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独立行政法人日本学生支援機構の在り方に関する有識者検討会 第1ワーキンググループ(第1回) 議事録

1.日時

平成24年5月30日(水曜日)

2.場所

文部科学省旧庁舎 文化庁特別会議室(5階)

3.議題

  1. 検討会の設置について
  2. 独立行政法人改革の経緯について
  3. 奨学金貸与事業の概要について
  4. 今後の奨学金貸与事業について(自由討議)
  5. その他

4.出席者

委員

池尾委員、小林委員、笹倉委員、松本委員、新野氏(大森委員代理)

文部科学省

松尾学生・留学生課長、辻学生・留学生課長補佐、保立学生・留学生課長補佐

オブザーバー

髙塩理事長代理(日本学生支援機構)、月岡理事(日本学生支援機構)、石矢奨学事業本部長(日本学生支援機構)、鮫島債権管理部長(日本学生支援機構)、藤江政策企画部長(日本学生支援機構)

5.議事録

【辻課長補佐】  
 それでは,定刻になりましたので,ただいまから独立行政法人日本学生支援機構の在り方に関する有識者検討会第1ワーキンググループを開催いたします。
 皆様におかれましては,ご多忙のところお集まりいただきましてまことにありがとうございます。
 私は,文部科学省高等教育局学生・留学生課で課長補佐をしております辻と申します。このワーキンググループの主査が選任されるまで,私が進行を務めさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは,座って説明させていただきます。
 まず配付資料の確認でございますが,お手元に本ワーキンググループ第1回の資料を席上に配付しております。議事次第のとおりではございますが,万が一,過不足等がございましたら事務局までお申しつけいただければと存じます。
 資料は,資料番号を付しておりますのが1から8まで,それと参考資料1点と,机上資料といたしまして2点ご用意しておりますので,適宜ご活用いただければと存じます。
 それと,本日ご出席いただいております公益財団法人電通育英会理事長,松本様より電通育英会様のパンフレット等を情報提供いただいておりますので,こちらも配付させていただいております。
 それでは,まず議事に先立ちまして,委員の皆様のご紹介を申し上げます。委員の名簿につきましては,資料番号1の2枚目でございます。名簿順にご紹介させていただきます。
 まず慶應義塾大学経済学部教授の池尾和人様でございます。

【池尾委員】
 どうも,池尾です。よろしくお願いします。

【辻課長補佐】
 続きまして,株式会社みずほ銀行ローン業務開発部部長の大森様が委員でございますが,本日はご都合によりご欠席でございまして,代理といたしまして,同開発部次長の新野様がご出席をいただいております。

【新野氏(大森委員代理)】
 みずほ銀行の新野と申します。よろしくお願いいたします。

【辻課長補佐】
 続きまして,東京大学大学総合教育研究センター教授の小林雅之様でございます。

【小林委員】
 小林です。どうぞよろしくお願いします。

【辻課長補佐】
 続きまして,関西大学商学部教授・学生センター長の笹倉淳史様でございます。

【笹倉委員】
 笹倉でございます。よろしくお願いします。

【辻課長補佐】
 続きまして,公益財団法人電通育英会理事長,松本宏様でございます。

【松本委員】
 松本でございます。どうぞよろしく。

【辻課長補佐】
 皆様,どうぞよろしくお願いいたします。
 文部科学省職員につきましては,私のほか,松尾学生・留学生課長,保立課長補佐が出席しております。
 日本学生支援機構からは,この座席表のとおり,陪席をさせていただいております。よろしくお願いいたします。
 それでは,まず主査の選出をいたしたいと思います。本日は,まず資料に基づきまして,文部科学省からご説明の上,ご自由にご議論いただくということとしておりますが,議事の進行・整理の関係と取りまとめに当たりまして,主査の選任を行いたいと存じます。
 僭越ではございますが,事務局から主査としまして東京大学の小林先生をご提案させていただければと存じますが,いかがでございましょうか。

(「異議なし」の声あり)

【辻課長補佐】
 ありがとうございます。それでは,皆様方,ご了承いただきましたので,早速でございますが,小林先生に主査をお願いいたします。
 それでは,今後の議事につきましては小林主査の進行のもと進めさせていただきたいと思いますので,よろしくお願いいたします。
 それでは,小林先生,一言お願いできればと思います。

【小林主査】
 小林でございます。私は以前,日本学生支援機構で返還促進に関する有識者会議というものがございまして,そのときからJASSOのこの奨学金事業のお手伝いをしております。その後,当時の鈴木寛副大臣のもとに,今日,机上に配られておりますが,日本学生支援機構の奨学金事業運営の在り方に関する有識者の検証意見をまとめている、通称検証委員会というのがございまして,ここでかなり詳細に当時のJASSOの事業について,特に奨学金関係については洗い出しを行いました。ここにかなりの論点は含まれております。
 また,私は文部科学省の中央教育審議会の学生支援に関するワーキンググループで論点まとめをやらせていただきまして,これはJASSOだけではなくて,もう少し広く日本の学生支援をどういうふうに考えたらいいかということでまとめを出させていただきました。
 今回は,その独法のあり方ということの中での,どのように考えていけばよいかということなので,もちろん今までのさまざまなこういった活動がメーンになっておりますけれど,委員の皆様に自由に意見をいただいて,まとめていきたいと思っておりますので,どうぞよろしくお願いいたします。

【辻課長補佐】 
 ありがとうございました。

【松尾課長】
 それでは先生,引き続き議事進行をよろしくお願いいたします。

【小林主査】
 はい。まず,それでは資料の1から順番に事務局からご説明をいただきたいと思います。
 初めに,今,資料1の有識者検討ワーキンググループの開催について,それから資料2の検討内容の公開について,順次お願いいたします。

【辻課長補佐】
 ご説明します。資料1と2でございます。
 まず資料1「日本学生支援機構の在り方に関する有識者検討会ワーキンググループの開催について」という表題でございます。
 その資料のまず3枚目をご覧いただければと思いますが,「日本学生支援機構の在り方に関する有識者検討会の開催について」という表題になっております。これは先日,4月18日にこのワーキンググループのいわゆる親会議で決定されたものでございます。
 まずこの資料でございますけれども,この検討会自体は,日本学生支援機構につきまして,その機能を整理した上で,統合後の法人,統合後の法人といいますのは,下の米印にございます大学入試センター及び大学評価・学位授与機構の統合であり,その統合後の法人への統合,事務事業の他の主体への一部移管等,その具体的なあり方について検討を行うということでございます。
 検討事項につきましては,2ポツにございますように,機構の実施する各事業のあり方について(機能の整理),機構の組織の今後のあり方についてが主な事項でございます。
 そして実施方法といたしましては,必要に応じてワーキンググループを開催することができるものとするとなっておりますので,このたびこのワーキンググループを開催して,ご議論いただきたいというものでございます。
 それで,資料1の1枚目に戻っていただければと思いますが,このワーキンググループは,第1ワーキンググループでございますが,奨学金事業の現状の課題と今後の取組について検討を行いまして,その結果を検討会,いわゆる親会議に報告するということとされております。委員につきましてはご覧のとおりでございます。
 その他,参考ではございますが,第2ワーキンググループにおいて,留学生支援事業と学生生活支援事業につきましても検討が行われているところでございます。
 今後、議論を行っていただくわけでございますが,そもそも独立行政法人の制度及び組織の見直しというものが昨年の秋から行政刷新会議で行われておりまして,詳細は後ほどご説明いたしますけども,日本学生支援機構につきましてもその見直しの対象となっているところでございます。
 続きまして,資料2でございます。資料2につきましては,このワーキンググループの検討内容の公開についての案でございます。基本的には,先ほどご説明しました検討会,親会議の内容を踏まえたものとなっておりまして,このワーキンググループにつきましても同じような取り扱いをさせていただければと思っております。
 議事の取り扱いにつきましては,原則公開ということではございますが,ただし資料の1,2にございますように,会議の円滑な実施に影響が生じるものとして,ワーキンググループにおいて非公開とすることが適当であると認める案件を検討する場合を除き公開するということでございます。
 2ポツの議事録の公開でございますが,議事録を作成して公開するものとするとしています。ただし上記により非公開となった議事を除くということでございます。また,内容に応じて議事要旨を議事録にかえることができるものとするということでございます。
 3ポツでは,会議資料の公開でございます。会議の円滑な実施に影響が生じるものとして,ワーキンググループにおいて非公開とすることが適当であると認める資料を除き,公開とするということにさせていただければと思います。
 このような形で取り進めさせていただきたいと思っておりますので,よろしくお願いいたします。

【小林主査】
 ただいまの説明についてご意見,ご質問等はございませんでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは,特に資料2の検討内容の公開の扱いについては,この原案のとおりでよろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【小林主査】
 ありがとうございました。それでは,案のとおりということでお願いいたします。
 次に,文科省のほうから資料3の「独立行政法人の改革の経緯について」,及び資料4「日本学生支援機構の奨学金貸与事業の概要」についてのご説明をお願いいたします。

【辻課長補佐】
 資料3をご覧ください。独立行政法人の改革の経緯についてでございます。
 これにつきましては,昨年秋から見直しの議論が行われておりますが,この独立行政法人の制度につきましては点線囲みの記載のとおりでございますけども,この見直しの議論が行われた背景といたしましては,資料にもございますように,独立行政法人の制度創設から10年以上が経過し,組織の在り方と業務運営の両面で,綻びが出てきていること,それと,様々な分野で様々な態様の業務を行っている法人すべてを一律の制度にはめ込んでおり,国の政策を効果的に実施する機能の発揮が不十分ではないかというようなことがございまして,このような認識のもとに,制度,組織のあり方を抜本的かつ一体的に見直す必要があるということで,下の1から4の観点から見直しをすべきということになってございます。
 1につきましては国や民間との関係も視野に入れて,組織をゼロベースで見直すということ,2といたしましては,各法人の事務事業の特性に着目して類型化し,類型ごとに最適なガバナンスを構築するということ,3としまして,政策実施機能の強化や効率性の向上の観点から法人を再編するということ,4といたしまして,新たな法人制度に共通するルールを整備するというようなことがございまして,引き続き議論がなされていたということでございます。
 このような基本的な考えのもとに,2ページ目でございますが,行政刷新会議において議論がなされ,これを踏まえた閣議決定というものがなされております。行政刷新会議のもとに,1つ目の丸に参考1とございますが,こちらの独立行政法人改革に関する分科会が設置されまして,この分科会の下に,参考2にありますように第1ワーキンググループが設置されて,ヒアリングなどを行いつつ,議論が行われました。メンバーの方々は記載のとおりでございます。
 日本学生支援機構につきましては,2つ目の白丸にございますように,国立大学財務・経営センター,大学評価・学位授与機構,大学入試センターと日本学術振興会とともに,大学の支援を行う類型の法人の一つとしまして検討が進められたものでございます。
 そのうち日本学生支援機構につきましては,奨学金事業について,金融事業としての側面に着目した抜本的な見直しと効率化を図るべきということと,大学の支援を行う法人全体の組織統合をすべきなどの指摘がなされました。
 そして本年1月に閣議決定されましたが,日本学生支援機構につきましては,その機能を整理した上で,統合後の法人への統合,事務・事業の他の主体への一部移管等,その具体的な在り方について,平成24年夏までを目途に結論を得るとされたところでございます。これがこれまでの独法見直しの経緯でございます。
 あとは,1枚飛びまして,4ページ目をご覧いただきますと,こちらはご参考で,これまで事業仕分けというものが民主党政権下で行われておりましたが,そこにおける日本学生支援機構に係る指摘と対応状況でございます。
 奨学金事業につきましては,いわゆる事業仕分け第1弾,平成21年11月に行われましたが,そこにおきまして,大学等奨学金については見直しを行う,回収の強化,給付型奨学金,経済状況への柔軟な対応,独立行政法人のあり方を中心にということで指摘がなされているというところでございます。
 その他,5ページ以降は適宜ご参考にしていただければと思いますので,説明は省略させていただきます。
 以上でございます。

【小林主査】
 では,引き続き資料4についてお願いいたします。

【辻課長補佐】
 資料4でございます。横版の資料で,大部なものとなっておりますが,なるべく自由討議の時間をとらせていただければと思いますので,説明はなるべく簡潔にさせていただきたいと思います。
 まず資料4の目次をご覧ください。構成として,(1)事業の概要,(2)奨学金の貸与について,(3)奨学金の返還について,(4)これまでの取組,(5)今後の課題ということで資料をお出ししております。
 まず事業の概要でございますが,3ページ目をご覧ください。日本学生支援機構につきましては,平成16年に設立されたところでございますけども,学生支援ナショナルセンターとして,この3本の事業を行う法人として設立されました。
 このワーキンググループでご議論いただくのは,奨学金貸与事業でございます。そのほか,留学生支援事業と学生生活支援事業を実施する法人でございまして,旧特殊法人日本育英会と留学生関係支援法人と文部科学省の業務の一部を引き継いで,整理・統合の上,設立されたという独立行政法人でございます。
 4ページ目につきましては,奨学金貸与事業を実施する関係部署の概要ですので,説明は省略させていただきます。
 5ページをご覧ください。日本学生支援機構が実施する奨学金貸与事業の基本的性格としまして整理をしております。国の事業として実施しております奨学金事業につきましては,日本国憲法,教育基本法の規定に基づきまして,政府が責任を持って積極的かつ確実に取り組むべき重要な教育施策であり,経済的理由により修学に困難がある優れた学生等に対して,教育の機会均等及び人材育成の観点から実施しているものでございます。
 奨学金事業につきましては,制度創設以来,貸与制で実施しております。奨学金事業は,経済的に困窮している家庭の収入のない学生に対して,無担保,無審査で,在学中は返還を求めない,利息につきましては無利子あるいは低利息で,かつ長期間にわたって貸与するという制度設計になっております。
 この事業は,公共性の見地から確実に実施する必要がございますので,安定的・効果的に実施するために,独立行政法人において実施しているというものでございます。
 また,この事業は国が資金を提供し,各大学が具体的な奨学金貸与の手続を行い,日本学生支援機構が総括し,回収業務を行うという形で,国と各大学,日本学生支援機構が三者一体となって行われている事業でございます。
 また,奨学金の回収につきましては,日本学生支援機構が第一義的な責任を有しますが,奨学金事業の貸与資格の確認ですとか貸与の手続,卒業後の返還に係る指導については大学に行っていただいているということで,奨学金事業の改善・充実には日本学生支援機構と,各学校との一層の連携協力を図っていく必要があると考えております。
 6ページにつきましては,参考に根拠法令をつけております。省略させていただきます。
 7ページをご覧ください。こちらは高等教育段階における教育費負担の軽減の現状でございます。奨学金事業以外に,各大学が行う授業料等減免措置という制度がございます。こちらにつきましては,実質的給付とも呼べる制度でございますが,国立大学,私立大学等で大学の制度として実施されているというものでございます。もう一つが日本学生支援機構の奨学金貸与事業でございまして,24年度予算では無利子,有利子奨学金合わせまして1兆1,263億円の事業費で,約134万人の学生等に奨学金を貸与するということとしております。
 8ページ目をご覧ください。大学生等を対象とした奨学事業の概要でございまして,1,公的支援の現状のところをご覧ください。これは諸外国との比較をしたものでございますが,日本につきましては授業料が高く,奨学金が低い水準に分類されております。それがモデル3でございます。
 2.の奨学金支給額で見ますと,日本の全体では日本学生支援機構の奨学金がやはり圧倒的に多く,約9割を占めております。その他,公益法人ですとか地方公共団体,各学校等で実施されているものがございます。ちなみに,人数ベースでいいますと,日本学生支援機構は7割を占めるという規模となっております。
 3といたしまして,給付・貸与比率でございますが,日本学生支援機構は貸与制の奨学金でございますけれども,全体に占める給付型の割合は8%程度ということになっております。
 4つ目は,諸外国の状況でございまして,ご覧のとおりでございますが,フランス,ドイツのように授業料が低く学生支援があまり整備されていないモデルの国,イギリス,アメリカのように授業料が高く学生支援がよく整備されている国に分類できるかと思います。なお,日本につきましては,貸与が34%ということで,3人に1人が奨学金を借りているというような状況でございますが,給付的な支援といたしまして,授業料減免制度が別に存在するということもありまして,国によってさまざまな形態でございますので,なかなか一概に比較することは難しい状況でございます。
 続きまして,9ページ目をご覧ください。こちらにつきましては,日本学生支援機構の奨学金貸与事業と民間等金融機関の教育ローンを比較したものでございますけれども,独立行政法人改革の見直しの中でもよく議論になるところではございますが,目的は違うのですけれども,よく類似の事業として比較されるものをこちらに整理しております。
 日本学生支援機構と,いわゆる教育ローンと言われているものの比較でございますが,ここで大きくポイントと言えるところが3点ぐらいになるかと思います。まず1点目は,その目的でございまして,日本学生支援機構の奨学金は教育の機会均等の観点から学生本人に対して学資の貸与を行うというものでございます。それから国の教育ローン,日本政策金融公庫で行われている事業につきましては,一般の金融機関の金融を補完としつつ,保護者等に対して主に入学時の費用を一括して融資するというものです。また,例示といたしまして,三菱東京UFJ銀行の例を挙げさせていただいておりますけども,入学または進学の際に一度にまとめて必要となる資金需要にこたえるために,保護者等に対して教育資金を融資するというものでございます。
 2点目として,貸し付け対象は記載のとおりでございますが,ここも大きく違うところで,学生につきましては,無資力ということでございますので,返済能力は審査しないことが一番大きく違うところではないかと思います。あとは,貸与基準のところでございますけれども,日本学生支援機構の場合は学力と家計を見ることになっています。教育政策でやっておりますので,そういった観点から貸与基準を設けております。それと低所得者に優先的に貸与するということと,貸与期間中に適格認定を行っており,これは後ほどご説明しますが,こういった制度となっております。
 教育ローンの場合は,家計の収入を見るわけですけれども,基本的に返済能力があるかないかを見ると聞いておりますので,審査により融資を断られることがあるというものでございます。金額は記載のとおりでございます。
 3点目として,大きく違うポイントでございますけれども,利息のあり方でございまして,日本学生支援機構は無利子の奨学金と有利子の奨学金がございますが,有利子につきましては上限が3%,在学中は無利息ということになっております。ちなみに4月現在ですと,利率固定の場合1.22%となっております。教育ローンの場合は,やはりそれよりは高い利率でございまして,金融商品と言えるかと思いますので,こういった利率の違いがございます。ちなみに,日本学生支援機構の場合は,財政融資資金,財投の金利と調達金利と連動しておりますので,利ざやというものはございません。
 返還期間も記載のとおりでございまして,日本学生支援機構のほうが長期にわたって返還するという制度になっております。
 続きまして,10ページでございますが,こちらは日本学生支援機構の奨学金貸与から返還までを1枚にまとめたものでございますので,詳細は省略いたしますが,現在は,22年度の実績でいいますと,123万人の学生に奨学金を貸与し,卒業後,返していただくわけですが,現在,約290万人の方が返還しているというような状況でございます。
 続きまして,11ページをご覧ください。こちらは,奨学金貸与事業のスキームでございますけれども,学校との関係,それと主に国の資金の流れを図示したものでございます。無利子につきましては,国の一般会計からの予算措置,有利子奨学金につきましては,いわゆる財投と法人が発行する債券と民間資金等を活用して事業を行っております。詳細は省略いたします。
 12ページ以降になりますが,奨学金の貸与について整理した資料でございます。13ページをご覧ください。奨学金の種類でございますが,大きく分けまして,第一種奨学金,無利子の奨学金と,第二種奨学金,利息つき有利子の奨学金に分けられます。対象の学種は記載のとおりでございます。
 貸与も一時的な資金融通ではなく,在学期間中に毎月,奨学金を送金する方式になっております。貸与額は記載のとおりでございます。
 貸与基準につきましては,学力と家計がございまして,例えば無利子のほうは高校の成績などを見るということとなっております。家計につきましては,これは世帯の状況でかなり異なりますので,あくまでも目安でございますけれども,私立大学,自宅通学,4人世帯で給与所得の収入の場合には955万円程度ということになっております。有利子につきましては,学力基準,家計基準とも緩和されておりまして,資料のような条件で貸与基準が定められております。特に第一種奨学金の中で,真ん中あたりに所得連動返還型とございますが,これは平成24年度から導入した制度でございまして,詳細は後ほどご説明いたします。
 返還方法と利息は記載のとおりでございます。
 続きまして,14ページをご覧ください。こちらは奨学金貸与事業の平成24年度の予算の内容でございます。詳細は割愛いたしますけれども,平成24年度の予算の特徴といたしましては,無利子奨学金の大幅な拡充,新規貸与人員の増員と,所得連動返済型の無利子奨学金制度を新設したということでございます。
 続きまして,15ページをご覧ください。こちらは,奨学金貸与事業に係る予算の内訳でございます。事業費につきましては1兆1,263億円ございますが,そのうち無利子が2,767億円,有利子奨学金が8,495億円ということになっております。奨学金事業の関係で一般会計から予算措置されている額が一番下,太線の囲みのところでございますが,1,267億円が措置されているという状況でございます。
 続きまして,16ページをご覧ください。こちらは15ページの表をイメージにしたものでございますので,後ほどご覧いただければと思います。
 それでは17ページをご覧ください。先ほど少し触れましたが,24年度に新設しました所得連動返還型の無利子奨学金制度というものでございます。この制度の趣旨は,家計の厳しい学生等の将来の返済の不安を軽減して,予見性を持って安心して進学できるようにするということを目的としまして,創設いたしました。基本的には,給与所得世帯の場合,年収300万円以下の世帯の学生が対象となりまして,卒業後,本人が返還するに当たりまして,一定の収入(年収300万円)を得るまで,返還期限を猶予するというものでございます。
 こちらにつきましては,24年度の概算要求で給付型の奨学金を要求いたしましたが,政府・与党会議の議論を踏まえて,このような形になったという経緯もございます。
 制度の概要は,ご覧のとおりでございます。詳細は割愛させていただきます。
 18ページをご覧ください。奨学金貸与の状況といたしまして,貸与規模の拡大という現状がございます。特に平成11年度以降,急速に拡大しております。無利子奨学金も増やしておりますが,有利子奨学金の拡充のほうがはるかに大きいことから,このような現状になっております。
 ちなみに,17年度以降,無利子奨学金,グリーンの折れ線グラフですけれども,減っておりますが,こちらにつきましては,この無利子奨学金に含まれておりました高等学校等奨学金事業が閣議決定により都道府県に移管されておりますので,その関係で減っておるということをつけ加えさせていただきます。
 続きまして,19ページをご覧ください。これは18歳人口と奨学金受給率の推移でございます。18歳人口が,減っている中で,奨学金の受給率が上がっており,約3人に1人が奨学金貸与を受けているというのが22年度の状況でございます。
 20ページをご覧ください。高等教育段階における教育費の家計負担の増加でございます。こちらは平均給与が年々減少していることですとか,勤労者の平均年収に対する授業料の割合は年々増加しているというような現状,あとは学生生活調査,日本学生支援機構の調査でございますが,家庭からの給付が減少している中で,奨学金の学生の収入に占める割合は上がっているという現状を示したものでございます。
 続きまして,21ページをご覧ください。こちらは貸与月額と返還の例ですので,詳細は割愛させていただきます。
 22ページにつきましては,先ほど少し触れましたけども,貸与基準ですので,こちらも詳細は割愛させていただきます。
 23ページにつきましては,奨学金申し込みから貸与終了までの流れをお示ししたものでございます。大学等との連携によって行われることをお示ししております。
 続きまして,24ページをご覧ください。機関保証制度という制度がございます。これは,人的保証と言っております連帯保証人や保証人の制度とは別に,保証料を払うことによって機関が保証するという制度でございます。これは16年度に,新設されましたが,加入率につきましては約半数ということになっております。
 続きまして,25ページをご覧ください。奨学金事業は教育的事業,教育政策でございますので,貸与期間中に適格認定を行っております。これは学校の協力を得まして,奨学金を受けるにふさわしいかどうかという奨学生としての適格性を審査する制度でございます。この表中にございますように,人物,健康,学業,経済状況を見て審査しているというものでございます。
 次に,26ページでございますが,こちらにつきましては適格認定の厳格化ということで,財政当局等からの指摘を受けまして,このような取組を行っております。詳細は割愛させていただきます。
 続きまして,奨学金の返還でございます。27ページ以降でございますが,28ページをご覧ください。日本学生支援機構が実施する返還金回収の流れを,1枚にまとめたものでございます。簡単に申し上げますと,奨学金の貸与を受けまして,卒業後6カ月間の据え置き期間を経て,返していただくことになりますけれども,その返還の方法は,基本的には月賦で,毎月,口座からの引き落としでございます。ほとんどの方が口座振替制度に加入しております。返還について,病気,災害,経済的理由で返還困難な場合には返還猶予制度などがございます。もし延滞が発生すると,真ん中あたりにございますけれども,このようなスキームで督促を行うというものでございまして,再三の督促,指導にもかかわらず入金,連絡がない者に対しましては,最終的には法的措置といいまして,支払督促申立制度による請求督促を行っているというものでございます。
 駆け足で恐縮ですが,29ページをご覧ください。これは日本学生支援機構の返還金回収に係る目標及び目標達成状況ということでございまして,独立行政法人でございますので,中期目標,中期計画におきまして,回収率の目標値が設定されております。
 総回収率と呼んでおりますが,こちらについては,25年度末までに82%以上にするということでございまして,左下をご覧ください。23年度,暫定値ではございますけれども,81.5%ということで,対前年に比べて0.9ポイント改善しているということでございます。
 ご参考までに,新規返還者といいまして,卒業して新たに返還し始めた方の回収率については,96.7%という率になっております。
 続きまして,30ページをご覧ください。この資料ですが,債権額と回収状況の推移を表したものでございまして,貸与規模の拡大に伴いまして,返還額も増えているという状況でございますが,一番右側をご覧いただきますと,22年度のところ,返還を要する債権額は約4兆4,000億円に上っております。要返還債権と呼んでおりますが,これが21年度に比べて約4,000億円増加しておりますが,3カ月以上の延滞債権は31億円の増加にとどまっていると言えるかと思いますが,このような状況でございまして,折れ線グラフのピンクのところ,三角印のところですが,この返還を要する債権額に占める3カ月以上の延滞債権の割合は約6%というような状況でございます。
 続きまして,31ページをご覧ください。先ほど総回収率82%の目標値と申し上げましたが,その総回収率の関係で補足させていただきたいと思いますが,22年度につきましては80.6%という状況ですけども,その内訳といたしまして,少し分解して整理してみますと,22年度に返還期日が来て回収しなければいけない額がこのピンクのところでございまして,4,384億円を回収しなければいけないところを3,532億円が回収できたということで,80.6%という数字になっています。
 ただしこの中身を見ますと,期首無延滞者分,要するに期首の時点で延滞していない方につきましては,22年度末で見ても99%回収できているというような数字でございます。延滞分の回収が難しいというところではございますが,その延滞のところにつきましても,過年度に回収できなかった額が,また当年度以降も引き続き積み上がってくるというような形になっておりまして,かならずしも80.6%の差額の約20%がこの先,全く回収できないというような数字ではないということにご留意いただければと思います。
 続きまして,32ページをご覧ください。その回収の促進のために日本学生支援機構ではさまざまな取組を行っていますが,それを整理したものでございます。
 左側をご覧いただきますと,回収強化のための対策ということで,早期における督促の集中実施で延滞を早期に解消するということですとか,債権回収会社を活用して回収を促進するほか,やむを得ない場合には法的措置を強化するということでございます。また,住所不明者に対する調査の徹底ですとか,返還者の利便性の向上のためのシステムの改修,学校との連携,返還相談を受けるための体制整備,一番下のほうですけど,コールセンターの設置・運営,また,個人信用情報機関を活用することによって回収促進に努めているというところでございます。
 33ページをご覧ください。この資料につきましては,日本学生支援機構内に置かれております返還促進策等検証委員会がございまして,その報告を受けた今後の日本学生支援機構の対応をまとめたものでございます。詳細は割愛させていただきますが,一番下にもございますように,返還促進策についての提言といたしましては,特に新規返還者の督促強化ですとか,回収委託と法的処理を適切に組み合わせた回収の強化ですとか,延滞者への対応として,延滞金の負担が重いことを考慮し,延滞金の機能を損なわない範囲での見直し,あるいは猶予制度の運用の見直し等,検討を行うというようなことでございます。
 続きまして,34ページと35ページは回収のスキームの中で,延滞が発生した場合と,延滞が発生して,さらに法的処理を実施する際のスキームをあらわしたものでございます。詳細は割愛させていただきます。
 36ページをご覧ください。返還の促進に関しましては,学校との連携協力が欠かせないものでございますが,これは日本学生支援機構の取組でございます。返還者への働きかけとしての,同意を得られた学校から住所情報の提供,同窓会への協力依頼などの取組を行っております。
 続きまして,37ページをご覧ください。先ほど少し触れましたが,返還が困難な場合の制度といたしまして,返還期限猶予制度等がございます。こちらも先ほどご説明しましたので,詳細は割愛いたしますけども,災害,傷病,生活保護,低所得などの場合は返還を猶予するという制度がございます。また減額返還制度と言っておりますけども,月々の返還額を減らせば返せるという方につきましては,一定期間,割賦金額を減額して,返還期間を延長するというような制度もございます。
 また,返還免除制度といたしまして,死亡,心身障害になった場合の免除制度や,大学院の無利子奨学金におきましては,特に優れた業績を上げた者に対する返還免除制度がございます。
 続きまして,38ページ以降になりますけれども,これまでの取組ということで整理をしたものでございます。
 39ページ以降をご覧ください。先ほど小林主査からもご紹介いただきましたけれども,日本学生支援機構の奨学金事業運営の在り方に関する有識者による検証意見まとめということで,机上に置かせていただいているこのオレンジの冊子にまとめられたものの概要でございます。
 奨学金業務改善のための抜本的改革ということで,6つの重点課題と対応策が提言されております。かいつまんで申し上げますと,課題1で特にPDCAサイクルの強化,課題2で計画的・戦略的な組織改善,課題3で適正な人材育成・配置,それから次の40ページにまたがりますけども,課題4で組織内情報の一層の共有化,課題5で業務の迅速化等工夫・改善,課題6で大学等との連携の一層の強化などが提言されております。
 あと2ポツとしまして,持続可能な奨学金業務の実施体制の構築ということで,ここに挙げておりますように,奨学金業務システムの最適化,業務の民間委託の一層の促進,新たな債権償却基準の設定などが提言されております。
 41ページをご覧いただきますと,これは先ほど検証意見まとめで提言された内容について,その業務運営改善・充実に向けた取組に係るアクションプランというものを日本学生支援機構におきまして策定しております。このアクションプランをもとに改善の取組を行っているところでございますが,この詳細につきましては資料5に整理しておりますので,説明は省略いたしますが,こちらもご覧いただければと思います。この資料5のうち,特に返還金の回収に関して整理したものが41ページでございまして,特に初期延滞債権への対応ですとか,中長期延滞債権の回収強化,法的処理の円滑な実施等ということで,改善の取組を進めております。右側に「対応済」となっておりますが,これは今後も継続して実施するというものでございます。
 次の42ページをご覧いただきますと,これは日本学生支援機構におけます課題進捗管理の在り方ということで,いわゆるガバナンスを整理したものでございます。特に日本学生支援機構の内部の枠組みによるものですとか,外部有識者による検証委員会等を活用したもの,文部科学省の独立行政法人評価委員会,いわゆる独立行政法人の評価の枠組みによるものなどがございます。詳細は割愛させていただきます。
 続きまして,43ページでございますけれども,日本学生支援機構の予算と人員数ですが,奨学金貸与事業は拡大している中で,運営費交付金,一般管理費等は毎年減少しているという現状がございます。さらに独立行政法人ですので,効率的な運営を図るために,中期目標に従いまして職員数を削減しているという現状がございます。それが左側のグラフが運営費交付金の推移ということで,このピンク色の折れ線グラフが奨学金等の事業規模でございますが,事業規模が増えているのに対しまして,運営費交付金につきましては効率化を求められて,年々削減されているという現状でございます。
 右側のグラフについては,常勤職員数等の推移ということで,常勤職員は中期目標,中期計画に基づいて削減を行っておりますが,これが青い線の折れ線グラフでございます。特に常勤職員は減少しているという中で,任期付職員や非常勤職員の活用により対応しているというのが現状でございます。
 続きまして,44ページでございますが,こちらについては組織体制と外部委託の費用対効果を整理したものでございますので,詳細は割愛させていただきます。
 45ページにつきましては,日本学生支援機構における奨学金の回収施策と外部委託の状況をお示ししたものでございまして,緑色と水色で囲んだところと,黄色で囲んだところが外部委託を行っているということで,主に債権回収会社,サービサーといわれているところを活用しております。
 続きまして,46ページをご覧ください。この資料につきましては,日本学生支援機構において実施した主な調査ということで,特に奨学金関係の調査を挙げております。延滞者に関する属性調査というものを毎年行っております。対象者は限られておりますが,このデータを見ますと,やはり延滞している方については年収が低い傾向にあるというところがデータとして出ているというところでございます。以下,記載のとおり調査を行っております。
 続きまして,47ページでございますが,こちらも詳細は割愛しますが,昨年,発生しました東日本大震災の被災者の方への主な対応ということで,日本学生支援機構の対応状況でございます。
 48ページ以降が今後の課題としておりますけれども,特に新たな動きといたしましては,49ページでございますが,今,国会に法案が提出されておりますけれども,社会保障・税番号制度の導入ということで,こちらを活用することにより,日本学生支援機構の業務は特に家計基準の審査において,奨学金の貸与に当たって住所の関係の情報ですとか所得の関係の情報を把握する必要がありますので,それらの書類を学生さん本人に提出していただいているのですが,それがこの制度を活用することにより機構が直接確認できるようになるということで,事務負担が減るのではないかと考えております。
 今後の課題ですが,一番下のほうにございますけども,この制度を活用した本格的な所得連動型の奨学金制度の導入の検討ですとか,日本学生支援機構と学校との間の事務の整理などがさらにはシステムの整備というものも課題になってこようかというものでございます。
 50ページにつきましては,先ほどご説明した番号制度導入後のイメージ図でございます。後ほどご覧ください。
 また,最後になりますけれども,51ページでございます。これは今後ご議論いただく際の論点の例ということで挙げさせていただいておりますが,奨学金貸与事業に関する事項で,1つ目としまして,回収促進策の一層の充実,金融的手法に着目した回収促進策の一層の充実,延滞者の置かれている状況を調査・分析するなど調査・分析機能の充実などが考えられるかと思います。2つ目としまして,新たなニーズ・制度等への対応としまして,授業料減免など,ほかの経済的支援の動向も踏まえた効果的な奨学金貸与事業の在り方,または,先ほどご説明した社会保障・税番号制度の導入への対応などが挙げられるかと思います。3つ目としまして,大学等との連携としまして,大学等との連携の在り方,大学等の協力を得て実施している適格認定の在り方というようなところも論点として挙げられるのではないかと考えております。
 これらを踏まえまして,組織の在り方に関する検討課題ということで挙げておりますけれども,類似する他業種・機関との役割の明確化,ほかの主体への一部業務移管の可能性の存否ですとか,奨学金貸与事業を安定的かつ持続可能なものとする組織の在り方,特に日本学生支援機構の場合は多数の小口債権と個人情報を長期間管理するという法人ですので,その法人としてのガバナンスの強化・効率化を図るなどの組織の在り方の検討が考えられるというものでございます。
 長くなりましたが,以上でございます。

【小林主査】
 ありがとうございました。独法改革での指摘と,それから現在の日本学生支援機構の奨学金事業の現状について詳細にご説明いただきました。これから自由にご意見をいただきたいと思いますが,その前に,もう2つ資料がございます。これも説明していただいた後でのほうがよろしいかと思いますので,6と7についてもご説明をお願いいたします。

【辻課長補佐】
 それでは,資料の6になります。関係機関等からのヒアリングについての案でございまして,これは次回,6月20日にヒアリングを予定していますが,その対象,ヒアリング事項等の案でございます。
 ヒアリングにつきましては,ヒアリング対象者のご意向も踏まえる必要があろうかと思いますが,非公開の場合もあり得るということで検討しております。
 ヒアリングの対象としましては,学校関係者は,中小規模の大学がよいのではないかと考えております。金融関係者は,民間等金融機関の方,また有識者の方を考えております。
 ヒアリングの事項としては,学校関係者の方については,日本学生支援機構と大学との望ましい連携のあり方ですとか,教育的指導の状況,教育的指導のあり方などについてお伺いできればと考えております。
 金融関係者の方につきましては,日本学生支援機構との役割の違い,業務の外部委託の状況,債権管理の在り方,保証料の在り方などについてお話をお伺いできればと考えております。
 有識者の方につきましては,特に海外の奨学金事業の実施体制などについてお話をお伺いできればと考えております。
 続きまして,資料7でございます。この資料は,第1回親会議の中で議論されたポイントを整理しております。奨学金事業に関しましては,主に5つほどの議論のポイントがございまして,奨学金の貸与は民間に移していくべきではないか,保証人や利子補給が問題となるが,これは大学等で考えられることではないか,給付型も少ないというようなことですとか,奨学金に関する議論は過去に相当尽くされている,それらをベースに議論すべきである。主要国では奨学金事業を完全に民間で実施している国はない,また給付型奨学金がないという現状ですとか,独立行政法人としての調査・分析機能が弱い点が問題である。奨学金返済能力があるのかないのかの区別などの分析が必要だろうというご意見がありました。そして,奨学金の需要はもっと多いのではないかということで,給付型奨学金も当然,拡大はしてもらいたいが,給付型だけでは予算との関係で無理もあろうということで,奨学金の貸与数を拡大してもらいたいといったご意見ですとか,事業を民間金融機関で実施する場合は利息が上がることが懸念されるというご意見をいただいております。
 また,低所得者層の方にとっては,利子付きの奨学金は返還の不安が大きいのではないか,給付型や所得連動返済型など安心して借りられるようなことを充実していく必要があるといったご意見がありました。民間の金融機関では,一旦延滞が始まってからではその解消が難しいので,貸し付け時の審査と途上の管理をしっかり行うことが基本ではないか,こうした考えをどこまで取り入れていけるのか議論できればということ,あまり金融的手法を入れ過ぎると,奨学金事業の趣旨が損なわれるので,いかにうまく共存させられるかということを考えていければというようなご意見をいただいております。
 以上でございます。

【小林主査】 
 ありがとうございました。
 以上で資料のほうは大体ご説明終わりましたが,これから1時間弱ありますので,今日は第1回ですので,委員の方から今までのご説明を踏まえて自由にご意見をいただきたいと思います。
 また,質問等あるかと思いますので,特に区別せずに質問,ご意見,どちらでも結構ですので,よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。
 どうぞ。

【池尾委員】 
 正直言って,何をどう議論していいのか,自由にと言われても自由過ぎて発言しづらいところがありますが,私も大学の教員をやっていますので,個人的な希望としては,給付型の奨学金をもっと拡充してほしいというふうに思っていますが,他方,経済学を専攻している立場から,国民経済全体について考えると,奨学金だけじゃなくて,教育関係に関する公費の支出割合が対GDP比で見て我が国はOECD諸国の中で低いほうだということになっているわけですが,それはやはり国民経済全体として見ると,支出と収入との両面があるわけであって,やはり高い教育関係の公的支出をしている国は,例えば消費税は20%なのです。
 だから,日本もやはりそういうふうに,私は教育にもっと公費補助をすべきだと思いますが,それをするためには,やはりそれを赤字国債でやるというわけにはいかないわけでありまして,やはり国民負担を高めざるを得ない。しかしながら,国民負担に対する合意が必ずしも得られていない中では,現状のような形のレベルにとどまっているということはやむを得ないのかなと思っています。
 そういう中で,繰り返しですが,個人的には本当は給付型をもっと増やしたほうがいいと思っていますが,それができない現状で,貸与型の奨学金を中心に行くということになると,確かにいわゆる教育ローンとどこが違うかということが,ぎりぎり進めていったときによくわからなくなるという,教育ローンに対してある種の財政補助をつけるというのと,政策効果としてどこがどう違うのだということがなかなか分からないというところで,そういう意味で,機構がどこまで業務をすべきなのかという,貸与型を中心で行くのであれば,民間へのアウトソーシングの余地はもっとあるのではないかという,そういう議論は当然あり得るのでないかなと考えています。
 それで,民主党への政権交代の前であったと思いますが,すなわち自公政権のときに,何か政策的に非常に貸与額を拡大するというふうな措置がとられて,拡大することは好ましいことだったとして,ただそれに対して,その後の回収の体制づくりが少し遅れたというか,ずれ込んだようなところがあって,それで一時期,少し問題が生じたと認識していますが,その点については,その後の取り組みで大分,改善されてきているのではないかと思っていますが,ただ実状,どこまでその体制づくりが完了したというか,万全なものになっているのかどうかというところについては,できれば感触を機構の側の方に教えていただければありがたいかなと思います。

【小林主査】
 今の点について,機構の側からご説明いただけますか。

【髙塩理事長代理】 
 小林先生も加わっていただいた2年前の有識者会議でも,今の回収が現状にとどまっている根本的な問題は何かという質問を受けて,人的な体制と予算措置が現在の奨学金の規模に対して十分でないということはご説明したわけですが,池尾先生もおっしゃいましたように,現状からして,なかなか体制整備のための人員増ですとか予算増は難しいので,提言では,JASSOの中の管理部門と事業部門の間で工夫して対応せよということでした。先ほど説明にもありましたように,人的体制としては非常勤職員と任期付職員で増加する奨学金業務に対応しているというのが現状でして,例えば滞納者全員に対して行うことになっている法的処理業務について見ても1人の処理能力からすると,現在の法的処理に関わる支部の職員が約80名ですが,これをすべてやるには約10倍の規模は要るだろうということを申し上げました。

【小林主査】
 教育ローンとの相違ということをおっしゃったのですが,例えば今日の説明にもありましたけど,国の教育ローンがありますね。これもやはり同じように国がやっている,まさしくこれは教育ローンですね。それとJASSOの事業というのは奨学金事業であって,違うということをおっしゃられたと思うのですけれど,池尾先生はその辺はどのように切り分けられますか。

【池尾委員】
 資料4の9ページに比較表があって,例えば貸与基準に学力を考慮しているから違うと言われて,それは違うといえば違うのですが,何と言うのか,少し経済学者的バイアスがあるのかもしれないのですけど,それは確かに違うといえば違うのだけど,やはり同じことじゃないかという気がどうしてもしてしまうところがある。というのは,例えば民間の教育ローンに対して,国が利子補給をするという方式が代替的に考え得ます。そのときに,利子補給の条件として,審査基準にこういう項目を考慮しろと。例えば単なる返済能力だけではなくて,学力等も考慮しろと。考慮して選ぶということを条件づけて,利子補給をするというふうな制度にすれば,この点の差はなくなるのでないかと,そういうふうに思ったりするわけです。
 何もそういう方式が一番いいということを言うつもりは全くないですけれども,先ほども申し上げたように,何かぎりぎり詰めていくと,結局,違いがよくわからなくなるというようなことなのです。

【小林主査】
 どうぞ。

【松尾課長】
 多分,経済学的にはずっと詰めていくとそうなのかもしれませんが,例えば貸し付けの対象は,JASSOの奨学金の場合だと,例えば要するに担保もなく,教育ローンということであれば,ある程度,返済能力を見て,保護者の方であるとか,そこはやはり全然,経済学的には違いにはならないのでしょうか。
 その貸し付け対象者が同じであって,あと条件が少し違って,JASSOに政府から補給をするのか,民間に補給するのかという形であれば,全くそれが機関として民間なのかJASSOなのかという違いはあれ,ストーリーは同じなのですけれども,貸す対象が与信あり・なし,それとあと学生個人ということと,担保をちゃんとした親御さん,返せる方に対して貸すということとはやはり違いにはならないでしょうか。

【池尾委員】
 現状において,貸し付け対象者を民間の教育ローンが保護者にしているという限りにおいては,おっしゃったように違うわけですけども,では,国がある種の利子補給と,それから保証といいますか,リスクテークをするから,学生本人向けのローンを出せということで制度設計をすることは可能だと思うのですね。もちろん国がどれだけのリスクをとってくれるかとか,そういうことによって,民間としてはそれでは…。

【松尾課長】
 事業が成り立つかどうかということですね。

【池尾委員】
 どうかという,そういう議論はありますけれども,現状,民間の教育ローンが保護者にしているということは違いとしてあると思いますが,制度設計としてできないという話ではないのではないかということです。

【松尾課長】
 あとは,金融業としてやれるかどうかという民間の判断があるということなわけですね。

【小林主査】
 その辺はどうですか。

【新野氏(大森委員代理)】
 よろしいですか。民間の金融機関から代表で出席させていただいておりますけれども,まさに今のお話は,奨学金と教育ローンの一番の違いのところの議論ではないかと思います。今,ご覧いただいている9ページのところです。まずやはり目的がそもそも違うというところがございます。
 ここに三菱東京UFJ銀行さんの例が挙げられていますけれども,弊行でも同じような商品を取り扱っています。教育ローンという商品自体は,非常に公共性の高い資金でございますので,各金融機関とも力を入れているところではございますけれども,当然,私企業としてのビジネスで運営をしておりますので,ある意味でいいますと,やはりきちっと貸し付けをした貸し金が返ってくるというのが当然,前提になっています。ですので,貸し付け対象者について,そもそも収入のない方に融資をするということ自体がまずなじまないというところがあります。
 当然,学生さん本人について,収入のない方について審査をするということもございません。教育ローンの場合は,やはり安定的にご返済をいただける方というのが融資対象になっていますので,ここに書いてあるとおり,保護者の方,収入のある方,それから学生本人,社会人と書いてありますけれども,要は社会人学生ですので,収入のある方ということになっています。
 当然,入り口の段階では,ご返済がいただける方なのかどうかというのをきちっと適正に審査した上で貸し付けを行うというのが基本になっております。今のこのたてつけで,もし奨学金事業の代替を民間でこのままの形で果たしてくれといえば,やはり将来的に,現状,資力がなくて,将来的にもご返済できるかどうかわからない不確定な方に対して融資をするということは,なかなか民間のほうでは難しいというお話になるのではないかと思います。
 池尾先生がおっしゃったように,国の政策として,例えば公的保証ということであれば,また信用補完のような形であれば,違ってくることはあろうかと思いますけれども,今の制度設計を前提に,奨学金事業も民間に移すべきというのは非常に議論としては乱暴ではないかと思います。民間としては,どうしてもやはり先ほど言った制度の違いからの経済合理性というか,そういう判断が働きます。そこは前回の場でも申し上げさせていただいたとおり,これを強調しますと,そもそものこの奨学金事業の制度の趣旨をやはり損なうような形になりかねないと思いますので,やはりそこの制度の趣旨を踏まえた形のバランスをとることが非常に重要ではないかと思います。
 我々のほうでやるとなると,当然,ここの資料9を見ていただけるとわかるとおり,利息,利率のほうも随分違ってきます。民間であれば,当然,資金を調達するコストもございますし,それから一定の貸し倒れに備えた形のリスクプレミアムのようなものを載せないといけないですし,あるいは我々,事業として継続するためのいわゆるコストみたいなものも転化せざるを得なくなります。
 当然,コストには銀行としての事業を営む人・物件費もありますけれども,利益の中から税金を納付するという,公租公課の負担とか,こういったものもカバーした上で,一定の利益を上げて,投資家の方に配当で還元するというところまでカバーしないといけないということで,おのずと,ここに奨学金でやっているような利率を設定することはできなくなってしまいます。そういたしますと,借りる学生さんにとっても負担が増えるお話になってしまいますので,教育を広く国民に受けていただくという観点からすると,すべてを民間にゆだねるというのは,なかなかハードルとしては高いというか,制約事項が出てくるのではないかなと考えております。

【池尾委員】
 ちょっといいですか。少し議論に誤解があったかもしれないですけども,奨学金事業が民業として成り立つという主張は一切していないので,今の説明のように,奨学金事業が単独の民業として成り立つわけはないのであって,申し上げていることは,日本学生支援機構という形で,国が直轄ではないですけど,国が関連組織を使って,直営型でやるか,民間金融機関をビークルとして使って,そこに対して補助金であるとか保証であるとか,そういうことを提供するという形で,アウトソーシングの形でやるかという,そういうチョイスはあり得るでしょうということを申し上げているのであって,奨学金事業である限りは国の何らかの支援,財政的支援,保証を含めて,それがなければそれは成り立たないのは,それは当たり前のことであって,そういうところが別に争点だと考えているわけではないのですよね。

【小林主査】
 また次回以降,ご紹介したいと思いますけれど,政府保証の民間金融機関でやっている国というのは,アメリカ,韓国,中国というような国です。ところがアメリカはオバマ政権のときにこれをやめてしまったのです。
 それは,今,先生が言われたように,まず補助金として出すのは非常に負担が大きいということと,最初は99%まで政府保証がついていたものですから,非常に優良債権になってしまって,アメリカの場合はそれを2次市場,3次市場に売りますので,保証することによって,非常にまたコストがかかるという構造になってしまって,それで保証率をどんどん下げていったのですね。最後はそれでも95%ぐらいまで保証がついていたのですけれども,それでもやはり政府としてはかえって非効率だという話になったわけです。
 アメリカの場合,2本立てで,政府が直接やっているローンと,民間金融機関に政府保証して出すのと両方やったのですけれど,これはどちらが効率がいいかというのは非常に議論があったのですけれど,結局,今のオバマ政権は政府保証ローンをやめるという選択になったわけです。
 韓国の場合も,2006年の当時のノ・ムヒョン政権のときに政府保証ローンを入れたのですけれど,今のイ・ミョンバク政権は現在それもやめています。それから,中国の場合はかなり特殊な事情がありまして,民間金融機関といってもかなり政府の力が強いところですので,また少し形が違うと思いますけれど,そういう形で,議論として当然,先生が言われるように民間ローンも成り立つと思うのですが,やはりコストがどちらが高いかとか,効率がどちらがいいかとか,そういう議論もしないと,なかなか難しいのでないかと思いますね。
 お伺いしたいのですが,この民間教育ローンが変動利率で2.775%ということですよね。先ほど言われたリスクプレミアムとかそういうものを入れても,この程度の利率でできるんですか。

【新野氏(大森委員代理)】
 そうですね。教育資金につきましては,例えば一般の無担保ローンでも資金使途の自由なようなものもございますので,こういったものに比べれば,相対的にやはり貸し倒れは低いです。資金によって,やはり銀行の中での貸し倒れ率というのは結構,差がございまして,そういう意味では,教育ローンに各金融機関,力を入れているというのは多分そういうところにあると思います。これは教育ローンを取り組むという目的というのでしょうか,ねらいは,商品として,ある意味で言うと採算がとれるというのは前提にはなっていますけれども,その後,やはり銀行の場合の目線でいいますと,それ以外に取引の広がりがいろいろ期待できる。学生さんのまた新しい取引が派生して生まれるとか,こういったような効果もございますので,そういったものをもろもろ考慮して,こういった金利設定を各行が競い合ってやっているというようなのが実態かと思います。

【小林主査】
 アメリカの場合は,学生から大体クレジットカードを使いますし,かえってそれがローンの負担が重くなって問題にもなっているわけですけれど,それもやはり将来を考えて,将来,一生つき合う顧客を獲得するというような意味合いが非常に強いと聞いています。ですから,この教育ローンの場合もそういった要素も含まれているということですね。

【新野氏(大森委員代理)】
 そうですね,はい。

【小林主査】
 わかりました。どうぞ。

【新野氏(大森委員代理)】
 よろしいでしょうか。ご質問というか,先ほど事務局の方からご説明がありました中で,最近の回収率です。回収率全体では82%という全体でのお話がありましたけれども,直近の新規返還者の回収率は96.7%ということで,非常に回収実績はいいというお話がありましたけれども,ここの差というのでしょうか,多分,ここは色々取り組んだ効果が出てきているということではないかと思うのですけれども,この辺が金融的観点を入れてというところの多分ヒントとなる気がするのですけれども,ここについてはどういった形で評価をされていらっしゃるのでしょうか。

【月岡理事】
 何ページのところで。

【新野氏(大森委員代理)】
 29ページです。

【月岡理事】
 中期目標の段階,総回収率と呼ばれている指標,これで見ますと79.7,80.0,80.6,81.5と動いておりますけれども,私どもの分析,コンサルタントも入れた分析の中では,回収の取り組みの早期化といいますか,1つは,早い段階から,あなたは督促対象になっていますよということを集中して連絡をしていって,返還を促すという取り組みですとか,それから22年度から行っておりますけれども,個人信用情報機関への登録がありますよということで,そういう登録がありますからなるべく早く解消してくださいというふうなことを,一般の延滞のお知らせに加えてお知らせしているとか,そういった早期の取り組みが効果を出しているのではないかというようなことでございます。
 それ以外にもさまざまな取り組みを継続して行っております。例えばリレー口座という,口座引き落としで返還してもらいますけれども,その口座になるべくたくさんの人に入ってもらうように,口座加入の取組を強化したり,それから平成16年度から導入しております機関保証の仕組みで,保証機関から代位弁済を受けるとか,そういったようなことです。
 いずれにしても,とにかく延滞してほしくないということ,それから滞納したら早期に解消してくださいということ,それからあきらめずに根気強くアクセスをしていくということです。これはサービサーもお願いしておりますけれども,そういった複合的な手段によって,返還者の意識の啓発も伴いながら,このように改善してきているのではないかと思っております。

【新野氏(大森委員代理)】
 今ご説明いただいた内容,28ページのところの表だと思うのですけど,この表を拝見させていただくと,我々が今やっている体制とそう大きく差はないかと思っております。そういうところからすると,多分,今までいろいろなところで仕組みがなかったところが大分,整備をされてきて,それで効果が上がってきているとも感じるのです。一方で,過去の,もうデッドストックみたいになってしまった債権については,これは個人信用情報に登録したりとか,そういうことはされていらっしゃるのですか。

【月岡理事】
 個人信用情報機関への登録は,平成21年度に新規に貸与を始める方や貸与を継続している方から始めて,同意をとっておりますので,古い方については,同意は得ておりませんので,個人信用情報機関への登録はしておりません。

【新野氏(大森委員代理)】
 あと,ご質問ばかりで申しわけないのですけど,31ページの過去の分の過年度の未回収の延滞分というのは,これはそもそも借りられた方とはコンタクトは可能な状態の債権なのでしょうか。多分,行方不明とかそういう方も結構いらっしゃるんじゃないかと思うのですけれども。

【月岡理事】
 住所の把握については,精力的に取り組んでおりまして,現時点,債権としては300万以上の要返還債権がございますけれども,住所不明というふうな状態になっておりますのは,3万人ちょっとです。減ってきております。
 それで,この延滞の,ここでいいますと延滞の計ですから,延滞分のところが772億円というのが22年度期首現在,延滞だった人の延滞分ということで,21年度以前に返還期日が到来済みのもの,それが772億円ございます。このうちの40%ぐらいは,延滞8年以上の方の分が占めております。
 人数の内訳的には,延滞3月未満という,3月に締めますので,3月の振りかえができなかった人とか,2月の振りかえができなかった人とか,そういった延滞1回,2回,3回といったあたりが人数的には半分ぐらい占めておりまして,しかし,金額的には非常に小さくなっています。
 他方,延滞8年以上というところが,人数的には15%ぐらいだと思いますけれども,その人たちが延滞額の40%ぐらいを占めていて,こういった人は延滞金も一緒に払っておりますから,延滞金を払って初めて元金に充当されるという順番になりますので,お支払いになっても,なかなか元金の返還までは行かないといった方もおられるのでないかなと思っておりますし,なかなか元金,返済自体が難しいという方もたくさんいるのではないかなと思っておりますけれども,構成としてはそういうふうに延滞期間が長くなった人にかかる延滞額が非常に高い割合を占めているという状況になっております。 

【新野氏(大森委員代理)】
 わかりました。

【小林主査】
 8年以上の人については,回収コストのほうが高いというような試算が昔あったように思いますが,それはそのとおりでよろしいのでしょうか。

【月岡理事】
 そうですね,はい。

【小林主査】
 それから今,延滞金のお話が出ましたが,延滞金は,詳しくは説明がなかったのですけど,どのくらいの割合で掛けられているわけですか。

【月岡理事】
 延滞金は,延滞期間に応じてです。延滞期間と元金ですけれども,利率でいいますと,年利で10%。

【小林主査】
 年利10%ですね。

【月岡理事】
 はい。

【小林主査】
 ですから,これはかなり高い率で掛けられるわけですね。

【月岡理事】
 割賦単位で考えていきますと,ある割賦を10年間延滞しますと,10年後には割賦の元金とその割賦についている延滞金が同じ金額になるということです。

【小林主査】
 同じになるということですよね,ええ。ですから10年間延滞してしまうと,2倍払わなければならないということになるわけですね。

【月岡理事】
 ええ,その割賦がです。割賦単位です。

【小林主査】
 割賦単位で,はい。ですから,これがどういう経緯で決まったかわかりませんけど,これについてもどう考えるかというのは,この中で,特に金融関係の方には考えていただければと思うのですけれどもね。
 回収のことにかなり議論が割かれていますが,ほかに大学との連携とかもございますけれど,いかがでしょうか。

【笹倉委員】
 よろしいでしょうか。私も大学の関係ということで,大学の奨学金にかかわる部署におりますので,先ほどもお話がございましたように,安心して勉強できる環境を提供するという奨学金の非常に大きな目標がある事業ですので,非常に我々はありがたく思っております。先ほどの教育の機会均等,それと優秀な学生に対する奨学金の授与というかかわりで,非常に問題となっておりますのが,やはり再スタート時の問題です。大学へ入ってきまして,そのときから奨学金を4年間,あるいは場合によってはそれプラス2年、3年という期間受給することになりますけれども,卒業してその後,再スタートを切る,そのときに大きな借入金を抱えたままスタートするわけです。
 私の専門では,そういう場合,例えば開業や創業をしたときに,スタートアップ・ロスという言葉を使います。卒業し再スタートするときに,もう最初から重い負担を抱えているということで,一般の方と,いわばスタート位置が違うんだと,最初からスタート時点で大きなマイナスを背負っていると。特にこういう現象が,文系の学生よりも特に理系の学生,マスター・ドクターとその上にどんどん積み重なっていく現状です。
 その意味では,貸与ではなく給付というのが非常に大きな,奨学金を受け取る学生にとりましては追い風といいますか,学生が巣立っていくのを真に助ける1つの手段になるのだと思っております。
 ただ,これにつきましては予算のあることですから,当然のことながら,おそらく貸与というのはどこかのところが担当されるということにはなると思います。そのときに,やはり大学におきましてもその方向が1つ出ておりまして,特に先ほど後日聞き取りをされるときに,中小の大学からの聞き取りというお話をされておりましたけれども,私は今現在,私大連の中に奨学金関係の分科会がございまして,その責任者をしていますが、この部署で毎年レポートをつくっております。そのときに大きな傾向としてあらわれておりますのが,大規模校において奨学金の制度をできる限り給付の方向に変えていこうという傾向が明確な形で統計資料であらわれております。
 それはおそらく回収コストというのが非常に大きく、後々も債権の管理もしないといけない。また、例えば亡くなられたというような場合には,それを承認する,当然,連帯保証の場合もありますけれども,その方に調査をして,当然のことながら「払えません」という話をされれば,それで証拠資料をとって,そして委員会にかけまして,そしてそれを了承すると,こういう正規の手続をとらないと,債権の回収が十分に行われていないというふうに判断されますので,そういうことをやっています。
 それから,当然のことながら,給付の場合には新たな財源が必要ではありますけれども,特に大規模校のほうでは例えば寄付のような別な財源を見つけて,貸与から給付へのシフトというのが1つの方向で出てきております。
 先ほどからの議論の方向が私自身,わからないところはあるんですけれども,今,この日本学生支援機構の議論をされる場合に,将来の奨学金の方向性といいますか,そういったものがどこ向かうのかということとのかかわりで,例えば給付であるのか貸与であるのか,もしくはその併用であるのかということによって,その制度によって日本学生支援機構の役割りが違ってくると思いますので,ですからそのあたりのところをどういうふうに切り分けをして話をさせていただいたらいいのかというのが少し戸惑ったので,このようなお話をさせていただきました。

【小林主査】
 文科省のほうにお伺いしますが,予算で概算要求で出されたわけですよね。そのときにJASSOとの関係はどういうふうに考えておられたかを説明していただけますか。

【松尾課長】
 昨年の夏に概算要求で給付型の予算を出させていただきました。これはやはり経済的な困窮度が教育の機会をということ,やはり経済的に貧しい方の進学率というのは明らかに違うということで,民主党政権でも給付型ということがございましたので,そういう形で出させていただいて,これはやはり事業としてはおそらくJASSOの予算でお願いするということで出させていただいたものでございます。
 ただ一方で,やはり財源の問題がございまして,給付はなかなかしんどいというのが昨年の12月に政府・与党会議で決まって,最終的に,その代替ではないんですけれども,一歩進んだ形として,まず貸与でお貸しし,そして卒業した後,返せない方については,今,5年間という猶予期間がありますけれども,その猶予期間を長くすると。そして所得が上がらない方については長い期間猶予をしていくというような形で,お貸しして返してもらうときに猶予を長くするというような制度,これが先ほど申し上げました所得連動返済型の無利子奨学金制度ということでございます。したがって,24年度においては,政府・与党で決まったものについては,これは引き続き貸与でやるということでございます。
 では,その給付型というのは完全に国としてあきらめたのかというと,そうではなくて,やはり最終的には何らかの形で給付型を入れたいという思いは我々,文科省も含めてございますが,これは最終的に財源の問題がございますので,どうなるかは引き続きわからないというような状況でありますけれども,それを目的にして進むということです。
 ただ一方で,では,今の規模について,すべて給付型にできるかと,これはおそらくは多分なかなかしんどい。それは前の会議でもありましたように,規模が大分減っていきますので,そこは貸与ということになろうかと思います。したがって,最終的には将来は併用になるのか貸与でいくのかというのはありますけれども,貸与が中心であることは多分間違いなくて,その上に何らかの給付的な要素のものを入れたいということでいくと。ただし,今現状では,去年の暮れ決着をした範囲では,それはないということでございます。
 笹倉先生言われたように,大学独自でのものであるとか,民間の奨学金,これはおそらく貸与ではなくて,給付で渡し切りということで,それは一定の基準でもって,奨学なのか育英なのかは別として,あろうかと思いますけれども,そういうのが今の制度の流れであろうかと思います。

【小林主査】
 よろしいですか。

【笹倉委員】
 やはり従来通り貸与ということでやるならば,その貸与を前提で奨学金事業というもの自体を考えなければならないと思います。特に給付の場合であるならば,特に成績といいますか,ある程度,その受給者の優秀さというのが担保されないといけない。貸与の場合はどうなのかということですね。優秀さといいますか。そのあたりのところもある程度,考慮の上でということで,現在のように家計基準と,それから勉学のほうの基準の両面で学内で審査した上で日本学生支援機構のほうに申請するという形をとっているわけです。

【小林主査】
 どうぞ。

【松本委員】
 このワーキンググループの検討課題がいま一つ私はわからないのですけども,今の給付か貸し付けかとか,奨学金はローンなのかとか,そういう問題は確かに重要だろうと思いますけども,そもそも奨学金事業というのが何のために国の中で行われているのかというところに少し立ち帰りますと,これは既に日本学生支援機構法その他でも明快に定められているわけで,人材の育成といいますかね,養成とか,そういうのがやはり大きな柱である訳です。今、経済的支援としての仕組み論議が中心で、返還の問題がよく言われますが、これはもう借りていて返さないのはモラールの問題でありまして,それをやはり仕組みでいろいろ工夫をすることも大事なのでしょうけども,そもそもの目的に帰ることも、今回の大きな課題と思います。
 これは私はまた別な機会に発言をさせていただきたいと思いますけど,今日は,最初に感想的なことで申し上げれば,やはり経済的支援と人材の養成という,これからの日本の社会にとって大事な人材をつくっていくのだという面が現在の奨学金事業の中にやや不足しているのでないかなと。その視点が大事だと思います。
 例えば,私はこれは非常に重要な制度だと思うのですが,今おやりになっている適格認定という,これは大変なエネルギーもかかる大作業だと思いますが,実は我々民間では,評価というのは当たり前のことであります。しかし現在の認定の内容を見ますと,何と言いますか,ちょっとネガティブチェックと言いますか,大学を続けられるのかみたいなものに対するチェックは十分これでできるとは思いますが,私はもっと人材の養成であれば,勉強中の成果を褒めてやるとか,評価してやるとか,そういうものがあっていいと思います。私どもの小さな育英団体でやっていることなのですが,成果を挙げた子には返還免除というインセンティブを与えています。
 これは,今,1学年で100名ぐらいなのですけれども,対象者の3年次までの成績と,それから私どもでやる面接という手法で,全額4年間の分を免除してあげる。この選考は、毎年私にとって感動的であり、事業をやっていてよかったと思える瞬間です。予算上の問題がありますので,毎年20人ぐらいがこの対象に選ばれますが,ほんとうにすばらしい子供たちです。やはり勉強もしていますし,ほかのことにもいろいろ興味持っているし,友達もたくさんつくれる,そういう子が挙がってくるわけです。ですから,ぜひ何かそういうインセンティブがあったほうが,成績も伸びると思うんです。そういうことで,ぜひ奨学金事業の中に返還免除制度と,先程の適格認定ですか,奨学生の評価制度としてもう少し何かポジティブなほうに使えるといいと思います。 私,企業で20年ぐらいリクルートの仕事をやっていたのですが,その中で,受けに来る学生をどう選ぶかというようなときに,質問で,「君,奨学金もらっていたことありますか」という質問をよくしました。これは私にとっては非常にポジティブ評価の問題なのです。成績表はいただいていますから,それである程度の評価ができるわけで,そういったものにこの適格認定制度が使われて,私は日本学生支援機構のAランクですということになれば,企業のほうも,「おお,採用したいな」と,こんなふうになればいいのかなというようなことを考えておりまして,ぜひこの奨学金事業の中に,人材に対する投資だという観点を入れたような仕組みが何か設計できればなというようなことを考えております。それから,給付の問題ですが,実は私どもずっと40年近く貸し付け型でやってきましたけども,2年前からそれをやめまして,残っている貸し付けの方が4年で卒業するまではやりますけれども,これからは全部,給付型に変えました。
 ただし,この場合にはもちろん家計の所得水準も日本学生支援機構のような高いレベルじゃなくて,700万以下の家庭とか,そういうふうに限定していますし,学校の推薦が必要とかいろいろ条件を設けておりますけども,やはり考えてみますと,日本学生支援機構の標準的な奨学金を借りて,なおかつ私どもの貸し付けを受けますと,大体500万ぐらいになるのですが,これを返していくのは,今の企業のほうの賃金水準ですとかベースアップと定期昇給がなくなっていくとか,そういう中では相当厳しいだろうなということで,思い切って給付型に変えました。
 まだ成果はちょっとわかりませんが,高校3年次の予約ということで,志望大学を申告してもらいまして,それで大学に受かったらばすぐ4月から支給ということでやっていますが,この学生さんたちを毎年1回,私自身も全員に会っています。これはやはりすばらしい子供たちです。こういう人がどんどん社会へ出ていってくれればいいなと思うような,ほんとうにいい学生で,ちょっと自慢話ばっかりになってしまいましたけど,そんなことも含めて,給付型というのもぜひこの場で,工夫をすれば必ずできると思いますので,ぜひやりたいなと思っています。もちろん全部は無理なのはわかっておりますけど,そんな感想を持ったところでございます。

【小林主査】
 ありがとうございました。どうぞ。

【松尾課長】
 先ほど松本先生言われた,この資料の37ページに,返還免除制度というのはそもそもございまして,昔は教職員になられると免除されるという制度がございましたけれども,今はその制度が,37ページの一番下にございますように,特に優れた業績をあげた方々に対する返還免除制度に切りかわってございます。これは平成16年4月からでございますが,大学院で第一種の無利子奨学金を受けられた方だけが対象でございますけれども,そういった方々である程度です。そういう制度はありますけれども,もっと広げてというのはあるかもしれません。

【松本委員】
 だから,もっと勉強したら結構ですよとか,そういう制度を。何割の返還免除でもいいと思います,全額ではなくて。

【松尾課長】
 大体,今,人数的には約3割の方々ですが,これは大学院だけでございますけれども。

【小林主査】
 どうぞ。

【池尾委員】
 私も,最初に申し上げましたけれども,奨学金事業というのはやはり給付型でやって,貸与の部分に関しても,今おっしゃった返還免除制度を大幅に拡充するような形でやると。本当の意味で回収というか,返してもらうという部分のほうが補助的な存在であるというのが,あるべき姿だと思っています。
 ただ,冒頭で申し上げたことの繰り返しですけど,そうするためには,国民負担増を認めていただかなければいけないので,国民負担増に関する合意形成ができていない段階では,そういう理想論を言っても実現できないということで,現状があると理解しているのですけれども,そのときに,だからといって貸与型の規模をすごく大きくするというのがほんとうにいいことなのかについては,やはり疑問があって,先ほどの再スタートのときの債務残高の多さという話がありましたけれども,やはりその問題などがあって,給付はできないから貸与でというのは,お金を渡しているときには何か同じですけど,本質的に全然違う話ですから,例えば現在,よく指摘されていますけど,月12万円まで選択できたりするわけで,12万円で4年間やって,修士まで行けば,大変な額を抱えることになって,やはり貸してあげるのが親切なときもありますが,貸さないのが親切のときもあるわけで,だから本来,給付型でやるべきところがやれないからといって,それが貸与で代替できるかという問題はあって,やはり貸与の範囲というのは,ある程度,実は限定的に考える必要があるのではないかということは思っています。
 私は,余談になってしまいますけど,高校生のときから日本育英会の奨学金をずっといただいていて,国立大学の教官を14年やりましたから,返還免除で,非常に感謝していて,非常にそういう意味で感謝していて,そういう機会が今の学生にはもうないというのは非常に残念なことだと思っているということです。

【小林主査】
 少し話が余談になりますが,国の税金を投下しているということは非常にやはり重要なことだろうと思います。それで,それを使っている以上は,借りている学生も,池尾先生のようにやはりそれを理解して,社会に貢献するのだという気持ちを持つというのも奨学金の1つの効果だろうと思います。
 東大生でも,なかなかそういうふうな意識を持つというのは少ないというのが私たちの行った調査でも出ていますので,この辺は,少し脱線しますけど,やはり国の税金を使っているのだということは非常にいつも考えないといけない。だからこそ,民間ではないという先ほどの議論に戻りますけど,民間と国の役割分担というのはいつも考えなければならないと思うのですね。
 少し時間が押してきましたが,今日,色々論点,特に定めないで色々出していただきましたが,私のほうからあと2つくらい。
 1つは,情報の問題です。これは日本ではこういった問題,少ないかなと思ったら,奨学金というのはどういう性格で,返済はどういうふうになっているかということについて,やはり理解している人がかなり少ないという現状があります。まだこれ,正確な調査ではないのですが,先ほど出てきた延滞者調査でも,延滞者についていうと,奨学金は返還しなければいけないということを知ったのが,返還の手続をする前,つまりもう借りてしまってから知った人というのが結構います。本来はもちろん返さなければならないものだとはわかって,借りないといけないわけですけれど,知らないで借りているという現状があります。
 それは,ですから先ほど言われたように,むやみに奨学金の支給を広げればそういうことも起きてしまいますから,その情報をどのようにきちんと伝達するか。これは世界各国で実は問題になっています。非常に複雑な仕組みになっていますので,いわゆる金融リテラシー,それをどういうふうに考えていくかということを,この日本学生支援機構が国の事業としてやっていく中で,やはり考えていく必要が非常にあると思います。
 それからもう一つは,これはまた議論のあるところだと思いますが,各国で見ますと,手数料などをとっている国が結構多いのです。これは多分,今のまさしく国の事業ですから,手数料はとらない,財投のほうもそのまま出しているというお話でしたけど,利子を上乗せしないとかという方式でやってこられているわけですが,今のような国の財政事情を考えますと,果たしてそれでやっていけるのかというのは非常にやはり前から疑問が投げかけられているわけです。
 これは国によって非常に考え方は違います。手数料をとっている国は,代表的な国はアメリカです。ただしこれは手数料をだんだん下げていますけれど,かなりとっています。それに対して,イギリスとかドイツとかというような国では手数料は全くとらず,むしろ利子補給ということをやっているわけですが,かなりやはり財政的に苦しくなっているということがあります。
 ですから,これをどのように考えるか,これはぜひここで議論していただければと思います。
 ほかにも,少し今日,十分議論できなかった点でもう一点だけ挙げさせていただきますと,日本学生支援機構の事業というのは,大学との関係が非常に強い。これは日本の非常に大きな特徴です。これが大学にその分,負担をかけているという言い方もできるかもしれませんし,逆に大学はそれだけ学生の面倒を見ているという言い方もできるかもしれませんが,これをどのように考えていくかということも。例えば今,大学から推薦を出していただいて,それに基づいて行っているという方式をとっているわけですが,これはオールジャパンでできなかった時代のやり方ですね。ですから、そういうことをどのように考えるかということも考えていただければと思います。
 ほかにも大きな論点としてあるかと思いますが,私のほうでは,今,さしあたりそんなところを考えております。
 今日は少なくても給付型奨学金が非常に重要だということについては全く異論が出なかったので,それについては非常にやはり私もずっとそう思っておりますので,その点では非常に皆様から色んな意見をいただきましたけど,意見の一致が見られたのではないかと思います。授業料免除でありますとか,返還免除とか,色んな方式をもう少し考えていくということも重要かなとは思いますけれど,やはり本命は,国の事業としてやるからには給付型だということだろうと思います。
 あと,もう7分ぐらいになってしまいましたが,ほかに次回に向けて特にご意見ございませんでしょうか。あるいは,こういうことはもう少しこれから論点として挙がったほうがいいというようなことはございますでしょうか。
 日本学生支援機構のほう,よろしいですか。 

【髙塩理事長代理】
 奨学金制度そのものがいろいろと意見もありますが,今日は機構のあり方ということでございますので,いろんな歴史的な経緯は小林先生が一番ご存じと思いますが,以前は,人材を誘致するための仕組みとして,教員や研究者になったら奨学金を免除という制度があったのですが,果たして今の時代にそういうものがまたあり得るのか,国家戦略として,特定分野に人材を集めるような奨学金のあり方も考えてもいいのではないかと思います。奨学金制度についての議論には,今話のあった給付型や新たな返還免除制度など,いろいろなことが考えられると思いますが,給付型の制度ができても,国が直接やるということはなかなか難しい。現在,奨学金業務では大まかにいって,貸与する業務と,回収する業務で,大体半分半分ぐらいの人員でやっていますが,給付型であっても,大学の協力を得るとしても,相当の組織がなければ実施できない。大学は,短大含めて約1,200校ですが,専門学校を加えると私どもが応対している学校の数は貸与で約4,000校にもなり,この数は半端な数ではないと思います。
 また,先程も議論がありましたけれども,予約採用については,以前の日本育英会時代には各県の教育委員会の中に支部があり,支部ごとに各県の予約をまとめていましたが,平成16年にJASSOになって支部が廃止されましたので,今は,高等学校が国公私立全部で5,000数百校ありますけれども,予約採用事務を私どもJASSOと各学校と直接やっているという状況です。文部科学省の初中行政でも,各高等学校と直接,国が事務をやるということはほとんどなく,教育委員会や知事部局の私学担当部局を通じてやっています。奨学金の業務については,約4,000校の貸与を受ける学校と,予約採用を行う約5,000校の高等学校を相手に私どもが事務を行っているという状況があります。そういうような実状をぜひご理解の上,小林先生のおっしゃる大学等との連携の話については,ご議論を賜りたいと思います。

【小林主査】
 言い忘れましたが,この検証委員会のときにその話は随分,出ていまして,ここでもやはり見直しということなので,ガバナンスとか組織のあり方とか,さらにはそれにどういうふうに予算をつけるのかというようなことについても当然,ここで議論すべきだろうと思います。
 非常に,危惧しているのは,このまま,先ほどの話ではないですけれど,貸与がどんどん増えていったら,ますます事務量は増えるだけで,人員は減らされているわけですから,とても立ち行かないということは目に見えているわけです。ですから,その辺をどう考えるかということは非常に大きな課題だろうと思います。

【池尾委員】
 一言だけ,別のことですけど,よろしいですか。

【小林主査】
 どうぞ。

【池尾委員】
 貸与で実施しているときに,だから回収という話に,私,ちょっと個人的にはアンビバレントで,大学教員としては,奨学金に関して回収をうるさく言うというのはあまり,そのようなことしなくてもいいのではないかと教員としては思うのですけれども,ただ貸与の原資というのは財投から来ていて,それは国債であったり預託金であったりして,いわば国民からお借りしているお金だから,国民からお借りしているお金を毀損させるわけにはいかないということはあって,そこはやはりこだわらざるを得ないという少しアンビバレントな感じだけど,やはりそこはこだわらざるを得ない。国民からお借りしているお金を毀損させるということは,いくら大義名分があってもできないというところがあると思うので,そこはそこでやはり考えていただかなければいけないと。

【小林主査】
 わかりました。

【笹倉委員】
 私のほうも,お金を借りているということを明確にするためにということで,JASSOのほうからも今,努力されているのは,借りる最初の段階で借用書を出させるということをされています。そのときに,私ども大学のほうのそれぞれの担当部署が説明をするし,それからJASSOの方も来ていただいて説明をするということで,お金を借りているということについては十分に認識はあります。奨学金を借りている時点,ですから入学してすぐの時点で行っていますので。だから先生とは少し言い方は違うんですけれども,そういう現実があるということだけ述べさせていただきます。

【小林主査】
 どうもありがとうございました。色々なご意見が出ましたので,今日は第1回ということで,あまり論点も提示せずに行いましたが,大体,論点は出たかなと思っております。まだ検討しなければならないことはあるかと思いますが,第2回以降は,まずヒアリングということで,さらに情報をいただいて,それからまた議論していくというふうに考えております。どうもありがとうございました。
 では,事務局のほうから今後の予定について,よろしくお願いいたします。

【辻課長補佐】
 資料8でございます。今後の日程につきましては,本ワーキンググループ,第1ワーキンググループでございますが,第2回は6月20日水曜日15時から予定しております。どうぞよろしくお願いいたします。
 全体では3回ほど予定しておりますけれども,その3回目は日程を追って調整いたしますけども,7月の中・下旬ごろを予定しております。ワーキンググループとしてはその3回を予定しておりまして,その後はいわゆる親委員会に検討の場が移りまして,9月の上・中旬ごろを目途に,検討会としての考えを取りまとめるというようなスケジュールで考えております。
 以上でございます。

【小林主査】
 どうもありがとうございました。
 皆様のほうから何かございますか。よろしいでしょうか。
 では,これで第1回のワーキンググループ,閉めさせていただきます。どうもありがとうございました。

―― 了 ――

 

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-- 登録:平成24年06月 --