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医学教育の改善・充実に関する調査研究協力者会議最終報告概要

1  入学者選抜の改善
 地域の社会福祉施設等におけるボランティア活動の感想文の提出等、選抜方法の多様化、評価尺度の多元化。
 高等学校における出前講座、高校生の大学の講義等の受講等、高等学校教育と医学教育との接続の改善。

2  教育者・研究者の養成等の医学教育の改善
1  学部教育の改善について
 「医師として求められる基本的な資質」や「学部教育における研究の視点」についてのモデル・コア・カリキュラムの改訂。
 学部生の研究室配属、選択制カリキュラムの充実等による研究マインドの育成。
 ジョンイントディグリー、主専攻・副専攻制、学士編入学等、多様な教育機会の提供。
2  大学院教育の改善について
 大学院の目的の明確化(研究者養成と臨床医等養成)と、大学病院での研究目的の診療従事のカリキュラムへの位置づけ、複数教員の指導体制の確立等、教育内容の実質化。
 公衆衛生大学院の整備、修士課程の活用、秋季入学の実施、米国のMD/Ph.Dコースを参考にした早期進学特例の活用等。
 英国のアカデミックF2プログラムを参考とした研究マインドを育む研修等、新医師臨床研修の研修プログラムの工夫・改善。
 大学院と大学病院の連携等による、専門医養成における大学院の取組の充実。
 博士号取得を助教採用時に必要条件とする等、博士号取得が教育者・研究者のスタートライン等として実感される取組。
 臨床医、臨床研究者、基礎医学研究者それぞれのキャリアパスの明確化とキャリア形成への支援。
3  教育者の教育能力開発の推進等の関連する取組
 学内の実習担当教員と学外の臨床教授等、基礎医学と臨床医学の教員が、共通のFDに取り組むなど、FD(ファカルティ・ディベロップメント)の充実。
 同僚教員による評価・助言、教育者に求められる資質等を明確にした上での能力評価の検討・導入、顕彰や給与上の処遇等教育業績の優れた教員へのインセンティブ等、教員の評価の充実。
 複数の専攻分野を有する教育研究組織の整備、専門領域横断型の研究プロジェクト制の活用、産業界と連携した寄付講座の設置、医学以外の博士号取得者の臨床医学講座の助教への登用等、教育研究組織の整備。
 助教制度を活用した若手研究者等の育成、特別研究員制度の対象年齢の引き上げの検討等の医学分野の特性に配慮した支援、研究休職等による若手教員の留学支援等、若手の研究者・教員への支援。

3  モデル・コア・カリキュラム改訂に関する恒常的な体制の構築
 専門的な調査研究を行い改訂の原案を作成する組織(専門研究組織)と関係者が改訂を決定する組織(連絡調整組織)を文部科学省を中心に構築。
 その上で、国家試験出題基準の改正等にすみやかに対応して改訂を行うとともに、教育効果の検証等全面改訂に必要な準備・検討を実施。

4  診療参加型臨床実習の在り方
 診療科単位を超えた教育指導体制の整備、統括責任者等の責任体制の確立、臨床実習委員会等の企画調整組織の設置等、全学的な実施体制の構築。
 共用試験実施評価機構等が学生の診療技能の修得に関する証明証を発行するなど、学生が診療に携わることについて患者の理解と同意を得るための取組の充実。
 臨床教授の活用、実習プログラムの責任者の設置、学生の評価も含めた実習中の連携体制の構築等、学外の医療機関での実習の推進。
 学生に医療チームの構成員としての能力等を習得させる機会を充実させるための、コメディカルも含めた医療チームの連携協力体制の構築。
 実習終了時の到達目標と評価基準の明確化、advanced OSCEの実施等、実習開始前のみならず、実習終了時や卒業時の学生に対する評価や指導の充実。
 モデル・コア・カリキュラムの改訂による、「地域医療臨床実習」の学習内容の新設。
 診療技能の確保の徹底等の侵襲的医行為等に関するプロセスの徹底、個人情報に関する学習や指導の徹底。

5  大学病院における新医師臨床研修の充実
 総合診療部等を活用した総合診療方式の導入、学外の多様な医療機関との緊密な連携体制の構築、複数の大学が共同してプログラムを提供する方式等、研修体制・研修プログラムの工夫・改善。
 各大学の教育理念等に応じた研修等、基本研修科目等以外の研修期間の取組の工夫・改善。
 指導医等に対するサポート体制の充実、教育機能のセンター的な役割を担う卒後臨床研修センター等の組織の整備。
 卒前の実習内容の研修指導等への反映、臨床研修医が学生を指導する体制の構築等、卒前教育・卒後教育を通じた取組の充実。

6  専門医養成の在り方
 大学病院や地域の医療機関をローテートしながらキャリア形成を図る医師養成システムの構築。
 大学病院は、専門医養成の場の提供や養成プログラムの充実を図った上で、医師養成システムの構築に中核的な役割を果たすことが求められる。
 大学病院における総合診療医の養成システムの構築等、新医師臨床研修とも連動した研修プログラムの改善・充実。

7  臨床研究の推進
 臨床研究や研究者の総合的な支援を行うARO(Academic Clinical Research Organization)の整備等の全国的な拠点整備等、臨床研究者の教育・研修・実施支援の一貫した体制の構築。
 臨床情報の基盤整備、大学間のネットワークの構築等、臨床研究基盤の体制整備。
 治験依頼者への対応等を一元化したワンストップオフィスの大学病院への設置。
 臨床研究に必要とされる基本的知識の修得等の学部教育の充実。
 臨床研究経験を教員募集時の履歴事項とするなど、臨床研究者の動機づけの取組。

8  教育研究病院としての大学病院の役割を適切に果たすための組織体制の在り方
 専門的業務を行う事務職員の計画的採用、病院運営実態に応じた弾力的な事務組織体制の整備等、大学病院の管理運営における事務系職員の能力の開発と役割の充実。
 大学病院として教育・研究の目的を明確にした上での疾病別・臓器別等の診療組織の構築等。
 教育・研究・診療の各機能に応じた医師の役割分担の明確化、看護師等のコメディカルとの連携協力体制の構築。
 医師不足が指摘されている診療科等の人材養成のための体制の整備、救命救急体制の整備。

9  女性医師の増加に伴う環境整備
 短時間勤務の導入、院内保育所の整備と利便性の向上等、女性医師が働きやすい環境整備。
 復職前の職場復帰訓練、段階的な復職のための職場サポートシステムの構築等、育児休業からの復職にあたっての環境整備。
 再研修センター等の組織を整備し、復帰相談、教育・研修、就業紹介、復帰予定の医療機関との連携等の復帰に必要な支援を総合的に行うなど、子育て等により退職等した女性医師の医療現場への復帰支援の充実。
 「次世代育成支援対策特別推進法」に基づく特定事業主行動計画の策定・充実。

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