというようなことを記述する必要があるかと考えています。
 また,情報提供と理解の増進でございますが,これは一部,新聞記事にも書かれたところですが,返還期限猶予制度や減額返還制度についてなかなかまだ,本来届くべき人のところに情報が届いてないというような状況が数字の上で出てきているというところがありますので,そういったところについて重点的に情報提供に取り組んでいかなければいけない。本日も少し議論がありましたけれども,あらゆる機会を活用して,そういったところについてはしっかりと周知を図っていかなければならないと考えています。
 また,民間奨学団体の連携についても,社会全体で子供の育ちを支えるという観点からは,国も民間もしっかりとそういったところを支えていくという中で,民間奨学団体の方々の活動も非常に大きなものがあるかと考えていますので,それをより一層活発化と言ってはおこがましいところでありますけれども,活動しやすいような状況作りということは考えていく必要があるのかなというようなことは考えています。
 締めくくりでございますが,議論をすべき点はまだあるというふうに我々も考えてございますので,そういった点をしっかりと議論しながら,今後,学生への経済的支援について充実を図っていきたいというような,締めくくりの言葉を書こうと考えています。
 雑駁(ざっぱく)ではございますが,以上です。

【小林主査】  ありがとうございました。
 一つだけ補足しておきますと,先ほど御説明がありましたが,他局で検討されているというのは,生涯学習政策局においても「専修学校生への経済的支援の在り方に関する検討会」というものを立ち上げておりまして,私と相川委員が参加しているのですが,こちらでも同じような議論をしているということです。特に,方向としては,授業料減免というようなことを中心に検討しています。というのは,現在,国としては専修学校生に対して授業料減免制度がないものですから,その点を議論しているということです。前回,田中補佐に出ていただいて,こちらの「学生への経済的支援の在り方に関する検討会」の議論の方向について御説明をしていただいたところです。同じような議論が二つの会議で進められているということを,少し御報告しておきます。
 ということで,方向性について,先ほど申し上げましたように,こういう点が足りないのではないか,あるいは,こういうアイデアもあるのではないかとか,これは検討したけれども余りここでは載っていないとか,いろいろな論点があるかと思いますので,お気付きの点,どのような点でも結構ですので,言っていただければと思います。次回にはもう少し,取りまとめという形で出していきたいと思いますので,それに向けまして,こういう点はもっと書き込んでいただきたいということがあれば,是非出していただければと思いますが,いかがでしょうか。
 どうぞ。

【奥舎委員】  できることではないかもわかりませんが,この提言に,いわゆる義務教育の小中学校において,資本主義の基本である利子社会の金融に対する指導,教育というのは盛り込めないのでしょうか。

【小林主査】  これは高等教育局の議論であるというのは,飽くまでこの会議ではそうだというだけでありまして,これは学生の経済的支援全体を考える場でありますので,もちろん初中等教育についても提言ということはできると思います。

【奥舎委員】  その文言,文章を,どのように書いていいか分かりませんが,入れ込んでいただきたいと思います。

【小林主査】  ありがとうございます。私もこれは常々考えている問題でありまして,どういう形でどこまでできるかというのはかなり議論が要るとは思いますけれど,情報提供というものは大学生になってからやるのでは遅いということははっきりしています。できたら小学校の早いうちからこういったことに対してもう少し敏感になってほしいと思います。お金というものはなかなか学校現場になじまないところもあるのですけれど,もうそういうことを言っていていいのかというような段階にあるのかと思います。そのあたりのことをどういう形で入れ込むかということは,検討したいと思っております。

【奥舎委員】  是非お願いしたい。

【小林主査】  はい。ありがとうございます。
 私のアイデアだけ簡単に申しますと,これも幾つか段階があると思うのです。つまり,今言いましたお金の価値,大切さと,逆に借りる場合の負担をきちんと説明するということ,理解してもらうということがあります。次の段階といたしましては,今,奥舎委員が言われましたように,利子というものです。これは実はかなり難しい概念ですから,利子というものがどういう性格を持っていて,どのように負担になってくるかということをきちんと教えるということ。3番目は,前原委員が言われました労働市場の問題に関わってくるわけで,実は,教育を受けることによって経済的にそれだけ賃金が上がって得するというのは経済学的には収益率という概念ですけれども,そういったものを教えていくと。これはかなり難しくて,高校の段階というより,大学になってからの方がいいかもしれませんが,いずれにいたしましても,そういったいろいろな概念がありますので,そういうものをきちっと教えていくということも非常に重要なことだろうと思っております。
 ほかにいかがでしょう。どうぞ。

【田中課長補佐】  少し参考に。今,金融教育についてというお話でございましたけれども,現行の学習指導要領の中でも金融教育について触れているところはございまして,具体的に,ローンなどに触れていて,どちらかというと消費者教育的な観点が非常に大きい。多重債務防止といった観点から記述を結構しているところがございまして,具体的には,高校生であれば家庭科の中で,消費者教育の観点からのそういった金融教育のようなものは,教科書の中で触れられている例が幾つかあります。

【小林主査】  ありがとうございました。今の点でも,ほかの点でも結構ですが,いかがでしょうか。
 どうぞ。

【相川委員】  今の田中補佐からの御説明にあったのは,高校の段階での金融教育で,どちらかというと消費者教育です。奥舎先生がおっしゃったのは,もっと早い段階で,社会にお金が回っていくシステムだとか,個人がお金を借りた場合にどういうことが起きるのか,そういう現象を具体的に子供たちがイメージできるようにし,それの積み上げによって,準備をすることが必要ということだと思います。自分が借りる段階になったときに,銀行のローンなのか,こういう融資制度なのか,そこで選択をしなければいけないわけです。その知識が子供たちに少しでもあるかどうか,保護者にそういう知識があるかどうかが大きいのだと思うのです。ですから,どこかもっと早い段階で情報をきちんと入れて積み上げていくというところが必要であると思います。ですから今回も,この制度に対する情報提供というところでは,本当にいろいろな方に情報を入れていくということの大切さというのは共通の理解を頂いていると思うので,そういう意味での金融教育というところ,少し違った視点での金融教育というところは,今後は必要になってくると思います。こういうことをした方がいいですよと,そういう細かなことではなくて,大枠のところでこの観点からも少し入れ込んでおいた方がいいのかなという感じはします。

【小林主査】  ありがとうございます。この重要性ということは何回かここで議論をしていただいたと思うのですけれど,具体的にどうやるかということはいろいろ考えなければいけないとは思います。前回,高校の進路指導の先生方に向けて情報を発信するというような話もあったかと思いますけれども,文科省の方でも,高校の進路指導主事の先生,各都道府県の主事を集めて会議を行い,そこで奨学金についても説明はされているということです。ですから,全く何もされていないということではないのですけれども,ただ,それを各県の方に持って帰って,どれぐらい具体的に各高校の進路指導の先生あるいは担任の先生から生徒に伝えられるかというと,そこのところはまだまだ十分できていないのではないかと思います。具体的な資料があるわけではないのですが,そのように聞いておりますので,そのあたりのこともこれから考えていかなければいけない論点だろうと思います。ありがとうございました。
 ほかにございませんでしょうか。どうぞ,濱田委員。

【濱田委員】  今後,この取りまとめの中に「学生等」という言葉がしばしば出てくるだろうと思うのですが,確認のための質問といいましょうか,教えていただけますか。「学生等」と言う場合に,私たちのイメージとしては高等教育ということを第一にイメージするのですけれども,正確に言いますとどこまでをどういう概念としているのか。例えば,中高一貫ということが公立学校なんかでも盛んに行われるようになる傾向にあるとなると,そういったことなども含めて一応きちんと定義しておかなければいけないのかなと思います。あるいは,もうされているのだとすれば,教えていただければと思います。

【田中課長補佐】  「学生等」の「等」は何かというお話だと思いますけれども,平たく申しますと,基本的には高等教育機関に在籍している者をまとめて「学生等」と言っております。この「等」は何かというと,専門学校に在籍している方は学生と呼ばずに生徒と呼んでおりますので,学生と生徒ということで「学生等」と,「等」でくるんでいると御理解いただければと存じます。

【濱田委員】  分かりました。

【小林主査】  そのあたりも含めまして,細かいまとめになってきて,後で重要になる場合もありますので,是非,お気付きの点があれば,どのような点でも結構ですのでおっしゃっていただければと思いますが,いかがでしょうか。
 どうぞ。

【中村委員】  取りまとめの中では,所得連動返還型奨学金制度について先ほど各委員から出てきましたお話というのは,盛り込まれていくのですね。

【小林主査】  はい。

【中村委員】  例えば,全貸与者を対象にするか,申請主義にするかいうお話がありました。あわせて,貸与者の中で選択ができるような手続も考えていただきたい。
 あともう一つ,「専修学校生への経済的支援の在り方に関する検討会」で検討されているところですけれども,授業料減免の充実は,是非,国ベースで考えていただきたい。今の地方行政での位置付けでは,前もお話のあったとおり,専門学校は制度上,経常費補助がなく運営費助成の支援しかされておりません。国から,これだけは授業料減免の原資として使うと,色を付けて各県に助成していただきたい。今は,高知県だけが授業料減免を施行しておりますが,ここが財政厳しい中で他県が動けないところでございます。額にとらわれず,呼び水的に国から色を付けた助成を頂ければ有り難い。今後,御検討ください。

【小林主査】  先ほど申し上げましたように,「専修学校生への経済的支援の在り方に関する検討会」でもそういう議論をしているわけですが,専門学校,専修学校専門課程は高等教育になりますので,当然この検討会でも対象になっているというのは,今までの議論で出てきたとおりです。前回,「専修学校生への経済的支援の在り方に関する検討会」で出てきた議論を紹介いたしますと,都道府県で授業料減免制度を作るのは難しいと内容がありました。都道府県によって財政力がかなり違いますので,財力があるところはいいのですけれども,ないところは授業料減免制度を新たに作るのは非常に難しいということです。ただ,一方では,専修学校の所管は都道府県ですので,都道府県が何もしないでいいのかというような議論もあります。その間の折衷案として,例えば,国と地方公共団体,あるいは学校も含めて,資金を出し合ってマッチングするという考え方もあります。そういったことを,まだ結論が出ているわけではなくて,いろいろな方法があり得るということで議論が進んでいます。この検討会でも,同じような形で議論を進めていただければと思います。
 ほかにいかがでしょうか。
 本日,所得連動返還型についてはかなり議論いただいて,今,整理していただいたとおりだと思います。そういうものは順番に書き込んでいって,それについて議論がもしあれば,たたき台について議論していただくということになるかと思います。もう少し,トピックごとに申し上げたいと思います。全体としては,最初のところ,前も申し上げましたように,そもそも何のために学生支援をやるのかというような議論があります。もう一つ,もう少し大きな枠の中で,つまり,学生の労働市場の問題,就職者の問題も含めて議論をしなければいけない。あるいは,国としてそもそも高等教育をどう考えていくのかという議論の中で考えていかなければいけないということがあるかと思います。
 配付資料の「今後の方向性として」のところですけれど,今言ったような点を総論的に記述するとあります。有利子と無利子については,先ほど説明がありましたように,できるだけ無利子が望ましいということで方向性は出されていると思います。より柔軟な所得連動返還型を導入するということについてもこの委員会としてはまとまっていると思いますが,給付型については非常にいろいろな議論があります。授業料減免をどうするかという問題もあり,関係団体からヒアリングでお聞きしたときも,現行制度は非常にばらばらになっているという指摘がありまして,その辺をもう少し考えていただきたいという意見がかなりあったと思います。そのあたりを,もう少し議論いただければと思うのですが,いかがでしょうか。これは,すぐにできるという話ではなくて,将来的な課題と考えています。給付型が必要だということについて異論は全くなかったと思いますが,授業料減免という現在ある制度の整理がまずは必要になります。非常にややこしいのは,国公私立大学によって違っているということと,先ほど出ましたように,専門学校については国としてはないということで,その辺をどうするかということが非常に大きな問題としてあります。この点についてはいかがでしょうか。
 もう一つの論点は,ここで何回か議論した点でもありますが,給付型奨学金を創設するとして,あるいは授業料減免をするとして,それはどのようにして受給者を決定するのかということです。つまり,現行の授業料減免制度のように,学校に任せる,大学に任せるという仕組みにするのか,それとも所得連動返還型のように日本全体で統一した基準で考えるのかということです。これは実はかなり大きな論点でありまして,どこの国も困っている問題です。というのは,いずれにも一長一短があるからです。一番大きな問題は,機関に任せると,機関の中の裁量性というのが非常に大きくなってしまいます。制度設計によっては,非常に不公平な状況を生じてしまうおそれがある。逆に,全国で一律にやる場合には,基準という点では明確ですけれども,機械的に適用するために柔軟性がないという問題があります。なかなか両方の条件を満たすということが難しい。ですから,授業料減免を実施したり,給付型奨学金を実施したり,いろいろなことをやって,一つだけに頼らないというやり方をとっている国が多いわけです。そのあたりのことをどう考えるか。抽象的に申し上げて分かりにくいかもしれませんけれども,少し御意見を頂ければと思うのですが,いかがでしょうか。
 どうぞ。

【相川委員】  私は,「専修学校生への経済的支援の在り方に関する検討会」でも話をしたように思うのですが,大学へ行っている子供も,専門学校へ行っている子供も,学ぶというところからすると同じように支援すべき「学生等」なわけです。その子供たちをどう支援するかというところから考えたら,色分けをするとか,専門学校には該当しないとか,そういう制度的なところに入り込まないと,学生への経済的支援という,もともとのところが崩れるのではないかと感じます。

【小林主査】  ありがとうございます。公平性という問題ですね。非常に大きな問題として出されていると思うのですが,それについて是非御意見を頂きたいのですが,いかがでしょう。
 どうぞ。

【奥舎委員】  公立大学は都道府県にそれぞれありますが,都道府県,自治体としての高等教育機関に対する支援策や振興計画は,実態として今まではなかったに等しいのではないかと思っています。これからの時代は,公立大学の存立そのものが,資金的には地方自治体に任されています。例えば,知事の一つの部局が専門学校を担当して,少ないけど補助金は出すと,いわゆるばらまくだけが仕事だということでは,意味がないと思います。都道府県の高等教育施策について反省する時期に来ているのではないかという感じを受けるときがあります。先ほど相川委員が言われたとおり,学生が行った学校や大学によって不公平・不平等を受けるのは基本的にあってはならないというのが,国の施策ではないでしょうか。そうしたことを前提とすると,制度的には根幹に入らざるを得ないと言われましたけど,そこまで入り込み,今あることで何ができるかいうことを一つでもやっていかないと,前進はないという感じがします。

【小林主査】  ありがとうございます。
 大きな方向という話と今やらなければいけないということと両方あるというのは,この会議では何回か出てきた話題だと思います。大きな方向性としては公平性がやはり重要だということだと思うのですが,それについては,ほかに御意見はないでしょうか。
 どうぞ。

【松本委員】  以前から給付型支援については発言を何度もさせていただいていて,これは是非やるべきだと思うのですが,では実効性を考えると,結論から言えば,予算を付けられるかどうかに掛かっていると思います。押しなべて全部の学生に適用するわけにはいかないので,該当する学生をどうやって選ぶか。共通試験を使ってみたらどうかなど,いろいろな議論がありましたけれども,それぞれみんな一長一短あるわけです。私のところの法人では給付型奨学金を実施しているわけですが,現在は予算も含めた制度内容を学校に全部開示しまして,その上で学校の御推薦を頂くという形をとっています。やはり学生さんがいらっしゃる現場に推薦権なり何なりを与えるような具体的なものを作らないと,話が途中で止まってしまうのではないかなと思います。経済的支援というとどうしても経済的困窮者に対する支援のウエートが高くなりますけれども,これはいわば,これからの日本を担う次世代の若い人材を育成するために,給付型奨学金というインセンティブになるような形で支援するのだということがこの制度の根幹にあるのではないかと思いますので,そういうことで予算化をし,どうやって受給する学生を選ぶかについてはどこの主体でやるかということも明確にして,進めていってほしいと思います。
 それに関連して,まとめのたたき台の最後に「民間奨学団体の連携について」というのがありますが,民間奨学団体では今,貸与型奨学金はだんだん少なくなってきています。ほとんどが給付型奨学金で,規模はそれぞれ,国家的に見れば小さいかと思いますけれども,それぞれやはり,給付型奨学金の受給者をどう選ぶかを含め,いろいろな悩みを持っています。ですから,先日来のお話ですが,この民間奨学団体の横のつながりを持つために,協議会といいますか,懇談会でも結構ですから是非一度立ち上げてほしいと思います。今,民間奨学団体はほとんどが公益法人でやる方向になっています。私どもも2011年に許可を頂いてそれで進めさせていただいています。公益法人となりますと内閣府に関係する部分が少し出てまいりますが,横のつながりに関しては文科省にお願いして進めていただいて,内閣府との連携もしていっていただきたいと思っております。これも是非,具体的に進めていただきたいと思っております。
 以上です。

【小林主査】  ありがとうございます。まず1点目として,予算が全てだというのはおっしゃるとおりで,ですから逆にここでは,できるだけ根拠を様々なデータに基づいて示していきたいと思います。そういう資料はこれから取りまとめのときにたくさん付けたいと思っております。
 それから,育英の観点というのが学生への経済的支援の場合に当然あるわけですが,その点については余り強くトーンとして出していないので,これは,取りまとめの中に,総論的な部分にも是非入れておいた方がいいと思います。育英と言うと言葉が古いですが,人材養成ということで,これは前も申し上げましたけれども,有為な人材が教育を受けられないというのは個人だけではなくて社会的にも損失だという観点が必要だということです。
 それから,受給者の選び方については,確かにいろいろな議論をしましたが,一長一短があるということで,この検討会でも特にどちらかというような議論にはならなかったと思います。そのあたりは,いろいろ検討をして,こういうことがあり得るというようなことになるかと思います。これは各国でも本当に苦労していまして,どちらのやり方がいいかというのは,結局は最後にはその国の考え方というのが非常に強く出てきます。ですから,最後には,我が国としてどう考えるかということになるかと思います。そのあたりはもう少し材料を出して議論をしたいと思います。ここですぐに結論が出されるかどうかもわかりませんので,これはもう少し長期的な課題だと考えております。
 民間奨学団体の連携については,何回も御指摘いただいたとおりです。是非,協議会なり,民間の支援団体の全体をまとめるような機関ができればいいと考えております。
 ほかにいかがでしょうか。どうぞ。

【中村委員】  2点です。まず1点目は,先ほどからございます専門学校の話です。今までの流れでいきますと,どうしましても私学振興助成金という法律的な枠組みを改組していかないと中に入っていけないというところがございます。格差是正という意味合いにおきまして,是非枠のない新たなる形の制度設計をお願いできたら有り難いということでございます。
 もう1点は,退学者や卒業生等の返還者に対するJASSOの情報提供におきまして,我々学校側に,JASSOに協力できるような手段がないのか。本学及び本学同窓会のホームページに,JASSOの情報の掲載を始めました。返還等に困っている卒業生はいないのかという情報収集を目的に動き始めたのです。まだはっきりした反応が戻ってきていないのですが,何かJASSOの制度周知のための取組を支援できるような情報や手段を学校側や関係する各全国団体で用意できないのかということです。

【小林主査】  ありがとうございます。
 第1点は,非常に大きな議論で,ずっと出ていることだと思いますが,長期的な課題として,方向性としてはできるだけ公平性の観点から考えていくということで,枠を払うといいますか,全て同じ土俵で考えていきたいということだろうと思います。
 2点目も何回も出てきた議論だと思います。実は,私たちも調査をやっていて気が付いたのですが,高校の先生でも,本人が日本育英会あるいは日本学生支援機構の奨学金を受けていたかどうかによって,全然奨学金に関する情報量が違います。奨学生でなかった人が生徒指導なり担任になると,やはりそんなにうまく説明できないわけです,自分は分からないわけですから。そのあたりは,高校にお願いするとか,そういう形だけ言っても駄目なので,もう少し踏み込んで,これもある意味では人材育成だと思うのですけれど,金融教育も含めて,様々な情報提供ができる人材を育成していきたいと思います。そのためには,元奨学生や,リタイアされた先生に手伝ってもらうということも考えられるのではないかと思います。やってくれと言われても,高校側もそれだけでは困ってしまうと思いますので,今申し上げたような,もう少し具体的な手立てというのは考えなければいけないのではないかと思います。
 松本先生,先ほど協議会の話がありましたけれども,各民間奨学団体も,情報の密度や量に,かなり差があるのではないかと思います。非常によく分かっている団体もあれば,なかなかそこまで手が回らず,お金を配るだけになってしまっているというようなところもあるかと思うのですが,そのあたりはいかがでしょうか。

【松本委員】  民間団体として,一番の課題は,受給者をどう選ぶかということです。そこについては,やはり情報交換というのはとても大事になるかと思います。

【小林主査】  現状の認識についてもかなり差があるような気もするのですが。

【松本委員】  あります。今,我々の法人では,高校在学中に予約する給付型奨学金を行っているのですけれども,このときに我々の一番の相談相手というのは各高校の進路指導の先生方です。御指摘のとおり,かなり差もございまして,一生懸命取り組んでいただく学校はやはり,すばらしい学生さんが候補者として送ってきてくださるということがあります。この辺のポイントは一つあるのかなと思います。ですから,ささやかでも,なるべく高校の進路指導の先生方との年1回の交流会を持ちたいと思っています。具体的には,私どもの大きな行事のときに,お声を掛けて,それを機会にまた交流をする,情報交換をするというようなこともやっています。こうした高校の先生方との交流が一番の悩みであり,大切なことだと思います。あとは,お金をどうやって作っていくかということです。

【小林主査】  そのように具体的に高校あるいは大学等ときちんと情報交換されている団体もあるかと思いますが,なかなかそこまで手が回らないところも多いと思います。どういった形になるかはともかく,そのあたりを含めてもう少し仕組みができればと思います。協議会みたいなものを作って,そこで情報交換していくというようなこともできるかと思います。
 それからもう一つは,日本学生支援機構だけではなくて,情報提供がいろいろなルートからできるというのも重要だと思います。情報を発信し,ひいては学生の相談もできるような体制ができればいいと思います。そのあたりを含めまして,いかがでしょうか。
 情報提供の重要性というのは,私の知る限り,今まで日本のこういった会議でそれほど大きな論点として出てこなかったと思いますが,この検討会ではこの辺については随分議論が深められたと思います。ほかにいかがでしょうか。
 どうぞ。

【濱田委員】  大学によるのかどうかよく分からないのですが,奨学金を受けている学生たちの間のコミュニケーションというのは,かつては,私が在学していた大学では育英友の会というのがあって,年1回,バスハイクなどをして,そういうところでいろいろ情報を共有するような仕組みというのがあったように記憶しています。
 私の学生時代は奨学金自体を大学で現金として受け取るというやり方だったのですが,今は基本的に振り込みです。ですから学生間のコミュニケーションというのが現状ではとりにくいということは重々承知していますけれども,何らかの形で情報を共有したり,あるいはお互いに意識を高め合ったりといったようなことはあってもいいのではないか思います。少し今の議論からずれる部分もあるとは思いますけれども,私はそんなことを考えています。

【小林主査】  ありがとうございました。おっしゃるとおりで,少なくとも,現金を渡すとか,そういう形になっていれば,一月に一度,顔を合わせるというような機会はあったわけです。現在,そういうことは全くないわけで,先ほど言いましたようにお金を配るだけの関係になってしまっているということです。日本学生支援機構や民間奨学団体と学生とのコミュニケーションという問題もありますし,あるいは大学の事務と学生とのコミュニケーションという問題もあります。それと同時に学生間もコミュニケーションが余りとれていないというような問題があるということで,おっしゃるとおりだと思いますけど,育英友の会というのは,今,どの程度組織されているのですか。

【石矢奨学事業本部長】  今,詳しいことはよく分からないのですけれども,育英友の会はOG・OB等との交流会を行っています。 

【小林主査】  育英友の会のような形がいいのか,それとも,ほかにもいろいろなコミュニケーションのやり方を考えるのかという御指摘だと思います。それも少し考えていきたいと思いますが,一つの在り方として,具体的に申しますと,これがいいかどうかは検討しなければいけないと思いますが,私の関係している民間奨学団体では,メールで必ず報告を出させるというやり方をとっています。つまり,適格認定に当たるものを民間奨学団体自体が実施しているということです。適格認定という意味だけではなくて,要するに近況を知らせてくれという意図でやっています。今こういうことをやってコミュニケーションをとっているというような例もあります。日本学生支援機構の奨学生全部にそれをやるというのは大変な話になってしまいますから,いきなりできる話ではないと思いますか,余りにもコミュニケーションがないというのはおっしゃるとおりだと思います。その辺は少し考えてみたいと思います。
 ほかにいかがでしょうか。もう少しございましたら御発言をお願いします。次回はこれを成文化していくということになりますので。
 どうぞ。

【奥舎委員】  機構の方に以前にもお聞きしたと思います。機構として,いわゆる不良欠損といいますか,貸倒引当金は何%と言われましたか。いわゆる回収見込みのない債権をどのぐらい見込んでいると言われましたか。私は覚えてないのですが。

【石矢奨学事業本部長】  回収不能債権の補填金(ほてんきん)みたいな制度はございます。ただ,その金額よりも,機構の償却はすごく少ない。実際,償却する金額は,平成25年度で6億5,000万円ぐらいと,非常に少ないです。

【奥舎委員】  何%ぐらいと言われたのですかね。

【石矢奨学事業本部長】  その補填金(ほてんきん)とは,貸倒引当金みたいなものですか。

【奥舎委員】  所得連動返還型奨学金制度を作った場合,その率を勘案して返還月額を引き上げていかないと予算を組めないのかなと思います。その金額をどの程度に持っていくのか,ある程度目標値があった方が,際限なくするよりいいのではないかと思います。事務的に詰められるかどうか,分かりませんが。

【石矢奨学事業本部長】  実際,3か月以上の延滞債権は少なくなっている状態です。

【渡辺課長】  委員の机上のみに用意している資料ですが,9ページを御覧いただけますでしょうか。債権額の回収状況の推移のグラフを付けております。今御指摘のデータで言うと,一番下の青いグラフ,右下の855億円という数字,これは実際に返還期日が到来していて延滞状態になっている金額です。これは平成23年度で,もう少し新しいデータはあるのですが。それから,上にピンクの三角印の折れ線グラフがあるのが,分かりますでしょうか。これは全体の返還を要する債権額に占める3か月以上の延滞債権額の割合です。今,奨学生の数が増えている,あるいは返還者の数が増えているので,青い部分の返還期日が到来している延滞金額は増えているのですけれども,全体に占める延滞者の割合は,現状,かなり減っていっています。最近で言うと,返還を開始した1年目の方の返還率というのは95%を超えています。3か月以上の延滞をされている方というのは,日本育英会の時代に延滞されている方がいますので,そういった意味で言うと,経済情勢が変わってきているということもあると思いますけれども,きちんと返還できている方の数というのは随分増えている状況にございます。

【石矢奨学事業本部長】  この表の一番下の茶色い棒グラフの部分ですけれども,これは機構の債権の中で3か月以上の延滞債権の推移を示しています。一番右が平成23年度の実績で2,647億円,平成22年が2,660億円ということで,22年をピークに23年は低くなっております。また,直近の数字ですけれども,平成24年度は2,682億円で,25年度はまだ決算が出ていませんけれども,減少傾向にあるということは確かだと思います。ですから,回収不能債権をどうするかよりも,機構としては,回収努力をまずやって,前年よりも実績でどんどん延滞額を減らしていくというのが大事かなと思っています。

【渡辺課長】  もう少し補足しますと,今,石矢本部長が申し上げた延滞債権の2,647億円というのは,延滞している方の持つ債務全額であって,そのうち期日が実際に到来しているのが855億円という意味です。ですから,延滞されている方に対してはまだ期日が来てない債権というのも延滞債権というようにカウントすると2,600億円で,実際に延滞になっているのは855億円です。
 それから,JASSOの奨学金の場合,例えば本人が亡くなって返還不能になった場合は償却していきますけれども,その部分については国庫から補填(ほてん)されています。完全に償却になるとその部分については国庫の方で面倒を見ているという状況です。委員がおっしゃった回収不能債権に対する考え方と,今後の所得連動返還の際の確実に一定の割合の方からは回収できないというところについては,そこに対する国費の投入の考え方というのは,今後,詳細について整理する必要があると考えます。

【奥舎委員】  そうすると,回収不能債権は,生活保護とか,災害とか,死亡とか,事故死とか,そういう特別のものがいわゆる回収不能債権で貸倒引当金になっているということですか。

【渡辺課長】  引当金というよりは,本人死亡とか,そういったものについては国費から補填(ほてん)されているということになります。

【奥舎委員】  特別な生活困窮とか,そういう特殊な事情だけ回収不能債権で,不能欠損処理をするということですか。

【渡辺課長】  はい。

【石矢奨学事業本部長】  死亡したり,心身障害になったりということでありますと,今,死亡免除とか心身障害免除というのがございます。そういった方に対しては免除制度が用意されています。生活保護や傷病により就労が困難ということであれば無期限に猶予いたします。

【奥舎委員】  今度できる制度の場合も,いわゆる回収不能になるものとは別個のものと考えなければいけない。

【石矢奨学事業本部長】  そうですね。

【奥舎委員】  一緒にしては駄目ということですね。

【石矢奨学事業本部長】  はい。

【奥舎委員】  分かりました。

【小林主査】  ありがとうございました。今,説明はあったわけですけれど,数字を出すと誤解を生みやすいのではないかと思いますのでもう少し説明していただきたいと思います。3か月以上延滞債権2,647億円というのは期日が到来してないということですが,それは,もう少し分かりやすく言うと,どういう意味ですか。

【石矢奨学事業本部長】  資料の一番右の855億円とある小さな青い棒グラフが,延滞している金額です。3か月以上の延滞債権というのは,まだ返還期日は到来してない金額を含みます。例えば,奨学金として借りた総額が200万円だったとします。そのうち,今まで返還期日が来ているのは50万円とすると,トータルで200万円借りているけれども,延滞しているのは50万円ということになります。この場合,青いグラフには50万円が計上されて,茶色いグラフには奨学金として借りた総額の200万円が計上されているということです。

【小林主査】  ですから,少し誤解を生みやすいと思うのです,2,647億円もあるという言い方になってしまうわけです。形式的にはそうですが,実際は855億円の方が正解なわけです。そういう意味では。

【石矢奨学事業本部長】  そうです。

【小林主査】  そのあたりをきちんとしておかないと,すごく大きな延滞額があると見られてしまいますので。
 ありがとうございました。ほかにございませんでしょうか。本日はいろいろな御意見を頂き,整理しながら議論を進めると,なかなか結論に至らない部分も多かったので,次回,そのあたりは少し工夫しなければいけないと思っていますが。
 どうぞ。

【中村委員】  本当に青い質問ですけれども,奨学金事業は今後,総額的には圧縮される方向にあるのでしょうか。我々も努力をしていかなければいけないのですけれども,どこまで国費の中で今後,膨らませていくことができるのですか。若しくは圧縮しなければいけないのですか。

【小林主査】  それは非常に大事な質問です。

【渡辺課長】  我々としてはこの重要性をもって概算要求につなげていくということになります。政府全体の予算の中でこうした点についてどこまで主張を展開できるか,それに対して政府の中で政治的にどういった配慮がなされるのかということだと思います。ですから,最初から,今はこれだけなのに,このくらいにしかなりませんよという前提の議論はしていません。もちろん我々としては,本当に必要な方に対して必要な支援ができるようにこの検討会を開催しているわけですから,最大限それに対しての努力をしていきたいと思います。

【中村委員】  よろしくお願いします。
 結局,日本の経済状況いかんということも大きくあると思います。あとは,貸与を受ける学生・生徒諸君が,どのようにこれを理解して貸与を受けて,その返還というところを考えていくのかが,今の青いグラフを少しでも減らすことにつながっていくのではないかなと思います。これも我々学校側の努力もあることだと思いますけれども,是非,我が国の有用な人材育成のため,今後も御理解,御支援を頂きますよう,よろしくお願いいたします。

【小林主査】  回収の問題もずっと議論されてきたことなので,少し取りまとめの中で入れた方がいいかとは思いますけれども,数字的にはかなり努力して回収は進んでいるということなので,その点についてこれ以上強化するというような議論はここでは特にしてなかったと思います。もちろん,この青いグラフの部分を減らすというのは非常に重要なことですので,これは奨学金事業実施の前提として,何らかの形で,これからもやっていかなければいけないことだと思います。ありがとうございました。
 ほかにございませんでしょうか。
 そうしましたら,今後について事務局から説明をお願いいたします。

【田中課長補佐】  それでは,今後のスケジュールを説明いたします。お配りしている資料3を御覧いただければと存じます。本日,取りまとめの方向性を御議論いただきましたが,次回は7月8日の1時~3時に,文部科学省旧庁舎特別会議室で開催予定です。本日の話も踏まえまして,事務局から草案をお出しして御議論いただければと考えています。また,予備日ということで7月28日を確保していますが,次回の議論の状況を踏まえつつ,また主査と御相談させていただければと考えています。
 以上です。

【小林主査】  ありがとうございました。
 委員の皆さんから,ほかに特にございませんでしょうか。
 それでは,第12回の学生への経済的支援の在り方に関する検討会を,これで閉めさせていただきます。どうもありがとうございました。

―― 了 ――

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-- 登録:平成26年08月 --