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資料1

「医学教育モデル・コア・カリキュラム」の改訂に関するWG第1回会議(概要)

日時: 平成18年1月19日(木曜日)15時〜17時

場所: 文部科学省M7会議室

出席者:
WG専門委員
福田主査、北村副主査、相澤委員、梶井委員、齋藤委員、奈良委員、仁田委員、福本委員
協力者会議委員
大橋委員、小川委員、田中委員、名川委員、橋本委員、垣生委員、吉田委員
厚生労働省医政局医事課
林試験免許室専門官
文部科学省
栗山医学教育課長、小谷医学教育課長補佐、加藤医学教育課長補佐、神田大学病院支援室長補佐

議事要旨(概要)
1. 全体(本WGの位置付けと役割)
 改訂を必要とする点の洗い出しとその改訂案の作成
 本格的な改訂のサイクルとそのための仕組みの検討
 実施期間:平成18年1月19日〜平成19年3月31日
注1)  本ワーキンググループでは夏から秋に報告する予定
注2)  地域医療、腫瘍、医療安全等に係る内容については、平成18年春の第1次報告に内容を盛り込むことができるよう検討
 臨床実習については名川委員を主査としてWGを設ける
注)  厚生労働省に参加を要請
 上記の本WGの位置付けについて了承

2.  WGの作業スケジュール等について
 改定案の概要作成に向けた具体的な内容と分担
1  コア・カリキュラムに係わる現状把握のための調査研究作業
a)  各大学の改訂ニーズの把握:福島、北村
b)  医師国家試験出題基準との関連と用語の統一性:齋藤・福島、相川・相澤・福本・松村
2  コア・カリキュラムにおける技術的な修正のための調査研究作業
a)  記載上の誤りの修正と重複・階層の整理や法制度・名称等の変更に伴う修正:MDセンター・共用試験実施評価機構 奈良、齋藤、仁田
b)  索引の作成:MDセンター 奈良
3  社会的要請によるコア・カリキュラムの改訂のための調査研究作業
a)  地域保健・医療についての記載の充実:梶井
b)  腫瘍の病態発生、診断、治療について:名川
c)  医療における安全性への配慮と救命・救急に関する記載の充実:福田、田中
 以上のスケジュールと役割分担を了承し、次回WG会議までに分担した調査研究事項の内容をA41ページ程度に箇条書きにまとめて文部科学省医学教育課へ提出していただくこととした。なお、コア・カリキュラム項目の具体的記載として可能ならば、これについても記載していただく(様式自由)。

3.  自由討論からの要点整理(○問題点の指摘、●対応)
問題点の指摘  コア・カリといっても、これだけやればよいとの錯覚、医学研究などに弊害が大きい。単なる臨床医育成への移行と理解されている。基礎系の研究・臨床研究等にも影響。特に臨床研修の必修化と重なって大問題である。
対応  コア・カリは必要最小限であり、選択制カリキュラムの必要性が理解されていない。コア・カリ項目A〜Fまでの項目と内容のみにとらわれている。コア・カリ項目を授業科目と捉えるのは間違え。考え方として必要な事項は随所に記載されているが、表現の仕方に工夫が必要。また、基礎イコール研究、臨床イコール実務との単純は差別化が問題で、医師は常に情報収集・研究・検証など研究マインドを持たせることが必要。この考え方を十分強調・周知する工夫が不可欠。
問題点の指摘  グローバル・ミニマム・エッセンシャルも提示されている。参考にしてはどうか。心理や倫理などについても触れるべきである。関係者の狭い範囲にしか理解されていない。広く、医学教育に携わる者、医師一般、医療系や社会に向けて理念を周知すべき。倫理、医療保険制度や医療経済的側面も十分記載すべき。前回のコア・カリは急性期の医療が主体だが、慢性期についての記載も必要。
対応  英国のTomorrows Doctor 2002、IIMEのglobal minimum essentialカリキュラムも参考にしたい。これらは総論主体である。次回に資料を提出したい。我が国のコア・カリでは各論主体の受け取りをされている。心理・倫理については、準備教育、基本事項に記載されているが、これらが明確に位置づけられるような記載の工夫が必要。医療保険制度も記載されているが目立たない。これらを広く社会に周知することができるような記載とし、慢性期など社会の要求に合致させながら、医学を目指す受験生にも目に入るようにすることが必要。コア・カリキュラム冊子としての記載上、各論よりも重要な総論部分、考え方や基本方針がよく理解されるために、読む側、受け取る側の視点も十分配慮した工夫が必要。
問題点の指摘  医師国家試験との整合性や学部教育と研修の関係は?
対応  項目の比較と整合性を持たせることが必要。また、卒前教育内容と卒後研修がうまく連動することが理想的。臨床実習における医学生の医行為については、医師法の阻却用件と具体的な行為の内容、その実施に係わる諸問題を検討する必要がある。これは別途立ち上げ予定の名川先生を主査とするWGで検討することとしており、議論も多いことから、WGで骨格を提示して前向きに強力に進めることが必要。
問題点の指摘  医学・生命科学研究は、大学院重点化の大学しかできないのか。研究とくに医学研究ばかりでなく、生物学研究も記載すべき。
対応  大学院重点化の大学でしか研究できないのではなく、医学系大学全般に臨床研究・生命科学研究・疫学研究を進めている。学部教育においても早い段階から研究の必要性をカリキュラムに盛り込めるよう記載、特に総論部分と選択制カリキュラムの必要性を強調することが必要。

まとめ
 本WGの役割分担、作業内容、作業分担を了承し、次回までに担当部分の概要を提出することで一致。
 前回のコア・カリキュラム提示時には、各論部分主体の議論展開や、各大学における導入の議論や混乱を引き起こした。重要な視点や基本的考え方も随所に記載されているが、医学教育に携わる者にも理解が十分でない。また、医学教育に携わる者ばかりでなく、医師、医療界、社会一般への周知も視点に置くことが必要。この点で記載上のかなりの工夫が必要である(分かり易いカラー版のまとめ図など)。
 研究者VS臨床医、基礎VS臨床といった極端な差別化の議論が多い中、医師を目指すものに不可欠な素養として、倫理・安全・患者中心の医療とともに、進歩と改善に向けた検証・研究的視点および教育者としての視点が不可欠であることの徹底を図る必要。教育者・研究者育成については別途、大橋委員主査のWGで検討するが、議論の展開に統一性・共通性を確保し、協力者会議として全体をまとめる筋書きが必要。


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