資料1 医学教育カリキュラム検討会(第1回)概要(案)

設置趣旨

臨床研修制度の見直し、医師不足への対応など医学教育をめぐる状況を踏まえ、主に下記の観点から、医学教育に関するカリキュラムの在り方を検討。

1.臨床研修の見直しを踏まえた医学教育の改善・充実方策
2.医師として必要な臨床能力の確実な習得を確保する方策
3.地域や診療科に必要な医師を養成・確保するための方策

第1回の主な意見

(検討のポイント)

・臨床実習を患者の協力を得ながら如何に有効に行うことができるかがポイント
・5・6年次の臨床実習と初年次教育では効果が出るまでの期間が異なるため、誰を対象に見直しを示すか明確にすべき。

(臨床教育)

・臨床実習に高度に侵襲的な医行為は必要なく基本的な内容を確実に習得させることが重要。
・一度習得すれば一生役立つ内容はなく、卒業後直ちに一人前に働けるものでもない。生涯教育を見据えつつ、実習で得た知識をその後の実践でどう使うかを考えてカリキュラムの内容を考えるべき。
・選択制のカリキュラムの中で学生が易きに流れる傾向があり、最低限必要なコアをしっかり習得させる必要がある。
・6年間の間に自分の将来像を描けない学生が多いが卒業までにそのイメージをもたせるべき。
・参加意識、責任意識をもって多様な現場を広く見せる医学教育が必要。
・学生の医行為に対する社会の理解が進むよう、国、マスコミも大いに発信すべき。
・医学教育で学んできたことと患者のニーズのミスマッチは依然大きい。地域の人たちの医学教育への協力が必要。

(倫理教育)

・医師としての倫理教育はなお欠如しており、教養教育の充実のみならず、入学者選抜の改革が必要。
・倫理観は医師としての実践の中で身に付くものでもあるので、臨床実習のうちにむしろしっかりとした臨床内容を学ばせるべき。
・医師は卒業までに相当な公費を投じ育て、医師としての社会的使命を全うすべき「公」の存在であるという認識が必要。

(指導体制)

・定員増、実習やチュートリアルなどの強化に伴う教員の負担を軽減するため、教員の処遇改善と教育業績への適切な評価、学外・客員教授等の充実が必要。
・医行為に対する患者の不安を抱く患者の納得を得るためにも指導体制がしっかりできていることを示すことが重要。

(関連制度)

・共用試験と国家試験の出題基準、コアカリキュラムと臨床研修の到達目標が相当重なっており、全体的な見直しが必要。
・過度に詳細な国家試験が医学教育に悪影響を与えており、6年次が国試予備校化していると聞く。臨床実習終了後のOSCE(実技試験)で評価する方向にシフトすべき。

今後のスケジュール

・本年4月頃を目途に中間的なとりまとめ予定。

 

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