資料2 医療人養成としての薬学教育の在り方について

薬学系人材養成の在り方に関する検討会(第12回)での主な意見
(医療人養成としての薬学教育の在り方について)

現状及び問題点

・薬の科学を追求しすぎると、均質な物質としての薬を見ることになり、個人は偶然に左右され、数字で患者を語ることになってしまうのではないか
・科学的薬学があって、その上に臨床薬学がある現状では教育にひずみが生じるのではないか
・薬学部の教員の多くが臨床現場の体験をしていない
・学生数と教員数のバランスを考えるべきではないか
・人と接するようなフィールドがまだまだ少ないのではないか
・薬剤師のみがチームの中で患者情報を有していない場合が多いのではないか
・生命倫理や生と死等については既にカリキュラムとして取り組まれているが、医療現場で生きた言葉になるような教育とはまだなっていないのではないか
・コミュニケーション教育については、患者が語るところを聞くという点が不足しているのではないか

今後充実すべき点

(学部教育)

・医療の歴史や薬物療法の歴史を学び、専門性を深める教育が必要
・専門知識を得る前に患者や人間という視点を早期から教育することが必要
・EBMは臨床統計に基づいた医療と考えられがちであるが、患者の価値観、医療者の経験等を踏まえてその人に最適な医療をするということであり、人間の見方や価値観の教育を強化することが必要
・「チーム医療」という言葉の実態がカリキュラムに生かされるようにすべき
 患者中心の医療チームという言葉において授業をシェアできるとよいのではないか

・コミュニケーション教育については、教育の場で、患者から情報を聞き出し判断できるような教育が必要
 例えば、医師が医療現場でどのように診察し、患者に問いかけているかを見るというような教育も有用

(大学院教育)

・教育学、マネジメント、リーダーシップ等の教育が必要
・リーダーとして育つためには、薬物治療の歴史等について学ぶことは重要

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