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国立大学法人会計基準に関する実務指針「その他関係」(試案)
資料7

 本件は、各国立大学法人に対し照会した「国立大学法人会計基準等に関するアンケート」において特に疑義の集中したものについて、仮に実務指針に追加するとした場合の案である。


Q8−3−1 受託研究収入により図書を取得した場合の取り扱いはどうするのか。

A
1  国立大学法人等における図書とは、附属図書館が組織として管理する教育・研究の用に供される図書とされており(Q36−6参照)、取得財源や金額の如何に関わらず資産計上することとしている。受託研究収入により図書を取得した場合についても、この取り扱いは同様であり、具体的には、取得原価をもって資産計上する取扱いとなる。
 図書は、一般的な償却資産とは異なり除却時に一括して償却処理することとしている。

(案の1)他の償却資産と同様、備忘価格のみ前受受託研究費のまま計上
2  研究期間終了後、なお他の研究目的等に使用予定の場合、受託研究収入により取得した償却資産は、備忘価格を残し償却することとしている(Q8−3参照)。図書においても同様であり、除却時に備忘価格を残して償却する取扱いとなる。
 この場合、受託研究期間終了後においても備忘価格相当額について前受受託研究費が引き続き計上され、当該図書の除却に伴い収益化される取り扱いとなる。

(案の2)受託研究終了時に収益化し、図書を寄附受けしたとして資産計上
2  研究期間終了後、なお他の研究目的等に使用予定の場合、受託研究収入により取得した償却資産は、備忘価格を残し償却することとしているが(Q8−3参照)、図書は、除却時までその効用が減じるとは考えにくいこと、他方で、受託研究のために使用されないことは明白であることから、除却時に全額償却し、その際に改めて当初の取得価格にて寄附があったとする取り扱いとする。


Q82−3 連合大学院に関する会計上の取扱いはどうするのか。

A
1  連合大学院は、複数の大学の修士課程が連携して、博士課程(後期3年)である独立研究科を設置し、一大学のみでは期待しがたい分野を補いつつ、幅の広い、かつ、水準の高い教育研究を行うものである。中心となる大学を基幹大学、その他の大学を参加大学と位置付け、学生は出身大学の如何に関わらず、基幹大学に設置された連合大学院の学生となり、主指導教員の所属する大学において研究指導を受ける仕組みとされている。

2  連合大学院の事業は、基幹大学と参加大学とが対等の立場にて実施しているが、その実施経費については、国が基幹大学に対し運営費交付金として措置し、基幹大学が参加大学へ必要な経費を再措置する取り扱いとされている。また、事業としてみると、実施場所はまちまちであるが、全体として一の独立研究科であることから、会計上の取り扱いとしては、基幹大学の事業であると見なし、参加大学においては、基幹大学の事業の委託を受けたものとして取り扱うこととする。


Q88−3−1 目的積立金として文部科学大臣による承認を受けた剰余金のうち、現金の裏付けがないと考えられるものがある場合、どう取り扱えばよいか。

A
1  剰余金のうち、減価償却処理等により将来の収益を先取りする形で利益が生じたものについて、目的積立金として文部科学大臣による承認を受けた場合など、当該償却資産を処分しない限り事業費に充てるべき現金が得られないことも考えられる。

2  この場合、目的積立金の額と実際に目的積立金として事業の実施に充当可能な額との間に乖離が生じることとなる。このうち、明らかに将来の収益を先取りする形で利益が生じたと考えられるものについては、将来の欠損の要因となり、他の要因を考慮しなければ、赤字の埋めのため取り崩す必要が生じる。したがって、将来における取り崩しを前提に各国立大学法人において、管理を行う必要がある。

3  なお、こうした目的積立金であっても、理論上、取り崩して事業を行うことは可能であるが、支払いをなすべき財源が不足することがないよう十分留意する必要がある。


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