体系的なキャリア教育・職業教育の推進に向けたインターンシップの更なる充実に関する調査研究協力者会議(第7回) 議事要旨

1.日時

平成25年7月16日(火曜日)10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省15階 15S新会議室

3.出席者

委員

稲永委員、荻上委員、剣持委員、正田委員、田籠委員、続橋委員、宮川委員、古屋委員、吉原委員、吉本委員

文部科学省

内藤専門教育課長、小林企画官、児玉専門教育課長補佐、杉江専門官、小栗教育振興係長、浅田高等教育企画課長、辻学生・留学生課長補佐

オブザーバー

吉田厚生労働省若年雇用対策室室長補佐、中島経済産業省産業人材政策室室長補佐

4.議事要旨

事務局より今後の進め方等について配布資料に沿って説明。要旨は以下のとおり(○:委員、●:事務局、▲:オブザーバー)。


○『意見のとりまとめ』を作成するに当たり、絞り込みという所にまだ課題はあるかと思うが、最後に文科省が作る一枚のポンチ絵で、メリハリを付ければ良いと思う。そうすることで、国としての質的・量的な政策課題というのが何かがわかる。コーディネート機能、あるいはコーディネーター人材というポイントがポンチ絵に入るとわかりやすい。11ページの専門人材の養成ということと同時に、大学自体に専門人材、コーディネーター人材を受け入れるような組織文化が変わっていくことが課題になっているという記載がうまくできるといい。二つ目のインターンシップ実施にかかる専門的知見を有する大学教職員の養成についても、コーディネーター等を積極的に受け入れ、大学自身のディプロマポリシーを相互に確認して、インターンシップに取り組むという組織文化に変わってほしい。

○先ほどの委員が指摘したところと関連して、この全ての項目で、今までの議論が肉厚になっていろいろな課題がでてきており、『意見のとりまとめ』も肉厚になっている。
文部科学省が三省の連携で、インターンシップを推進していくという大きな目標の中で、文部科学省から発信するということであれば、例えば1ページの『インターンシップは、学生が自己の職業適性や将来設計について考える機会となり、主体的な職業選択や高い職業意識の育成が図られるとともに、大学における学修と社会での経験を結びつけることで、学生の大学における学修の深化や新たな学習意欲の喚起につながる有益な取組である。』の部分の標記について、後半の部分にある「学修の深化や新たな学習意欲の喚起」云々(うんぬん)を主として、「学生が自己の職業適性や…」部分が従の位置づけになるように表記を再検討してもいいのではないか。平成9年のときは採用・就職活動の課題解決としてインターンシップへの期待が大きかったので、この順番であったが、大学の教育の方を主に持ってきて、職業に関連するところは従にするというように位置付けを変えてもよいのではないか。大学教育において、社会との関連としてインターンシップに期待できる効果やねらいというものを文部科学省でできるだけ強く発信してもらい、大学に理解してもらうことが非常に重要である。
専門人材については、機能のところで、例えば12ページ及び11ページの専門人材(コーディネーター等)の養成のところについて、全て大学の組織内にきちんと配置することを明記する。大学内に配置するためには、大学の組織内でのいろいろな改革が必要になる。もし改革が起こらないとすると、この機能が全部大学外に出てしまうという危惧がある。このような活動は、過去に経済産業省や、厚生労働省の事業において実際に行われてきたことで、大学が企業と学生、実社会での仕事と学修との融合、マッチングをする機能の部分を外へ出してしまうことによって、大学の機能として、埋め込むことができなくなる。よって、今回、新しく推進の方針を述べるのであれば、専門人材は大学内に位置づけられる人であることが非常に重要。その次にいろいろな用語、「専門人材」とか「コーディネーター」とか、20年前にはそう呼んでいたかもしれないが、名称が実態を表すので、名前の付け方も大学内で定着しやすいような名前にした方がいい。コーディネーターは非常に意味合いが軽い。責任がない人という印象がある。企業との連絡調整係のような印象。機能としては確かにコーディネートするのだが、学修と仕事を融合させる役割を持った人であり、大学の中で重要な位置付けなので、もう少し名前を考えた方がよい。

○長期インターンシップについては、今回よく工夫されて記載されている。全体的な感想として、単純にそもそも大学とは何をするところであったのかと感じた。今大学はミッションの再定義等を実施しており、大学によって全て、統一的に同じことをやるというものではないから、いろいろな機能があってよいが、特にインターンシップというのは大学のどういう使命の中から、こういうインターンシップをやらなければならないのかと論点を少し明確になっていればいい。全ての大学が、インターンシップを通じて行うような人材育成というものをやる必要もないし、特に最近、アカデミズムの源泉たる大学の使命が失われて、職業訓練等に注目されるが、昔から言われている大学の使命も忘れないようにと大学に伝えるべき。

○大企業及び有名企業としてここで表現されている企業は、この提言をどうとらえるのかという点です。一貫して、中堅・中小企業、地域の企業との連携強化、開拓強化、むしろ大企業はしてはいけないと読めなくもない。大企業のインターンシップ普及拡大については、倫理憲章のせいではないが、大企業として受入れが減っているのは事実である。研修施設の提供等、大企業としてインターンシップをどう推進をしていくのか。一つはグループ企業等とも、自社内の連結の中に中堅・中小企業を抱え込んでいるので、グループ企業とタイアップしたような活動も推進していくべきであろうし、色んな企業が協働できるようなリファレンスの支援等、若しくは専門人材、長期インターンシップ、海外インターンシップについては大企業が積極的に、受皿拡大等、大企業のモチベーションのアップに関する仕掛け、表現が必要ではないか。大企業としての正しい姿勢は、自社の採用の母集団形成にのみとらわれずに、上位校だけを相手することなく、幅広い学生に、大企業の知見を提供するということが必要だと思う。大企業に対するメッセージがあってもいい。

○就職のミスマッチとインターンシップのミスマッチの使い方が混在となっていて、どちらかというと就職ミスマッチの意味合いで使われている。

○表現は誤解を受けないようにした方がいい。

○中小企業は、ミスマッチどころか、インターンシップの普及推進のところさえしてきていないのだから、ミスマッチは当てはまらない。一部の地域でしか実施しておらず、地域で普及していないので、普及させるということ。

○例えば、客観的事実として、学生は大企業のインターンシップを志向する傾向が強いが、まだまだ大企業だって学生の要望に十分に応えられてきていない。これの拡大も大事だということも書いてもらい、その後で中小企業も魅力発信に前向きに取り組んでいこうという書き方でいい。

●12ページの○3の記述は、二つミスマッチという話が出たが、インターンシップのミスマッチの話と、就職のミスマッチの話があったときに、原因が就職のミスマッチであるとすると、就職の方のミスマッチについても、ある程度この新たな組織が機能を担うべきだと考える。例えば、中小企業の魅力発信の手助けをするとか、実際にここでマッチングという言葉をつかっていないのは、この仕組みでマッチングをしてしまうと、労働基準法違反となってしまうので、ここは組織が作る機能として、追加的にという意味なので、今指摘のあった部分が、インターンシップのミスマッチのことであれば、ミスマッチに至る前の話であるということを記述する。

○3ページの課題のところの、○の二つ目に全く同じ。ここと先ほどの12ページのところと合わせないといけない。この課題に対して、『学生のインターンシップの希望先が大企業や有名企業に集中する』、インターンシップの希望先を有名企業に、大企業にという認識は若干ずれている。就職の希望先として大企業や有名企業を志向する。結果として、インターンシップも大企業や有名企業を受けようとするというのが正しい文脈だと思われる。

●様々な大学の取り組みを行う際、企業については学生の受入枠をある程度確保しているが、学生がその企業を希望しないという事例があったので、今回記述を試みた。

○学生はインターンシップの受入先に中堅・中小企業があっても、その時期においては就職の対象として考えられないからだと思う。それは、書いてあるように魅力発信を徹底してやらないといけない。

●そもそもインターンシップ先と就職先というのは、それぞれの学生が考えるべきものであると考える。

○学生は大企業や有名企業を就職先として志向する傾向が強く、その関係からインターンシップ先に関しても、大企業や有名企業を志向する傾向にある。インターンシップとしても、就職先としてもいずれも二重にミスマッチが生じている。だからこそ、インターンシップ職業体験の場において、より中堅・中小への参加を促していかなければならないというのがこの全体の文脈だと思われる。大企業はインターンシップを実施しなくてもいいと思われてしまうので、大企業がこれを読むとモチベーションは下がってしまう。

●産業競争力会議等でも、インターンシップは、実施した方が産業競争力はあがるということが自明の話として、ずっと議論されてきたが、大企業にとって、今後の人材育成を考えたときに、インターンシップを採用の一環としてという部分以外に日本全体として、そういうことに貢献していくことの大局的な意義みたいなものが、書かれていないが、このことについて企業側の委員から御意見を頂戴したい。

○例えば、福岡では、留学生と日本人がチームになって、インターンシップを長期で実施しており、留学生の中には人脈生かして、九州の中小企業がアジアに進出していくというのを実施している。3年目になるが盛んに行われている。日本人が日本人として日本の企業に行ってもなかなか行けないところを、留学生の人的ネットワークをつかうとスムーズに入っていける事例もあって、アジアは人脈社会であるといえる。グローバルな人材を活かしていくという意味では、中小、大企業に問わず、攻めの方向としての、国としての、成長するアジアを取り込むということと、アジアの人材もチームとしてやっていくことにおいては、インターンシップと一緒で若い世代が、特定の目的を共有して、学生のときから一緒に行動するというのは、人材育成としても有効だし、経済競争としても、長い目で見てもいいことだと感じている。

●グローバルというのは、一つのキーワードであり、大企業はいずれもグローバル戦略等を持っており、大企業においてグローバルの気づきのようなものを与えるきっかけにはなる可能性がある。

○7ページの○5の中に、先ほど委員からの発言のあった『企業にとっての意義及び企業等による受入れの円滑化』で、一番目の○で書かれているのは中堅・中小企業への魅力発信の場を増やそうということ。その次に一方で、大企業にとってのインターンシップの受入れは…というような文脈の説明があるとスムーズで、その場合は、CSRや社会貢献、産学教育による人材の育成に対しては、大企業、中小企業のみならず、特に大企業は、重要な視点としてより積極的な関与を求めたいというような表現を加えてはどうか。

▲大企業の話を聞いている中で、グローバルというテーマがあったが、若手の社員が学生を指導するという経験は非常に重要であるとか。あるいは、学外、学生といえども、企業外の意見を聞きながら、取り入れた議論をしていくとか、非常に重要であるという認識は共通してもっている。中長期インターンシップについての議論が非常に大きくなったので、短期インターンシップが否定されるのを防ぐために、今までの大企業が実施してきたことについても、否定せずに、より活性化させていく一方で、というところの文脈が読み取れれば、間違えたメッセージにはならない。

○中小企業というのは、東京の中小企業のことだけをいっているわけではないのか。グローカルというか、東京の中小企業のことを話しているような気がしてしまう。企業等の魅力発信という地域の企業・産業等の、と言ったときに、地域の中にある産業のある重要な部分を支えているのが中小企業だから、中小企業といっているので、中小企業に就職しようといっても、我々は東京の中小企業に就職させようとしているわけではなくて、地元の中小企業にという話のはず。地元の大企業もインターンシップのミスマッチと、就職のミスマッチを、地元の大企業の役割がむしろ重要だと地元の大企業で地域の中で、地元の中小企業の枠をうばうまで、大企業がインターンシップの枠を拡大するという状況までは考えられないので、地元の大企業が受入枠を拡大し、中小企業も拡大するという戦術をとる。地元の企業にいかに残すかということで地方中心に考えると、大企業にはある種グローバルに考えてもらい、中小企業には、その所在している場所を大切にしてほしいというメッセージが12ページ○3の『企業等の魅力発信』の中に入らないか。

○中小企業において、インターンシップのミスマッチが多数起こっているような表現があるが、これは何か根拠があるのか。本学でも、夏休みを中心に500人くらいが、ビジネス・インターンシップに参加しているが、実際、大企業と称されるところで、インターンシップを体験できるのは2割もいかないかもしれない。多くが中堅・中小企業で受け入れてもらっている。これは恐らく全国的に見ても、同様の状況だと考えられるが、中小企業でのインターンシップにおいて、ミスマッチが起こっているという表現をするのであれば、その根拠はどこにあるのかということを知りたい。

●大企業でのインターンシップでないとインターンシップに参加しないよという学生が今のところ相当数を占めているような状況である。一方で、インターンシップ協議会等で確保している会社に必ずしも、そこの会社の希望者がいるという訳ではない。ミスマッチをどう表現するか。

○それはあくまでも派遣先のミスマッチということで、就業の中身に対するミスマッチではない。そこは明確にしておいた方がいい。

●いわゆる就業のミスマッチと、インターンシップのミスマッチとそういう意味では二つのミスマッチについて、使い分けている。

○マッチングのミスマッチであって、インターンシップのプログラムの中身についてのミスマッチということではない。

○学生の志向を変えてあげないといけない。中堅・中小企業にもっと目を向けて、それをインターンシップの場としても拡大していくということ。ミスマッチが生じることが多いという表現がいいのではないか。

○この二行目のところはいろいろと誤解の恐れもあるようで、ここは表現を変えるか、あるいは、二行目のところは削除してもいい。

●そこは検討させていただく。

○7ページの○5について、ミスマッチという言葉を入れるか入れないかということで、最初の○のところがいろいろ書いてあって、ここはミスマッチという言葉をつかっていない。ここの部分をうまく流用するというのが一つと、順番を見ると、○が三つあるが、意義というのが三つ目の○で最後に出てくる。人材育成の後にグローバル人材の育成というのを入れてもいい。むしろ、最初に意義について記載した方がよい。この後に一つ目の○をつなげて、その後に三つ目の○の後段を入れて、最後に二つ目の○をつなげてみるとわかりやすくなるのではないか。

○御指摘いただいたような趣旨で修正することとする。

○スタートの段階で、インターンシップ参加率を50%に増やそうと数値の目標が出て、そこからは質の問題で議論していこうということであったが、その50%というのは、いつまでにするのかどうか。あと、今回出た新しい観点として、8ページの上の方に『企業の採用を目的とした広報活動の時期と重ならないように2年生の春期休業期間中等』とか出ているが、大体どのくらいのスケジュール感で実施していくのか、各大学また産学官連携として各地域で異なると思う。国としてはこれくらいの母数をするためには、このぐらいの年度の中で、このぐらいの人数の増え方というイメージがあるのかどうか、何かを意識して、書かれているのかということを確認したい。もう一つは中長期ということを8ページの一番上から書かれているが、現実的には、90%、それ以上は短期になるのではないかと思われる。中長期というのは、コーディネーター的なマンパワーが必要であり、短期も事前・事後教育をするとか、何らかの規模があることによって、意義があるものになっていく。短期が多くなったときに、途中の段階においては、増やそうとするといろいろと問題が起こってくると思うが、既にインターンシップを経験した学生が、先輩として後輩を手伝うような、学生運営チームのような、短期の場合は。段階的にやることで、これから急速に増やしていく中で、それがある程度組織化されていくということを目指すという、段階のスケジュール感と、それに対する厚みを増すための仕掛けというのを付加された方がいいのではないか。

●その部分については、委員より何回かもう少し計画的にという御意見も頂戴したので、我々の方で量的な拡大というところは、一つ大きな課題であり、とりまとめの中で何をどこまで書き込めるのかということを検討してみたところ。そういった意味で今回、そこに対応する部分が、5ポツのところであるが、先日、委員からの御指摘もあったので、いろいろな仮定を重ねて14ページの下から二つ目の○のところで、基礎となるデータとして20%ほどとしている。しかし、これも仮定を三つくらい重ねているというのを下にエクスキューズのように書いてある。これが、一応母数になり得るということ。それを踏まえて、次のページで目標設定を行いつつというようなところまで、協力者会議で、御提言いただくようにしている。現状、20%程度といいながら、今後これがどういうふうに伸びていくのか、この20%についても、実は大学を経由せずに参加するインターンシップについては、全く含まれていない。それから、多様なインターンシップは、インターンシップに類するような活動まで入れていった方がよいとまで、御提言いただいたが、そこの部分の厚みというのは、現状と今後の見通しというのも、実は会議の方では御提言、調査いただいていない、もちろん、それは我々の方で材料を提示できなかったところで、そこまで御議論できなかったことは当然なのですけれども。そこまで御議論いただき、協力者会議で数字を出すことになると、そこまでの材料を提供いただいた上で、こういった方向性へ伸びることが予測されるので、行政としてこうするべきだと、この協力者会議で述べていただくべきだと思う。残念ながらそこまでの調査については、我々の今後の課題である。特に多様なインターンシップについては、推進も含めた課題になっている。一方で、国の行政施策は、KPIが求められており、どんな施策であっても目標をある程度求められているような状況がある。その意味では今後、この施策を打っていく際には、KPIを出しながら、やっていくという意味では、目標を持ちながらやっていく必要がある。そこのところについては、協力者会議の議論が今のような状況であるとするならば、協力者会議からこういう御提言を頂きながら、我々の方で、協力者会議で議論するような理詰めの議論を乗り越えるような部分も含めて、経産省、厚労省と行政的に相談しながら考えていくべき。そういう意味では、自民党の提言では50%というものが出ており、どういう数字を定めるかというのは、今後行っていく。それにしてももう少し練らないといけないかと思っているので、ただ、こういう数字を定める基本的な考え方とどういうパーツが考えられるのか、どういう基礎的な現状にあるのかというところをこの協力者会議で整理していたというような前提で次のステップを行政として進めていく。

○事情は了解した。

○関連する件で私が見落としていたが、2ページの現状のところで、インターンシップの調査について記載があり、実施時期について、恐らく夏期休業期間が、70%くらいを占めるのではなかったか。この問題にスポットを当てると、その時期に就職選考活動を重なってしまい、時期が集中して、企業が受け入れられないと勘違いしてしまう。その部分をどこでカバーするか、リカバリーするかというのが非常に重要な課題なので、春期問わず、冬期を含めて、促していかなければならないのではないか。

●冬期に実施というのはあり得るのか。

○現実的には、なかなか難しいのではないか。

○例えば地域連携、Uターンもあるわけで、関東や関西、首都圏に来ている学生が企業にインターンシップを受けたいとなると、冬期がベターである。12月25日くらいやるので、1週間くらいは、地銀とかが実施している。地銀では20日くらいから26日くらいまで実施している。学校が早く終わった学生は、早く地元に帰るので、地元に帰るような学生を対象とした、2Dayとか3Day等を実施している。それから海外に行った日本人学生が年末年始に一時帰国する学生が結構いるので、日本人学生を対象として、1月7日から1週間だけ日本でインターンシップに参加してもらう。年明けの一週間でインターンシップは実施可能である。職場体験はできないけれども、ワークショップなら実施可能である。

○年末年始の時期、企業は忙しい。

○大学は試験前ですし、半期15コマの授業実施というのが各大学には重い多い課題となっていることから、結構冬休みが短くなっているという現状がある。学生自身も年末まで大学に通学するのが現状である。先の発言にあった2Dayとか3Dayという取り組みについては大学側としてはインターンシップという呼び名で歓迎できるプログラムではないというふうに捉えている。今回の会議では、時間の確保について論じられていないが、それでよいのだろうか。

○事前・事後教育含めて5日間以上あればいいという解釈ではどうか。

○事前、事後そのほかいろいろな作業を含めて、実習科目である以上60時間を担保するというのが文科省が出されている2単位相当の基本ラインであると理解している。
今回実際夏に採用選考が行われるということが、現実化されたから、8月に強引に実施するとはなかなか規定できないことになる。そうすると春休みというのは、エアポケットのような時期なので、どううまく利用するかというところをできれば触れてもらいたい。ただ、大学側ではここをどうするかという議論というのは全くされていない。現実的には。3年生を送り出すとしたら、3月以降に採用説明会が始まるので、余りにも生々しすぎる。それであれば、少し早い段階に設定されることが望まれるところで、2年生から3年生に移る春休みにインターンシップをやってはどうかということを啓発してみてはどうか。本学では、春期休業中にインターンシップを実施していた。今の採用の在り方というのが非常に企業の方で忙しくなるから、春休みの時期というは、企業側が受け入れにくいということで、衰退化していったという経緯がある。今度は採用の時期が変わるので、春頃というのが、大学にとってみたら、活用できる時期ではないかということだけでも入れてもらえればよい。

○ここはあえて、2年生と限定する必要性はあるのか。

○年次を入れなければ、拡大解釈して、3年次に実施してもよいというようなことになりかねない。低学年という表現であれば問題ない。

○3月というのが新しいスタイルでは広報活動が始められる時期となる。恐らく何が起こるかというと3月というのはいろいろな就職支援業者が主催している合同説明会が多数開催される。4月以降が個社の会社説明会がある。そうすると春期休業でいうと3月中の合同説明会の期間までは3年生のインターンシップはあってもいい気がする。就職の話になりすぎているが、新4年生を対象としてもいいのではないか。広報活動が3月に大丈夫だと、広報活動と就業体験をセットにしたようなプログラムをやる企業が増えるのではないか。

▲ある程度低学年だけでなく、その時期が迫っているものも含めて対象とすることで、より意欲がわく可能性が高いのではないか。

○理想的な実施時期は2月15日くらいから2週間くらい(10日くらい)しかないが、その期間に集中するのだと思う。

○本学では2年生の春期で実施しているが、最初3年の夏期に実施していたが、2年生が希望しているとのことであった。教育学部50名と分母が小さいが、2割ぐらいはインターンシップに参加している。中小企業経営者協会とか、九州インターンシップ推進協議会とか、研究員とかいろいろな実習先がある。年度末なので、企業側が忙しいところがある。2年生のインターンシップというのは明らかに、キャリア教育的な軸足のインターンシップである。3年生は進路を意識しながらの軸足となっている。3年生の春というのは入ってこないと、ますます企業にとって、2年生だけを対象に拡大してくれといっても負荷が大きくなりすぎる。短期の負荷の大きさというのを工夫するのは大学側の役割であって、実は8ページの( )に記載のある、クォーター制とかトリメスター制という議論が出てこない限り、拡大は困難であると考えている。12月25日の前後まで実施しているところもあるし、休みの期間だけインターンシップに参加させようというのは、もう限界にきていると思う。今、教育実習とかも総合大学で難しいのは、5月、6月くらいに教育実習に参加させるが、その間の2週間は、大学の15回のうちの公欠となるので、どこかでまた補講しなければならないということになる。その期間インターンシップ学期という、学校が設定して、それで全体のプログラムを動かしているくらいのことをしないともう動かないのではないか。短期のままで量的に拡大しようとすると、企業のインセンティブが拡大しないまま、説得されるしかない。大学がいかにうまく説得するか、円滑に動かすかということが大切。これに対して、長期のインターンシップは、企業には、インセンティブが出てくると思う。大学の方が想像できないということで、大学が学位プログラムの中である学級は出してもいいくらいのつもりになれば、その長期のものが実現する。そうするとクォーターとかセメスター、トリメスターとかいう議論も初めて動き出すのかと思うので、( )で入れさせていただいたというところ。

●委員より御意見を頂戴したが、学期制は文科省の方で、2,3年ずっと課題になっていて、これ自体大学にとっては、難しい話なので、少なくとも、インターンシップの実施時期が、本件をきっかけとして、学期が変わるというのはなかなか考えにくい。柔軟な学期制が用いられたなら、ある意味課題が解決するという言い回しにかえさせていただく。

○セメスター制を推奨してきたようなところもある。

○いずれにしても、どの時期にどうだという、この時期でないと駄目だというような限定は、この会議には付けない方がいい。適切なところに適切にセットアップできるというようなスタンスでいこうとすると、時期はなるべく限定しない方がいいのではないか。

○少なくとも現状と課題のところの現状については、時期に関する記述はきちんと入れる。

○よって、8ページの二つ目のパラグラフは、この記載には『例えば』という記述がある。

○『例えば』として書かれていることが既定路線となることは、省庁から発せられるとそういう性格を持つので、重要である。

○経済界と論議しておかないといけない部分だと思う。別の会議体では、インターンシップの設定については、我々以上に慎重になっている部分がある。そこのところは余り採用活動と抵触しないような、教育活動であればこそ採用活動と連動しないような、中身というのが、表現されるべきである。

●これは選択肢として、例示をしめしたという表現のかたちを少し工夫したい。

▲経団連で言っているのは、就職活動の直前にインターンシップを行うのは、学生が多数やってきて、対応できなくなってしまうので、今の倫理憲章に5日以上というのを入れてある。例えば、3年3月期にやると、中身でない、受入先だけのミスマッチというのがかなり発生するというのが想像できて、経団連の方は慎重に考えているという面があるようだ。

○大学も注意しなければならない。インターンシップに関する定義づけをこの会議体で作ったとしても、現実に3年生の春期休業中にインターンシップを実施してしまうとおのずと採用活動に直結すると理解されてしまう。そうなれば、インターンシップに参加できないと就職活動ができないという誤った認識を植え付けてしまうので、そういうことは避けたい。ただし、新卒一括採用の雇用制度である限りは、仕方がない部分もあるが、あくまでも今まで通りに職業選択、キャリア教育の一環だけで、インターンシップをおいてしまっていたら、発展性は伴わないから、大学教育における学生の学習の深化をどう捉えるかということが一番大事である。

○10ページの下から二つ目の○、ペンディングになっているので、ここについては、是非御意見を頂戴したい。

○そこの部分については、何点か積み残しがあって、委員の方々の意見が少しずつ違うと思っている箇所がある。
一つは、アルバイトをインターンシップと同等の効果を発揮する取り組みと捉えることについてどう考えるのか。前回の案でいうと多様な取り組みの中に入れていたところではあるが、大学現場では、有償のインターンシップとアルバイトというのは厳然と分けて指導しているので、文科省の報告書で、アルバイトを評価する余り、そこの部分がどちらでも読めることになると、従来の大学の指導がかなり影響してくるのではないか。背景として、アルバイトは労働を目的としているものなので、これを教育上評価するためには、考慮しなければならない点があるとの指摘があり、我々もこれは無条件でやるというよりは、もう少し整理が必要と思い、そのように記載していたつもりではあった。実は記載の整理のところで、保留にした多様な取り組み導入の推進の中でサービス・ラーニングとか企業現場とはならない活動等を分けた形にしながら、最後に国の役割のところで、アルバイト等の就業体験を国と推進することとして教育課程として位置付けを含め十分な検討が必要であるということで、この検討については、今後の課題としながら、推進をすることについては、という言い方をした。有給のインターンシップというのか、アルバイトというのかよくわからないが、アルバイトと教育活動を組み合わせているような取り組みは行われていると思うので、それ自体を否定するものではないが、国として推進していくための条件づけについては、もう少し整理が必要ということで、このようにした。一方、ワーク・インテグレイティッド・ラーニングからすると、先送りにしてしまった形で、ここは保留としている。
もう一つは、短期インターンシップと、バランスをとらせていただいたので各委員の中でこんなものかと思われているかもしれませんけれども、中長期インターンシップをかなり強く出し過ぎたので、短期インターンシップがそれによって、いらないということに大学現場、企業現場でならないように修正したことについて、委員の中で御意見があるかもしれない。インターンシップの域をどうとらえるのかというところで、我々も試行錯誤でやっている。一応中教審のキャリア教育・職業教育についての提言というのが、インターンシップの位置付け、キャリア教育というのを位置付けた第一歩ではあるが、あの提言は、学校種を通じてのものなので、職業教育という言い方をしている。職業教育というのが、大学の現場からすると、少し違和感のある言葉かと思ったので、専門教育と入れ替えたのが、まず、いいのかどうかということ、専門教育と言ったときに、大学教育そのものじゃないかと前回、前々回に議論のあったキャリア教育型、専門教育型という話ともあるのだが、そもそも大学改革というようなことを考えると、そもそもそういった区分は必要ないのではないかという議論。ここは十分な共通認識を得ないまま進んできた。とりあえずは短期インターンシップとキャリア教育、職業教育、専門教育のところについては、バランスのとった表現でいいのであれば、これで収めさせていただくというのも一つの考えだと思う。アルバイトの扱いだけは少しこのペンディングを取るに当たって、少し御議論いただいた方がいいのか。

○一つとしてはやっぱり人材育成という面で、アルバイトはいわゆるインターンシップとか学校教育等に比べると効率がよくて効果があることだと思うのだけれど、このところにあるアルバイトを大学教育の一環として捉えることには反対で、本来これは大学がやる機能ではなく、大学は何をやるところかという問題をふったのだけれども、通念的にいってアルバイトでやる人材教育というのは大学教育の一環ではなくて、いわゆる社会教育とか別の機能である、その機能というのが、人材育成のことに対してすごく効果がある。だから、人材育成というのは大学だけでやるようなことではなくて、社会であるとか、企業とかがやることの一環であって、ここでは区別するということに混同しないようにしなければならない。

○それでは最後のところは削除した方がいいということか。

○表現的なところは、文章では難しいが、大学教育の一環としては捉えられないというふうに思う。

○現時点においては、慎重に考えるべきであるということ留めてしまうということでよいか。

▲今まで企業の中で有給インターンシップは、大企業の中では結構行われている。ある程度長期化すると有給というかたちをとりながら、一定期間やってもらうのがいいだろうということで大学との間では教育として作ってきているものを有給としてやっている。ただこれが、雇用形態としてアルバイトになってしまうという事例があり、そういう教育を意図してできてきたものと大学が意図する有給インターンシップとアルバイトというものの区分けがつかなくなってきている。そこは混乱するのではないかという気がしたので、もしここで分けることが重要であるならば、一旦、言葉の定義をある程度もたせて本来の意味合いのわかる定義をした方がいい。

○アルバイトが大学教育の中で語られるのは違和感がある。

○いわゆるアルバイトというのは、ある意味では、人材育成に役立つと思うが、それは専門教育でもなく、そういうことまで含めたものが学教育であり得るはずはない。大学教育の一環として、そういうアルバイトであれば、教育の一環として考えるべきではないかと思う。ある程度企業に行って、ある会社でソフトウェアのプログラムを3週間で作成するというアルバイトをしたというのも、それはある意味では、専門性も育成されたから、大学教育の一環としたインターンシップとして考えてもいいのかもしれない。いわゆるアルバイトを峻別(しゅんべつ)しないと多様性のあるものに捉えられる。

○短期のものが徐々に長期になったときに企業としての有報酬となったという、実体上はアルバイトであったとか、逆にアルバイトであったものを、事前は少なくともないが、途中から学校が、私はこういうアルバイトをしているという学生からの申出によって、専門との関係でコメントしたりする教育を実施することによって、教育的意義を付加している例はある。事例があるということで、その場合は出だしが、インターンシップであったか、アルバイトであったかを問う必要はない。積極的に特色GP等で実施している大学があるので、アルバイトというのが、教育的に位置付けうる。アルバイトを大学教育の一環として捉えることが改めて位置付けることになると思う。その件は、引き続き検討・研究が必要であるというぐらいで押さえておけば良い。

○余裕のない学生というのが結構いて、インターンシップに参加できない。有償ではあるが、事前教育と事後教育とプログラム等、インターンシップとしての意味づけというプロジェクト設計をした上で、結果的に有償になっていくというモデルを増やすべきではないか。

○いろいろな議論もあろうが、現実的に殆(ほとん)どの大学生はアルバイトをしている状況であると。そこで学生は何を目的にしているかというと給与を得たいというのが主たる目的であると思われる。中には、自分の学費を払い、生活費をまかないたいという学生もいるのは事実であるが、その本当の目的は十分には分からないというところなので、この箇所については削除してしまった方がいい。これまでの論議でアルバイトというのは出てきていない。

○海外の学会などでインターンシップやコーオプ教育のいろいろな議論の中にアルバイトが出てくることはほとんどない。少なくともその世界の中で、ワーク・インテグレイティド・ラーニングと呼ばれているものが何を目的にして、どういう成果を期待されるかなど、ワーク・インテグレイティド・ラーニングの定義がきちんとできていることが必要。そういう意味では産学連携教育の研究の充実や学会活動は重要な位置付けにある。アルバイトを入れるというのは反対である。

○サービス・ラーニングとかPBL等がならんでいて、アルバイトが出てくるというのは、全然次元が違う話なので非常に違和感がある。

○時間となったので、ここで議論は終了したいと思う。今日が最後の会議なので、まだ十分御発言いただけなかったこと、御確認いただけなかった内容もあるかと思うので、事務局宛てにメール等で御意見をお願いする。しかし、会議は今日が最後なので、そういったものを全て総合して、事務局と私とで最後の整理をすることでよろしいか。

○異議なし。

○それでは、そのようにさせていただきます。

●今週中でお願いしたい。来週の22日の月曜日までに御意見を頂戴したい。事務局にて本日御意見いただいた内容を踏まえて修正したものを一両日中に委員の方々に送付するので、それを踏まえて月曜日めどに回答いただきたい。御意見いただいたものを荻上委員と調整させていただく。

お問合せ先

高等教育局専門教育課