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資料1-4

「医学教育モデル・コア・カリキュラム」の改訂に関するワーキング・グループ会議(概要)

医学教育の改善充実に関する調査研究協力者会議:「医学教育モデル・コア・カリキュラム」の改訂に関するWG第3回会議(概要)

日時:
平成18年4月20日(木曜日)14時〜16時

場所:
文部科学省M7会議室

出席者:
WG専門委員
  福田主査、北村副主査、相川委員、相澤委員、齋藤委員、福島委員、福本委員、松村委員
協力者会議委員
  名川委員、新道委員
厚生労働省医政局医事課
  林試験免許室専門官
文部科学省
  磯田大臣官房審議官、栗山医学教育課長、赤塚大学病院支援室長、田中医学教育課長補佐、三枝医学教育課長補佐、神田医学教育課大学病院支援室長補佐 ほか関係官

議事概要
議事1  「改訂案の概要作成に向けた具体的内容の検討」
1. 地域保健・医療についての記載の充実について
 提出された改訂案について審議し、以下の点についてさらに具体化に向けて検討することとした。
 
用語の整理
   総合医、家庭医、プライマリ・ケア医、など日本語の差異が明確でない用語については、その違いを整理していくこと。国試出題基準では、「プライマリヘルスケア」という用語を使用している例もあるため、用語の統一・整理が必要であること。
概念の整理
   地域医療と地域保健は概念が異なるため、「地域保健」についての概念についても整理し、コアカリに明記した方がよいこと。
 当該箇所における「地域医療」の概念を明確にすること。(「地域」とは”area”なのか、”community”なのか、など)
 “総合診療”という概念はまだ固定しておらず曖昧なため、「3)総合診療の概念…」をこのカテゴリーに入れること自体も含めて再考すること
記載の充実
   協力者会議のそもそものミッションからすると、2)と8)をより明確にした記載にすべき。診療科偏在についての具体にまで踏み込んで記述することが必要ではないか。(そもそも協力者会議から本WGに要請されている趣旨を踏まえると、地域医療における地域偏在、診療科偏在の課題を明確に記述した方がいいのではないか。)
 「小児科医・産科医が不足している」ということを教えるのではなく、地域医療の重要性について教えるべきではないか。
 6)、7)については、意味が伝わりにくいため再考すること。
 8)については「地域医療の課題について説明できる」としてはどうかとの意見あり。
 地域連携についての記載を追加すること。
その他
   1)〜6)は理論的であり、7)が実践となっておりバランスがあまり良くないと思われるため、理論と実践のバランスを再考すること。

2. 腫瘍の病態発生、診断、治療について
 提出された改訂案について審議し、以下の点についてさらに具体化に向けて検討することとした。
 
【治療】到達目標:1)「腫瘍の治療法を概説できる。」
   M4で知っておくべきことと考えると、治療法の種類というよりも、どの科が関連するのかを理解することの方が大切。
 「治療法の種類を概説できる」という記載にしてはどうか。
 チーム医療については、第三者が目にすることを踏まえると、もう少し踏み込んだ記述も必要。患者の症状にベストな治療方法を選べるという視点の記載が必要。
【診療の基本的事項】到達目標:1)「腫瘍の診療におけるチーム医療を概説できる。」
   チーム医療の概念は大切だが、人によっては”チーム医療”を医師・コメディカル等のチームとしてではなく、医師同士のチームだと勘違いしている人もいる。
 (名川委員からのコメント)癌治療学会と臨床腫瘍学会が協力してカリキュラムを作っており、自分はこれを参考にして全体案を作成した。学会作成のカリキュラムを網羅的に記載したのではなく、ピックアップしてコアカリ改定案には盛り込んだ。
 一診療科の患者としてではなく、診療科の壁を取り払った外科、内科、放射線科、病理等の各分野の協力が必要。
 腫瘍の専門家がいないため、如何に教育していくかという概念もはらんでいる。
 「がん患者の精神的苦痛を理解できる」という内容を取り入れてはどうか。(基本事項に既に入っておりM2程度で学ぶことになっている。)
その他
   「C 人体各器官の正常構造と機能、病態、診断、治療」では、「脳・脊椎腫瘍」「(皮膚系)腫瘍」「肺癌」「食道癌」「胃癌」「大腸癌」等様々な種類の癌・腫瘍が臓器別に記載されているため、横断的な腫瘍に関する記載が必要である。

3. 医療における安全性への配慮と救命・救急に関する記載の充実について
 提出された改訂案についての審議し、以下の点についてさらに具体化に向けて検討することとした。
 
用語の整理
   卒前においては「安全確保」を、卒後においては「安全管理」とすることは、卒後は免許を有しているから「管理」でいいと思うし、両者を分けるためにも適当だと考えられる。
 「ヒアリハット」ではなく「ヒヤリハット」という言葉に修正すること。
概念の整理
   研修医の“やっていいこと”と”やってはいけないこと“は明確になっているが、卒前段階の医学生の“やってはいけないこと”について明確になっていないため、概念を整理した上でコアカリにきちんと位置付けていく必要がある。
 「医療上の事故等」という概念は広すぎる。行政処分については、医療過誤のみが対象となるため、3)について再考すること。
 「(3)2)」の”Standard Precaution”については、英語標記でいいのか、という議論が出た。ここは正しくは”standard precautions”である。国試出題基準においても「標準予防策<standard precautions>」とされている。「標準予防策」という言葉にする必要があるか。また、この部分については、「実行できる」とあるが、確かに必要ではあるが、医学部生にとってはレベルが高すぎるのではないか。Standard precautionsとは、採血の際に手袋をするとか、手洗いをするといったことが内容であるが、実行まで求められるのか。
 「異常死体について概説できる」という点について、将来的に盛り込むべきではないか。現在、このことに関する概念も定まっていないが、異常死体についての報告、解釈をすることは重要であるとかんがえられるため、今後、コアカリに盛り込むことを検討していただきたい。
記載の充実
   平成14年の「医療安全推進総合対策」(医政発第0417009号医薬発第0417001号)の「卒業前・卒業後の教育研修の役割分担と連携」の趣旨を踏まえ、”医療安全教育”の実施についてコアカリに位置付ける必要がある。
 医療安全についてコアカリに入れることは重要。(臨床実習WGにおいても医学生の“行っていいこと”と“行ってはいけないこと”について明確にしていきたい)
その他
   「(2)4)病理解剖、司法解剖…」の記載箇所について再考すること。
 (3)の順番を、1)→2)→4)→3)としてはどうか。1)〜4)で内容の軽重がバラバラ過ぎる。
 「3(2)7)」の日本語が不明。「…理解し、患者に適切な取扱ができる。」とあるが、ここは「患者にとって適切な」という意味でいいと思うので、「患者に」をとり、「理解し、適切な取扱ができる。」としてはどうか。

議事2  本WGの今後の方向性について
 
   技術的な修正については、相川先生を中心に行うこととし、具体の分担については主査と事務局で調整すること。
 緊急を要するものについては、用語の修正を行った後に文言の整合性をとること。※時間があれば用語の定義・内容について更に考慮する。
 プロフェッショナリズムや研究等については、「A基本事項」に記述する方向で具体的な内容を検討すること。
 コアカリ改訂を始めるという話だけが先行し、希望的観測が広まってしまっている。学会等を沈静化するには一次報告にマイナーチェンジであることと、最終報告には大幅改訂に向けた方向性を示すことをメッセージとして明記すること。
 次回のWGについては、技術的修正に係る分担案の提示及びプロフェッショナリズムや研究等、今後のコアカリ改訂に入れるべき事項に係る案の提示をすること。

その他  次回WGの開催日時については、各WGの開催予定等を勘案して医学教育課において設定する予定とした。



医学教育の改善・充実に関する調査研究協力者会議「医学教育モデル・コア・カリキュラム」の改訂に関するWG第4回会議(概要)

日時:
平成18年6月26日(木曜日)16時〜18時

場所:
文部科学省科学技術・学術政策局会議室

出席者:
WG専門委員
  福田主査、北村副主査、相澤委員、梶井委員、齋藤委員、奈良委員、仁田委員、福島委員、松村委員
協力者会議委員
  大橋委員、田中委員、名川委員
厚生労働省医政局医事課
  出席者なし
文部科学省
  磯田大臣官房審議官、栗山医学教育課長、田中医学教育課長補佐ほか関係官

議事概要
議事1  「がん対策基本法」について
 今国会で成立した「がん対策基本法」について事務局から概要を説明。

議事2  改訂案の概要作成に向けた具体的内容の検討
1. 腫瘍についての改訂案審議
 提出された改訂案について審議し、主査・副主査一任とすることとした。

【確認事項】
1  【治療】2)「放射線療法」には、重粒子も含む。
2  【治療】5)「支持療法」には、チーム医療や癌の副作用に対する医療も含まれる。
3  【治療】1)〜3)及び6)は、「がん対策基本法」に基づいて変更。
4  【治療】4)〜5)については、がん関係学会のガイドラインを引用。

【修正事項】
1  改訂案では、“腫瘍”、“良性腫瘍”、“悪性腫瘍”という3種類の用語を使っているが、用語の統一を図るという観点から、【発生原因・疫学・予防】3)、4)及び【診断】5)、6)の「悪性腫瘍」の“悪性”という部分を削除する。
※【病理・病態】3)「良性腫瘍と悪性腫瘍の違いを説明できる。」については除外。

2. 医療安全・救急についての改訂案審議
 提出された改訂案について審議し、主査・副主査一任とすることとした。

【修正事項】
1  A2(1)「安全性の確保」6)について、“コンピテンシー(資質、能力)”の概念が統一されておらず、各分野によって使われ方が異なるため、「医療安全確保には職種・段階に応じた能力向上の必要性を説明できる。」とする。
 
 当該箇所については、実習等で実践することが各方面から求められてきているため、各大学の医学部教育において、実習体制の構築を求めるような記載にする必要があるため“実践する”という文言を入れる。
  さんかく印を付けるかについては再度検討する必要があるが、M4〜M6で学ばせるような内容ではないか、という意見もあった。

2  A2(2)「医療上の事項等への対処と予防」5)について、“・フールプルーフ”という文言を削除。
 
 用語を医学生に覚えてもらうという観点からすれば、入れた方がいいという意見もあったが、フェールセールまで例示すれば十分なのではないかという議論から。

3. 地域医療についての改訂案審議
 提出された改訂案について審議し、主査・副主査一任とすることとした。

 その際、学部段階でどのようなことを教えるべきなのか、ということを再整理し、学生に向けた視点と社会に向けた視点の両方を勘案する必要がある、との意見があった。

【確認事項】
1  (7)地域医療(新設)の項目は、「F 医学・医療と社会」の(3)と(4)若しくは、(4)と(5)の間くらいに入れるべき。
 
 (7)といった下位ではなく、上位に格上げするといった観点。
 地域医療の中には介護などの件があり、これが(4)に入っているから。

2  「F 医学・医療と社会」に“地域医療”に関する記載が多数あるため、新設“地域医療”の項目との整合性を図るべき。
 
例) 一般目標: 社会と健康・疾病との関係や地域医療について理解し、‥‥
  到達目標: 3)地域医療の機能と体制…
    6)地域保健と医師の役割…
    7)病診連携と病病連携を…

3  新設「地域医療」の3)と5)が内容的に重複しているので、3)に集約すべき。
 
 これらは、6)ともリンクするので、統合する必要がある。

4  改訂案に「実習に参加できる」といったような積極的な内容を盛り込むべき。

議事3  コア・カリキュラムにおける技術的な修正のための調査研究作業
 提出された改訂案について奈良委員から報告があり、7月上旬までに各WG委員から新たな意見を提出してもらい、提出があった意見については、主査・副主査が取りまとめることとなった。

その他
1  今回でコア・カリキュラム改訂案についての審議を終えることとし、最終案については、主査・副主査に一任することとなった。
2  次回WGの開催日時については、各WGの開催予定等を勘案して医学教育課において設定する予定とした。


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