薬学部教育の質保証専門小委員会(第4回)議事要旨

1.日時

令和4年4月27日(水曜日)10時00分~13時00分

2.場所

Web会議

3.議題

  1. 薬学部教育の質保証の調査について
  2. その他

4.出席者

委員

伊藤委員、乾主査、入江委員、亀井委員、北澤委員、後藤委員、西島委員、長谷川委員、平田委員

5.議事要旨

(1)薬学部教育の質保証の調査について
○冒頭、本日のヒアリングの実施要領等について確認を行った。
○平成 15 年以降に新設された薬学部のうち、薬学教育の質保証のために一定の取組を行っていると考えられた3薬学部にヒアリングを行った。
 
※ヒアリングにより把握した取組事例等(○)及び課題(●)の概要をそれぞれ記載した。
 
1 入学者選抜の在り方、入学定員に関する取組について
○ 入試科目の改善を図り、化学の配点を大きくしたことにより、化学を苦手とする学生が 減少し、薬学教育の質の向上につながった。
● 選抜方法の妥当性について検証を行い、出題科目や出題内容を不断に見直すことが重 要ではないか。また、薬学を学ぶために必要な一定の知識を確認する試験等により、入学 志願者の将来の医療人としての資質・能力、意欲や適性等を特に重視した評価を行うこと が重要ではないか。
 
2 教学マネジメント(教育課程・教育方法、学修成果・教育成果の把握・可視化、進路 指導等、FD/SD、教学IR、情報の公表等)について
○ 高学年の学生が低学年の学生に勉強を教える取組(スチューデントアシスタント)を行 っている。
● 課外活動等も含め学生間の関係を充実させ相互に学び合うことを通じて学修意欲の喚起や学修成果の向上につながる方策も考えられるのではないか。
○ 在学生等に対して、卒業率、国家試験合格率、退学等の割合を周知する取組が十分に行われていない。
● 大学教育の成果や質に係る情報については、ホームページや入学案内等において、受験生や保護者、在学生等に分かりやすい形で公表すべきではないか。
○ 教学IR(インスティテューショナル・リサーチ)が十分に機能していないため、最新のデータに基づいた十分な分析ができていない。
● 教学IRは質の高い薬学教育の根幹をなすものであり、客観的なデータ及び分析結果 に基づくカリキュラムの見直しや学生の特徴を踏まえた効果的な学修方法の改善・充実 に取り組み、その結果を評価する取組を継続することが重要ではないか。
○ 標準修業年限における卒業率や国家試験合格率について薬学部全体の中では中位の大学であっても、教学IRが十分機能していない。
● ヒアリングの対象となっていない大学に対しても質保証のための取組を促し、薬学教 育の底上げを図っていくことが重要ではないか。
 
(3)その他
○ 地域の薬剤師会等との交流が盛んであり、質の高い薬学教育の協力体制の強化に取り 組んでいる。
● 地域の薬剤師会との連携等により、最新の臨床現場に対する理解などの医療を取り巻く環境の変化に対応するための取組(FD等)が必要ではないか。
○ 次のとおり、薬学教育の質の充実・改善に着実に取り組み、一定の成果が確認できた薬学部があった。
・ チューター制度による丁寧な生活・修学支援、入試制度や奨学金制度、薬学部の実 績や特色等について、立地する都道府県以外の地域の高校生等に対して広く周知し ている。
・ 成績優秀者が早期に研究室配属を行うコースを選択できる取組を行っている。
・ 入学者の状況に合わせて定員数を削減し、教員数を減らすことなく教育の質の確保 に取り組んでいる。
・ 教学IRの結果をもとにFDのテーマを決定している。
・ 地域の薬剤師会等と連携した取組を通して、地域の薬剤師の確保に取り組んでいる。
● 今後、評価機構においても各大学の優れた取組を積極的に公表するなど評価結果を広く大学間で共有していくための取組を実施していくことも重要ではないか。
 

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