参考資料6 医学、歯学教育に関する主な提言等

  • 犯罪被害者等基本計画(平成17年12月閣議決定)
  • 犯罪に強い社会の実現のための行動計画2008(平成20年12月犯罪対策閣僚会議決定)
  • 全国自治体病院開設者協議会、社団法人全国自治体病院協議会要望書 (平成21年6月)
  • 全国薬害被害者団体連絡協議会要望書(平成21年8月)
  • 日本慢性期医療協会要望書(平成21年8月)
  • 全国医学部長病院長会議要望書(平成21年10月)
  • 自治体からの要望書(平成21年12月)
  • 内服薬処方せんの記載方法の在り方に関する検討会報告書(平成22年1月)
  • 日本製薬団体連合会、日本製薬工業協会要望書(平成22年2月)
  • 薬害再発防止のための医薬品行政等の見直しについて(最終提言)(平成22年4月)
  • ハンセン病問題に関する検証会議の提言に基づく再発防止検討会報告書(平成22年6月) 

○  犯罪被害者等基本計画(平成17年12月閣議決定)(抜粋)

第2 精神的・身体的被害の回復・防止への取組

[今後講じていく施策]

(11)犯罪被害者等への適切な対応に資する医学教育の促進

文部科学省において、犯罪被害者等への適切な対応に資するよう、PTSD等の精神的被害に関する知識・技能を修得させるための教育を含め、各大学の医学教育における「モデル・コア・カリキュラム」に基づくカリキュラム改革の取組を更に促進する。

○ 犯罪に強い社会の実現のための行動計画2008(平成20年12月犯罪対策閣僚会議決定)(抜粋)

第7 治安再生のための基盤整備

 2 犯罪の追跡可能性の確保、証拠収集方法の拡充

  6. 死因究明体制の強化

死体取扱数の増加に対応するため、的確な検視の実施に資する人員の増強、施設・資機材の整備、死亡時画像病理診断の積極的活用、医師の死体検案に対する意識・能力の向上を推進するとともに、解剖医・解剖施設の充実、大学医学部の法医学講座等との連携促進、監察医制度の更なる活用等死因究明体制を強化するための方策について検討する。

○ 全国自治体病院開設者協議会,社団法人全国自治体病院協議会要望書(平成21年6月)(抜粋)

1.医師確保対策について

3) いわゆる総合診療に従事できる医師の養成に努めるとともに,専門医の養成・認定においては,地域医療従事等の評価を考慮した体系とするよう,国として早急な対策を講じること。

○  全国薬害被害者団体連絡協議会要望書(平成21年8月)(抜粋)

 <高等(専門)教育に関して>

【1】2002年3月25日に、CJD薬害の被害者と国との間で交わされた和解確認書の『我が国で医薬品等による悲惨な被害が多発しでいることを重視し、その発生を防止するため、医学、歯学、薬学、看護学部等の教育の中で過去の事件などを取り上げるなどして医薬品の安全性に対する関心が高められるよう努めるものとする」という一文の主旨に沿って、文部科学省は医学、歯学、薬学、看護学部の教育のカリキュラムで、過去の薬害被害について学ぶ取り組みをする義務があります。これらについて昨年からのさらなる進捗状況について具体的に明らかにして下さい。なお、その際、薬害の原因や実態だけでなく、被害者や遺族への差別や偏見の歴史の問題など、人権教育の問題についてのどのような教育が進められているかについても明らかにしてください。

【2】ここ数年間、毎年度まとめて頂いている「薬学問題に対する各大学の取り組み状況」について今年産も最新の状況を明らかにして下さい。薬害を知らない医療従事者がつくられてしまわないよう、今後とも、すべての大学において、薬害被害者の声を直接聞く等、適切な医療倫理、人権学習等がなされていくよう要望していますが、近年、実施率が伸び悩んでおります。このことに対してどのように考えておられるか、また、対策を講じておられるのかについて明ちかにして下さい。

【3】厚労省やその外郭団体は薬害や医療被害者の体験や思いを生かすべく、審議会や検討会に被害者の委員を多く探用している。医学、薬学教育等の問題を議論する文部科学省の審議会や検討会においても、薬害被害者らが委員として参加できるようにして下さい。

【4】近年、インターネット上の掲示板やプログなどで、医師による薬害被害者や医療被害者に対する、事実と異なる偏見や誹誘中傷が頻繁に書き込まれることがくりかえ大きな問題となっています。このことについて、文科省としても大変憂慮している旨の回答が昨年ありましたが、今年も、薬害被害者が医学部などで講義をした際に、匿名で偏見を書き込む医師のプログを鵜呑みにして、被害者の話に反論をするような医学生らがいました。大学附属病院の職員研修や医学部などの教育の中で、薬害や医療被害の事実を伝える教育が欠如していることが偏見を生み、人権教育、倫理教育の欠如が被害者への誹誘中傷を生んでいると考えられます。このようなことが絶対に起こらないように、この一年間に取り組まれた内容や成果について明らかにして下さい。

○ 日本慢性期医療協会要望書(平成21年8月)(抜粋)

 謹啓 新涼の候ますますご盛栄のこととお喜び申し上げます、平素は格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。

 さて、大学医学部における老年医学講座は近年縮小の傾向にあり、当日本慢性期医療協会としては、官民の福利に少なからぬ影響を及ぼすのではないかと懸念しているところであります。

 今後の日本の厳然たる事実として到来するのが超高齢社会であり、今や急性期医療の現場でも患者の3分の2以上が高齢者という時代となっております。高齢者を身体的には成人の一部と考えることは異論が多く、小児科と同じように身体環境の異なった集団として特別な治療が必要とされております。そのため、旧来より各大学に老年医学の講座が創設され、日本でも高齢者に対する医療の学問的研究が進んでいることは誠に評価されるべきことと存じます。

 しかしながら、ここにきて老年医学講座の廃止や統合が行われようとすることは、今後爆発的に増加し、老年医療の需要がさらに大きくなろうとする時代に逆行するものではないかと危惧しております、どの診療科においても高齢者の占める比率は高く、小児科など一部を除くすべての診療科で老年医学の専門性が必要とされております。老年医学の視点から診療できる医師の養成を怠っては慢性期医療のみでなく、急性期医療の現場でも的確な診断、治療を欠くことにもつながりかねません。

 当白本慢性期医療協会の会員施設では、高齢者の医療を担当する機会が多くある中で全国の老年医学の先生方にご支援をいただき、診療に大いに参考にさせて頂いております。時代背景や日本の現状を鑑みて、医学教育の場においても老年医学の継承、発展についてご高配いただければ幸いです。何卒よろしくお願い申し上げます。

敬具

○ 全国医学部長病院長会議要望書(平成21年10月)(抜粋)

 6.  医学研究を再興させるための具体的政策を直ちに推進して頂きたい。

  臨床研修制度などの影響により、基礎医学研究者の志望が激減し、医学研究が沈滞の危機にあります、世界の論文数は1997年米国に次いで世界第2位でしたが,2007年には5位に後退しました。この10年間の論文数の伸びは中国が505%すなわち5倍、韓国204%;約2倍に対し本邦はわずか5%にとどまり、国立大学医学部全体では3%減という惨憺たる状況です。医学研究は医療の質を担保し国民福祉を維持するためには必須のものです。医学研究を再興させるため具体的政策の速やかな推進を求めるものです。

○ 自治体からの要望書(平成21年12月)(抜粋)

  例:茨城県要望書

 医師確保対策について

 

 医療の高度化,専門化に加え,インフォームドコンセントの充実等患者ニーズの多様化や,女性医師の増加など,医師を取り巻く環壕が大きく変化する中,医師の絶対数の不足に加え,医師の地域偏在や診療科偏在などにより,全国的な医師不足が一層深刻なものとなっています。

 本県の医師数は人口10万人対155.1人と全国平均217.5人を大きく下回り,特に,全国平均の半分に満たない二次保健医療圏があることや,小児科,産婦人科など、不足診療科はもとより,内科及び外科等の基本的な診療科においても,医師不足が深刻なものとなうており,本県の医療体制の充実を図るためには,医師確保は緊急の課題であります。

 国においては,平成21年度から過去最大の医李部入学定員増を図るとともに,臨床研修制度の見直しが実施されたところでありますが,地域における医療提供体制の確保のためには,医師養成に多額の公費負担が行われている現状や医師に求められている公的責務なども踏まえたうえで,現在の医師の勤務のあり方の見直しも含め,さらなる抜本的な対策を進める必要があります。

 以上のことから,下記事項について要望いたします。

 

7 今後ますます増加が見込まれる女性医師が第一線で継続して働くことができるよう,保育制度の充実,短時間勤務やワークジェアリング等勤務体制の柔軟化,再就業支援等,就業環境の整備を促進するために必要な措置を早急に講じること。

○  内服薬処方せんの記載方法の在り方に関する検討会報告書(平成22年1月)(抜粋) 

厚生労働省

【4.内服薬処方せんの記載方法の標準化に至る短期的方策】

「3.内服薬処方せん記載の在るべき姿」に基づき、まず、可及的速やかに着手すべき方策として実施すべきものを示す。

7)医師、歯科医師、薬剤師及び看護師の養成機関においては、内服薬処方せんの標準的な記載方法に関する教育を実施し、内服薬処方せんの標準的な記載方法を基に国家試験等へ積極的に出題する。

8)医師、歯科医師、薬剤師及び看護師の臨床研修等の卒後の教育においても、上記養成機関における対応等を踏まえ、医師臨床研修指導ガイドライン等に内服薬処方せんの標準的な記載方法を明記し、内服薬処方せんの標準的な記載方法に関する教育を可及的速やかに実施する。

○ 日本製薬団体連合会、日本製薬工業協会要望書(平成22年2月)(抜粋)

 わが国の医学研究と医薬品産業の国際競争力を高めていくためにも、今こそ基礎医学研究振興に向けて、早急に下記の施策を講じていただくことを要望致します。 

 1.基礎医学研究振興を科学技術部門の成長戦略の一環に位置付け、医学部における基礎医学教育の充実と優れた基礎医学研究者が安心して研究活動に専念できる研究費を確保すること。

○ 薬害再発防止のための医薬品行政等の見直しについて(最終提言)(平成22年4月)(抜粋)

厚生労働省

 第4 薬害再発防止のための医薬品行政等の見直し

 3. 薬害教育・医薬品評価教育

  • 大学の医学部・薬学部・看護学部教育において、薬害問題や医薬品評価に関して学ぶカリキュラムがないか少ないため、関係省と連携してカリキュラムを増やすなど、医療に従事することになる者の医薬品に対する認識を高める教育を行う必要がある。
  • 具体的には、医学部・薬学部・看護学部におけるコアカリキュラムや、国家試験の問題作成基準の見直しを含めた検討を行うべきである。
  • 医師、薬剤師、歯科医師、看護師となった後、薬害事件や健康被害の防止のために、薬害事件の歴史や健康被害、救済制度及び医薬品の適正使用に関する生涯学習を行う必要がある。

○ ハンセン病問題に関する検証会議の提言に基づく再発防止検討委員会報告書(平成22年6月)(抜粋)

厚生労働省

 第2 疾病を理由とする差別・偏見の克服、国民・社会への普及啓発

 2 正しい医学的知識の普及・啓発

  • 疾病を理由とする差別・偏見を克服するためには、すべての人が正しい医学的知識を持つことが、なによりも大切なことである。
  • 正しい医学的知識の普及・啓発という観点からみた場合、医療従事者の果たす役割は極めて大きい。このため、医療従事者の幅広い専門的知識と高い倫理的視野に対する社会の要請に医療従事者が応えられるよう、国・地方公共団体、大学、研究機関は、医学系・看護系教育の強化、充実、海外の知見や国内の少数意見を含め、正しい医学・医療の知識・情報を提供するためのシステムの構築を図っていかなければならない。さらに学術的根拠の解明が恒常的に推進され、啓発活動に資するよう、学術的研究体制の充実、研究者の確保、育成に努めなければならない。

お問合せ先

高等教育局医学教育課

企画係
電話番号:03-5253-4111(内2509)