資料3 薬学系人材養成の在り方に関する検討会前回(第5回)会議での主な意見(検討用メモ)

1.今後の議論の進め方について

  • 6年制は卒業生が出ていないが、今から議論をして大学の個性化、社会のニーズに応じた多様化を図るような考え方について議論すべき。
  • 6年制教育からどうするかということを議論し、その後、4年制教育について修士課程を含めた形で議論をするほうが明確である。
  • 6年制の卒業生の進路は、地域に密着した形で行きやすい感じがするが、4年制の卒業生の進路はオールジャパンでどうなるのか解らない。教育のミッションも方法も違うので、これを一緒に議論すると整理ができないのではないか。
  • 委員のほとんどが規制緩和によって増えた定員数についての危機感を持っている。一番に議論をする必要があるのは、その点ではないか。

2.薬剤師の養成規模について

  • 現状、私立大学は9割以上が6年制教育をする学科、他方、国立大学は半分以上が4年制の学生を抱えた教育が行われている。個性とか、特色を出そうとした時、画一的にあるべきとの考えだと、どうやって個性や特色が出せるのか。
  • 薬学だけでなく、医学も、看護もいろいろと変わっている。それぞれの職種の役割が今のままでいいのか、特に6年制の卒業生が出てくるころには、世の中が今とは結構変わってきているのではないか。
  • 少子化という大きな問題があり、人口の高齢化と患者の高齢化、医療ニーズの増大という全体的な背景などを踏まえて、薬学教育がどのあたりを担うのがいいのか。
  • 薬剤師は地域医療などでこれからも必要である。ただ、それが一体どのぐらいの数なのか。また、医者は薬剤師に何を期待していて、どれだけの割合が必要なのか、そのような本当の意味での社会的ニーズの把握が必要ではないか。
  • 10年後にはベッドサイドの薬剤師が相当数必要。臨床研究についても薬剤師の関与、主体性を持ったいろいろな研究デザイン等についても参加が必要。在宅の問題や高度医療の現場も同じ。
  • 現状だと将来1万3,000人の卒業生が出るが、これはちょっと多過ぎる。大学での教育や臨床教育など、この学生数を今の教員と施設で十分教育ができるのだろうか。 
  • 現在、製薬企業で働く約6割が4年制学部の薬学出身者、修士が3割、博士が1割、学部出身者のほとんどが営業職、修士は営業職が若干で技術職あるいは研究職、博士はほとんどが研究職。
  • 4年制の学生は、入学当初から非常に創薬の研究をしようという意識が強い。ほぼ全員が大学院に進学する。
  • 4年制の学生1,300人全員がもし大学院に進学したとなれば、将来、日本の創薬で年間に1,300人を採用するだけの力があるのか疑問。
  • 1万3,000人の就職先は将来確保できるのか。確保できないと、より質の低下を招くことになるのではないか。
  • 薬剤師になれなかった人をどうするかという重大な問題もある。薬剤師国家試験に合格する人数を考えれば適当になるかもしれないでは済まない。
  • 将来、薬学部はつぶれるに違いないとの話を多くの方から聞く。
  • 6年制当初(平成18年度)の入学者は1万1,220人だが、現在、順調に進級している学生は9,600人。結果1,600人が留年か退学となっている。
  • 1万3,000人が多いなら、何かの形で、それを減らすようにしないと、6年の教育なので、取り戻しがつかなくなってしまうのではないか。
  • 経営サイドの考え(特に私立)は、定員については簡単にいかないと言われる。ただし、より充実した教育を行うためには定員をそれぞれの大学が自主的に少し下げて、適正なところにすべきではないだろうか。
  • このまま大学間で競争し自然淘汰を待つ、これが一番の方法と考えればよいのか。
  • 経営上の問題はあるかもしれないが、そうすると各大学では無理して定員を充足するように努力する。その結果、質が落ちる。これは各大学固有の問題ではなくて薬学全体の問題。
  • 入学定員をきちっと見直さなければ、質の担保というのはできてこないのではないか。
  • 定員については、国の方策として考えるのであれば、今後、薬学部は新設を規制することが必要。

3.教育の質の向上について

  • 実際の教育内容が、社会が期待する内容と一律ではない。地域や設置主体によっても差がある。
  • 薬学教育の実習では、試験で判断できないところが多いので、薬剤師としての質を最低限担保するためには、全国統一的なカリキュラムの中で、例えば実習を何カ月実施すべきといったことが必要ではないか。
  • モデル・コアカリキュラムを見直すべきかどうかについては、多くの関係者がそのように考えている。見直すにも相当な時間が必要なので、そろそろスタートしてもよい時期に来ているのではないか。
  • 実務実習モデル・コアカリキュラム及び薬学教育モデル・コアカリキュラムについては、薬学教育協議会が問題点の収集に着手する。
  • モデル・コアカリキュラムの見直しに向けた検討を、いつからスタートするのかは十分な議論がないと混乱するおそれもある。

4.学生の質の向上について

  • 大学の中でも二極化が起きている。従来のパターンの教育に追いついて来る学生と、なかなか追いついてこられない学生が実際にいる。
  • 入学試験の方法など、厳密な姿勢を大学は取るべきではないか。

5.教育体制について

  • 教員の評価は非常に大変。実際は臨床教育を行うにも関わらず、臨床現場にいない、いたことがない人が教育を行うという現実がある。

6.その他

  • 地域貢献というか、地域にコントリビューションするのが一番公立大学は直結して

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