歯学教育の改善・充実に関する調査研究協力者会議(第10回) 議事要旨

1.日時

平成22年12月13日(月曜日)10時~12時

2.場所

文部科学省17階 17F1

3.出席者

委員

江藤座長、中原副座長、江里口、葛西、金子、古谷野、福田(仁)、福田(康)、前田、前野、俣木、米田

文部科学省

加藤審議官、新木医学教育課長、渡部課長補佐、ほか関係官

オブザーバー

厚生労働省医政局 上條歯科保健課長

4.議事要旨

 ヒアリング状況の報告及び実地調査対象校の決定について

委員より、ヒアリング報告書に基づき、フォローアップ小委員会が11月24日、25日、29日に24校に対して行ったヒアリングの実施状況の報告を行った。

(委員) ヒアリングの結果、資料3にまとめた通り、18校を実地調査の対象校として提案する。

(委員) ただいまの報告を受け、診療参加型臨床実習の考え方が各病院によって違うという疑念が強くなった。診療参加型臨床実習の定義が明確になっていないことがばらつきの原因ではないか。また、患者の絶対数が足りず、診療参加型臨床実習に結びつかない大学がたくさんある。この基本的な問題をフォローアップ小委員会、協力者会議でどのように対応していくか検討したい。

(委員) ヒアリングを行った感じでは、どの大学も我々が歯学教育を受けた診療参加型臨床実習という定義で間違いないと思う。

患者の確保について、確保の努力をしている大学、そうでない大学がある。また、患者数が足りなければ、座学で補っているところや、シミュレーター等で技能教育を担保するなど努力しているところもある。そういう補完教育も、診療参加型臨床実習の定義と一緒に考えてみる必要がある。

 

(座長) 第1次報告で指摘されているように臨床実習の制度的な位置づけが明確でなかった。臨床実習の単位数、臨床実習修了時の評価については、国がする部分と大学の努力でする部分がある。実地調査を踏まえ、議論はその方向に進まざるを得ない。

(委員) 医学も歯学も臨床実習に関する考え方に共通の問題があると理解している。患者の意識の変化で研修医の診察でも断るというパターンになってきている。また、資格のない者がどういう法的根拠によって診療参加ができるかというところにも問題があると認識している。安全についての教育、コミュニケーションについての教育を徹底することが重要。

(委員) 大学あるいは社会が医療者を育てていくという方向性を示し、社会に向けて発信していくことが一番大事なのではないか。

(委員) 臨床実習以上にその前の基礎実習の低迷があるのではないか。基礎実習の充実と、臨床研修施設の上手な応用法が見つかれば良いのではないか。

実地調査の手法について

(事務局) 資料4で実地調査の実施要領(案)を示している。第1次報告、ヒアリングを踏まえ、各歯学部の現状、対応状況を把握・分析することを目的に調査を実施したい。実地調査後は、フォローアップ小委員会での報告後、調査研究協力者会議にも報告する。

(委員) 今、一部の大学で国家試験合格率が低迷しているが、それは競争率が高い時期に入学した学生である。今の競争率が極めて低い入学試験で入学した学生が国家試験を受験する時の合格率はひどい状況になることが想像される。そうした状況に対する認識と対策が十分ではないように思われるので、実地調査時の確認事項に含む必要があるのではないか。

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