薬学部教育の質保証専門小委員会(第6回)議事録

1.日時

令和4年6月30日(木曜日)13時00分~15時00分

2.場所

Web会議

3.議題

  1. 薬学部教育の質の保証に向けた方策に関するとりまとめ(素案)について
  2. その他

4.出席者

委員

伊藤智夫委員、乾賢一委員、入江徹美委員、亀井美和子委員、北澤京子委員、後藤直正委員、西島正弘委員、長谷川洋一委員、平田收正委員

5.議事要旨

【乾主査】  それでは、定刻となりましたので、これより、薬学教育の質保証専門小委員会を開催いたします。
 私、主査を務めております乾でございます。どうかよろしくお願いいたします。
 新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、ウェブ会議による開催としております。そして、本日は、傍聴希望者に対して、YouTube文部科学省会議専用チャンネルからライブ配信をしております。
 詳しくは後ほど事務局から説明があると思いますが、本小委員会は、昨年10月から検討を開始し、書面調査により選定しました13薬学部に対するヒアリング調査を行い、その結果を中間とりまとめとして、昨年12月に開催されました第2回薬学系人材養成の在り方検討会に報告をいたしました。
 本年は、同中間報告とりまとめを踏まえまして、学生・卒業生、新設大学、医学・歯学教育及び薬剤師確保のヒアリングを非公開にて行ってきましたが、今回はとりまとめ素案の議論を公開にて開催させていただくことにいたします。
 それではまず、委員の先生方の出席状況、配付資料等の確認を事務局からお願いいたします。
【事務局】  事務局でございます。本日の委員の出欠状況につきましては、全員御出席ということで承っております。
 また、配付資料の確認につきましては、議事次第に沿って進めさせていただきたいと思います。資料1、これまでのヒアリング結果概要、資料2、6年制課程における薬学部教育の質保証に関するとりまとめの素案、資料3、薬学部教育の質保証専門小委員会の開催経緯、資料4、当面のスケジュール案となっております。
 参考資料につきましては1から8までございます。薬学部教育の質保証小委員会について、参考資料2として、本小委員会の運営について、参考資料3として、薬学系人材養成の在り方に関する検討会運営規則、参考資料4として、検討会の公開について、参考資料5、平成26年度質の高い入学者の確保と教育の質の向上に向けてのフォローアップ状況、参考資料6、厚生労働省の薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会とりまとめ、参考資料7、薬学部教育の質保証に係る調査に関する中間とりまとめ、参考資料8として薬学教育関連資料を添付させていただいております。
 続きまして、注意事項について申し上げます。本日オンラインにて開催をさせていただいておりますけれども、御発言される場合には、Zoomの挙手ボタンを押していただきますようお願いいたします。その後、主査から順に発言を御指名いただくこととしたいと思っておりますので、御発言いただく際には、マイクがミュートになっていないことを御確認の上、御発言をお願いしたいと思っております。また、御発言時以外はマイクをミュートにしていただき、音声の調整が困難な場合などにつきましては、チャットなどによりメッセージをいただきまして、動作不良などあれば、事前にお伝えしております事務局の電話番号まで御連絡いただければと思います。
 すみません、以上になります。
【乾主査】  ありがとうございました。配付資料等何か御不明な点はございませんでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは早速、議事に入りたいと思います。それでは、6年制課程における薬学部教育の質保証に関するとりまとめ素案等についてということになりますけれども、その前のところも含めて、事務局から資料に基づいて御説明をお願いいたしたいと思います。
【事務局】  ありがとうございます。事務局です。まず、初めにこれまでの経緯も含めまして、今回初めての公開となりますので、改めて経緯等について御説明をいたします。
 まず、参考資料1でございます。令和3年8月27日と記載がございます、本小委員会についての資料ですけれども、薬学系人材養成の在り方に関する検討会が昨年8月に開催されまして、本小委員会を設置して検討するということとなりました。
 参考資料2に行きまして、ここに記載しておりますとおり、薬学部教育の現状などを把握いたしまして、その結果を検討会に報告をする、また、審議の状況は適宜検討会に報告をするということとしており、次の別紙に本小委員会の委員名簿を記載しております。
 続きまして、資料3を御覧ください。薬学部教育の質保証専門小委員会の開催経緯でございます。10月に第1回を開催しまして、本小委員会における質保証の調査についてヒアリングの実施要領等について検討を行い、実際にヒアリングを行いました。それから、中間とりまとめに向けて検討を行い、第1回から第2回にかけて、そしてヒアリングを含めましてその結果を12月に開催されました第2回「薬学系人材養成の在り方に関する検討会」において報告したところでございます。
 その内容につきましては、本日の参考資料7を御覧ください。こちらが昨年12月までの内容をまとめたものになります。「1.はじめに」のところで、これまでの経緯等を記載しております。薬学教育につきましては平成18年度から6年制を導入しておりまして、薬学教育モデル・コアカリキュラムに基づく教育など各大学の個性・特色に応じたカリキュラム編成、それから、参加型の実務実習などの取組を推進してきているという状況でございます。また、参考資料にも添付しておりますけれども、平成26年度の新制度の教育の質に関するフォローアップ調査などを行いまして、改善方策についても取りまとめてきているところでございます。
 また、令和元年には、第三者評価(薬学教育評価)の第1サイクルが終了し、各大学における薬学教育の充実・改善がより一層推進されているところです。また、昨年6月、こちらも参考資料に添付しておりますけれども、厚生労働省の「薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会」において、薬学部教育における質の確保についての指摘を受けるなど、社会的要請を踏まえた薬学教育の内容やその確保についての検討が必要とされてきております。
 こうした状況を踏まえまして、薬学教育、特に薬学部教育における入学定員の在り方、それから、質保証等について、現在の薬学教育改革の進捗状況の分析を行いながら、今後の薬学教育全体の改善・充実に資するべく検討を行ったということでございます。
 具体的には、2ポツのところでございますが、「薬学部教育の質保証に係る調査」ということで、書面調査の結果を踏まえて、13大学に対してヒアリング調査を行ったところでございます。(1)に記載をしておりますとおり、ヒアリングの対象校の絞り込みに当たっては、①から⑤の指標を用いて絞り込んだわけでございます。具体的には、①から順に、入学者選抜の実質競争倍率、入学定員充足率、標準修業年限での国家試験の合格率、卒業率、それから、標準修業年限から4年以内の退学等の割合、ということで、こういった指標のいずれかに、一定の基準に満たない薬学部に対してヒアリングを行い、(2)にございます内容について質疑を行ったという状況でございます。
 具体的なヒアリングの結果によって得られた取組事例や課題等について、この中間とりまとめでは整理をしておりまして、4ページからになります。ここでは詳細な御説明は省略させていただきたいと思いますけれども、入学者選抜の見直し、入学定員に関する取組においてのそれぞれの取組事例と課題、それから、②のところですが、教育方法、評価、教員体制、内部質保証、教学マネジメント、FD/SDと呼ばれる教職員の研修、履修状況の把握、進路指導、第三者評価への対応、情報の公開などについて、それぞれ取組状況と課題ということで整理をしてございます。
 最後の11ページ目のところでございますけれども、今後の予定ということで、他の医療関係職種の現状、新設大学の現状、それから、薬学部に在籍する学生や卒業生の意見等を聴取し、最終的な取りまとめに向けて、引き続き検討していきたい、ということで、今年に入りましてヒアリングを追加的に行ってきたということでございます。
 先ほどの資料に戻っていただきまして、また資料3でございます。公開で行われました第2回「薬学系人材養成の在り方に関する検討会」で今、御説明しました中間まとめを報告させていただいたわけですが、これに基づきまして、第3回、第4回、第5回ということで、学生・卒業生に対するヒアリング、新設大学のヒアリング、医学・歯学教育及び薬剤師確保に関するヒアリングということで検討を重ねてきたということでございます。
 この第3回から第5回のヒアリングの内容につきまして、資料1に取りまとめてございます。これまでのヒアリング結果概要という資料です。まず1番目に、学生・卒業生に対するヒアリングということで、令和3年11月にヒアリングをしました13大学の中から2つの薬学部について、新設大学の薬学部、平成15年以降に設置した薬学部の中から1薬学部、また、国立大学の6年制の課程の薬学部ということで学生・卒業生に対してヒアリングを実施し、取組事例等ということで把握した内容も含みますけれども、それと課題ということで○・●ということでそれぞれ記載をしてございます。
 主に議論があった内容について、概要としてお示しをしております。入学者選抜の在り方、入学定員に関する取組として、様々な入学者選抜があって、様々な取組が行われているというような状況とか、(2)の教学マネジメントに関しましては、教員、それから、3つの方針を十分に意識して学修に取り組んでいるかどうかという点。考える学修が行われているのか、それから、国立大学における状況、地域偏在の内容も含めて議論がございました。
 また、その次の2ページ目の1つ目の○ですけれども、課外活動や、学生間で勉強を教える取組、それから最後に、一定の水準にある大学においても志願者が減少傾向にあるといった状況などについて御議論がございました。
 また、次のページ、3ページ目に移っていただきまして、新設大学に対するヒアリングということで、平成15年以降に新設された薬学部のうち、薬学教育の質保証のために一定の取組を行っているということを書面上の指標などを基に判断しまして、3薬学部についてヒアリングを行いました。また、同じように○・●ということで、それぞれ議論の概要についてお示しをしております。
 (1)入学者選抜の在り方、入学定員に関する取組についてということで、選抜方法の妥当性についてなどの議論がございました。
 また、(2)の教学マネジメントというところで、こちらも、先ほどもありましたけれども、学生間で勉強を教える取組(スチューデントアシスタント)の議論、それから、情報公開に関する情報が十分周知されているかという点、それから、教学IRが十分機能していないのではないのか、データに基づいた分析というのができていないのではないだろうかという点。
 それから、その他のところでございますけれども、地域の薬剤師会等と交流が盛んで協力体制の強化に取り組んでいるような事例、そのほか、次の○ですけれども、次のとおりということで、薬学教育の質の充実・改善に着実に取り組み、一定の成果が確認できた薬学部があったということで、幾つかの取組を記載しております。チューター制度による丁寧な修学支援を広く周知をしている事例、成績優秀者は早期に研究室配属を行うというような取組が行われている事例、定員数を削減して、教員数を減らすことなく教育の質の改善に取り組んでいるという点、教学IRの結果を基にFDのテーマを設定しているということでそういった事例、地域の薬剤師会と連携した取組を行い、地域の薬剤師の確保等にも連携して取り組んでいるような事例などが見られたところでございます。
 また、薬学教育評価機構においても、こういった優れた取組なども含めて積極的に公表するとか、そういったことも必要ではないかといった御意見もございました。
 続きまして、5ページ目になります。医学教育・歯学教育及び薬剤師の確保等に関するヒアリングということで、それぞれ、また、○・●ということで取組事例、把握した事例と課題ということで概要を記載しております。
 まず、(1)の医学・歯学教育に関するヒアリングというところでございます。医学教育におきましては、臨時定員が増加してきておりますけれども、定員の見直しは容易ではないというような点。歯学教育におきましても、定員を減らすためにはかなりの労力が必要というようなことであり、また、その仕組みについての議論がございました。さらに、医師の確保に係る内容からは、医師の偏在指標や医療計画、地域枠に係る議論などもございましたし、歯科医師の国家試験における合格率についても言及がございました。
 また、(2)のところ、薬剤師の確保等に関するヒアリングに関しましては、公立大学などで入学試験において地域の高校生を対象にしているといった地域枠を設けているような事例もございましたし、就職活動において学生がどういったことを重視しているのかという調査結果も把握をしたという状況でございます。また、一部の自治体におきましては、一定期間県内に就業すれば、奨学金の返還額の一部を助成するような仕組みを設けるなどの取組があるということも議論としてございましたし、また、大学において、薬剤師の地域偏在、業態の偏在、病院薬剤師の不足への関心が低いのではないのかといった議論がございました。
 また、最後7ページ目に参りまして、その他これまでのヒアリングを踏まえてということで、学生のキャリア形成とか、卒業生のフォローアップにもっと積極的に取り組んでいく必要があるのではないのかといったことや、私立大学の薬学部の中で定員未充足の大学もあり、現在の薬学教育、薬剤師養成の在り方ということにもっと危機感を持つべきではないのかというような御意見、教学マネジメントの確立、内部質保証をきちんと考えていくべきだといった御意見もございました。最後にまた、18歳人口の減少に鑑みて、大学の自主的な定員削減だけでは対応が困難とも考えられるということで、こういった御意見、議論などがございましたので御報告させていただきます。
 こういった内容を基に次の資料2をまとめているところでございます。
続きまして、資料2に基づいて御説明申し上げます。中間とりまとめ以降のヒアリングの御意見等を踏まえまして、素案としてお示ししているものでございます。
 まず、1ポツの「はじめに」のところは、中間とりまとめにおける内容について、先ほど言及がありましたので、ここは省略をさせていただきます。検討の経緯等を書いているところでございます。
 2ポツの薬学部教育の現状と課題というところです。1つ目の○につきまして、6年制の薬学教育課程は、医療技術や医薬品開発における科学技術の進歩、医薬分業の進展など、薬学を巡る状況の変化を踏まえ、臨床現場における実務実習の充実など実践的な能力を培うことを主たる目的として平成18年度に制度化されております。その制度化後、病棟や在宅における薬学的管理、また、患者の状況に応じた処方提案が行える資質を備えた人材が輩出されるなど、多職種との協働による医療の充実が求められる中におきまして、医療現場のニーズを踏まえた人材の養成が図られているとしております。
 2ページを御覧いただければと思います。次の○は6年制の薬学部数について、制度化の前後である平成15年度から平成20年度にかけて28学部が増加し、近年も公立、私立など一、二学部の新設がなされております。
 入学定員は、平成20年度に1万2,170人と最大となっており、その後若干減少しております。内訳を国公私別で見ますと、国立大学が5%、公立大学が4%、私立大学が90%となっております。平成20年度までに設立された私立大学におきましては、入学定員の未充足、また、入学志願者数の減少等を背景として、多くの大学で入学定員の見直しが行われてきておりますけれども、入学者の確保は依然として厳しい状況にあり、入学定員充足率、志願倍率等の減少傾向が続いていること、入学定員充足率が80%以下となる私立大学が3割に達していることとしております。
 加えて、私立大学における標準修業年限内の国家試験合格率につきましても、18%から85%までばらつきがあり、新卒の国家試験合格率が高い大学でも、標準修業年限内の合格率が低いなど入学後の教育に課題を有する大学もあります。
 また、こうした中におきまして、厚生労働省に設置された「薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会」のとりまとめが昨年6月に出されておりまして、その中で、少子化等の進行により、将来的に薬剤師の供給が需要を上回り、薬剤師が過剰となること、薬剤師の従事先には、地域偏在に加えて、薬局に比べて病院における薬剤師が不足しているという業態の偏在等の課題があるといったことが指摘されている、こうした状況を踏まえまして、最後の○ですけれども、医療の進展やDXなど社会環境の変化を見据え、求められる資質・能力を身につけた質の高い薬剤師を養成するためには、入学者の確保・選抜の在り方のみならず、入学後の教学マネジメントの確立や教育の実施体制、進路指導等の出口管理までの全般にわたり、教育の質を向上させるための取組を充実・強化する必要があるとしております。
 続きまして、3ページを御覧ください。こういった課題を踏まえて、3、今後の薬学部教育の改善・充実の方向性でございます。(1)入学者選抜の在り方につきまして、まず1つ目の○は、入学者選抜について、ディプロマ・ポリシー及びカリキュラム・ポリシーに基づいて、入学者の受入れの方針、アドミッション・ポリシーを定めて行うものであること、大学で学び卒業するために必要な能力・適性等を評価・判定することを目的とするものであることとしております。
 その上で、2つ目の○以降、現状認識、課題及び対応の方向性を述べております。「しかしながら」というところで、ヒアリングを行った大学におきましては、出願者数の減少を背景として、文理を問わず得意科目1科目のみを問う入試の実施や、留学生の積極的な受入れなど学生確保のための多様な取組が行われており、一部の大学では入学に際して求められる必要な学力の確認が軽視されていると考えられる事例もあったこと、学生確保を重視した入試により、入学段階で入学者に求める力を確認しないことは適切ではなく、各大学においては、明確なアドミッション・ポリシーの下、薬学を学ぶために必要な一定の知識を確認する試験、また、面接等の組合せによりまして、入学者の将来の医療人としての資質・能力、意欲や適性等を特に重視した評価を行う必要があるとしております。
 3つ目の○では、とりわけ出題科目につきまして、各大学においては、入学者の追跡調査等によって選抜方法の妥当性について検証を行って、出題科目や出題内容を不断に見直すことが重要であり、入学後の薬学教育を受けるために求められる学力を確認するため、出題科目を適切に設定すべきであるとしております。
 また、4つ目の○では、学費の減免を行う特待生制度によりまして、意欲の高い学生の確保につながる場合もありますけれども、他の入学者との間で学力差が生じる場合もあり、入学後のカリキュラムの工夫などによって、学生の学力に応じた教育を行うことが求められること、また、留学生の積極的な受入れを進める場合には、入学後の適切なフォローが必要になりますため、留学生の受入れ及び育成に関する明確な方針と、そのための体制整備が必要であること。
 また、最後の○では、低年次における留年率または退学率の割合が相対的に高い大学も存在しますけれども、こういった大学におきましては、これらの情報を適切に公開するとともに、カリキュラム・ポリシーに基づく教育内容を踏まえ、アドミッション・ポリシーを見直すこと、それに基づく適切な入学者選抜の実施が必要であること。また、必要に応じて、リメディアル教育を行う場合には、教員が個々の学生の学修状況や到達度を十分に把握して、正規の教育課程の学修の質の向上につなげていくなど適切な指導体制を整える必要があるとしております。
 続いて、4ページ、(2)入学定員に関する取組でございます。1つ目の○では、6年制課程が薬剤師の養成を目的とする課程でありまして、薬剤師国家試験の受験資格については、6年制課程を卒業する者のみに認められていること。
 こうした中で、2つ目の○では、現状として、課題のところにもありましたように、入学者選抜の実質競争倍率や入学定員充足率が低い大学が存在すること、また、厚生労働省における検討会においても、将来的に薬剤師の供給が需要を上回り、薬剤師が過剰となること、ひいては、待遇面を含む就職先の確保が困難であることや、優秀な学生の確保に対する懸念が示されております。薬学部入学定員の在り方について、従来の考え方を見直す必要があるとしております。
 3つ目の○で具体的内容としまして、このため、6年制課程の薬学に係る学部・学科の新設及び収容定員の増につきましては、これまで大学の判断によって自由に申請が可能であり、学校教育法及び大学設置基準等の法令に適合していれば原則として認可されてきたところでありますが、その原則を改め、抑制方針を取ることとし、速やかに制度化を進める必要がある。その場合、地域ごとに薬剤師の偏在が指摘されていることを踏まえ、各都道府県の医療計画等において、薬剤師不足など将来的に当該地域における人材養成の必要性、これが示され、かつ他の都道府県との比較において、薬剤師の確保を図るべきであると判断できる等の場合には、その例外として取り扱うことが適切であるとしております。
 4つ目の○では、既存の大学に係る取組でございます。各大学においては、入学定員充足率が低いこと等に加えて、ここに記載しておりますとおり、教育の質の維持・確保に課題があります。このため、国は、実質競争倍率や入学定員充足率、標準修業年限内の卒業率、国家試験合格率、退学等の割合が一定水準を下回り、教育の質に課題があると考えられる大学に対して、カリキュラム・ポリシーに基づく教育内容を踏まえたアドミッション・ポリシーの見直し、それに基づく適切な入学者選抜の実施及び入学定員の適正化を強く要請すべきである。また、入学定員未充足の大学に対しては、教育未来創造会議の第一次提言の内容も踏まえまして、メリハリある財政支援等により、より一層の入学定員の適正化を求めていく必要があるとしております。
 最後の○は薬剤師の偏在に係るものでございます。地域偏在の解消に当たっては、大学と地方自治体等が連携して対応することが重要であり、薬剤師の偏在対策に資する地域枠等の定員枠の設定等により、地域に貢献する意欲ある学生を選抜し卒後のキャリア形成とつなげていく必要があること。併せて、各大学において、自治体や薬局・病院等と連携し、地域の中高生等に対して薬剤師の魅力について理解を促進することも有効であること。また、国においても、需給推計を基にした地域における薬剤師の需要見通しの精査や偏在指標の導入、大学と自治体等が連携する卒前・卒後の取組に対する支援を行う必要があるとしてございます。
 続きまして、(3)教学マネジメントの確立です。平成30年に出されました高等教育のグランドデザイン(答申)の中におきましても、学生の学修成果に関する情報を的確に把握して測定し、それを教育活動の見直しに活用することで、適切なPDCAサイクルを確立することが求められております。
 また、教学マネジメント指針におきましても、3つの方針が教学マネジメントの確立に当たって最も重要であり、3つの方針に基づき自律的に体系的かつ組織的な大学教育を展開し、適切な点検・評価を行って教育改善に取り組むことが必要であるとしております。
 こうしたことを踏まえまして、ア)、教育課程・教育方法でございます。こちら、1つ目の○では、薬学教育におけるモデル・コアカリキュラムを策定して、学生が卒業までに身につけておくべき学修すべき目標を提示し、教育課程の7割程度を当該モデル・コアカリキュラムを踏まえた編成とすることを目安としてございます。
 各大学は、教育理念及び養成する人材像を明確にした上で、医療の進展や高度化、時代のニーズを踏まえた特色ある教育課程を編成し、内部質保証に基づくPDCAサイクルを確立することが求められますが、一部の大学では、薬学共用試験や薬剤師国家試験の対策に偏重した教育がなされており、社会のニーズに対応した課題発見・解決能力を養う教育が不十分であるとの懸念があります。
 このため、今後改訂される薬学教育モデル・コアカリキュラムに準拠した学修すべき目標を適切に身につけるとともに、21世紀型市民として、課題発見・解決能力を養うことができるよう、大学独自の授業科目の充実を図る必要があるとしております。
 次の○では、各大学において、在宅医療を含む地域医療や薬剤師の偏在、これは地域偏在や病院薬剤師の不足という業態偏在に関する教育プログラムの策定・実施を通して、薬剤師の果たす役割に関する教員・学生の意識を醸成していくことも重要であるとしております。
 続きまして、イ)学修成果の把握・可視化・進路指導でございます。教育マネジメント指針におきましては、大学の教育活動、学修目標に即して適切に評価し、教育改善につなげるためにも、学修成果・教育成果を適切に把握して可視化する必要があるとされております。
 このため、学位プログラムのレベルにおきましては、学生の履修状況の把握や学生との定期的・継続的な面談等によって、ディプロマ・ポリシーに定められた資質能力の習得状況、また、今後の履修の方向性について適切にフィードバックすることが期待される。標準修業年限内の卒業率が低い大学も見られますが、こうした取組を通じて、学生が標準修業年限内で卒業できるよう支援する必要があるとしております。
 また、総合的な学力不足を理由に5・6年次の進級率が低い大学も存在しますけれども、特定年次の特定科目が進級や卒業へ大きく影響し、4年次までの進級率との乖離が発生するといったことは、ディプロマ・ポリシーやカリキュラム・ポリシーとの関係からその妥当性について疑義を生じさせかねないものでありまして、カリキュラム・ポリシーに基づいた適切な単位認定や進級判定を行うとともに、必要に応じてカリキュラムの改善・充実を図る必要があるとしております。
 また、次の○では、学生間の学力差が課題となる場合には、教員の指導のみならず、課外活動を含め、学生間の関係を充実させて、学び合うことを通じて学修意欲の喚起や学修成果の向上につなげるなど、学生の状況に応じたきめ細かい支援、カリキュラムと有機的に連携した指導上の工夫を行うことが重要であるとしております。
 5つ目の○ですけれども、学生の就職支援・進路指導に当たっては、薬剤師の地域の需要や薬局、病院等の多様なキャリアについての十分な情報提供が大学においてなされていないとの指摘もあります。薬剤師の偏在が指摘されている一部の地域や病院においては、人材確保・キャリア形成における多様な取組が展開されており、地方自治体による奨学金制度や卒業後のキャリア形成支援の取組もございます。こうした内容の一層の充実を図るとともに、大学においてもその取組を学生に対して十分周知する必要があるとしております。
 また、最後の○ですけれども、ヒアリングにおいては、入学後に薬剤師としての適性と本人の資質・能力のミスマッチが生じている事例も見られました。こうしたミスマッチを防ぐために、まずは学生募集における情報提供や、アドミッション・ポリシーに基づく適切な入学者選抜の実施が求められるとともに、入学後の学力に課題が見られる場合には、リメディアル教育など学生の学力に応じた必要な適切な支援を行うことが重要であること。その上で、なお薬剤師としての資質・能力・適性に問題があるなどの場合によって他の分野への進学を希望する学生の支援に当たっては、低学年など早期の段階から相談体制を充実させることによって、本人の希望に応じた必要な支援と進路変更等、多様なキャリアパスが確保できるように配慮することが重要であるとしております。
 また、6年制の課程に入学したものの、やむを得ない理由等によって卒業に至らなかった場合であっても、科目等履修生として大学の単位を取得するなどによりまして、一定の要件を満たした場合には、独立行政法人大学改革支援・学位授与機構による審査を経て、同機構による学士の学位授与が可能となっており、学生の進路を狭めることのないよう、適切な助言を行うことが望まれるとしております。
 次に、ウ)FD/SD、教学IRの項目です。1つ目の○では、学修者本位の教育の観点から、学修成果や教育効果を最大化するためには、教職員の能力向上が不可欠であること。このため、対象者の役職に応じた適切なファカルティ・ディベロップメント(FD)及びスタッフ・ディベロップメント(SD)を組織的かつ体系的に実施することが重要であるとしております。
 2つ目の○では、このため、具体的な内容としまして、大学の教員一般に求められる基礎的な知識・技能や望ましい資質・能力を身につけさせるためのFDに加えて、特に最新の医療現場に対する理解など、医療を取り巻く環境の変化に対応するためのFDを実施し、その取組に関する効果測定を通じて質の向上につなげていくこと。その際、指導力に課題を有する教員に対しては、講習会等の研修の機会を十分に充実させた上で、必要に応じて配置の在り方を再検討すべきであること。
 3つ目の○では、教学IRについてでございます。質の高い薬学教育の根幹をなすものが教学IRでありまして、客観的なデータ及び分析に基づくカリキュラムの見直しや、学生の特徴を踏まえた効果的な学修方法の改善・充実に取り組み、その結果を評価する取組を継続していくことが重要であること。
 例えばということで具体的には、1年次修了時点の成績とその後の成績との相関関係が高いとの分析結果があり、低学年におけるモチベーションの維持・向上が学修効果を高める可能性が指摘されており、各大学においてはこういった分析を踏まえ、低年次のカリキュラムやサポートの在り方について重点的な検討を行うこと、また、カリキュラムの見直しによるクォーター制の導入など、学修を効果的に実施するために教学IRを活用することが考えられるとしております。
 また、教学IRの解析に基づき課題を抽出して、改善に向けたFDのテーマ設定を行うことも有効であることとしております。
 最後の○ですけれども、このほか、卒業生に対するフォローアップ調査等を行うことを通じて、卒業後の状況を把握し、ディプロマ・ポリシーの評価等を行って適切に教育活動にフィードバックすることで、各大学の取組や教育成果、卒業生の活躍の状況を広く周知し、卒業生の社会的評価を高めていく必要があるとしております。
 次に、エ)情報の公表でございます。1つ目の○では、まず大学は、薬剤師養成の明確なアドミッション・ポリシーを設定し、受験生・在学生等に対して公表していくことが重要であり、その際には、国家試験合格率のみならず、薬剤師としてのキャリアを見据え、育成した人材がどのような分野や地域で活躍しているかなど、大学教育の成果や質に係る情報も併せて提供していく必要があること。
 加えて、大学は、入学者選抜に関する情報などの指標について、ホームページや入学案内等において、受験生、保護者、在学生等に分かりやすい形で公表すべきであり、新卒の国家試験合格率を掲載する場合には、標準修業年限内の国家試験合格率も併記すべきであること。
 最後に、国は、として、各大学の情報公表の状況を確認し、受験生等にとって必要な情報提供や開示がなされていないと考えられる大学に対しては、必要な助言等を行うことが求められるとしております。
 (4)薬学教育評価、第三者評価への対応でございます。まず薬学分野における第三者評価につきましては、学校教育法に基づきまして、いわゆる大学全体を対象に行う機関別認証評価が行われておりますけれども、これに加えて、平成25年より、教育の質を保証することを目的とした分野別の評価が一般社団法人薬学教育評価機構により行われてございます。
 現在、7年に一度の評価のサイクルの第2サイクルが開始されておりますけれども、評価によって指摘された事項に対する対応が不十分であること、指摘事項を教育活動の改善に反映し、PDCAを回すサイクルが確立できていないといった指摘がございます。特に、留年率、退学の割合が高い大学、標準修業年限内の卒業率、国試合格率に改善が見られない大学は、重点的かつ組織的にその要因の特定に取り組む必要があるとしております。
 また、大学は、評価結果を社会一般に対して分かりやすく発信するとともに、その評価結果のみならず、指摘事項に対する対応状況を公表することが求められること。その前提として、内部質保証システムの具体的な内容を組織全体で理解するための取組が重要であるとしております。
 最後に、評価機構においても、本とりまとめで指摘されている入学定員から進路指導等にわたる各課題について、大学の取組や改善を評価していくことが今後期待されること。加えて、各大学の優れた取組を積極的に公表するなど、その評価結果を広く大学間で共有していくための取組の実施が求められるとしております。
 最後に、「4.おわりに」のところでございます。1つ目の○では、薬学教育の質の向上に当たって、質の高い教員の確保が重要であり、現在6年制課程卒業後の4年制博士課程への進学率、進学者数は、卒業生の約1.4%にとどまっているといったことから、6年制課程を支える教育・研究人材の不足が懸念されること。加えて、過去の提言等におきましても、4年制博士課程の本来の設置目的に合致したふさわしい教育研究が行われているかについての懸念も示されておりますので、引き続き4年制博士課程の課題等について、数・量双方の観点から検証する必要があること。「さらに」のところは、もう一つの課程である4年制の学部教育課程について書いたものでございまして、薬学に関連した多様な分野に進む人材の養成を目的とした4年制課程の学部・学科について、その果たすべき役割や、創薬分野に貢献する研究人材の養成の現状等を踏まえ、充実方策を引き続き検討する必要があるとしております。
 最後に、薬学教育に関わる大学関係者、関係団体、関係省庁がより一層連携し、本とりまとめを着実に実行していく必要があるとしております。
 説明は以上でございます。御審議よろしくお願いいたします。
【乾主査】  ありがとうございました。ただいま事務局から、これまでの経緯を全般に説明いただいて、そして、ただいま、本日の最も重要な議題であります、6年制課程における薬学教育の質保証に関するとりまとめの素案について説明をいただきました。これまで非公開でありますけれども、この委員会で検討したことを踏まえて、一応こういうとりまとめ案を今日は皆さんに御審議いただくという形になったわけでございます。
 それで、ちょっと膨大な量になりますので、特に御審議いただきたいのは資料2について審議をいただくということに致したいと思います。
 その資料2を一応4つに分けて御審議いただいたほうがやりやすいかなということで考えていました。それでまず最初、資料2の「はじめに」のところと、そして、2の薬学部教育の現状と課題のところ、そこまでで1つということ。それから、その次、3番目の3の(1)、(2)のところについて、今後の薬学教育の改善充実の方向性の(1)と(2)のところ、ここの辺りが最もいろいろ皆さん関心の高いところじゃないかなと思います。それで、2番目にこの議論をいただく。それからさらに、3の(3)のア)からウ)までをまとめさせていただくと。それから最後に、エ)と、それから、4の「おわりに」というところになろうかと思いますけれども、エ)から最後までということに致したいと思います。
 それでは、まず最初に、1、2のところ、これについて委員の先生方から御意見をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 特に御意見がないというか、もう十分議論してきたということで、よくまとまっておるという、そういう捉え方でよろしいですか。とにかくまず、最初の1、2のところ、「はじめに」のところと薬学部教育の現状と課題のところはこんなところでよろしいでしょうかね。特に皆さん御意見ないようですね。
 それでは、ないようですから、取りあえず、次に進むということにしたいと思います。
 それで、その次は、3の今後の薬学部教育の改善・充実の方向性というところで、(1)と、(2)というか、要するに、入学者選抜の在り方と、それから、入学定員に関する取組と、この2つに焦点を絞って、委員の先生方からこのとりまとめ案について御意見をいただきたいなと思います。どなたからでもよろしいかと思いますから。いかがですか。
 それでは、亀井委員、お願いします。
【亀井委員】  ありがとうございます。特に文言の訂正等をお願いしたいとの意見ではございませんが、(1)の2つ目と3つ目の○のところに関連しまして、この委員会では入試の方式とか入試時の科目などについて度々議論がなされまして、それで、その中でやはり、薬学に入学後の学修に適するかという学力の確認は重要であるものの、特に高校でどういった科目を履修したかということは、大事ではあるけれども、意欲とか適性の確認が非常に重要であるといった意見がありました。
 また、後のほうに出てきますけれども、ほかの委員の先生から前に、21世紀型市民のような人材を育成する上では、例えば理系だからこの科目とかそういった入試科目の決めつけ、そういったことを決めつけないことも大事ではないかという意見もありましたので、出題科目を適切にとの記載について、薬学だからこの科目にするべきとか決めつけないことが伝わるといいのではないかと思いました。
 またあと、2つ目の○のところには、一定の知識を確認する試験や面接等とありますけれども、意欲や適性の確認といった意味で面接等との組合せというのを書いていただいたのは非常によかったと思います。
 以上です。
【乾主査】  ありがとうございました。事務局、いかがですか。
【事務局】  意欲や適性を確認するとか入試科目の部分につきましては、2つ目の○に、文理を問わずといった、入試の現状を書かせていただいているというところでございます。その後段の3行のところで、薬学を学ぶために必要な一定の知識の確認や面接等の組合せにより試験を行う、資質・能力、意欲、適性を特に重視した評価を行う必要があると、こういった書き方とさせていただいております。入試科目について特段の言及はしておりませんけれども、引き続き御議論いただければと思っております。
【乾主査】  亀井委員、いかがですか。
【亀井委員】  今の文章でそのように読める書き方になっているかと思います。念のため、そういう誤解がないようにと思いましてお伝えしました。
 以上です。
【乾主査】  ありがとうございました。それでは次に、ほかの御意見を伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。それでは、平田委員、お願いします。
【平田委員】  先ほどのところで、ここは非常にしっかり議論させていただいたところだとは思うんですけれども、薬学としての科目設定というよりも、やはりアドミッション・ポリシーにどう書いてあるか、それをどう問うかというところが重要と考えます。それはひいてはディプロマにつながっていくので、その中でどういう入試をするかというのが問われているということで、どんな科目かよりも内容的にそれを問うことができているかということが重要なのだと思います。一方で学力の3要素というのは全体的に問われているはずですから、多分今大学は入試において教科と学力の3要素と直接ひもづけして、この教科は迫力の3要素の中のこの項目を問うということを示されていると思います。それはここには書いてありませんけれども、アドミッション・ポリシーでそれを明示するということが重要ですので、そういった読み込みをしていただけるならば、この表現で十分なのかなと思います。
 だから、1科目の入試がいい悪いというよりも、やはりここに書いてあるようにアドミッション・ポリシーの下というのが非常に重要なのかなと思います。それはさっきおっしゃった下から3行に「明確なアドミッション・ポリシーの下」というふうに書かれていますから、そういう意味ではここでの提言なり、まとめにはなっていると思います。ただ、どのように捉えられるかが気になるところなのかなと思います。
【乾主査】  ありがとうございました。今、亀井委員、平田委員のおっしゃっていることは、この委員会でこれまでもいろいろと審議してきたところで、それを踏まえてこのような書きぶりにしていただいたんですけれども、どうしましょうかね。
【亀井委員】  亀井でございますけれども、書きぶりとしては問題ないと考えております。
【乾主査】  平田委員もよろしいですか。大体納得はしているけれども、ちゃんとしっかりこれを理解してもらうように伝えるというところ、そこが大事ということですね。
【平田委員】  はい。もう1点、○の5つ目にも、アドミッション・ポリシーの見直しとあり、これはあくまでディプロマ・ポリシーからカリキュラム・ポリシーが策定され、カリキュラム・ポリシーに基づく教育など踏まえたアドミッション・ポリシーの見直しになっているので、先のアドミッション・ポリシーと入試の関係と、このカリキュラムの在り方からアドミッションを見直すというところが二通りの捉え方になるように思います。それは当然そうなんですけれども、アドミッション・ポリシーの在り方というのをやっぱり明確に伝えるべきと思うので、その辺りは読み分けができるように書かれているのかと思います。
 ですから、書き方がどうということではなく、言葉を足してしまうと長くなってしまいますので、大学は当然それを踏まえてアドミッション・ポリシーを見直すという前提になっていると思います。一方で、第三者評価では、多分○の3番目の出題科目の適切な設定というところには、問題の質も含めてなかなか立ち入れないところですので、ここは大学に任されているところですので、上の文章を踏まえて、この辺りも適切にまさに設定すべきであるというところが伝わればいいと思います。
【乾主査】  ありがとうございました。今の御意見も踏まえてもう少しやってみるということにいたしましょう。
 ほかに御発言ございませんか。よろしいですか。
【西島委員】  西島ですけれども、いいですか。
【乾主査】  それでは、西島委員、お願いします。続いて、北澤委員ということにしたいと思います。
【西島委員】  西島です。今回のとりまとめ、全体としてもすごく議論の内容がよくまとめられているという全体的な印象でした。
 それで、今のところで(2)の入学定員に関する取組なんですけれども、これの上から3つ目の○、このところに、定員に関しまして、今まで原則とされてきたことの原則を改めて、抑制方針を取るということとして、速やかに制度化を進める必要があるということ、これが非常にはっきりとまとめられているので大変いいと思いました。
 それで、速やかに制度化を進めるということについて具体的にどういうふうなことが考えられるかということについて議論があったかどうかちょっと覚えてないんですが、この点もうちょっと具体的に何か書けることがあったらいいかなということを感じました。
 以上です。
 事務局のほうから何かその点で制度化について何か具体的なことがあれば、御意見いただければと思います。よろしくお願いいたします。
【乾主査】  ありがとうございました。それでは、お願いします。
【事務局】  御意見ありがとうございます。抑制方針に関連した御質問ですけれども、大学の設置に係る抑制につきましては、他の分野である医師や歯科医師の抑制を文部科学大臣の告示において定めてございます。ですので、本委員会で御審議をいただいた後に、夏頃、検討会において御成案として取りまとめていただいた後には、その報告を受けまして、文部科学省におきまして、関係の告示の改正と必要な手続の準備を進めて制度化を図ってまいると、そういった流れになるかと存じます。
【西島委員】  分かりました。ありがとうございます。ぜひその方向でうまく話が進むことを期待しております。
 以上です。
【乾主査】  ありがとうございました。それでは続いて、北澤委員、御質問お願いします。
【北澤委員】  北澤です。2つ質問があって、1つ目のは、さっきの西島先生のと全く同じ、制度化というところについてです。
 2つ目の質問なんですけれども、そこの同じ○の最後のところで、他の都道府県との比較において薬剤師の確保を図るべきであると判断できる場合には例外として取り扱うことが適切であるという文章があって、意味は大体分かるんですけれども、ここで重要になってくるのは、将来の薬剤師の需給の予測もあるとおり、今足りないからどうだというだけではなくて、将来的にどうなるのかという視点もまた重要だということを特に強調したいと思っております。今足りないというのはいろいろなところで今足りない地域はあるんですけれども、これから人口減少やいろいろなテクノロジーが進む中で、将来的にも足りないということなのかどうかといういうことを検討してもらいたいということです。
 以上です。
【乾主査】  それでは、これも。
【事務局】  素案に「各都道府県の医療計画等において」と記載してございますけれども、とりわけ医師養成の分野におきましては、医療計画や医師確保計画など各都道府県において人材の将来的な需給の見通しを示し、その下で医学部の臨時的な収容定員の増加を図る、こういった取組を行ってきているところでございます。こういった内容も参考にしつつ、各都道府県における将来的な人材養成の必要性の見通しに基づきまして、特に薬剤師の不足が指摘できるといったところ、また、他の都道府県との比較において、とりわけ薬剤師の確保を図るべきであると、こういったところが客観的に判断できる場合にはその例外として取り扱うと、こういった趣旨でございます。ありがとうございます。
【北澤委員】  ありがとうございます。
【乾主査】  ありがとうございました。それでは、そのほかはいかがでしょうか。
 それでは、亀井委員、お願いします。
【亀井委員】  今の北澤委員と同じところで、例外のところでございますけれども、この例外の取扱いというのは非常に、記載はされても実際には難しいのではないかと思っております。地域の偏在というのが、その県に薬学部を設置すれば解消するのかという、そういう単純な話ではないということとか、そのため下の4行を書いていただいたものと思いますが、そういう状況があって、必要性の判断が示されたうえでの例外であるかと思います。ただ、設置する場合にもやはり適切な定員というのを考えなければいけないということで、この例外の取扱いというのは非常に慎重にしていただく必要があると思っております。
 あとは、もう一つございまして、このように制度化というのが打ち出されて、この制度が定着をすれば、当然薬学部の入学定員が一定枠に抑えられるものと思いますが、この措置を取ったとしても、なおかつその定員が適正かどうかという、そういった問題は解消するとは限りませんので、そういう今後の制度化した後の(音飛び)検討する必要があるのではないかというふうに思いました。
 以上です。
【乾主査】  最後のところ聞こえにくいところがあったんですけれども、制度化した後、今後の見通し、見直しとかそういうところをしっかり含めてやってくださいよということですよね。
【亀井委員】  はい、そうですね。恐らく、一度こういった仕組みをつくっても、その効果といいますか、それはすぐには分からないと思いますので、いつ頃そういう見直しが必要なのかとか、そういったことも考えておく必要があるということでございます。
【乾主査】  どうですか。
【事務局】  ありがとうございます。御意見を踏まえまして検討してまいりたいと存じますけれども、この例外の規定につきましては、先ほど来、先生方からも慎重にという御意見をいただいておりますところ、例えば時限的に一定の期間を区切って例外として認めるとともに、また、その効果の検証も含め一定期間経過後には規定の見直しも行っていく、こういったことも考えられるのではないかと思っております。御意見を踏まえて検討してまいりたいと存じます。
【乾主査】  ありがとうございました。よろしいですね、亀井委員。
 それでは次、今手が挙がっているのは後藤委員だと思いますから、お願いします。
【後藤委員】  今、亀井委員が言われたことと全く同感なんですが、私もこの例外のところが非常に気になっています。最近の新設大学の設置の理由というのは、各都道府県での薬剤師が足らないからということが大きな理由だったように思うんですね。それが、そこのところがかなり充足率が低いということが起こっていると。
 もう一つは、薬剤師の確保ということに関して、その効果が出るのは10年以上先ですよね。いろいろな申請がなされて、大学が卒業生を出して、10年先のことで判断するかいうのはこれ非常に難しいことだと思うんです。それがずっと今持っている問題だというふうに感じます。
 それで、これに関しては一つですが、これは単に私立大学だけではなしに、国公立にも当てはめるというふうな考えと理解していいんでしょうか。いかがでしょう。
【事務局】  御意見のとおりでございまして、私立大学のみならず国立・公立に対しても同様の方針をというご議論であったと認識してございます。
【後藤委員】  分かりました。そういう点が非常に、こういう例外を設けるということに関して、例外が本当に例外にならないということが大事なことだなという気がします。
 それと、現在もう既に出来上がった大学、もう既設になってしまった大学の中での定員というのはどのようにお考えでしょうか。
【事務局】  これまでの会議の議論におきましても、先生方より、既存の大学においても入学定員が充足していない、また、適正な規模にする必要があるのではないかといった御意見があったかと思います。また、現在の後藤先生の御意見もそういった御意見かと存じております。
 そういった御意見を踏まえまして、この4ページ目では4つ目の○で書かせていただいております。既存の大学で入学定員の充足率が低い、また、その他の指標も含めて課題のある大学に関しまして、教育未来創造会議の一次提言でも言われておりますけれども、メリハリある財政支援によって定員の適正化を求めていく必要があるとの指摘でありまして、脚注に書かせていただいておりますが、特に私立大学についての私学助成に関しましては、定員未充足の大学に対する私学助成の減額率の引上げや不交付の厳格化等により厳格に対応させていただくことを通じて定員の適正化をお願いしていく、こういった対応を念頭に置いてございます。
【後藤委員】  なるほど。非常にこの点は、こういう支援を、経済的な支援でそういうのを促していこうという考えはよく分かるんですけれども、私学の場合に、先ほどからアドミッション・ポリシーに従って入学者を決定するというの、これは何もおかしいことではないわけですけれども、もう一方でアドミッション・ポリシーから少々外れても、人数の確保というのは私学にとって非常に大きな問題なんですよね。
 その場合にここのジレンマがあるのは、それで減らしたら補助が減る。そうしたら、採らなければならない。こういうふうな図式ということに関して今までいろいろな大学で見えてきたところで、やはりこれ、アドミッション・ポリシーを守ろうと思えばここまで入学者を抑えなければならないというような大学が出た場合、これは補助金が減らされるわけですよね。それぐらい潔いことをしながら、補助金が減らされるということにはつながらないんでしょうか。
【事務局】  先生、すみません、今の先生の御指摘の御意見の趣旨をもう一度確認させていただきたいんですけれども。
【後藤委員】  例えばアドミッション・ポリシーがあると。それで入学試験をした。それで、アドミッション・ポリシーに少々合わないけれども、学生がいると。でも、これを確保しなければ、補助金のカットが起きるということが起こると。もしそれがなければ、そういうようなアドミッション・ポリシーに合わない学生は不合格とすることもできるのにというようなことは起きませんかということなんです。
【事務局】  私立大学の経営とのバランスの観点ということでの御指摘かとも思いますけれど。
【後藤委員】  そうですね、はい。
【事務局】  一方で、薬学教育を受けるに足るに必要な能力を要する学生さんに入ってきていただくということも一つ大事な側面だと思っておりまして、大学経営の観点から、大学の規模をどう考えるのかというところ、また、継続的な中長期的な大学経営の観点から大学のマネジメントをどうされていくのかというところは各大学における事情もあろうかと思いますので、中長期的な視野で規模を考えていただくことが必要になってくる側面があろうかと考えております。
【後藤委員】  分かりました。
【乾主査】  よろしいでしょうか。それでは、次、入江委員、お願いします。
【入江委員】  熊本大学の入江です。私もこの4ページ非常に重要だと思います。皆さんの御意見を聞いていまして、慎重にいろいろなことを取り扱わないといけないと感じています。
 3番目の〇で、基本的に抑制方針を打ち出し、例外的なことをふれています。この3番目の〇と、5番目の〇は関連しているように感じます。例外的な対応をとりながら、その地域で努力して地域偏在等を解消する取組を行うということですから、近い場所にあったほうが話の流れとしては分かりやすいように思います。
【乾主査】  順番を変えるということですね。
【入江委員】  はい。4番目の〇、今、後藤先生が言われた内容ですので、すこし違う観点のように思いますので、5番目の〇を上に持ってきたほうが分かりやすいと思います。
【事務局】  ありがとうございます。御意見踏まえまして、少し順番を工夫させていただきたいと思います。
【乾主査】  それでよろしいですか、入江委員。
【入江委員】  はい。ありがとうございました。
【乾主査】  それでは、その次、長谷川委員、手が挙がっていますか。お願いします。
【長谷川委員】  名城大学の長谷川でございます。先ほど入江委員が御指摘になった点、私も同じことを感じました。
 今議論で多く意見が出ているのが3つ目の○のところなんですが、それと絡めて5つ目の○のところも、実は後藤委員もさっきおっしゃっていたんですが、措置をして効果が見られるまでやっぱり10年近くかかると思います。これは医学部の対策のところでもそういうお話が出ていましたし、制度化するのは、「速やかに」と書かれていますので、地域偏在の解消に当たって、例えば地域枠に関する制度も医学部の例がありますし、制度化は早い対応が必要なのかなと思います。それぞれの自治体で大学と協力して連携してと言っていると、そこの地域だけの話になってしまうので、これは速やかに制度化をしていく必要があるんじゃないかということは感じました。
 ですので、一番最後の5つ目の○は、今の3つ目の○の次ぐらいに少し触れていただいたほうが話の流れとしては分かりやすいのかなということはちょっと感じましたので、ご検討をよろしくお願いいたします。
【乾主査】  ありがとうございました。事務局から説明があったように、この制度化はもう本当に速やかにやるという、そういう方向で今動いておるようですから、長谷川委員の懸念されていることはある程度カバーできるんじゃないかと私は理解しているんですけれども、御理解ください。
 それでは、そのほかいかがでしょうか。御意見いただきたいと思います。
 それでは、平田委員、お願いします。
【平田委員】  私はそこの読み込みがちょっと足らなかったかもしれないと思います。3つ目のポツのところに、学部・学科の新設及び収容定員増ということで、今の議論では新しい大学が出来るときに例えば地域偏在を考えて設置されれば定員増は現実には起こり得ることだと思います。これをここで一緒に考えていいのかどうかというのが少し気になりました。だから、多分、新設とかそういった地域偏在を考えたら、さっきおっしゃったように3つ目と5つ目は近いほうがいいということだと思うんですけれども、この収容定員増というのを今の学部・学科の新設と並行して書くというのはどうなんですか。
【事務局】  お答えいたします。これまでのヒアリング、また、ヒアリングを踏まえた先生方の意見交換の中でも、地域における薬剤師の偏在の御議論があったと存じております。また、その中では、学部・学科の新設に加えまして、既存の学部・学科が収容定員を増やすということについても、全体の定員数が増えていくことになりますので、需給のバランスの観点から、新設と同様に抑制方針を取ることが適切であろうと、そういう御議論と受け止めてさせていただいております。
【平田委員】  それはよく分かるし、現実問題として起こり得るというか、それはあるんですけれども、定員充足してない大学が多い状況の中で、この収容定員増というところに少し違和感があります。既存の大学が定員を増やすという意味ですよね。
【事務局】  はい。既存の大学が増やすという意味でございます。
【平田委員】  分かりました。定員増についても地域偏在に係っていることですね。
【事務局】  はい、御指摘のとおりでございます。
【平田委員】  大学をつくるかどうか、あるいは新設したときの定員数がどうかという議論は割としてきたと思うんですけれども、この収容定員増という部分は、なるほどおっしゃるとおりで、それもここのいわゆる抑制に係るという部分でいいんですけれども、そう読めばいいんですよね。ですから、あんまり起こり得ないことかもしれないけれども、地域偏在だから、地方にある大学が定員を増やす可能性もあるけれども、そのときは例外的な措置としてという、そういう意味が含まれているということですね。
【事務局】  はい、御指摘のとおりでございます。
【平田委員】  分かりました。
【乾主査】  ありがとうございました。ほかはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 亀井委員、それでは、お願いします。
【亀井委員】  先ほどの先生方の御意見でちょっと気になった点として、3番目と5番目の○は内容としては関連しているのですが、5つ目の○を上に持ってくることで、地域の定員枠を設けることがその例外に該当するというような捉え方がされないような書き方が必要と思います。それが1点、注意する必要があると思います。
 あともう一つ、本当に細かいことで恐縮なのですが、一番上の○のところで、「国家試験受験資格については、6年制課程を卒業する者のみに認められている」というところに、これは現在はそうなんですけれども、以前の方で受験資格を有している方もいらっしゃるので、何か一言、「現在は」とか「何年以降」とかと入れる必要があるのかなと思いましたので、その点確認でございます。
 以上です。
【事務局】  経過措置の規定のことも含めておっしゃられているかと思いますので、少し訂正させていただきたいと思います。
【乾主査】  ありがとうございました。他はいかがでしょうか。よろしゅうございますか。
 それでは、御意見はほぼいただいたように思いますので、次の項目に移りたいと思います。その次は、それでは、5ページからですね。教学マネジメントの確立のところでア)からウ)までを取りあえずまとめたいなと思います。情報の公表の前までということで、教学マネジメントの確立でア)からウ)までのところでいかがでしょうか。
 それでは、亀井委員、お願いします。
【亀井委員】  5ページのところでよろしいでしょうか。
【乾主査】  5ページですよ。5ページ、6ページ。
【亀井委員】  すみません、続けての発言となり、大変申し訳ありません。
【乾主査】  どうぞ。
【亀井委員】  ア)の2つ目の○でございます。これも文言の修正は特に求めるものではございません。この2つ目のところに、「一部の大学では薬学共用試験及び薬剤師国家試験の対策に偏重した教育がなされており、社会のニーズに対応した課題発見・解決能力を養う教育が不十分である」と記載されています。
 今回ヒアリングをした大学の中にはもちろんこういった教育が重視されているような大学もございましたけれども、そこが必ずしも社会に必要とされる薬剤師教育に力を入れていないかというと、そうではないというような印象もございました。ですので、今回いろいろな数値で高いところ、低いところという形で見ていきましたけれども、では、数値が高ければ社会のニーズを踏まえて薬剤師教育を行っているかといったようなことも十分には評価していませんので、このような対策をすることイコール薬剤師教育が不十分であるというような解釈をされないように何か工夫ができたらいいのかなと思いました。大変難しいことで申し訳ございませんけれども、特に修正しなければならないということではないと思いますが、意見として申し上げました。
 以上です。
【乾主査】  ありがとうございます。若干文章も長いようにも思いますから、もう少し検討させてください。これは一旦見直したいと思います。ありがとうございました。
 そのほかいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 平田委員、お願いします。
【平田委員】  今さらで申し訳ないんですけれども、教学マネジメントの確立の2つ目のポツで、また、「教学マネジメント指針」ではということで3つの方針がというのはよく分かるんですけれども、ア)から始まったときに、ここの関連性として、当然、FD、IRに来るんですけれども、これ、例えば2つ目の○のところで「教学マネジメント指針」ではと書いて、5項目ありますよね。それを挙げていくとかというのはできないですかね。何が求められているかということで、概要の中には5つ、たしか3ポリシーと教育課程の編成実施と可視化というのがあったので、それと多分ア)は一致しているので、そこの対比というのがある程度分かったほうがいいのかと考えます。教学マネジメント指針そのものを指しているのか、その中から拾っているのかというのがちょっと曖昧な気がするので、例えばここの大きい1から、4番目がFD、IRですよね。それで5番目の情報公表のところも出てくるので、これ、簡単に1から5だけ縦に並べて入れておくとかというのができないですかね。もしここが重要視されるのなら、まず教学マネジメント指針を明示する方がわかりやすいと思います。
【事務局】  よろしいでしょうか。
【乾主査】  お願いします。
【事務局】  御意見ありがとうございます。まさに先生御指摘のとおり、教学マネジメント指針に沿った形で5項目を整理させていただきまして、さらに薬学教育について求められる内容を記載しているというものでございます。例えば(3)の2つ目の○、教学マネジメント指針のところに、5つの項目について少し補足するということも考えられますけれども、いかがでしょうか。
【平田委員】  多分ここは非常に大事だし、今回の例えばヒアリングの基準にもこの辺りが結構しっかり出てきたところであり、その中で3つの方針が教学マネジメントの確立において最も重要であるというふうにつながっていくのかなと思います。改めてそこで5項目挙げていくというのが可能であれば、後の記述と対比するにはいいのかなと思いました。
【乾主査】  ありがとうございました。事務局でそれは修正をしていただくということにいたしましょう。ありがとうございました。
 そのほかいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 西島委員、お願いします。
【西島委員】  ありがとうございます。5ページ目の下から2つ目の○で「21世紀型市民」というところがありますけれども、これの脚注に、思考力、判断力、その他表現力の基盤の上に、幅広い教養を身につけというところがあります。これは、私の理解ではいわゆる昔あったリベラルアートのような教育ですよね。そういうことが書かれているように思うんですが、薬学では今、特に私立の大学ではこの辺が本当にもう時間がなくてできていないように思われます。
 それで、これはやっぱりここに書かれているとおりで、この辺も十分考えていかなくてはというふうに個人的には思っているところなんですけれども、そういう観点からこの21世紀型市民としての課題発見、そのところをもうちょっと分かりやすく何か書けないでしょうかね。昔ながらの教養課程のような教育方針とか、そういうことが書かれるとより分かりやすいかというふうな印象を持ちましたので、ちょっと意見させていただきました。よろしくお願いします。
【乾主査】  ありがとうございました。少し書きぶりを変えていただくということで参りましょう。
 それではその次、伊藤委員、手が挙がっているようですから、お願いします。
【伊藤委員】  6ページ目のイ)の上から3つ目の○で、前に読んだときあまり気にならなかったけれども、読み直したらまた気になってきたんです。「また、総合的な学力不足を理由に5・6年次の進級率が低い大学も存在するが」とあるんですけれども、これは、5年次から6年次の進級率はほとんど問題なくて、卒業するときに卒業延期生がたくさん出ているという大学が問題だったと思うんですけれども、この5・6年次の進級率というのは何を意味しているのか読み直すとちょっと分からないんですが、事務局としてはどういう意味で書いたんでしょうか。
【事務局】  共用試験の前後、それから、卒業時ということは御指摘ありましたので、前回中間まとめにおいてもそういったことを念頭に記載をしていたものをここに記載しているという理解ですので、先生の御指摘を踏まえまして、ちょっとこの辺りも検討したいと思います。
【伊藤委員】  ちょっと書きぶりを変えたほうがいいかなと思いますので、よろしくお願いします。
【平田委員】  すみません、平田です。そこの部分って、全体的に進級率が悪いところと、低学年の進級率が悪いところと、共用試験が駄目で進級率が悪いところと結構いろいろあったので、おっしゃるとおりここの表現はちょっと曖昧ですし、なぜその学年で留年するのかというところがある程度分かるような書き方のほうがいいということですね、伊藤先生。
【伊藤委員】  はい。低学年でいっぱい落ちている大学もあれば、低学年は素通りというのは変ですけれども、学力がちょっと不足しても恐らく進級させているんでしょうね。それで、共用試験のところ、または国家試験が近くなると多量に留年が出る、また、卒業延期が出ると、そういう雰囲気がちょっとこれだと分からないかなと思いましたので、丁寧に書いたほうがいいかなと思いました。
 平田先生、以上ですが、よろしいでしょうか。
【平田委員】  はい。私も同じ意見でちょっと5・6年生で留年する理由が曖昧で。多分いずれにしろ4年から5年になるところに大きなハードルがあって、そこを具体的に分かりやすく書いたほうがいいと思います。
【乾主査】  ありがとうございました。ちょっとその辺りも書きぶりを変えるということにしましょう。
 いかがでしょうか。そのほか何か御意見、御質問等ございませんか。
 亀井委員、それではお願いします。どうぞ。
【亀井委員】  もし皆さんなければということなんですけれども、すみません。7ページの一番上の行にミスマッチのことが書いてあるところなのですが、「薬剤師としての資質・能力や適性に課題がある等により」の「等」に入るのかもしれませんが、その前のほうにミスマッチのことが書いてありまして、ここでは資質・能力が合わないといったようなミスマッチなのですが、実際には必ずしもそれだけではなく、資質・能力があると判断できる学生でも、特に薬剤師のことが十分分からないまま入学したことで他分野に転向する学生が一部います。
 そういう中で、やはり情報提供とかアドミッション・ポリシーに基づくというのは非常に重要なんですけれども、なかなか薬剤師のことを伝え切れていないといいますか、入学前にそれを十分理解した上でということが難しい現状があるのかなと思います。ですので、一定数はこういった進路変更に対応する必要があると思いますので、7ページの2行目に書いていますけれども、低学年などの早期の段階から相談体制を充実させるということが非常に重要なのではないかと思いました。そういう、必ずしも資質・能力に問題があるためのミスマッチだけではないということで追加させていただきます、意見として。
【乾主査】  ありがとうございました。大事なところだろうと思いますね。
 それではその次、入江委員、手が挙がっていますね。
【入江委員】  入江です。7ページのウ)の○の2番目のところです。細かいことかもしれませんが、FDが非常に大事であるということがここに書かれています。最後の文章は、「指導力に課題を有する教員に対しては、講演会等の研修機会を十分に」の最後に「必要に応じて配置の在り方を再検討すべきである」とありますが、言い過ぎのような気がします。これは特別こういう意見が強かったということでしょうか。「研修機会を十分に充実させる」で終わっていいような気がします。
【事務局】  その点につきましては、中間まとめのときにそういった御意見もございまして記載していた部分もあるかと思いますが、やはりきちんと正確に伝わるかというところの観点も含めて、御意見いただいたことを踏まえて、どこまで修正するかというところは検討したいと思います。また、他の先生の御意見も伺えればと思います。
【入江委員】  ありがとうございます。
【乾主査】  それでは、これはもう一度、前の中間まとめも含めて、ちょっと比較しながら全体的な流れのところからもう一度見直すということで、よろしいですね、それで。ありがとうございました。
 それでは、ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、この項目は取りあえず御意見いただいたということで、次に参りたいと思います。その次は、その後、情報の公表、8ページのエ)、そこからずっと最後までというということで参りたいと思います。
 それでは、北澤委員、お願いします。
【北澤委員】  北澤です。情報の公表のところなんですけれども、2番目の○で「加えて、大学は」というところなんですけれども、今も大学のホームページをよくよく見ればいろいろなことが書いてあるんですけれども、いかにも分かりにくい場所にあったり、何回もクリックしないとたどり着かないという大学もあったりしますので、ぜひここはホームページの本当に入り口に近いところに、きちっと各大学が今の自分たちの大学がどういう状況にあるのかというのを公開してもらいたいと思います。
 そうでないと、高校生やその親、また、高校の先生が進学する大学を選ぶときに、十分な情報を得ないまま、偏差値とかそういったことで選んでしまうことにもなりかねず、先ほど亀井先生の言われたミスマッチということにつながりますので、ここはしっかり公表をしていただくように各大学に言ってほしいと思います。
 また、この点に関して、大学の先生方というか大学関係者の中でも、6年制薬学部というのがどういう学部なのかということについて関係者皆が一致しているかどうかちょっと疑問に思うこともありますので、この辺りの情報公開についてはぜひしっかりやってもらいたいと思っています。
 以上です。
【乾主査】  ありがとうございました。大変重要な点だと思います。これはしっかりと盛り込むようにしたいと思います。
 それではその次、後藤委員、お願いします。
【後藤委員】  今の情報公開のところの意見として適切なのかどうなのか分からないんですが、ヒアリングのときに、オープンキャンパスで学生に、あなたの大学は一体何が特色ですかということを私、何か所か、全ての大学に問うたんですが、ほとんど明確にされてないんですよね。単にケアが十分ですよとか、教員の部屋が近いですよとか、そういうことをアピールしていますというところで、やはり大学として何を付与するのか。当然6年制薬学部ですから、どこでも同じことはあると思うんですけれども、大学の特色、自分ところで何を言うか。
 やはり私は、いろいろな合格率とか進級率、それも情報の公開として大事なところだと思うんですけれども、一番として大学の教育の目的は何なのだということをもっと言うのが本来の情報の公開ではないかなという気がするんです。ぜひとも、ここの部分に適切かどうか分かりませんけれども、加えていただきたいなというふうなことを思います。
 以上です。
【乾主査】  ありがとうございました。これも非常に大事なところですね。薬学部のあるべき姿ということ、今、一番根本的なところだと思いますから、しっかりと盛り込んでいただくということにしましょう。
 それでは次に、伊藤委員、手が挙がっています。お願いします。
【伊藤委員】  ありがとうございます。今の後藤先生の話を聞いて全く同感なんですけれども、とにかく大学の特色が学生に聞いても分からないというのが大きな問題と思うんですけれども、一方、地域偏在とか業態偏在というのは大変問題だということをこの会議でお話ししてきたんですけれども、大学としてどういう取組をしているかというのはホームページ上で見えてこないんですね。一部の薬剤師会は奨学金返済の支援をしているとかそういうことをやっているんですが、それも、どの大学の学生がもらっているとかそういうこともホームページ上に見えてこないので、できれば大学にはそういう地域偏在の解消や、病院薬剤師をたくさん輩出するための取組とかをやっているんだったら、そういうこともホームページで宣伝していただいて、受験生はそういうことを見ながらやっぱり大学を選んでいくという、そういう方向に持っていくことが重要だと思いましたので、意見を述べさせていただきました。
 以上です。
【乾主査】  ありがとうございました。今の御発言も非常に大事なところです。どんなふうに盛り込むかちょっといろいろ工夫が要るかなと思いますけれども、また次回にお示しすることができるんじゃないかなと思います。ありがとうございました。
 どうぞ、次、御発言があれば、手を挙げてください。それでは、長谷川委員、お願いします。
【長谷川委員】  ありがとうございます。8ページの今の情報の公表のところで、各大学が情報を公表するということが大事だというのは私も同感ですが、ここの書き方ですね。2つ目の○のところ、「併記すべきである」と書かれていて、3つ目は「求められる」と書かれているんですが、「すべきである」という捉え方と「求められる」という捉え方のニュアンスが何か微妙に違って伝わるんじゃないかという気がしました。ほかにも「すべきである」と書かれているところがあるんですが、この辺りの表現はどのようなイメージで捉えれば良いのかというのがちょっと気になりました。
【事務局】  お答えいたします。基本的に素案の今の現段階の案として、大学や国に求めるべき事項として、何々する必要があるという書き方とか、また、何々することが重要であるといった書き方とさせていただいておりますけれども、特に中間まとめでも書かれており、また、議論があった、より積極的に求めていく必要がある事項については、ここにありますように、「べきである」という、より強いニュアンスの表現となっていると認識してございます。不適切、また足りない部分があれば御議論いただきまして、修正していきたいと思っております。
【乾主査】  ありがとうございました。よろしいですね。
【長谷川委員】  分かりました。
【乾主査】  それでは、入江委員、次、お願いできますか。
【入江委員】  9ページの「おわりに」というところでもよろしいですか。
【乾主査】  いいですよ。
【入江委員】  最初に読んだときあんまり違和感がなかったのですが、修正を重ねる段階で、最終的に今回のとりまとめのタイトルが、6年制の薬学教育に限定した形になり、「6年制課程における薬学部教育の質保証に関するとりまとめ」となりました。「おわりに」の1番目の○の最後に、さらに薬学に関連した4年制課程の学部・学科のことについて触れてます。ここにこれを入れるのであれば、4年制の学部・学科と6年制の学科とが相互にどのように関連するかも記載した上でここに書かないと、今回のとりまとめは6年制の課程のとりまとめですので、唐突な感じがします。
【乾主査】  これも悩んだところだろうと思うのでですね。
【事務局】  会議における御議論の中におきましては、ほとんどが6年制課程における御議論であると思っておりまして、ここにこういった形で書くことが適切かどうかということも含めて御議論をお願いできればと思っております。
【入江委員】  私としては、ここに書くことはいいと思います。薬学部は、6年制と4年制があり、4年制についても質保証が必要です。4年制と6年制が相互に関連し合って薬学がより発展していくと考えると、ここに書くことはいいと思いますが、言葉を加えたほうがよいと感じました。
【乾主査】  もう少し御意見いただきましょうか。それでは、西島委員、お願いできますか。
【西島委員】  今のところで最後の(4)で薬学評価機構、薬学教育評価への対応ということで、このことを評価機構への対応ということではっきりと書いていただいて、大変重要なまとめの一つになっていると思います。同時に、私、評価機構の理事長をしておりまして、それでこういうことに対する対応、もちろん大学の先生方へのこういう対応へのとりまとめなんですけれども、同時に、評価機構としてもこの点を非常に重く受け止めて、これから対応していきたいと思ったところが一つ印象です。
 それで、このとりまとめの一番最後に、「本とりまとめの対応策を着実に実行していくことが必要である」ということですけれども、これについては、まさに評価機構でこういったことへの取組をきちんと評価していくということになるかと思います。最後にこういうことでかなり明確に評価機構のことが書かれておりまして、繰り返しますけれども、評価機構の理事長として非常に重く受け止めたというところが印象です。
 平田先生から何かこれについて加えての御意見があったら伺いたいんですが。
【平田委員】  いや、少し見解が違うんですけれども。
【西島委員】  違う?
【平田委員】  ですから、これはこれとして、いわゆる評価機構に、第三者評価に来るべきことではなくて、第三者評価の在り方としてはこれを踏まえて動くという捉え方は私は少し難しいかなと思います。
 ただ、質保証に向けた方向性は明確に出ているので、言われていることはよく分かりますし、そのことはその前の(4)の第三者評価に関する項で扱っていただいているところで今西島先生おっしゃったことはここに書かれています。そこで、最後の文章はそのまま受け取り、今後評価機構がこれを担うというような捉え方はされない方がよいと思っていました。先生おっしゃったことは、むしろ(4)のところの部分で、第三者評価の在り方は変わることはなく、それについて大学、社会から理解を得る必要があるということだと考えます。おっしゃったこと、そのとおりですけれどもここに入れるべきではないような気がしたというだけです。
【西島委員】  私は(4)について申し上げたつもりなんですけれども。
【平田委員】  いや、最後の文章の着実に実行していくことが必要であるというのは、第三者評価でやることではないという意味で申し上げました。
【西島委員】  分かりました。どうも。
【平田委員】  すみません。おっしゃりたいことはそのままだと思いますし、よく分かりますので、(4)のところのコメントとしては、十分に先生のお考えというのは伝わるのかなと思いました。
【西島委員】  ありがとうございます。
【平田委員】  ありがとうございます。
【乾主査】  とにかく学校教育法の改正のときに附帯決議がついて、それで第三者評価ということが出来たということ、そういう経緯を踏まえたら、本当にこれは非常に大事なところを今回この提言でも含めさせていただいたかなと私も個人的に思っています。だから、今、西島理事長がおっしゃったところも全く同感ですから、これからぜひよろしくお願いいたしたいなと思います。
 それから、今手が挙がっているのは、北澤委員ですかね。北澤委員と伊藤委員、それから平田委員も手が挙がっていますから、もう一度御発言いただくことにしたいと思います。まず、北澤委員から。
【北澤委員】  すみません、先に失礼します。北澤です。先ほど入江先生が言われた、「おわりに」のところに4年制のことが書いてあることなんですけれども、確かに今回の議論でほぼ6年制のことについて議論してきたように思うので、私もやや唐突な感じがしました。なので、もし仮にこの表現をちょっと改めるのであれば、むしろ薬学部というのは6年制と4年制が2つあって、それぞれどういうような役割があって云々というのは、むしろ1番の「はじめに」のところに入れてもらって、なお、今回の質保証の委員会では、主としてというか、ほぼ全て6年制について話し合ったというような流れにしていくのがいいのかなとちょっと思いましたので、思いつきなんですけれども、発言させていただきました。
 以上です。
【乾主査】  ありがとうございました。今の点も含めてもう少し考えたいと思います。
 それでは、伊藤委員、お願いできますか。
【伊藤委員】  私も今のところで、もし書くんだったら、段落を変えて別項目にして、もう一つ○を増やして書いたほうがいいかなと思ったということですね。内容を増やさないといけないんですけれども。それが1点です。
 もう1点ですが、これ、前にもどこかで言ったと思うんですけれども、今回、歯学の話を聞いて、薬学と非常に似た状況にあるということが分かったんですね。どっちも国家試験があるからこういう問題が顕在化していると思うんですが、恐らく起きていることは、ほかの分野でも、入学定員が確保できないような大学は、薬学、歯学以外でも起きているんだろうなと思ったんです。ただ、国家試験とかそういう出口の縛りがないものですからそれが顕在化していないだけで、同じようなことが起きているとすると、薬学で改善しなければいけないことというのは、恐らくほかの分野でも同様に改善しないといけないことなんだろうなって感じたんですけれども、それについては、この報告書に何かどこかに、「おわりに」のどこかに書き込むということは可能なんでしょうかね。余計なお世話なんでしょうか、それは。
 議論をしていて、すごくそれ感じたんです。ほかの分野も同じだよねという感じがしたんですが、いかがでしょうか、文科省としては。
【事務局】  事務局です。とりわけ入学定員の充足率といった指標のみ見ますと、私立大学振興共済事業団のデータによれば、他の分野の入学定員充足率の変化と比較して薬学分野につきましてはかなり充足率の低下が著しいという傾向は見えてございます。これに加えて、薬剤師養成という出口・目的に直結するところもございまして、こういった抑制の御議論があったものと承知しております。
 他分野までというところは、少し今の傾向等を踏まえて、薬学に特化してという形での対応でと思いますが、いかがでしょうか。
【伊藤委員】  他分野で、進級率がえらい低いとか、退学率がすごく高いという分野があるんですよね。そういう分野って、入れているんだけども、その後ちゃんとケアしていないから、結局は卒業まで行っていないという状況は同じかなと思ったんです。ただ、国家試験がないから、卒業させてしまえばそれで終わりと言えばいいんですけれども、でも、それって日本の国際競争力とか生産性を高めるということを考えると大問題だなと思ったので発言させていただきました。
 以上です。
【乾主査】  ありがとうございます。ただいまの伊藤委員の御発言は、本当に非常に大きな問題をはらんでいると思います。その可能性は十分あるんですけれども、これは文科省の大事な問題だろうと私は思いまして、事務方のほうでもう少し、そんなことどうするかということですけれども、ちょっと考えさせてもらおうということで。
【事務局】  事務局でございます。薬学部以外の他学部も含めた質保証の在り方に関しましては、中央教育審議会の大学分科会において昨年来議論がされてきてございますので、先生の御指摘も踏まえて文部科学省としても対応してまいりたいと思います。
【乾主査】  ありがとうございました。それでは、後藤委員、お願いできますか。
【後藤委員】  先ほどの北澤委員の意見に対してちょっと私、慎重に考えていただきたいのは、今、伊藤委員から言われた他分野いうのが、見事に私、4年制薬学部がそれに当たると思うんです。それで、6年制だけが問題で、4年制は何も問題がないんかというわけではないということが私はあると思うんです。
 それで、最初の「はじめに」というところに2つ併記して、それで今回は6年制について議論したというようなことになると、6年制だけが問題で、4年制が問題ないということにつながっていきますので、つながらないような表現にするか、最後のところに、4年制の部分は次にというような書き方にするか、そこら辺は非常に両方で差があるんだということのないように表記はお願いしたいなというのが意見です。
 以上です。
【乾主査】  ありがとうございました。次は、平田委員もまだ手が挙がっていますが。
【平田委員】  ありがとうございます。平田です。さっき伊藤先生おっしゃったように、また、後藤先生のところに当たるかもしれませんが、やはり改行して○一つ増やして4年制のことを加えてまとめていけばいいのかなというふうに思いました。ですから、ここの位置でいいんですけれども、「さらに」で続くと、やっぱりちょっと混ざってしまうかなという気がしました。
 もう一つ、伊藤先生おっしゃったように、やはりここは定員充足とかその辺りはどこかで私学全体に言えることというのは言ってもいいけれども、最後のまとめというのは薬学全体の問題として取り上げるべきなのかなと私は思いました。
 それで、そのときに、一番最後のところですけれども、さっき西島先生おっしゃったとおりかもしれませんけれども、大学がメインだと思うんです。やはり大学にこうすべきである、その後に、関係団体が連携しないといけないという表現の方がいいのかなと思いました。大学に対する提言なので、大学関係者、関係団体というと、みんなで一緒にやっていこうとなります。なるほどそうなんですけれども、全体的には、大学はというところがメインになっているので、そこは少し分けて書いた方がいいのかなと思いました。そこですね。「一層連携しながら」というのは、大学はほかのところと連携しながらという意味になると思いますけれども、やはり大学がそれぞれ着実に実行していくことが重要というような表現の方がいいかなと思いますが、いかがでしょうかね。
【乾主査】  ありがとうございました。
 亀井委員も今、手が挙がっていましたか。どうぞ。
【亀井委員】  すみません、今、意見、平田委員のことについて、今回のこの会議で、ずっと大学の状況をヒアリング等調査等して、もう大学だけではどうにもならないという、そういった現状があったがゆえに、このような連携というところが強調されたような形になっていると理解しておりました。もちろん大学が主体ではございますけれども、そこでどんなにやっても今解決できないというような現状があるということで、こういう書き方でもよろしいのではないかと私としては思っておりました。
 以上です。
【乾主査】  ありがとうございました。平田委員もそれは十分御理解されていると思いますが。
【平田委員】  はい。それは、だから、理解していますし、そのためのものですけれども、提言のところで出てくるのが、大学はこうあるべきだということがほとんどなので、全体の趣旨からすると、そこをまずは言う必要があると思います。その状況の中で連携していかないといけないのはまさにおっしゃるとおりですし、その中にもちろん評価機構も入っていると思います。そういう意味合いからすると、一番最後のところなので大学に投げかけてという方向性が必要なのかなと思った次第です。
【乾主査】  ありがとうございました。ほかいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、大体最後まで一応御意見いただいたというところかなと私は思うんですけれども、もし全体振り返って何かまだ追加の発言をしたいという委員がおられたらお受けしたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうかね。
 それでは、予定の時間を若干過ぎているように私は思いますので、これで、あと、事務局にこれからの連絡事項等を含めてお話をいただきたいと思います。
 それから、今ちょっと落としていましたけれども、もし追加の御意見、何か発言できなかった点があれば、事務局までまたこれまでと同じようにメールでお送りいただくということでお願いします。最後のところはもう少し議論してもいいかなというふうにも思いましたけれども、両方の意見があると思うんですよね。だから、それは事務局で対応をある程度していただくということにしたいなと思います。
 それでは最後に、事務局から報告等、連絡をお願いいたします。
【事務局】  資料4を御覧ください。当面のスケジュール案ということでお示ししてございます。本日、第6回の小委員会を開催したわけでございますけれども、第7回はまた来月下旬に開催予定ということで調整をさせていただければと思います。
 また、取りまとめが終わりましたら、検討会に報告をするということになっておりますので、8月以降の検討会に報告をするという形で今後進めさせていただければと考えております。以上です。
【乾主査】  ありがとうございました。
 それでは、予定をしておりました時間になりましたので、本日の小委員会はこれで終了ということにさせていただきたいと思います。どうも長時間にわたりましていろいろと御協力いただきまして、ありがとうございました。これで終わります。
―― 了 ――

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