資料1 薬学系大学院博士課程(4年制)についての議論の経緯

1.これまでの議論

 薬学系人材養成の在り方に関する検討会第一次報告書(概要は別紙のとおり)では、薬学系大学院教育充実のための具体的方策について提言。
 特に、教育内容・方法等については、「臨床現場での実践的な教育活動、当該専門領域に係る学術的な知識や研究能力等を体系的に習得させるための教育プログラム」及び「医療機関・薬局等関連施設との連携に努めること」が必要とされたところ。

2.現状

 平成24年3月に新薬学制度6年制の学生が卒業し、新たな国家試験を受験する予定。
 それに伴い現在、平成24年度開設予定の大学院博士課程の申請が準備されており、多くの大学で設置を予定。6年制を基礎とする博士課程における人材養成目的としては主として

  • 大学教員、研究者等の養成
  • がん専門薬剤師等の高度専門職業人としての薬剤師の養成

とされているところ。

3.求められる博士課程教育について

(1)中央教育審議会

 中央教育審議会のグローバル化社会の大学院教育(答申)(平成23年1月31日)においては、1.学位プログラムとしての大学院教育の確立、2.グローバルに活躍する博士の養成が提言され、とりわけ、医療系大学院の特性に応じた改善方策として、

  • 学生の専門資格志向、医師・歯科医師臨床研修制度の導入など医療系大学院を取り巻く近年の変化が、研究者を志す学生の減少など、各分野の大学院学生のキャリア形成に大きく影響
  • 生命科学や医療技術等の発展が著しい中、生涯を通じた研究マインドの涵養が求められており、医療系大学院には、生涯にわたる医療人のキャリア形成の中核的な役割を果たす必要
  • 高度化・多様化する医療の動向等を見据え、課程修了時の到達目標を明確化し、他の医療機関や研究機関、他専攻等と有機的に連携し、面的に拡がりのある体系的かつ実践的な教育を展開

が挙げられている。(答申ポイントは、別紙のとおり)

(2)日本学術会議

 日本学術会議の薬学教育委員会の報告「日本の展望‐学術からの提言2010 報告 薬学分野の展望」(平成22年4月5日)においては、「学部教育から大学院教育に至る一貫した教育体制の構築と体系的な教育内容の整備が必要である。体制整備の視点からは、新しい制度への移行に伴う教員数や質の確保が極めて重要であり、教育改革の推進は教育体制の整備と不可分であることを強く認識する必要がある」こと、「今後、我が国においては6年制薬学学部教育に加えさらに4年制大学院で研究を積んだpharmacist-scientistsと呼ぶべき研究者が、米国における薬事行政や医薬品産業において活躍する医学教育を受けた研究者(physician-scientists)の役割の一部を担うことが期待される」点について言及している。(該当部分抜粋は別紙のとおり)

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