薬学部教育の質保証専門小委員会(第7回)議事録

1.日時

令和4年7月22日(金曜日)14時00分~16時00分

2.場所

Web会議

3.議題

  1. 薬学部教育の質の保証に向けた方策に関するとりまとめ(案)について
  2. その他

4.出席者

委員

伊藤委員、乾委員、入江委員、亀井委員、北澤委員、後藤委員、西島委員、長谷川委員、平田委員

5.議事録

【乾主査】  皆さん、こんにちは。主査の乾でございます。定刻になりましたので、これより薬学部教育の質保証専門小委員会、第7回を開催いたします。
 新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、ウェブ会議による開催ということになっておりますが、傍聴希望者に対しましては、YouTube文部科学省会議専用チャンネルからライブ配信をしております。
 また、本日は報道機関から撮影の希望をいただいているため、議事の冒頭のみ、これを許可するとともに、会議の配信映像の放送活用の希望をいただいております。それで、これを許可したいと思いますが、委員の皆さん、よろしいでしょうか。
 それでは、皆さん同意をいただきましたので、そのようにさせていただきたいと思います。
 それでは、まず最初に先生方の出席状況、それから配付資料の確認等を事務局にお願いいたしたいと思います。よろしくお願いします。
【事務局】  事務局から申し上げます。本日、委員の先生方全員御出席をいただいております。続きまして、配付資料の確認をいたします。議事次第に沿いまして御説明いたします。
 配付資料、資料1「6年制課程における薬学部教育の質保証に関する取りまとめ(案)」。資料2「第6回委員会資料2(取りまとめ(素案))からの変更点」となります。参考資料は1から5まで、関係資料を添付してございます。
 また、連絡事項について申し上げます。オンライン会議の進行に当たってのお願いでございます。御発言される場合には、Zoomの挙手ボタンを押していただきますようお願いいたします。その後、主査から順に発言者を御指名いただきますので、御発言いただく場合はマイクがミュートになっていないことを御確認の上、御発言をお願いできればと思っております。また、御発言時以外はマイクをミュートにしていただき、そのほか動作不良などがございましたら、事前にお伝えしている事務局の電話番号まで御連絡をいただければと思います。
【乾主査】  ありがとうございました。前回に続いて今回も公開ということになっておりますけれども、ただいま配付資料等の説明をいただきましたけれども、何か御不明な点はございませんでしょうか。
 よろしいですか。それでは、ないようでございますので、ただいまから議事に入ることにしたいと思います。撮影につきましてはこれまでとさせていただきます。記者の方は御退出をお願いいたします。
(報道関係者退室)
【乾主査】  それでは、事務局より、資料に基づき説明をお願いいたします。
 まず、この議題にありますように、6年制課程における薬学部教育の質保証に関する取りまとめ(案)についてということでございます。説明をお願いします。
【事務局】  事務局でございます。資料1が、今回、配付している取りまとめ案でございまして、資料2が、前回会議で配付した資料に、先生方の御意見、またその会議後に寄せられた御意見を踏まえて、見え消しの形で分かりやすく修正をかけている資料でございます。この資料2に基づきまして、御説明させていただきます。
 まず、資料2の1ページを御覧ください。「1.はじめに」というところですけれども、3つ目の○、これまでの審議の経過を踏まえまして、ヒアリングを含め、本日の審議を合わせ合計10回の審議を重ねたというところで入れております。
 次に、2ページを御覧いただければと思います。一番下の○ですけれども、医療をめぐる状況というところで、医療の高度化、多職種連携の推進、医師の働き方改革により、薬剤師に求められる役割がさらに増大していく中において、質の高い薬剤師を養成するために教育の質を向上させるための取組を充実・強化する必要があるというところで、赤字を追記してございます。
 医師の働き方改革につきましては、令和6年4月から、医師に対する時間外労働の上限規制が適用されるところであり、こちらに関しても注釈に記述しております。
 それから、3ページ、「3.今後の薬学部教育の改善・充実の方向性」についてでございます。
 4ページの(2)入学定員に関する取組を御覧いただければと思います。
 まず1点目の○ですけれども、薬剤師国家試験の受験資格に関して、文言の修正を行っております。
 また、3つ目の○、「このため」のところでございます。こちらは、「6年制課程の薬学に係る学部・学科の新設、及び収容定員の増に関して抑制方針を取ることとし、速やかに制度化を進める」と記載があります。続いてその例外措置について書いた部分でございますけれども、前回の会議における御意見等を踏まえまして、赤字を追記してございます。
 まず、なお書きのところで、「地域偏在への対応により過度に定員が増加することのないよう、増加する定員規模の適正性について十分な検討を行うべきである」こと。
 また、「例外措置は一定の期間において認めることとし、当該例外措置の将来的な取扱いについては、地域における社会的な薬剤師の養成に係る需要等に照らして検討を行うべきである」こと、この2点を追記してございます。
 その次の○、「また」というところですけれども、こちらは既存の大学における入学定員の適正化について記述した箇所でございます。
 中段以降ですけれども、また、定員未充足の大学に対して、教育未来創造会議第一次提言を踏まえ、「私学助成について、定員未充足の大学に対する減額率の引上げや不交付の厳格化など、メリハリある財政支援により、より一層の入学定員の適正化を求めていく」というところで、改めて明確化してございます。
 次に、5ページにお移りいただければと思います。(3)教学マネジメントの確立です。
 1つ目の○で、ディプロマ・ポリシー、カリキュラム・ポリシー、アドミッション・ポリシーの3つの方針について、改めて記載しております。
 それから、3つ目の○を追記してございまして、こちらは、それ以降の整理の仕方についてですけれども、教学マネジメント指針におきまして、「3つの方針を通じた教育目標の具体化」のほか、「教育課程の編成・実施」、「学修成果・教育成果の把握・可視化」、FD・SD/教学IR」、「情報の公表」、これらの項目に分けて内容が整理されているところでございますので、本報告におきましても、「これらの項目に関して、薬学教育においてさらに対応が必要である事項について次のとおり整理する」としております。
 続いてア)教育課程・教育方法の箇所でございます。6ページにお移りいただければと思います。
 冒頭1つ目の○ですけれども、「このため」というところで、こちらはモデル・コアカリキュラムに準拠した学修のみならず、大学独自の授業科目の充実を図る必要があるということを書いた部分ですけれども、赤字のとおり、「専門分野における専門教育のみならず、幅広い教養を身につけた上で、高い倫理感や論理的思考力を有して行動できる人材の育成が求められており」というところで、「21世紀型市民」の内容についてより詳しく明記してございます。
 続いて○では、「今後の実務実習に関してもモデル・コアカリキュラムの見直しの検討とともに、臨床実習の充実に向けて検討すべきである」と追記してございます。
 続いてイ)学修成果・教育成果の把握・可視化、進路指導等の項目についてです。
 3つ目の○ですけれども、少し内容が不明瞭であったところを文言を補足してございます。赤字のとおり、「また」というところで、「4年次まで進級しているにもかかわらず、総合的な学力不足を理由にその後の年次の留年割合が高く、標準修業年限内での卒業率が低い大学も存在するが、特定年次の特定科目が進級や卒業へ大きく影響することは、ディプロマ・ポリシーやカリキュラム・ポリシーとの関係から、カリキュラムや評価の妥当性について疑義を生じかねないものであり」ということで追記してございます。
 7ページでございます。3つ目の○です。こちらは入学後のミスマッチについて記載した箇所でございます。
 中段ですけれども、薬剤師としての資質・能力や適性に課題があるといったことに加え、「薬剤師の業務を十分理解しないまま進学したなどの理由によって、他の分野への進学を希望する学生の支援に当たっては」というところで、理由を追記してございます。
 それからウ)FD/SD、教学IR。2つ目の○ですけれども、「このため」というところで、教員のFDの実施について触れた箇所です。
 8ページのほうに続いていただきまして、こちらでは、FDの実施及び講習会の研修会の機会の充実により、指導能力に課題を有する教員に対しては、「着実に指導能力の向上につなげていく」といった形で修正をさせていただいております。
 続いてエ)情報の公表につきましては、まず1つ目の○で、大学は、「教育理念や教育目標、6年制課程における人材養成の目的、要請する薬剤師像などを広く公表することが求められ、各大学の特色に応じて、地域へ貢献する人材の育成方針等も含む教育内容について明らかにする必要がある」として、大学として求められる内容について、こちらに改めて明記してございます。
 それから4ポツの最後の「おわりに」というところを御覧いただければと思います。
 10ページに移りますけれども、4年制課程の学部・学科に関しての記述、また位置について、前回御意見等いただいたところでございます。1つ○を立てて、この場所で以下のとおり、記述してございます。
 「4年制課程の学部・学科については、薬学に関連した多様な分野に進む人材の養成を目的としており、創薬等の基礎研究分野に貢献する人材の養成を行っている」と。「6年制課程の質の保証と併せて、4年制課程についても人材の養成の現状等を踏まえつつ、引き続き充実方策を検討する必要がある」という形で書かせていただいております。
 最後に、「薬学教育の質の改善・充実のためには」というところで、前回、大学関係者、また、その他の関係者の取組に関しての御意見があったかと思います。
 こちらは、「大学関係者はもとより、評価機構等の関係団体や薬剤師会・病院薬剤師会等における取組の充実、厚生労働省及び文部科学省における、より一層連携した施策の実施など、関係各位において本取りまとめの対応策を着実に実行していく必要がある」といった形で書かせていただいております。
 説明は以上でございます。御審議のほどどうぞよろしくお願いいたします。
【乾主査】  ありがとうございました。
 まず最初に、少し主査のほうから申し上げたいと思いますが、前回は初めて公開ということで、それと、皆さんに知っていただきたいということで、少し丁寧に説明してもらった上で、その経緯とかも含めて説明してもらって、その後、案について説明をするという形でした。
 だから、大分そっちに時間を取ったために、各委員の御意見が、少し少なかったんじゃないかなと、主査として反省しています。実は私も、あんまりしゃべり過ぎるのはよくないと思って差し控えていたことも事実です。
 だから、今回が一応最後ということにもなりますし、それから、委員の意見をもう少し言ってもらったほうがいいんじゃないか。ここまで来るのに相当意見を言ってもらったわけです。さっきありましたように、合計10回やったわけです。
 本当に皆さんにいろいろとやっていただいて、ここまでまとめ上げたんですけれども、その中でも、まだちょっと不透明な部分もあるし、それからもう一つ気になるのは、メディアのほうから発表されて、それで前回終わった後、いろいろ出て、最近でも一般紙にも出たりしているわけですけど、あたかももう決まっちゃったみたいな感じで言われていますけれども、その辺りもまだまだ、完全に私たち委員が納得しているということではないということ、それも今日はしっかり申し上げないといけないと思います。
 特に、この小委員会で、これまで本当に突っ込んだ話をいろいろしました。
 だからその辺りも、私はやっぱり主査の責任として、この小委員会の責任はすごく大きいと思うので、その時も申し上げましたが、やっぱり、ここでしっかりと議論して、国民の皆さんにある程度知っていただく、納得していただく、そういう役割があると考えています。
 そうしないと、今度またこの親委員会、在り方検討会で、この間の12月の続きみたいな格好で、またいろいろ発言が出てくる可能性が十分ありますからね。
 だから、今日は委員の意見ももう少しいただいておいたほうがいいし、それから、あんまりメディア先行でどんどん行っちゃうのもいかがかなと、私は思います。
 だから、今日はその辺りも含めて、主査として進行に当たりたいなというふうに考えています。どうかよろしくお願いします。
 それで、前回と同じように、まず最初に、今、事務局から説明いただいた1と2について御意見をいただきます。それから、3の(1)と(2)について御意見いただいて、その次に、3の(3)、アからウまでについて御意見いただく。そして最後はエから最後、情報のところから最後のところまでということで、4つに分けて議論を進めたほうがよろしいんじゃないかなと思いますので、そういう手順で進めさせていただきます。
 まず、1、2について御意見をいただくということにしたいと思います。だから、1、2というのは、1ページから2ページの終わりまでということになりますがいかがでしょうか。
 この辺りは、大体もう本当によく練ってきたから、そんなに修正する場所もないし、意見も、これは大体意思統一ができているのかなと思いますが、もう少し、念のために委員の皆さんの御意見をいただきたいなと思います。
 亀井委員、お願いします。
【亀井委員】  どなたも発言がなかったので。ここの2ページまでのところにつきましては、赤字の箇所が1か所、追記していただいたところがございますけれども、追記していただいて非常に、より、これから薬剤師に求められる役割というのが伝わるようになったんじゃないかと思いますので、それだけお伝えさせていただきます。
 以上です。
【乾主査】  これは亀井委員から意見があったということを私も聞いております。ありがとうございました。大事なところだと思います。
 そのほか、いかがでしょうか。よろしいですか。
 伊藤委員も大丈夫ですか。何か発言があるんじゃないかと思ったんですが。
【伊藤委員】  特にございません。よろしくお願いします。ありがとうございます。
【乾主査】  はい。それじゃ、よろしいでしょうかね。
 それでは次に参りましょう。次は、3の(1)と(2)ということで、3ページからということになるんですけれども、入学選抜の在り方、それから(2)は入学定員に関する取組ということで、これは修正箇所もたくさんあるし、修正がないところでもいろいろと御意見があろうかと思いますが、いかがでしょうか。
 ちょっとこの辺りは一番私、気になっているところなので、最初に申し上げてもいいかな、それとももう少し後で。
 メディアがいろいろと書かれておるでしょう。その辺りのところは委員の皆さんも、こんなことはまだ議論、表に出ていないということを、それは気にされたと思うし、かなり多くの方が御意見があるんじゃないかと思います。
 だから、特に3について以前、申し上げたと思いますが、その辺も含めて、委員の先生から最初に御発言いただいてもいいかなと思います。
 平田委員、お願いできますか。
【平田委員】  ありがとうございます。さっきのメディアのところの取上げ方ですが、取り上げた内容が間違っているわけではないのですが、2025年度以降の新設を認めないということが強調されて、今回の提言本質というのは、既存の大学の教育の質保証についてであり、その点の議論が主だったので、ぜひ、その内容がしっかり伝えていただきたいと思います。このとりまとめにはちゃんと書いてあるんですけど、なぜか取上げ方が、定員抑制のところにフォーカスされているので、当然これからのことということですけど、現状の教育の質、それをしっかり考えないといけないという大学へのメッセージは、今回非常に明確に示されたと思うので、内容を読み込めば当然分かることだと思うんですけど、委員会としては、その趣旨でとりまとめを行ったということが非常に重要と考えます。
 後から出てくるかもしれないですが、やはり大学に対して求めているところがあるので、大学に対して、前も言いましたけど、今後関係団体が当然やっていかないといけないことはあるんですけど、やはり既存の大学がしっかり考えてほしいというのがありますし、今回入学定員に関する取組の前に、やはり入学者選抜の在り方というのが重要で、そこが今回の委員会の中での議論では重要なところだったと思います。その辺りの捉え方が、ともすると定員抑制に行ってしまうんですけど、むしろ、ここでかなりフォーカスを絞って議論した入学者選抜の在り方については、やはり明確なメッセージとしてこれからも伝えていかないといけないと思います。
 以上です。
【乾主査】  ありがとうございました。教学マネジメントのことは後で出てきますから、ちょっとそれは置いておいて。
【平田委員】  はい。まずは入学者選抜とか定員のことについてということで、発言させていただきました。
【乾主査】  はい、ありがとうございました。ほかはいかがでしょうか。
 亀井委員、お願いします。
【亀井委員】  ありがとうございます。今、平田委員からも具体的に2025年というお話がありましたけれども、今回赤字でないところで、速やかに制度化を進める必要があるという部分について、この部分については、具体的にこの委員会ではまだ議論していないとところなんですけれども、文科省がここについてどのように考えているのかというのを、まず伺いたいと思いますが。
【事務局】  事務局です。お答えいたします。
 有識者会議において報告書が取りまとめられた場合には、文部科学省におきまして、遅滞なく関係告示の改正等、必要な手続を経て制度化、すなわち今年度中を目途に制度化が図られるように準備を進めてまいりたいと考えております。
 その上でですけれども、制度の適用につきましては、一般的に一定の周知期間を経て、早くても令和5年度以降に申請が行われる大学というところで、令和7年度4月開設分の学部・学科の設置、及び収容定員の増加の申請、これが令和5年度以降に申請が行われますので、早ければそこから開始するというところが想定されるところでございますけれども、いずれにしましても、本会議における報告案、また、その報告書が取りまとめられた場合に必要な手続を進めてまいりたいと考えております。
【乾主査】  今、事務局からの説明があったんですが、亀井委員、よろしゅうございますか。そういうことなんですけれども。
 それで、ちょっとその辺りについても、主査としてやっぱりいろいろと社会に向けてのメッセージということで、これだけ話題になっておって、それでいいんかというのは、これは小委員会のときにも私、申し上げているし、それから委員の中でも御発言いただいたと、同意をいただいたと思います。
 それで、なぜかというと、もう少し説明しないと分かりづらいと思うので、クローズのときには説明したと思いますが、記者発表だけ、メディアだけだったら、もう今のところだけを捉えてというところが非常に強いわけです。
 それで、私はこの親会、在り方検討会の第1回のときに発言をして、自由発言だったということで申し上げたんですけれども、6年制に関することについて設置基準をつくる時に委員として私、関わりました。それから、それと同時にすぐ、設置審の委員も務めました。
 そこで本当に複数年にわたって設置審の委員をやりましたから、忸怩たる思いということ、それは皆さんに伝えたので、今日はまた記者の方が聞かれていると思いますので、あえてちょっと言いたいと思います。
 それで、まず、要するに2025年度以降、令和7年以降では、今、周知期間ということをおっしゃったんですけど、社会に向けて本当にスピード感ということにやっぱり欠けているということを言われても、ルールだから仕方ないといえばそれはそうかもしれないけれども、やっぱり印象としてはスピード感に欠けているということは否めないと思うし、それと同時に、今、既にありますけど、明らかに駆け込みと思われるような申請などに対してどういうふうに対応するか。それから、社会に向けてどのように説明するかということですね、そういうところがやっぱり非常に気にはなるわけです。
 その根拠の一つとして、ずっと遡りますけれども、6年制がスタートした直後、その次の年です。2007年、平成19年です。平成19年4月23日の参議院の決算委員会で、藤井基之参議院議員が政府の見解をただしているわけです。これは議事録にもありますし、それから薬事日報の平成19年4月25日にも出ております。
 要するに、薬剤師の需給予測や薬学部の新設が相次いでいる問題に対して政府の見解をただしたというようになっているんですけれども、その要点だけ申しますと、その当時の文部科学大臣は伊吹文明衆議院議員です。基準に合致していれば設置を認めていると。文科省が介入し、大学の数をコントロールすることは難しいと。
 しかしここですね、しかし、所管官庁で抑制の申出があり、社会的合意が得られると判断した場合は措置を講じていると。これは医学・歯学・獣医、など4つの分野ということになっていますけれども、だから、まずは厚労省が需給計画を立てて文科省に協議を申し入れるべきだという、そういう趣旨の答弁があったわけです。
 ずっと、そういう流れで行くと、結局14年後です。2021年、去年の6月に、厚生労働省の、薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会において提言がなされたということで、そこから本格的に動いてきたということなんですけども、それよりもっと前から結構話題にはなっておったことは事実で、薬学関係者だったらみんな知っているし、時々メディア等にも出ていることだったと思います。
 それから、根拠の2番目として、私自身のことを、ちょっと個人的なことを申しましたけれども、設置審にずっと関わってきました。
 それで、どういうことを申し上げたかというと、私のバックグラウンドは、薬剤部長として20年間やってきて、それで教育のこともいろいろ関わってきて関心があったわけですけれども、結局、実習とかそういうところがかなり大変なことになってくるわけです。人数がどんどん増えたら。需給バランスのことももちろんですけど、現場の薬剤部長としたら、それだけどんどんつくられたら学生の実務実習ができなくなりますよと発言しました。
 そういうことで、何度も委員会のたびに、それから普通の設置審議委員じゃなしにもう一つ上の親会議に報告に行った時に、私は意見を述べました。そういうことを座長に申し上げたら、その座長は「いや、そんなことは今まで聞いたことがなかった」ということを言われてびっくりしたんですけれども、そういう記憶もありますし、とにかく、そういう状況がずっと続いてきて、結果的に何が起こったかというと、平成15年から20年、皆さん御存じの、参考資料の中にも出ていますけれども、平成15年から20年の6年間に28学部が新設されているわけです。そういうことが起こってきたわけですよ。
 だから、これはやっぱり社会的にはすごく大きな問題なんですけれども、それがやっと今になって議論されるということに対して、それから、毎回言われたのは、医学部は閣議決定があると。だけど薬学はないから認めざるを得ないと。そればっかりずっと言われてきたわけですよ。だから本当に、非常に残念な思いをずっとしてきました。
 それから根拠の3つ目。これは、この間この委員会のヒアリングで、医学部入学定員の推移と、それから医師需給問題の論点ということで、参考人のお名前を申し上げてもいいんじゃないかと思うのであえて申しますけど、片峰茂先生、長崎大学で御活躍され、長崎市立病院機構の理事長をなさっていますけれども、厚生労働省の医療従事者の需給に関する検討会、医師需給分科会の座長でいらっしゃいます。
 片峰先生が私たちに示してくださったデータの一番最初のスライドを見て、私はびっくりしたんですよ。いかに医学の場合には、きちっと閣議決定で定員がコントロールされているかということ。あれはやっぱりすごいことだと感心しました。
 それも、閣議決定というのは1回だけだと思っていましたが3回余り、あるいは大臣の合意というのもあったりして、とにかくしっかりとやられているわけです。だけどそれに比べて――もう本当に、あの先生の講演を聞いて、本当に何とも言えない、やっぱり忸怩たる思いということですけれども、そういうことがあったわけです。
 だから、これはやっぱり、この小委員会、質保証ということで、社会的に皆さん関心があるからメディアもどんどん書くんだろうと思うんですけれども、これだけ話題になっていて、それで、今、事務局から言われたような、3年後ですか、令和7年ですね、「2025年以降は」ということになっているわけです。
 それは、今の周知期間ということを入れたらそうだと言うけれども、そんなもんかと。
 本当に薬学改革は周回遅れでやられているという、そういうイメージを、国民の皆さんはやっぱりそういう印象しか持たないと思いますね。
 だから、委員会が今の事務局案に対してすんなり納得したのかといったら、私はやっぱりそうじゃないと言いたいので。多くの委員も、大体その点は、そんなに異論は、この間、話を皆さんに伺ったときになかったと思います。
 だから、それはどうしようもない部分もあるかもしれないけれども、本当にこれからまだ駆け込みと思われる申請、そんなものは当然出てくると思うし。当然というか、想像ですよ、私の想像ですけれども、そういうことに対して、ある程度きちっと毅然たる態度で臨まないと、薬学に対する、社会に対する責任、それから、多くの次の世代を担う人たちに、やっぱり夢のある学部であって、それから薬剤師の職種がいかに大事かということ、そういうメッセージのところでも、何かマイナスイメージを与えちゃうと思います。
 どちらかといえば、この委員会がやっていることはネガティブのことの議論が多かったわけですけど、よかったということもたくさんあるわけですよね。
 だから、それもこの中に盛り込んでほしいというのが主査としての強い思いで、それはもう事務局にしょっちゅう言っていることなんですが、皆さんにもお話ししているから、そういうことも入れていただいているので、それはそれでいいと思いますが。取りあえず、ちょっと長くなりましたけど、ここは記者の皆さんがいろいろと、表面的なことだけ捉えるんじゃなしに、日本のバックグラウンド、それから今の現状のことと過去の経緯がどうだったかということもよく踏まえて報道していただきたいなと、主査として思いますので、あえて問題提起、話題提供ということにさせていただきたいと思います。
 ちょっとたくさんしゃべり過ぎたかなと思いますけども、前回は何も言わなかったので今日は許されるかなと思って、主査の立場としてちょっと申し上げたというところでございます。
 いろいろと御意見、御異論もあろうかなと思いますので、どうぞ発言していただいたらよろしいかと思います。
 亀井委員、お願いします。
【亀井委員】  すみません、ほかの方が発言するまでと思いまして。今、本当に乾先生の思いというのが伝わってまいりました。
 先ほど私の質問で、令和7年度からというのが、恐らく速やかにという判断でのことなんじゃないかと受け止めております。令和7年度からしかやはりできないということでそういう説明をされたのかなというふうには思います。やはり、新しい仕組みというのはどんなに急いでもそうだということなのかもしれませんけど、その間の取扱いというのがやはり非常に重要なんじゃないかと思っていまして。
 というのも今回、上から3つ目のポチですけど、その下のところの私学助成についてというような記述を見ますと、やはり今回の取りまとめを受けて、定員の見直しを行う大学が出てくると。その多くは、定員を削減する方向で動くんじゃないかと思うわけです。
 その一方で、例えば増やしたいという大学が出てきたときに、その取扱いを今までどおり自由にということになるのか、それとも何かしらの要件などを求めるのか。
 というのも、今までこの小委員会でヒアリングをさせていただいた大学の中には、度々定員を減らして対応しているといったような大学もあったかと思いますし、減らすというのは恐らく大学にとっては大きな決断かと思うんです。
 ただ、その大きな決断をしても、やはり1つ大学が増えたりしますと影響があるということで、決断の効果がよく分からなくなってしまうといったようなことがあったんじゃないかと思います。
 なので、この取りまとめを受けて、各大学がいろいろとすぐに動かなければといったときに、片や減らす、片や増やすといったようなところをどのようにコントロールしていくのかというのは非常に難しいところなんじゃないかと思いますが、その辺りはいかがなんでしょう。
【乾主査】  平田先生、お願いできますか。
【平田委員】  すみません、何回も。定員のことですけど、増やすことについては当然とりまとめに書いてあるんですけど、減らすことに対して、やはり教育の質の保証が最初であって、それがなければたとえ定員を減らしたとしても負のスパイラルに入ってしまうだけだと思うんですよね。
 だから、とにかく定員を減らすことが解決方法だというのではなくて、まずは今回取り上げた教育の質の保証をしっかり考えるべきなのかなと思いました。
 だから、今回のとりまとめは新設とか定員を増やすことに言及しているところなので、さっきのが聞き逃しでなかったら、設置審の申請で考えたら2年前から動かなければならないから、来年度ぐらいから動く分に対しては、もうそういった考え方が入るというように私には聞こました。
 ですから、その中で考えたときに、遅いか早いかは別としても、今回のとりまとめでそういうメッセージが出るというのは一つ意味のあることと思いますし、教育の質のことと定員のことはある意味でリンクして考えないといけないですけど、先に来るのは教育の質の保証であって、たとえ定員を減らしたとしても、その大学がどんどんしぼんでしまう状況になりかねないし、私学の場合、あまり言えないかもしれませんけど、定員削減がそのまま教育の質の向上に反映されるとは言えない場合もあるように思いますので。
 だから、まずは質保証にしっかり取り組むべきということかと思います。
 だから、設置の話が出て、これは第三者評価のところでも言おうと思ったんですけど、設置、認可の後にいわゆるアフターケアのところが当然あるはずなので、そこの部分を薬学でどうするかという議論は、あくまでアフターケアって文部科学省の案件だと思うので、今の薬学の状況を考えればそこが明確になればいいのかなと思います。
 その時の大学の内部質保証と外部質保証の関係、在り方という、よく言われることですけど、その辺りが大学の中で明確になっていないと思いますので、まずはどのように教育の質を高めるかということに関しては、いわゆる薬学全体での共通認識というか、それが足りないと思います。
 そうしないと、ある方向に向かって一つの動きとして定まっていかないような気がするので、どこがどうやって主導するかということはあるかもしれませんけど、各大学の事情もあるし、地域偏在の話もあるのでなかなか難しいですけど、やはりまずは明確にその方向性が示されるべきと思います。
 今回のとりまとめがその一つの方向というか、方針になればよいと思います。ただ、今度は実際のアクションとして誰がどうするのという、そこになってくるのかと思いますけ。みんなでというのが一番最後に書いてありますけど、そのあたりの議論が引き続き必要かと思います。
【乾主査】  ありがとうございました。とにかく、設置後の履行調査というのは設置審でもやっていることはやっているわけですよね。だけど、それはもう単発で終わっていることは事実だと思いますし、それから、平成26年だったかな、文科省の在り方検討会で、フォローについて、平成26年にやったと思うんですけれども、それも中途半端な状態で終わっていることも事実だと思います。
 だから、平田委員のおっしゃったことはもっともだと思うので、それはきちっと継続して、チェックの機構が働くように、今度はやらないといけないですね。
 それはもう、当然それは事務局でも何年かごとに見直しをする予定だということ、それを私、内々的には聞いているんですけれども、後のアフターケアのことは注目するということだと思います。
 伊藤委員が手が挙がったようですから、伊藤委員、お願いできますか。
【伊藤委員】  今、アフターケアの話をしていましたけども、結局、以前に問題点を指摘した大学の中には、やはり改善されなくて、今回またヒアリングを受けているという大学があって、改善が恐らく難しいんだろうと思うんです。
 その中で、我々が目指すところはやっぱり質の高い薬剤師を輩出するためにちゃんと教育をやっていくということです。平田先生も教育の質保証とおっしゃっていましたけども、それができているかどうかというところで見ていくんだろうと思うんです。
 そういう意味で、制度上仕方ないというのはそうなのかもしれませんが、いわゆる修業年限ですね、卒業率または国家試験合格率が低いという状態にあるにもかかわらず、定員増しますよとか、そういうところが出てきたときに、それでも認められるというのは、やはりそれはかなりの違和感を覚えるんです。
 ですから、そういう判断基準というのは、今年、来年あたり、令和5年度までの間に、そういう判断を入れられないのかどうか。令和5年度以降だったら、新しい制度ができてそこでやっていけばいいんでしょうけども、それは不可能ということなんでしょうか。
 要するに、これだけ教育の質が問題になっている大学があり、多くの大学が恐らくそうだと思うんです。それでも定員を削減するんじゃなくて増やすというときに、それは減らせないんでしょうかね。
 減らすのではなく、ごめんなさい、定員増を拒否することはやっぱりできないんでしょうか、制度上は。そういう観点というのは、審議するときに入れることは不可能なんでしょうか。
 私も審議委員をやったときは、そういう観点はなかったのですが。
【事務局】  お答えいたします。事務局でございます。
 新しくこの報告を受けて制度化されるまでの間におきましては、既存の制度下の基準における取扱いということになりますけれども、今回の審議の背景ですとか、また、会議における先生方の御議論、こういったところを丁寧に御説明していくことによって、各大学に理解を求めて、適切な対応を文部科学省としては促してまいりたいと考えております。
【伊藤委員】  それは例えば定員増したいと申請があったとしますね。こんな人数は無理だとか、あなたの大学の今までの教育の現状からすると、この人数はやっぱり無理でしょうということを言うということは可能なんですか。そういうことで大学に再考を促すということはできるんでしょうか。
【事務局】  お答えいたします。現行の基準の下での、設置認可の審査において、定員確保の見通しといったところはこれまでも確認してきてございますので、その趣旨で、引き続き確認するといったことをできると思っております。
【伊藤委員】  すみません、定員の確保は、私も大学にいたときに、それは市場調査でやるんですが、今問題になっているのは定員の確保じゃなくて、入った後、ちゃんと教育して、ちゃんとした薬剤師を養成できるのかどうかという観点で、我々はずっと議論しているんですよね。
 その観点からして、定員は駄目ですよということを言ったって、定員そのものは問題じゃなくて、やっぱり教育の質が追いついていないんじゃないかというところが問題なわけですよね。
 そういう観点で、大学に再考を促すことはできないのかというのが私の考えなんですが、いかがでしょうか。
【事務局】  先生の御指摘の趣旨も踏まえつつ、現行の基準における観点で見ていくというところになりますので、繰り返しになりますけれども、教育の内容をどう見るかというところにつきましては、現行の基準の範囲内で確認をしていくといったところになると考えております。
【伊藤委員】  ありがとうございます。私もさっきから、平田先生がおっしゃっていることは非常にそのとおりだなと思いまして、やっぱり定員がどうのこうのじゃなくて、我々が言っているのは教育の質をちゃんとしてくださいと。
 ちゃんとした薬剤師を出してくださいねということが大前提ですので、定員のところだけ取り上げられるというのは、やっぱり私も心外ですし、そういう意味では、この報告書、さっき、そういう観点で見ていったときに、「おわりに」のところは、今回議論していなかった部分のことが「おわりに」のところで羅列されているんですよね。
 そうじゃなくて、「おわりに」のところに、何か今回のまとめといいますか、何が重要なのかというところを最初に書いたほうがいいのかなと思ってきました。
 「おわりに」かまあ、書くとすると「おわりに」のところしかないのかなと思うんですよね。まとめで、この委員会で問題にしているところは何かということをちゃんと書くのがいいかなと思ってきました。
 長くなりました、すみません。後藤先生、すみませんでした。
【乾主査】  後藤委員、お願いします。
【後藤委員】  今の平田委員と伊藤委員に、ちょっと僕は逆行する意見なんですが、質保証、教育の質保証といいましても、ある一定の人たちに対する、それは有効な手段だと思うんです。
 ですから、今のヒアリング等のことを今まで聞いたりしてきますと、これでいいのかと。この人たちに本当に「教育の質保証」という立派な言葉が当たるのかというのを感じています。公の場で卑近な例ですけど、私にマラソンの選手になれといっても無理なのと同じような気がしています。
 それと、今回の問題というのは、常にあるのは需給予測バランスの下で考えなければならないというのが、私も物すごく違和感があるんです。需給予測バランスが、需要が高ければ今の問題は放置されてもいい問題なんですかね。違うと思うんですよ。
 決して、私は国家試験のストレート合格率とか、ああいうことを持ち出して教育の質保証と言うのは、多いに間違っていると思います。あれは一面性であって、本当の大学教育というのは別の面を担うべきだと、別の面も担うべきだというふうに思います。
 そういった意味で、定員減ということに関して、当然、今ちゃんとやれている大学にわざわざそれを求める必要はないと思うんですけども、やはり、教育の質保証なんていうきれい事が通用しない大学は、私は現実に存在するというふうに、ヒアリングの中で感じたところです。
 最後のまとめのところに、今、伊藤委員が何かをということでありますけど、私はそれは賛成ですけども、やはりそれも含めて検討していただきたいなと感じています。
 以上です。
【乾主査】  ありがとうございました。ほか、いかがでしょうか。
 入江委員、お願いします。
【入江委員】  入江です。今、皆さん方が発言されている内容は、私もそのとおりだと思います。
 ただ、この報告書・取りまとめの一番最初に書いていますように、この委員会の目的は質の保証に関する取りまとめであって、定員の案というのはその対応策のひとつだと思いますので、今、後藤先生が言われたように、最後のところでそのことをしっかり触れるべきだと思います。昨年の6月の厚労省検討会で、将来的な薬剤師の供給過剰等が懸念される中で、適正な定員規模を含む薬学部での教育の質確保について懸念があるから、この委員会で議論してきたことだと思います。こういう文章になって、ある部分だけ取り上げてしまいますと、その趣旨が薄れてしまうように思います。最初と最後に、改めてこの委員会は質の保証ということを一番大事に考えていて、議論してきたんだということを触れるべきだと思います。
 それと、この報告書の中にはなかなか見えない部分として、先ほど乾先生が言われたような、医学部や歯学部がこれまでどれだけ苦労されていろんな工夫をし、質を担保してきたかを学びました。
 そのような内容は、文章の中に盛り込みにくいので、一番最後のところに、質の保証ということをメインに取りまとめるということは、必要だと思います。
 以上でございます。
【乾主査】  ありがとうございました。ほかはいかがでしょうか。
 長谷川委員お願いします。
【長谷川委員】  ありがとうございます。先生方の御発言を伺っていて、本当にそのとおりだと思います。ただ、需給バランスというのはとても大事な要素だと思っています。
 日本の人口を考えたときには、医療系だけではなくて、ほかの職種のことも考えていくと、ある1つの職種に偏るということはバランスとしてはよくないし、その偏りが質の低下につながっているような気がします。
 ですので、日本の18歳人口を踏まえた上での適正な定員というものがあるように思います。質を維持するためにも適正な定員というものを求めるべきではないかと感じましたので、ちょっと発言をさせていただきました。
 それから、最後のところに、「質の高い教員の確保も重要である」と書かれているんですが、この教員の質も重要だと思います。今、大学の入学定員のことだけがクローズアップされているように思いますが、教員の数とか、その質も、一緒に考えないといけない課題のように思います。
 私からは以上です。
【乾主査】  ありがとうございました。
 それでは西島委員、お願いできますか。
【西島委員】  ありがとうございます。既に先生方がおっしゃったことで、私も異論はないところですけれども、厚労省の薬剤師の養成及び資質向上に関する検討会の座長をしておりまして、その中で、ここに書かれているとおり、一番議論になったのは薬剤師の需給問題で、今後薬剤師が増えていく中で、薬剤師の資質をいかに保ち、また資質を向上させるかということが議論されたわけですけれども、その中で当然、何が原因で何が結果かということになるかと思うのですけれども、やはり需給問題というのは一つとても重要な問題で、今、長谷川先生がおっしゃったことにも通ずるのですけれども、需給問題も考えなくてはいけないということですよね。
 それともう1つは、6年制になって大学がたくさん増えてしまって、それで学生の数が増えたということ。それもまた学生の質の問題に関わってくるということでありまして、その2つですよね。需給問題と、教育の中の定員の問題、この2つというのは切り離しては考えられない点かということだと思います。
 厚労省の答弁の中では、恐らくその点が強調されてきたかというふうに思っております。
 ただ、平田先生がおっしゃったように、それらの問題の一番根っこにあるところは教育の質保証だということ。これは、私も平田先生から何回もそういう御意見を聞いておりますので、それはもう本当に大事な点で、この小委員会の取りまとめの中では、厚労省ではそれほど表には出てこなかったように思うのですけれども、この小委員会の中では、教育の質の保証の点はやはり一番大きな根っことして表現していくほうがいいかなというふうに思いました。
 以上です。
【乾主査】  ありがとうございました。ほかはいかがでしょうか。
 そうしたら平田先生、それからその次は亀井先生、北澤先生かな。平田先生から。
【平田委員】  さっきの需給予測のところって、厚労省のとりまとめを見ると、当然人口の減少に合わせた定員削減はあるかもしれませんけど、それによって予想される薬剤師の人数は43.2万人なんですけど、薬剤師の業務が充実して需要が増えれば40.8万人は必要なんですよね。差は2万人と少ししかないんです。
 ですから、これを考えたら、質の保証の重要性というのは、需要のほうの40.8万人を目指すには、やっぱり薬剤師教育の質を担保すること、向上させることなんですよね。それは厚労省の提言にちゃんと書いてあるところで、国家試験の合格に偏重しないようにというのもあるし、教員の質の保証もあるし、研究力の必要性も書いてあります。そういう意味では、厚労省の提言に対して今回のとりまとめで応えるのが大学における教育の質の保証をすれば、ここに書いてあるように、もちろん43.2万人という下の方に抑えなければならないのは確かなんですけど、一方で需要予測の40.8万人を目指さなければならないのは明らかです。
 そのための質保証というのは、かなり厚労省の提言にも合っているし、非常に重要で、ある意味説得力のあるところだと思います。その時に大学は何をしないといけないのかということで、まずは入試の話が出てくるので、そういう意味では、今回のとりまとめは整合性が取れています。ただ、さっきおっしゃったように、であれば、長谷川先生がおっしゃったように、私は大学院の話、教員の数と質保証が必要であって、「おわりに」の1つ目はすごい重要だと思います。まとめとして、やはり質保証があるべきだということを強調するためには、入り口もそこから入っているので、入江先生のおっしゃるとおりかと思います。
 質保証の確保というのは後から出てくる議論のところだと思いますが、私はこの4の一番最初のところは、教員をしっかり確保するための重要なところなので、しっかり提言するべきと考えます。
 その分、2つ目に○の4年制のことが入って、若干フォーカスがずれるのかなと思います。
 ですから、もう少し教員の確保を重要と考えるのなら、当然6年制のほうの教員という読み方もできるわけですから、4年制学部のことがここになると、その点が薄まってしまうように思います。
 以上です。
【乾主査】  ありがとうございました。なかなか、両方並び立ちにくいところなんですよね。その辺りも苦労して、この辺でちょっと収めたというのが事務局サイドなんですけれども。もうひと工夫やってみるということにしましょうか。ちょっと、どのように入るかというのはなかなか難しいかなと思いますね。
 大分議論が広い範囲にわたっちゃって、司会の不手際ということになるんですけども、もう、せっかく盛り上がっているからこの調子で行きたいと思います。
 亀井先生、その次北澤先生ということにしましょう。
【亀井委員】  平田委員のおっしゃることはすごくごもっともだと思います。質を高めていって、やはり需給バランスというところの高いところを目指して、そのように教育していく必要があるのかなというふうに思います。
 18歳人口の減少ですとか、そういった需給の問題での定員の考え方というのが一つあるんですけれども、その一方、乾先生が言われたように、設置審のところでは、一つ一つの大学についてまた違った観点での定員の適正さというのを評価しているのかなと思うんですが。
 つまり、前提として必要とされる薬剤師数と、それから設置のときの定員の考え方が一致しなければ、なかなかそれは実現できないのかなと思いますので、どういうふうにそのバランスを取っていくのかは、今後の課題と思います。
 以上です。
【乾主査】  ありがとうございました。
 それじゃ次、北澤委員、お願いできますか。
【北澤委員】  北澤です。話が前後しちゃうかもしれないんですけれども、2025年度ということについて、この委員会では、今まで特定の年度について特に議論はしてこなかったと思うんですけれども、にもかかわらず、メディアで先行して具体的な年度が出たことについて、戸惑いを感じました。
 年度が出ることで、逆に、そこまでだったら定員を増やし放題なんじゃないかと考えてしまう人が出るんじゃないかと思いまして、でも今日、文科省の説明で、そういうことはないようにするというような趣旨の御発言だったというふうに、私は受け止めました。それがまず一点です。
 それから、この委員会の中で、薬剤師ではないし医療職でもないのは私だけだと思うんですが、そういう一般人の立場から見れば、薬剤師の方々は、医療の専門職、プロフェッショナルなんです。
 プロフェッショナルはどうしてプロフェッショナルかというと、自分たちの行動あるいは方針について、人から言われて決めるんじゃなくて、自分たちで自律的に決められるということだと思うんです。
 その点を考えると、最後に今回付け加わったように、大学関係者だけじゃなくて、薬学や薬剤師に関わるいろんな方々が、同じ薬剤師という一つのプロフェッショナルとして一緒になって薬剤師の将来を決めるべきというのはぜひやってもらいたいし、違う御意見の方もいらっしゃるかもしれませんけれども、私は、今までそうしたことが足りなかったから、今こういう状況になったのではないかと感じます。
 以上です。
【乾主査】  ありがとうございました。北澤委員ならではの御発言をいただいてありがとうございました。非常に参考になるんじゃないかと思います。
 ほか、いかがでしょうか。よろしゅうございますか。
 それじゃ西島委員、お願いします。
【西島委員】  先ほど需給関係のところで平田先生がおっしゃったことはそのとおりですけれども、需給関係を議論する中で、厚労省の中で一つ大きく取り上げられたのは、薬剤師の職域を広げるということが、需給のバランスを解決する一つの方法であるということが述べられております。
 そういう意味で薬剤師、現在でありますと調剤中心の薬剤師の職域を、もっともっと広げなくてはいけない。それがなければ需給問題について解決にならないところがあるのではないかというところが議論になったと思います。
 そういう意味でも、職域を広める、その中でどのように広めていくかというところも、これからの薬剤師の教育上、とても大事な点だというふうに思います。その辺も検討のところに書き加えていただけるといいかなというふうに思います。
 以上です。
【乾主査】  ありがとうございました。ほか、いかがですか。よろしいですか。
 それでは亀井先生、どうぞ。
【亀井委員】  すみません、西島先生とまた違う話になってしまうのですが、先ほどの4ページの上から3つ目の○のところに、先ほど、速やかに制度化を進めるというところの具体的なところを伺ったのですが、その下の赤字で追加していただいた「例外措置は一定の期間において認めることとし」という、この「一定の期間」というのは、その上に書いてある時期とはまた違う観点で書かれているということでしょうか。文科省への確認なんですけれど。
【事務局】  事務局でございます。お答えいたします。
 4ページの赤字で記載した「例外措置は一定の期間において認めることとし」という部分に関しての御質問ですけれども、こちらは地域偏在への対応について原則抑制の例外として取り扱うことが適切であると書いた上段と連続しておりまして、その例外措置の期間について書いたものでございます。
 このため、「速やかに制度化を進める必要がある」とするその「制度化」の時期とは異なりまして、例外措置をどの程度の期間おくかといった文章と理解しております。御議論をお願いできればと思います。
【亀井委員】  ありがとうございます。
【乾主査】  亀井委員、よろしいですか。上とはちょっと違うということで。
【亀井委員】  はい。そうすると、これについてはまた検討が必要ということですね。
【乾主査】  そうですね。だから、今、皆さん、どういうふうに考えておられるか、あるいは感じておられるかと。要するに、薬剤師不足のところですね。そういうところでは地域枠とかそんなのを設けているということで、対応するということにこれは多分なると思います。
 だから、そういうのをずっと続けるのではなしに、一定の期間をおいて、それで見直しをしないといけないということだろうと思うし、そうしないと、数年たったらもう要らないということに、まあ数年じゃ無理かもしれないけど、10年ぐらいたったら様子は変わってきますよね。
 だから、そういうことも踏まえて、何か皆さんの御意見というか、名案があったら教えていただきたいと思います。あるいは心配で、懸念する材料があったら、それも。
 これは医師のところで問題になっているように思いますね。だから今、その辺りは随分と議論されているように感じていますけれども。
 それでは後藤委員、お願いします。
【後藤委員】  すみません、今の、例外で地域枠という問題に関しまして、私は危惧しています。例えば地域で薬剤師が少ないから新設を認めるということになった場合に、私は持つのは国公立しか持たんと思うんですよ。私立でそれをやっても、今のこのヒアリングの中で、かなり定員が未充足という大学って、ほとんど地域の薬剤師が欲しい地域なんですよね。
 それで、設置のときもやはり地域の薬剤師会から、そういった意味で同意書みたいなものが出ているという現状の中で、結局ここのところでは国公立に当たるだけの話だというふうに思うんですけども、こういった地域のというのは、本当にそこに大学がなければ地域の薬剤師って充足できないんでしょうかね。
 それが、単にそういうふうな図式で、こういったものは地域枠等のところであれば認めるんだということが結論となるのは、どうも気になるところなのですが。
 以上です。
【乾主査】  大事な点だと思いますね。もう少し、委員の先生方、御意見いただきたいと思いますけれども。いかがでしょうか。
 平田委員は手が挙がっているんですか。お願いします。
【平田委員】  はい。国公立大学の話が出てきたので。国公立の場合とは、一応全国に散らばった形であって、定員もそんなに多くはないですけど、全体からすると定員枠の中で6年制を増やす傾向にあると思います。多分6年制は、国公立合わせて一時660人ぐらいだったのが、今は1,000人を超えています。それが薬学全体の中でどの程度6年制の定員増に働くのか、一方で地域偏在の解消に働くのかというのは、しっかり考えなければならないところかと思っています。
 ただ、一方で私学で考えた場合、既存の私学の中で、薬剤師の地域偏在を解消しなければならない地域において定員を増やすことができるか、あるいは新設できるかというとそれは難しいと思います。、政策的にその辺りがもしあるとすれば、国公立と私学で考え方が違っていいのではないかと思っています。
 だから、今国立大学については4年制の定員を減らして6年制を増やしても定員充足とか、競争倍率の低下は起こらないし、かえって競争倍率が上がっている状況もあるので、地域偏在の解消を考えた場合、今後こういった動きをどのようにコントロールするのかについては、国公立と私立の事情も考えもう少し細かく議論していかないといけないと思っています。
 以上です。
【乾主査】  ありがとうございました。
 伊藤委員、お願いします。
【伊藤委員】  私、ここを読んだとき、一つは地域枠の定員増ですよね。既存の大学が地域枠で例えば6年間か10年間定員増をして、その地域に薬剤師を出していくと。そういう取組が一つあるんだろうなと。それは認めましょうということはあると思います。
 ただ、新設ということになりますと、ヒアリングでもよく分かったのは、ある地域に1つ大学ができると、周りの大学の志願者が減ってますます苦しくなるという状況になるというのが分かりましたので、そういう地域に新設というのは、それはやっぱり認められないんだろうなと思います。
 ただ、非常に遠隔地、地域枠で確保するのが難しいというところがあるのでしたら、それについては小規模の新設を認めるということも、それもあり得るかなと思いましたので、こういう書き方になっているんだろうというふうに思いました。
 以上です。
【乾主査】  ありがとうございました。ほか、いかがでしょうか。この例外のところに関する捉え方ですね。
 いろいろおっしゃった御意見を踏まえて、これから実際に制度化を進めるに当たって考えていただけるということになろうかと思うんですけれども。
 亀井委員、手が挙がっていますね。
【亀井委員】  すみません、何回も申し訳ないんですけど、やはり地域枠のこともそうですけれども、これから令和7年度までのことも該当するかもしれないのですが、やはり設置のときの定員を適正に評価するということが、本当に一番大事なんじゃないかと思いました。
 先ほど伊藤委員が言われた、薬剤師が不足していると思うところに1つ新設ができると、ほかの志願者が減ることを考えると、その大学が適正ですと言った定員が本当に適正なのかというところを、少し考えなきゃいけないんじゃないかと思います。そういうところも含めて、定員を適正に評価するということが大事なんじゃないかなと思いました。
 以上です。
【乾主査】  ありがとうございました。よろしいでしょうか。
 それでは長谷川先生、お願いします。
【長谷川委員】  ありがとうございます。私も、定員の適正な設置というのはとても大事なことだと思います。
 新設をするときには当然、ニーズ調査とかそういうのを行った上で定員を決めてくると思うんですが、実際には定員を設置しても受験者が少ないということが現実起きたりしています。これは受験者がどういうふうに考えるかというのは実際には予想できないところだと思いますが、需給調査は定期的に、5年に1回とか見直しをしているので、定期的に検討を行うべきであるとか、「定期的」というような文言を加えていただくと、今後継続的に見直しを図りつつ検討するというような意味が入るんじゃないかと思いました。できれば、「定期的に検討を行うべきである」とかに追記いただくといいんじゃないかなと思いました。
 以上です。
【乾主査】  ありがとうございました。まさにそのとおりだと思います。それは入れていただけると思いますので。
 入江委員も手が挙がっていますね。
【入江委員】  今の地域偏在に関して言えば、私は、九州に住んでいますから、それは切実に感じるところです。
 今議論になっている地域枠をつくるというのも一つの案だと思います。医学部は以前から地域枠を実施してきましたが、なかなか難しいのは、せっかく地域枠で入ってきた学生が、その後どういうところで、どういう仕事をするかという部分についてなかなかフォローできていないように思います。せっかく地域枠で入ってきたけども、他の場所で働くとなれば、その地域の医療の質を高めていく活性化にはなかなかつながらないと思います。先ほど長谷川委員が言われたように、やはり定期的に、フォローアップも含めてしっかり調査をしていただくということによって、地域枠の本当の意味がそこにあるのかどうかということをはっきり示していくことが必要と思いました。
 以上でございます。
【乾主査】  ありがとうございました。ほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 北澤委員、もう一度手が挙がっていますね。
【北澤委員】  北澤です。私も、先ほど後藤先生が言われた地域枠の問題に賛成です。
 地域で偏在が起きているというのは実態としてあると思うんですけれども、それがイコール、その地域に薬学部も作らなければならないということに本当になるのか、そこを疑問に思っています。
 教育設備に関しても、今後、オンライン化も含めてテクノロジーが進んでいくので、そうしたことを踏まえて、きちっと調査・精査した上で、地域偏在への対策というのを考えてもらいたいと思います。
 以上です。
【乾主査】  ありがとうございました。よろしいでしょうかね。
 ありがとうございました。それでは、ひとまずこのセクションはこれぐらいにして、その次は、3のアからウ、教学マネジメントですよね。5ページから7ページ辺りまで。先ほども少し平田委員からも意見が出ていましたですけども、とにかく情報の前までですね、8ページの中程ぐらいまでを、皆さんにもう一度御意見いただきたいなと思います。お願いします。
 これについても随分と議論をして、それから文書でコメントもいただいたりして、いい形でまとめ上げていただいたと思いますが、最も大学として大事なところだということで、ヒアリングしたときに、大学のヒアリングもそうですけれども、学生のヒアリングをしたときに随分感じるものがあったように思います。
 それじゃ手が挙がっておりますので、平田委員からお願いしましょうか。
【平田委員】  すみません、何度も。やっぱりここに書いてあるコアカリというのが非常に重要で、やはりコアカリ、ひいては大学のカリキュラムの充実は質保証の根幹だと思います。
 だから、やっぱりコアカリの改定が今動いているので、ぜひコアカリの意義というか、改定の意義のところに、今回のコアカリ改定は各大学において教育の質の向上を目指す契機にはなると思うので、教育の質を担保するためにコアカリが重要であるということをぜひ書き込んでいただきたいと思います。
 今回、この委員会とコアカリ改定の委員会が並行して動いているので、コアカリはこうあるべき、大学のカリキュラムはこうあるべきというのは質保証に絡めてこちらから言わなければならないと思います。
 一方で、質保証の根幹とは言いませんけどベースになるのはコアカリであり、大学のカリキュラムそのものであるということなので、コアカリ改訂の委員会では言っているんですけれどもなかなか明確に入れてくれないんですけど、コアカリ改訂に係る前文や説明文のところに、質保証の基軸となるコアカリの改訂であることをしっかり入れたほうが良いと思います。
 改めて、この委員会からでも、コアカリ改訂の委員会に言っていただければいいのかなと思っています。
 以上です。
【乾主査】  その辺りは平田先生、よろしくお願いします。もちろん、同じ文科省のこの在り方検討会の中の大事な2つの委員会ですから、両方、どうせ報告のときには、8月の報告、その時に話題に当然なると思います。
【平田委員】  はい。ぜひ、在り方検討会のほうでそれを議論していただくようにしていただければと思います。そうすれば、コアカリの意義や在り方も非常に明確になると思います。ぜひ8月の検討会でご検討いただけ場と思います。
 ここにも何人か検討会の委員の先生方がいらっしゃいますので、少し考え方は違うかもしれませんけど、少なくともこの小委員会からの発信としては、それが非常に重要と思います。
【乾主査】  ありがとうございました。
 北澤委員、手が挙がっていますからお願いします。
【北澤委員】  教学マネジメントの確立のところの、アの教育課程・教育方法のところの3つ目の○、「このため」から始まるところで、今回、「専門分野における専門教育のみならず幅広い教養を身につけた上で」というようなところが追加されていて、これは非常に大事なことだと思います。
 今の薬学生は、薬学の専門知識をたくさん学んでいるわけなんですけれども、その方々が薬剤師になって、それからその後20年、30年、40年と仕事をされていく中で、学部のときに習ったことだけでは到底解決できないたくさんのことに出会うはずです。この「幅広い教養」とか「高い倫理感」「論理的思考力」というところは非常に大事なので、付け加えていただいてありがとうございます。
 それから、ちょっと先になるんですけれども、エの情報公開のところで、情報公開について、ホームページに分かりやすく示してくださいということで、そこのところもきちっと書き込んでいただいてありがとうございます。
 これは高校生とか親、それから高校の進路の先生、そういった方々に、ぜひ薬学部の現状について知っていただいて、こういう薬学部でこういうことを教えているから、ここに進学したいんだということを高校生自身がきちっと決められるように、情報公開をやってもらいたいと思います。
 以上です。
【乾主査】  ありがとうございました。
 伊藤委員、お願いします。
【伊藤委員】  7ページの真ん中辺りなんですけども、内容じゃなくて文言です。7ページの真ん中の赤字のところです。
 「薬剤師の業務を十分理解しないまま」となっているんですが、これは薬剤師の業務じゃなくて、私が思うには、薬剤師に求められる資質を十分理解しないまま進学して、それで、「そんなこと自分にはとてもできない」と思う学生がいるので、業務じゃなくてこれ、「薬剤師に求める資質」だと思うんですが。その言葉のほうが適切だと思いますが、いかがでしょうか。今読み直して、ちょっと思いました。
 以上です。
【乾主査】  今の伊藤委員の発言、いかがでしょうか。
 これは別の委員から多分いただいたんじゃないかなと思うんですけれども、伊藤委員のような意見で、資質ということ。業務じゃなしに資質に変えたほうがいいんじゃないかということですが、いかがでしょうか。
 亀井委員、お願いします。
【亀井委員】  賛成です。その前に、「なお、薬剤師としての資質・能力や適性に課題がある」。「薬剤師の資質・能力を」ですかね。「薬剤師に求められる資質・能力を十分理解しないまま」というふうにするのかなと思います。
【乾主査】  長谷川委員はいかがですか。
【長谷川委員】  ありがとうございます。私もここの表現はちょっと引っかかっていまして、業務を学ぶのは入学してからなので、先ほどの伊藤委員の意見に私も賛成です。
【乾主査】  ありがとうございました。それは修正しましょう。
 そのほか、いかがでしょうか。
 平田委員、手が挙がっていますか。
【平田委員】  ここのところですけど、当然、大学に入学してから「こんなはずじゃなかった」というのもあるかもしれませんけど、ある意味これ、大学の公表不足というか情報提供不足で、3ポリシーや教育プログラムをしっかり高校に知らしめて、受験生に知らしめれば済むことなのかと思います。非常に重要なことですが、「薬剤師とは何ぞや」ということ、私、最近高校を回って自分の大学の説明をするんですけど、高校生には、もちろん、基本的な薬剤師の仕事は理解しているんでしょうが、実際には、「薬剤師とは何ぞや」というのが見ていないような気がします。
 その意味で、大学は「薬剤師とは何ぞや」ということをしっかり伝える努力をしなければならないし、その時に、3ポリシーにそれなりの事が書いてあるわけだから、ミスマッチが起こること自体、大学に責任があるような気もするので、そこは入試に関わるところでもあるかもしれませんが、大学はもっと情報の公表の部分について努力することも非常に重要ことと思います。
 以上です。
【乾主査】  ありがとうございます。
 亀井委員、すみません。
【亀井委員】  今の平田委員の御意見、ごもっともかと思います。
 ただ、やはり高校生とか、身近な薬剤師を見て、それがきっかけで入学する方も多いかと思いますので、やっぱりより薬剤師の役割というのを理解いただけるような、薬剤師がもっと、ありきたりな言い方をすると目に見えるというか、分かりやすい、そんな接し方ができるようになっていくと、より理解が深まっていくのかなと思います。
 ですので、大学と共に様々なところで協力していく必要があるように思います。
【乾主査】  そうですね。
 よろしいでしょうか。
【亀井委員】  あともう1つ、すみません。実は先ほどの、前のページで6ページのところに1つ○を追加していただいた、「また、今後の実務実習に関しても」というところなんですけれども、今、卒後の臨床研修の議論がいろいろ活発になっていますけれども、やはり卒前というのは、6年制学部の学生全員が受けるものですし、卒後につながるものですので、ぜひここの議論というのは盛り上がってほしいと思っています。
 この記載を入れていただいたことは非常にいいことかと思いましたので、意見として申し添えさせていただきます。
 以上です。
【乾主査】  この辺りは、この間、厚労省の西島先生が座長のところで、武田構成員だったかな、日病薬会長ですね、彼から、ここを入れてくれという意見がたしかあったと記憶しています。
【西島委員】  そのようでしたね。続けていいですか。
【乾主査】  どうぞ。
【西島委員】  先ほど、専門分野だけではなくて、より広い教養を身につけるというところが大事だという御意見がありましたけれども、私もそのとおりだと思います。
 しかし実際には、今、特に私立の薬学部を見たときに、そのような教育がほとんどされていないというのが実情かと思います。
 しかし、とても大事だというふうに思いますので、この点をコアカリの中できちんと取り込んでもらうということがすごく必要だと思います。
 6年間という期間、長いようで短いわけで、その中でどのくらいこういうところに時間を割くかということをが、また議論の点になるかと思いますけれども、いずれにしても、今ほとんど欠けてしまっているこの一般教養の講義、そこのところはぜひ、これから改善していっていただきたいというふうに強く、しばらく薬学部にいた中で感じたところです。
 あと亀井先生の、臨床での実習の充実ということがありますけれども、これも、とにかく時間には限りがあるので、これをどのように充実させるか。本当に大事なところをうまく取り上げて、コアカリの中に盛り込んでもらいたいなというのが、強い希望です。
 以上です。
【乾主査】  ありがとうございました。
 入江委員、お願いします。
【入江委員】  8ページの一番最初のところですが、前回、少し気になる表現だと申しました部分を修正していただき、ありがとうございます。
 前回のままだと、必要に応じて教員の配置の在り方を再検討するというのは少しネガティブなイメージだったんですが、今の表現にしていただいて、前向きな表現になったと思います。どうもありがとうございました。
 以上でございます。
【乾主査】  ありがとうございました。そのほか、いかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。それでは、ほぼ大体意見はいただいたように思いますが、次にエから最後ですね、さっき情報のところが少し話が出ましたけど、情報ももう一度含めて、8ページの下3分の1からずっと最後までということで御意見を伺いたいと思います。よろしくお願いします。
 平田委員、お願いします。
【平田委員】  第三者評価のところを書き込んでいただいて、このスタンスというのは今まで言ってきたところなんですけど、改めて、大学の内部質保証があり、それに対して外部質保証としての第三者評価があるということなのですが、書いてある内部質保証システムとそれがどのように機能すべきかについては、まだ理解が進んでいないと思います。
 第三者評価の在り方というのは、例えば認証評価だって別に法的根拠があるわけではなくて、こう評価されたらそれに絶対従わなければならないというものでもないので、やはり外部質保証は、内部質保証ありきで成り立っているものなので、それは分野別評価も同じなんですよね。
 だから、そこの認識というのは、何か評価する側、される側みたいな形が強いですけど、特に薬学教育の第三者評価はピアレビューで内部質保証の在り方を評価しているので、そこの認識というのがまだ根づいていないという気がします。
 資格を取るための学部という認識が強く、余計にそうなのかもしれませんけど、もう一度内部質保証の在り方と外部質保証の関係というのは、学生本意の教育プログラムの質を担保し、向上させるために非常に重要であることをしっかり認識していただきたいと思います。
 さっき言ったように、決して、認証要件も含めて、法的根拠で絶対変えなければならないとか、義務化というものではないので、逆にそうだから、喉元過ぎれば、みたいなことが外部評価を受けるの場合もできてしまうので、内部質保証を絶え間なくやっていくということが質保証の基本なので、そういうことをしっかり伝えられれば良いと思います。
 最後のところに評価機構などと入れていただいていますが、あくまで、そこがマネジメントして厳しい評価を行うというのではなくて、内部質保証の支援というか、そういう立ち位置というのを、今まで繰り返して言ってきましたけど、ご理解いただいて、その上で、関係各位で努力すべきなのかなと思っています。
 ですから、本当に繰り返しで申し訳ありませんけど、第三者評価の位置づけというのは、いま一度明確にしていただく必要があると思っています。
 以上です。
【乾主査】  ありがとうございました。
 西島委員、何か今の発言を受けてありますか。
【西島委員】  いや、もう平田先生のおっしゃるとおりで。今の件、評価委員長のほうからも何度も意見を聞いておりまして、その方向に向けて、評価機構のほうでも大学に対して、内部質保証について良く理解して頂き、評価機構というのはそれに対してある程度お手伝いをすると。そういうような役割というような形のところを周知していきたいというふうに思っています。
 平田先生、そんなところでいいですか。
【平田委員】  はい、ありがとうございます。何か社会的にも大学にも誤解されていそうな気がするので、あえて何回も言わせていただいています。
 今、西島先生がおっしゃるとおりで、ただ、機構で何ができるかというのは、機構については評価事業と、そういった大学における内部質保証の在り方を周知し支援するといった事業の重要であり、それは今回のとりまとめに示されたことと全然違ってないので、内部質保証、教学マネジメント指針、ひいては学習者本意の教育のあり方といったところが、しっかり周知できればというふうに思います。ぜひそうあってほしいなと思っています。
 以上です。
【乾主査】  ありがとうございました。
 北澤委員、お願いできますか。
【北澤委員】  北澤です。度々すみません。情報の公表のところなんですけれども、最後の○、9ページの上のところなんですけれども、「国が大学に対して必要な助言等を行うことが求められる」と書いてあるんですけども、国が各大学の情報公表について必要な助言を行うというのは、何か指導などができるんですか。そこを事務局にお尋ねしたいと思うので、質問しました。
【事務局】  事務局でございます。ここの記載については、情報の公表が適切になされているかということで、特に法令に基づかず、平成26年のフォローアップを踏まえて、様々な情報を公表していただいているところですので、それをより一層丁寧な助言などを行っていきたいというふうに思っているということになります。
【北澤委員】  現状もやっているけれども、それをもうちょっと丁寧にやるという、そういうようなニュアンスで捉えればよろしいわけですね。
【事務局】  はい、そうでございます。その前段のほうでも、記載しているところもございますので、そういった内容も踏まえて、我々のほうでできることをやっていきたいというふうに考えております。
【北澤委員】  ありがとうございました。
【乾主査】  ありがとうございました。そのほか、いかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。それでは、今、最後のところを御意見いただいていますけど、じゃあ全体を通してでも結構ですから、本日で一応、最後の小委員会開催ということになりますから、全体を通しての御意見、それから、もう一度これだけは念を押しておきたいということもあるかと思いますので、御発言いただければ幸いです。
 今日は前回に比べて随分と御意見をたくさんいただけたように思いますから、大体よろしいですか。
 伊藤委員、手が挙がっています。お願いします。
【伊藤委員】  私、以前のヒアリングにも参加させていただいたんですけども、これ、定期的にやることが重要だと思うんですよね。定期的に指摘して改善していただくということが重要だと思うのですが、今回は大分間が開いてからやったような。ちょっと間が開いたような気がするんですが、これは今後はどのぐらいの頻度でヒアリング等をやって、大学に改善をお願いしていくのでしょうか。それは文科省としてはどういうふうに予定されているのでしょうか。教えてください。
 以上です。
【事務局】  事務局からお答えいたします。具体的に、この記載内容について今後どのように対応していくかというのは、考えていかないといけないところだと思っております。
 先生の今御指摘になられましたフォローアップについて、具体的にどのように対応していくのかというのは、また先生方の御意見も踏まえて、また評価機構での評価もございますので、どのように考えていくか検討していきたいというふうに思っております。
【乾主査】  ありがとうございました。
 西島委員、手が挙がっていますね。お願いします。
【西島委員】  先ほどの第三者評価のところなんですけれども、この(4)、「薬学教育評価機構への対応」という書きぶりですけれども、その前に、「大学の内部質保証と評価機構への対応」というようなことにしたらどうかと思うんですけれども。
 「大学の内部質保証」というのを前面に出して、それと、それに基づいた機構への対応というようなことにしたほうがいいように思えたのですが、いかがでしょうか。
【乾主査】  そうですね、そのほうが。
 委員の皆さん、いかがでしょうか。そのほうが、より今の議論全体を含めたら、タイトルとしてはふさわしいかなと思いますので。
 よろしいですね。それじゃ、西島委員の御提案のように書きぶりをちょっと変えていただくということにしましょう。ありがとうございました。
 そのほか、全体を通して何か御意見ございませんか。
 入江委員、お願いします。
【入江委員】  「おわりに」というところですが、先ほどほかの先生からも御意見がありましたが、ここに書いてある中で、大学院の博士課程、6年の上の4年の博士課程のことについても大事ですし、その次に書いてある4年制課程のことについても大事だというのは、多くの方の共通認識だと思いますが、今回、私たちがこの委員会で検討したのは、主に薬学部薬学科の教育の質保証でしたので、「おわりに」に、それについて、まずストレートに今回の結果、そのまとめを書いた上で、その上で大学院のことや4年制のことを、将来の検討事項として付け加えるという形ではどうでしょうか。
 先ほどどなたかが言われましたけれど、こういうふうに書くと、今回議論したことの目的が薄れてしまうように感じましたので、発言いたしました。
【乾主査】  どうですかね。はい。
 それじゃ、平田委員が手が挙がっていますか。
【平田委員】 位置は別ですけど、「おわりに」じゃなくて、例えば第三者評価の対応かその前かだとは思うんですけど、両括弧で切り出して、○が1つだけでいいので、「質の高い教員の確保」とかいうのを見出しにして別項で設けて「おわりに」から出してしまったほうが分かりやすいと思ったんですけど。
 どこへ出すかは順番が分かりませんけど、ここは単独であっても非常に重要なところなので、教育の質保証における教員の在り方というのは、さっき言った厚労省のとりまとめでも言われているところなので、抜き出したほうがいいと思います。その上で、質の保証のところについて、さっき入江委員がおっしゃったような形でまとめていけば、最後の文章のところの前に来るのか後に来るのか分かりませんけど、まとめ的な文章で教育の質保証に関することがしっかり言えれば良いと思います。
【乾主査】  ありがとうございました。今お二人から御意見いただいたように、ちょっとこれ、前にもう1つ設けるということにしましょう。そのほうが全体の流れもよろしいかというふうに、今ちょっと事務局とも話をしているところなんですけど。
 よろしいですか、それで。そうやってちょっと前に持ってきておいたほうが、フォーカスがしっかりしてくるということで、それで全体のまとめということで「おわりに」とするということになろうかと思います。
 特段御意見がないようですから、そのようにさせていただくことにします。ありがとうございました。
 そのほか、いかがでしょうか。全体を通して何か御意見等ございませんか。
 よろしいですか。いいですかね。
 それでは、本日はまた長時間にわたっていろいろと意見交換をさせていただいて、一応、意見交換はこれで終了ということにさせていただきます。
 本日の意見を踏まえまして、先ほど少し述べましたけれども、事務局で案を修正していただくということにいたしたいと思います。
 それで、今後の修正については主査預かりとさせていただき、そしてこの取りまとめ案を8月以降に開催予定の「薬学系人材養成の在り方に関する検討会」に報告するということにいたしたいと思います。
 それでよろしゅうございますか。
 ありがとうございました。それでは、一応これで予定を終わったということで、その他、事務局から連絡事項等がありましたらお願いしたいと思います。
【事務局】  事務局です。今、主査から御発言がありましたとおりですけれども、取りまとめ案を8月以降に開催予定の「薬学系人材養成の在り方に関する検討会」に報告するということで進めていきたいと考えております。
【乾主査】  ありがとうございました。
【医学教育課長】  事務局の医学教育課長の伊藤でございます。これまで10回にわたり精力的な御審議いただきましてありがとうございました。
 今回の取りまとめは、事務局といたしましても、今回度々お話がございましたとおり、これから医療業界の中で求められる質の高い薬剤師の育成、そのためにどのような入学選考の在り方、そして教育課程の在り方、そして実際にどの程度の規模感で実施していくのかというのを総合的に御審議いただいて、方針を取りまとめていただいたと、そういう認識でおります。
 しっかり、全体的な取組について、適正規模の話はもとより、入学選考であったり、また各大学におけます教学マネジメントの改革がしっかり進んでいくように取組を進めていきたいと思いますので、最終取りまとめに向けまして、引き続き御支援をよろしくお願いしたいと思います。ありがとうございました。
【乾主査】  ありがとうございました。
 それでは、予定していた時間にほぼ近づいてまいりましたので、本日はここまでということにいたしたいと思います。
 それで、各委員におかれましては、本当に今、伊藤医学教育課長もお話しになりましたように、10回にわたって熱心に議論をしていただき、それからまたヒアリングですよね、ウェブでの面接という形で大学のヒアリング、それから学生のヒアリング等も重ねて、それから医学・歯学、それから薬剤師の現状ということ、そういうヒアリングもありましたけども、本当に非常に中身の濃い小委員会を行うことができたんじゃないかなと思います。
 今日は最後ということで、しっかりと御意見を伺いながらと思っていましたが、いろいろとまた貴重な御発言もいただいたように思います。
 そんなことを含めまして、ただいま医学教育課長が申されたように、事務局でまとめていただいて、これを親会議のほうで報告するということにいたしたいと思います。
 それからもう1つ、私はやっぱり事務局の皆さんの働きぶり、これはもう感心しますね。私は毎回主査としてここに来ているんですけれども、医学教育課長は毎回出席いただいているし、それから、ここにいらっしゃる事務局担当の皆さん、陪席だけではなしに、この資料をつくるのが相当大変だろうと思いました。主査として、皆さんに心から御礼申し上げたいと思います。
 今日は無事、とにかく最後の公開での委員会を終えることができたということで、ひとまず、これで私の役割は終わったかなと安堵しています。
 ただ、もう1つ親会議のほうの検討会があって、そこでまたどういう御意見をいただくことになるかも分かりませんけれども、取りあえず、委員の皆さんと、それから事務局の関係の皆さんに非常に御協力いただいたことを心から御礼申し上げまして、本日の会議を終了ということにしたいと思います。本当に皆さん、ありがとうございました。

―― 了 ――

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