モデル・コア・カリキュラム改訂に関する連絡調整委員会(平成27年度~)(第2回)・モデル・コア・カリキュラム改訂に関する専門研究委員会(平成27年度~)(第4回)合同会議 議事録

1.日時

平成28年11月16日(水曜日)13時00分~15時00分

2.場所

三田共用会議所 第三特別会議室

3.議題

  1. 医学教育モデル・コア・カリキュラムの改定案について
  2. 歯学教育モデル・コア・カリキュラムの改定案について
  3. その他

4.議事録

【永井座長】  ただいまからモデル・コア・カリキュラム改訂に関する「連絡調整委員会」及び「専門研究委員会」合同会議を開催いたします。
議事に入ります前に,委員の異動がございましたので,事務局から御紹介をお願いいたします。

【佐々木企画官】  文部科学省医学教育課の佐々木でございます。恐縮ですが,座ったままで御紹介させていただきます。
参考資料1でお配りしております委員名簿をごらんください。名簿の順番に御紹介いたします。
まず連絡調整委員会につきまして,全国医学部長病院長会議会長の交代に伴い,新井一委員に御就任いただいております。
また,国立大学医学部長会議常置委員会委員長の交代に伴い,内木宏延委員に御就任いただいております。
次に,専門研究委員会について,日本医師会の役員交代に伴い,新たに羽鳥裕委員に御就任いただいております。
事務局からは以上でございます。

【永井座長】  続きまして,本日の委員の出席状況について御説明をお願いいたします。

【佐々木企画官】  本日は,泉委員,梶井委員,奈良委員,田上委員,西原委員,前田委員から,欠席の御連絡を頂いております。また,柳川委員から多少遅れていらっしゃるとの御連絡を頂いております。
なお,本日はチーム医療を担う医療人養成の観点から,薬学教育及び看護学教育の有識者に参考人として御出席いただいておりますので,御紹介申し上げます。お手元の資料の参考資料2,参考資料3をごらんください。
まず,参考資料2の平成25年度に開催されました「薬学教育モデル・コア・カリキュラム改訂に関する専門研究委員会」の座長をお務めいただきました市川厚参考人です。

【市川参考人】  ただいま御紹介いただきました市川でございます。どうぞ本日はよろしくお願いいたします。

【佐々木企画官】  次に,参考資料3をごらんください。先週になりますが,今月7日に第1回会議が開催されました「大学における看護系人材養成の在り方に関する検討会」にて副座長をお務めいただいております菱沼典子参考人です。

【菱沼参考人】  菱沼でございます。よろしくお願いいたします。

【佐々木企画官】  事務局からは以上です。

【永井座長】  ありがとうございます。お2人の参考人におかれましては,薬学教育,看護学教育のお立場から適宜,御発言をよろしくお願いしたいと思います。
では,本日の配付資料について,説明をお願いいたします。

【佐々木企画官】  お手元の資料1から4について御紹介をいたします。資料1は,北村委員におまとめいただきました医学教育モデル・コア・カリキュラム(平成28年度改訂版)の全文案でございます。続いて,資料2-1,資料2-2は,嶋田委員におまとめいただきました歯学教育モデル・コア・カリキュラム(平成28年度改定版)の,2-1は経過報告,2-2は全文案でございます。資料3は,羽鳥委員から提出いただきました,先月おまとめになられました日本医師会「医師の職業倫理指針(第3版)」を御用意しております。そして最後に資料4で今後のスケジュールの案を用意しております。
資料の不足等ございましたら,会議中でも結構ですので,事務局に御連絡いただければと思います。
以上です。

【永井座長】  ありがとうございます。では,議事に入ります。
本日は,議事次第にありますように,医学教育,歯学教育それぞれのモデル・コア・カリキュラムの改訂案について御議論を頂きたいと思います。
その前に,事務局から本日の議論の前提としまして,3月の第1回合同会議以降の動きについて御説明をお願いいたします。

【佐々木企画官】  一番後ろの資料になりますが,資料4をごらんください。
タイトルは「今後のスケジュール(案)」になっておりますが,破線の上は今までの取組についてでございます。前回3月30日の合同会議での御指摘を踏まえ,6月15日には前田委員長の下で歯学の専門研究委員会,7月6日には齋藤委員長の下で医学の専門研究委員会の御議論を頂きました。
併せて,7月27日には私ども文部科学省が主催する医学・歯学教育指導者のためのワークショップで,基本的に全ての医学部及び歯学部の方から参画いただきまして,様々な改訂に向けた御意見を頂戴したところでございます。
この資料にはございませんが,検討の体制について,3つの工夫をいたしました。1つは,北村委員の医学の調査研究チームの議論の際には,嶋田委員や五島委員といった歯学の先生に必ず御出席いただき,逆に嶋田委員の歯学の調査研究チームでは,北村委員が医学の立場でお入りいただくという形でのクロスの工夫でございます。
2つ目の工夫は,調査研究チームの議論においても,専門研究委員会から医学においては齋藤委員長,歯学においては前田委員長のそれぞれの委員長に検討に加わっていただいております。
3つ目の工夫は,卒後との関係がございますので,厚生労働省から医事課や歯科保健課,また試験免許室からの職員も議論に加わっていただいたところでございます。
こうした3つのクロスの工夫をして,今回,調査研究チームにおまとめいただいたことを御報告いたします。
以上です。

【永井座長】  ありがとうございます。
それでは最初に,医学教育モデル・コア・カリキュラムの改訂案について御議論いただきたいと思います。
まず調査研究チームリーダーの北村委員から,改訂案について15分ほどで御説明いただいて,その後,質疑,意見交換を行います。
それでは,北村先生,お願いいたします。

【北村委員】  資料1に基づいて御説明させていただきます。
最初に目次がありまして,そしてページが1になっております「改訂医学教育モデル・コア・カリキュラムの考え方」というところを御説明いたします。全部は御説明できないので,今回の改訂のポイントだけ絞って御説明します。
まず基本理念と背景。今回,キャッチフレーズを設けました。「多様なニーズに対応できる医師の養成」。最初は「多様な医学・医療ニーズに対応できる医師の養成」などいろいろ考えたんですが,そういう医学・医療だけでなく,社会のニーズに我々医療者は敏感であるべきということで,「多様なニーズに対応できる医師の養成」としました。
これに関連して,12ページをごらんください。シェーマ図です。「多様なニーズに対応できる医師の養成」というキャッチフレーズの下,AからGまでいろんな分野にカリキュラムの形で落とし込んであります。
これの下にプラスと書いて,各大学の特色ある独自のカリキュラムをこのコア・カリキュラムに足していただくと。おおむね3分の1程度の分量が独自のカリキュラムになると考えております。
真ん中に臨床実習に行く前のOSCE,CBTがありますが,患者さんに触れる機会がより若い頃からあるべきということで,ピンク色の靴のような変な形ですが,これが患者さんとの接触を伴うカリキュラム,プログラムという認識で,こういう形としました。カリキュラムの最後には,POST CC OSCEを考えております。その後,医師国家試験になると,そういう形です。
元に戻っていただきまして,1ページ目。これが大体の概略ですが,今回,卒前・卒後の一貫性に極めて留意しました。具体的には,国家試験の出題基準,あるいは福井先生がされております臨床研修の到達目標等と整合性を取るような形でコア・カリキュラムを設定しました。
2ページ目。モデル・コア・カリキュラムの整理,位置付け,そして診療参加型臨床実習,それから3つのポリシー,ディプロマポリシー,カリキュラムポリシー,アドミッションポリシー等の考え方をまとめて,これは大学に対するメッセージです。
3ページ目。これは今までなかったものを整理して,国民,各関係者,医学生へのお願いということで,特に国民の皆様へのお願いということを書き加えました。やはり臨床実習においては,国民の理解・協力が必要であるということで書き加えてあります。将来的にはポスターとかそういうものに反映できればと思っております。
5ページ目。ここからが改訂の概要になっております。
まず縦のつながり。先ほども申し上げましたように,モデル・コア・カリキュラムと国家試験出題基準,臨床研修の到達目標,並びに医師会が提出されている生涯教育,これの整合性を図るため,いろいろコミュニケーションを取って作っております。場所,ここというわけではなくて,いろんなところに反映されております。
それから,横のつながりとして,先ほど事務局から御紹介がありましたように,私が歯学の方の委員会に出席し,歯学の先生方に我々の委員会に出席していただき,その整合性共有化等を行いました。
次,(3)医師として求められる基本的な資質と能力。13ページを見ていただきたいと思います。今までのカリキュラムをプロセス基盤型教育としますと,今回のカリキュラムはアウトカム基盤型教育,理想の医師はどんな能力を身に付けているんだろうということを考え,それを身に付けさせる教育という意味だと理解しておりますが,そのアウトカム基盤型教育を念頭に置き,今まであった医師として求められる基本的な資質を書き加え改訂し,医師として求められる基本的な資質と能力とし,これが究極のコンピテンシー,あるいはアウトカムと位置付けております。
9項目あります。プロフェッショナリズム,医学知識と問題対応能力,診療技能と患者ケア,コミュニケーション能力,チーム医療の実践,医療の質と安全の管理,社会における医療の実践,科学的探究,生涯にわたって共に学ぶ姿勢,この9項目をアウトカムとして提案したいと思っております。
各大学においては,これを意識した上で,是非ともこれを下回らない,これに各大学独自のアウトカムを足すような形で独自のアウトカムを作っていただき,医学教育全体のカリキュラムを構築していただきたいと思っております。
さらに,これはその次のページから始まるA項目へつながっておりまして,A-1からA-9までがこのアウトカムに対応し,学習項目としてはいわゆる昔ながらの何科で学ぶということではなくて,全科に統一的にこの9項目を学ぶというようなことで,A-1からA-9,18ページまでA項目が並んでおります。これが基本的構造です。
また6ページに戻っていただきます。大変申し訳ありません。行ったり来たりで。次の大きな目玉は,診療参加型臨床実習の充実です。診療参加型臨床実習というのは,今までも臨床実習はあったんですが,その先輩の医師の後ろからその手技や対応をのぞき込むというイメージの見学型が主でありまして,そうでなくて学生が前に出て,学生が直接,安全な環境の下,患者さんに対応すると。それを指導者,指導医がしっかりと確認しながら診療参加するチーム医療のメンバーとして学生が入ることによって,責任感を持った診療ができるようにということで,この診療参加型臨床実習を充実させるというカリキュラムになっております。
ほかのところとも連携しますので,中身を少し御紹介します。64ページをごらんください。臨床実習に行く前に,今までは病気,例えば肝硬変だったら肝硬変の症状とかそういうのを学ぶんですが,その以前に症候を学んで,そういう症候を来す疾患はどういうものがあるか,臨床推論を働かせるということで,F-1以下,従来36ありましたが,今回,外傷・熱傷まで37の症候を挙げて,これに対して鑑別診断ができるようになるということを目標としております。
ちょっと言い過ぎになるかもしれませんが,願わくばこの症候が先ほど述べたPOST CC OSCEの課題になり,例えば発熱の患者さんがいらっしゃって,その人に対応し,病歴を聞き,診察をし,そして臨床作業をするというのを見ていただきたいというようなことも考えた37項目です。
その後,68ページ,臨床推論とかEBMとかありますが,このあたりは大体,同じになっています。
臨床実習は,G,76ページから始まっておりますが,そこにG-1-1,臨床実習の学習目標として,臨床実習というのは何かを学ぶというのではなくて,総合的に学ぶことでありますので,先ほど述べた医師として求められる基本的資質Aを1から9まで再掲してあります。さらにその後段,76ページの下半分くらいにありますが,ここにEPAという聞き慣れない言葉があると思いますが,信頼されるプロフェッショナルとしての具体的行動という,EPAというものが最近アメリカを中心に言われております。それを,このPOST CC OSCEを検討する会の方で先に御紹介いただいて,これはここに入れるべきということで,実はこれはチームの討議は通っていないんですが,齋藤先生とも御相談した上で,1から13まで書いてみました。
これに関しては御批判もあるかもしれませんが,何もないよりは書いた方が議論が深まるかなということで,書いてあります。病歴を聴取して,身体診察を行う,鑑別診断を想定する,基本的な検査の結果を解釈するなどなどです。これもPOST CC OSCEの課題として使えるのではないかと思っております。
それから,77ページ以下,ここにさっき挙げた症候がありますが,調査研究チームのメンバーにお願いして,それぞれの症候の考えられる疾患のうち代表的なものを一応挙げてありますが,極めて危険を感じております。学生諸君がただ丸暗記して,それで発熱の学修が終わったということにされては困るという気持ちはありますが,何も書かないよりは,1つのミニマム・リクワイアメントとしてこれくらいの疾患の鑑別の要点は理解して実習してほしいということで,挙げております。だからこれを丸暗記するようなことを試験で問うのはやめてほしいと思いますし,より建設的に使ってほしいとは思いますが,ないよりはいいだろうということで挙げております。
その後,82ページから臨床実習は必ず経験すべき診療科,83ページに内科,外科,小児科,産婦人科,精神科,総合診療科,救急,そして地域医療などが書かれております。また,シミュレーション教育に関してもコメントをしました。
86ページ。今まではコアカリの外にあった診療参加型臨床実習ガイドラインですが,福井先生と吉田素文先生に書いていただいたものがずっと10年来,残っていたんですが,今回,改訂していただきまして,コアカリの中に例示ということで取り込ませていただきました。いろんな文章,あるいは内諾書の案なんかがいろいろ書かれていて,これをこのまま見るだけでもかなり臨床実習が参加型になると思います。
120ページ。今度は学生の評価,ポートフォリオと言っておりますが,学生のいってみれば臨床実習手帳,手帳のサイズではないですが,手帳のイメージで,120ページからずっと,このままコピーすれば全国共通の臨床実習手帳ができるようなものを付けてあります。これは2年前に文科省の科研費を頂きまして,診療参加型臨床実習に関して報告書を書いたときに作ったもので,まだ浸透度がないということで,今度はコアカリに学習と評価の記録ということで取り込ませていただきました。
以上,ちょっと長くなりましたが,診療参加型臨床実習の充実ということで取り入れた点です。
6ページに戻っていただいて,時間がないので,あとは項目だけにしますが,地域包括ケアシステムが医療現場で使われておりますので,それの教育をしっかり行うと。
それから6番,腫瘍。がん対策基本法ができたこともあり,国民のニーズも腫瘍をしっかり学生に教えろということがあります。各臓器別のところにも腫瘍が書いてありますが,それを抜き書きして,腫瘍という項目を作りまして,そこに再掲ということで,腫瘍の学修を促すようにしております。
それから,7ページ。指導方略への言及。これは診療参加型臨床実習にまだ限られているんですが,カリキュラムといえばコンテンツだけでなくて方法や評価法も提示するのが本来のカリキュラムということで,今回はできる限り教育方法に関しても言及したいということで,幾つかのところで教育方法も書かれております。
それから8番,従来は教養教育とか準備教育ということで,医学コアカリの前のカリキュラムが準備教育モデル・コア・カリキュラムという形であったんですが,それをばらしまして,Cの領域の中に取り込んで,準備教育モデル・コア・カリキュラムはなくなりました。
その次,9番,これは先ほど言ったプロセス重視からアウトカム基盤型に変わったことで,今までGIO,SBOという単語,あるいは一般目標,到達目標ということで記されていたものを,「ねらい」と「学修目標」というふうに変えて,アウトカムを中心としてやっていただきたいと主張しました。
また,※印が付いていた部分は,CBTに出ない,あるいは4年生までには勉強しなくても,6年生までに学べばいい内容ということを主張していたんですが,あえてそういうものは決めなくて,各大学にお任せするということで,※印は削除しました。かといって全てがCBTの内容になるということではなく,またCBTの問題作成委員会の方でご検討いただければと思っております。
10番は,総量として膨大にならないようにスリム化を図りましたが,実際は1増1減ということで,小さくはなりませんでした。
11番,用語に関しては,国家試験並びに医学会の医学用語辞典を参考に,それに準拠して使っております。
それから12番,これが公になった暁には,このモデル・コア・カリキュラムは世界に誇るものですので,いろんな国に行けるよう,できるだけ速やかに英語化したいと思っています。
以上です。

【永井座長】  ありがとうございました。ここで医学専門研究委員会委員長の齋藤宣彦委員から補足説明,あるいはコメント等ございましたら御発言をお願いいたします。

【齋藤(宣)委員】  齋藤でございます。医学専門研究委員会委員長というのを拝命しておりますが,今回のコアカリ改訂のポイントを幾つかのキーワードで申し上げますと,1つはアウトカム・ベースド・エデュケーションである。日本語としては学習成果基盤型といいましょうか,教育であると。
それから各論的には,地域という言葉と腫瘍という言葉,その2つの言葉がかなり重く扱われたということ。この高齢問題は,前回の改訂のときに随分入っております。
それから,これもまた日本語はないんですが,Entrustable Professional Activitiesという,独り歩きできるかどうかというようなことになると思いますが,そういう視点に重きを置こうということ。
評価の点では,先ほど北村先生がおっしゃっていらしたように,Post clinical clerkship OSCE,つまり臨床実習を修了した段階での臨床能力の試験。これはイコール卒業試験であり,あるいは初期臨床研修を始めてもいいかどうかというレベルの試験になると思いますが,その4つがキーワードだと思います。
補足としては以上でございます。ありがとうございました。

【永井座長】  ありがとうございました。それでは,これから先ほどの北村委員の御説明について意見交換を行いたいと思います。ただ,本日御欠席の委員に対しましては,事務局から事前に資料を送付しておりますので,御欠席の委員から改訂案について御意見が寄せられておりましたら御紹介をお願いします。

【佐々木企画官】  本日時点では頂いておりません。

【永井座長】  ありがとうございます。それでは,各委員からの御発言に先立ちまして,福井委員,田中委員,羽鳥委員に最初に御発言いただきます。最初に,厚生労働省医師臨床研修制度の到達目標・評価の在り方に関するワーキンググループ座長を務めていらっしゃいます福井委員から御意見を伺いたいと思います。
よろしくお願いいたします。

【福井委員】  卒後臨床研修制度は,5年に1回見直すことになっていて,現在まで2回,見直しが行われました。これから3年半後には3回目の見直しが予定されていて,その時には到達目標を見直すことになっております。その到達目標見直しのためのワーキンググループで現在,話し合いが行われておりますが,北村先生から説明がございましたように,この資料1の13ページの医師として求められる基本的な資質と能力の部分につきまして,卒後臨床研修の到達目標とすり合わせをしながら進めておりまして,ほぼ同じものを提案しようと考えております。
9項目,特に2項目目から9項目目まではほぼ一言一句,同じでございますが,1番目のプロフェッショナリズムだけ,私たちの卒後臨床研修の到達目標案と異なっています。プロフェッショナリズムの定義が世界的に必ずしも一致していないためで,卒後臨床研修の方では1番目の項目には倫理性という内容を持ってきて,それ以外のいわゆるプロフェッショナリズム的な医師の行動指針は別個に基本的価値観という項目を設けることとしております。
次に,卒後臨床研修でもどちらかというと疾病を学んでほしいという作りになっておりましたけれども,今回のモデル・コア・カリキュラムとやや似ておりますが,症候からのアプローチにフォーカスを合わせた方がいいのではないかという意見もたくさんあり,私もそのように思っておりますので,症候からのアプローチに以前よりもフォーカスを合わせた形にすることを考えております。そのような意味で,このモデル・コア・カリキュラムとかなり整合性の取れた卒後臨床研修の到達目標になるのではないかと考えております。
全般的に北村先生が御説明されたこの内容は,以前のものと比べると随分,質がよくなって,内容も精緻になって,私はすごくいいものができつつあると思っております。
以上です。

【永井座長】  ありがとうございました。続きまして,日本医学教育学会の医学教育の一貫性委員会委員長を務めていらっしゃいます田中委員から御意見を頂きたいと思います。

【田中委員】  今,福井先生がおっしゃったプロフェッショナリズムの点がまだ卒前のコア・カリキュラムと卒後臨床研修の目標とで,表現上の問題もあるんですけれども,必ずしも十分に一致はできていないんですけれども,一貫性委員会ではさらにその後,専門教育や,隣に座っていらっしゃる羽鳥先生がお話しになられると思いますけど,生涯教育の部分まで視野に入れて,できれば共通の目標を設定して,我が国の医師の養成の在り方としてはこういうものを目指すんだというふうな形に持っていければということで委員会活動をしているところですけれども,今回,いろいろ議論が既に進んでいますので,最終的に積み残しの部分はあるかもしれないですけれども,そういった場合は,是非またその次の改訂のときにそれが生きるように,このコアカリの考え方ないしは改訂の概要という部分に既に少し記載がありますけれども,こういう部分については今後の検討課題であるというようなことを記載していただいたら,次の議論につながるのではないかと思います。
それから,もう一つは,これは個人的な意見なんですけれども,個人情報保護法が改正されて,いろんな臨床研究の指針とかの見直しも行われているという状況がありますので,コアカリでもどこまで踏み込むかは別ですけれども,遺伝学とかゲノム医療の専門家に意見を求めて,追加記載などを検討されてはどうでしょうかというのが個人的な意見です。
以上です。

【永井座長】  ありがとうございました。続きまして,日本医師会のお立場で,生涯教育に携わられ,日本専門医機構の理事でもいらっしゃいます羽鳥委員から御意見を頂きたいと思います。よろしくお願いします。

【羽鳥委員】  日本医師会の羽鳥です。
1ページ目の卒前・卒後の一貫性というところで,3行目のところぐらいですけども,卒前・卒後の一貫性で,卒前教育,国家試験,臨床研修,専門医,生涯教育とあるんですが,ほかが教育とか試験であるのに対して,専門医だけは資格を表す用語であって,少し何か言葉として一貫性がないのかなと,違和感がちょっとあり,全ての先生が専門医を持つということではないだろうと思います。いろいろな形で道を究めていく先生も多いわけでありますから,臨床だけではなくて,基礎系に進む,あるいは公衆衛生とか社会学に進む方もおられるでしょうし,それから臨床に行かれた方も必ずしも全部,専門医になるというわけでもないでしょうから,その辺,何か少し言葉の工夫があってもいいのかなとも思いました。
また,生涯教育については,後で触れる場があったら述べたいと思います。
以上です。

【永井座長】  ありがとうございました。それでは,ほかの委員の方々からも御意見を頂きたいと思います。山口委員,どうぞ。

【山口委員】  御説明どうもありがとうございました。考え方の1ページから始まるところの4ページの中で,4つほど意見がございます。
まず,国民の皆様へのお願いということを入れていただいたというのは私としてはとてもありがたい項目だなと思っております。前の2ページのところで,モデル・コア・カリキュラムとはという説明があるんですけれども,この国民の皆様へのお願いという文章があると,例えば大学でここだけ抜き出して,患者さんたちに何かペーパーとして渡すというようなことも考えられるんじゃないかと思ったときに,この3ページの途中から,1)のところの真ん中あたりにポツが出てくるんですけど,この「医学教育モデル・コア・カリキュラム」というのが,最初に出てくるところに何か印をして,注で,モデル・コア・カリキュラムとは何かということを書いていただいたら,ここだけ抜き書きをされてもいいんじゃないかなと思いました。
それから,共用試験に合格した学生のみ臨床実習に参加とあるんですけれども,今せっかくスチューデントドクターという称号が始まっていることからしますと,例えば名札にスチューデントドクターと書いて実習に出てくる大学もあると思いますので,こういう学生のことをスチューデントドクターと呼ぶんだということをここに入れていただいてもいいんじゃないかなというのが2つ目です。
それから,「臨床実習では,指導者が必ず同席」とあるんですけれども,やっぱり今でも実習生だということを患者さんにきちんと伝えていない大学があるように聞いています。ですので,こういったところに「必ず同席」だけじゃなくて,患者に学生である旨をきちんと紹介するということを書いていただくと,どの大学でも,ここに書いてあるから紹介しないといけないということがある程度一致するんじゃないかなと感じました。
そして最後ですけれども,4ページの最後のあたりでいいと思うんですけれども,できましたら生活者としての患者を理解する努力というような項目を入れていただきたい。病院にいる患者さんの姿しか分からないドクターたちが増えているように聞いておりますので,生活者である患者ということをやっぱり常に意識して理解していただきたいという,その思いをどこかに言葉として盛り込んでいただけたら,患者の立場としてはありがたいなと思います。
以上でございます。

【永井座長】  ありがとうございます。いかがでしょうか。南委員,どうぞ。

【南委員】  今,山口委員が御指摘になった点です。全文を読んだときに,「国民の皆様へのお願い」というのがこういう形でここに入ってくるということに,全くトーンの違うものが混じっている感じで違和感があります。それゆえ山口さんが今言われたような問題も多分あるんだと思いました。そこで,以下は全く1つのアイデアですが,この大部なものを国民の皆様がみんなお読みになるとはとても思えません。あくまで1と2は,教育を行う機関とか大学に向けて,関係者に読んでいただくということが前提で書かれているわけで,3から突然「です・ます」調になるというのもすごく違和感があるんですね。3のところは,「今回のモデル・コア・カリキュラムは,関係者だけではなくて,広く国民にも理解をしていただくものとする」というふうな一文で終えておいて,さらに書くなら,ついては各大学なり研究機関で一般の国民に向けた何らかの発信をすることが望ましい,というふうにでもしておく。そして,そのモデルとなる文章を巻末に提示するなりしてはいかがかなと。そうでもしないと,異質なものが並んでいることに違和感がありました。
その点,今,山口さんが言われたことと関係があると思うので。

【永井座長】  北村先生,いかがでしょうか。

【北村委員】  「国民の皆様へ」というのを気合いを持って書き過ぎたというか,一番いいたいことではあって,臨床実習をやる上で,国民の皆さんの理解がなければこういうものは全く成り立たないわけで,ここのどこかに書き込むことによって,先ほども言いましたが,例えば共用試験機構,それから全国医学部長病院長会議,さらには医師会,その他,文科省,厚生労働省と連名のポスターでも作っていただいて,それを全ての臨床実習病院の入り口に張って,理解をお願いするというようなことを考えたんですが,今,南委員もおっしゃったとおり,トーンが違うことは明らかですので,やっぱり特出しにして,ここのところはこのトーンで言って,国民に理解を得るような試みをするということで,その後,例示ということで,この文章を置いておくとかそういうふうにして,それを各大学がそのままコピーして使うということもできるような形で,特出しというか付録みたいにしていきたいと思います。

【永井座長】  いかがでしょうか。はい。

【山口委員】  特出しをしていただくとすれば,ポスターっていっぱい病院に張ってあるので,なかなかそれが患者の目に留まるということがないと思うんですね。なので,学生さんが対応する患者さんに,そこを特出ししたペーパーを渡していただくというようなことを書き込んでいただくことができるのであれば,きちんと個別に説明をするというようなことの方がしっかりとメッセージが届くんじゃないかと思いました。

【北村委員】  ありがとうございます。

【永井座長】  いかがでしょう。どうぞ,新井委員。

【新井委員】  全国医学部長病院長会議の新井でございます。大変すばらしい内容で感銘を受けました。特に何かを丸とかそういうことじゃなくて,基本的な資質や能力を求めると,そういったようなことで,こういったようなものが組まれたということは大変すばらしいと思います。
ただ,やはり診療参加型臨床実習が最終的に実効性を持つためには,医行為に対しての我々大学側の認識の共有化と,国民の皆さんにもその辺を十分に理解していただくことと,POST CC OSCEをいかに実効性を持って行うか,あるいは国家試験の内容はどうなるのかと,この辺が1つポイントになるのかなと思いました。
さらに言えば,卒前・卒後の一貫した教育ということで,ここまで卒前教育が充実してまいりますと,我々,全国医学部長病院長会議が述べておりますように,初期臨床研修制度のゼロベースの見直しといったようなことも十分に可能になってくるんじゃないかなと思っております。
今,初期臨床研修はどちらかというと内科を何か月とか救急医療を何か月とか,そんなような形で規制されておりますので,卒前とまさにシームレスな形でコンピテンシーをしっかり定めて,その上での制度設計というのが必要になっているんじゃないかなと感じました。
以上であります。

【永井座長】  ほかにいかがでしょうか。どうぞ,寺野委員。

【寺野委員】  何でもいいということなので,16ページから17ページ,あるいは21ページなんですけども,今,学生に教えなければいけない1つの重要なところが,医療の質と安全ということだと思うんですね。
その点はここに出ているので,僕が指摘するところはもうどこかにあるのかもしれないので,まだ読めていないのかもしれないので,そうであればお許しいただきたいんだけども,例えば17ページで,僕も時々,講義を学生に今もしているんですけど,医事法制度についての講義をしているんですが,例えば医師法というものに関しては,やっぱり学生はきちんと理解すべきだと思うんですね。これは全然,法律というのを嫌うんだけれども,医師法というのは,どうしても医師として理解しておかなきゃいけないことで,本当は暗記するぐらい覚えなきゃいけない法律だと思いますね。
そのほかに「罰則規定」と書いてあるんだけども,「罰則規定」というのはどうも表現として余りよろしくないと。基本的な法制度とかそういうことで,行政処分もいいし,民事だったら例えば不法行為とか,刑事だったら業務上過失というものにほとんど集約されるような問題ですから,最低限それぐらいのことが説明できるような教育が必要であると。それが医療安全ということの1つの核になると思いますね。それを何か表現してほしいと。
それからもう一つ,これは議論していただいて,入れるかどうかは考えてほしいんですが,薬害の問題というのがありまして,これは私が薬害性のC型肝炎の委員会の座長をやっていて,その中で膨大な資料を作ったんですけど,そのまとめの中でも,薬害等に関しては,医学教育の重要性というのがかなり強く指摘しているんですよね。だからそういうことを考えると,これは本当にこの中に入れられるのかどうか分かりませんけれども,その点は次回のときまでに御議論いただきたいと思いますね。
どこかに書いてあったらごめんなさいというところですけど,僕の読んだ範囲の中ではなかったので,指摘しておきます。

【北村委員】  よろしいですか。

【永井座長】  はい。北村委員。

【北村委員】  医師法に関しては,21ページに,B-1-8,「保健、医療、福祉と介護の制度」の6,小さくて申し訳ありません。「医師法,医療法などの関連法規を概説できる」ということに入っております。

【寺野委員】  それはいいですね。はい。

【北村委員】  それから70ページに,ちょっと違うかもしれませんが,F-2-7の「薬物治療の基本原理」というのでるる書かれております。その一番下,15「多剤投与,使用禁忌,特定条件下での薬物使用等について説明できる」ということが,広く考えれば薬害も入っているかなというところで,また私自身もすぐに分かりませんが,それから8番にも「主な薬物の有害事象を概説できる」というようなところで入っております。
もう一つは何でしたっけ。

【寺野委員】  表現の問題で,17ページの3のところで,「罰則規定」と書いてある。そこがね,表現の仕方を考えるということで……。

【北村委員】  分かりました。

【寺野委員】  いいですけど,薬害というのは必ずしも今言われたような副作用的なものだけじゃないんですよね。だからこれは一般の医療の質と安全の中に何らかの表現で入れておいた方がいいのではないかという意味です。

【北村委員】  分かりました。

【佐々木企画官】  座長,よろしいですか。

【永井座長】  どうぞ。

【佐々木企画官】  補足説明させていただきます。
前回,前回というのは6年前ですが,髙久先生におまとめいただいたときの現在のモデル・コア・カリキュラムのまさに最初のディスカッションが今の薬害のことでしたので,現在の記載を基本的には踏襲した形になっております。その上で,今の寺野委員の御指摘を踏まえて,改めて齋藤委員長,北村委員とも相談したいと思います。
また,法規・法律との関係で申しますと,資料1の168ページをごらんください。寺野先生御指摘のとおり,必ずしも全ての条文をというよりは,リーガルセンスをある程度持ってもらうきっかけという意味で,168ページ以降に,「医師」,「歯科医師」,またそれに類する言葉が条文上,出てくるものをリスト化しております。また,その条文がどういうものかということも別途整理しておりますので,今の寺野委員の御指摘を踏まえて,必要であれば各大学への周知等を図りたいと思います。
補足は以上です。

【寺野委員】  全部これ,読めなんて,僕も読んでいないし,そんなの分かるわけないので,一番基本的なところなので,何か別のところでちょっと教育しておいた方がいいかなと。

【佐々木企画官】  そうですね。メリハリの付け方も含めて調整したいと思います。

【永井座長】  どうぞ。

【内木委員】  内木です。よろしくお願いいたします。
76ページに関して質問いたしたいんですが,北村先生,それから齋藤先生,両先生とも非常に強調されたEPAという概念で,独り立ちしているかどうかということを見る1つの指標でもあるし,あるいはこれが診療参加型臨床実習の1つの指針にもなるということでプレゼンされたと思います。
一方で,今回は学修目標だけではなくて,教育方略も一部に取り入れるということをおっしゃったと思うんですが,例えばこの76ページ,並んでいるものを見ますと,1,2,3ぐらいは非常に医学生なら誰でもやるべき,やれるべきことだと思うんですが,例えば10,11になってきますと,場合によってはもう学生では絶対できないような高度なレベルのことが要求されていると思いますし,インフォームド・コンセントもここ一番のインフォームド・コンセントは学生では多分,取れないのではないかと思ったりするんですが,このあたりのガイドラインといいますか,それを丁寧にどこまで示されるおつもりか,あるいは問題提起して,あとは各大学,各科で判断に委ねるのか,その辺に関していかがでしょうか。

【北村委員】  よろしいでしょうか。

【永井座長】  どうぞ。

【北村委員】  EPAに関しては,先ほども申し上げましたとおり,付け焼き刃的なので,十分には議論はされておりませんが,この上の方に書いてある卒業生は,翌日は臨床研修医の初日になります。したがって臨床研修医の初日の人ができなければいけないことというイメージで書いています。
したがって,10番の緊急性の高い患者さん,例えば病院の廊下でぱたっと倒れた,あるいは「急変です」と呼ばれたときに,何か分からなくても最低限やることは,医師としての1日目だから,それは必要だろうと。もちろん救急医療の専門家がやるほどの高度なことは期待していません。
それから,インフォームド・コンセントに関しても,大きなオペのインフォームド・コンセント等は考えておりません。「明日,内視鏡の検査をしますよ」というような程度のインフォームド・コンセント,あるいは概念だけですけども,患者の納得のない限り検査もできないというようなことは理解してほしいというようなことです。
ただ,具体的なことに関しては,やっぱり現場の各大学にお任せするところが必要とは思いますが,ただこの1から13まで書きっ放しというわけにもいかないので,何らかの解説を付ける,あるいはPOST CC OSCEの委員会で付けていただけたらなと思っております。

【永井座長】  よろしいでしょうか。福井委員,どうぞ。

【福井委員】  見逃しているかも分かりませんけれども,予防医療は扱われているんでしょうか。今後ますます重要性を増してくるテーマの1つだと思いますので,どこかに言葉だけでも出ているといいと思います。

【永井座長】  ほかにいかがでしょうか。羽鳥委員,続いて田中委員。

【羽鳥委員】  医学教育では,日本の社会保障のしくみと他の国の社会保障制度比較を一項目として扱いますが,学生のモデル・コア・カリキュラムの中でもあってもいいのかなとも感じますので,他国との保険制度の医療制度の比較概説があればよいと思います。

【北村委員】  よろしいでしょうか。まず19ページの一番下に「疫学と予防医学」というのがあって,十分ではないですが,その4番に予防医学一次,二次,三次等々が記載されています。
それから,今の点に関しては,同じ20ページの一番下,「保健,医療,福祉と介護の制度」というところで,各国の比較までは書いてはありませんが,制度に対する理解を求めるとなっております。

【永井座長】  はい,髙久先生,どうぞ。

【髙久オブザーバー】  オブザーバーで発言して悪いのですが,北村先生,齋藤先生の御尽力で,この改訂は非常によくできていると思います。15ページの「学習の在り方」の目標の4番目の,「後輩等への適切な指導が実践できる」に関しては,実は,個人的な話ですが,自治医大で教務委員長をしていましたときに,上級生に下級生に教えろと言いましたら,私は教えてもらいに来たので教える必要はない,なんて変なことを言う学生がいたものですから,ここにはっきり書いていただいて,どうもありがとうございました。

【永井座長】  ありがとうございます。田中委員,どうぞ。

【田中委員】  125ページに,臨床実習の到達目標というののログブックみたいなのがあるんですけれども,1と5のどっちが高い評価なのかちょっと分からないんですけれども,それはともかくとして,こういったものを何か全国集計できるような何かオンラインシステムとかを構築して,到達目標の妥当性の評価を行うとかそういうプランはあるんでしょうか。

【北村委員】  ありがたい御質問をありがとうございます。是非作っていただきたいと思っております。
関連して,こういうものをなぜ提示するかということは,ちょっと追加させていただきます。ある一定の基準のこういうログブックを用意すれば,どこの大学を出た人も研修でシャッフルされたときにどういう経験をしてきたか,あるいはどういう指導を受けてきたかが分かります。これを基に,例えば研修医の採用試験に臨むとか,あるいはこれにさらに研修で経験した症例を足していくとかすると,人生のログブックができてきます。
そうすると今度は専門医のときの採用試験に,学生時代,研修時代のログを見ながら選ぶと。さらにパーマネントなポジションに行くときに,どういう臨床経験,実習を持ったかということが分かるような,もちろんその頃は電子データになるとは思いますけれども,そういうものを医師一人一人が自分のキャリアとして持てる,そういう時代が来ると,平成28年のあれはよかったと言われるかなという,そういう遠くを見たものでもあります。

【永井座長】  よろしいでしょうか。ほかにいかがでしょうか。南委員,どうぞ。

【南委員】  済みません。かなり素人的な提案です。新聞社におりますと,一般の国民の関心事に触れる機会が多いことから申し上げるんですが,どこにどういうふうに入れたらいいということはちょっと分からないんですけれども,今,多くの方がかなり体の具合と相関して困っておられるのが,食生活にかかわること,栄養とか食べ方とか,といった問題だと思います。
御存じのとおり「低糖質食」というものが話題で果たしていいのか悪いのか,基本的なことだけでも医学の専門家の御意見も分かれています。また活性酸素などのことは,一般の間でかなり議論がありまして,一般の人の多くがは病気と栄養,食事ということについて,医師の指導というのを必要としている人は非常に多いんですけれども,残念ながら医学教育の中での臨床栄養学というべきものが欠落していないか,ということです。これまで医学教育の専門家の方々とも何度かこういう議論をしたことがあるんですが,臨床栄養学というのは,私が聞いた話では,講座としては国立大学で徳島大学にあるのみだということです。国立大学医学部で栄養学を担当しておられる先生から,この領域は日本は極めて後れていると伺いました。減塩の政策なども,非常にうまくいったと言われているけれども,実態はそうではないという話もあります。代謝のところとか,いろんなところに食事と栄養のことは書かれてはいるんです。ですけれども,臨床の場での患者さんへの栄養の指導とか,それから福井先生が先ほど言われたような予防と食生活のことなど,そういうことは,やはりどこかに入れていただきたいなという思いがします。

【永井座長】  いかがでしょうか。

【北村委員】  おっしゃるとおりだと思います。一応,20ページにはちょっと書いてあって,B-1-5,「栄養,食生活,身体活動,運動について説明できる」と,こんなちょっとで申し訳ないんですが。
南先生のおっしゃるとおり,もっと広く言えば患者教育というようなことも医師の責務であるというようなことをどこかに匂わせたいなとは思います。
もう一つは,チーム医療という概念があって,管理栄養士ともチームを当然作って,チームの中に管理栄養士が入り,そういうことを行うんだということも教えたいなと思っています。
また検討させていただきます。

【永井座長】  よろしいでしょうか。市川先生,どうぞ。

【市川参考人】  モデル・コア・カリキュラムと,それから各大学の独自教育というか,それがここでいうと3分の2と3分の1という設定をされて,多分こういう設定は医学では初めてかもしれない。薬学の場合,70%と30%という設定をしたんです。
それで一番,何が問題になってきたかというと,実際にやってきたときに,30%のところのいわゆる独自教育というもののある意味で質的なもの,それから実際に目指すモデル・コアとの関連との間で,必ずしもそれがうまく動いていないというのが近頃,大きな反省点になっていて,一応,私たちはアドバンス科目というような言い方をして,実際,モデル・コアのアドバンスのところはその30%でやりましょうというような打ち合わせはしたんだけれども,各大学で結局,何になっちゃったかというと,国家試験のための何かが入り込んできちゃった。
薬学の場合,ちょっといろんな問題があって,それは私学が非常に多いということももちろん1つあるけど,そういうことになってしまって,なかなか充実できないというのがあるんです。
それで今,ここでちょっとお尋ねしたいのが,その辺のところに関しては何かいいアイデアが出たら,私たちも非常に助かるんだけどもという,変な質問で申し訳ございません。

【永井座長】  独自の教育の部分ですね。

【市川参考人】  そうです。

【永井座長】  そこをどう考えているか。

【北村委員】  御質問ありがとうございましたというか,鋭い質問,たじたじです。おっしゃるとおりです。
やはり国家試験に通ることが重要だということで,これ以外に,特に6年生の後半,国家試験対策といわれるような教育をされている大学が結構あります。またそうでなくて,これ以外に自治医科大学のように成績のよい人は地域でずっと臨床実習をやってもいいというような独自のプログラムがあったり,あるいはここには実はあんまり書いていないんですが,多くの大学,例えば一番長いのは東京医科歯科大学が半年間,研究をやるんですね。実験室に行って。そういうようなことはコアカリには入っていません。だからそういうようなことを足していくと,3分の1までは行かないにしても,結構,各大学で独自のプログラムを作っていらっしゃると思います。
市川先生も御存じのように,ようやくJACMEという医学教育の認証システムができましたので,そこの認証のところでこの残り3分の1をどういう活用をしているかを評価していただければいいかなと思っております。

【永井座長】  北村先生,その独自のカリキュラムというのはどこかで見える化されているのですか。

【北村委員】  ほとんどされていません。

【永井座長】  そういうのも1つこれから取り組んでもよい課題かと思いますが。
寺野委員,どうぞ。
【寺野委員】  どこかに書いてあるんだと思うんですけど,ちょっと読めないので,質問というか要望なんですけど,2ページに3つのポリシー,先ほどのJACMEの話が出ていますけども,いわゆる国際性という観点で,このモデル・コアはどういうスタンスを取るのかということで,2ページに書いてあるからいいのかもしれないけど,医学英語というか,語学教育的なものを何らかの表現にした方がいいんじゃないか。
今やっぱりそれだけの国際化のために一番重要なところが,日本人の欠けているところなので,表現としては抽象的になると思うんですけど,国際性というのは今から北村先生が行くところだけでやるわけじゃないわけで,やっぱり全体に通じるような,そういう国際性というのを出した方がいいのではないか。独占しないようにして。

【永井座長】  いかがでしょうか。

【北村委員】  17ページ,A-7-2ですね。社会における医療の実践の一部として,国際医療への貢献ということで,「患者の文化背景を尊重し,異なる言語に対応することができる」と,あっさりですけども,国際医療はいろいろ考えております。特に5番の国際協力も積極的に出ていってほしいというようなことは書かれております。
ただ,これ以上に全ての大学で最近,英語教育もされているので,また書きぶりを考えたいと思います。

【永井座長】  邉見委員,どうぞ。

【邉見委員】  今の件に関係してですけれども,このモデル・コアの後の先ほどの資料の京都大学なんですけれども,やっぱりネパール,ブータン,今の国際協力など学生も,外科のチームが主なんですけれども,学生やナースも行っております。チーム医療,国際協力,それから独自教育という感じだと思います。

【永井座長】  ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。
まだおありかもしれませんが,時間の関係で,医学教育についてはここまでといたしまして,また後ほど御意見をお寄せいただければと思いますが,この後,歯学教育について御議論いただいて,最後にもう一度,全体を通じて御議論いただきたいと思います。
では,続いて歯学教育モデル・コア・カリキュラムの改訂案につきまして,調査研究チームリーダーの嶋田委員から,15分ほどで御説明をお願いいたします。

【嶋田委員】  チームリーダーの嶋田と申します。よろしくお願いします。
資料のまず2-1をごらんください。
まず1ページの方は,調査研究チームの実施体制を記載しております。
2ページから今回の概要について記載いたしました。最初は,これまでの検討状況であります。
そして,先ほど北村先生がおっしゃられましたけれども,「多様なニーズに対応できる医師又は歯科医師の養成」という共通のキャッチフレーズで,社会のニーズに対応できる実践的な臨床能力を有する歯科医師を養成するということとなりました。
それから,4ページに移ります。基本理念と背景ということで,これは改訂の概要とか考え方から抜き取って記載しています。多様なニーズに対応できるということで,学生が卒業までに修得し,身に付けるべき実践的能力を明確にしたと。そしてそれを客観的に評価できるように,できるだけ項目を示したということです。
それから,今,問題になっています卒前教育,歯科医師国家試験,卒後臨床研修,それから歯科医師会とかの生涯研究,生涯研修といったところをできるだけ一貫性,シームレスな教育を見据えて改訂に臨んだということであります。
それから,求められる基本的な資質と能力。これは歯科医師も医師も同じ医療人ということで,共有すべき価値観を医学教育とできるだけ共通に盛り込んだということであります。
そして概要を御説明します。医学教育と共通するところは医学モデル・コア・カリキュラムとできるだけ共有を行ったということ。例えば先ほど申しました求められる基本的な資質と能力。これは後で簡単に説明しますけれども,ほとんど同じような文章,9つのものをやったということであります。
それから,高齢社会の対応ということで,様々なことに対応できるようにしました。
それと目標の整理ということで,医科と同様に,一般目標と到達目標を,「ねらい」と「学修目標」に変更してあります。
そして,臨床実習に入るまでに我々,歯科医師の指導医と学生が相互実習とか模型実習とかシミュレーション実習を行いますので,その学修目標を新設しました。
そしてできるだけ総量のスリム化と。モデル・コア・カリキュラムは非常にボリュームが多くて教えられないという意見もありましたので,できる限りスリム化を行いました。
次のページに参ります。概要の2番目として,今までの教養教育と準備教育の関係を整理して,今回,準備教育をなくして,本体に盛り込んだということです。それから,医学教育の場合と歯学教育の場合では,アスタリスクの意味が今まで違っておりました。歯学教育の場合は,アスタリスクは共用試験実施期,臨床実習に入るまでに学ぶべき項目で,アスタリスクが入っていないものは臨床実習後と最中に学ぶ項目ということでしたが,紛らわしいということで,医学教育とともに廃止したということであります。
それから,今年は歯科医師国家試験出題基準の改定とちょうど同じ年でありましたので,それともできるだけの整合性を図っています。そして今後行われる臨床研修の到達目標ともできるだけ整合性を図る上で行いました。
それから,歯学の学生が非常に多くの用語を学ぶというのは,非常に負担がありますが,これは学会とか国家試験とか,様々な用語がところどころ統一されていないということがありましたので,できるだけ整理を行うこととしました。
そして今後,モデル・コア・カリキュラムをグローバルなものにするために,世界への発信と。これは来年度の目標ということで,英語にして国際的なところで出せるようにするということであります。
モデル・コア・カリキュラムの構成につきましては,ここの記載のとおりで,A,B,C,D,E,F,Gということで,最後に臨床実習の内容と分類ということで,今までのものはその後に準備教育というものがありましたけども,それをなくして,本体に幾つか取り込んだということであります。
それで,まずA,5ページに参ります。歯科医師として求められる基本的な資質と能力。ここはほとんどの場合,医学教育と共通にいたしました。一部,歯科医療とか歯科医師とか歯科医学とか,部分的に異なる部分がありますけれども,ほとんど共通の項目になりました。
そして,資質だけじゃなく「能力」を加えたというのは,医学教育と同じであります。これまでここのAの部分は「基本事項」となっていましたが,それを歯科医師として求められる基本的な資質と能力の9項目の下に「ねらい」と「学修目標」を定めて改訂したということです。
具体的には,下の欄ですけれども,倫理,医療安全,チーム医療,特に倫理については医療倫理の倫理,研究倫理,それからいろいろな情報に関する管理の倫理,そういったことも一文としてできるだけ入れています。
それから,研究マインドというのは,22年度改訂のときにも記載がありましたけども,ここを見直したということであります。
それから,チーム医療ということで,多くの医療従事者との連携,それから地域での医療,福祉,介護,地域包括ケアシステムにおける歯科医師の役割をどのように盛り込むかということで,A,Bを中心に盛り込むようにしました。臨床実習のGにも盛り込むようにしました。
ここのA項目が今回は少し増えました。そしてBの社会と歯学というところは,いろいろな法律,それから社会保障,こういったことが変わりましたので,そういった変遷に対応しました。
それから,地域包括ケアシステムも加えてあります。
それから,前回は個人識別ということ,死因究明,虐待のうち,個人識別と虐待について少し加わったんですけれども,こういった個人識別というのは,立法関係者の意見を少しお聞きしまして,学修目標として「歯科医師による身元確認や関連する死因究明等の制度を説明できる」という記載を20ページの方に記載しておきました。
そして,Cの生命科学と。これは我々は歯科医師として,高齢社会でいろいろな患者さんを見るわけですけども,そこでいろいろな全身疾患,いわゆる医科疾患を体験します。医科疾患を持った患者さんを歯科治療するということで,全身疾患と口腔との関係を,医科疾患を学ぶ上で,この基礎のところで理解ができるように,そういった項目の内容の充実を図りました。
それから,臨床歯学と重複すべきところは重複して,重点的に記載を行ったということです。
それから,Dというのは,いろいろな歯科に関係する医療機器,材料であります。これは旧薬事法,医薬品,医療機器の品質,有効性,安全性の確保に関する法律を意識して,歯科用の医療機器の所要説明,所要性質を明示して検討いたしました。
それから,7ページに参ります。ここが少し重点的なことでありますけれども,先ほど申し上げました超高齢社会を迎え,いろいろ合併する全身疾患を理解する必要があるということで,医師と連携するために必要な医学知識として,代表的な医科疾患を記載して,内容も医科と合同で検討しました。北村先生のチームと御相談して,41ページに記載しております。これについてはまだ数が多いですから,今後,検討が必要かと思っております。
それから,先ほども申しました臨床実習前に行うべきシミュレーション実習として新設したFに参ります。ここは診療参加型臨床実習をする前に,お互いに実習を行ったり模型実習を行ったりシミュレーションを行うということで新設し,こういったところから共用試験実施機構で行われているOSCEの項目を,これも決定するのじゃないかと考えられます。
8ページに参ります。ここは診療参加型臨床実習ということで,以前はアイテムベースで細かい記載がありましたが,今回は英語化するということも含めて,少しコンピテンスベースで大まかに記載をしました。全体としては,診療の基本,基本的な診察法,基本的臨床技能,チーム医療,地域医療,患者中心の医療で構成しています。
基本については,診断や治療計画,医療安全,感染,そういった項目を挙げております。Cのところで挙げておりますけれども,ここでも再度挙げております。
それからチーム医療,地域医療,病診連携,多職種連携,訪問歯科診療も含めた訪問診療,地域包括ケアなどの項目も,A,Bの領域にも記載がありましたけども,臨床実習でもキーワードとして盛り込んでおります。
前回の改訂では水準表というものがありましたが,今回,「臨床実習の内容と分類」と改めて,臨床実習の項目に合わせて,臨床実習のときに指導者の下で実践をすることが望まれると。なかなかいろいろな歯科大学の事情によってできない,また最近の社会情勢でやりにくいような診療についてはシミュレーションで補完すると。それから指導者の下の介助をすると。指導者の下で見学・体験することが望ましいというふうに,4つの項目で作っております。これはまだ完成はしておりません。いろいろな御意見を伺いまして,よりシンプル化する予定です。
そして,準備教育ということで,非常に多くの準備教育の項目が185項目ありましたけども,その一部をA,B,Cの中に組み込んで行っております。
そして最後にポンチ絵であります。これはちょっと見にくいので,この後,説明をさせていただきます。
次に,資料2-2をごらんください。
まず1ページにカリキュラムの考え方,これをピックアップしまして, 4ページに南委員から御指摘いただきました「国民の皆様へのお願い」というのが同じく入っております。これも検討の余地があるかと思いますので,ここに入っていることをお知らせします。
それから,6ページからは改訂の概要です。先ほど申したことでありますので,ごらんいただければと思います。
11ページはポンチ絵です。多様なニーズに対応できる歯科医師の養成ということで,Aを基に社会と歯学,生命歯学,Bの歯科用医療基金,臨床実習歯学,総合シミュレーション実習というものがありまして,OSCE,CBTがその右側の柱であり,その後,診療参加型臨床実習に行くということであります。こういったポンチ絵を今回は作っております。
12ページからは本体になりますけども,まず12ページは基本的な資質と能力で,これは医学教育のモデル・コア・カリキュラムとほぼ同じです。13ページからは,それに基づいた「ねらい」と「学修目標」で,歯科の独自のものと医科のもの,同時に,医科のものは医科のもので入っていますけれども,歯科に特徴的なものも加わっております。ここにいろいろな項目が9つにわたって,生涯にわたって学ぶ姿勢まで入っております。
19ページのBの社会と歯学も少し項目を加えております。いろいろな医療保険制度,歯科医師の法律,地域包括ケアシステムなどの記載があります。
20ページは,先ほど申しました個人識別,身元確認といったようなもの。
それからB-3に予防ということで,予防の概念,歯科疾患の予防を記載しております。
21ページは疫学統計ということで,準備教育の統計学的なこともここに少し加わっています。
22ページからは,先ほども申しました基礎医学という,生命科学ということで,準備教育の自然科学の項目をC-1-1,1-2というところで盛り込んであります。
あとは従来のものにいろいろ加わっております。28ページ,29ページ,ここのところに薬害というか薬物の副作用,有害作用というのが加わっています。
30ページからは,歯科独自の医療機器に関することで,旧薬事法を意識したもので少し記載があります。
31ページからは臨床歯学ということで,特に41ページをごらんください。E-6,医師と連携するための必要な医学的知識,ここが今まではありませんでした。ここの考え方としては,まず歯科医師がコモン・ディジーズとしてよく体験するような医科疾患,これを北村先生ほか,医学のチームの方と御相談して,載せてあります。
そしてもう一つは,歯科医療の処置に絶対知っておかなきゃならない出血傾向も含めたものもやる。だからコモン・ディジーズと歯科の処置両方に関係するものもここに記載がありますけれども,まだこの疾患名が非常に多いので,これは国家試験も含めたものと整合性を取る必要があると考えております。
それから,42ページからはシミュレーション実習ということで,ごらんいただければと思います。
46ページから,コンピテンシーベースで臨床実習というものは記載があり,48,49ページがこの臨床実習の内容と分類ということで,ここはまだかなり検討しなきゃいけないんですけれども,実際の基本と診察法と臨床技能,チーム医療を基に,先ほど申しましたローマ数字で1,2,3,4にわたって記載しております。
以上,簡単ですけれども,説明とさせていただきました。

【永井座長】  ありがとうございました。それでは,ただいまの嶋田委員の御説明に御質問,御意見をお願いいたします。はい,どうぞ。

【井出委員】  嶋田委員の下でよくまとめていただいているんじゃないかなと思っておりますが,臨床実習の内容と分類,まだ恐らく途中で,なかなかここが一番大変なところだと思いますが,歯科の場合,どうしても不可逆的な治療が入ってきますよね。
そのところで,例えば4のところで,「指導者のもとで見学・体験することが望ましい」というところと,それから1番目の「指導者のもと実践する」と,それで次のところは「シミュレーション等で補完する」というのがありますよね。特に一番,恐らく大変なのは,下の基本的な臨床技能で,クラウンの支台形成というところがありますよね。これがなかなかシミュレーションじゃないこの治験でやれというところ,ここが難しいのかなというところと,それから逆に口臭検査とか金属アレルギーの検査等は,別にこんな,こんなのはということはあれかもしれませんけれども,こちらの方が逆に必ずやっているうちにできるんじゃないかと。この辺のがもうちょっと細かくやれるところは分類を検討していただければありがたいのかなと思いますけど。

【嶋田委員】  どうも御質問ありがとうございました。まさしくそういったところを議論の途中であります。これは11月10日に,1週間近く前にやっとこれが完成いたしまして,まだまだ例えばここに記載のあるような検査を本当にやれるのであろうか。いろいろな大学で臨床実習で,こういったいろいろな検査が記載されていますけど,本当にこういった記載が全部必要なのかどうか。
それから,やはりシミュレーションも含めた1と2の分け方,これはやはり議論が非常にあると思います。先生がおっしゃったように,いろんな考え方がありますので,ここは慎重に,これは親委員会の専門研究委員会で検討中でありまして,それに基づいてこの調査研究チームが今ここに提出させていただいたので。
以上です。

【井出委員】  ありがとうございます。もう一つよろしいですか。

【永井座長】  どうぞ。

【井出委員】  医科の方のポンチ絵はPCC OSCEになっておりますよね。それでこの歯科のところは診療参加型実習後の態度・技能評価と,ここだけちょっと変えてありますが,それは何か理由が。

【嶋田委員】  それはまだ歯科の場合は,診療参加型の臨床実習の態度と技能の評価という言葉が,国家試験の厚生労働省の3月18日の報告のところでもそういう記載にしました。
PCC OSCEとかそういうことはまだ実際やっておりませんし,決まっておりません。ただ,診療参加型の臨床実習を態度と技能を評価するべきだろうということもありますので,こういった言葉に直して記載してあります。アドバンスOSCEとかPCC OSCEとかいろんな言葉はありますけれども,まだ全国の大学でそれをするというのも決まっておりませんし,そういった言葉を書き込むこと自体,今回は避けたということであります。

【井出委員】  ありがとうございます。

【永井座長】  よろしいでしょうか。斎藤委員。

【斎藤(隆)委員】  先ほどの「臨床実習の内容と分類」,以前の水準表のところですけれども,もちろん今後,精査,厳選する必要があると思うんですが,先ほどもありましたが,「自験を求めるもの」というような表現がここで初めて出てきます。やはりこれは大学によって考え方がまちまちなところがあったのを,江藤先生が座長をされております「歯学教育の改善・充実に関する調査研究協力者会議」のフォローアップ小委員会で「自験」の定義というのをしっかりと定めています。私もこの調査研究チームのメンバーで,今,気付いたので申し訳ないんですけれども,自験の定義の部分もこのカリキュラムの中に盛り込んだ方がいいんじゃないかと思いました。

【嶋田委員】  どうもありがとうございます。これはきょう欠席されている歯学専門研究委員会の前田委員長の下でこれを作られているので,本来は前田委員長が回答すべきですけれども,調査研究チームでも議論がいろいろありました。各大学によって,この1,2,3,4のこともいろいろありますので,この表現をどうするか。
以前は水準1とか水準2といった記載がありましたが,その「水準」という言葉が余り望ましくないという議論がありまして,一方で「卒前」,「卒後」,「生涯教育」という言葉の書き方も望ましくないということで,今回はこういった言葉の内容で提出させていただきました。中間報告も含めていろんな御意見を伺い,最終的な表現にしたいと思っています。

【永井座長】  よろしいでしょうか。関本委員,どうぞ。

【関本委員】  A項目ですけれども,これはコンピテンシーということで,医科と共通の項目ということで9つ挙げておられます。
14ページのA-3を見ていただくと,「診療技能と患者ケア」というタイトルが付いています。それでその下の文章には,途中から読みますけれども,「また患者の苦痛や不安感に配慮しながら,診療を実践する」と書いてあるんですね。
ところが「ねらい」を見ると,医療面接の基本的な能力だけに特化して,ここしか書かれていないんですね。学修目標についても,医療面接のことだけになっていますので,これは医科の方を見ると,様々な診療技能が含まれておりますので,その辺はここには入れないと,何か非常に片手落ちのような気がいたしました。
それから同様に,コミュニケーション能力,A-4ですけれども,これは「ねらい」が「コミュニケーションの重要性を理解し,その能力を身につける」となっているんですが,学修目標を見ますと,「技法を説明できる」とか「コミュニケーションの条件を説明できる」ということで,重要性は理解できると思うんですけど,コミュニケーション能力自体は学修目標に全く挙がっていませんので,この辺も医科と同様に入れておく必要があるだろうと思いました。
それからもう一点,言葉の問題で非常に恐縮ですが,6月の専門研究委員会でもお願いしましたが,このFの「相互演習(実習),模型実習,シミュレーション実習」と横並びといいますか同格になっているんですが,相互演習,模型実習はシミュレーション実習の1つですので,この本文を見ますと,「シミュレーション実習(相互演習・模型実習)」と書かれていますので,Fのタイトルも,細かいことですが,用語的な問題でちゃんとしておいた方がいいかなと思いますので,本文と同じようにシミュレーションで括弧の中に入れるなら入れるという形の方が学生としては分かりやすいと思いました。
以上です。

【永井座長】  いかがですか。

【嶋田委員】  関本先生,どうもありがとうございました。A-3とコミュニケーションのA-4のことは,御指摘のように直させていただきたいと思います。ありがとうございました。

【永井座長】  では,俣木委員。

【俣木委員】  まとめていただきましてありがとうございます。先ほども挙がっていたと思いますけども,E-6の代表的医科的疾患の2のところでございますが,これからまた整理されるということですが,余りにも疾患名が多過ぎるのではないでしょうか。現在,学生の教育でも取り上げられております誤嚥性肺炎が現在この段階では入っていないということもありますので,頻繁に遭遇する疾患を中心に提案をするような形で,北村先生以下,医科の先生方のお助けを借りながら,もう少し整理をされてはいかがでしょうか。
よろしくお願いいたします。

【嶋田委員】  どうもありがとうございました。本当にこの疾患名がどんどん多くなって,北村先生とお話ししたとき,これぐらいは歯科は知っておいてほしいとおっしゃったので,いろいろここに記載をさせていただいているんですけど,歯科医師国家試験でもこの疾患名を記載するところがあるので,これとどういうふうに整合性を取ってやっていくかというのが議論です。
確かに誤嚥性肺炎というのは非常に重要な項目でありますので,呼吸器疾患の中にそれを入れさせていただければと思っております。ありがとうございました。

【永井座長】  齋藤委員,どうぞ。

【齋藤(宣)委員】  医科の方から申し上げますと,やはりここはもう少し歯科の先生方と相談して,詰めていく必要があるだろうと思っています。
実はあんまり言いたくないんですけど,医科の方の56ページをごらんください。上から2行目の9というのがあるんです。「う歯・歯周病とその全身への影響を概説できる」。医科の方にある歯の部分ってこれしかないんですよ。
ですから,これからはやはり今後のプロセスの中で御相談に乗っていただいて,両方のいいところ,落としどころを持って。というのは,医科の方の卒前教育で,歯科の先生にどのくらい来ていただいているかというと,あんまりいらしてくださっていないわけですよね。だからもっと相互乗り入れ的にこれから進めていくべきであろうというところで,歯科の先生の御意見を賜りたいと思います。

【永井座長】  邉見委員,どうぞ。

【邉見委員】  全く同感です。先日,『医者は口を診ない,歯医者は口しか診ない』という本を読みました。それを見ますと,やっぱり今までの教育はちょっとおかしいんじゃないかと。
私は皮膚科とか眼科と同じように,本当は歯科も医学部の中にあってもいいんじゃないかと中医協の委員のときに思ったんですけどね。診療報酬のことやらいろいろ勉強しているときにそう思いました。
そして,これからは社会の要求が医科,歯科そんなに分けられないと思います。高齢者が増えてくる。地域包括ケアシステム,あるいは在宅医療。在宅医療の中心は,口に関係すると思うんです。大きな処置,手術はできませんから,栄養か内服薬が中心になりますから,口を知らずして在宅医療はできないと思いますので,この方向で是非どんどん進めていってほしいと思います。

【永井座長】  ありがとうございます。山口委員,どうぞ。

【山口委員】  先ほど井出委員の御質問の中にあって,私もこのポンチ絵のところが少し引っ掛かったんですけれども,模擬患者の活動をしているという立場も含めてですけれど,今回,可能な限り医科と歯科で合わせられるところは合わせるということを努力してこられたということをかなり強調されていると思います。
そういうことからいいますと,この診療参加型臨床実習修了時の態度・技能評価ということがポンチ絵の中に書いてあるということは,例えば今,歯学部全体で決まってはいないけれども,実際に各大学独自にでもこの評価は必ずやっていくということで読み取っていいのか,それとも近々,総意としてやっていくという方向性で歯科の中で考えておられるのか,そのあたりをちょっと聞かせてください。
特に技能・態度ということでいいますと,合わせられることじゃないかなと思います。特にOSCEは,実際に同じ年に義務化されているということからすると,もう歴史的にOSCEをやってきたというのは同じ歩みをされているんじゃ……。

【井出委員】  現実的に歯科は逆にもう前から,OSCEという名前はないんだけれども,技能と態度は必ず試験をやって,それで各大学ではやっていることはきちんとやっておりますね。

【山口委員】  今の共用試験はそうですけれども,この修了時と。

【井出委員】  修了時にやっています。必ず,だから変な話,知識の部分と,それから技能と態度と別の,全部の大学かは知りませんよ,そういう別立てで必ず試験は行って,それで卒業ということにさせていますので,それはもう既に行っております。

【山口委員】  全大学でですか?

【井出委員】  全大学に関しては分かりません。

【永井座長】  江藤委員,どうぞ。

【江藤委員】  Post clinical clerkship OSCEにつきましては,これは医学も歯学も同時に検討しております。それで医学の方は,2020年から正式にし,歯学の方も2020年を目標に今,検討しているという段階です。
これの理由は,医学も歯学も国家試験に実技がないということを,これは国家試験の改善検討委員会の報告書で,医学は昨年,歯学は本年,そういう指摘がございましたので,そういった制度を導入しようというところでございます。

【永井座長】  よろしいでしょうか。ほかに御意見,いかがでしょう。羽鳥委員,どうぞ。

【羽鳥委員】  今のポンチ絵のことですけども,医科の場合は,12ページにありますように医師の専門教育が靴形になって高学年になるほど増加していますが,歯科の場合は同じようなポンチ絵にはならないのでしょうか。

【嶋田委員】  これは検討の余地はあると思いますけれども,独自にこのポンチ絵を考えていった経過もあり,なかなかポンチ絵を合わせるという議論がなかったもので。

【羽鳥委員】  というか,臨床が少しずつ入ってくるということをイメージするなら,やはりくさび形になるのが。

【嶋田委員】  早期見学実習とかいろんなところでくさび形で入ってきます。だから斜めにこうなっていくという形は十分,考えられています。最終的にそういった項目も含めて,合わせられるところは合わせた方が見やすいかと思っております。

【永井座長】  よろしいでしょうか。南委員,どうぞ。

【南委員】  先ほど邉見委員や齋藤委員が言われたことと重なることです。歯科の場合,社会における歯科の意義というんでしょうか,昨今,歯科医師会なども,歯科は生活の医療なんだということをすごく強調しておられるわけです。患者さんの生活を支えるということの上で,社会的意義ということを酌んでいただきたいなと思っておりまして,Bのところを拝見すると,余りそういう大きなことに触れていないわけです。そのあたりを教育の根幹として,歯科の社会的存在意義ということを是非,酌んでいただきたいなと思いました。

【永井座長】  ありがとうございます。ほかにございませんでしょうか。柳川委員,どうぞ。

【柳川委員】  ただいまの南委員の御指摘と少し関わりがあって,ちょっとまた視点が違うかと思うんですが,社会歯科学について充実するような内容になっておりまして,これもかなり重要だと思うんですね。
現在、医療は都道府県や医療圏で,あるいはそれとつながる介護分野は市区町村でという仕組みになっていて,そこのところに行政に必要な歯科医師がかなり不足しています。実際にはもっといた方がいいんだろうと思いますので,研究や教育の分野も目指す歯科医師もおられますが,こういった行政職となる歯科医師のためにも,充実を図っているということが今回の改訂案で見受けられるということで評価できると思います。
以上でございます。

【永井座長】  ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは,医学教育,歯学教育を通じての御意見がございましたら,承りたいと思います。
江藤委員,どうぞ。

【江藤委員】  もう既に出ましたけれども,地域包括ケアシステムをにらんで,医科・歯科連携というのを何人かの委員の先生方が強調されました。特に歯科につきましては,先ほどもう医学部歯学科にしたらどうかという邉見委員の意見もございましたけれども,高齢者,全身疾患を持った患者さんの場合には,特にそういった教育が必要になってくるだろうと思われます。
確かに歯学の方のコアカリの41ページには,非常に多くの項目が出ております。その3のところに,「医科疾患合併患者の歯科治療時の注意点を説明できる」と,これも出ております。医学の方は,先ほど齋藤委員から御指摘がありましたように,二,三行になっておりますが,現実的には,じゃあ,どういうふうな連携をするんだということになります。私の聞いた範囲ですが,地区の医師会,歯科医師会が共同でもって,医師・歯科医師の共通のカルテを作りまして,この患者さんについては医科側で治療する場合にはこういった注意が必要だし,歯科側で治療する場合にはこういった注意が必要であると,そういった話が今後はさらに出てくるだろうと思われます。
そういったことに対応できるような教育ということになるかと思われますので,その辺のところは専門研究委員会,齋藤先生と前田先生の方で是非調整をしていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。

【永井座長】  よろしいでしょうか。齋藤委員。

【齋藤(宣)委員】  前田先生と相談をさせていただいて,前に進めていこうと思います。ありがとうございます。

【永井座長】  ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。まだ時間が少しございますが。
俣木委員。

【俣木委員】  平成13年の最初のコアカリを作ったときに,薄い別冊を作りましたが,今回の「国民の皆様へ」については,そういうやり方で行くということでしょうか。先ほどの御意見で,一緒に中に含めないでということでしたが,そういう方向になるのでしょうか。確認させてください。

【永井座長】  事務局からお願いします。

【佐々木企画官】  どのような作り方や書き方がいいかは,先ほどの南委員の御指摘の趣旨を踏まえて,永井委員長,そして齋藤委員長,前田委員長ともよく相談したいと思います。
確かにもはや歯学部,医学部だけというよりは,どう国民に御理解いただくのか,これは2年前の医療法改正でも山口委員の御尽力で,医療法の中にも盛り込まれた国民の責務の部分でも,国民の理解の規定はございますので,そこはどう進めていくかは追って御相談をし,この委員会でも報告,そして相談させていただきたいと思います。

【永井座長】  そのほか,いかがでしょうか。どうぞ。

【斎藤(隆)委員】  先ほどの市川先生の御発言に関連してですが,私も当初,コアカリ70%,独自の教育30%,どうなのかなというようなことを思っていたんですけども,こういった記載がないと,みんな同じような教育になってしまうので,絶対必要と思います。一方でコアカリに対して各大学独自の教育という意味では,今回改訂のコアカリはアウトカム基盤型のカリキュラムですので,いろんな特色ある教育方略が考えられると思います。ですからそこを各大学において,特色ある教育方略で教育を行ってほしいというような一文をここに加えた方がいいんじゃないかと思いました。
そういった意味では,先ほど冒頭に北村先生が説明された今回改訂のカリキュラムの中に,一部,教育方略も入れ込んで記載したということですが,どの大学もそれを見て同じような方略になってしまうという危惧も少しあります。
以上です。

【永井座長】  嶋田委員,どうぞ。

【嶋田委員】  歯科の方は,資料2-2の8ページをごらんください。3行目です。「また,本来のカリキュラムの完成度を高めるために,教育方略(learning strategy(LS))や評価方法を追加することも検討されたが,各大学の教育の工夫や自由度を担保することを目的に今回は見送った」という経緯があります。
今後の改訂では,教育の方略,評価方法の例示なども盛り込むことも検討してよいだろうということで,今回はこういったことは記載しなかったと。各大学の自由度というものもやはり尊重しなきゃいけないということで,行いませんでした。
以上です。

【永井座長】  江藤委員,どうぞ。

【江藤委員】  3分の1の問題,要するに各大学独自の教育の問題,それはここのテーブルで議論してもいいんですけども,範疇ではないだろうと。むしろ分野別の臨床評価の中で,各大学の独自の教育という評価で多分されるんだろうと思っております。
以上でございます。

【永井座長】  ありがとうございます。どうぞ,菱沼委員。

【菱沼参考人】  ありがとうございます。先ほど出ました国民の皆さんへという,医療者の教育のためにはというんでしょうか,医療者の教育そのものというのは,医療者だけがやるものではないというメッセージを医・歯で出されるというときに,それは医療職全般を含めたような形で,国民へのアピールをしていただくというような工夫をしていただけると,薬学も看護もコメディカルも含めて,そういうことを御検討いただけたらありがたいと思いました。

【永井座長】  ありがとうございます。よろしいでしょうか。齋藤委員,どうぞ。

【齋藤(宣)委員】  ただいまの菱沼委員の意見に非常に賛成なんですけれども,医療人というくくりでもって,薬,看,それから場合によっては栄養なんかも入るのかもしれないんですけれども,そういうくくりで医と歯も含めた国民へのアピールの手段を考えていくという方がよりよろしいのではないかと思うので,それはこの場で議論すべきかどうかは,それは文科省にお任せいたしますけれども,そういう視点もお持ちになったらいかがであろうかと思います。

【永井座長】  よろしいでしょうか。邉見委員,どうぞ。

【邉見委員】  今の広報のことなんですけれども,国民に分かりやすい広報って非常に難しいんですね。確かに病院にはいろんなものを張れという法律もありますので,張らされていますから,本当に壁がもう見えなくなるぐらい張っておるんですね。機能評価のためにもそれが必要だとか,いろいろあってですね。
私,20年ぐらい前ですかね,厚労省が作ったと思うんですけど,「上手な医者のかかり方10か条」という小さいリーフレットができたんです。聞きたいことはメモして行こうとか,いろんな10か条。あれは割とよかったんです。それで割と評判もよくて,医療安全の講習会とか,あるいはいろんな教育現場にも使われたんですが,よい医療を作ろうというふうなもので,医療というのは医療人だけでないと,患者さんも参加と。さっきずっと山口さんとか,昔から言われているようなことで,そういう小さいリーフレットみたいなのを作ったらどうでしょうかね。この機会に。
スチューデントドクターということだけでなく,ナースも実習生がおりますし,薬剤師も臨床実習,増えましたし,いろいろおりますからね。そういう人たちも含めて,いい医療を作ろうということで,全て事務員も含めてです。

【永井座長】  いかがですか。

【佐々木企画官】  今の邉見委員の御指摘も含め,実際に相手に伝わる方法はどうすべきかというのと同じ文脈での御指摘だと思いますので,内容もそうですし,どうやるかという方法論は,また研究をさせていただきたいと思います。また御教示いただきたいと思っています。

【永井座長】  ありがとうございます。よろしいでしょうか。
そうしますと,大体時間になりましたので,本日の改訂案につきましては,御議論を踏まえまして一部修正のうえ,「連絡調整委員会」及び「専門研究委員会」のクレジットで,事務局であります文部科学省を通じてパブリックコメント,及び大学・学会への意見照会を行いたいと思います。
修正につきましては,専門研究委員会の齋藤・前田両委員長,調査研究チームリーダーの北村委員,嶋田委員におきまして作業を行っていただき,事務局を通じて委員の皆様に改めて御紹介させていただくことにいたしたいと思います。そういうことでよろしいでしょうか。御異議なければ,そのようにさせていただきます。
齋藤委員,前田委員,北村委員,嶋田委員におかれましては,修正作業をよろしくお願いいたします。
では,今後の予定につきまして,事務局から御説明をお願いいたします。

【佐々木企画官】  永井座長をはじめ,委員の先生方,また市川参考人,菱沼参考人におかれましては,本日はありがとうございます。
この後の段取りでございますけれども,本日の御議論を踏まえての御意見等もあろうかと思いますので,この後2週間,追加の御意見等を頂きたいと思っております。追って,事務局から具体的な御連絡をいたします。
その上で,修正案を,先ほど永井座長御指摘の進め方で案を作った上で,パブリックコメント,そして,これも永井座長からの御指示であります大学や学会への意見照会も行いたいと思います。その際には,先ほどの御指摘がありました実行可能性,本当にできるのか,フィージビリティーはあるのかという視点もあろうかと思いますし,また項目には載っているけれどももっと深掘りした説明が必要な場合は,例えば共通教材の作成,共有ということも含めて考えられますので,そうした具体的な案なり進め方も含めての大学・学会等への意見照会を行いたいと思います。
この後,2月20日に,歯学の専門研究委員会,2月22日に医学専門研究委員会を開催し,その上で3月24日に連絡調整委員会でもう一度それぞれ御審議いただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

【永井座長】  ありがとうございました。
それでは,本日はこれで終了いたします。どうもありがとうございました。


―― 了 ――


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