薬学系人材養成の在り方に関する検討会(第5回) 議事録

1.日時

平成21年10月16日(金曜日)13時~15時

2.場所

文部科学省16階 16F特別会議室

3.議題

  1. 第一次報告書に関する報告
  2. 今後の進め方について
  3. その他

4.出席者

委員

永井良三座長、市川副座長、井上副座長、生出委員、太田委員、北澤委員、北田委員、小林委員、高柳委員、竹中委員、永井博弌委員、橋田委員、平井委員、正木委員、村上委員、望月正隆委員

文部科学省

新木医学教育課長、樋口課長補佐、吉田薬学教育専門官ほか関係官

オブザーバー

厚生労働省 医薬食品局総務課 近藤課長補佐

5.議事録

【永井良三座長】
 それでは、時間になりましたので、ただいまから第5回薬学系人材養成の在り方に関する検討会を始めさせていただきたいと思います。
 まず、事務局から委員の出欠状況並びに配付資料の確認をお願いいたします。

【吉田薬学教育専門官】
 本日は、各委員の皆様におかれましては、大変お忙しいところをお集まりいただきましてまことにありがとうございます。
 初めに、当検討会を担当させていただいておりました審議官の戸谷が異動になりまして、現在は加藤が就任をしております。大変申しわけございませんが、本日は他用で欠席をしてございますので、課長の新木のほうから一言ごあいさつをさせていただきたいと思います。

【新木医学教育課長】
 本日はご多忙中のところ、この薬学系人材養成の在り方に関する検討会にご出席いただきましてありがとうございます。おかげさまで、3月に報告をまとめていただきました後、我々のほうにも各大学から4年制大学の大学院の設置についていろいろご相談がありまして、きょうはその状況もご紹介させていただきたいと思いますが、順調に各大学では対応をしていただいているものと思っております。また、これからそのような相談が引き続きあるのではないかというふうに期待をしているところでございます。
 さて、本日、また半年を経ましてお集まりをいただきましたのは、薬学部が大変増加しているということは、これまでのご議論でもお話に出ておりましたが、そのような中で、いい薬学教育をどういうふうにしていくのか、言葉をかえますと、質の保証方策をどういうふうにしていくのかが大変重要な課題になってきていると思っております。
 また、大学が増えたことは大変喜ばしいことだというふうに思っておりますが、一面で、質が必ずしも思わしくない大学が出ているのではないか。また、それとともに、薬剤師の養成数としてこれが適切なのかどうかなど、さまざまな議論があるところでございます。
 その中で、我々文部科学省といたしましては、質の高い薬学教育を推進するためにどのような方策が必要なのかということについて、これから引き続きご議論をいただければと思いまして、きょう会議をお願いした次第でございます。今後、ご議論を踏まえまして、短兵急には結論の出ない大変重要な問題だとは思っておりますが、ここでいただくご議論を踏まえまして、薬学教育の質の保証方策を大学とともにとっていきたいと思っているところでございますので、先生方には忌憚のないご意見、ご審議をお願いできればと思っております。
 甚だ簡単でございますが、半年ぶりの再開に当たりましてごあいさつとさせていただきます。よろしくお願いいたします。

【吉田薬学教育専門官】
 次に委員の出欠状況でございますけれども、本日は、倉田委員、長野委員、慶応大学の望月委員がご欠席となってございます。平井委員につきましては、後ほどお見えになるかと思いますのでよろしくお願いします。
 続きまして、配付資料の確認をさせていただきます。
 初めに本日の座席表と会議の次第がございます。
 次に、資料1ということで、「薬学系人材養成の在り方に関する検討会について」という本検討会の要綱と委員名簿をつけさせていただいてございます。要綱そのものは変更ございませんけれども、名簿の中で数名の先生方の職名が変更になってございますので、本日はご用意をさせていただいてございます。
 それから資料2でございますけれども、本年3月に本検討会で取りまとめをしていただきました第一次報告書、それと資料3でございますけれども、平成22年度の開設予定の大学院の一覧ということで、10月現在の状況というものを用意させていただいてございます。
 それから、資料4が、今後の検討課題ということで論点を整理させていただいたもの、それと資料5でございますが、その関連で学部教育に関する基礎資料というようなことで本日の資料を用意させていただいているところでございます。
 不備等ございましたら、事務局のほうまでお知らせいただければと思います。
 以上でございます。

【永井良三座長】
 ありがとうございます。
 では、議事に入りたいと思います。
 まず、今年3月に取りまとめた第一次報告書について、事務局よりご説明をお願いいたします。

【吉田薬学教育専門官】
 それでは、資料2をご覧いただければと存じます。
 先ほど来申し上げておりますが、本年3月に取りまとめをしていただきました第一次報告書でございますけれども、委員の皆様には既にメール等で内容をご送付させていただいてございますので、内容そのものについては既にご承知おきかと思いますけれども、若干お時間をいただいて、その後の状況等々ご報告をさせていただければと思います。
 この第一次報告書では、薬学系の大学院における人材養成の目的やそのために必要な教育研究の内容等々基本的な在り方というものについて取りまとめをしていただいたところでございます。
 ポイントだけ簡単にご紹介させていただきますと、薬学系の大学院教育の基本的な考え方ということで、6年制学部を基礎とする大学院においては、医療現場における臨床的な課題を対象とする研究領域を中心とした高度な専門性や優れた研究能力を有する薬剤師等の養成に重点をおいた臨床薬学・医療薬学に関する教育研究を行うということを目的としてございますし、他方で、4年制学部を基礎とする大学院では、創薬科学等をはじめとする薬学領域における研究者の養成に重点を置いた教育研究を行うことが目的とされてございまして、それぞれの違いというものを整理していただいたというところでございます。
 さらに、大学院教育というものを充実させるための具体的な方策ということで、教育方法あるいは内容といったことについてでございますが、6年制学部を基礎とする大学院では、幅広く医療関連分野で活躍できる人材を養成するといった観点から、大学内での教育だけでなく、臨床現場での実践的活動のほか、当該専門領域に係る学術的な知識や研究能力等を体系的に修得させるための教育プログラムというものが必要であるということがうたわれてございますし、特に大学と医療機関あるいは薬局といったところとの間で積極的な連携が必要であるというところも述べられているところでございます。
 他方、4年制学部を基礎とする大学院では、研究者としての基本的な素養を身につけさせるとの観点から、研究の遂行に必要な基本的知識や技術を体系的に修得させるための教育プログラムが必要であるというふうに取りまとめをしていただいたところでございます。
 また、教育研究組織の在り方としては、大学院での教育が組織的かつ有効に機能するため、教員の教育研究指導能力の向上が重要であるとして、組織的な研修体制の充実等々、教育内容、方法の改善につなげるための体制というものを整備することが必要であるとしてございますし、教員の配置そのものにつきましては、それぞれの大学院が設置をする教育内容に応じて適切に置くことが適当ということで整理をしていただいたところです。
 ポイントとしてはこういった内容でございましたけれども、この一次報告書を踏まえまして、各大学では平成22年度からスタートする新たな制度のもとでの大学院についての設置手続というものが、今年度に入りまして行われているところでございまして、その資料として資料3を本日ご用意させていただいてございますけれども、平成22年度開設予定の薬学系大学大学院の修士課程の一覧というものでございます。
 これは10月現在の状況でございますけれども、国立大学が14、公立大学が3、それと私立大学が18ということで、合計で35の大学において4年制学部を基礎とする大学院の修士課程の設置の届け出というものがなされたところでございます。
 なお、届け出の受付期限でございますけれども、これは手続上12月末までということになってございますので、今後も数大学から届け出が出てくるものと思われますので、最終的な状況につきましては、次回以降改めてご報告をさせていただきたいと思います。
 第一次報告書関連の報告については以上でございます。

【永井良三座長】
 ありがとうございます。既に出た報告書ではありますが、何かご意見、ご質問はございますか。よろしいでしょうか。
 もしご意見がございませんでしたら、議事2に進ませていただきます。
 前回の開催から6カ月たちまして、今回から新たなテーマで議論を進めていくということでございます。きょうはご自由にご意見を伺うということで予定されておりますが、この会議で検討すべき事項、今後の進め方についてこれからお話を伺いたいと思います。
 論点でありますが、資料4に、今後の検討課題(論点メモ)、また資料5については事務局からご説明いただくということで、この資料4、5についてお願いできますでしょうか。

【吉田薬学教育専門官】
 それでは、資料4、「今後の検討課題について」ということで整理をさせていただいたペーパーのほうをごらんいただければと思います。
 ご検討というか、ご議論いただく大きなテーマといたしましては、一番上にもございますとおり「学部教育の在り方について」ということで今後はご議論をお願いしたいというふうに考えております。
 具体的な論点でございますけれども、当方で整理をさせていただいたところでは、大きく分けて2点ということになりますけれども、1つ目は薬学教育の全体像ということでございます。ご承知のとおり、平成18年度から新しい薬学教育制度というものがスタートしているわけでございますけれども、薬学教育における将来像というものをどのように考えるか。そのためには社会あるいは学生からのニーズというものをよく踏まえて、教育そのものの在り方、あるいは教育の内容というものの改善・充実を図るということに継続的に努めていくことが必要ではないかというふうに考えているわけでございます。
 また、これは必ずしも薬学教育に限った話ではございませんけれども、18歳人口が減少しているというふうな状況の中におきましては、それぞれの大学が果たすべき役割ですとか、それぞれの大学における個性や特色といったものをどのように考えるべきかということも必要でございますので、こういったことから1から3のような具体的な論点というものを挙げさせていただいたところでございます。
 1では、社会的ニーズに対応した薬学教育の在り方ということでございますし、2といたしましては、人口減少期における教育の質を保証するとの観点から、将来像についてどのように考えるのか。さらに3でございますけれども、そのようなことから考えられることといたしまして、例えば大学間の連携を促進するための方策といったことなどにつきまして、薬学教育全体が将来に向けて健全に発展できるように、その在り方ということについてご議論、ご検討いただきたいということで、こういった内容のものを示させていただいたところでございます。
 次に、2つ目の論点になりますけれども、教育の質の保証の在り方とその改善方策ということでございますけれども、まずは、入学してくる学生の質の確保というところでございますけれども、先ほどの18歳人口が減少しているといったところにも関連してくるのですけれども、薬学教育への志願者そのものが、以前と比べますと減少している。また、大学によってはなかなか入学定員を充足することができないというふうな状況も実際としてあるようでございます。このため、現在行われている入試選抜での競争性というものが十分に確保されているのかどうか。また、より質の高い学生を確保するための何らかの方策が考えられないかということ、さらには考えられる方策ということで、例えば社会人や既卒者を受け入れるコースの設定等々、環境整備というようなことなどについても考えられるのではないかというふうなことで、こういった内容で論点を整理させていただいたところでございます。
 続きまして、より質の高い薬学教育というものを実施するためには、具体的な教育の内容や方法等、場合によっては、2の1つ目の○にも書かせていただいておりますが、現在のモデル・コアカリキュラムというものの見直しということについての検討も始める必要があるのではないかということも論点ということで挙げさせていただいておりますし、また、教える側の教員の資質や教育能力の向上といった観点からの方策というものが考えられないかということでご意見もちょうだいできればというふうに考えております。
 さらには、3ということになってきますが、教育の充実化というふうな観点から、学生に対する厳格な成績評価、あるいは修了認定ということにつきましても考えていただく必要があろうかと思いますし、また、教員の業績などを中心といたしました薬学教育全体の評価といったところとの関係も含めてご意見をちょうだいし、ご議論を深めていただきたいということで、本日の資料4の論点メモということで整理をさせていただいたところでございます。
 なお、この論点メモで整理をさせていただいた以外の点につきましても、委員の先生方のほうでお気づきの点がございましたら、適宜ご発言をちょうだいできればというふうに思っておりますので、よろしくお願いできればと思います。
 続きまして資料5でございますけれども、学部教育に関する基礎資料というふうなことで用意をさせていただいております。
 これから議論を進めていただくに当たりまして、本日は3枚ほど用意をさせていただいてございますが、1枚目は、平成21年度の薬学系の大学一覧ということでございます。2枚目に、平成14年度以降の薬学部の入学定員の推移ということを用意させていただいてございますし、3枚目、最後ですけれども、薬学系の学生の進路というか、就職の動向について、平成15年度以降の状況というものをご用意させていただいてございます。
 資料につきまして簡単にご説明させていただきますと、1枚目は、これは現状ですので、特段ご説明させていただくことはないのですけれども、2枚目の薬学部の入学定員の推移をごらんいただければと思いますが、ちょうど中段の真ん中あたりに国・公・私立大学ごとに数字を示させていただいてございます。一番下の合計のところをごらんいただければと思いますが、平成14年、平成15年のところでございますけれども、ここは約8,000人の入学定員になってございますが、それ以降、平成16年度では、そこから約2,000人増えまして約1万人、平成20年度の6年制のところをごらんいただきますと1万2,170人ということで、当時から1.5倍ほどの増加ということになってございます。大学の数もほぼ同様な状況でございます。
 平成14年以前の状況でございますけれども、ここはほぼ横ばいで推移をしておりましたので、平成15年度以降、数年の間で急増したということでございます。この理由も、正直なかなかこれはと明言するのは難しいのですけれども、一つとしては、先生方もご承知だと思いますけれども、大学・学部の設置認可申請の抑制方針が撤廃になったということも一因だというふうに考えられているところでございます。それ以外にもさまざまな要素があろうかと思いますけれども、そういったことが主な点として考えられるかと思っています。
 こういった形で急激に変化をしておりますので、先ほど課長のほうからも話がございましたけれども、教育の質の保証という観点から現在の規模というものがどうなのかといったところを、この場でご議論、ご意見をちょうだいできればというふうに思っております。
 なお、平成21年度でございますけれども、これは特段新たな学部・学科についての設置認可申請、届け出というものはございませんでしたが、逆に数大学から収容定員の変更というものの届け出がなされてございまして、その結果として、20年から21年にかけては170人ほど減少してございまして、現在では入学定員がちょうど1万2,000人という状況になってございます。
 続きまして、3枚目に用意させていただいてございます薬学系大学の卒業生、修了生の進路、就職状況でございますけれども、学部生から修士課程の学生、博士課程の学生ということで、それぞれ過去5年間分を示させていただいてございます。業種としては、薬局、病院をはじめといたしまして、製薬会社等の企業、それから進学、それと教育職といった項目で調査をさせていただいたものでございます。
 業種の「その他」でございますけれども、これは一番下の注意書きにもございますけれども、未就職者のほか、保健所とか、そういった行政に進まれた方、あるいは製薬会社とは違う食品関係など、そういった企業に就職された方もこのその他の欄に含ませていただき整理をさせていただいているところでございます。
 これにつきましては、6年制の新たな制度の前の旧制度のもとでの卒業者の状況でございますので、本日ご議論を深めていただく上で参考ということでご用意させていただいたところですけれども、全体の傾向ということで見ますと、学部では、やはり薬局や病院に進む割合が非常に高く、一方大学院では製薬会社等企業に進む方が多いというふうな状況になっているというところでございます。
 本日用意をさせていただいた資料につきましては以上でございますけれども、今後また議論を深め、進めていただくに当たりまして、いろいろなデータが必要になってくると思いますので、いろいろご意見をちょうだいしながら、事務のほうで適宜用意をさせていただきたいと思いますので、そのあたりも含めましてこれからご意見をちょうだいできればと思います。
 資料4、資料5については以上でございます。

【永井良三座長】
 ありがとうございます。
 そうしますと、全体的なテーマは、特に学部教育のところでよろしいですね。大学院は前回までに議論したと。具体的な論点としては、薬学教育の全体像について、薬学教育の在り方、教育目的の明確化、教育の質の保証、大学間の連携、特に入学者の質の確保、こういう論点メモに書かれたところでありますが、これに沿って議論をしたいと思います。
 きょうは何か決めるというよりも自由討議ということでございますので、どなたからでも結構でございますのでご意見をお願いいたします。

【吉田薬学教育専門官】
 ご発言の際は、目の前にマイクのボタンがありますので、これを押していただくとマイクの先のところが赤くなりますので、それでご発言をいただければというふうに思います。

【永井良三座長】
 ちょっと私から、薬学教育の全体像の1で、薬学教育の在り方(国公私立大学の果たすべき役割、個性や特色に応じた教育目的の明確化)、これはもう少し具体的にどんなイメージのことを事務局として考えておられるか教えていただけますか。

【吉田薬学教育専門官】
 具体的に申しますと、むしろ括弧の部分というよりも、2のところの18歳人口が減少しているというような状況におきまして、各大学そのものの機能、役割というか、そういったものを考えつつ、社会のニーズ、あるいは学生がどういったことを薬学教育に求めているのかといったあたりのところを踏まえまして、こういった各大学が果たすべき役割、あるいはそれぞれの大学での個性、特色を踏まえた教育目的というものをどういった形で考えていくのかといったようなご議論、教育の在り方ということをご検討いただきたいというふうな意味合いでこのような論点を整理させていただいたところでございます。
 ですから、1と2というように別々に設定はさせていただいて、それぞれの論点ということで整理はさせていただいたところでございますけれども、この1、2については、双方関連した形でご議論をちょうだいできればいいのかなということで整理を事務のほうとしてはさせていただいているところでございます。

【永井良三座長】
 ありがとうございます。ということですので、いかがでしょうか。

【竹中委員】
 薬学の学部には、6年制と4年制があるわけなのですが、4年制は修士まで達した6年間で学部という議論をされますか。前回は、博士課程のところを論議しましたね。修士というのがどこに入るのかがちょっと私には理解がしにくいです。二つの制度の教育目的・ゴールが異なりますので、分けて議論した方がよいと思う。

【吉田薬学教育専門官】
 逆に6年制、4年制という形でここに論点という形で入れてしまいますと、6年制の目的と4年制の目的というのは、既に明確に学部教育の中で決まっているというところがありますので、あえてそういった意味で、ここでは6年がどう、4年がどうというふうな論点として分けさせていただかなかったというのが、私どもの考え方として整理をさせていただいたわけです。
ですから、全体的な薬学教育の中で、確かに竹中先生がおっしゃるように最終的な到達するところをどう考えるかというところで結論が出るのではないかという話があろうかと思いますけれども、薬学教育全体をどう考えていただくかというふうなことで整理をさせていただいたというのが、こちらのほうのねらいとして考えているんです。6年、4年ということで切り分けてしまうと、なかなか難しい問題もあろうかなと思いまして、あえてそういった形では書かなかったというところでございます。

【生出委員】
 1の中で「国公私立大学の果たすべき役割」となっているのですが、これは国立、公立、私立で私は果たすべき役割は同じだと思っているんですが、どういう意味でこのようなことが書かれているのでしょうか。

【吉田薬学教育専門官】
 ここも果たすべき役割というか、ただ大学によってそれぞれ地域も違えば、養成する規模も違いますし、教える先生方も違うわけでございますので、そういった意味合いで、どこにどう特色、特徴をあらわしていくかということも含めて、それぞれがどういう形で役割を果たしていくかという意味合いでこういった文言を入れさせていただいています。
今の話ですと、薬学教育の果たすべき役割というのは、6年であれば薬剤師を養成する、あるいは4年制の課程であれば、研究者を中心とした人材を養成するという役割はあるんだというお話だと思いますけれども、さらにその中でもそれぞれの大学ごとに果たすべき役割、強みというか、そういったものがあろうかと思いますので、そういったところをどういうふうに位置づけていくかというふうなことを含めて、このようなテーマを挙げさせていただいているところでございます。

【新木医学教育課長】
 ちょっと補足させていただきますと、大学全体で大学の役割といいますか、個性といいますか、それをどういうふうに出していくのか、役割分担をどうするのかというのは、また別途議論がされているところでありますが、例えばきょうお示しした資料5の一番最後のページをごらんいただきますと、今の生出委員のご指摘に関連してですが、実際問題として、ここは国公私別だとか、そういう細かいことをいたしておりませんが、各大学の卒業生の動向等を見ると、実際問題就職状況だとか進学状況というのは、各大学かなりいろんな特色があるのが現状というふうに思っております。
 また、そんな中でも、当然大きく言えば、各大学とも社会に有用な薬学系の人材を出すということだと思うのですが、そうはいっても、その中で各大学の設立の趣旨、それから理念といいますか、そういうものに基づいて、各大学で工夫がなされているところであります。
 一方で社会の状況を見ますと、何といっても薬学系の人材に求められている一番大きなところは、薬局、病院、診療所等で臨床で働くということが一番大きなところではありますが、近年で見ますと、例えば製薬企業等でイノベーションに従事する、もしくはさらに進学をして、研究能力や、それから教育者としての能力を身につけていただくなど、社会のほうから見ますと、薬学系の大学に求める能力というのは、いろいろバラエティーはありますけれども、さまざまな能力が求められているようになってきており、特に最近では、イノベーションだとか何だとか、そっちのほうの研究部門でも大きな期待が寄せられているところであります。
 そういうふうに考えますと、先ほど来のご質問とも関連するのですが、必ずしも実際の教育内容、それから社会が期待する内容というのも一律ではなくて、それは地域によっても差があるでしょうし、それから設置主体によっても差があるでしょうし、また、ほかの切り口でもいろいろ差が出てきている状況ではないか。
 そういう中で、これだけ薬学系の大学が多くなっている中で、特に我々国の立場から見ると、大学全体を見るという立場もありますけれども、国立大学を設置しているという立場から見ますと、国立大学でどういう機能が必要なのかというのは、これは文部科学省として非常に重要な論点の一つになってきております。
 そういう意味で、この検討会におきまして、一体、社会の動向を踏まえて、どんな人材が必要で、それに果たして大学の輩出力といいますか、教育がマッチしているのか、それともさらに改善する必要があるのかどうかというのは、いま一度、大学が増えた状態で、正直言いますと、6年制の大学からまだ卒業生は出ておりませんので、あまり短兵急なことは言いにくい状況ではあるのですけれども、こういう状況で一度振り返っておくことが必要なのではないかというふうに思っております。
 そういう意味では、同じ6年ということで比べるべきかという先ほどの竹中先生のご意見は、どこで見るのかというのは難しいのですけれども、一応学部卒業という段階で一つ現時点では見ておくほうがいいのかなと。6年制は卒業生が出ておりませんのでまだ比較できませんけれども、そういうような目で今から議論をして大学の個性化といいますか、社会のニーズに応じた多様化、個性化というのを図るような考え方についてご議論をいただければというふうに思っているところでありまして、大学一律という考えもあるとは思うのですが、実際現実の状況を見ますと、そこはやはり差がありますので、そういうことも踏まえて、国立は国立として果たさなければいけない、国として果たさなければいけないということもありますので、我々の立場も2つありまして、薬学系全体を見るという立場と国立大学の設置主体という立場と両方のことがありますので、そういう意味で議論はちょっとふくそうしますけれども、やはり設置主体にふさわしい在り方というのも一つ論点としてご議論をいただけないかなというふうに思っているところであります。

【高柳委員】
 今言っていることは、以前に出ました中教審で大学全体としてのいわゆる機能分化というのが一つありますね。7つぐらいに分けた、いわゆる世界的な研究拠点を目指すのか、あるいは高度専門職業人を目指すのかというような分類がございましたね。そういう全体的な大学の目指す方向と現在の薬学の両方を加味した上で、それぞれの個性を考えてくれということですね

【新木医学教育課長】
 中教審でも先生がおっしゃるように7つほどあったと思います。今後の方向みたいなもので並立的に出ていたと思いますが、おっしゃるようにそういうものと、それから薬学の教育の状況、大学の状況、両方を勘案してご議論いただくのが適当なのではないかというふうに思っております。

【永井博弌委員】
 ただいまのご議論の中で、1つは、私たちは公立大学で、ある程度公立大学のミッションは似たところがあります。特殊性ということを考えると、国立でもない、私立でもない、公立という立場でありますから、ここに挙がりました大学間連携、3公立大学で連携して、今教育のいろんな充実を図るためのGPをいただいた形も入れて進めているわけですね。特色を出すというのは、地域貢献というか、地域にコントリビューションするのが一番公立大学は直結しているというところがあって、公立大学協会なんかからはどんどん地域にもっとコントリビューションしなさい、それを特色にしなさいということを随分言われていて、我々のところ、3公立大学はある程度ミッションがはっきりしていると思うんです。
 ただ、先ほど竹中先生がおっしゃった4年制、6年制の問題については、これはちょっと区別しないと、この議論の中では難しいのではないかと思うんです。といいますのは、(2)の中にあるコアカリキュラムにしても、それから評価にしても、これは6年制教育のほうに関してのコアカリキュラムや評価はありますけれども、4年制に関しては、例えば評価については、これは機関別評価の中でやるということで違うわけですから、一応まず6年制教育のほうにフォーカスを合わせる、あるいは4年制教育の中で特色を出させるということであれば、これはまた特別な時間を取ってやるか何かしないとおそらく錯綜すると思うんです。
非常にコンフューズしたような議論になると思いますので、できれば、まず6年制教育の学部教育からどうするかということを少しやっていただいて、その後で、4年制の4プラス2の上の2のことまで含めた形で議論したほうが、もう少しはっきりすると思うんですね。
 今、私が公立大学の話をなぜしたかというと、例えば6年制の人たちの行き先というのはわりと地域に密着した形でみんな行けるところがあるのですけれども、やっぱり4年制学科のほうは、オールジャパンでどこに行くかわからないというようなところがありますので、当然教育のミッションも違うし、方法も違ってきますので、これを一緒にして全体でやってくれと言われると、少し整理ができないところがあるのではないかと思うので、できましたら分けてやっていただければと私は思っております。

【望月正隆委員】
 先ほど来の話で、設置主体で分けると、文部科学省から考えると国立大というのは一つの別のもの、それから、今のお話の公立大というのは地方の県と市で、私立大は各私立大の設置理念に沿って各理事会がつくっているとされました。私はそれぞれ別々だというような意識ではいけないと思います。薬学教育というのは一つの薬学教育であって、それを全体でよくするということがないといけない。3つに分かれてしまったら、我々の目指した6年制、あるいは4年制の新しい薬学教育と何か違うものになるようなおそれがあります。
 そういう意味で、やはり薬学教育全体として一つの固まりとして、その中でどのような役割分担をするかが大切です。設置主体で分けるのではない役割分担というのが私は必要ではないかという気がします。
 以上です。

【小林委員】
 今の望月先生のお考え、それも一つの見方だと思うのですけれども、現状、国立大学と私立の薬科大学を比べますと、私立は9割以上が6年制教育をする学科に学生さんを抱えておられるんですけれども、国立大学の場合は、多分半分以上が4年制の学生を抱えて教育しているという現状がある。
 その中で、今、個性ですとか、特色を出そうというときに、今の望月先生のように画一的に6年制教育なんかはあるべきだという考えでしてしまうと、じゃ、どうやって個性や特色が出せるのかということになると思うんです。
 もっと極論を言うと、例えば下のほうに薬学モデル・コアカリキュラムですとか、実務実習のモデル・コアカリキュラムをつくって、6年制教育の中身をできるだけ均一した教育をしようということで今まで動いてきたのですけれども、全体として見れば、それはすごく大事なことなのですけれども、例えば国立大学の学生に同じようにそれをさせるのが、私はほんとうにいいのかなというふうに思うんです。
 もっとはっきり言うと、例えば2.5カ月の病院実習、2.5カ月の薬局実習というのは、スタンダードではあるけれども、例えば国立大学の学生さんにとっては、国立大学なんか、それぞれが医学部を持ってより連携してやりやすい条件があるし、6年制の学生が少ない分、より特化した教育もできる可能性があるということであれば、例えば期限を、これはちょっと文科省に聞きたいのですけれども、2.5カ月・2.5カ月というのは、必ずそれはやらなければいけないのか、例えば病院を3カ月、薬局を2カ月、さらに病院を4カ月、薬局を1カ月という特色を持たせて、コアカリキュラムに書かれた内容が実行されれば、それはそれなりに特色を出すことができるのかということが、ちょっといまひとつ私はわからないのですけれども、そういうことができてもいいかなと。
 下のほうには全体的な見直しも検討する必要があるのではないかと書いてありまして、それはまた別の問題なのですけれども、今の状況においても、何か特色を出すためには、そういうふうな自由度が確認されれば、私たちはそういうことを前向きに考えることができるのですけれども、その辺がどうかなということは個人的に今私は思いました。

【望月正隆委員】
 今のお言葉ですけれども、そういう中身を変えるというのは、それこそ国立だから、公立だから、私立だからということはないと思います。それは薬学全体を考えることでありますし、それから、例えば、4年制で言えば、東京理科大学は、4年制100人で、6年制80人という、国立よりも多い人数の4年制学生を抱えており、それなりの努力をして教育をしています。それは設置主体ではないと思います。各大学の理念に基づくものです。それを小林先生が言われたように、国立だからというのをいきなり出されるとやや違うのではないかと思います。

【小林委員】
 私のその部分は撤回するにしても、私が言っていることはわかっていただけますか。

【望月正隆委員】
 はい。

【永井良三座長】
 先ほどの実習の自由度というのはどうなのでしょうか。

【吉田薬学教育専門官】
 期間の2.5カ月に関しましては、これは法令で定まっているわけではありませんけれども、ただ、先生ご存じだと思いますが、6者懇、いわゆる行政であれば、きょうお見えになっていますけれども、我々と厚労省、それと先生方、国公立の薬学部長会議、それと私立の薬学部長会議、それから日本薬剤師会、病院薬剤師会の方々が集まっていただいた、その場においてコアカリをやるには、最低限病院、薬局で、それぞれで2.5カ月が必要であろうというふうな合意のもとに進められているということになっていますので、法律というか、法令上でそこは定まっているものではないので、そういった状況だということをご理解いただきたいなというふうには思いますけれども。

【井上副座長】
 多分僕は技術的な問題だと思うんです。2.5カ月・2.5カ月にしたのは、例えば裏側でもって薬局実習をやらなければいけないと。そういうようなことを全部対応しようとすると、2.5・2.5に統一したほうがやりやすいから、ただそうなっただけで、先生がおっしゃるようにコアカリをきちっとやろうとしたら、それは両方どっちでもできる部分があるわけですから、3カ月と2カ月ということでもいいはずだと思うんです。初めはそういう議論はあったはずなんですけれども、最終的に2.5・2.5になったのは、実質的に表と裏でやらなければいけないというようなことで、そのほうがやりやすいだろうということでなっているんだろうと私は理解しています。

【小林委員】
 ということは、とりあえずスタンダードとしてそういうふうに決まっているんだけれども、その中の微調整というのは、各大学の個性を持ってやってもいいというふうに理解してもよろしいですか。

【生出委員】
 今まさに来年の5月からやっと始まる実務実習で、2.5・2.5という中で、薬局が学ぶのは6ユニットで、約114のSBOsが決まっているわけですね。それがどうしても10週間かかるということで決めたのに、まだ始まってもいないうちから短くしたり、長くしたりというのは、これはまだ議論すべきではないかと思います。

【井上副座長】
 いや、今そんなことを言ってないんですよ。トータルで10週間ということに関しては全然全く問題にしていない。ただ、病院でも薬局でもどっちがやってもいい部分というのは当然あって、それから考えますと、きちっとクリアできるのであれば、必ずしも2.5・2.5と厳密にしなくても、3カ月・2カ月でも、それができるのであればそれでもいいのではないかということを多分おっしゃっておられるので、それはいいんじゃないかなと私は思ったんですけれども、だめですか。

【市川副座長】
 今の2.5・2.5というのは、本来実務実習モデル・コアカリキュラムの方略の時間計算でつくられているのです。だから、必要なそれぞれの到達目標から何をやってどう達するかという、それに対してどういう教材とどれだけの時間が必要かという計算をしていって、それでやったら、結局同じになったということになっていると思います。ですから、それに上積みすることはもちろんいいわけだし、そこの中で質的にどうこう変えられるのも全然構わないわけで、いい環境においていいことをされるというのは、それは全然構わないと思います。実際にアドバンスで上積みの実習をされる大学ももちろんたくさんあるかと思いますので、この場の議論としては、できたらそういうところでおさめていただければと思います。

【小林委員】
 はい。

【望月正隆委員】
 いろんな面がありますけれど、最初に方略を組むときには両方で重なる実習、例えば調剤でも病院と薬局で同じテーマをやるときには、どちらかだけでいいという議論でスタートしました。途中から、やはり病院と薬局の調剤は違うから両方やるべきだという議論が重くなりました。それでそのとおり動きました。これは実際やってみなければわからないと思います。やってみて、1年、2年、経ってみると、これはどちらかだけで十分だ、あるいは大学の事前学習もこれだけやっていたら事前学習だけで十分だということになるかもしれない。そうしたら、その中身をみんなで考えて、うちの大学だけ変えようというのではなくて、やっぱり全国の薬学の先生方が集まったところで直すというのは可能だと思います。
 それに沿って、実は薬学教育協議会の平成21年度の事業計画の中に、実務実習モデル・コアカリキュラムについては医療の発展に伴い現状に合わない点が出てくる可能性があるので、薬学教育協議会は率先して問題点を収集し、モデル・コアカリキュラムを改正する際に役立てる方向で検討するとしました。あちこちで意見がすでに出ていることはわかっているのですが、そういう意見はどこかでまとめておくことが必要だと思います。ただ、実務実習が始まるまでに変えようというのは無理で、何が問題かを集めて、実習が始まったときにさらにどういう問題点があるか。それを収集して、例えば1年後、2年後に薬学系の先生方と、文科省と、それから日薬、日病薬と集まって、それを修正する、そういう段階で、やはりスタートしてから3年程度はたたないと、変えるのはちょっと早過ぎるかなという気がします。
 以上です。

【永井良三座長】
 それ以外の点でも、個性と特色に応じた目的の明確化というところについて……。

【北澤委員】
 いきなり個別具体的な問題で、ちょっと戸惑ってしまったのですけれども…。薬学教育の全体像を考えましょうという論点をいただいたのですが、私は、薬学教育だけではもう今語れない世の中になってきているのではないかなというふうに感じています。というのも、今、薬学だけでなく、医学も、看護もいろいろと変わっておりまして、ちょうど永井先生が座長をしておられる厚労省のチーム医療の検討会でも、それぞれの職種の役割そのものが今のままでいいのかという問題提起もあったりして、特に6年制の薬学部の卒業生が出てくるころには、世の中自体が今とは結構変わってきているように思うんです。
 一方では、ここにも書かれているとおり、少子化という大きな問題があって、一方では人口の高齢化と患者の高齢化、要するに、医療ニーズの増大という全体的な背景というのがありますね。そういったことを踏まえて、薬学教育というのはその中でどのあたりを担うのがいいのかという、そういうような大きなところをこそ議論していただきたいなというふうに感じました。

【永井良三座長】
 今お話に出たチーム医療のことも、チーム医療とは何ぞやという議論がときどきされるのですが、結局それは分担と連携なのですね。連携はそれぞれの努力でできることはあると思うのですが、分担となると、これはマンパワーの問題から、もちろん意識の問題もありますし、さらに制度の問題が出てくるわけですね。
おそらくこれから20年後には少子高齢化かつ多死化ですね。死亡率が高くなり、病気も増える。そういう時代に今の枠組みの中で医療が機能するのか。おそらくかなり大きな分担の変化というのが起こってくるわけで、そのときに薬剤師さんたちが今の仕事だけでは多分ないだろう。その辺も見据えた薬学教育というのは、おそらく数年後にはすぐ求められるのではないでしょうか。10年後には新しい体制が動いていないと、20年後の少子高齢化には間に合わないわけですから、その辺も含めてこれからの薬学教育の在り方を広く議論する必要はあると思います。ただ、あまり広過ぎてしまって、制度に触れてしまうと、なかなか難しいところがあるのですが、いかがでしょうか。

【市川副座長】
 今の直接なお答えにはならないのですけれども、私、最初の1の「社会的ニーズに対応した薬学教育の在り方」というタイトルの一番頭にあります「社会的ニーズについて」というところですね。今まで薬学は、社会的ニーズの把握の仕方というのが実は非常に粗雑なものだった。薬剤師はいつも就職100%で動いていまし、一方において製薬企業が非常にいいときには、創薬研究所にもどんどん出ていった。そういう時代にあって、社会ニーズを積極的に理解しよう、あるいは探そうという努力がなかった。
 逆に、言い方はあれだけれども、関連の方がいらっしゃるのだけれども、例えば薬剤師会あるいはその他の関連のところで、薬剤師資格を使う職業というものが、現状では不足しているのか、あるいは将来、中長期的に見てもどれだけ必要なのかというようなところも実は明瞭にわかっていない状態で薬学教育の在り方というのを動かしていたというようなところはあるかと思います。
言葉としては良質な薬剤師を育てます、あるいは臨床現場あるいは医療現場においてはこういう形の進展があるわけだから、それに対応する薬剤師を育てますという、そういう質的なことをすごく言っているわけだけれども、実際にどれだけの必要量がその社会にあって、あるいは言うならば薬局薬剤師のほうにおいてもそうだと思うけれども、いわゆる地域医療その他がこれから必要になってきます。それには一体どのぐらいの数の薬剤師さんが活躍するのか、医療のことに関してもいろんな薬害を含めてリスクは高まってくるということは十分にあり得るわけだけれども、そのときに、例えばお医者さんが薬剤師にどういうことを期待していて、それはどれだけのパーセントが必要なのかというような意味での社会的ニーズ、それをもう少し把握する方法があれば、あるいはそういうディスカッションをする場所があれば、ここのところがわかって、その後のことはわかりやすくなると思うんです。

【永井良三座長】
まさに今ご提案の問題は、ここでいろいろ議論してよろしいわけですね。いかがでしょうか。
 例えば医療情勢の変化という点から考えれば、おそらく10年後にはベッドサイドの薬剤師さんが相当必要になるだろうということですね。それから臨床研究についても薬剤師さんの関与というか、かなり主体性を持ったいろいろな研究デザイン等についても参加が必要になりますし、あるいは在宅の問題、それから高度医療の現場もそうですね。例えば今NICUにどれだけ薬剤師さんが入っているか、そこまで手が回っていないというのが現状だと思うのですが。

【高柳委員】
 そのチーム医療の中での今後の薬剤師の役割ということ、それを考えると、この6年制教育で薬剤師さんはほんとうに高度な教育を受けていますので、これからチーム医療の中で先生がおっしゃっているようなベッドサイドにしても何にしてももっと広く活躍できるんじゃないかと思うんですね。ですから、それは制度上の問題だろうと思うのですけれども、一時看護師さんが薬を処方するとか、そういう話も出ましたけれども、薬を一番知っているのは、やっぱり薬剤師さんなんですね。そして臨床的な教育も受けているわけですから、まずその辺のところで、なぜ薬剤師さんの名前が上がってこないのかなというのが正直な話なのですけれども、いずれにしても、チーム医療の中で、今は完全ではないですけれども、今後ますますその役割を広げることは可能だろうと思うんです。

 

【竹中委員】
 若干議論が細かいところに入ってしまうかもしれないのですが、チーム医療という非常に大事なお話があるのでつけ加えさせていただきたい。ここに「個性、特色に応じた教育目的の明確化」となっているのですが、チーム医療を担当される薬剤師さんが、学校教育の中で、薬剤師になるときに、実習の面で、試験で判断できないことが幾つもあると思うんです。薬剤師さんの質を最低限守るためには、決められたカリキュラム、これは全国統一的なカリキュラムの中で実習を何カ月しっかり受けてくださいと、こういうのがあって初めてチーム医療に参画できるのではないか。もちろん個性とか特色は、創薬科学には必要かもしれないのですけれども、チーム医療には個性、特色をではなくて、最高に質のいい薬剤師さんをつくっていただくために何をしなければいけないか、それは絶対守ってくださいという形を議論していただきたい。

【井上副座長】
 質の保証というのはまさにそういう意味だと思うんです。最低限これだけは絶対に共通にやらなければいけないと。その質の保証というのをどういうふうに担保するか、そのために評価機構というようなものも用意しているわけですけれども、おっしゃっていることは、まさにその上にさらに個性があるものはどうしていくかと。
ですから、最低限の保証をどうするかということをまず議論するのであれば、そこを議論するということだと思うんです。例えば、今1万2,000人卒業生が出ると。これは幾ら何でも、私は個人的に思えばちょっと多過ぎる。つまり、現場の教育とか、臨床教育とか、いろんなことを考えたときに、これだけの学生を、ほんとうにこれだけの教員と施設でもって十分な教育ができるんだろうかとか、さまざまなことを考えると、そういうことはきちっと考えていかなければいけないだろうというふうに思います。
 先ほどから制度のこともちょっと出ているのですけれども、やっぱりこれはチーム医療なんていうと、これは文科省だけのものではなくて、まさに厚労省の管轄の問題に入るわけですね。縦割り行政というものは、もしこの政治情勢で少し改善されるのであれば、そういうあたりも踏まえて考えていくことが何かできないかなというふうに思うんですけれども、その辺はいかがでしょうか。

【新木医学教育課長】
 前半のほうの最低なのか、求められる望ましい水準なのかは別にしまして、この検討会でお願いをできればという井上委員のご意見はまさにそのとおりだと思います。
 それから、後半の縦割り云々の話でありますが、いつも厚労省からオブザーバーで来ていただいておりますが、必要があれはそういうような形で一緒にというのはあるかと思いますが、まずはここでそういう厚労省での議論だとか、社会的な医療の状況だとか、そういうのを踏まえてご議論いただきまして、それでどうしてもこの場だけでは、特に文科省単独では難しいというような話でしたらば、その次の段階として、じゃ一緒にやろうかというのは出てくるのではないかと思います。基本的には、座長が最初におっしゃいましたように、この場でいろいろ議論をまずしていただきまして、その中でやるべきことや、今後さらに検討するべきことを整理していただければありがたいなというふうに思っております。

【高柳委員】
 先ほども言いましたけれども、このいわゆる個性ですけれども、医師養成も薬剤師養成も、医療人養成という最低基本的なことでの教育ですから、その上で、最低のベースがないといけないということで、そもそもいわゆるモデル・コアカリキュラムというのが出てきたわけですね。ですから、それはもう個性の面に入らないだろうと思うんです。
それは基本的なことで、その上に、じゃ、各大学がどういうような個性、特色を持たせるかということになりますと、薬学の基礎研究も含めた上で、先ほど言いましたけれども、各大学がどういった全体の大学として薬学部として目指すのか、それぞれ地域とか、いろんなところで個性が出てくるのではないか。先ほど言いましたように研究拠点とか、そういったことはある程度捨てるといってはおかしいですけれども、ある程度そういうところはしないというようなところも当然出てくるのかなと。そういう意味での私は個性、特色なのかなと。先ほど言った大学の機能分化というところですね。

【永井良三座長】
 研究拠点も臨床薬学研究拠点ならつくれるわけですね。

【高柳委員】
 そうですね。

【永井良三座長】
 ほんとうの基礎創薬拠点は難しいかもしれないけれども、そちらは可能とか、そういう形で多少のすみ分けが行われるのでしょうか。
 あと学生数の問題、先ほど井上先生がおっしゃった1万2,000、ほんとうに教育できるのかというところ、どうでしょうか。例えば6年制で、これは医学部でも問題になるのですが、なかなか中途退学は難しいですね、高卒になってしまいますから。6年制のコースに入ってしまった人で6年は無理だという方を、どこか別の道で4年で卒業させるという工夫は各大学でできるのでしょうか。高卒になってしまってはかわいそうだから6年まで引っ張るというケースは結構あります。そうであれば早く4年で卒業させてあげたほうが、本人のためにも、大学のためにもなるのではないかと思いますが。

【高柳委員】
それは4年制学科をつくるとき、各大学がどういう趣旨で4年制をつくったのかというのにも関係するのですけれども、一部そういう話も聞いていましたね、4年制をつくるときに。ただ、そういう考えでいきますと、4年制学科そのものが6年制のだめな学生が行くような形になってしまって、4年制学科そのものの存続というか、設置趣旨というのが守られなくなるだろう、こういうふうな考えでいますね、私は。

【井上副座長】
 だから、今6年制と4年制とあって、その4年制を今言ったような形で使ってはまずいということだと思うのですけれども、先生がおっしゃったように、例えば6年はもたない学生がいることも事実だと思いますね。その学生たちはそれなりの道を見つけてあげたほうが社会にとっても、つまり薬剤師の質の担保、質をある程度確保するとかいうようなことを考えた場合にも、もしそういう道があったら、それはそれで一つの考える方策としてはいいのではないか。それは文科省としてはそんなことはあり得ないと多分おっしゃるのではないかと思うのですけれども。

【永井良三座長】
 つまり、6年制コースに入った場合には、6年でないと卒業できないのか、4年で卒業できないのかということです。

【新木医学教育課長】
 途中で、6年の大学として入学していますので、その場合には6年制で卒業していただいて、やめれば中退ということにならざるを得ないと。

【竹中委員】
 企業のほうのことを申し上げます。今のシステムでは、大体60%が4年制の薬学を出られた人、修士が30%ぐらい、10%が博士課程。60%の学部を出られた方のほとんどが営業、それから修士の方は、営業が若干少なくて、技術あるいは研究、博士はほとんど研究・開発、こういうような形で薬学卒業生が入っております。
今回これを見ますと、4年制は全国で1,300人、それから6年制は1万2,000人。現在、営業に4年制で入っていただいているので、4年制の1,300人の方がどのぐらい今後修士のほうに進学されるか、4年制でどのぐらい就職されるかに注目しています。企業では4年制の卒業者は薬剤師さんでもないし、しばらく観察してみたいです。今後営業活動では専門的な薬、例えば制がん剤などの使い方についてはドクターにきちっと説明できるMRの必要性が増えてきました。医療薬学を学んだ薬剤師が、こうした専門性の高いMRになれるのに期待しています。

【永井良三座長】
 いかがでしょうか。

【望月正隆委員】
 4年制の味方をしなければという気になります。4年制の学生は、やはり入学したときから創薬の研究をしようという意識が非常に強いです。理科大の学生を知っていますけれども、そういう学生が4年制に行って、ほぼ全員大学院に進学すると思います。数人は就職するかもしれませんけれども、入学したときに、4年プラス2年という学生生活を頭に置いて入学してくるという学生が、理科大の場合とか、ほかの4年制と6年制の両方を持っている大学には多いと思います。そういう学生はやはり創薬研究を目指して、4プラス2年、さらにその上の3年かけていく。そこにたまたま6年制の学生も一緒にいますから、お互いに見て育つ。薬学教育の2つのコースをつくった1つの目的は、研究を志向する、あるいは医療を志向する学生がともに学ぶということです。そういう姿を、互いに非常に大切と思い、そのようによく育ってほしい、よく育てたいと思っております。
だから、決してだめな学生を入れる場所だとは私どもは一切考えておりませんから、そういうことは先生方も口にしないでいただきたいと思います。

【竹中委員】
 企業では4プラス2では創薬で活躍して頂くことを期待しています。更にドクターに進学されて、そしてサイエンスをきちっとやられる方が出てこられたら、創薬研究者として我々はウエルカムです。従って、競争は激しいです。
 もう一点、余分なことですが、4年制の1,300人全員がもし進学したとしますと、果たして日本の企業での創薬に年間1,300人採るだけのキャパがあるかなと、ふっと思いました。創薬に1,300人のポジションがないんじゃないかな。

【高柳委員】
私のところは東北地方ですから、理科大ほどレベルも高くないので、4年制設置に当たっては、いろいろ学内でも議論がありましたけれども、4年制において、今創薬という言葉が出てきましたけれども、私のところはむしろ生命科学ということですね。要するに、基礎薬学を土台にしながら、医学と薬学両方の領域にわたる生命科学を勉強して、そしてマスターも含めて6年一貫でできるだけ考えていただく。
現実には、おそらくすべてが大学院に行くわけではないですけれども、3分の1なり、半分ぐらい大学院に行って薬学と医学、両方にまたがるような生命科学を学んでいっていただければなと。何も大学院を出たから、今竹中先生は研究者というふうな話をされましたけれども、そうではなくて、学部教育だけでは身につかない、より一段と高度なものを身につけて企業に努める、これが非常にこれからは必要なのではないか、こういうふうに思うんですね。

【永井良三座長】
 ほかにいかがですか。
 就職動向のこの数、就職口と卒業生の数というのは、大体バランスがとれているのですか、全体として。それは大丈夫なのでしょうか。毎年1万3,300人卒業するわけですが、平成19年度で1万人ですね。この3,000人は、これからどういう方向へ動いていくのでしょうか。

【新木医学教育課長】
 先生、それに関しては、19年の卒業生というのは入学が15ですので、15年当時の入学定員ですと、これもちょっと逆に多くなり過ぎてあれなのですが、15年当時の入学数がストレートにいくと8,500人ぐらいが当時入学して、その人がきっと19年に、それも8,500人入学して1万人卒業というのは、ちょっとずれがありますので……。

【生出委員】
 16年ですね。

【新木医学教育課長】
 16年ですね。そうすると合うんですね。すみません。

【永井良三座長】
 それにしても1万3,000、これから就職口はあるのでしょうか。就職口がないと、質の低下を招くことになりますね。

【正木委員】
 薬学教育の中で、6年制のほうは1万2,000人の方が薬剤師の免許を取ることが前提の教育になると思うのですが、ただ、就職先等を見たときに、必ずしも薬剤師免許を取得しなくても活躍できる場があったり、あるいは実際に活躍されているのではと推測します。この薬剤師免許を持つ人たちのニーズというか、需要、薬剤師免許を必ず持っていることが、活躍の条件になるような方というのは何%ぐらいと考えたらよろしいのでしょうか。例えば薬局、病院あるいは医薬品販売等は、必ず薬剤師免許が必要と考えてよろしいのでしょうか。

【竹中委員】
 企業のことをお答えしていいですか。

【正木委員】
 はい。

【竹中委員】
 当社は薬2,300人ぐらいの薬学を卒業した方がいらっしゃいます。そのうち薬剤師でないと働けない職種というのは、各営業所の管理薬剤師さんですから150人ぐらいです。あとの職種は、薬学卒業ですけれども、薬剤師免許は必須ではありません。

【正木委員】
 なぜそれをお聞きしたかと申しますと、大学で看護学を学んだ者は、全員が看護職ということを想定しておりますので、今、看護職に何が求められているのか、あるいは将来何が求められるのかを必ず吟味しながら、それに教育が即対応するような形をとっております。
薬学教育が必ずしもそれにすべての教育が即応しなければいけないのか、そのあたりにもっと自由度というか、薬剤師に求められる能力を強化する部分と、あまりそこを強化しなくても、薬学の基礎、薬学教育を学んで活躍できる場があるとしたら、薬剤師に求められる能力に即対応した教育を全てに求めなくてもいいのかなと。そのあたりがどうなのかなと思いました。

【井上副座長】
 6年制は目的はすごく明確に医療現場で役に立つ薬剤師を養成するとうたっているわけですね。4年制のほうはもっと多様な人材と言っているわけですので、一応そこでは明確になっているのではないかなと思います。ですから、6年制のほうは、学生のほうも、基本的には、まずは薬剤師を目指して、その後どうするかは別としても、基本的には入学してきた時点では薬剤師を目指して6年制を選んだということだと思います。

【正木委員】
 わかりました。1万2,000人という数がすべてそこに対応する必要があるのか若干疑問に思いましたので。でも、それが前提になるということですね。

【井上副座長】
 それは厚労省のそういう調査研究がやって、今でも動いているんでしょうか、需要と供給の。

【正木委員】
 需給見通し。

【近藤厚生労働省課長補佐】
 厚労省では看護師さんが何年かに1度行っているような需給見通しというようなきちっとした形の薬剤師の需給見通しというものはつくっておりません。需給の問題に関する検討会のほうは実施をしておりまして、2年ほど前ですか、粗い需給の推計値というのを出しております。その後、検討会のほうは少しお休みをしている状況ではありますけれども、やはり6年制の卒業生が今後出てきて、どういうニーズあるいは就職動向になっていくかとか、そういうふうな様子なども踏まえながら、そういう検討は必要だというふうには考えています。

【永井良三座長】
 この1万2,000という卒業生の数は、薬局、病院、診療所、医薬品販売だけでは吸収し切れないですね。

【生出委員】
 2年ほど前にまとめた日本薬剤師会でのデータですと、薬局に就職している薬剤師は約10万人強、病院がたしか、北田先生、5万人ぐらいですね。だから、15万から16万ぐらいが薬局と病院に勤務していると思います。ただ、薬局が今、保険薬局が5万2,000軒、それから一般販売業と言われる、いわゆる薬店が1万1000店ぐらいですので、そこで既に1人ずついたとしても6万3,000人という形にはなります。ただ、複数の薬剤師が働いておりますので、10万から11万ぐらいだろうというふうにとらえています。ただ、あとは、1万2,000人が入学したんですが、これから共用試験があり、実務実習があって、その後国家試験ということになりますので、国家試験がどれぐらい受かるかは何とも言えないですね。

【永井良三座長】
 つまり、1万2,000人入学者がいても、何とか吸収できるというご意見ですか。

【生出委員】
 そうですし、国家試験の合格率次第で、また大分変わってくるかなという思いがあります。

【井上副座長】
 そうしますと、結局薬剤師になれなかった人をどうするかという重大な問題があるわけですから、薬剤師の国家試験に受かる人数を考えれば、適当になるかもしれないというふうなことでは、我々としては済まないわけですね。

【生出委員】
 そうです。

【井上副座長】
 非常に深刻な問題ではないかと思います。1万2,000人も入学してくるということ自体、ほんとうにそれを我々が吸収できるかということをやっぱりきちっと考えていかなければいけない。

【生出委員】
 そうですね。

【小林委員】
 2年前に6者懇で出された20年後の見通しを見ると、確かに圧倒的に薬剤師の数が増えるという形ですね。それはそれで、今の状況で見てそうだと思うのですけれども、今まででしたら、うちの娘がそうですけれども、薬科大学を卒業して3年間病院の薬剤師をしていたのですけれども、彼氏と結婚して東京に行って、子どももできたので仕事をやめてしまったのですけれども、そういうことで、今までは薬剤師になられた方も、ずっと続けられる方ももちろんいますし、ある程度の年限働いて、ちょっと家庭に入ろうかなということでバランスがとれたと思うのですけれども、多分これから先、6年間かけてかなり高い授業料を払って、やっと薬剤師の免許を取ったということであれば、多分一生の仕事として頑張ろうという人がかなり増えてくると思うので、需給のバランスが、どんどっやめずにたまっていく方向に行くと思うので、やっぱり薬剤師の職を確保するというのはかなり難しいことではないか。どんどん薬剤師が増えてしまって、どうしようもない状況が出てくる。
そうすると、今度は薬学に行って薬剤師になっても職がないという形になって、やっぱり薬学に対する魅力がなくなってくるというのは、僕はそういうのが多分正しい見方ではないかと思っているんです。だからこそ、さっきも国立大学というのは、確かに6年制教育をきちっとやる、スタンダードやるのは当たり前だけれども、それ以上のことをやらないと、国立大学を出た6年制の学生さんの就職口を確保するのは難しいなと個人的には思っている。だから、そういうことを言っているということです。

【北澤委員】
 横から入るようで申しわけないのですけれども、6年制になって、大学が非常に増えて、定員も増えたのは明らかなのですけれども、それについて、今ここで話が出たような、将来、就職はどうなるんだろうというような話がよく出ます、薬学部で教えている先生などに、「これからどうなりますかね」と聞くと、「いや、大丈夫ですよ」と薬剤師の働く場所はこれからどんどん増えていくみたいな話をよくされます。
一方、今病院で薬剤部長さんをなさっていたり、いわゆるアカデミアと関係ない現場の薬剤師の方に伺うと、これからどういう人が入ってくるのかほんとうに不安だとか、これから薬学部はちょっとはつぶれるに違いないとか、そういうような話ばかり聞くので、薬学部で教えている先生方の認識と、現場の薬剤師、医療現場で働いておられる方々の認識とが需給関係においてちょっと違うのではないかなというふうにも感じたりしております。
 もう一つ別の観点からつけ加えると、この議論を今聞いておりまして、法科大学院の定員のこととちょっとオーバーラップして考えていたのですけれども、法科大学院も法曹関係の人をもっと増やそうということで、できたのですけれども、例えば司法試験に受かる割合が非常に低いのが何年も続くと、これはちょっとどうかということで、今定員が結構減っていますね。それと似たようなことが起こるのではないかと思っているのですけれども、そのあたり、先生方も本音ではそういうふうに思っておられるんじゃないでしょうか。どうでしょうか。

【永井良三座長】
 いかがでしょうか。

【井上副座長】
 認識の違いがあるということはないですね。やっぱりまさにおっしゃるように、相当大学の先生方も十分危機感は持っていると思います。その上でどうすればいいのかということを考えていかなければいけないというふうに思います。

【永井良三座長】
 そういう状況ですと、当然教育の在り方が変わってきますね。かなり厳しく教育しないと、6年制は出たけれどという状況が起こってしまう。

【井上副座長】
 はい。

【永井良三座長】
 その辺をどうするかですね。

【望月正隆委員】
 関連した問題ですが、18年度に入学した11,220人の6年制学生で、私どもの調査ですと来年の実務実習を準備中の学生が9,600名となっています。ということは、1,600名がいなくなっています。留年しているか退学したかどちらかです。6年制薬学の初年度入学生は、昔は2006年問題といって、非常にゆとりのある学生が入ってきて、ゆとりのまま、いまだにのんびりしているからこういうふうになったのかもしれません。この時期、薬学に入学した学生は、優秀な学生と、そうでもないけれど入学した学生がいるんです。残念ながら事実です。
どういう形で全員をうまく育てて、全員を国家試験に合格させるのか、あるいはある程度腹をくくって、切る者は切ってしまうのか。切るときには、井上先生がおっしゃるように、何年までも引きずって、退学だと言えるか、大学の先生の考えるべきことか、文部科学省と一緒に考えるべきことか問題です。今年は1600人留年したとしても、来年は残ります。その結果、来年は13,000人になるおそれがあります。そういうのを今ひきずって動いており、教育の質を考えるときです。下位の学生も相当質が悪いけれども、教える方ももしかしたら質が悪いのかもしれない。それが相まって進んでいるという恐ろしさを薬学関係者は多分、みな持っているので、それに対してどうするか、あるときには考えなければいけないし、それに基づいて将来の適切な計画を考えることが必要と思います。

【竹中委員】
 先生方ほとんどが、今規制緩和によって増えた定員数に関して危機感をお感じになられている。そうすると、一番しなきゃいけない論点はそこではないと思います。そうすると、質をよくしてこの人数を守っていくというやり方もあるかもしれませんが、もし1万2,000人が多過ぎるとしたならば、何かの形で皆さんで考えてそれを減らすような形をしないと、6年教育ですから、取り戻しがつかなくなってしまうのではないかと感じております。論点はそこにしていただいたほうがよろしいのではないかと思いました。

【永井良三座長】
 それで、私は6年が無理なら4年で卒業させたらどうかといったわけです。高卒になってしまうのはなかなか忍びなくて、つい引っ張っていく。そうすると、学生はどんどんたまっていくわけですね。それから、入学したときはよくても、いろんな事情で続けられなくなる方も結構いますね。その辺をどう調整していくかですね。1万2,000は多分多いんだろうと思うのですけれども。

【高柳委員】
 危機感、これは大学人すべて持っていると思うんですよ。我々、新設ができ始まる、あるいは6年制教育に変わるときに、私立薬科大学協会としましてもいわゆる新設を規制してください、新設抑制してくださいということは、正直言って文部科学省に何回も文書で申し込んでいるわけですけれども、それに対して規制緩和ということで、現状を招いているわけで、大学人は、需給関係も含めて、将来歯学部のようになるのではないかというふうな非常に危機感を持っていることは事実ですね。
 じゃ、それに対してどうするかというと、各大学が、ありきたりのことですけれども、それぞれが質を高めていくしかないのではないか。質の高い薬剤師を養成するためにはどうしたらいいかということに議論がいっているわけです。
 今、上まで引っ張っていくということがありましたけれども、例えば、私の大学に関して言えば、それはどうしても従来からありますね。前の4年制のときもそうですが、4年で卒業させないことはなかなか難しいとか、結局温情で卒業させてしまうというような、どっちかというとそういう傾向があったりしていますけれども、今度は6年というと、非常にスパンが長いので、2年のとき、あるいは4年のときという早い段階で厳しくして、進路を変更させたらいいのではないか、こういうふうな学内の意見なわけです。今の先生の話に関してはですね。

【永井良三座長】
 進路変更ということですね、6年制の大学では、12年まで在籍できる大学もあるのではないでしょうか。

【生出委員】
 可能性はあります、30まで。

【永井良三座長】
 それで、結局卒業できないということがないようにしないといけない。でも、現実に医学部で起こっています。

【竹中委員】
 ちょっと理解できてないのです。ということは、1万2,000人の学生さんが入学できるが、国家試験をうんと厳しくして、質のいい人しか薬剤師になれない。それに対応できないような方は途中でやめてもらうよう早くから指導する。あるいは最後まで残ったら、それは知らないよと、こういうことで終わるんですか。

【井上副座長】
 いやいや……。

【竹中委員】
 1万2,000人が多過ぎるとしたら、それをどうしたらいいんでしょうか。質をよくすることにご努力されることはよくわかるのですが、どう見ても、やっぱり1万2,000人が多いという認識があられるんでしたら、少子化が続く状況下では、定員削減出来ないでしょうか。

【永井良三座長】
 今年1,300人留年しているということになると、ちょっと深刻ですね、入学者はもっとゆったりと教育を受けられると思ったのに、留年生ばっかりで教師は忙しくてしようがないということが起こり得ますね。

【井上副座長】
 これはいつも私立薬科大学協会のいろいろな会議のときに申し上げて、大体経営サイドの、経営を考えますと、そんな簡単にいかないんだということを繰り返しおっしゃられて、私も結局そこで引いてしまうんですけれども、私も個人的には定員をそれぞれの大学が自主的に少し下げていって、適正のところまで持っていかないと、これは薬学全体の問題として非常にゆゆしき問題なんだというふうに申し上げるんですけれども、片方で経営ということも、それは確かに無視できないので、そこら辺のところでいつも黙ってしまうんですけれども、やっぱりそこを下げないことには、どうにもならない部分もあるような気は私もいたします。竹中先生がおっしゃるのは、まさに非常にポイントを突かれた点であるということは十分わかります。

【竹中委員】
 企業として考えれば、大学間の競争をさせて、そして淘汰を待つ、これが一つの方法かと思います。大学間で、とことんまで戦いをやって、おれのところだけが残る、こういうことをすればいいわけなのですが、教育という公共性のあるビジネスでは多少違うところがあるのではないでしょうか。

【高柳委員】
 私立薬科大学全体の考え方ですけれども、先ほど言いましたように、新設ができ始まったときに、新設を抑制してくださいというふうな要望を文科省に何回も出しているけれども、どんどん増えてしまったというのが一つありますね。そういう中で、4年から6年に変わるときに、じゃ、収容定員は同じで、定員は3分の2ぐらいに減るのかなという、一時そういううわさも随分流れて、真剣に考えたことがあったのですが、結局それもされなかった。
 なぜかというと、結局そのときに、幾ら自分のところが定員を減らしても、新規にどんどん新設大学が出てくる。そうすると、既存の大学は、当然のことながら、なぜ自分のところを減らす必要があるのだと、こういうような感じで、結局今日まで来てしまったということだろうと思うんです。
 ですから、今この時点で、定員の問題を云々しても、もし新設ができてくれば、そんなことはばかばかしいということになるだろうと思うんですね。そういうこれまでの経緯で、あとは自然淘汰でやっていくしかないというようなのが、正直言うと私立大学の一般の先生方の考えだろうと私は思いますね、これまでの経過から考えると。

【井上副座長】
 ただ、一番心配なのは、自然淘汰を待つということは、薬学全体の評判なり何なりが全体的に地盤沈下していくということになりますから、それではほんとうはまずいのではないかというふうに思うんです。

【高柳委員】
 ですから、まず新設抑制、これがないと話は進まないだろうと思うんですね、この定員問題というのは。

【太田委員】
 現状を見てみますと、もう既に新設を含め、いろいろな大学で定員割れを起こしているところもかなり出てきているわけです。そういう状況の中で、私どもが見ていますと、経営上の問題があるのかもしれませんけれども、とにかく定員を満たすような努力をする。そうすると、質が落ちる。それはそこの大学固有の問題ではなくて、薬学全体の問題になってきているわけです。
 例えば、私もいろいろな高校を回って感じることは、今までは、薬学というのはかなり難しいところですよね、私どものところではなかなか薬学に行ける生徒はいませんというようなことを聞いていたのですが、ここ最近は、理科系で免許が取れる、一番楽なのは薬学じゃないですかというようなことをおっしゃる高校の先生がいるぐらいになってきまして、これはゆゆしき事態だというふうに思っていまして、これは私立だ、公立だ、国立だということを問わず、薬学の全体の問題、ですから、今非常に危機感を持っていまして、それを何とかするためには、いろいろ問題はあるだろうとは思うんですけれども、やっぱり入学定員はかなりきちっと見直さなければ、質の担保というのはできてこないのではないかというのが、私の率直な今の実感です。

【市川副座長】
 入学定員云々というのは、私も今ここでどうこうすることは非常に難しいような気がしますが、一番入学定員のことで影響を受けているのは教育の質だと思うのです。それは、例えば従前の学生総数が8,000人でした、今1万3,000人でしたら、そこの5,000人の差というのは、従来で言うなら、8,000人の教育のときのレベルとは異なるレベルが入学していることになります。先ほど望月先生もおっしゃったけれども、本来は薬学に来られなかった方が入る可能性、すなわち学力レベル幅が広くなってきたわけです。今の中学・高校教育は非常に優れていて、薬学に対して興味を抱く生徒がどんどん増えたから薬学が増えたというならば、そういうことは心配しなくてもいいけれども、そういうことがないとしたならば、そこに数千人のずれは絶対的に起きてくるわけです。それを含んだ状態の教育をやっている。
 だから、先生方はみんな感じていると思うけれども、大学の中でも明らかに二極化が起きているわけですね。従来のレベルでの教育に追いついて来られる方と、なかなか追いついてこられない方がいらっしゃる。これは必ずしも薬学だけではないと思うけれども、それだけ少子化というものの影響を受けているわけです。
 そうしたら、先生が工夫して、その二極化をできるだけ減らして、1つのピークにしてすそ野で分かれないような形の教育をしようとするのですが、ものすごく難しいわけです。医療の教育では、一定基準以上のレベルは絶対保たなければいけない。それに向かって、二極化の場合には、学生のモチベーションというのが入っていて、その極の下のほうにいらっしゃる方が、ほんとうに頑張ってもだめな人なのか、モチベーションがない人なのかというところを見極めながらの教育の仕方がものすごく今混乱しているのです。
 1つは、だから、それは竹中先生がおっしゃったような形の、要するに、数を下げるというのは確かに一つの方法だけれども、でも今、現状ではなかなか難しい。6年制学生が4年制に動くということも、不可能ではないですが、4年制の学生定員が満ちていたら、普通は難しいわけです。そうすると、どうなるかというと、足切りではないけれども、どこかで厳しい姿勢はとらなきゃいけない。一番はっきりするのは、薬剤師の国家試験が一つの大きなポイントになるかと思うんです。
 そこにおいて、非常に極端に言うと、1万2,000人の受験者がいるけれども、薬剤師という資格を利用する人の必要な知識、技能、態度において合格する学生の割合は、今とあまり変わらないのではないかと想定できる。すなわち、現状の12,000人では国家試験に受かるのが難しい人もかなり増えてくるだろうと想定します。
 さっきからの議論にある質維持で大事なことは、2極化した学力のピークにおいて、学力不足にある入学者の質保証を大学がどれだけ真剣に取り組めるかです。それには、入学試験のやり方をはじめとして、教育の評価をより厳密にしないと、大学は生き残れないように思います。

【永井良三座長】
 共用試験で進路変更させることは可能ですか。

【市川副座長】
 それはちょっとできません。

【井上副座長】
 法科大学院で入学者の質の保証を考えるための一つの方策として、共通の試験をやって、共通の試験で一定の成績を上げないとという、それぞれの大学の入学試験以外にそういうものを課すというようなアイデアがあるというふうに伺っているんですけれども、それはどのぐらいあれなんでしょうか。

【樋口課長補佐】
 法科大学院のケースで申しますと、入学者試験とは別に適格試験というものがありまして、その適格試験を行っている母体が、たしか2団体あったと思います。これは法科大学院の制度ができたときに設けられたもので、既に動いてはおります。大学入試センター試験と日弁連を中心とする会がたしかこれを実施していたと思いますが、そういうものがあります。
 我々も医学教育、歯学教育、さまざまなものに携わっていて、この議論を伺って感じたことではあるのですが、実は医学教育、医師養成に関して言うと、歯科医師もそうなのですが、特に医師養成に関しては、国レベルで、閣議決定なりがございまして、そういったことも踏まえて需給推計というものがあって、その需給推計をもとにして、我々が入学定員というものの調整を行う、こういうシステムがございました。今は医師養成に関しては医学部定員を何人増やしていくか、こういう形でしているわけなのですが、ちょっと前までは削減の方向にあったわけです。この議論は、既に皆様方の中から、非常に高い危機感があったというふうな認識はあるわけでございますけれども、この新設、その入定増も含めて、今後どういう形にしていくのか、それをするために、それをダイレクトにするのか、需給推計というものを踏まえてするのか、しないのか、こういったところがこの検討になるんだと思うのですが、ただ、やはり今6年制と4年制というものが2つに分かれて学部教育というものがスタートしました。
したがって、先ほど議論にありましたけれども、学生さんは昔以上に、昔であれば、薬剤師試験を取って、4年制を卒業してというような進路の形があったかもしれません。少し緩やかな考え方があったかもしれませんが、学生さんはもう少し明確な目標を持って入学されてくる。そういう中で6年制と4年制という2つの教育があって、したがって、ただ、出口の薬剤師という一定の質というのはやっぱり必要になってくる。
 となったときに、大学の教育目標、特に6年制課程、4年制課程、それぞれの教育目標というのはどうあるべきか。やはり少し明確に考えていただく必要があるだろうということと、もう一つは、先ほど来議論をお伺いしていて、6年目、最後の段階の薬剤師試験で不合格かどうかという議論がございましたけれども、これも先ほど議論がございましたけれども、例えば医師養成であれば共用試験というものがあります。歯科医師にも共用試験というものがあります。4年制の段階における全国的なある意味での標準試験というものもございますし、もう一つは、個々の大学という取り組みを超えた全体の取り組みとしての、いわゆる分野別の評価というようなものの枠組みというものも、大学が行っている教育活動の質というものを図る意味では、一つの議論の材料になるのではないか。この辺のところを考え合わせて、入り口のところにおける問題と、薬学教育全体をめぐる教育の質というものを担保するための薬剤師試験を含む、だけでない形の教育の質の担保というものをこの場で議論していただく必要があるのではなかろうかなというような認識は持っております。

【永井良三座長】
 時間がなくなってきました。少し入学者の選抜についてもご議論いただきたいと思います。先ほどの中途での評価、こういう仕組みもうまく絡めながら、質をどうやって担保するか。

【望月正隆委員】
 先ほどちょっと出ましたけれども、やっぱり共用試験の役割というのは非常に大きいと思います。共用試験は、今の4年の最後の12月から3月までの間ですけれど、その先、実務実習に出ることができる、さらに国家試験を受けることができるというのを見きわめないといけない。そこを緩めたら、やっぱり大変ことになると思います。国家試験は、そこで厳しくして調節をするべきものではないと思います。ある程度の資格があれば通す、国家資格として持たせるのは当然であると思うんです。そうやって出た人が非常に優秀な薬剤師、今までに比べて格段に違う薬剤師であったら――多分薬局もまだまだ人数は必要です。薬局の業務もすごく広がる。病院でも、チーム医療や、リスク管理で必要なのはよい薬剤師である。以前、需給問題検討会で、三共の先生ですが、企業もよい薬剤師なら欲しいと、皆さんそういう意識を持っておられる。ですから、そういう意味で切るものは切って、よい学生を出すということをどこかで努力しないと、非常に大きい問題になります。先ほど出ましたけれども、それができるのは共用試験と、第三者評価です。たまたま両方の理事長がそこに並んでおられるので、ぜひその方向でやっていただければと思います。

【井上副座長】
 共用試験は、精神からして、そういうような趣旨のものではないはずだと思うんです。

【望月正隆委員】
 本来は実務実習に出るための条件です。

【井上副座長】
 あれはあくまで実習に出るための最低限の保証というような意味合いで、今みたいなふうに共用試験を使うと、結局大学の6年の間に2つの試験があって、結局その試験をパスするということに非常に学生が熱心になって、まさに予備校化しかねないというような気がちょっとするんです。ですから、やっぱりそこのところにあるのではなくて、入学のところで何らかの方策でもって質の担保をある程度しないと、そこはなかなか難しいのではないかなというふうに感じます。

【望月正隆委員】
 とりあえず、今来てしまっている学生について考えなければいけないと思います。

【永井良三座長】
 しかし、なかなか難しいですね。あまり厳しく入学を制限すると、経営が成り立たなくなるという話があるわけですね。

【高柳委員】
 基本的に入り口と出口ということで規制していかなきゃ成り立たないと思うのですが、その入り口をどういうふうに規制するかということになると、今定員削減、削減というようなことをただ言っても、先ほど言ったように、医学部、歯学というのはもう新設が規制されているわけですから、そういう中でだったら議論ができるだろうと思うのですが、それがなくて、どんどん新設が出てくるという中で、既存の大学に今定員削減の議論をしてもなかなか難しいだろうと思うんです。
ですから、まず、入り口をどうするか、国の方策として考えるのであれば、もう薬学部は新設を規制せざるを得ないということだろうと私は思うんですね。まずそこからスタートしないと、定員の問題が進まないのではないかと思います。

【永井良三座長】
 第三者評価、ある意味では大学のランキングになるわけですが、そういう形で淘汰するということは可能ですか。

【井上副座長】
 それは全く不可能ではないと思うんですね。今、多段階評価でABCDランクで、71の項目ごとに評価しようとはしているのですが、ただ、それをどういう形で公表するかということに関しては、既に動いている評価の組織の方々からは、ちょっと時期が早過ぎるのではないか。
つまり、それを発表して、例えば12チーム、12の大学を同時に評価するんですけれども、それが全く同じ土俵でもってきちっと評価ができるのか。いきなりバーンと公表して、ランキングのようなものにつながるようなことをしたときに、それがほんとうにきちっと保証できるのか。少なくともしばらく蓄積した上でやっていかないと、そこまではちょっと無理ではないでしょうかというサジェスチョンはいただいています。

【永井良三座長】
 いかがでしょうか。きょうはなかなか結論は出ないと思いますのが。残された論点としては、モデル・コアカリキュラム、実務実習モデル・コアカリキュラムの見直しを含めた検討を始める必要はないのかなどについて、事務局からの問いかけがあります。モデル・コアカリキュラムについてはいかがでしょうか。あるいは実習の問題ですね。

【井上副座長】
 それもさんざんいろんなところからそういう声が上がっていますし、モデル・コアカリキュラムを直すべきところというのは、多分たくさんあるだろうと思うんですね。ある時期までころころ変えるわけにはいかないというのも確かだと思います。
それぞれの大学が6年制に踏み切るに当たっても、コアカリキュラムというのを土台にして各大学カリキュラムをつくってやってきたわけですので、それはできないのですけれども、ただ、共用試験にしても、国家試験にしても、何となくコアカリキュラムというのが、ある意味での縛りになっているところがありますし、やっぱり見直すべきところは当然見直さなければいけない。そして、見直すにはそれなりの時間がかかりますから、やっぱりもうそろそろそこに向かってのスタートは切っていて、実際にそれを実行に移すのはもう少し先になるとしても、少し検討は始めていてもいいのではないかという気が私はしますけれども。

【永井良三座長】
病院実習は実際すべて対応可能なのでしょうか。特に1,600人も留年者が増えてきたときに問題ですね。私も病棟で学生の相手をするときに、5~6人ぐらいならわりとゆっくり教えられるのですが、7~8人となると一気に効率が落ちてきます。各グループの数であるとか、一度に来る学生の数、特にばらばらと来られると、教員の負担も非常に大きくなってきますね。の辺の体制もよくチェックする必要があると思います。
 モデル・コアカリキュラムはつくられているのですね。

【望月正隆委員】
 はい。でも、データを収集するということは、もう今年度スタートさせようと思っています。現状では、実務実習のモデル・コアカリキュラムですけれども、薬学教育モデル・コアカリキュラムについても、必要があれば問題点を指摘していただいて、その問題点を収集するということはスタートしたいと思っています。

【市川副座長】
 私はこのモデル・コアカリキュラムに携わった者として思うのは、モデル・コアカリキュラムは、薬学教育者、研究者、それからもちろん実務薬剤師を含めた薬剤師活動をする人、そういう人たちが使えるカリキュラムを作るという基本姿勢でスタートしてでき上がったのに、全体が、国家試験の範囲としてはよろしいというお墨つきがついたことによって今少し無理が起きていることは事実だと思うんです。
 6年制薬学教育は薬剤師養成教育であるということは、従前よりも明瞭に出てきたときに、このモデル・コアカリキュラムは薬剤師養成教育としてかなり重いものであるという議論はいろんなところでなされているわけです。それはもう明らかにアウトカムが違っているわけです。6年制教育のためのモデル・コアカリキュラムに絞っていきましょう、こういう議論はできると思うんです。
一つの方法として、今まである実務実習モデル・コアカリキュラムに対応する知識の部分という観点でもう一度、薬学教育モデル・コアカリキュラムを考え直すというのは賛成です。でありますけれども、今の薬学教育モデル・コアカリキュラムがあって、薬剤師国家試験の範囲があるという流れで薬学教育が動いているわけですから、いつから改革の議論をスタートするかは十分な議論をする必要があります。

【永井良三座長】
 これももう議論が出ましたけれども、成績評価や進級判定、修了認定をより厳格にする、あるいは改善方策をどうするかという点です。あとは、教員の評価ですね。これについてもしご意見がございましたらお願いいたします。

【永井博弌委員】
 教員の評価について非常に大変だと思いますのは、実際は臨床教育をしなきゃいけないのに、臨床現場にいない人が臨床教育をするという現実があるわけですね。薬学部は臨床現場を持ってないところがほとんどなわけで、そこで臨床教育をして、臨床教育の評価をしていくというのは、何か工夫をすることを少し考えないと難しいと思うんですね。教育の評価そのものが、実際臨床の現場に前にいたけれども、5年も離れてから、今臨床の教育をしていて、実際の臨床の教育がきちっとなされているのかどうかはだれがどう評価するのかは非常に難しい問題として残っていると思います。
この点、コアカリの見直しのときにも、コアカリそのものも臨床教育のコアカリをもう少しフレキシブルというか、幅のある形にしていただかないと、教員のほうの評価も含めて、教育そのものももう少し幅が欲しいというのが私たちの感じているところです。

【永井良三座長】
 この論点メモの最後にありますが、どういう項目を評価するかというリストが必要になってきますね。あとは、薬学教育全般の評価、これは井上先生がされている薬学教育評価機構ですか。

【井上副座長】
 そうですね。ただ、あれは今のところ6年制一本ですので、4年制のほうに関してはどうするのか、あるいは大学院のほうの教育の評価をどうするのかというのは、私どもの小さな組織ではそこまではとても考えられないということで、今は6年制一本です。

【永井良三座長】
 このあたりのところは、また委員の先生方からメモでもメールでも結構ですので、ご意見をお寄せいただいて、次回以降、より詳細に各項目ごとに検討ということでよろしいでしょうか。
 きょうはなかなか頭の痛い問題ばかりで、あまり明確な結論が出ませんでしたけれども。

【望月正隆委員】
 大学院の資料3と学部の資料5を見まして、大学院の入学定員は、基礎とする学部の定員を基本とするような考えを以前話されたような気がするのですけれども、この北海道大学の大学院定員132というのは、学部薬科学科定員が50に比べ、どういうことでしょうか。

【吉田薬学教育専門官】
 この生命科学専攻は、必ずしも薬学に限ったものではないので、そういう意味からほかの複合というか、学際というか、ちょっとほかの分野もここには含まれています。ですから、もともと基礎は50だけではありませんので、そういうふうになっています。

【望月正隆委員】
 わかりました。

【永井良三座長】
 それではよろしいでしょうか。事務局から連絡事項はございますか。

【吉田薬学教育専門官】
 本日はありがとうございました。きょうのご議論でいろいろ難しい問題ということで、需給の話、国試の状況、雇用の話、そういったところのご意見等をいただきましたので、そのあたりも含めて、次回また改めて資料のご用意をさせていただこうかと思います。
 それと、先ほど座長のほうからもありましたけれども、いろんな点で、こちらのほうの論点メモのまとめ方、整理の仕方も明確でなかったところもございますので、きょうのご議論を踏まえて、もう一度整理をさせていただこうかと思います。
 それと、次回の会議ですけれども、日程調整も含めまして、改めてご連絡をさせていただきたいというふうに思います。
 事務局のほうからは以上でございます。

【永井良三座長】
 それでは、本日はどうもありがとうございました。

お問合せ先

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電話番号:03-5253-4111(代表)(内線3326)
ファクシミリ番号:03-6734-3390
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