薬学系人材養成の在り方に関する検討会(令和3年度~)(第3回)議事録

1.日時

令和4年8月16日(火曜日)14時00分~16時00分

2.場所

Web会議

3.議題

  1. 薬学教育モデル・コア・カリキュラムの改訂について
  2. 薬学部教育の質保証について
  3. 今後の進め方について
  4. その他

4.出席者

委員

永井良三座長、井上圭三副座長、石井伊都子委員、乾賢一委員、奥田真弘委員、北澤京子委員、小西靖彦委員、後藤直正委員、佐々木茂貴委員、田尻泰典委員、土屋浩一郎委員、西島正弘委員、狭間研至委員、本間浩委員、柳田俊彦委員、山口育子委員

5.議事録

【永井座長】  それでは時間となりましたので,ただいまから薬学系人材養成の在り方に関する検討会,第3回を開催いたします。
 本日の有識者会議は,傍聴者にYouTubeにてライブ配信をしております。
 まず,事務局から本日の出席状況,事務局の異動の紹介,配付資料の確認をお願いいたします。
【事務局】  事務局から御説明いたします。本日は手代木委員から欠席の連絡を受けておりまして,委員16名の御出席となっております。
 また,厚生労働省からもオブザーバーとして出席いただいております。
 次に,事務局の異動がございましたので紹介させていただきます。本年7月に,医学教育企画官に着任いたしました堀岡です。
【堀岡企画官】  医学教育課企画官に新しく任命されました堀岡と申します。よろしくお願いいたします。
【事務局】  続きまして,配付資料を確認させていただきます。議事次第にございますとおり,資料1,薬学教育モデル・コア・カリキュラムの素案の検討状況。資料2としまして,薬学教育モデル・コア・カリキュラムの素案です。
 資料3,6年制課程における薬学教育の質保証に関する取りまとめ(案)。資料4,今後のスケジュール(案)となります。
 また,参考資料につきましては1から12となっております。詳しい説明は省略させていただきます。事前に送付しておりますけれども,何か御不明な点等ございましたら事務局に御連絡ください。なお,本日の資料につきましては,文部科学省のホームページにおいても公表しております。
 次に,オンライン会議の進行に当たってのお願いでございます。御発言される場合にはZoomの挙手ボタンを押していただきますようお願いいたします。その後,座長から順に発言者を御指名いただきますので,御発言いただく際にはマイクがミュートになっていないことを御確認の上,御発言をお願いいたします。
 そのほか動作不良等ございましたら,事前にお伝えしている事務局の電話番号まで御連絡をお願いいたします。
 本日の議題は,議事次第にございますとおり1から4,モデル・コア・カリキュラムの改訂について,薬学教育の質保証について,今後の進め方について,その他となっております。
 以上でございます。
【永井座長】  ありがとうございました。よろしいでしょうか。
 では議題1に参ります。薬学教育モデル・コア・カリキュラムの改訂についてであります。
 薬学教育モデル・コア・カリキュラム改訂に関する専門研究委員会座長の井上先生から御説明をお願いいたします。
【井上副座長】  井上でございます。それでは,令和4年度改訂版の薬学教育モデル・コア・カリキュラムの作成状況について,概略を説明させていただきます。
 資料の次をお願いいたします。第2回の薬学系人材養成の在り方検討会で専門研究委員会の設置が決まりまして,これまで4回の委員会を開催してまいりました。
 今後さらなる検討を進め,今年の秋,11月にはパブコメ前の試案をまとめまして,本会議に提出させていただく予定でございます。
 次お願いいたします。
 今考えております改訂コア・カリキュラムの全体像をお示ししております。
 11番目以降はまだ着手しておりません。1の薬学教育モデル・コア・カリキュラムの考え方から9番の薬学研究につきましても,まだまだ検討途中でありまして,皆様方の忌憚のない御意見,注文などを承りたいと思っております。
 今回は,この丸3番から丸9番までがカリキュラムの中心となる部分ですので,ここを中心に,以下お話をさせていただきます。
 最初の丸1,モデル・コア・カリキュラムの考え方でありますけども,前回のこの会議でも一部触れさせていただいております。ここでごく簡単に,前回の報告を復習させていただきます。
 まず,キャッチフレーズをうたうことにしました。医学・歯学・薬学共通の部分に続いて,下から6行目ぐらいのところ以降ですけども,薬剤師養成に特化した記述があるという構成になっております。
 次お願いいたします。
 このキャッチフレーズを受けて,改訂に向けた基本方針として,1番に,大きく変容する社会への対応。2番に,資質・能力については卒業時までのアウトカムではなく,生涯にわたって追求すべき能力,コンピテンシーとするということであります。
 3番目がスリム化。なかなか困難が予想されますので,各大学の自由度を増す工夫をするということにしました。
 そして4番目が,課題の発見,解決を科学的に探究する人材養成の視点も重視するという点です。
 それから5番目が,医学・歯学教育とのモデル・コア・カリキュラムの一部共通化ということで,これらの基本方針につきましては,本検討会でも既に承認されております。
 次お願いいたします。今回の改訂では,「資質・能力」が7番目を除いて医学・歯学と完全に同じになります。医学・歯学の資質・能力は「患者のケアのための診察技術」となっておりますけども,薬学では多少なじまないのではないかということで,これは「薬物治療の実践的能力」といたしました。
 次お願いいたします。
 それぞれの資質・能力に説明文がつきますけども,ここは薬学固有となります。前回お示ししましたものを一部修正して,ここにお示ししております。
 例えば,前回までに,医療安全への配慮が少し足りないのではないかと御指摘をいただきました。そこで,この最初のところの「プロフェッショナリズム」のところを少し変えさせていただきまして,医薬品等による健康被害,その中には薬害もあり,医療事故もあり,また重篤な副作用など様々なものが入るわけですけれども,そういう健康被害を「発生させることがないよう最大限努力する」という言葉を明記させていただきました。
 次お願いいたします。
 今回の改訂コアカリでは,学習目標を7つの項目から構成することといたしました。これらを「大項目」と呼ぶことにいたします。そして,資質・能力をコアカリ本体の中に大項目Aとして取り込むことにいたしました。
 そして,資質・能力を育成するためのコースワークをBからFの大項目に,またリサーチワークとしてGの薬学研究を設定いたしました。
 次お願いします。
 令和3年度までの検討は,文科省の受託事業として,私立薬科大学協会の下に設置した委員会で実施してまいりました。今年4月からは,この事業を薬学教育協議会が受け継いでおります。
 薬学教育協議会には,従来から教科ごとに全ての大学から最低1名の教員が集う「教科担当教員会議」,一番ボトムに示してございますが,この教科担当教員会議がありますので,ここから御意見を伺うこととしました。
 BからGまでの6つの大項目ごとの検討のために「大項目ワーキンググループ」を設定し,教科担当教員会議の御意見,注文などを勘案しながら精査し,ポリッシュしていくという体制が組まれました。
 大項目間の調整,そして全体を反映していく委員会として「薬学教育調査・研究・評価委員会」,通称「親委員会」と私は呼んでおりますけれども,これを置きまして,この委員会と私どもの専門研究委員会が密接な連携を持って進めていくという体制でございます。
 次お願いいたします。
 各組織を代表する委員16名,さらに医学・歯学のコアカリ改訂の責任者であられた小西先生,河野先生,文科省,厚労省,そして私がオブザーバーとして参画しております。
 次お願いいたします。大項目のワーキンググループ,これの班長はここにあるメンバーでございます。
 次お願いします。
 コアカリの構成としましては,大項目の下に中項目,さらにその下に小項目を置くという3層構造を取ることにしました。
 小項目の狙いとして,他の項目との関連を明記することとしました。小項目は独立したものではなく,ほかの項目と密接な関連を持つということを強調するものでありますし,小項目の位置づけ,何のために学ぶかが分かるように配慮するということであります。
 学習目標ですけども,これが今回の改訂モデル・コアカリの本体となります。
 現行のコアカリでは,SBOとして修得すべき学習項目が精緻に細かく記載されております。こうしますと,えてして羅列されたSBOを網羅的にこなすと。個別の知識や技能を修得するだけになりがち,そういう懸念がございました。
 獲得した知識・技能を活用して,初めて出会う未知の例や未経験の事態などに対して的確に判断したり行動したりできるようになる,応用力といいますか,問題解決能力の育成を明確に目指した学習目標とするということでございます。
 各大学は,学生に学習目標を達成させるべく,独自のカリキュラムを作成することになりますけれども,参考のために,学習目標達成に必要な具体的内容を学習事項として記載することといたしました。
 具体的な例を挙げています。次お願いいたします。
 これはDの医療薬学の小項目でありますD-6-1「薬物と製剤の性質」であります。
 この小項目の狙いは,代表的な製剤の特徴,材料,調整法,安定性等を理解し,適切な調剤に生かし,個々の患者に最適な投与剤形を提案するための能力を身につける。
 多領域・項目とのつながりですけども,ちょっと字が細かくて見にくいですけども,まずは,この小項目を学ぶために関連の強い項目として,いろいろとありますけれども,B-4-2に「医薬品等の品質,有効性,安全性の確保」というのがございますし,またC-1として「化学物質の物理化学的性質などの学習」という項目がございます。これなどは,まさに事前に学んでおいてほしい項目ということになります。
 今回のこの小項目を学んだ後につながる項目としては,これもいろいろと挙げておりますけれども,最後のところにありますF-1「薬物治療の実践」,あるいはF-2の「医療マネジメント・医療安全の実践」等に直接的につながっていくということになります。
 学習目標です。代表的な製剤,製剤材料の特徴を理解した上で,薬物の特性と適応に基づく最適な投与剤形を選択できる。もう1つは,製剤の調整に際して,安定性等を保証するための適切な方策について説明できる,であります。
 学習事項としては,例えば製剤の種類,固形剤とか半固形剤とかそういったものの理解。それから薬物及び製剤材料の物性の理解などが挙げられるかと思います。
 次お願いいたします。以下,BからGの大項目の内容をごく簡単に解説しています。
 まずB,これは「社会と薬学」という項目です。中項目はB-1の「薬剤師の責務」というのがB-5まで5つございます。そして小項目としては,このB-1-1「医療人に求められる倫理観とその対応」というのがございます。
 中項目の2は「薬剤師の社会性の育成」がメインでございます。B-3は地域活動,B-4が医薬品などの規制。この中に,例えば創薬プロセスの基本なども組み込まれております。B-5が,ITなどの情報の活用ということです。
 次お願いいたします。
 この部分のポイントですけれども,ここにございますように,従来のAの基本事項と,Bの社会と薬学というものを今回は統合させました。「プロフェッショナリズム」の学習目標が大幅にここに含まれることになります。
 ただ,他の大項目D,E,Fとかなりオーバーラップする部分が多いことになります。この辺は,ほかの大項目との調整が現在行われつつあります。薬剤師としての倫理感や社会性(人間性)を育む,そういう学習を充実させようということでございます。
 そしてまた,新しい小項目として,これまでは触れておりませんでした「多様性の理解」,あるいは「医薬品等の安定供給」「保健医療統計」「デジタル技術・ビッグデータの利活用」「アウトカムの可視化」などが入っております。
 次お願いいたします。次は「基礎薬学」です。
 基礎として,我々はいつも「物化生」と略称するんですけども,物理・化学・生物です。実際,今回も物理が最初の2つ,次の3つが化学,生物が2つ,中項目としてあります。
 下に,焦点を当てた項目として,人体の構造と機能及びその調節という中項目を生物から独立させたというのが特徴です。
 次お願いします。ポイントです。
 先ほども述べましたように,物理・化学,そして生命科学以外に,下に焦点を当てた解剖・生理学を加えた点が非常に新しい点であります。
 そして,医療薬学,薬理とか薬物治療学,薬剤学などへのつながりを明確に意識した構成にしているという点が特徴かと思います。
 次お願いいたします。次はDの「医療薬学」です。
 中項目としては,D-1が一般薬理。これは組織レベル,あるいは細胞レベルとか分子レベルで薬の作用のメカニズム等を論じるというものです。D-2は,様々な疾患と治療薬。ガイドラインの理解なども含めます。D-3が医薬品情報,D-4が体内動態,D-5が製剤,そしてD-6が調剤というふうになっております。
 次お願いいたします。この部分のポイントです。
 今お話ししたように薬理学とか病態学,医薬品情報学,薬剤学などの一般論。そして,様々な病態とそれに適応する治療薬の作用メカニズムを理解するというのが,Dのポイントであると思います。
 次お願いします。
 次がE「衛生薬学・公衆衛生薬学」。これは中点で公衆衛生学がくっついておりますけれども,もしかすると公衆衛生薬学というのは省いて「衛生薬学」ということになるかもしれません。これも検討中でございます。
 この中項目の中,E-1は「人の健康の維持・増進を図る保健医療」となっています。これは公衆衛生学的な視点を加味して,これまでの薬学ではやや弱点であったのではないかと思われます。社会において,疾患その他の健康障害の起こる背景・要因を解析し,その解決策を図るという点が極めて新しい試みであります。
 E-2が食品関係,E-3が環境,そしてE-4に感染症の予防が入っています。
 ポイントです。次お願いいたします。
 従来の食品,環境因子などに関するケミストリーを中心とした学修に加えて,公衆衛生の充実,そして感染症の予防,これの実践というのが入っています。実践となりますとFでも扱いますので,このEでは社会学的な解析などに重点を置くことになるのかもしれません。これも今後の調整をしていかなければならない点であります。
 保健統計・疫学的解析の学修をこれまでよりも充実させていきたい。社会・集団レベルにおいて薬剤師が保健衛生,公衆衛生,環境衛生において果たすべき役割に重点を置いた学修,これもポイントでございます。
 次お願いいたします。F「臨床薬学」です。
 中項目としては,F-1が薬物治療の実践,F-2が医療安全,医薬品情報。医薬品の供給なども入ります。F-3が公衆衛生,感染症対策。F-4として法令遵守,倫理感を持った実践がございます。
 次お願いいたします。ポイントです。
 大学での学修と実務実習での学修の目標を統合しようと。B,C,D,Eで学ぶ知識・技能を総合的に活用して,適切な薬物治療,健康障害の防止の計画を立案し実施できる,これが学習目標でございます。
 具体的には,薬剤師の臨床対応能力の根幹である「薬物治療の主体的な実践」「チーム医療・多職種連携への貢献」「医療マネジメント・医療安全の確保」「地域医療・介護福祉」「公衆衛生への貢献」の観点から目標を設計するということでございます。
 次お願いいたします。最後がG「薬学研究」です。
 この部分については,研究における倫理観,社会貢献への使命感,責任感,あるいは国際性の涵養,研究活動の実践による課題の発見,問題解決能力の調整などが挙げられます。
 次お願いします。これが今申し上げたことです。
 以上でございますけれども,初めに申し上げましたように,まだまだ検討過程にございまして,全体的に同一な取組のある部分もございます。御指摘をいただいてポリッシュしていきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
 以上でございます。
【永井座長】  井上先生,ありがとうございました。
 それでは,30分ちょっとございますので,ただいまの井上先生の御説明につきまして,各委員におかれましては何か御発言いただければと思います。
 オンラインですので,初めに御発声いただいて発言していただければと思います。よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。
【狭間委員】  狭間ですけれどもよろしいでしょうか。
【永井座長】  どうぞ。
【狭間委員】  ありがとうございます。非常に興味深く拝見しました。やっぱり法律的に服用後のフォローとかが義務づけられたり,あとは薬剤師さんの,いわゆる地域包括ケアシステムにおける在り方が言われているとか,そこに即応した形で,例えば解剖生理であるとか,もしくは全体でのその役割における意義とかが議論されたのかなと思いながらお聞きしておりました。
 本当にすばらしいことだなというのが率直な印象で,こういうふうな形で変わっていけば,また現場の在り方も変わっていくのかなというふうに思いました。
 1つだけ,ちょっと細かいことにはなるんですけども,8ページ目に,今回改訂素案ということで大きな割り振りがされていると思うんですけども,細かい言葉の変更というのがあるようにお見受けするんです。
 先ほども,「衛生薬学・公衆衛生薬学」というのは「衛生薬学」だけになるかもしれないとかお話がありましたけども,例えば「薬学基礎」が「基礎薬学」になっていたりとか,この辺の文言の修正のところに込められた意味といいますか,方向性があれば,大枠のところをお決めになるところでいろいろな御議論があったかというふうに思うんですけども,御教示いただければと思います。
 以上です。
【永井座長】  ありがとうございます。
 井上先生,いかがでしょう。
【井上副座長】  「基礎薬学」というふうにひっくり返した理由は特段にあるわけじゃないんですけれども,狙いとしては「基礎薬学」が独立して,基礎を勉強するだけでなくて,それが最終的な臨床,つまりは疾病の予防とかそういうものの基になるんだということを明確に意識するように,そういうふうな変更したということでございます。
【狭間委員】  ありがとうございます。
【永井座長】  ありがとうございます。山口委員,お願いします。
【山口委員】  ありがとうございます。御説明もどうもありがとうございました。私は薬学の専門的なことは分からないんですけれども,ちょっと気になったところだけ,2つお伝えしたいと思います。
 まず,スライドの23,24のところで,Fの項目ですけれども,F-2として「医療安全の実践」とあって,小項目も「医療安全の実践」と書かれていますが,24ページのところを見ますと,まとめとしてだと思いますが「医療マネジメント・医療安全の確保」と「実践」から「確保」という言葉になっているのは,何か意味合いが込められているのでしょうか。医療安全の実践をすることによって確保するという意味で受け止めていいのか,ちょっとその辺りのお考えを聞かせていただきたいことが1つと,それから今回,医学・歯学とコアカリを統一するという中で,特に医学・歯学は,私はコアカリの改訂委員も務めているんですけれども,「がくしゅう」というのを「学修」という字で統一されていると思います。
 今回,御説明いただいた中で15ページ以降の「がくしゅう」というのは修めるという字になっているんですけれども,例えば4ページのところの文章が,「基本理念と背景」のところの一番下から3行目の「学習」というところと,それから13ページの学習目標,学習事項というのが習うという字になっているのは,これは修めるに統一されたほういいのではないかと思いましたので,その点の2点でございます。
 以上です。
【井上副座長】  1つお答えさせていただきますが,「がくしゅう」を2種類,区別して使っているというのは,私どもの評価機構が,この6年制薬学教育を評価して,もう一巡が終わって今2巡目に入っているんですけども,その場合に使い分けていると。
 この使い分けに関して,薬学の全員といいますか,全ての方々が,評価機構がそういうことを求めておりますので,それにもうすっかり慣れ切っちゃっているので,文科省としては,1つに統一したほうがいいんじゃないかという御指摘をいただいたんですけれども,薬学の間ではこの2つを使い分けるということに非常になじんでいるので,あえてそれを踏襲したということでございます。
 もう1つの点,これは本間先生にお答えしていただければいいかな。本間先生,よろしくお願いします。
【本間委員】  本間でございます。今,御指摘いただいたとおりではないかなというふうに感じました。特に異議というかは感じておりません。山口先生が御指摘のとおりの理解をしているつもりでおります。
【山口委員】  実践をした結果,確保するということですね。
【本間委員】  はい。そういうふうに理解をしております。
【山口委員】  分かりました。すみません,先ほどの「がくしゅう」の使い分けというのはどのような使い分けなのか,教えていただければ助かります。
【本間委員】  医学・歯学で使われているのが,御指摘いただいたとおり,ちょうど「学習」の習うほうが個別な領域で、大きな意味で学ぶ場合が修めるほうというふうに使われているようでございますが,井上先生御指摘のとおり,薬学では長くそれとは違う使い方をしているということでございましたので,それを踏襲しているということでございます。
 ちょっとそこは医学・歯学とは違いがあるのですが,それは文科省にも御理解いただいて,そのまま使わせていただいております。よろしくお願い申し上げます。
【山口委員】  分かりました。ありがとうございました。
【永井座長】  田尻委員,どうぞ。
【田尻委員】  大変丁寧な御説明ありがとうございました。今日の資料を見る限り,どの程度の重要度でこれが記載されているか。もう一つ別にある,カリキュラムの素案のほうの中に詳しくあるのかもしれませんが,そこまで目が行っていないのですけども,今日のスライドでいえば,例えば15ページ,「社会と薬学」ですかね,その中で地域医療とB-3にあるわけなんですけども,この中で,ここ数年,薬局の類型、例えば健康サポート薬局であったり,それから地域連携薬局,それから専門医療機関連携薬局等々,国民から見て分かりやすいように薬局の機能がわかるように、薬局が標榜ができるようなことになったのは御承知のとおりですけども,これらはこのB-3辺りで学ぶということなんでしょうか。お教え願えればありがたいと思います。
【井上副座長】  まさにB-3に含まれる内容だというふうに理解しておりますけれども,いかがでしょうか。
【田尻委員】  実際,どのように講義の中でこれが反映されるのか,ちょっと想像がつかない部分もありますけども。
 それともう一つ,開局の薬剤師として,これを通して見た場合に,どうしてもOTC薬の供給について学ぶのが一体どこなのか,ちょっと分かりづらい部分がありますがいかがでしょうか。
【井上副座長】  一般の製薬は必ずしもBにあるだけではなくて,Dにもございますし,結局,Bというのはかなり幅広くいろんなものが取り上げられているんですけども,当然Bだけではなくてほかの領域ともオーバーラップする部分がかなり多くて,どっちで最終的にメインに取り上げるかというのは,今後もさらに調整していかなきゃいけない点だろうとは思っております。
【田尻委員】  そうですよね。OTC薬供給については、ある意味難しい部分があります。利用者の個別最適化に結びつくような一面もありますので,これから医薬品提供体制制度を考えた場合に,薬剤師の使命として,今までよりもさらに求められてくる部分なのかなと想像したときに,今まで薄かったとは申しませんけども,やはり手厚くOTC薬の供給に対し、意識していただきたいなと思うのと同時に,先ほどの基礎薬学の部分で先生おっしゃられたように,「物化生」に関して、この後の議題になるのでしょうけども,質保証の取りまとめの中に,入学するときの入試の科目が文理関係なしに1科目の大学が存在する事。そこら辺からやはり改善していく必要がありますので,この件は,発言のタイミングが違うかと思いましたけども,そういう意識を持っていただくために,最後にこれだけ,発言させていただきます。
 以上です。
【井上副座長】  ありがとうございました。今の田尻先生の御意見等を十分に配慮させていただいて,進めていきたいと思っております。ありがとうございました。
【永井座長】  ありがとうございます。では北澤委員,どうぞ。
【北澤委員】  北澤です。御説明ありがとうございました。私も薬剤師ではないので,薬学の細かいところはよく分からないんですけれども,一つ意見を述べさせていただきます。
 今回のコアカリは,医学・歯学・薬学で共通性を持たせるということで,その項目立てなども,今日お示しいただいたとおりかなり共通しているところがあって,医療人として学ばなければならないことが一貫してまとめられていると思っております。
 そこで1番目に「プロフェッショナリズム」が来たことに関して,私自身は非常に重要だと思っておりまして,この項目に期待をしています。
 今日のコアカリの案では,Aの基本的な資質・能力の一部としてプロフェッショナリズムというのが書いてあるんですけれども,言ってみればここの部分だけで,もうちょっと掘り下げてもらいたいなというのが希望です。
 今パブコメ中の,医学教育のコアカリの案を拝見しておりますと,プロフェッショナズムの中に,まず生きていく人間として,態度としてどういうふうなものでなければならないかというものが学修の中に入っています。薬学部で学ばれる方は,学部を卒業した後,30年40年とプロフェッショナルとしてキャリアを積んでいかれるので,もしできれば,もうちょっとこの辺りを掘り下げていただければというふうに願っております。
 以上です。
【永井座長】  ありがとうございます。事務局,何かコメントありますか。
【事務局】  事務局でございます。先ほど山口委員から「がくしゅう」の使い分けについての御質問だったと思いますけれども, 6年間のプログラムレベルでは「学修」,個別の科目レベルでは「学習」と使い分けて,この今回のモデル・コア・カリキュラムは構成されていると伺っております。
【永井座長】  ありがとうございます。
 それでは,ただいまの北澤委員の御質問にありましたプロフェッショナリズムについて,いかがでしょうか。
 井上委員,どうぞ。
【井上副座長】  プロフェッショナリズムに限らず,資質・能力に関しては生涯にわたってというようなことで,アウトカムとしてBからGまでまとめておりますのとはちょっと違う視点になるということで,例えばプロフェッショナリズムですと,実際に現場に出ていろいろと深く体験する過程でプロフェッショナリズムというものは養われるというふうにも思っておりまして,どう取り上げていいのかというのはなかなか難しい点もあるんですけど,ただ,Bの中では人間性,薬剤師の人間性を育成するというのをかなり強調されていたりしまして,かなり補われているとは思っております。
 ただ,プロフェッショナリズムだけじゃなくて,全般的にこれで説明として十分かなというのは,確かに私どもも感じておりまして,あれだけの説明文で終わりにしていいのかということに関しては,さらに検討を続けていく予定でございます。
【永井座長】  ありがとうございます。よろしいでしょうか。
 それでは土屋委員,どうぞ。
【土屋委員】  土屋でございます。井上先生,御丁寧な説明をありがとうございました。
 1点教えていただきたいのですが,資料の8ページのところですが,大項目のAからGの改訂素案というところで,第2回のときの資料と比較しましたら,そこの右端のところに「コースワーク」と「リサーチワーク」という新しい言葉が出てきていることに気がつきまして,この言葉を使った理由、それと,このリサーチワーク,コースワークは,個人的には大学院でよく使っているような言葉と思いますが,このコースワークとリサーチワークという言葉を使うに当たって,例えば大学のほうでカリキュラムなんかを組むときに,影響してくるのかどうか。
 それと,個人的にはBからFまでを混ぜた結果を使ってリサーチに持っていくのかなというふうな考えを持ったんですけども,そのような相互の関係性というふうなことも,この言葉の中に含まれているのでしょうかということをお尋ねしたく,質問させていただきました。よろしくお願いいたします。
【井上副座長】  よろしいでしょうか,私のほうで。
【永井座長】  どうぞ。
【井上副座長】  基本的にAをどういうふうに育成していくかということで,BからGまでだけれど,BからFまでとGはちょっと違うだろうということで,あまり深く考えないで,BからFをコースワーク,Gをリサーチワークとしまったというのが正直なところでございます。
 この言葉は今後はあまり出てこないのではないかなと。今回説明のためにあえてつけさせていただいたという感じもございます。
【土屋委員】  ありがとうございました。
【永井座長】  よろしいでしょうか。小西委員,どうぞ。
【小西委員】  ありがとうございます。医学教育の小西でございます。1点コメントと,1点質問をさせていただきたいと思います。
 コメントのほうは,先ほど山口委員からも御発言がありました,習うと修めるの「学習」と「学修」ですが,医学ではどうしているかということをちょっとだけコメントいたします。
 医学では,大学設置基準で,大学での学びは「学修」というのを使っていますので,原則として全て修めるほうの「学修」を用いました。
 ただ,大学の学びに限られない場合,例えば生涯学習とかこういう単語の場合だけ「学習」を使うということにしています。この辺は文科省とも相談してこういうふうにして,医学のコアカリにはそう書いてあります。
 どちらが正しいとかいうことではなく,御参考までにというところで申し上げました。
 もう1点の質問は,これは恐らく別に出るのだろうと思いますけれども,薬学の6年間の中には当然ながら薬学の実務実習が入ると思うのですが,以前のバージョンでは薬学実務実習に関するガイドラインというのがたしかあったと思うのですが,今回はコアカリの中にはこれは入らないという理解でよろしいでしょうか。
【井上副座長】  ガイドラインは,間に合えば概要として,入れられるものだったら入れたい。
 ただ,実際に実習が行われるのは大分先になりますので,少し時間をかけて,きちっとしたガイドラインをつくっていきたいという思いも片方にはございます。
 ただ,非常に概略的な意味でのガイドラインというのはあったほうがいいのかもしれませんので,その辺の作業は片方では進めております。間に合えば,ガイドラインを同じ冊子の中に入れるという方向でも考えております。
【小西委員】  ありがとうございました。あまりしつこくではないですが,この次の議題となりますところで,質保証に関する取りまとめが次の議題になりますが, 6ページに,今後の実務実習に関しても,薬学教育モデル・コア・カリキュラムの見直しの検討とともに,臨床での実習の充実に向けて検討すべきだと書いてあったので,そうすると構造上,この部分はどこかなと思って探したものですから,お聞きしたという次第です。ちょっと,他分野から余計なことを申しました。
【井上副座長】  実務実習をよりよいものにするということは当然必要ですし,このコアカリの改訂を機会に,かなり改訂していく,改良していくということは当然私どもも考えてはおりますけれども,ちょっと時間的なことで,具体的なところまではとても間に合いそうもないのでということで,非常に曖昧な表現になっています。よろしくお願いいたします。
【事務局】  事務局でございます。実務実習に関するガイドラインにつきましては,コアカリの専門研究委員会とは別の会議体で, 国公立大学,私立大学,日本薬剤師会,日本病院薬剤師会,厚生労働省,文部科学省等,関係団体等で構成される実務実習連絡会議で議論して改訂してまいりますので,取りまとまりましたらまた御報告することになると思います。
【永井座長】  ありがとうございます。西島委員,どうぞ。
【西島委員】  西島です。御説明ありがとうございました。全体的に見て,本当によく練られたコアカリができたというふうに思っております。
 私は一つ,解剖学が入ったというのはとてもよくて,私たちのときにはほとんどなかった教育内容で,これはこれからとても薬学の学生にとって大事だということで,大変よかったと思っています。
 それで,懸念事項なんですけれども,昔は大学に入ると教養課程というのがあったわけですけれども,そういう意味合いの教育がほとんど抜けているということを非常に気にしておりまして,この薬剤師の教育の中でも,倫理ということとか,あるいは法律であるとか,そういったことがやっぱり非常に重要だと思うんです。
 そういう点をどこでどう補うかということが必要かと思っていて,それは各自大学が取り組めばいいかと思うんですけれども,その辺,コアカリでも何かしら表現があってもいいかなというのが意見です。
 それと関連して,英語教育ですよね。今,多くの大学では薬学英語ということで英語教育はされていると思うんですけれども,そういったことは,このコアカリの中ではどういう位置づけになるのかということについて伺いたいと思っております。
 やっぱり英語というのは情報を得るためにエッセンシャルなことでありますので,文献を読むに当たっても大事だし,また実際,薬学部の学生にその辺の文献を読む力というのが十分ではないというのもいろんな先生から聞いておりますので,その辺の充実もぜひ考えていただければと思います。その辺の対策についてどのようにお考えかということを伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。
【永井座長】  今の点,いかがでしょうか。
【井上副座長】  よろしいですか。全人的教育が必要であるということに関しては何の議論もございません。ぜひそういうふうな展開をしなきゃならないというふうに思っております。
 Bの中に,人間性を養うとか,そういうような項目も入っております。入っていることは入っておりますけども,まだまだ弱いというふうには思っています。
 もともとコアカリというのは100%ではなくて7割で,残りの3割は各大学が独自に考えるものというふうに位置づけられておりますので,各大学が一般教養というような形をもって,しっかりとその辺,人間性の育成を意識してやっていただければいいかなというふうに思っております。
 英語に関しましては,まさに御指摘いただいたとおり,高度な薬学的なケアを展開するには国内での知識だけではなくて,外国での最新の情報とか,そういうものも絶対必要になりますので,英語をしっかりと学ばせるということが必要だということはよく分かります。
 非常に立て込んでいる,どうしてもスリム化どころか逆にどんどん膨らんでいくような状況もございますので,その辺は大学が何とか時間を見つけて,そういう教育に取り組んでいただければなというふうには思っております。
 御質疑のとおりだと思います。ありがとうございます。
【西島委員】  その3割のところでどうするかという,その辺を各大学が考えればいいんですけれども,その例示として何か,どこかで示してもらえるといいかなというふうにも思います。ありがとうございました。
【永井座長】  ありがとうございます。佐々木委員,どうぞ。
【佐々木委員】  井上先生,丁寧な御説明ありがとうございました。
 1点だけ。薬学研究,先生も非常に重視されているのは分かるんですけども,薬学研究,理解をしたりとか実践をしたりというような意味以上の大きな意味があるんじゃないかというふうに考えています。学部から大学院に行く人というのは,やはり研究の過程で面白いとか探究心というのが醸成されて,それでさらに上のところへ行こうというふうに思うのではないでしょうか。ですけれど、コアカリで非常にがんじがらめにされて,面白くいろいろ勉強していくというところが抑え込まれているような雰囲気がしていて,その影響で,6年制課程から博士課程へ行く人が極めて少ないという状況があるんじゃないかと考えています。この薬学研究のところに,そういう何らかの探究心だとか好奇心だとか,そういうのが呼び起こされるために薬学研究があるんだという文章を加えていただけるといいかなというふうに感じたので,その点ちょっとコメントさせていただきました。
【井上副座長】  ありがとうございます。その辺はぜひ参考にさせていただきます。ありがとうございました。
【永井座長】  それでは狭間委員,どうぞ。
【狭間委員】  申し訳ありません,2回目で。調剤,私がやっている中で,日々やっぱり調剤過誤の問題とか,いわゆるリスクマネジメントの観点というのは医療にとってはかなり重要で,薬剤師さんは薬というものに関するリスクマネジメントで,今回は薬というものだけじゃなくて調剤設計も含めたリスクのマネジメントの概念が要るんじゃないかなというふうには拝見していたんですけども,今回のモデル・コア・カリキュラムにおいて,リスクマネジメント的な教育内容というのはどういった部分で入っているのか,ちょっと教えていただければと思いました。お願いします。
【永井座長】  いかがでしょうか。
【井上副座長】  Fの項目の中にあったと思いますし,Bのところでも多分触れていたはずだと思います。
【狭間委員】  分かりました。
【永井座長】  ありがとうございます。よろしいでしょうか。
 特に御質問がなければ,先へ行かせていただきます。もし追加で御意見がおありの場合には,後ほど事務局まで御連絡ください。
 それでは議題の2に参ります。薬学部教育の質保証について,事務局から説明をお願いいたします。
【事務局】  よろしいでしょうか。薬学部教育の質の保証につきまして御説明いたします。
 昨年8月に本検討会の下に薬学部教育の質保証専門小委員会が設置されまして,書面調査,また大学に対するヒアリング調査を実施して,現状と課題を整理し,昨年12月に本検討会において中間取りまとめ案を報告したところです。
 開催の経緯につきましては,参考資料の11にまとめてございます。
 中間取りまとめ案の御報告後,学生や卒業生に対するヒアリング,また新設大学に対するヒアリング,医学・歯学教育,薬剤師確保に関するヒアリング等について実施し,ヒアリングも含め合計10回の審議が行われてまいりました。
 7月22日の会議におきまして,取りまとめ案としてまとめられてございますので,その内容につきまして御報告させていただきます。
 資料3にお戻りいただけますでしょうか。
 まず,本小委員会におきましては,薬剤師の養成を目的とする6年制課程における薬学部教育を対象として審議が行われてございます。
 1の「はじめに」のところにございますように,平成18年度から開始された6年制の薬学教育課程におきましては,各大学の特色に応じたカリキュラム編成や実務実習の取組等が推進され,薬学教育の改善・充実が行われておりますし,また,国においても振興方策等が取りまとめられてまいりました。
 2つ目の白丸にございますとおり,その後,昨年6月に厚生労働省の薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会におきまして,将来的な薬剤師の供給過剰等が懸念される中において,適正な定員規模を含む薬学部での教育の質の確保について懸念が示されたところでございます。こういったことも踏まえまして,今回の審議ということに至っております。
 2の薬学部教育の現状と課題,御覧いただければと思います。
 6年制の薬学教育課程につきましては,医療技術や医薬品開発における科学技術の進歩等を踏まえまして,臨床現場における実務実習の充実など,臨床に係る実践的な能力を培うことを主たる目的とする課程といたしまして,平成18年度に制度化されてございます。
 制度化後,医療現場のニーズを踏まえた人材の養成が図られてきているところでございます。
 2ページをお願いいたします。
 こういった6年制課程の薬学部の数に関しましては,平成15年度以降増加してございまして,近年も一,二学部の新設が行われているところでございます。
 国交私別に見ますと私立大学が約9割というところでして,平成20年度までに設立された私立大学におきましては,定員の未充足や入学志願者の減少等を背景といたしまして,多くの大学で入学定員の見直しが行われているところでございますけれども,依然として入学者の確保は厳しい状況にありまして,入学定員充足率が80%以下となる私立大学が3割に達しているところでございます。
 その次の白丸,「加えて」のところでございますけれども,私立大学における標準修業年限内6年間での国家試験合格率につきましては,18%から85%までばらつきがあり,新卒の国家試験合格率が高い大学であっても標準修業年限内の合格率が低いなど,入学後の教育に課題を有する大学も存在します。
 また,先ほど申し上げましたとおり,厚生労働省における検討会におきまして,供給が需要を上回り薬剤師が過剰となること,薬剤師の従事先には,地域偏在に加えて,薬局に比べて病院における薬剤師が不足しているという業態の偏在の課題があるといったことも記されてございます。
 こういったことを踏まえまして,3ページをお願いいたします。
 3,今後の薬学部教育の改善・充実の方向性でございます。
 まず(1)入学者選抜の在り方につきまして,入学者選抜は,各大学がディプロマ・ポリシー及びカリキュラム・ポリシーに基づいてアドミッション・ポリシーを定めて行うものであり,大学で学び卒業するために必要な能力・適性等を評価・判定することを目的とするものでございます。
 しかしながら,2つ目の丸にございますように,ヒアリングを行った大学の中には,文理を問わず得意科目1科目のみを問う入試の実施や,留学生の積極的な受入れなどによりまして,一部の大学では入学に際して求められる必要な学力の確認が軽視されていると考えられる事例もございました。
 2つ目の丸の後段でございますけれども,各大学においては,明確なアドミッション・ポリシーの下,薬学を学ぶために必要な一定の知識を確認する試験や面接等の組合せによりまして,入学志願者の将来の医療人としての資質・能力,意欲や適性等を特に重視した評価を行う必要があるとしてございます。
 続いて,「とりわけ出題科目については」というところで,出題科目や出題内容を不断に見直すことが重要であり,入学後の薬学教育を受けるために求められる学力を確認するため,出題科目を適切に設定すべきであるとしてございます。
 また,次の丸では,学費の減免等を行う特待生制度に関しまして,優秀な学生の確保につながることもございますけれども,他の入学者との間で学力差が生じる場合もあり,入学後のカリキュラムの工夫など,学生の学力に応じた教育を行うことが求められること。
 留学生の積極的な受入れを進める場合には,大学の特色も踏まえ,留学生の受入れ・育成に関する明確な方針と体制整備が必要であるとしてございます。
 続いて4ページをお願いいたします。(2)入学定員に関する取組でございます。
 薬剤師の国家試験の受験資格につきましては,6年制課程を卒業した者に認められております。
 2つ目の白丸ですけれども,現状としまして,入学者選抜における実質競争倍率や入学定員充足率が低い大学が多数存在すること。また,さきに述べました厚生労働省の検討会の取りまとめにおきまして,薬剤師の過剰となること,ひいては待遇面を含む就職先の確保が困難であることや,優秀な学生の確保に対する懸念が示されており,こういったことを踏まえまして,薬学部の入学定員の在り方について,従来の考え方を見直す必要があるとしてございます。
 具体的には3つ目の白丸でございます。6年制課程の薬学に係る学部・学科の新設及び収容定員の増加につきましては,これまで大学の判断により自由に申請が可能で,学校教育法等の法令に適合していれば原則として認可されてきたものを,その原則を改めまして抑制方針を取ることとし,速やかに制度化を進める必要があるとしてございます。
 その場合,地域ごとに薬剤師の偏在が指摘されていることを踏まえ,各都道府県の医療計画等におきまして,薬剤師の不足など将来的に当該地域における人材養成の必要性が示されており,かつ,他の都道府県との比較において薬剤師の確保を図るべきであると判断できる等の場合には,上記の例外として取り扱うことが適切であること。なお,地域偏在への対応により過度に定員が増加することがないよう,増加する定員規模の適正性について十分な検討を行うべきであること。
 また,例外措置は一定の期間において認めることとし,当該例外措置の将来的な取扱いについては,地域における社会的な薬剤師の養成に係る需要等に照らし,検討を行うべきであることとしております。
 その次の4つ目の白丸,これは既に設置されている大学についてでございますけれども,既設の大学の中で,入学定員充足率が低いことに加え,標準修業年限内の卒業率等が全国平均を大幅に下回る大学も存在しており,教育の質の維持・確保に課題がある。
 このため,国は実質競争倍率や入学定員充足率,退学率等の割合が一定水準を下回り,教育の質に課題があると考えられる大学に対して,アドミッション・ポリシーの見直しと,それに基づく適切な入学者選抜の実施,及び入学定員の適正化を強く要請すべきであるしております。
 また,定員未充足の大学に対しては,教育未来創造会議の第一次提言を踏まえまして,私学助成について,定員未充足の大学に対する減額率の引上げや不交付の厳格化など,めり張りある財政支援等により,より一層の留学生の適正化を求めていく必要があるとしてございます。
 5ページをお願いいたします。こちらは,薬剤師の地域偏在について述べた箇所でございます。
 大学と地方自治体等が連携して対応することが重要であること。地域枠等の設定によりまして,卒後のキャリア形成とつなげていく必要があること。また,地域の中高生に対して,薬剤師の魅力について理解を促進すること。
 このほか,国においても,需給推計を基に,地域における薬剤師の需要見通しの精査,また偏在指標の導入,大学と自治体が連携する卒前・卒後の取組に対する支援を行う必要があるとしてございます。
 続いて(3)教学マネジメントの確立です。
 過去の高等教育に関する中央教育審議会答申等におきましても,教育活動の見直しと適切なPDCAサイクルを確立することが求められております。
 2つ目の白丸ですけれども,教学マネジメント指針におきましては,ディプロマ・ポリシー,カリキュラム・ポリシー,アドミッション・ポリシーの3つの方針が,教学マネジメントの確立に当たって最も重要であり,学修者本位の教育の質の向上を図るための出発点であるとして,この3つの方針に基づき,組織的な大学教育が展開され,その成果の点検・評価に取り組む必要があるとされております。
 以下,この教学マネジメント指針の項目に基づきまして,さらに薬学教育において対応が必要である事項について述べております。
 ア)の教育課程・教育方法でございます。
 薬学教育モデル・コア・カリキュラムが策定されておりますけれども,学生が卒業までに身につけておくべき,学修すべき目標を提示し,教育課程の7割程度を当該モデル・コアカリを踏まえた編成とすることが目安とされております。
 薬学教育の質の保証のためには,モデル・コア・カリキュラムを踏まえた教育課程の編成・実施が重要であるとともに,今後改訂される当該モデル・コア・カリキュラムの内容を確実に身につけさせる必要があること。
 加えて,その次の白丸ですけれども,各大学は,教育理念や養成する人材像を明確にした上で,医療の進展・高度化や,時代のニーズを踏まえた特色ある教育課程を編成し,内部質保証に基づくPDCAサイクルを確立することが求められますが,一部の大学では,薬学教養試験及び薬剤師国家試験の対策に偏重した教育がなされており,課題解決・発見能力を養う教育が不十分であるとの懸念もございます。
 このため,今後改訂されるモデル・コア・カリキュラムに準拠した学修すべき目標を身につけさせると同時に,専門分野における専門教育のみならず,幅広い教養を身につけた上で,自律した薬剤師として高い倫理観や論理的思考力を有して行動できる人材の育成が求められており,大学独自の授業科目の充実を図る必要があるとしてございます。
 また,今後の実務実習に関しても,臨床での実習の充実に向けて検討すべきであるとしております。
 さらに,薬剤師の偏在(地域偏在や業態偏在)に関する教育プログラムの策定・実施を通して,薬剤師の果たす役割に対する教員・学生の意識の涵養が重要であるとしてございます。
 続いてイ)学修成果・教育成果の把握・可視化,進路指導等の項目でございます。
 教学マネジメント指針におきましても,学修成果・教育成果を適切に把握・可視化する必要があることが述べられております。
 2つ目の白丸ですけれども,学生の履修の状況や,学生との定期的な面談等によりまして,資質・能力の修得状況や今後の履修の方向性についてフィードバックすること,こうした取組を通じて,学生が標準修業年限内で卒業できるよう支援する必要があるとしております。
 7ページをお願いいたします。
 1つ目の白丸ですけれども,学生間の学力差が課題となる場合というところでございまして,教員による個別指導のみならず,課外活動も含めた学生間の相互の学び合いを通じて,学修意欲の喚起や学修成果の向上につなげる方策も考えられ,よりきめ細かい支援や,カリキュラムと有機的に連携した指導上の工夫を行うことが重要であること。
 その次の白丸では,学生の就職支援や進路指導に当たっては,薬剤師の地域需要,薬局・病院等の多様なキャリアについての十分な情報提供が大学でなされていないといった指摘もございます。
 薬剤師の偏在が指摘されている地域におきましては多様な取組が展開されており,自治体による奨学金制度や卒業後のキャリア形成に関する取組といったこともございますので,こういった取組の一層の充実を図るとともに,大学においても,その取組を学生に対して十分周知する必要があるとしてございます。
 その次の白丸では,これはヒアリングにおきまして,入学後に薬剤師としての適性と本人の資質・能力のミスマッチが生じている事例が見受けられました。
 こういったミスマッチを防ぐため,まずは学生の募集において,情報提供やアドミッション・ポリシーに基づく適切な入学者選抜の実施が求められるとともに,入学後に学力の課題が見られる場合には,学生の学力に応じた適切な支援を行うことが重要であること。
 その上で,なお薬剤師としての資質・能力,適性等に課題があるといった場合には,相談体制を充実させるなど,本人の希望に応じた進路変更や,多様なキャリアパスを確保できるよう配慮することが重要であるとしております。
 続いてウ)FD/SD,教学IRの項目でございます。8ページをお願いいたします。
 1つ目の白丸ですけれども,大学の教員一般に求められる基礎的な知識・技能,望ましい資質・能力を身につけさせるFDに加えて,最新の臨床現場に対する理解など,医療を取り巻く環境の変化に対応するためのFDを実施し,その効果測定を通じて質の向上につなげていくこと。また,指導能力に課題を有する教員に対しては,研修の機会を十分に充実させることとしております。
 その次の白丸では,教学IRに関しまして,質の高い薬学教育の根幹を成すものであり,客観的なデータ及び分析結果に基づくカリキュラムの見直しや,学生の特徴を踏まえた効果的な学修方法の改善・充実に取り組み,結果を評価する取組を継続することが重要であること。
 「例えば」というところで,1年次修了時点の成績とその後の成績との相関関係が高いとの分析結果があり,低学年次におけるモチベーションの維持・向上が学修効果を高める可能性が指摘されております。
 各大学におきましては,こういった分析を踏まえ,低学年次のカリキュラムや学生サポート体制の重点的な検討,カリキュラムの見直し等により,学修を効果的に実施するために教学IRを活用することが考えられます。
 続いてエ)情報の公表でございます。
 まず,大学は,教育理念や教育目標,6年制課程における人材養成の目的,養成する薬剤師像などを広く公表することが求められ,各大学の特色に応じて,地域へ貢献する人材の育成方針も含め,教育内容を明らかにする必要があります。
 また,大学は,薬剤師養成の明確なアドミッション・ポリシーを設定し,受験生・在学生等に情報を公表していくことが重要でありますけれども,その際には,国家試験合格率のみならず,薬剤師としてのキャリアを見据え,育成した人材がどのような分野や地域で活躍しているかなど,教育の成果や質に係る情報も併せて提供していく必要があります。
 加えて,大学は,入学者選抜に関する情報等,これらのデータについて,受験生や保護者,在学生等に分かりやすい形で公表すべきであり,新卒の国家試験合格率を掲載する場合には,標準修業年限内の国家試験合格率も併記すべきである。
 そして国は,各大学の情報公表の状況を確認し,適切な情報開示がなされていないと考えられる大学に対しては,必要な助言等を行うことが求められるとしてございます。
 次に(4)でございます。内部質保証と薬学教育評価への対応というところで,薬学分野におきましては,教育の質を保証することを目的とした分野別の評価が行われておりまして,一般社団法人薬学教育評価機構による評価が行われてございます。
 2つ目の丸ですけれども,現在第2サイクルが開始されており,評価におきまして指摘された事項に対する対応について,その対応が不十分ではないか,また,指摘事項を教育活動の改善に反映しPDCAを回すサイクルが確立できていないのではないかといった指摘がございます。
 特に留年率や退学率等の割合が高い大学など,改善が見られない大学においては,重点的かつ組織的にその要因の特定に取り組む必要がございます。
 また,大学は,評価結果を社会一般に対して分かりやすく発信するとともに,指摘事項に対する対応状況を公表すること。その前提として,第三者評価が求めている内部質保証システムの具体的な内容を組織全体で理解するための取組が重要であること。
 最後に,「このため」のところでございますけれども,評価機構におきましても,本取りまとめで指摘されている,入学定員から進路指導等にわたる各課題につきまして,大学の取組や改善を評価していくことが今後期待されること。加えて,各大学の特に優れた取組を積極的に公表するなど,評価結果を広く大学間で共有していくための取組を実施することが求められるとしてございます。
 (5)6年制課程以外の検討課題についてでございます。
 薬学教育の質の向上に当たっては,質の高い教員の確保も重要でありますけれども,6年制課程卒業後の4年制博士課程への進学者は卒業生の1.4%にとどまっており,6年制課程を支える教育・研究人材の不足が懸念されるところです。
 9ページに移りますけれども,4年制博士課程の課題等につきまして,質・量双方の観点から引き続き検証する必要があるとしております。
 また,2つ目の白丸ですけれども,4年制課程の学部・学科につきましては,薬剤師を目指す学科ではございませんけれども,薬学に関連した多様な分野に進む人材の養成を目的としてございまして,特に創薬等の基礎研究分野に貢献する人材の養成を行っているところであります。
 この4年制課程につきましても,人材養成の現状等を踏まえつつ,引き続き充実方策を検討する必要があるとしております。
 最後に4,「おわりに」でございます。
 2つ目の白丸ですけれども,薬学教育の質の改善・充実のためには,薬学教育に関わる大学関係者はもとより,評価機構等の関係団体や,薬剤師会・病院薬剤師会等における取組の充実,厚生労働省及び文部科学省における,より一層連携した施策の実施など,関係各位において本取りまとめの対応策を着実に実行するとともに,この取組の進捗状況について定期的に把握し,改善に生かしていくことが必要であるとしております。
 以上が審議された内容でございます。
 説明は以上です。
【永井座長】  ありがとうございました。
 それでは,ただいまの説明に続きまして,薬学部教育の質保証専門小委員会主査であります乾先生から,補足等があればお願いいたします。
【乾委員】  乾でございますが,今,事務局のほうから十分説明していただきましたので,特別追加することはございません。
 それで,皆さんから御意見等いただいた後で,最後に主査としての意見,感想などを少し述べさせていただきたいなと考えております。
 以上でございます。
【永井座長】  ありがとうございます。
 それでは,ただいまの説明に対して,御質問,御意見等があれば御発言をお願いいたします。いかがでしょうか。
 山口委員,どうぞ。
【山口委員】  ありがとうございます。山口でございます。3点ほどございます。
 まず4ページのところで,(2)の入学定員に関する取組の3つ目と4つ目の丸ですけれども,ここに明確に書かれたことについては,非常に重要ではないかと思っております。
 きちんと原則を改めて抑制方針を取ることとして,速やかに制度化を進める必要があるということ。もちろん例外で,薬学部のない県があるということも承知しておりますので,そういう例外を設けた上で,今後は抑制方向だということと,それからその次の丸のところにも,きちんと適正化しない場合には,定員未充足の大学に対する減額率の引上げを行うなど適正化を求めていくということが明記されたことが非常に重要だなと受け止めました。
 その上で2点,教育課程・教育方法の6ページの3つ目の丸のところに,今後の実務実習に関しても,薬学教育モデル・コア・カリキュラムの見直しの検討とともに,臨床での実習の充実に向けて検討すべきであると,すごくさらっと書かれているんですけれども,できればもう少し言葉を加えていただいたほうがいいのではないかと思いました。
 例えば,「充実の目的となる何々の能力を適切に培えるように」とか,そういったことを入れつつ,充実するのも,中身とそれから時間的なもの,それが両方とも検討されているのであれば,やはり中身の充実と時間的な充実というようなことがより必要ではないかと思います。特に医科・歯科では参加型臨床実習ということで,より実習に力を入れていく方向性の中で,コアカリだけではなくて,こういった実習に対しての充実というようなことも深めていただきたいと思いますので,文言自体をもう少し加えていただく余地はないでしょうかと事務局には伺いたいと思います。
 それから,9ページです。8ページからある,エ)の情報の公表の3つ目の丸で,8ページの下から9ページにかけて,入学者選抜に関する情報,標準修業年限内の卒業率及び国家試験合格率,各年次の留年率,第三者評価の結果等,こういったことの公表ですけれども,受験生や保護者,在学生等ということももちろん大事なんですけれども,受験生や保護者の後に,高等学校の進路指導教員,そういったことを具体的に入れていただくと,大学進学に関しては非常にやはり大きなキーになる方だと思いますので,そういった方に目につくように公表するというような意味合いからも,羅列する中に「高等学校の進路指導教員」を入れていただいたらどうでしょうかということを,意見としてお伝えしたいと思いました。事務局のお考えを聞かせていただければ幸いです。
 以上です。
【永井座長】  事務局,いかがでしょうか。
【事務局】  事務局でございます。先生,御意見ありがとうございました。
 臨床実習の充実,6ページの箇所につきましては,御指摘を踏まえまして,修正を工夫させていただきたいと思います。
 また,9ページの情報の公表というところで,高校の進路指導担当教員に対してもというところも加えさせていただきたいと思います。ありがとうございます。
【山口委員】  どうもありがとうございます。よろしくお願いいたします。
【永井座長】  ありがとうございます。
 田尻委員,どうぞ。
【田尻委員】  ありがとうございます。今,山口委員からの御指摘があったところも含めてなんですけれども,4ページ,入学定員に関する取組の丸の3つ目ですけれども,「速やかに」ですとか「一定の期間において」と書いてあるのが,どうも実効性がどの程度,どの時期に出てくるのかということがちょっと不明確でありますので,可能であればそこら辺のところを考えていただきたいのと,それから,薬学部がない都道府県,例えば沖縄あたりは県民の署名を集めてまでということをされている。
 例えば都道府県,県のほうに薬科大学,薬学部がないからといって,そこに新設したとしても,そこの県にその卒業生がとどまるというのは,何らかの方策を立てないと,やはりなかなか難しい部分もありますので,今回これほど明確に記載していただけるのであれば,そこら辺のところをもう少し考えていただければと思います。
 それと6ページ,これも山口委員と同じなんですけども,6年制になっていかに実習で現場のことを薬学生が学んで,薬剤師になって,地域で,職種は問わずともどういう活躍をしていくかということ,それを体感する大事な実習ですので,そこら辺のところをもう少し重みを持たせて表現していただければありがたいと思います。
 それと次,9ページになりますけれども,内部質保証と第三者評価への対応というところの丸3つ目で,下から2行目の終わりのほうにありますけれども,「内部質保証の具体的な内容を組織全体で理解するための取組」と書いてありますけど,この「組織」というのは何を指すのかを教えていただきたいということ。
 それから,これが最後になります,最後の最後,「おわりに」の2つ目の丸の文章ですけども,「薬学教育に関わる大学関係者はもとより」から始まっていますけど,関係団体や薬剤師会・病院薬剤師会等における取組の充実,とある記載のこの「取組」はどこら辺のことを指してここに記載があるのか。私たちが薬学教育に関してどこまで踏み込めて,どこまで干渉できるかというのはまた別の問題も絡むと思いますので,そこら辺のことがもう少しはっきりしていただければと思いますけど,いかがでしょうか。
 以上です。
【永井座長】  ありがとうございます。事務局,いかがでしょうか。
【事務局】  ありがとうございます。まず1点目の4ページですけれども,入学定員に関する取組で,速やかに制度化を進める必要があると。「速やかに」というところに関しての御質問だったかと思います。
 こちらに関しましては,本報告が最終的に取りまとまった後に,文部科学省として遅滞なく制度化を進めてまいりたいと思ってございます。
 なお,今年度中を目途にその制度化が実現するように準備を進めてまいりたいと考えてございます。
 加えて,この抑制の適用に関してというところでございますけれども,制度化後,できる限り速やかに申請される大学の学部の設置,収容定員増の申請から適用するというところを検討しておりますので,早ければ令和5年度に申請される令和7年度の大学の学部・学科の設置や収容定員の増加から適用することを目指して,制度化を進めてまいりたいと考えてございます。
 また,例外措置の「一定期間において」という「一定期間」はどのくらいであるのかという御質問がございましたけれども,この例外の措置への期間につきましても,その制度化を進める中で併せて検討してまいりたいと考えてございます。
 それから2点目の,学生が偏在地域にとどまる方策というところですけれども,例えば5ページの1つ目の白丸を御覧いただければと思います。
 地域偏在の解消に当たってというところで,例えば2行目にあります地域枠,卒業後その地域に従事することをあらかじめ大学と学生との間で取り決めた地域枠の設定等により,地域に従事していただくといった方策も有効ではないかと考えてございます。
 最後に10ページでございますけれども,薬剤師や病院薬剤師会等における取組の充実というところで御質問がございました。
 この取組に関しましては,今でも行っていただいております実務実習の受入れはもとより,大学や自治体と連携した学生の奨学金も含め,また,教育プログラムも含めたもろもろの取組の充実についての御支援を賜りたいといった趣旨でございます。
 以上でございます。
【田尻委員】  すみません,1つ,9ページの薬学教育評価への対応の(4)の3つ目の丸の,「内部質保証システムの具体的な内容を組織全体で理解するための取組」と書いてありますけども,この「組織」は何を指すのでしょうか,お教え願えればと思います。
【事務局】  すみません,回答が漏れておりました。こちらの「組織全体で」の「組織」といいますのは,薬学部であればその学部全体で,また,事項によりましては大学全体で共有していくべき内容もあると考えておりまして,学部や大学の組織を指してございます。
【田尻委員】  分かりました。ありがとうございます。
【永井座長】  よろしいでしょうか。石井委員,どうぞ。
【石井委員】  ありがとうございます。石井でございます。
 まず,定員抑制に関して明記していただきましたことを,私は非常に評価しております。
 主な理由といたしまして,やはり今薬学全体を見てみますと,非常に俗的な言葉を申しますと,偏差値が非常に低い大学が出てきてしまっている。その結果といたしまして,卒業できない,ましてや卒業できたとしてもやはり6年間で卒業できない,順当に卒業できないというのがあります。
 教育というのは,まずそれ自体が健全でなければいけませんので,その健全化に保っていくためには非常に重要であると考えておりましたので,評価できることだと思います。
 また,地域偏在のことにつきましても,「薬学部のないところ」という発言がございましたが,その地域だけにとどめず,いろんな移動,移住があってもいいように思いますので,今できるところから考えますと,今ある薬学部の中でも地域偏在に関する教育はできると思います。ぜひぜひ大学のほうで,地域の活性化を含めて,医療が充実しないと地域は活性化しないですから,その辺りをしっかりと教育する。今もできることだと思いますので,言及していかなけければと思います。
 あともう1つ,病院薬剤師の偏在についても,これは病院薬剤師会でもしっかりと対応していかなければならないことでもございますが,この点につきましても,大学あるいは職能団体と一体となってやっていただければなというように考えてございます。
 以上です。
【永井座長】  ありがとうございます。よろしいでしょうか。
 では小西委員,どうぞ。
【小西委員】  ありがとうございます。大変すばらしい文章だと思って読ませていただきました。
 先ほどの6ページの上から3つ目の丸のところは,先ほどのコアカリのときにも触れましたし,今,山口委員から御指摘もありましたのに同感でございます。やっぱり臨床の実習,薬学実務実習に関しては,もう少し記載があってもいいかなと思いました。
 2点目は,8ページの情報の公表というところでございます。これも重要なことだと思います。おおむねこれでと思うのですが,1つ目の丸に書いてあります教育理念や教育目標等々,人材育成の目的とか養成する薬剤師像というような記載のところは,いわゆる教育の者が申します「企図されたアウトカム」,Intended Outcomeというものだと思います。
 3行目に書いてあります育成方針等を含む教育内容というところが学修の方法,学修法略,プロセスに当たる部分だと思います。
 2つ目の丸に書いてある部分が,恐らくAchieved Outcome,「達成されたアウトカム」に近いものだと思うのですが,ここに,「国家試験合格率のみならず,キャリアを見据え,育成した人材がどのような分野――」と,ここが重要なのは大変そのとおりだと思いますが,コアカリにもこの10の資質・能力が書かれ,薬学の先生方はコンピテンシーベースだということで随分気持ちを出しておいでになりましたので,卒業のときにどんなアウトカム,あるいはどんな資質・能力が達成されたのかというところがやっぱり問われて,そこが公表されるということがないと,教育の質は保証されていないということになると思います。ですので,その部分はやはり記載が要るのではないかと思いました。
 ただ,恐らく,私はちょっとよく知らないのですが,薬学の質評価の部分が動いて,その辺はされているのではないかなというふうに,知らないながらに想像しているのですが,少なくとも卒業時のいろんな能力,資質・能力の保証というところは公表の中に入っていたほうがいいのではないかなと思いました。
 以上でございます。
【永井座長】  ありがとうございます。挟間委員,お願いします。
【狭間委員】  ありがとうございます。私は7ページ目からのFD/SDのところで少し意見といいますか,御質問といいますか,お話しできればと思います。
 やはり学生さんは,特に医療系において,勉学等々に対するモチベーションを持っていく上においては,ロールモデルが身近に,特に教育現場であることは大きな役割を占めるんじゃないかなと思います。
 私自身,医学教育を受けましたけども,やっぱり臨床のカリキュラムに入ったときに,現場で働いている方に教えていただけるということの意味合いというのはすごく,将来を考える上で大きかったんじゃないかなと,改めて思い出すことがございます。
 今回のFDの中で,8ページ目冒頭ですかね,丸2つ目においては,最新の医療臨床現場に対する理解という部分,これは当然FDの一環としてあろうかと思うんですけども,非常に難しいところではございますが,やっぱり誰か外部講師というのでみんなで聞いて,そうかということもそうなんですけども,例えばそういった,なかなか附属の医療機関とか附属の薬局があるところばかりではございませんので難しいかと思いますけども,何かその地区の実習先のところで,やっぱり現場を体験して,そこで実践している方に教えていただくことの意味というのは,教育においても,先ほどのカリキュラムでも結構臨床系に振った部分,解剖生理も含めた部分が出てまいりましたので,そういった部分についても検討していただける余地はあるのかなと思いながらお聞きしておりました。
 以上でございます。
【永井座長】  ありがとうございます。土屋委員,どうぞ。
【土屋委員】  土屋でございます。資料の5ページ目の一番最初の地域枠で少し質問させていただきたいのですが,「地域枠等の定員枠の設定等」という言葉が一番上のところにあるのですが,一緒にお送りいただきました参考資料のほうの,医学部の地域枠の資料と重ね合わせますと,医学のほうの地域枠という定義は「大学とその周辺病院に勤務することを目的とした」というふうな,かなり狭い意味の地域枠というふうな言葉になっているのですが,この場合の地域枠というのはどのように捉えたらいいのでしょうか。
 本当に地域の人を採るだけの地域枠ということか,そういうのをもう少し広げて,就職のところも含めての地域という意味で,それを入学する方にも確約してもらうというような形までの地域枠ということなのかについてお教えいただければと思います。よろしくお願いいたします。
【永井座長】  ありがとうございます。柳田委員,どうぞ。
【柳田委員】  柳田でございます。よろしくお願いいたします。大変丁寧に御報告いただきましてありがとうございました。
 既に出てきておりますが,定員抑制や地域偏在に対する方策,それから合格率の記載方法に関しては高く評価し得るものだと思います。
 これは出前講義とかに行きましても,私自身が医師で,看護に所属して,薬理学会にも所属しているということで多方面から質問をいただくのですが,やはりどこでも聞かれる内容ですので,これに対して明記されたということは非常に大きいところと思いますが,実効性の担保についてももう少し踏み込んで記載されてもいいかなと感じました。
 今,地域枠についての御質問もありましたが,医学部に関しては大学によって様々だと思います。地域からお金が出ている場合,地方自治体からお金が出ている場合だと,比較的そこに就職することを制限するというか,約束してという形ができますが,地域から入ってくるという場合は,どこに就職するかというのはなかなか制限できるものではなくて,多分いろんな大学で,地域枠で入ったけれどもよそに逃げてしまうということが問題になってございました。
 そのためには,やはり入学時からしっかりしたルールを決めて,それに対しての誓約書を取った上で入ってもらうという形を取らないといけないので,その辺りは大学ごとにいろんな工夫をしながらだと思いますが,今後整備していかれることになるのではないかと思います。
 ここから,ちょっと記載のないところについて一点,御質問をしたいのですが,研究者育成ということに関しての記載があまりないかと感じました。
 私自身は薬理学会に所属しておりますので,長らく薬学部からのレベルの高い研究に対して非常にリスペクトを抱いておりまして,特に修士課程の学生さんがレベルの高い研究に挑んで高い研究成果を上げているということに感銘を受けてまいりました。実際にそういう人たちが教育者,研究者になっていくというのを多く存じ上げております。
 ただ,教育システムが変更されて以来,そうした学生さんの数が減ってきているのではないかなと思いますし,実際に大学に進学する学生さんも少ないと伺っております。
 また,教員の先生方は卒業研究をいっぱいしないといけないような場も増えているのではないかと。そうしたところはどうした記載が必要かということなのですが,これは先ほどの佐々木先生の御意見にもつながるものかなと存じますので,こうしたものに対する配慮,あるいはお考えというものがございましたらお聞かせいただけましたら幸いです。よろしくお願いいたします。
【永井座長】  いかがでしょうか。
【事務局】  事務局でございます。よろしいでしょうか。
 研究者育成に関しての御質問,御意見でございますけれども,9ページを御覧いただけますでしょうか。
 先生の御意見につきましては,本検討会における6年制課程に付随する検討課題というところで,(5)の2つの白丸で記載させていただいている認識でございます。
 1点目が,質の高い教員につながるもの,研究者の育成は質の高い教員の確保にもつながるところであると考えておりまして,この点に関して,まさに御指摘のとおり,研究人材の不足が課題であることについて述べた上で,これについては,10ページにございますけれども,引き続き検証する課題であるということで書かせていただいております。
 また,特に研究者の育成に特化した課程であります4年制課程の学部・学科につきましても,今回のこの小委員会の議論の対象とはしておりませんでしたので,この4年制課程の人材養成につきましても引き続き検討する必要があると,こういった形で置かせていただいているところでございます。
【柳田委員】  ありがとうございます。これは6年制課程以外の検討課題となっているのですが,恐らく6年制課程においても重要な課題なのではないかなと感じますので,少し表記を変えていただくか,あるいは追記していただくのがよろしいかなと感じております。
【事務局】  はい。座長とも相談して検討してまいりたいと考えます。ありがとうございます。
【永井座長】  奥田委員,どうぞ。
【奥田委員】  先ほど石井委員から御提案のあった意見と重なってくるところなんですけども,全体として質確保のために定員を抑制する方針を明確にするという,これは大事だと思います。
 問題は,地域偏在あるいは就業形態による偏在等が生じているということで,そこに対しても,ニーズに適応した薬剤師の配置といいますか,を考えていく必要があるということかなと思っております。
 今回の取りまとめの中でも,地方自治体と大学が連携して対応することが重要であるということも御指摘いただいております一方で,地方自治体自身が,医師の偏在については把握しているんだけども,薬剤師の偏在について十分な情報を持っていないということも聞いております。
 今回の取りまとめの流れとしては,昨年,厚労省のほうで6月にまとめた取りまとめを受けてという流れにあるのかなというふうに思っておりますが,むしろ厚労省に向けて,こういった地方自治体における薬剤師の偏在状況,その中でも就業形態に伴う偏在も含めて,把握をしっかりするべきだというようなことを少し入れていただいたほうがいいのかなというふうに思いました。
 以上です。
【永井座長】  いかがでしょうか,今の点。事務局,何かコメントありますか。
【事務局】  事務局でございます。ありがとうございます。
 5ページを御覧いただけますでしょうか。5ページの一番上の白丸です。
 この白丸の最後の3行でございますけれども,下から3行,「また,国においても」というところでして,先生御指摘のとおり,各地方自治体における需給推計ですね,国レベルでの需給推計は今出されておりますけれども,自治体ごとの人材の需要見通しということが必要になってまいるかと思いますので,この需給推計を基にした地域における薬剤師の需要見通しの精査,それから偏在指標の導入といったところを厚生労働省さんにも求めて,対応を国としても行っていく必要があるというふうに考えてございます。
【奥田委員】  ありがとうございます。就業形態というあたりが,偏在指標の導入とか精査というあたりに含まれるという理解でよろしいのでしょうか。
【事務局】  はい,その理解でございます。さらに追記するべき点がございますれば御意見いただければと思います。
【奥田委員】  分かりました。了解いたしました。
【永井座長】  ありがとうございます。よろしいでしょうか。
 それでは,6年制過程における薬学教育の質保証に関する取りまとめ案につきましては,今後の修正については座長扱いとさせていただきたいと思います。
【乾委員】  よろしいでしょうか,永井先生。乾でございますが,少し発言させてください。
【永井座長】  はい,乾委員,どうぞ。
【乾委員】  先ほど申しましたように,私,主査としていろいろと考えるところもありました。それと,本日,委員の先生方からいろいろと貴重な御発言もいただいて,事務局も十分説明をしていただいたから特に問題ないと思うんですけども,そこにないことで私が一番申し上げたいのは,去年8月に,この検討会で自由発言をしてくださいということで永井先生から言われて,私たち,自由に発言したと思います。
 その中で私が申し上げたのは,本当に初期のときから関わって,平成14年の薬学教育の改善・充実に関する調査研究協力者会議のメンバーであり,そして最後の設置基準をつくるところも,実は私も関わりました。
 それと同時に同じときに,設置審の委員も平成16年から既に6年間やっているんです。
 それで,昨年も申しましたけど忸怩たる思いということを申し上げたのですけれども,そういうことがあまり,例えばメディアの方々もよく御存じなくて,今のところだけで議論されているように思います。
 それで,ちょっと参考資料の12の,薬学部設置状況及び定員というところで,特に7番の図を示してほしいと思います。また後ほど,医学のことについてもちょっと触れたいと思うんですけれども。
 それです。これが薬学の定員推移の全てだと思います。もうこれは何度も皆さん御覧になったり,あるいは説明を受けられていると思うんですけれども,平成15年から20年の間に28学部ができたわけです。ここで6年制になったときに,そんなことが起こっちゃったわけですよ。
 それに対して私たちは,いろいろとこれは問題があるということは常に申し上げています。設置審委員会のときにも発言する,いろんなことを申し上げてきたわけです。
 それで,一番最たるものをもう一度皆さんにお伝えしたいと思うのですけれども,実は参議院の藤井基之議員が,2007年,平成19年の4月23日の参議院決算委員会で質疑をなさっているわけです。
 これは参議院の議事録もありますし,その議事録にはかなり詳しく書いてあるんですけども,薬事日報の平成19年の4月25日にも掲載されています。
 そこで,薬剤師の需給予測や,薬学部の新設が相次いでいる問題に対して,政府の見解を質問されているわけです。
 そして,当時の伊吹文明文部科学大臣の答弁もまた出ているわけです。
 その要旨を申し上げると,この文科大臣の答弁は,「基準に合致していれば設置を認めている。文科省が介入し,大学数をコントロールすることは難しい。しかし,所管官庁で抑制の申出があり,社会的合意が得られていると判断した場合は措置を講じている」。これは医師,歯科医師,獣医師等ということだと思うんですけれども。医師,歯科医師,それから獣医師というところです。
 だから,まず厚労省が需給計画を立てて,文科省に協議を申し入れるべきだと思うと,こういう趣旨の答弁をなさっているわけです。
 ちょっと割愛しましたけれども,その前には,その2年前にもいろいろと政策の勉強会等でも発言されていて,その時はもう規制緩和というか,そんなことを文科大臣がおっしゃって,それで自由競争だということ,結局それが,先ほどここに示したようなことが起こってきているわけです。
 とにかく,こういう状態で来て,なおかつ,私がびっくりしたのは,クローズの会でヒアリングを行ったんですけれども,医師の調査もさせていただき分かったことであります。
 それで,医学部の定員抑制について,これも大事な図だと思うんですけども,64,65を見てください。先ほど薬学の場合には,設置審のときに私が言われたのは,医師の場合には閣議決定があると。ところが薬剤師はないから,そういうことは止められない。基準を通ったら認めているということを言われたわけです。
 ところが,1回だけの閣議決定だろうと思っていたんですけど, 64の中に、ここを見ると書いてあるんですけども,とにかく3回か4回,閣議決定があるわけです。
 そして65ではまず増やすところも,昭和48年だったろうと思うんですけれども,増やすところ,各県に対して増やすということを出されて,それで今度は,そこにあります昭和57年9月の閣議決定は,ここから減らす方向に来たわけです。なおかつ,これも10年ごとに見直しということをされているわけだと思うんですけども,平成9年6月の閣議決定,また,この57年の閣議決定を――その下のところ,これをもう一度継続するということをなさって,その結果として,ここに示した医学の定員のグラフが薬学と極めて違うという,そういうところを今回改めて認識したわけです。
 実はこういうことを私は知らなかった。とにかく,設置審の委員をやって同じようなことをずっと言われたので,本当に悔しい思いをずっとしてきたということを既に述べたと思うんですけれども,だから,結果的には今回ようやく,14年かかって,14年遅れですね,昨年,薬剤師の養成及び資質・向上等に関する検討会で厚労省の提言が出たということで,それを受けて文科省が今動いているということです。たまたま私,この質保証の主査ということになったので,やはりこういう経緯があって今日に至っているということ,そういうことを踏まえて,今度の取りまとめ案の最後のところ,終わりのところに,私たち委員の強い思いが込められているということも,皆さんに,「おわりに」の2つ目の丸,ここ,特に,これらの取組の進捗状況について定期的に把握し,改善に生かしていくことが必要であるということです。こういうことを医学の場合には本当に今までやってこられて,そして今日に至っているんじゃないかなと私は思います。
 だからぜひ,今回のことを契機にして,私たち薬学関係者が本当に一枚岩となって社会、国民の皆様に説明していく必要があると。医学は,私は本当に一枚岩だと思うんです。もちろん,けんかをされることはありますよ。だけどここというところが一枚岩で,だから政策決定とか閣議決定もできていると。それがもう本当にすばらしいと思うし,これからの薬学・薬剤師も,そういうことをお手本にしながら進んでいく必要があるんじゃないかなと考えます。
 以上でございます。ありがとうございました。
【永井座長】  ありがとうございました。
 よろしいでしょうか。そういたしますと,先生の思いも含めて,今回の取りまとめ案について大筋で御了解いただいたということでよろしいでしょうか。
 今後の修正につきましては座長預かりとさせていただければと思います。よろしいでしょうか。
 ありがとうございます。では,そのように進めさせていただきます。
 続きまして,議題の3でございます。今後の進め方について,事務局から説明をお願いいたします。
【事務局】  事務局でございます。資料4につきまして,今後の進め方について御説明いたします。
 本日第3回ということで開催させていただいておりまして,コアカリ専門研究委員会において検討を進めまして,また秋頃,開催する予定としております。
 その後,またパブコメを実施いたしまして,令和5年年明けになるかもしれませんけれど,冬から春にかけて,またパブコメの結果を踏まえたものを御審議いただきまして,決定をしていくと。
 その後,令和5年に周知期間をおきまして,令和6年度の入学生からモデル・コア・カリキュラムの適用を進めていく,こういった流れで今後のスケジュールとして考えております。
以上になります。
【永井座長】  ありがとうございます。
 それでは,大体予定の時間になりましたので,本日の会議を終了いたします。
 事務局から連絡事項をお願いいたします。
【事務局】  座長預かりとさせていただきました先ほどの件につきましては,先ほどおおむね御了解いただいたということでございましたけれども,追加の意見等がございましたら,8月19日金曜日までに事務局まで御連絡いただきますようお願いいたします。
 事務局からは以上になります。
【永井座長】  ありがとうございます。よろしいでしょうか。
 では,本日の会議は以上で終了いたします。長時間ありがとうございました。
―― 了 ――

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