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薬学系人材養成の在り方に関する検討会(第11回) 議事録

1.日時

平成24年3月19日(月曜日)17時~19時

2.場所

文部科学省東館3階 3F1特別会議室

3.議題

  1. 質の高い入学者の確保について
  2. 今後の薬学教育モデル・コアカリキュラムの在り方について
  3. その他

4.出席者

委員

永井良三座長、市川副座長、井上副座長、太田委員、北澤委員、倉田委員、小林委員、長野委員、橋田委員、平井委員、正木委員、村上委員、望月正隆委員、望月眞弓委員

文部科学省

村田医学教育課長、伊東薬学教育専門官、大林技術参与ほか関係官

オブザーバー

厚生労働省 医薬食品局総務課 中井課長補佐

5.議事録

      【永井(良)座長】
       では、時間になりましたので、第11回目の検討会を始めさせていただきます。
       まず、今日の委員の出欠状況の御紹介をお願いいたします。それと配付資料の確認、以上、よろしくお願いします。
      【伊東薬学教育専門官】
       本日の委員の出欠でございますが、欠席の委員は、生出委員、北田委員、高柳委員、竹中委員、永井博弌委員の5名ということになってございます。
       また、検討会の配付資料でございますが、本日、資料1といたしまして、「質の高い入学者の確保に向けての今後のフォローアップについて(案)」、それから資料2が、「平成24年度に行うフォローアップについて(案)」、資料3が、A3の大きいものになっておりまして、「平成20~23年度の入学試験・6年制学科生の修学状況」、資料4が、「今後のスケジュール(イメージ案)」、資料5が、全国薬系大学学長宛ての「薬学教育モデル・コアカリキュラムの改訂に関するアンケート」となってございます。落丁等ございましたら、事務局までお知らせください。
      【永井(良)座長】
      よろしいでしょうか。
       前回の検討会では、平成24年4月に開設予定の4年制博士課程教育のフォローについて、方針を御議論いただいたところでございます。
       本日は、質の高い入学者について、フォローアップ・ワーキンググループにおける検討結果が提出されましたので、それについてまず、御議論をお願いしたいと思います。
       それから、薬学教育モデル・コアカリキュラムと実務実習モデル・コアカリキュラムの改訂につきましても、現在、各大学宛てのアンケートが実施されているということでございますので、後ほど、これらについて御報告いただくことにいたします。
       よろしいでしょうか。
       では、議事に入りますが、質の高い入学者の確保についてということで、ワーキンググループで御議論いただいてきたと伺っております。その検討結果が提出されましたので、まず、その経緯につきまして、ワーキンググループ座長の井上委員に御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
      【井上副座長】
       井上でございます。
       前回、この検討会がありまして以来、1月20日に第6回目の私たちワーキンググループの会合を開催いたしました。質の高い入学者の確保につきましては、そのフォローアップの方法、それから、今後のワーキンググループの検討スケジュールなどについて検討が行われましたので、その結果を御報告申し上げます。
       このフォローアップは、入学者の確保に今、大変御苦労されている大学に対して状況を伺いながら、今後の薬学教育全体をより良くしていくという趣旨でありまして、その点についてあらかじめ御理解いただきたいと思います。
       まず、資料1は、質の高い入学者の確保に向けての今後のフォローアップについてでございまして、先般御報告申し上げたフォローアップの大方針を1枚の資料に取りまとめたものでございます。内容ですけれども、まず、1番としては、概要を書いてございます。
       2番目として、実施はワーキンググループで行うということであります。
       3には、フォローアップの方法として、書面調査、それからヒアリング、そして、場合によっては実地調査、この三つを用意して選択的に活用することにいたしたいと思います。薬学分野においては薬学教育評価機構の第三者評価が行われることもありますし、また、設置認可の履行状況調査、アフターケアと申しますけれども、新設大学に対しては行われていることからも、全ての大学を対象とするのではなくて、今後、すぐれた入学者の確保が一層困難になることが懸念される、及びすぐれた薬剤師を養成する体系的な薬学教育にもしかすると問題があるかもしれないと、そういうことが懸念される大学に絞って行うことにしております。
       4として、フォローアップの内容を踏まえて今後の改善方策等を取りまとめるということになっております。
       このことについて、この検討会として御承認いただき、その詳細の内容についてはワーキンググループにお任せいただければと考えております。
       資料2でございますが、平成24年度に行うフォローアップの内容を取りまとめたものでございます。書面調査の対象大学をどのようにするかにつきましては、ワーキンググループとして議論を行い、1から3の三つの条件を提示いたしたいと思います。これは資料3のデータに基づいたものになっておりまして、今回、22大学23学部を選ばせていただきました。
       書面調査の内容は、次ページの表を埋めていただいて、入学した学生が標準修業年限でどのぐらい卒業できているかということを見るようになっております。また、大量の留年が想定されるが、その場合にその者が休学しているのか、あるいは退学しているのか、又は学内のほかの学部等に進路変更が行われているのかなどについてのデータを示していただくこととなっております。さらには進級判定の要件についてもお伺いするということとしました。
       この表につきましては、今回、書面調査の対象とならなかった大学にとっても極めて重要であるために、ワーキンググループとしては、全ての大学に対して調査していくべきであるというふうに結論を出しております。この点についても先生方の御意見をいただければと思っております。
       更に書面調査対象大学には、自由記述として八つの質問を用意しまして、それについて自由記述を頂くこととしております。
       これらの資料を御提出いただき、その内容をワーキンググループで精査した上で、不明な部分の把握、あるいは改善のための取組の確認等が必要と判断される大学に対してヒアリングを行うこととし、実地調査については、初年度でもあり、まだ卒業生が出ていない大学もあることですので、実地調査は行わないということにしたいと思います。
       今後のスケジュールですけれども、本日、資料1について、この検討会としてお認めいただき、4月に入りましたら書面調査対象大学に対して書面調査をお願いするということにしたいと思います。6月1日に提出を締め切り、書面調査をワーキンググループで行うということにしたいということであります。ワーキンググループとしては、ヒアリングは今のところ10校程度、夏休みの期間を利用して実施しようかと考えております。8月末には、前回御承認いただいております4年制大学院のフォローについての自己点検・評価結果が提出されてきますので、こちらの方にかからなければいけないということで、それまでの間に行いたいと考えております。
       今後も毎年この調査が行われることからも、さきにお話ししたデータについて、全ての大学についての傾向を知っておく必要もあるかと考えておりまして、これはワーキンググループとしてではなくて、文部科学省としてデータをお持ちいただき、必要に応じて私たちも参考とさせていただきたいと考えるところでございます。
       今まで検討してきたことをまとめますと大体そういうことでございます。よろしくお願いいたします。
      【永井(良)座長】
       ありがとうございました。
       ただいま頂いた御説明、あるいは資料につきまして、御質問、あるいは御意見おありでしたら御発言をお願いいたします。いかがでしょうか。
      【北澤委員】
       では、幾つか質問させていただいていいですか。ちょっと理解できなかったところがあって。書面調査というのは、この全大学に行うのですか、それとも一部の大学に行うのですか。
      【井上副座長】
       23、この今……。
      【北澤委員】
       資料3の、○がついている大学に行うという意味でよろしいのですね。
      【井上副座長】
       はい。
      【北澤委員】
       そして、ヒアリング調査と実地調査というのはどう違うのですか。
      【井上副座長】
       実地調査は、このワーキンググループの委員の数も限られておりますし、全員で現地を実際に見るというのは余りにも時間と労力がかかり過ぎる、特に時間がかかり過ぎるということで、今回は来ていただいて、1校、例えば1時間ぐらいを目安にして、10校ぐらいをヒアリングするのが実質的といいますか、やれる範囲内でやるとすればこの方法かなということで、実地調査は見送ったということがございます。
      【北澤委員】
       井上先生の先ほどの御説明で、ワーキンググループとしては全大学のデータを持っておきたいというようなお話で、でも、書面調査は23校しかやらないという、ちょっとそこの違いがよく分からなかったのですが。
      【井上副座長】
       23校だけではなくて、結局、ほかの大学はどうなのかと、一体、留年率がどのぐらいあって、もし留年しているとしたらその人たちはどこへ行くのだろうかとかそういうようなことも、この23校だけに限らず、調査した上で、その方がフェアでありますし、かつ状況がよく分かる、23校の状況も逆によく分かるのではないかということだと思います。
      【北澤委員】
       では、全校に対して、資料2で示していただいているようなデータはとるけれども、書面調査の対象として決めたのは23校であると、そういう理解でよろしいのですか。
      【井上副座長】
       データそのものは、既にここにありますように出ているわけですね。ですけれども、来年以降、あるいは今後、6年生、これはまだ5年生の段階のデータですけれども、6年生の何人ぐらいが卒業したのかとか、あるいは国家試験ではどうだったのかということもそうですし、来年以降も同じようなことをやったときに、それぞれの大学がどういうふうになっていくのかというようなことも見ていかないと、これは今までのことですので、今後のことも含めて検討していきたいと。
      【北澤委員】
       全学校ですか。
      【井上副座長】
       はい。
      【永井(良)座長】
       事務局から。
      【伊東薬学教育専門官】
       すみません、補足させていただきたいと思います。資料2の一番最後のページの自由記述というものがございますが、ここまでを全て回答するのが23大学ということにしてございまして、進級判定までのページの3ページ分のデータを全ての大学から頂戴できればと考えているということでございます。
      【永井(良)座長】
       よろしいでしょうか。
       ほかに御質問、御意見ございませんか。
       調査対象が充足率平均60%以下ということですが、充足率の高い大学もありますけど、これは参考までにということでしょうか。
      【井上副座長】
       項目が1項目でも、三つある項目の中のどこでもひっかかったら一応調査対象とするということでございますので。
      【永井(良)座長】
       分かりました。長野委員。
      【長野委員】
       調査した結果というのは、何か公表の仕方とか、どのように考えていらっしゃるのか。
      【井上副座長】
       これは文科省が最終的にお決めになることだと思いますけれども、今までに既に法科大学院、あるいは歯科についておやりになられていることからすると、かなり詳しくその調査結果が公表されていると……。
      【長野委員】
       調査報告書として……。
      【井上副座長】
       はい。ですので、それにならうことになるのではないかなと思いますけど、いかがでしょうか。
      【村田医学教育課長】
       今、井上先生からお話がございましたとおりでございまして、具体的な取扱いは、このフォローアップの調査をして、その結果をワーキングでお取りまとめを頂いて、この会議で御報告していただいた上で取扱いも決めていただくということになりますけれども、具体的には、先ほどお話もございました法科大学院とか歯学部の例もございますので、そういったことも勘案しながら、具体的にどこまで、どういう形でオープンにするかということはお決めいただこうかと考えているところでございます。
      【永井(良)座長】
       ほかに御意見いただけますでしょうか。いかがでしょうか。
       正木委員、どうぞ。
      【正木委員】
       先ほどの御質問と関連するのですが、先ほどの事務局からの説明では、書面調査は3ページ目までは全大学に行い、最後の自由記述のみ23校に回答を頂くと、それでよろしいのでしょうか。
      【伊東薬学教育専門官】
       書面調査という形ではなくて、23学部に対しては書面調査という形でこのフォローアップ・ワーキンググループの調査として行いますが、そのほか、この対象にならなかった大学に対しては、一般的な調査ものとして、データとして各大学から頂戴しようということで考えているものでございます。
      【正木委員】
       確認ですが、このフォローアップについての検討会の案という文書は公表されるんですよね。公表されたときに、当該大学の方々の印象として、調査がマイナスから始まるというようなイメージを持たれないかなということを懸念したんですね。やはりデータとしてはきちっと全大学をとり、そのデータを見据えた上で、ヒアリング調査においてはこれこれの基準と示すとか。書面調査から入っているのですが、この文書の表現が、「体系的な薬学教育に問題があると懸念する」と、はっきり明記して調査を依頼するということに何か弊害が生じないか、これは推測ですが、少しそういう意見を持ちました。
      【永井(良)座長】
       いかがでしょうか。
      【井上副座長】
       法科大学院、あるいは歯学での今までにやられたことからすると、かなりそういう意味では踏み込んだ調査をされ、その結果を公表されているということ。
       それから、今、調査と言われましたけれども、この23年度までの修学状況、あるいは入学定員の問題等に関しては、既に出ておりますし、ある意味では公表もされているというふうに位置づけられますので、そこから考えたときに私どもとして懸念を覚える大学をピックアップしたということですので、そういう意味では、難しいところですけれども、許される範囲なのかなという感じがするのですが。
       あと、おっしゃっておられる全部の大学についてといっても、これは全大学についてここまでのデータはあるわけですね。ですので、改めて全大学に同じことを聞いてもしようがありませんので、この23大学についてもう少し詳しく状況を書いていただくという意味ですので、これを全大学にやってもちょっとどうかなという感じはするのですが、いかがでしょうか。
      【永井(良)座長】
       文科省、いかがでしょう。
      【村田医学教育課長】
       これも、先ほどマイナスからというお話がございましたけれども、今回フォローアップをお願いして、先生方にも検討していただくという趣旨は、入学者の確保ですとか、あるいは、質の高い薬学教育という観点から、いろいろ御苦労されている大学もかなりあります。ねらいとしては、少しでもそういう大学の参考になるような、手助けになるような形の改善策を、ある意味では委員会の先生方も一緒になって考えていこう、そのきっかけとしてこういった機会を設けさせていただこうという趣旨でございますので、先生の御指摘のような形にならないように、私どもとしても十分配慮しながらフォローアップをさせていただきたいと思っております。
      【永井(良)座長】
       いかがでしょうか。
       資料3の修学状況、斜線が入っているところはどういう意味でしょうか。
      【伊東薬学教育専門官】
       まず、23年度の入学定員というところにつきましては、斜線が入っているのは該当がない、4年制学科がないというところでございます。また、6年制学科の修学状況、右の欄でございますが、斜線が入っている大学につきましては、その当時のデータがまだないというものでございます。
      【永井(良)座長】
       ハイフンは該当なしということですか。
      【伊東薬学教育専門官】
       こちらは一括入試ということで、データがないというものでございます。
      【永井(良)座長】
       ほかに御意見ございませんでしょうか。
       もし御意見ございませんでしたら、このフォローアップ調査についての案をお認めいただくということでよろしいでしょうか。
      (「はい」の声あり)
      【永井(良)座長】
       ありがとうございます。
       それでは、更にワーキンググループの方で作業をよろしくお願いしたいと思います。
       次の議題でございますが、今後の薬学教育モデル・コアカリキュラムの在り方についてでございます。
       薬学教育モデル・コアカリキュラムと実務実習モデル・コアカリキュラムの改訂につきまして、その後の議論の進捗状況及び大学宛てのアンケート調査、これらも行われているということでございますので、専門研究委員会座長でいらっしゃいます市川委員から御説明をお願いいたします。
      【市川副座長】
       それでは、資料5に基づいて、今お話がありましたように、今までの経過並びに各大学に発信しましたアンケート等についての話をさせていただきます。お手元の資料5というのは、各大学宛てに発信したアンケートそのものでございますけれども、そのときの資料であります。これに基づいて説明させていただきます。
       前回のこの本会議で御報告して以降の点でありますけれども、1月17日に専門委員会の方の第5回目の会議を開催いたしました。そこで大筋のこのアンケートに関わる内容をほぼ議論していって、これで出そうという結論になったわけであります。
       まず、資料に基づいて説明させていただきます。1枚めくっていただきまして2枚目のところに別紙1ということで、薬学教育モデル・コアカリキュラム改訂の体制についてということで、体制はこのような形で進めますということを各大学の方々に御承知いただくというための資料でございまして、この委員会では御承知のとおりで、左側の方にあるとおり、ここの委員会、薬学系人材養成の在り方に関する検討会の決定事項に基づいて専門委員会が開かれているということ。そこで、この中にあるような項目立てで検討して、その中で実際に調査研究に関しては、日本薬学会の方の薬学教育モデル・コアカリキュラムの「調査研究チーム」というところで実際に作業してもらうという流れになっている。順次、それを逆に上げていっていただいて、最終的にこの委員会で内容を確認して決めていただくということになるということ。これも各大学に承認いただくという内容でございます。
       右の方が、従来のやり方と非常に違う点がありますよということを理解していただくために書いたものでありますけれども、従来の、現在あるモデル・コアカリキュラムはそれぞれこの二つのコアカリキュラムから成り立っているということで、その一本化が必要であるということと、それからもう一つは、6年制薬学教育ということのしっかりした母体というものをこれからはっきりしたものにしていって改訂してほしいという、この委員会の趣旨、それを受けた形に作業を進めることにしました。
       また1枚めくっていただきまして、改訂に向けての考え方をこのように図示してみました。「基本的な資質に基づいたコアカリキュラムの改訂」というのが2行目に書いてありますけれども、これが基本でありまして、先ほど言いました6年制の薬学教育の求められるものとして、こういう資質というのが薬剤師に求められているということを前面に出ました。この内容の細かいことはその前のページに記載されていますけれども、大きな項目だけで言うとそれぞれ1から10番の内容、これを考えているということであります。この基本的資質に基づいて改訂を行う。
       その基本的資質というのが、その次のところにあります、実際、モデル・コアカリキュラムの中に生かされていくということで、そのモデル・コアカリキュラムは、真ん中に「大項目(案)」と書いてありますけれども、大項目、それから中項目、それからいわゆるSBOの小項目に入っているということになっております。大項目は、少し後で述べますが、若干文言を変更しました。いずれにしても大項目、中項目にあるGIOの部分、なぜこの学習を行うのかという目標を「基本的な資質」の方で位置づけるというような捉え方であります。
       例えば化学をやるためには、やる目的としては基礎的な科学力とか、あるいは研究能力を高めるためにということですが、それは薬剤師にとって必要なことだと、そのために順番にこれをやっていくという捉え方であります。GIOでなぜ学習するのかというのが分かって、SBOで何をすればよいのかという具体的な行動というのが記載されているという理解で、学生からすると順次それを理解できるという体制を考えているという組み上げをしました。
       そこで、この基本的な資質に関しては、4回目までの委員会でも、団体とか、あるいは有識者の方からヒアリングを受けまして、薬剤師として求められる基本的な資質としてどういうものがあるかということで、先ほど、項目だけは上に書いてありますけれども、その詳細は別紙2という前のページになっています。2枚目の裏になっていますけれども、薬剤師として求められる基本的な資質(たたき台)ということで、このように整理いたしました。
       このような頭書きがあって、3行目のところに「6年卒業時に必要とされている資質」という言い方で、薬剤師として求められる基本的な資質は「6年卒業時に必要とされている資質」ということで、薬剤師としての心構え、それから、患者・生活者本位の視点、コミュニケーション能力、チーム医療への参画、基礎的な科学力、薬物療法における実践的能力、地域の保健・医療における実践的能力、研究能力、自己研鑚(けんさん)、専門性の涵養(かんよう)、教育能力という10項目に一応しまして、これをもとに各大学でもう少し検討をしてくださいという意味でのたたき台という形で配布させていただいたということになります。
       このような資質を有する薬剤師を養成するためのコアカリキュラムを作成するということで、その中で、先ほどもちょっと言いましたけれども、従来のカリキュラムは、薬学教育モデル・コアカリキュラムと実務実習モデル・コアカリキュラムの2本立てになっておりましたが、それを1本立てにするということが一つ必要ということになりまして、そういうことを含めて具体的な内容を今後検討していくわけですけれども、その一つのこととして、最後の別紙4になっています。とじられている一番最後のところに大項目というのがございます。この大項目の現行というのが右側に書いてありまして、シャドーが入っている部分、薬学教育モデル・コアカリキュラムと、下に実務実習モデル・コアカリキュラムというのが2本立てになっていたのですけれども、それを整理する形で、左の方が、一つはこのように改訂したらいいのではないかという案を提示したわけです。
       少し言葉が変わっておりますけど、基本事項、導入教育、これは医学教育モデル・コアカリキュラムの言葉と対応させるという意味でちょっと名前を入れかえていますけれども、こういう言い方。それから、薬学専門教育というところが、従来、非常に厚みのあるというか、非常に数が多い部分がありましたので、その内容を少し整理して、薬学基礎教育というのと、医療・衛生薬学教育というか応用的な教育というところに、二つの項目でCとDに分けたらどうだろうという案であります。
       それからもう一つは、実務実習モデル・コアカリキュラムのところで、実際、事前学習の部分と、それから薬局実習、病院実習という内容が入っているわけで、それを一つにして薬学臨床教育というような言い方をするということで一応考えております。方略に関しては、前は方略で大分制限を受けたために、実施は非常に難しいということで、今のところまだこれをどうするかというのは今後の検討事項になるということになります。
       それから、卒業実習カリキュラムというのがありまして、それは薬学研究という形で取り入れるということで、左側の方のA、B、C、D、E、Fという項目として案を作成していますが、これについても各大学で検討してほしいという形でアンケートを出したということになります。
       それがアンケートの、1枚目のところにこういう趣旨でありますというのが書いてあったその裏でありますけれども、これがアンケートでありまして、そのような内容ですね。各大学で、現在、薬学、こういう検討をしているけれども、その方針についての意見を求めるのが1番目。2番目に、現在のコアカリキュラムの問題点があるとすればどれであろうか。それから、具体的にコアカリをどのように改訂したらいいであろうかという提案。それから、コアカリ全体に関して意見があれば聞かせてくださいという内容で、かなり幅広く答えを求める格好で各大学にこのアンケートを求めて、2月20日に締切りになっておりまして、今、それが全部回収されて、薬学会の方でこれを整理していただいているというところであります。
       その整理した結果が出てきましたら、またこの会で報告させていただくと、その前に検討会をやって、それから報告させていただくという格好になると思います。現在のところ、そういう形でこちらの改訂作業は進んでいるというところであります。
       以上であります。
      【永井(良)座長】
       ありがとうございます。
       これは2月に意見を取りまとめ、3月ですか、取りまとめは。
      【市川副座長】
       そうですね。一応、薬学会の方の一つの取りまとめが3月のところでまとめていただくというように聞いております。
      【永井(良)座長】
       その後の改訂方針の検討が4月から始まって、大体いつ頃までに取りまとめになるのでしょうか。
      【市川副座長】
       それはまだはっきりしておりませんけれども、前にこの委員会のところで大きなタイムスケジュールという形で、実際に改訂されたものをいつから始めるかということについて、それは26年、若しくは27年度ということで今考えています。改訂されて、それを実際に自分の大学のシラバスに落とし込んでいくために、そこにちょっと一、二年の時間の余裕をとっておかないといけないということもありまして、多分、作業そのものとしては来年度、うまくいけば進むのかなという。24年度の作業ということになるかと思います。
      【永井(良)座長】
       いかがでしょうか。ただいまの御説明に御意見、御質問おありでしたらば発言……。
       小林委員、どうぞ。
      【小林委員】
       このモデル・コアカリキュラムが改訂されましたら、それに準じて長期実務実習の内容と5か月の期間、見直しされるということで理解してよろしいのですか。
      【市川副座長】
       はい。見直しという言い方になるかは分かりませんが、内容的なものまでかなり整理されると思います。
      【小林委員】
       整理されるんですね。
      【市川副座長】
       はい。一本化され一つの実習、シラバスになりますけれども、実際の運用というようなことになると、例えば薬局で先に始めること、あるいは病院で先に始めるというような意味での問題は、今までによく似たことになるかと思います。これは全員が薬局、全員が……。
      【小林委員】
       例えば内容の重複とかがもしあるとすれば、それが整理されて。
      【市川副座長】
       それは整理されますけれども、実際の運用においては現在の方式が多分採用されてくるんじゃないかなというふうに私自身は思っております。これはもちろん検討の結果に依存します。
      【小林委員】
       もう一つよろしいですか。これでモデル・コアカリキュラムが整理されたときの話ですが、今まで私が直接は見ていませんけれども、学生さんの国家試験の勉強の状況が、かなり毎年、毎年、問題が難しくなってきていて、そして、かなりの時間を勉強しないと通らないという状況が出てきていると判断されます。国立大学でも卒業発表は昔は1月だったのが今は12月や10月というような状況です。多分、私学はもっともっと早くに、いわゆる長期課題研究も終えてしまって、その国家試験のための、また卒業試験のための勉強を、多分、6年生でそればかりをやっているというような状況になっていると思うんですね。
       このモデル・コアカリキュラムが整理されれば、国家試験の問題自身もちょっと方向性を考え直す必要があると私は思うんですけれども、そうしないと、例えば先ほどの議題の1でありましたように、私学のひどいところは1/3しか進級していませんね、半分のところが結構あるということで、結局、何でそうなっているかというと、多分、ある程度の合格率を確保するためにはかなり勉強させなければいけない。私学の場合には、入ってきた学生さん自身もまだ力がない人たちが入ってきて、それを一生懸命トレーニングされているんだと思いますけれども、結果として試験を受けさせるのが半分ぐらいしかないというような状況が来てしまっていると。これはやっぱりまずいと思いますし、充実した6年間教育をしたから、それだけいろいろな知識を持っているはずだから難しい問題でも解けるんだという感覚はちょっと僕は違うかなと。
       ついでに言っちゃいますけれども、長期課題研究がほとんど今、議論されていないですね。これはやっぱりすごい問題だと私は思うんですけれども、そこのところがモデル・コアカリキュラムを整理された段階で本当にうまくいくのか。私は今、国立大学に所属していますけれども、私学の先生方に聞くと、4年生、5年生、6年生、それぞれ学年が十何人配属されてきまして、それぞれ数箇月しか研究室にいないと。長期課題研究を数箇月ずつ毎年やるだけでは、ほとんど実のある教育にならない皆さんこぼしておられて、先生方御自身も研究ができない、かなり非常に厳しい状況です。ただ、私学の先生方にしてみたら、やっぱり自分のところの大学が温存することがもう第一優先ですから、今までみたいに大学院生を抱えて研究を一生懸命していたというところが全然できていないで、個人的にはこぼされるんですけど、大学としては一切そんなことは言えないというのがずっと続いているということで、これはやっぱり何とかしないととんでもないことになると私は思っています。せっかくこのモデル・コアカリキュラムが改訂されるのでしたら、国家試験の問題が毎年毎年難しくなってきているというのは確かにそうだと思うんですけれども、本当にそれが正しい方向に行っているのかというのを少し見直していただいたらとか、せっかくこれをやったことによって、いい方に動いてほしいなと思っています。
       以上です。
      【市川副座長】
       ありがとうございます。
      【望月(正)委員】
       ただいまの後の方の国家試験の問題については、まだ結果は最終的には発表されていませんけど、問題委員の先生はそういう点を非常によく理解されて、ただ暗記ではなくて、実力が十分発揮できるような問題をつくっておられます。ですから、モデル・コアカリキュラムの段階ではなくて、どうしても研究をやっていけないからといって、国家試験自身が問題であると考えるのは違います。今度、入学者のフォローアップがあると思いますが、どのようにして5年に進級させて実務実習を受け、更に6年で国家試験を受け、どういう結果が出るかをフォローアップします。そこでの議論が一番大事であって、いきなり国家試験をモデル・コアカリキュラムに結びつけるというのはやや早過ぎるかと思います。まず、今度の国家試験の結果を見ていただくというのが大事かと思いますし、試験委員がそれだけ努力されているということを認めていただきたい。
       もう一つ、最初の話、何でしたか。
      【小林委員】
       最初は、長期実務実習の件ですね。
      【望月(正)委員】
       ごめんなさい。実務実習の話だったのですが、モデル・コアカリキュラムをきちっと見直すときに考えていただきたい。実務実習の受け手は病院と薬局です。受け手は一つにまとまっていただきたい。また送り手の大学としても国公立大学と、私学とがまとまっていくというのがよいと思います。日本病院薬剤師会と日本薬剤師会が別々に対応されるというの問題です。以前、薬学教育の改善・充実に関する調査研究協力者会議の中でも受入れ側はいずれは一本化するといっております。いずれというのは、5年も6年もたてば十分だと思います。そういう方向で受け手と送り側がお互いに一本化して、代表者同士で話し合うという形を何とか作っていただきたいというのが、私のこれまで調整機構で調整してきた感じから出る意見です。
       以上です。
      【市川副座長】
       私も、薬学会の方の調査作業チームの中でもそのような議論で、多分進んでいくんじゃないかということを期待しております、実務実習に関しては。
       それからもう一つは、研究の時間がどんどん減ってきているというのは、これも確かに、今後の薬学のこと、以前からのずっと流れを考えた場合に非常に憂うべきことというのは私自身も非常に感じます、個人的にもちろん強く感じますけれども、これは今やっと第1回目の国家試験が終わったということで、多分、特に私学の問題点が多いということを御指摘されていましたけれども、確かに、私自身も現在、私学におりましてそう思いますが、1回目の試験が大体読めてくると、大分またそこでじっくりと考える時間ができるのではないかなと思います。確かに、今の状況は余り良くないところへ進んでいたというのは理解しています。
       それと、モデル・コアの方から言うならば、この中に基礎的な科学力とか、あるいは研究能力というのを非常にきちっとうたって、それをおろそかにしてはいけませんという意思表示が非常に強く出ていて、前は卒業研究という格好で、一番最後にエキストラでついていたのですね、モデル・コアの中で。それは、そういう取扱いであったために余り表向きでなかった。今度は、基本的な資質の中にそれを入れていって、それに基づいて各GIOはそれに対応するんだということで意識を高めるということで、それに伴っての研究というのが出てくるということになるかと思います。
      【永井(良)座長】
       ほかにいかがでしょうか。
       よろしいでしょうか。
       今、全体に大学教育の中で、いわゆるリベラルアーツが大分弱体化しているのではないかと言われています。薬学教育においてもこれから医療の問題が入ってきますので、そのあたりの教育をどのように導入したらいいのか。リベラルアーツと専門教育というのは矛盾するかもしれませんけれども、薬学の基礎として人間を見る、考える力が求められるだろうと思いますけれども、その辺は今後どういう動きになりますでしょうか。
      【市川副座長】
       そこの部分、ここで言うと基礎能力とか、あるいは次の問題ですね、そういうところって非常に大事な問題を抱えていると思います。従来においても非常にそこの部分は大事ですと、特に昔で言う教養教育というところに含まれているかと思いますけれども、その部分が確かに非常におろそかになっているなと思いますね。多分、一貫教育という流れからだんだん教養という部分が、しっかりした位置づけというのが消えていったというのが一つの問題点かなと思います。どんどん専門教育が下級学年の方へ入っていって、専門教育の幅が広がっていったということで、幅が広がるとそれなりのよさもあるかもしれないけれども、一番大事な、リベラルアーツを含めた基礎的なもの、その人の根幹になる学力というのがかなり落ちてきているなというように思います。薬学だけかどうかは別としまして、特に医療人という、育成という観点からのリベラルアーツというのももちろん非常に大事な部分で、それに関してはかなりいろいろな大学で、今、工夫しているかと思いますけれども。
      【井上副座長】
       よろしいですか。6年制になった大きな理由の一つとしては、こういう教養教育の充実ということを明確にうたっているはずなのに、実際問題としては、やっぱり国家試験というのがどうしてもあって、国家試験の科目ではないような科目に関してはどうしても軽視されるというようなことに結果としてはなっていると思うんですね。なので、本来からすればコアカリの中にというか、あるいは国家試験そのものに、そういう一般教養科目のようなものまで、常識問題のようなものをもっとたくさん出すというようなことをして、小林先生がおっしゃるように、国家試験というのがそんなに難しい問題ではないような形になっていかないと、やっぱり国家試験というのがどうしても前面に、頭の中にかなり出てきてしまうということだと思うので、本当に根本的に考えるのであれば、そういうあたりもきちっと考えていかなければ駄目なんじゃないかなと思いますけれども。
      【永井(良)座長】
       いかがでしょうか。
       今の点、薬学だけではないと思います。かつて、教養教育からより専門的な教育を早く始めるようにという動きがあったわけですが、当時の先生方はリベラルアーツを身につけていらしたのかもしれませんが。しかし、それをなくしてしまったときに、やはりいろいろな領域で様々な問題が起こっているように思います。特に自分で学ぶとか、広い知識で、より深く自分で深めていくといった、そういう学習能力をきっちり鍛えた方が場合によっては早いかもしれません。ですから、リベラルアーツはこれからもあらゆる領域で考えておかないといけないことではないかと思います。
       ほかに御意見ございませんでしょうか。
       そうしますと、一つの問題は、国家試験の在り方というところもあるわけですね。ここについては今後、どういう検討がなされるのでしょうか。
      【中井厚生労働省課長補佐】
       国家試験については、モデル・コアカリキュラムが変われば、国家試験の基準は変わることになるかどうか分かりませんが、検討は必要であると思います。ただ、国家試験が、ここで議論している今の状況の原因の全てかというと、これは個人的にもそうかどうかはかなり疑問に思ったりもします。
      【井上副座長】
       何が疑問か聞かせてください。
      【中井厚生労働省課長補佐】
       国家試験が厳しいから、今の教育の問題の原因だということではなくて、例えば、この留年率が高いなどというのは国家試験だけの問題かどうかというのは疑問だという意味です。
      【井上副座長】
       いや、最終的に大学を評価する一つのメルクマールとして、国家試験というのはどうしたって私学の場合にはあるわけですよね。例えば、評価と司法試験の結果というのをジャーナリズムがどう取り上げるかといったら、司法試験の結果をかなり重要視して取り上げたりするわけですよ、現実問題として。なので、やっぱり国家試験というのは、現状ではかなり左右させている要因になっているということは間違いないと思いますけれども。
      【中井厚生労働省課長補佐】
       別にその実態自体を否定しているわけでは一切ありませんけれども、だからといって司法試験も同じで、一律に全部緩くしていいのかといったら、そうではないだろうし、国家試験というのは一定程度の基準に当てはまるかどうかということだけを見るという前提に立ちますので、それでどんどん緩くしていったらどうなるかというのは火を見るよりも明らかです。井上先生が言っていることは十分理解したつもりですが。
      【永井(良)座長】
       あと、先ほどのリベラルアーツ的なことも問うことも考え得るかと思いますけれども。
      【永井(良)座長】
       望月委員。
      【望月(正)委員】
       確かに、国家試験に受かるための勉強ということもあるのですが、私が見て一番大きい問題は、5年次、6年次に国家試験の勉強ばかりをしなければいけないと思っている大学関係者、それがおかしいと思います。学生はむしろ、国家試験の勉強に関して同じことを何度も何度も言われたって余計頭に入っていかない。けじめをつけて、うまく国家試験の勉強をするし、それから研究もするし、そのほかにアドバンストの学習もし、今まで学んできたものも何とかまとめる。そのようなことを学生はできると思います。ただ、できない学生については、いろいろな問題点を今度のワーキンググループで検討していただきたい。今の教育体制ができる学生の芽を摘んでいるのではないかと考えます。教員がもっと学生を信頼して、国家試験の勉強は平日の夕方6時以降からとか、土・日にやるとかして、ふだんの日は研究をして、更にアドバンスで学ぶことがあるのならそれを学習する。それに応えられる多くの学生が入っていると思います。国家試験の結果が出て何年かたつうちに、国家試験というのはこの程度準備すればよいというのが分かれば、良くなっていくという気がします。国家試験の作問ではそういう問題をつくるという努力はしていますし、そのような学生を信頼した教育をすることは大学側が持たなければいけないという気はします。
       以上です。
      【井上副座長】
       国家試験の問題は、そういう問題にできるだけしようというのは私たちも考えていて、その結果が理想的な問題だったかどうかは、私は直接は関わっていないので、分からないけど、そういう方向でやってくださいというところまではやったわけですね。今、望月先生がおっしゃったことは、まさに理想的にはそうなんですけれども、これは、そういう大学もあるというのが実態だと思うんですね。やっぱりなかなかそうはいっていない。だから、この私たちのワーキンググループのテーマは、質の高い入学者をいかに確保するかとかそういう問題ですので、まさにそういうことができれば一番いいのですけれども、現実的には私たちがこういう調査をしなきゃならないような実態もあるということだと思うので、その辺のところをどうしていくかというところだと思うんですね。
      【市川副座長】
       ちょっとずれるかもしれないけど、一番今まで何が問題だったかというと、モデル・コアカリキュラムというのがつくられた10年ほど前のときに、要するに10年後ないしは15年後ぐらいの薬学教育の理想像をつくろうとしたんですね。その後に6年制・4年制が分かれたのです。だから今回改訂しようとしているのは、薬学6年制教育というのは薬剤師を標的とするというか、ターゲットとしたものに変えていこうということで、もう少し整理されてくると思うのですね。それとともに第1回の国家試験というのが今回行われて、その内容の目指すところが大体読めるといったらおかしいけれども、少しずつ方向性が分かってきたということ。
       その中にその違いは何かというと、薬学教育は、その当時は創薬研究その他も全部含んだカリキュラムになっていたのですね。それを全部が国家試験の範囲ですよという格好になっているので、結局、大学の方がそれを全部教えなきゃいけないということになり、14,500ぐらいあるSBOを全部カリキュラムの中に入れて、その中の一部5、600はアドバンストになっていますけれども、900幾つがいわゆる共用試験の範囲に入る基本事項、という形で全体が入っていると。でも、その中には薬剤師を育成するのに必ずしもそこまでは必要ないのではないかという内容もかなり実際には取り込まれていて、それが教育を非常に難しいというか、困難なものにしていった。特に私学の場合は、それをするかしないかというところでも非常に変わってくるということで、先ほどの研究という範囲もその中に入ってくるかと思うんですね。
       今回、モデル・コアカリキュラムの改訂を、ターゲットを6年制教育、主として薬剤師教育というところでまとめていこうということをやっていく。同時に、もう少ししっかりしたものが出てくるのじゃないかということだと思います。そのときに気をつけなきゃいけないのは、小林先生がおっしゃったとおり、研究とか、あるいは考える力、そういうものを育成するということはやっぱり非常に大事なポイントであるから、それをただ薬剤師の何とかということだけではなく、そういうものを含んでほしいということで、このモデル・コアの資質というところに、科学力とか、研究能力というものも明瞭に書いたということが事実なんですね。だから、これからの改訂に非常にかかるのではないかと思います。
      【長野委員】
       市川先生のおっしゃるとおりだと思うんですね。ここの場でいわゆる大所高所からそういう格好で意見が出てきて、それがきちっと今度のモデル・コアカリキュラム改訂に反映されるといいかなと思うのですが、例えばこの別紙1というのを見たときに、今回と前回とありまして、ここは一番上のところになるわけですね。実際、それを委託されてやるのは日本薬学会、ここでやるわけですが、そこに今の意見がどれぐらい反映されるかというのが実際、問題になってくると思うんですね。
       以前もちょっと意見として言わせていただいたのは、いわゆる総論を言うときには、確かに皆さん、今の市川先生の意見に反対する方は誰もいらっしゃらないと思うのですが、各論に入ったときに、御自身の専門領域に対して、これはどう見ても薬学教育に重要だとあくまでも強く主張されて、結局それが集まってくると総論と合わないようなコアカリキュラムになる可能性がある。つまり総論賛成、各論反対、自分のテリトリーは守るというような格好の話になってくる。それをいかに防ぐかというか、いかに今の大所高所からのものがここに反映されるかというのが問題だろうと思うのですが、その辺の手立てというのは何かあるのですか。それは懸念されませんか。
      【市川副座長】
       いや、懸念されないことはないと思います。非常に複雑な言い方ですけれども。専門委員会の方のメンバーと、それから薬学会の調査チームの方のメンバー、そこにはかなり重複のメンバー構成になっております。そういう意味で、専門委員会の方で十分に意思が統一されていれば、それが反映されるであろうというのを期待するのが一つだと思います。
       また、必要に応じて専門委員会の方が積極的にそれを発言するようにしないといけないのではないか。そのためには、ここでいろいろ頂いた御意見をできるだけ整理して、それを専門委員会の方でちゃんとまとめて言い伝えると。今のところは本当に総論のところになっているので、具体的な作業が始まって大学との間にフィードバックがどんどん行われていくときに大学の方が厳しくそれを判定していけばいいのではないかなというように思います。
       今までも本当はちゃんとフィードバックをやっていたのだけど、当時はまだ、先ほど言いましたように、6年制教育というものに対しての統一感というのがなかった時代のカリキュラムだったので、フィードバックの意味がちょっとずれてしまったと。
      【北澤委員】
       私も10年近く前の、協力者会議の委員だったんですけれども、昔のことを思い出すと、この薬学会のモデル・コアカリキュラムというのが出されてきて、結局、これをやるためには4年じゃなくて6年ないと駄目なんだという理屈で、4年を6年にしたという経緯があったんじゃなかったのでしょうか。それを考えると、今、そうしたら詰め込み過ぎるからもうちょっとスリムにした方がいいんじゃないかとか、これを全部やろうと思ったら国試の勉強が大変になり過ぎるからもうちょっと何とかしてほしいというのは、あのときの話と違うんじゃないかなと正直思います。いかがでしょう。
      【永井(良)座長】
       医学でもそういう問題は非常にあるのですが、いわゆるモデル・コアカリキュラムということと授業というのは必ずしも1対1ではないのですね。アメリカは実習の割合が非常に大きくて、授業、講義はなるべく少なくして、実習を中心に医学教育をしていますけれども、科目によってウエートの重いものとそうでないものを置いています。ですが、講義時間に関しては非常に短い。大学によっては講義はしないというところもあって、そのかわり学生たちは夜の12時まで図書館で勉強しているんですね。ですから、どうしても基礎的な学力、勉強する力というのが求められるということと、それからウエートづけを誰がどういうふうにしていくかという、その仕組み。そういう意味で、諸外国の薬学教育のカリキュラムのつくり方というのも研究してみる価値はあるのではないかと思います。
       ほかに御意見いかがでしょうか。
       正木委員、どうぞ。
      【正木委員】
       モデル・コアカリキュラム、コアとなるカリキュラムの内容だと思いますので、恐らくコアは全体のカリキュラムの中の何%ぐらい、6割なのか、8割なのか、そのあたり、恐らく4年制時代に検討していたときは、いずれ6年制をということでそこが決めにくかったのかなと思うのですが、今回、6年制を想定されているとすると、コアは何割ぐらいの内容であるということは恐らく決めやすいのかなと思いますが、このあたりいかがでしょうか。
      【市川副座長】
       前回の場合も一応、モデル・コアの内容は全体の7割ぐらいにという設定で、今回に関しても、それについては大体7割ぐらいというのが各団体の方々もそういう言い方、大学の方もそういう意見でした。ですから、多分7割ぐらいになるのではないかと。その7割ぐらいの中には、びっしりとSBOで組み上げるのではなくて、もう少しSBOの数を減らしていくというか、スリム化していって、自分の大学の学生に合ったような教育の仕方というものを重視した形にできれば。言うならばSBOは今まで1コマずつぐらいになっていたんですね、一つの項目に対して15ぐらいそろえてあって、これをやれば完成と、その中には内容の重みというのか、その記載がないんですね。そのために淡々と15個をやりますと、結局余り重要でないところに深く入り込んでしまったりということで、学生の方で内容を消化し切れないということが起きてきたということがあります。
       そのために少しSBOを減らしていって、先生の自由裁量が非常に増えるような格好にしていくと、各大学に合った教育ができる。先ほどのフォローアップのことも関係すると思うんだけれども、全部、学生の質というのは同じではないわけですね、当然のことながら大学の中でも差はあるし、幅があるし、大学間においても少し幅があるということで、でも、やっぱり薬剤師を養成するという、ある基準に関してだけはしっかりしたものをつくらなきゃいけないというのはコアになるかと思うんですね。それに関してはしっかりした同じレベルを育成する。それから、その後の伸び代の部分を各大学の裁量の幅にしていくと。これも総論なので、実際にどうなるかというのは別ですけれども、作業としてお願いしている部分で今までの意見が一番多いのは、やっぱり少し量が多過ぎたために大学の教育というのがぎりぎりになってしまった、ということです。
       先ほどの6年制のうんぬんという意見のところは、私自身は答える立場では全然ないですけれども、実務実習の5か月という一番の問題も、当時は1週間とか2週間、1か月ぐらいがせいぜいのところだったのを5か月やってみた。それで今、実務実習の基本形がちゃんとできたんですね。これで、今度6年制を出る学生さんというのは違う意識を持っている。だから、何か最初に設定することによって、やっぱり何年後かには非常に変わってくるということは事実だと思うので、このモデル・コアカリキュラムの今度の改訂というのは一番期待されるというか、期待するようなものをつくらなきゃいけないというか、そういう責任は大きいかと思うので、是非薬学会の方にそれも伝えていって、専門委員会の方でもそれをやっていきたい。
      【平井委員】
       先ほど永井先生がおっしゃった医学部の件で、私どもも医学部の新しいモデル・コアカリキュラムのチェックというのを全員でやりまして、そのときのやり方ですけれども、一つの科目で一つのものというよりも、例えば臨床を教えている講義でも基礎的なことの話もしていると。相互に乗り入れて、臨床の先生が基礎のところにもこれを教えています、基礎の先生も臨床的なことも教えていると、そういうのがいろいろあって、モデル・コアカリキュラムの読み方というのを教員がしっかり身につけておいて、書かれたらその数だけ講義をしなければいけないという考え方をまずなくすというところから始めた方がいいと思うんですね。
       国家試験も全く新しくなって、複合問題といって基礎と医療の部分がつながる、まだ完璧なものになっていないかもしれないんですけれども、少なくともそういう方向性が打ち出されたというのは、相互に乗り入れるという考え方を薬学全体が持つようになってきたということで、非常にいいことだと思います。
       一つは、教員側がモデル・コアカリキュラムを自分の講義にどう移していくかという考え方をちゃんと理解しておくのと、それから、学生さんにもそれを。一つの科目が終わったら、試験が終わったら全部忘れて次のというような考え方をする学生さんが結構多いので、そうじゃなくて、全部つながっているんだよというような考え方をお示ししたら、やたらめったら授業を詰め込んで忙しい、ということではなく、多分、もう少し効率的にできるんじゃないかなと思うんですけど。
      【望月(眞)委員】
       先ほど市川先生がお話しされていた、もともとのモデル・コアカリキュラムのつくられたときというのが、必ずしも薬剤師だけをターゲットにしたわけではなくて、薬学部としてどういう人材を養成するかのためのコアカリキュラムだったという、そこのスタートから、今度は薬剤師養成を主眼とした6年制の方の薬学科のモデル・コアカリキュラムという整理をしていくことで、私は、かなり深さかげんも領域ごとに変えられるコアカリキュラムをつくっていくことができるのではないかなと思います。項目としては必要かもしれないけど、深さが違うというところは、かなり広い領域にわたっているので、あると思うんですね。
       いずれにしても、今度、コアカリキュラムを考えていただくときに注意していただかなければいけないのは、先ほど市川先生が、薬学部が養成する人材の10年後を想定していたということをおっしゃっていましたけれども、やっぱり薬剤師を薬学科が養成する場合の、ある程度10年ぐらい先を見越した形のカリキュラム構成というのも考えていかなければいけないと思います。
       先ほど、国家試験が非常に難し過ぎてきちんと研究ができない、国家試験対策に時間をとられてしまうという御意見が出ていたのですが、私は、中井さんがおっしゃっていたようにコアカリキュラムと、国家試験の出題基準というのは違うものだというふうに認識していまして、コアカリが変わったから国家試験が変わるというふうではあってはいけないような気が致します。やっぱり薬剤師としてここまでのことは6年次修了時に資質として持っていてほしいというのが、出題基準であって、それに基づいて国家試験の出題委員の先生方が問題をつくられて、最低限ここをクリアするというのが基本だと思いますので、やっぱりそっちを主眼にしておかないと、それの対策が大変だから、こちらの方のボリュームを減らすといった話とはちょっと私は違う話かなと思いました。
       本当に国家試験の内容が、6年次を修了した段階での別紙2にあるような、たしか薬剤師として6年卒業時に必要とされる資質というのがこれだと思うんですけれども、これを問うような形の問題であるかどうかは、これから何回か、先ほど望月委員がおっしゃっていたような形で、国家試験を私たちの方でも評価していくという形で見ていくしかないかなと。今の時点でどうするというのを議論する材料は余りまだないなと私は感じました。
      【井上副座長】
       大変もっともなお話だと思うんですね。ただ、現実に、国家試験の今回の第1回目の途中まで関わったことからすると、出題基準というのを考えるときにやっぱりコアカリなんですよ。僕は、コアカリはコアカリなんだと、国家試験の出題基準はコアカリじゃなくて、今、望月先生がおっしゃるとおり、それはそれで独立に考えなきゃいけないんじゃないかと言っているんですけれども、現実の問題としては、各大学はコアカリに従って勉強しているというようなこともあり、それから、体制としてすごくはっきりしているから、何となく出題基準を考えるときにもどうしたってそれをベースに考えてしまうんですよね、現実問題として。
       医師のコアカリ、医学教育のコアカリなどの中の検討委員会でも、国家試験の委員と密接な連携をとって何とかという文章があるわけですよ。そこをインディペンデントだと言うのはいいけれども、現実的にはなかなかそうはいかないということを私は言っている。
      【望月(眞)委員】
       井上先生のおっしゃること、本当に事実としてそういうことがあるというのは私もとてもよく分かります。だからこその今回、薬剤師養成というのを念頭に置いたコアカリキュラムなんだろうと思うんですね。そうすると徐々に出題基準とも沿っていくのかなと思いますので、今回のコアカリの改訂の大きな目標をそこに置くということがとても大切なことかなと思います。
      【望月(正)委員】
       国家試験については、井上先生がつくられたシステムですが、薬剤師国家試験事後評価部会というのがあります。各大学からの国家試験問題に関する意見は6月頃出されて、それを厚労省だけではなく、作問委員の先生なり、関連する先生がよく読んで、次の年の作問に生かそうという仕組みであります。是非問題点を各大学から出していただければと思います。この問題は暗記だけじゃないかとか、厳しい意見でもよいと思います。そうすると国家試験問題がどんどん良くなっていくという非常に良いシステムですので、どうぞよろしく御活用をお願いします。
      【永井(良)座長】
       あと、学生がどのくらい自己学習しているかということも大事ですね。勉強していなくて難しいと言ってもしようがないので、是非その辺もアンケート調査のところで調べていただければと思いますが。
       ほかにいかがでしょうか。どうぞ。
      【北澤委員】
       今までの御意見もとてもよく分かるんですけど、もう一つ、私が知りたいこととしては、まだ6年制の卒業生が出ていないわけですけれども、実際、薬剤師を養成する教育をやるんだといって6年制をやってきて、その結果として卒業した人たちが本当に医療の現場で薬剤師になっていけるのかと。近い将来ですね、そこについてもやっぱりフォローしていく必要があるんじゃないかと思うんです。そうでないと、結局、薬剤師を育てているつもりでも、実際、卒業後はそうじゃないところ、会社に入ったとか、薬剤師じゃないところに就職したとか、それは薬剤師の需給とも関係があるんですけれども、そうしたところも合わせて、医師とは違う点があると思うので、引き続いてフォローしてもらいたいと思います。
      【永井(良)座長】
       そのほかいかがでしょうか。
      【井上副座長】
       今、結局、診療報酬が改定されたり、いろいろなことがあって、薬剤師に要求されている、あるいは社会が期待しているといいますか、あるいは医療人が期待している、医師が期待しているとか、そのようなことがどんどん変わってきていると。そういうことに薬学6年制の卒業生がすぐ対応できるかといったら多分できないと思うんですね。その辺は、これから先、もっともっとどんどん教育の仕方も含めて変わっていかないといけないんだろうなという感じはします。だから、そういうことも含めてコアカリの改訂に臨んでいかなきゃいけないんだろうなと思います。
      【倉田委員】
       今の井上先生のお話を聞いていて思ったんですけれど、今後、やはり薬剤師としての職域というのはどんどん広げていく必要があると思っていて、在宅医療もこれからどんどん、私たち団塊の世代がもっと年をとると必要になってくるでしょうし、そこで薬剤師さんたちが活躍してもらうというのは非常に必要になってくると思うんですね。介護関係の福祉施設ですとか、あと、グループホームですとか、看護ステーションですとか、そういうところにまだまだ数は少ないと思いますし、学生の時期からそういうところに出入りしてみて、どんなことをしているのか、どこで自分たちが役に立てるのかというようなことを知る機会というのもやはりあっていいと思うんですね。ですから、大学に通っている間に、これからどういう方向性に自分たちが行ったらいいのかという、指針といいますか、方向性を考えさせるというところも入れていただきたいと思います。
      【永井(良)座長】
       そのほかいかがでしょうか。
      【平井委員】
       一応、病院で働く者として一言言っておかなきゃいけないかなと思うんですけど、今年の診療報酬改定で薬剤師の職域というのがすごく大きく要求されて、我々、非常に心強く思ったのですが、直ちにそれに応えるだけの人が今はいないということで、じゃ、どういうふうにしていこうかということを必死で考えているところなんですね。でも、方向性は間違いなくそちらに行くので、今後、病院での薬剤師の雇用の枠というのをもっと広げなければいけない。ただ、それはまた病院の当局側との交渉が入ってきますので、すぐにはお約束はできないんですけれども、ただ、その方向性は恐らく変わらないだろうと思います。
       我々は大学病院なので、医師の数もたくさんいるから、まだそこまで逼迫(ひっぱく)していないんですけれども、中小病院などですと、特に私たち兵庫県だと、少し郡部の方に行きますと、5、6年前に50数名いた医師が現在30名まで減っているというようなことがあって、そうすると、その分を誰が埋めるかといったら薬剤師が埋めているんですね、特に薬物治療の部分は。そういうところに、例えば今年のそういう病棟薬剤業務実施加算のようなフィーがつけられるということは大変な弾みになるわけで、そういう方向性で医療の政策が変わっていくのであれば、薬剤師の活躍する部分というのもますます広がっていくと思いますし、また、広げていかなければいけないと感じています。
       そこで私がすごく思うのは、ただ、そういうフィーのことだけではなくて、そうやって薬剤師がある程度の数が確保されてきたら、そこできちんと研究するというマインドをもっと持っていくという必要があって、大学では研究ということのマインドを十分に教育していただくということがすごく必要かなと。もちろん有機化学の研究が直ちに臨床の現場に役に立つかといったら難しい部分もありますけれども、研究するという考え方は変わらないと思うので、それは是非大学で今後、一番力を入れていただきたい部分かなと。知識はどんどん古くなりますので、現場に入ってから知識を得なければいけませんから、是非そういうコンセプトでのコアカリキュラムというものをやっていただきたいなと思っています。
      【井上副座長】
       臨床の現場で研究のマインドなり何なりがどうして必要か、あるいは、そういう場というものが現場の方から例示されないと、大学側がどういうふうに対応していいかというのはなかなか難しくてというところだと思うんですよ。だから、その辺を医療現場がどう考えて、どういうふうなことを提示していくかというのが重要じゃないかなとも思いますけど。
      【平井委員】
       だから、そういうところをやっぱり大学とコミュニケーションをとっていくという意味ですよね。一つには、学生さんの実習が来たときに、学生さんにこういうこともあるんだよ、持って帰って研究してみてねなんていうことができたらいいなと思っていたんですけど、なかなか現時点でそういうのができていないので、今後は、学生さんの実習に合わせて教員の先生も来られるので、先生方といろいろ話をしながら、場合によっては学生さんを病院の方で受け入れて、そこで研究していただくというようなシステムも進めていきたいなと考えています。
      【永井(良)座長】
       ほかにいかがでしょうか。
       よろしいでしょうか。
       そういたしますと、大分御意見も出ましたので、是非今後の検討におきましては、ただいまの意見を参考にしてお進めいただければと思います。
       全体を通じて何か御意見、御発言ございますでしょうか。
      【小林委員】
       ついでに、ちょっと話がずれますけれども、個人的に思っていることをちょっと言わせていただいてよろしいですか。
       これは、余りこんなところで本当は言ってはいけないのかもしれませんけれども、今年、去年もそうですが、科研費の審査員をさせていただいて、2次選考委員をさせていただいたんですけれども、しばらく前と比べて私立の薬科大学の先生方からの科研費の申請件数がものすごく減っているんですよ。
       御存じのように、科研費の場合は採択率が20数%ということで四人に一人しか当たらないという現状で、医歯薬でまとめるんですけれども、結局、母数が少ないとそれだけ当たる人が減ってしまうということで、これ、すごく大きな問題だと私たちは考えていまして、前にこの検討会でも、私学の大学も含めて教授の選考をどうするかということで、何で決めるかというアンケートをとられたときに、90何%の大学は研究と教育というふうに答えられたんですよ。でも現実、教育は一生懸命やっておられますけれども、先生方は研究できているかというと、本当に私学の先生方とお話しすると必ず不満が返ってきて、学生、院生はいないわ、研究できないわ、お金は大学からもらえるけれども、使う時間がないわということを皆さんおっしゃるという状況はやっぱり大きな問題だと私は思うんですけれども、なかなかそういう話というのは個々の先生方からは堂々と出てこないのが現状ですけど、やっぱりこれは何とかしていかなくちゃいけないかなと思います。私は、一応国立大学の薬学の代表で出ているので、いずれ私たちにみんな返ってくるのを、すごく心配しているというような状況でございます。
      【望月(眞)委員】
       私立大学の立場で。医学系は、科研の申請の分野、領域というか、非常にバラエティーに富んでいて、すごく幅広くて、本当にいわゆる実験でばりばりの感じのテーマから、割と社会学的な領域まで非常に幅広く、応募する領域があるんですね。薬学というのは非常に応募領域が狭くて、私は実は薬学の領域に応募していません。獲得できないことが分かっているので、そこに出して、いわゆるウエットな実験研究をする人たちと同じ医療系の中で競争しても仕方ないと思ってしまっています。医療系薬学という中に医療系基礎薬学から臨床薬学まですごいバラエティーがあってしまうので、そこに応募したって絶対に通らないのが分かっているので、全然違うところに出すんですね。そうすると通ったりするんです。
       やっぱり科研のそういう仕組みのところも、私学の先生方で、実験をする時間、あるいは学生たち、院生とかがいないような方々でもそれなりに応募できるような領域、テーマ設定のところをつくっていくという工夫も私は必要なのかなと思います、科研に関しては。
      【永井(良)座長】
       それは、かつての薬学4年制のときの専門に応じた枠組みになっているということでしょうか。6年制時代にふさわしいシステムができていないというようにも聞こえますけれども。
      【望月(眞)委員】
       確かに、その時代はあの領域でよかったんだと思うんですけれども、実務家教員の方などもいろいろ入ってきた中で、そうした方々向けの領域がちょっと少ないかなという感じをしています。
      【永井(良)座長】
       学術会議の問題のように思いますけど、長野先生、いかがですか。
      【井上副座長】
       それは結局、結果があって初めて成り立つのであって、やっぱり我々が頑張ってそういう新領域をつくって、そこで成果を出して、それで初めて科研費でもそういう領域が認められるということなので、まずは我々が頑張るしかないんじゃないかなと思いますけどね。
      【永井(良)座長】
       それは医学でも同じ問題がありまして、そういうときに厚労省が随分、実地的な研究を厚労科研でサポートしてくださって、それがだんだん文部科研の方にもそういうような領域ができてきました。やはり厚労科研にいろいろお願いするというのも一つの方法ではないかと思いますけれど。
       そのほか何か御発言ありますでしょうか。
       よろしいでしょうか。
       時間が少し早いのですが、本日はこの辺までとしたいと思います。
       事務局から、連絡事項をお願いいたします。
      【伊東薬学教育専門官】
       次回の予定につきましては、それぞれのフォローアップ、コアカリの委員会の進捗状況などを勘案しまして、調整させていただきたいと思います。
      【永井(良)座長】
       では、本日はこれで終了させていただきます。どうもありがとうございました。

 

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