| 1. |
臨床実習に係る調査結果について |
| ○ |
調査結果について事務局から説明。 |
| ○ |
(調査結果から)大学独自の医行為に関する指針を作成しているところもあるようだが、学生が実施する医行為については、侵襲性の低いものを実施させるようにし、各大学とも安全性を確保するような方向に進んでいるように思える。近年、医療訴訟が増加しているため、現場としては侵襲性の高い医行為を学生にやらせようとはしなくなっている。 |
| ○ |
「医行為を学生同士でやらせている」という記載が目立ったが、相手が患者でなくても、事故が起きた場合は医療事故に含まれる。学生同士の医行為についても、学生の親の承諾を得る、という記載もあった。 |
| ○ |
どのようなインフォームド・コンセント(以下「IC」と言う。)をとっているのかが、各科によってまちまちであり、各大学とも悩んでいるように受け止めた。 |
| ○ |
違法性を阻却できる医行為はないが、侵襲性の高い医行為であっても、どんどんやっていいような雰囲気になっているが、「国としての指針を決めてほしい」というのが大学の本音だと思うため、このWGを機にきちんと診療参加型臨床実習(以下「CC」と言う。)の在り方をきちんと見直すべき。 |
| ○ |
平成13年に「モデル・コア・カリキュラム」(以下「コアカリ」と言う。)を策定した時に、学生の臨床実習について明確にコアカリGとして学習目標を示したので、学生に医行為を積極的にやらせるべきだと解釈する人が多かった。しかし、昨今のように医療安全が謳われるような時勢においては、実際に学生が事故を起きしてしまったら対処の方法がないという状況で、現場は板ばさみ状態となっている。 |
| ○ |
最近は、医師国家試験(以下「国試」と言う。)においても、学生がきちんと臨床実習をやってきたかを評価するようになってきているため、国試との整合性も考える必要がある。 |
| ○ |
CCは臨床推論を学生が学ぶためのものであるが、学生にきちんと役割を持たせる必要がある。 |
| ○ |
CCの在り方については、平成13年のコアカリ策定時の前文に既に記載があるが、今回のWGで検討した結果を改めて明記した方が良いのではないか。コアカリ策定時とは時代が変わってきている。 |
| ○ |
CCでは、侵襲的医行為については見学型というスタンスをとるべきかもしれない。羞恥的医行為は見学すらできない。国としてのスタンスを示して欲しいと言うのが大学の本音だと思う。 |
| ○ |
このWGで、CCについてどこまで定めるかを決める必要がある。CCについてのある程度の基本指針を示すべき。 |
| ○ |
問題が発生した時に、患者の同意をとっていてもそれが認められるかが問題。ここまで同意を得れば問題は無いというコンセンサスをとるべき。また、学生の医行為について、保険がどこまでカバーしているかという点についても明確にするべき。 |
| ○ |
医行為の法的な観点(違法性の阻却について)からの議論を、一度、WGでやった方が良い。 |
| ○ |
日米で医療に関する刑事訴訟の実態が全く異なる(米国ではほとんど民事)ので、アメリカ型のCCを日本に導入する際には、そのあたりもきちんと認識した上で導入しないと問題が生じる。 |
| ○ |
文科省からの仕事で、アメリカにおける医行為の現状を視察に行ったことがあるが、アメリカでは侵襲的な医行為はやらせていなかった。
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| 2. |
地域医療実習について |
| ○ |
「地域医療実習」についてのコアカリ改訂案を主査から説明。 |
| ○ |
地域医療実習について、どの分野の教員が担当することになるのか。地域医療は診療科、保健・福祉は公衆衛生との考えがある。医療と保健と福祉のつながりについて教えることは大切だが、どの部門が担当すべきかが不明。 |
| ○ |
診療所に実習に行けば、一連の事柄を学ぶことができる。地域医療実習については、総合診療部の教員が担当することになるのか。最近は、各大学に地域連携室があるため、その担当教員が担当することになるのかもしれない。卒後臨床研修においても、地域医療についても研修を行うので、卒後臨床研修センターが担当しても良いかもしれない。 |
| ○ |
地域医療実習の期間を決めると、各大学に縛りを与えてしまうことになるので、実習できない可能性が出てくる。 |
| ○ |
最近、地域によっては、保健所が医学生を実習に受入れてくれないところがある。特に都心は大学も多いため、受け入れ側の開業医等は実習の受入を依頼されて困ってしまっている。研修医の場合は既に医師免許を持っているためマンパワーになるからよいが、医学生の受け入れについては拒否されることが多くなっている。 |
| ○ |
「地域医療実習」の項を設けるのはよいが、ここに対応する科目が無い。 |
| ○ |
体験するのが大切なことなので、実際に対応する科目が無くても良いのではないか。
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| 【たたき台に関する議論】 |
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| ・ |
5の表題を「地域医療臨床実習」とするか、「地域医療実習」とするか。 |
| ・ |
「一般目標」の「保険・医療・福祉」の順を「医療・保健・福祉」とする。 |
| ・ |
「到達目標」の順番を「1)→2)→3)→4)」から、「4)→1)→3)→2)」とする。 |
| ・ |
たたき台案「到達目標」「2) プライマリ・ケアを体験する。」を「2) 地域のプライマリ・ケアを体験する。」とする。 |
| ・ |
「実習形態」の「学外の地域病院、診療所、保健所と社会福祉施設など」を「学外の地域病院、診療所(保健所・社会福祉施設も含む)など」とする。 |
| ・ |
Gの前文(CCに関する統轄責任者の配置について)を追加することについては特段の問題はない。
| ※ |
CCで事故が起きた際にこの統轄責任者が責任をとることになるのか、といった質問もあった。 |
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| 【まとめ】 |
| ○ |
次回のWGにおいて、「G 臨床実習」部分のコアカリ改訂案のたたき台を主査から提出することとなった。 |
| ○ |
今回議論した「地域医療実習」のコアカリ改訂案のたたき台を修正し、次回のWGで改めて議論を行うために事前に各委員からコメントをもらうこととした。 |
| ○ |
次回WGの開催日時については、各WGの開催予定等を勘案して医学教育課において設定する予定とした。 |