【資料1】第1回の議論を踏まえた論点整理(案)

学生への経済的支援の在り方に関する検討会
第2回(5月15日)資料1

 

学生の経済的支援の在り方に関する検討会
第1回(平成25年4月25日開催)議論の主なポイント 

 

事務局より、議題に沿って説明。委員による自由討議を行った。主な内容は以下の通り。

 

  • (延滞金の利率に関して)長期的課題と短期的課題とに分けて考えると、短期的なものの1つとして延滞金の在り方がある。原理的には大きな論点だが、利率10%に関する議論は短期的課題としてできる。返還しても延滞金や利子に充当されてしまうため、元金がなかなか減らない。→JASSOの延滞金の利率は国税等他の制度と比較して決まっている。国税は26年度から2%+7.3%。つまり最初は3%で上限は9.3%である。JASSOの延滞金の利率は国会でも指摘されている。見直す場合、10%という率の設定自体の見直しと、最初は低率だが数ヶ月経過すると率を上げる等の段階的な率の設定の導入と、2つある。(事務局)
  • 借りたものは返すのが原則だが、今の御時世で考えるといきなり10%というのはきつい。奨学金は単なる借金と違い返済段階においても教育的側面が必要。 返済努力をサポートするような、段階的に利率を上げていく制度にしてはどうか。
  • 国税9.3%よりも高い利率10%を見直すことに異論はないのではないか。委員ご指摘のように利率を段階的に上げるという案もある。延滞金はペナルティーなのであるから限度額を設けることを検討してはどうか。 
  • (予約採用段階の広報に関して)利息や延滞金の仕組みを理解していない者が多い。親も理解していない。高校で奨学金を予約する時に広報をしっかりとする必要がある。JASSOからの広報活動が弱いのではないか。
  • 諸外国と比較して日本は情報提供が弱い。JASSOのホームページには現在、どのくらい借りるとどのくらい返済しなければならないということが分かるシュミレーターが存在するが、高校性やその保護者が使用しないと意味がない。JASSO奨学金の高校段階でのリテラシーは大きな論点である。
  • 高校から仮に大学院まで奨学金を借りているとするとかなりの金額になる。特に博士課程修了者の就職が厳しいので、返還も滞りがちなのではないか。
  • すでに都道府県 で高校の時に奨学金を借りている場合は、大学へ進学するとJASSOの奨学金 も加わり二重の借金を背負うことになる。→高校の奨学金に関しては初等中等教育局に確認する。高校段階での奨学金のリテラシーを向上するにはどうすればいいのか。(事務局)
  • 高校教員も家庭の経済状況を聞き出すのに苦労している。進路指導教員より担任の方が生徒の状況を理解しているので、担任の先生が重要。教員一般のリテラシー向上が求められる。進路ガイダンス等で周知をすべき。
  • JASSO奨学金の認知度は改善の余地がある。アメリカ、中国では教員の研修を通じて奨学金制度の認知を図っている。
  • (返還金の税額控除に関して)返還金の税額控除のような恩典があってもよいのではないか。
  • (専門学校生への支援)専門学校生は授業時数が多いためアルバイトが難しい場合も多く、経済的支援が一層必要。
  • 専門学校生は親の所得の低い層が多い。
  • (入学時の奨学金増額に関して) 4月が物入りなので4月の入学の前から借りられるようにしたほうがよい。現在、労金のつなぎ融資を行っているが、一回で借りられるようにすべき。
  • 諸外国と比較して日本の初年次の入学料はかなり高い。
  • (給付型奨学金に関して)奨学金の性格として奨学か育英かという議論があるが、学びたいニーズに広く応えるためには奨学を重視すべきではないか。
  • これに関連して、月額の設定も論点となる。また、育英的要素として成績を重視するということになると、何をデータに使用するということが論点となってくる。
  • 育英の観点なら、学生のモチベーションを上げるような別の基準を立てていきたい。
  • 給付型奨学金が議論の対象になってきたことを歓迎。現行奨学金制度ではベーシックな部分はカバーされているので、今後は若者の国際力やリーダーシップ能力を育てるような制度が必要ではないか。長期タームで議論していきたい。
  • 給付型奨学金の検討結果を次回の検討会で事務局から出していただきたい。

 

以上

 

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