F 薬学臨床教育

GIO

 患者・生活者本位の視点に立ち、薬剤師として病院や薬局などの臨床現場で活躍することができるために、基本的な薬物療法、地域保健医療、チーム医療に参画する実践的能力を修得する。
 ※薬学臨床教育においては、代表的な疾患(がん、高血圧・糖尿病・脂質異常症)を持つ患者の薬物治療に臨床実習中に継続的に関わること。さらに、心疾患、脳血管障害、精神神経疾患、感染症等の薬物治療にも関わることが望ましい。

 前):病院・薬局での実務実習履修前に修得すべき事項

(1)薬学臨床教育基礎

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 医療人として臨床で求められる活動を適切な態度で実践するために、薬剤師の活躍する臨床現場で必要な心構えと薬学的管理の基本的な流れを把握する。

【早期体験学習】※原則として3年次修了時までに学習する事項
  1. 患者・生活者の視点に立って病院および保険薬局での業務を見聞し、その体験から薬剤師業務の重要性について自分の意見を発表できる。(知識・態度)
  2. 地域の保健・福祉を見聞した具体的体験に基づきその重要性や課題を討議する。(知識・態度)
  3. 災害時における病院・薬局と薬剤師の役割について説明できる。
  4. 災害時における地域の医薬品供給体制・医療救護体制について説明できる。
  5. 一次救命処置(心肺蘇生、外傷対応など)を説明し、シミュレーターを用いて実施できる。(知識、技能)
【臨床における心構え】
  1. 前)医療人が守るべき倫理規範や法令について討議する。(態度)
  2. 前)患者・生活者中心の医療の視点から患者・生活者の個人情報や自己決定権に配慮すべき個々の対応をシミュレートできる。(知識・態度)
  3. 前)患者・生活者の健康の回復と維持に薬剤師が積極的に貢献することの重要性を討議する。(態度)
  4. 患者・生活者の生命と健康に関わる医療の担い手が守るべき倫理規範を遵守する。(態度)
  5. 患者・生活者の基本的権利、自己決定権について配慮する。(態度)
  6. 薬学的管理を実施する際に、インフォームド・コンセントを得ることができる。(態度)
  7. 職務上知り得た情報について守秘義務を守る。(態度)
  8. 常に患者・生活者の視点に立ち、医療の担い手としてふさわしい態度で行動する。(態度)
  9. 患者・生活者の健康の回復と維持に積極的に貢献することへの使命・責任感を持つ。(態度)
  10. チーム医療や地域保健・医療・福祉を担う一員としての責任を自覚し行動する。(態度)
【臨床実習基礎】
  1. 前)病院における薬剤師業務全体の流れを説明できる。
  2. 前)病院薬剤部門を構成する各セクションの業務を列挙し、その内容を相互に関連づけて説明できる。
  3. 前)病院に所属する医療スタッフの職種名を列挙し、その業務内容を相互に関連づけて説明できる。
  4. 前)保険薬局における調剤業務全体の流れを説明できる。
  5. 前)薬剤師の関わる保険制度の概略を具体的に説明できる。
  6. 前)保険薬局で薬剤師が実践するファーマシューティカルケアの重要性について説明できる。
  7. 病院における薬剤部門の位置づけと業務の流れについて他部門と関連付けて説明できる。
  8. 代表的な疾患の入院治療における適切な薬学的管理について説明できる。
  9. 入院から退院に至るまで責任をもって入院患者の医療に継続して関わることができる。(態度)
  10. 急性期医療(救急医療・集中治療・外傷治療等)や周術期医療における適切な薬学的管理について説明できる。
  11. 周産期医療や小児医療における適切な薬学的管理について説明できる。
  12. 外来化学療法における適切な薬学的管理について説明できる。
  13. 薬剤師業務の保険評価要件について概説することができる。
  14. 保険薬局における薬剤師業務の流れを相互に関連付けて説明できる。
  15. 来局者の調剤に対して、処方せんの受付から調剤報酬の請求に至るまで責任を持って関わることができる。(知識・態度)

(2)処方せんに基づく調剤

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 処方せんに基づいた調剤業務を安全で適正に遂行するため、医薬品の供給と管理を含む基本的調剤業務を修得する。

【法令・規則等の理解と遵守】
  1. 前)調剤業務に関わる事項(処方せん、調剤録、疑義照会等)の意義や取り扱いを法的根拠に基づいて説明できる。
  2. 前)調剤報酬の算定方法を説明できる。
  3. 前)調剤報酬明細書・請求書の記載内容について説明できる。
  4. 調剤業務に関わる法的文書(処方せん、調剤録等)の適切な記入と保存・管理ができる。(知識・技能)
  5. 法的根拠に基づき、一連の調剤業務を適正に実施する。(技能・態度)
  6. 保険薬局として必要な条件や設備等を具体的に関連付けて説明できる。(知識・技能)
【処方せん受付と疑義照会】
  1. 前)代表的な疾患に使用される医薬品について効能・効果、用法・用量、警告・禁忌、副作用、相互作用を列挙できる。
  2. 前)処方オーダリングシステムを概説できる。
  3. 前)処方せん受付時の応対をシミュレートできる。(技能・態度)
  4. 前)処方せんの種類、特徴、必要記載事項について説明できる。
  5. 前)処方せんの監査の意義、その必要性と注意点について説明できる。
  6. 前)不適切な処方せん例について、その理由と対応が説明できる。
  7. 前)代表的な処方せん例の監査をシミュレートできる。(技能)
  8. 前)疑義照会をシミュレートできる。(技能・態度)
  9. 処方せん受付時の応対ができる。(技能・態度)
  10. 薬剤服用歴(薬歴)、診療録等に基づき処方せんの記載事項(医薬品名、分量、用法・用量等)が適切であるか確認できる。(知識・技能)
  11. 薬歴・診療録等から得られる患者の状態に基づき、処方内容が妥当であるか判断できる。(知識・技能)
  12. 薬歴、診療録、患者の状態から判断して適切な疑義照会が実践できる。(技能・態度)
【処方せんに基づく医薬品の調製】
  1. 前)薬袋、薬札に記載すべき事項を適切に記入できる。(技能)
  2. 前)代表的な医薬品の成分、剤形、規格、販売名等を列挙できる。
  3. 前)処方せん例に従って、計数・計量調剤をシミュレートできる。(技能)
  4. 前)患者の希望に合わせた後発医薬品の選択をシミュレートできる。(知識・技能)
  5. 前)無菌操作の原理を説明し、基本的な無菌操作を実施できる。(知識・技能)
  6. 前)抗悪性腫瘍剤などの取扱いにおけるケミカルハザード回避の基本的手技を実施できる。(技能)
  7. 前)調剤された医薬品の鑑査をシミュレートできる。(技能)
  8. 代表的な医薬品の一般名から該当する製品を選択できる。(技能)
  9. 処方せんに従って計数・計量調剤ができる。(技能)
  10. 錠剤の粉砕、およびカプセル剤の開封の可否を判断し、実施できる。(技能)
  11. 一回量(一包化)調剤の必要性を判断し、実施できる。(知識・技能)
  12. 患者の希望に合わせて後発医薬品を選択できる。(知識・技能)
  13. 注射剤(高カロリー栄養輸液等)の無菌的混合操作を実施できる。(技能)
  14. 特別な注意を要する医薬品(毒薬・劇薬・向精神薬・麻薬・抗悪性腫瘍薬等)の調剤と適切な取扱いができる。(知識・技能)
  15. 抗悪性腫瘍剤などの取扱いにおけるケミカルハザード回避の手技を実施できる。(知識・技能)
  16. 調製された薬剤に対して、鑑査が実施できる。(技能)
【患者・来局者応対、服薬指導。患者教育】
  1. 前)適切な態度で、患者・来局者との応対をシミュレートできる。(態度)
  2. 前)妊婦、小児、高齢者などへの服薬指導において、配慮すべき事項を具体的に列挙できる。
  3. 前)患者・来局者から、必要な情報(症状、心理状態、既往歴、生活習慣、アレルギー歴、薬歴、副作用歴等)を適切な手順で聞き取りをするシミュレートができる。(技能・態度)
  4. 前)代表的な医薬品についてその薬剤の効果・副作用、服用方法、保管方法および使用上の注意について適切に説明できる。 (技能・態度)
  5. 前)代表的な疾患において注意すべき生活指導項目を列挙できる。(知識・技能)
  6. 前)患者に使用上の説明が必要な製剤(眼軟膏、坐剤、吸入剤、自己注射剤等)の取扱い方を説明できる。(技能・態度)
  7. 前)薬歴・診療録の基本的な記載事項とその意義・重要性について説明できる。(知識・技能)
  8. 前)代表的な症例についての患者応対の内容を適切に記録できる。(技能)
  9. 適切な態度で、患者・来局者と応対できる。(態度)
  10. 患者・来局者から、必要な情報を適切な手順で聞き取ることができる。(態度)
  11. 医師の治療方針を理解した上で、患者への適切な服薬指導を実施する。(態度)
  12. 患者の病状や背景に配慮し、医薬品を安全に有効に使用するための服薬指導や患者教育ができる。(態度)
  13. 妊婦、小児、高齢者等特別な配慮が必要な患者への服薬指導において、適切な応対ができる。(知識・態度)
  14. お薬手帳、健康手帳、患者向け説明書などを使用した服薬指導ができる。(態度)
  15. 収集した患者情報を薬歴や診療録に適切に記入することができる。(知識・技能)
【医薬品の供給と管理】
  1. 前)医薬品管理の意義と必要性について説明できる。
  2. 前)医薬品管理の流れを概説できる。
  3. 前)代表的な注射剤・散剤・水剤等の配合変化のある組合せとその理由を説明できる。
  4. 前)劇薬、毒薬、麻薬、向精神薬および覚せい剤原料等の管理と取扱いについて説明できる。
  5. 前)特定生物由来製品の管理および取扱いについて説明できる。
  6. 前)代表的な放射性医薬品の種類と用途を説明できる。
  7. 前)院内製剤の意義、調製上の手続き、品質管理などについて説明できる。
  8. 前)代表的な薬局製剤・漢方製剤について概説できる。
  9. 前)医薬品の品質に影響を与える因子と保存条件を説明できる。
  10. 病院内における医薬品の供給・保管について適切に実施できる。(知識・態度)
  11. 保険薬局内における医薬品の供給・保管について適切に実施できる。(知識・態度)
  12. 医薬品の適切な在庫管理を実施する。(知識・技能)
  13. 医薬品の適正な採用と採用中止の流れについて説明できる。
  14. 注射剤・散剤・水剤等の配合変化に関して実施されている回避方法を列挙できる。(知識・技能)
  15. 劇薬・毒薬・麻薬・向精神薬および覚せい剤原料を適切に取り扱うことができる。(知識・態度)
  16. 取り扱いに注意の必要な薬品(特定生物由来製品等)の取扱いを体験する。(知識・技能)
【安全管理】
  1. 前)調剤から与薬までの過程で誤りを生じやすい事例を列挙できる。
  2. 前)特にリスクの高い代表的な医薬品(抗悪性腫瘍薬、抗糖尿病薬、使用制限のある薬等)を列挙できる。
  3. 前)調剤過誤事例や代表的な医療事故を列挙し、その原因を説明(討議)できる。
  4. 前)医療施設で発生したインシデント事例に対し、リスクを回避するための具体策を説明(討議)できる。
  5. 前)医薬品に関わる過失あるいは過誤について、発生後の適切な対処法を討議する。
  6. 前)代表的な消毒薬の用途、使用濃度および調製時の注意点を説明できる。
  7. 前)感染予防のためのバイオハザードの基本的な取り扱いが説明できる。
  8. 前)代表的な医薬品のリスクマネジメントプランを説明できる。
  9. 特にリスクの高い代表的な医薬品の管理を体験する。(知識・態度)
  10. 調剤過誤を防止するために工夫されている事項を具体的に説明できる。(知識・態度)
  11. 施設内のインシデント(ヒヤリハット)、アクシデントの体験をもとに、リスクを回避するための具体策を提案することができる。(知識・態度)
  12. 施設内の指針に基づいた安全管理を遵守する。(態度)
  13. 使用制限のある医薬品の安全管理について体験する。(知識・技能)
  14. 感染予防のためのバイオハザードの取り扱いを体験または見学する。(知識・技能)
  15. 病院内や患者宅などでの感染対策(予防、蔓延防止など)について適切な助言ができる。(知識・技能)

(3)薬物療法の実践

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 患者に安全で有効な薬物療法を提供するために、適切に患者情報を収集した上で、状態を正しく評価し、適切な医薬品情報を基に、個々の患者に適した薬物療法を提案・評価できる能力を修得する。

【患者情報の把握】
  1. 前)基本的な医療用語、略語の意味を説明できる。
  2. 前)病状と薬物療法の評価に必要な患者及び来局者情報とその情報源を列挙できる。
  3. 前)種々の情報源(患者・来局者インタビュー、診療録、看護記録、薬歴簿、初回質問表、お薬手帳等)から、薬物療法の立案と評価に必要な患者情報の収集をシミュレートできる。(知識・技能)
  4. 前)基本的なフィジカルアセスメントを実施(シミュレート)できる。(知識、技能)
  5. 基本的な医療用語、略語を適切に使用できる。(技能)
  6. 種々の情報源から、薬物療法の立案と評価に必要な患者情報を継続的に収集できる。(技能・態度)
  7. 入院患者の持参薬確認を行い、継続の必要性を評価できる。(技能・態度)
  8. プライバシーに配慮して、患者情報を適切に取り扱うことができる。(態度)
  9. 代表的な疾患について、患者の診断名、病態から薬物治療方針を説明できる。(知識・態度)
【医薬品情報の収集と活用】
  1. 前)代表的な疾患についての医薬品情報収集と活用をシミュレートできる。(技能) 
  2. 実習施設における医療情報を利用することができる。(技能)
  3. 問い合わせに対し、根拠に基づいた論理的な報告書を作成できる。(知識・技能)
  4. 個人情報や知的所有権に配慮し、医療スタッフおよび患者のニーズに合った医薬品情報提供を体験する。(知識・態度)
  5. 医薬品情報の評価、加工を体験する。(技能)
  6. 緊急安全性情報、安全性速報、不良品回収、製造中止などの緊急情報を医療施設内で適切に取扱うことができる(シミュレートでも可)。(知識・態度)
  7. 医薬品・医療機器等安全性情報報告用紙に、必要事項を記載できる。(知識・技能)
【処方設計と薬物療法の実践(処方設計と提案)】
  1. 前)代表的な病態における薬剤の選択や用法・用量設定を科学的根拠に基づいて考察できる。
  2. 前)患者のアドヒアランスの評価方法、ノンアドヒアランスの原因とその対処法を説明できる。
  3. 前)皮下注射,筋肉内注射、静脈内注射・点滴等の基本的な手技を説明できる。
  4. 患者の状態(疾患、重症度、合併症、肝・腎機能や全身状態、遺伝子の特性、心理・希望等)や薬剤の特徴(作用機序や製剤的性質等)に基づき、適切な処方を立案できる。(知識・態度)
  5. 処方設計の提案や変更に、医師・薬剤師等により事前に作成・合意された薬物投与プロトコールやクリニカルパスを活用できる。(知識・態度)
  6. アドヒアランス向上のための処方提案、調剤や用法の工夫ができる。(知識・態度)
  7. 処方提案に際して、医薬品の経済性等を考慮して、後発医薬品を選択できる。(技能)
  8. 立案した処方に関して、薬剤の選択理由、投与量、投与方法、投与期間等について、医師や看護師に対し、判りやすく説明できる。(知識・態度)
  9. 患者の栄養状態や体液量、電解質などの評価を基に適切な輸液療法を立案できる。(知識・技能)
【処方設計と薬物療法の実践(薬物療法の評価)】
  1. 前)代表的な医薬品の効果、副作用に関してモニタリングすべき症状と検査所見等を具体的に説明できる。(知識・技能)
  2. 前)代表的な疾患における薬物療法の評価に必要な患者情報収集をシミュレートできる。(知識・技能)
  3. 前)模擬症例について薬物治療上の問題点をSOAP形式等で記録できる。(技能)
  4. 定期的な検査が必要な医薬品が処方されている患者について、検査の実施を提案できる。(知識・態度)
  5. 薬物血中濃度モニタリングが必要な医薬品が処方されている患者について、血中濃度測定の提案ができる。(知識・態度)
  6. 薬物血中濃度の推移から薬物療法の効果および副作用について予測できる。(知識・技能)
  7. 臨床検査値の変化と使用医薬品の関連性を説明できる。(知識・技能)
  8. 薬物治療の効果について、患者の症状や検査所見などから評価できる。(知識・技能)
  9. 副作用の発現について、患者の症状、検査所見などから評価できる。(知識・技能)
  10. 薬物治療の効果、副作用の発現、薬物血中濃度等に基づき、医師に対し、薬剤の種類、投与量、投与方法、投与期間等の変更を提案できる。(知識・態度)
  11. 報告に必要な要素(5W1H)に留意して、収集した患者情報を正確に記載できる。(技能)
  12. 患者の薬物治療上の問題点のリストアップとプランニングをSOAP形式等で記録できる。(技能)

(4)チーム医療への参画

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 医療機関や地域で、多職種が連携・協力する患者中心のチーム医療に積極的に参画するために、チーム医療における多職種の役割と意義を理解するとともに、情報を共有し、より良い医療の検討、提案と実施ができる。

【医療機関におけるチーム医療】
  1. 前)チーム医療における薬剤師の役割と重要性について説明できる。
  2. 前)病院と地域の医療連携の意義と具体的な方法(退院時共同指導、病院・保険薬局連携、関連施設との連携等)を説明できる。
  3. 薬物療法上の問題点を解決するために、医師・看護師などの医療スタッフと連携できる。(態度)
  4. 病院内の多様な医療チーム(病棟の医療チーム、ICT、NST、緩和ケアチーム、褥瘡チーム等)の活動に薬剤師の立場で参加できる。(知識・態度)
  5. 医師・看護師などの他職種と患者の状態(病状、検査値、アレルギー歴、心理、生活環境等)、治療開始後の変化(治療効果、副作用、心理状態、QOL等)の情報を共有する。(知識・態度)
  6. 医療チームの一員として、医師・看護師などの医療スタッフと患者の治療目標と治療方針について討議(カンファレンスや患者回診への参加等)する。(知識・技能)
  7. 医師・看護師などの医療スタッフと連携・協力して、患者の最善の治療・ケア提案を体験する。(知識・技能)
  8. 医師・看護師などの医療スタッフと連携して退院後の治療・ケアの計画を検討できる。(知識・技能)
【地域におけるチーム医療】
  1. 前)在宅医療に関わる薬剤師のチーム医療での役割とその重要性について説明できる。
  2. 前)地域における病院薬剤師と薬局薬剤師の連携の重要性を討議する。
  3. 地域における病院薬剤師と薬局薬剤師の連携を体験する。(知識・技能)
  4. 在宅医療におけるチーム医療に参画し、多職種間で地域住民に関する情報共有を体験する。(知識・態度)
  5. 来局者を介した薬局と医療機関の連携を体験する。(知識・態度)

(5)地域の保健・医療・福祉への参画

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 地域での保健・医療・福祉に積極的に貢献できるようになるために、在宅医療、地域保健、福祉、プライマリケア、セルフメディケーションの仕組みと意義を理解するとともに、これらの活動に参加することで、地域住民の健康の回復、維持、向上に関わることができる。

【在宅医療・介護への参画】
  1. 前)在宅医療の目的、仕組み、医療支援の内容を具体的に説明できる。
  2. 訪問薬剤管理指導業務や居宅療養管理指導業務を体験する。(技能・態度)
  3. 地域での居宅介護、介護支援専門員などの医療福祉活動の状況と薬剤師の関わりを体験する。(知識・態度)
  4. 在宅患者の病状(症状、疾患と重症度、栄養状態等)とその変化、生活環境等の情報収集と報告を体験する。(知識・態度)
【地域保健(公衆衛生、学校薬剤師、啓発活動)への参画】
  1. 前)地域保健における薬剤師の役割と代表的な活動について説明できる。
  2. 前)公衆衛生に求められる具体的な感染防止対策を説明できる。
  3. 学校薬剤師の業務を体験する。(知識・技能)
  4. 地域住民の衛生管理(消毒、食中毒の予防、日用品に含まれる化学物質の誤嚥誤飲の予防等)における薬剤師活動を体験する。(知識・技能)
【セルフメディケーション・プライマリケアの実践】
  1. 前)代表的な症候(頭痛・腹痛・発熱等)を示す患者について、適切な情報収集と疾患の推測、適切な対応法の選択をシミュレートできる。(技能・態度)
  2. 前)代表的な症候での一般用医薬品の適切な取り扱いと説明をシミュレートできる。(技能・態度)
  3. 前)代表的な生活習慣の改善に対するアドバイスをシミュレートできる。(技能・態度)
  4. セルフメディケーションのための薬局製剤(漢方製剤含む)、一般用医薬品、健康食品、サプリメント、医療機器等をリスクに応じ適切に取り扱い、管理できる。(知識・態度)
  5. 来局者から収集した情報や身体所見などに基づき、来局者の病状(疾患、重症度等)や体調を推測できる。(知識・態度)
  6. 来局者に対して、病状に合わせた適切な対応(医師への受診勧奨、救急対応、一般用医薬品・検査薬などの推奨、生活指導等)を選択できる。(知識・態度)
  7. 選択した薬局製剤(漢方製剤含む)、一般用医薬品、健康食品、サプリメント、医療機器等の使用方法や注意点などを来局者に適切に判りやすく説明できる。(知識・態度)
  8. 疾病の予防および健康管理についてのアドバイスを体験する。(知識・態度)
  9. 対応した来局者の病状や健康状態に関して、継続的な観察や指導を実施する。(態度)

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