改訂案(運用解釈) | 現行(運用解釈) |
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○歯科医師として求められる基本的な資質 人の口腔健康を守ることで、人の心と体を守ることに寄与する歯科医師の職責への十分な自覚のもとに、歯科医師の義務や医療倫理を遵守し、絶えず患者本位の立場に立つ。生命の尊厳についての深い認識のもとに、豊かな人間性を有する。 歯科医師としての業務を遂行する職業人として必要な実践的能力(統合された知識、技能、態度・行動に基づく総合的診療能力)を有する。 人間理解に立った高い協調性のもとに、医療チームの一員としての行動や後輩等に対する指導を適切に行える。 患者及びその家族の秘密を守る。 歯科医師として、地域における医療・保健・福祉などの連携および医療の経済的側面などの医療を巡る動向に関心・理解を有する。 歯科医学・医療の進歩における歯科医学研究の必要性を理解し、研究に参加するとともに、絶えず医療の質の向上に努め生涯にわたり学習する意欲と態度を有する。 |
(新設) |
改訂案(運用解釈) | 現行(運用解釈) |
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A 医の原則 A-5 歯科医療における安全性への配慮と危機管理 |
A 医の原則 A-5 歯科医療における安全性への配慮と危機管理 |
A-5-1)安全性の確保 一般目標: 医療上の事故等(インシデント(ヒヤリハット)、医療過誤等を含む)は日常的に起こる可能性があることを認識し、事故を防止し、患者の安全確保を最優先することにより信頼される医療を提供しなければならないことを理解する。 |
A-5-1)安全性の確保 一般目標: 医療事故は日常的に起こる可能性があることを認識し、事故を防止し、安全で信頼される医療を提供しなければならないことを理解する。 |
到達目標: ・歯科医療における事故の特異性を説明できる。 |
到達目標: ・歯科医療における事故の特異性を説明できる。 |
・実際の医療には、他職種が多段階の医療業務内容に関与していることを具体的に説明できる。 | ・医療事故はどのような状況で起こりやすいかを説明できる。 |
・医療上の事故等を防止するには、個人の注意力はもとより組織的なリスク管理が重要であることを説明できる。 | ・医療事故を防止するには、個人の注意力はもとより組織的なリスク管理が必要であることを説明できる。 |
・医療現場における報告・連絡・相談と記録の重要性や、診療録改鼠の違法性について説明できる。 | ・事故の可能性を予測し、それが重大事故につながらないシステム(フェイルセーフ)の必要性を説明できる。 |
・医療の安全性に関する情報(薬害や医療過誤の事例、やってはいけないこと、模範事例等)を共有し、再発防止に役立てるための分析の重要性を説明できる。 | 医療事故や潜在的医療事故(ニアミス)に関する情報を共有し、再発防止に役立てることができる。 |
・医療機関における安全管理体制(事故報告書、インシデント・リポート、リスク管理者、事故防止委員会、事故調査委員会等)を概説できる。 | ・医療機関における安全管理体制(事故・ニアミス報告書、リスク管理者、事故防止委員会、事故調査委員会等)を概説できる。 |
医療の安全確保のための、職種・段階に応じた能力の向上をはかることができる。 | (新設) |
A-5-2)医療上の事故等への対処と予防 一般目標: 実際に医療上の事故等(インシデント(ヒヤリハット)、医療過誤等を含む)が発生した場合の対処の仕方を身につける。 |
A-5-2)危機管理 一般目標: 実際に医療事故やニアミスが発生した場合の対処の仕方を身につける。 |
到達目標: ・インシデント(ヒヤリハット)と医療過誤の違いを説明できる。 |
到達目標: ・医療事故とニアミスの違いを説明できる |
・医療上の事故等(インシデント(ヒヤリハット)、医療過誤等を含む)の事例の原因を分析し、防止対策を説明できる。 | ・医療事故やニアミスの事例の原因を分析し、防止対策を説明できる。 |
・医療上の事故等(インシデント(ヒヤリハット)、医療過誤等を含む)が発生した時の緊急処置や記録、報告について説明できる。 | ・医療事故やニアミスの可能性と対応を説明できる。 |
・医療過誤に関連して歯科医師に科せられた社会的責任と罰則規定(行政処分、民事責任、刑事責任、司法解剖)の基本的事項を説明できる。 | ・医療事故に関連した法律(行政処分、民事責任、刑事責任、司法解剖)の基本的事項を説明できる。 |
・基本的予防策(ダブルチェック、チェックリスト法、薬品名称の改善、フェイルセーフ・フールプルーフの考え方など)について概説できる。 | (新設) |
A-5-3)医療従事者の健康と安全 一般目標: 医療従事者が遭遇する危険性(感染を含む)について、基本的な予防・対処方法を学ぶ。 |
(新設) |
到達目標: ・医療従事者の健康管理の重要性を説明できる。 |
(新設) |
・標準予防策(Standard Precautions)の必要性を説明できる。 | (新設) |
・患者隔離の必要な場合について説明できる。 | (新設) |
・針刺し事故等に遭遇した際の対処の仕方を説明できる。 | (新設) |
改訂案(運用解釈) | 現行(運用解釈) |
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B 歯科医師としての基本的態度 B-1 生涯学習 一般目標: 歯科医師として生涯にわたり学習するための態度と技能を身につける。 |
B 歯科医師としての基本的態度 B-1 生涯学習 一般目標: 歯科医師として生涯にわたり学習するための態度と技能を身につける。 |
B-1-1)問題発見・解決能力 一般目標: 自ら問題点を探し出し、自己学習によってそれを解決するための能力を培う。 到達目標: 情報を自ら収集、分析して問題点を探し出すことができる。 問題点を論理的に整理し、解決方法を自ら見出すことができる。 必要に応じて他の学習者や教員と協力して、最適な解決方法を見出すことができる。 |
B-1-1)問題発見・解決能力 一般目標: 自ら問題点を探し出し、自己学習によってそれを解決するための能力を培う。 到達目標: 情報を自ら収集、分析して問題点を探し出すことができる。 問題点を論理的に整理し、解決方法を自ら見出すことができる。 必要に応じて他の学習者や教員と協力して、最適な解決方法を見出すことができる。 |
B-1-2)学習の在り方 一般目標: 歯科医学・医療に関連する情報を重要性と必要性にしたがって客観的・批判的に統合整理する基本的能力(知識、技能、態度・行動)を身につける。 |
B-1-2)論理的思考と表現能力 一般目標: 情報を重要性と必要性に従って取捨選択し、その要点を論理的に整理し、文書および口頭でわかりやすく説明できる能力を身につける。 |
到達目標: 講義、国内外の教科書・論文、検索情報などの内容について、重要事項や問題点を抽出して文書または口頭でわかりやすく説明できる。 |
到達目標: 教科書、論文等を読んで、重要事項や問題点を抽出して文書または口頭でわかりやすく説明できる。 |
得られた情報を統合し、客観的・批判的に整理して自分の考えをわかりやすく表現できる。 | 授業講演等の内容について、その中心課題の内容と問題点を抽出して文書または口頭でわかりやすく表現し、自分の考えを説明できる。 |
実験、実習の成果を文章または図表に表わすことができ、また、文書と口頭で発表できる。 | 実験、実習の成果を文章または図表に表わすことができ、また、口頭で発表できる。 |
後輩たちへの適切な指導が実践できる。 | (新設) |
各自の興味に応じて選択制カリキュラム(医学研究・歯科医学研究等)に参加する。 | (新設) |
歯科治療に関する科学的根拠を説明できる。 | 歯科治療に関する科学的根拠を説明できる。 |
B-1-3)生涯学習への準備 一般目標: 学問や科学技術の進歩と社会の変化に対応した生涯学習者としての能力(知識、技能、態度・行動)を身につける。 到達目標: 生涯学習の重要性を説明できる。 生涯にわたる継続的学習に必要な情報を収集できる。 |
(新設) |
B-1-4)医療の評価・検証と科学的研究 一般目標: 医療の改善のために不断の評価・検証と倫理的および患者の利益と安全に配慮した科学的研究が必要であることを学ぶ。 到達目標: 科学的根拠に基づいた医療の評価と検証の必要性を説明できる。 患者による医療の評価の重要性を説明できる。 研究は医学・医療の発展や患者の利益の増進のために行われるべきことを説明できる。 医療改善のための科学的研究(臨床研究、疫学研究、生命科学研究等)に参加する。 |
(新設) |
B−2 対人関係能力 B−2−2)医療面接 一般目標: 良好な患者−歯科医師関係を築くために必要な医療面接の基本的な態度、知識および技能を身につける。 |
B−2 対人関係能力 B−2−2)医療面接 一般目標: 良好な患者−歯科医師関係を築くために必要な医療面接の基本的な態度、知識および技能を身につける。 |
到達目標: ・医療面接の役割を説明できる。 |
到達目標: ・医療面接の役割を説明できる。 |
主訴をよく聞き取るとともに、患者の病気に対する考えや治療に対する希望を把握できる。 | 主訴をよく聞き取るとともに、患者の病気に対する考えや治療に対する希望を把握できる。 |
患者の身体的・精神的・社会的苦痛に配慮し、問題点を抽出、整理できる。 | 患者の身体的・精神的・社会的苦痛に配慮し、問題点を抽出、整理できる。 |
患者の不安、不満や表情・行動の変化に適切に対応できる。 | 患者の不安、不満や表情・行動の変化に適切に対応できる。 |
患者に診断結果と治療方針を適切に説明できる。 | 患者に診断結果と治療方針を適切に説明できる。 |
・必要に応じて、他の医療機関への適切な紹介を行うための手続きを説明できる。 | ・必要に応じて、他の医療機関への適切な紹介を行うための手続きを説明できる。 |
・患者のプライバシーに配慮できる。 | (新設) |
・患者情報の守秘義務と患者などへの情報提供の重要性を理解し、適切な取扱ができる。 | (新設) |
改訂案(運用解釈) | 現行(運用解釈) |
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C 社会と歯学 C−2 健康と社会、環境 C−2−2)保健・医療・福祉制度 一般目標: 保健、医療、福祉に関連する社会制度、地域医療および社会環境を理解する。 |
B 歯科医師としての基本的態度 B−2 対人関係能力 B−2−2)医療面接 一般目標: 保健、医療、福祉に関連する社会制度と社会環境を理解する。 |
到達目標: ・保健・医療制度を説明できる。 【産業保健および医療供給体制を含む。】 |
到達目標: ・保健・医療制度を説明できる。 【地域保健(母子、老人、学校保健)、産業保健および医療供給体制を含む。】 |
・医療保険制度を説明できる。 【医療経済(国民医療費)を含む。】 |
・医療保険制度を説明できる。 【医療経済(国民医療費)を含む。】 |
・介護保険制度を説明できる。 | ・介護保険制度を説明できる。 |
・社会福祉制度を説明できる。 | ・社会福祉制度を説明できる。 |
・高齢者のおかれた社会環境を説明できる。 | ・高齢者のおかれた社会環境を説明できる。 |
・障害者のおかれた社会環境を説明できる。 | ・障害者のおかれた社会環境を説明できる。 |
・ノーマライゼーションの考え方を説明できる。 | ・ノーマライゼーションの考え方を説明できる。 |
・地域医療に求められる役割と機能および体制等、地域医療の在り方を概説できる。 | (新設) |
・地域医療における保健・医療・福祉・介護の分野間の連携および他職種間の連携の必要性について説明できる。 | (新設) |
・地域医療の基盤となるプライマリ・ケアの必要性を理解する。 | (新設) |
改訂案(運用解釈) | 現行(運用解釈) |
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D 生命科学 D−4 病因と病態 D−4−5)腫瘍 一般目標:腫瘍の病理・病態および発生原因を理解する。 |
D 生命科学 D−4 病因と病態 D−4−5)腫瘍 一般目標: 腫瘍の定義、発生原因および形態を理解する。 |
到達目標: ・腫瘍の定義を説明できる。 |
到達目標: ・腫瘍の定義を説明できる。 |
・腫瘍の組織発生を説明できる。 【発生原因を含む。】 |
・腫瘍の組織発生を説明できる。 【発生原因を含む。】 |
削除 | ・増殖性病変の多様性、形態およびその意義を説明できる。 |
・異形成、退形成および分化を説明できる。 | ・異形成、退形成および分化を説明できる。 |
・腫瘍の異型性と多形性を説明できる。 | ・腫瘍の異型性と多形性を説明できる。 |
・良性腫瘍と悪性腫瘍の異同を説明できる。 | (F-2-4)-(3)より移動) |
・局所における腫瘍の増殖、浸潤および転移を説明できる。 | ・局所における腫瘍の増殖、浸潤および転移を説明できる。 |
改訂案(運用解釈) | 現行(運用解釈) |
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F 臨床歯学教育 F-2 口腔・頭蓋・顎顔面領域の常態と疾患 |
F 臨床歯学教育 F-2 口腔・頭蓋・顎顔面領域の常態と疾患 【治療法については基本的な治療方針に限る。】 |
F-2-4)口腔・顎顔面領域の疾患 【治療法については基本的な治療方針に限る。】 一般目標: 口腔・顎顔面領域の疾患の特徴と病因および診断・治療の基本的概念を理解する。 |
F-2-4)口腔・顎顔面領域の疾患 【治療法については基本的な治療方針に限る。】 一般目標: 口腔・顎顔面領域の疾患の特徴と病因および診断・治療の基本的概念を理解する。 |
F-2-4)-(3)嚢胞、腫瘍および類似疾患 到達目標: とをまとめてへ |
F-2-4)-(3)嚢胞、腫瘍および類似疾患 到達目標: ・嚢胞の一般的な症状、検査法および治療法を説明できる。 |
D−4−5)に移動 | ・良性腫瘍と悪性腫瘍の異同を説明できる。 |
とをまとめてへ | ・前癌病変の種類と特徴を列挙できる。 |
・顎骨に発生する歯原性嚢胞の種類と特徴を列挙できる。 | ・顎骨に発生する歯原性嚢胞を概説できる。 |
・顎骨に発生する非歯原性嚢胞の種類と特徴を列挙できる。 | ・顎骨に発生する非歯原性嚢胞の種類と特徴を列挙できる。 |
・軟組織に発生する嚢胞の種類と特徴を列挙できる。 | ・軟組織に発生する嚢胞の種類と特徴を列挙できる。 |
・口腔・顎顔面領域に発生する嚢胞の一般的な症状、診断法および治療法を概説できる。 | とをまとめる。 |
・歯原性腫瘍の種類と特徴を列挙できる。 | ・歯原性腫瘍の種類と特徴を列挙できる。 |
・非歯原性良性腫瘍の種類と特徴を列挙できる。 | ・非歯原性良性腫瘍の種類と特徴を列挙できる。 |
・口腔・顎顔面領域に発生する腫瘍の一般的な症状、診断法(組織診、画像診断)および治療法を概説できる。 | ・・をまとめる。 |
・・をまとめてへ | ・腫瘍類似疾患の種類と特徴を列挙できる。 |
・・をまとめてへ | 腫瘍の診断に必要な画像検査法を説明できる。 |
・・をまとめてへ | ・腫瘍に対する一般的な治療法を概説できる。 |
とをまとめてへ | ・口腔・顎顔面領域の嚢胞の診断と治療法を説明できる。 |
・エナメル上皮腫の特徴、症状および治療法を概説できる | ・エナメル上皮腫の特徴、症状および治療法を説明できる。 |
・前癌病変(白板症、紅板症)の特徴、症状および治療法を概説できる。 | ・をまとめる。 |
・前癌状態の種類と特徴を列挙できる。 | (新設) |
・口腔癌の特徴、予防、症状および治療法を概説できる | を移動。 |
・腫瘍類似疾患の種類と特徴を列挙できる | を移動。 |
・エプーリスの特徴、症状および治療法を概説できる | ・エプーリスの特徴、症状および治療法を説明できる。 |
とをまとめてへ | ・白板症の特徴、症状および治療法を説明できる。 |
を移動。 | ・口腔癌の特徴、症状および治療法を説明できる。 |