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私学共済に入らずに健康保険或いは厚生年金に加入している学校があるようだが、どのような状況か。 |
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厚生年金や健康保険に加入しているという学校もあれば、年金だけは私学共済、医療保険のほうは健康保険に加入、又はその逆、と様々なケースがあるが、何らかの社会保険制度には加入しているという状況である。 |
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私学共済制度が発足した当時、どの制度を選ぶか、学校側に裁量があったということなのか。 |
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昭和29年1月の私学共済制度発足後は強制加入となっているが、制度発足時に既に厚生年金や健康保険に加入していた学校については加入選択が可能であった経緯から、現在もそのような形態が存在するということである。 |
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掛金率の将来見通しの説明中の「到達年度が平成57年」の意味をご説明いただきたい。 |
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私学共済年金の将来見通しの推算上、掛金等の収入と年金給付額等の支出が概ね均衡する時期ということである。 |
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平成57年度に収支均衡を図るというのは収入イコール支出になるという意味に捉えたが、今後、収支が悪化し、収益が減少する結果、平成57年度には収支が均衡し、以後は収支差がマイナスになるという意味なのか。それとも赤字になる時期が平成57年度ということなのか。 |
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最終保険料率で徴収した掛金収入と、その時点で支払うべき給付額が均衡するということである。将来給付を考慮すれば当面は掛金率を上げる必要があるが、平成57年には収支が均衡し、以後、ずっと同じような状態が続いていくということである。 |
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年金受給権を得るためには25年の加入期間を満たす必要があるが、私学共済は若い制度のため、これから年金受給者が増えていく状態にあることから、増加のピークが平成57年度であると推算されているわけで、これを目途に財政的に均衡が得られるように計画するというのがこの表の意味である。この表によれば平成57年度以後は年金受給者が少し減っていることから、収支が完全に一致するということではないものの、概ね平成57年度の状態がそのまま将来も推移していくという推算になっているのだと思う。 |
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社会情勢が不安定で将来の見通しが明るくないという空気の中で、「納めた掛金に見合う年金が支払われるのか」という不安を色々なところでよく聞く。このため、将来の見通しや予想される年金の受給額等が具体的かつ分かりやすく提示される仕組みが出来れば、「頑張って払おう」という気になると思うので、実現の方向で検討されればと思う。 |
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先ほど説明したポイント制とは、自分の年金額のレベルが今の標準的な年金額に照らしてわかるというものなので、是非、導入して若い方々に自分の年金を知ってもらいながら、掛金を納めていただきたいという思いがある。 |
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また、納めた掛金に見合う年金が支払われるのかということについて、現在の年金受給者は今のレベルと比較すれば保険料負担は相対的に少ないと言えるものの、老後を迎える方々の給付としてはある程度のものを保障する必要があるということで、納めた保険料と得られる年金額に乖離があるのはやむを得ないことである。今後発生する年金受給者については、納めたものが戻ってこないというレベルにまで給付を抑え込むということはない。 |
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経済財政諮問会議での論議や年金部会、さらには厚生労働省や文部科学省での論議などで、打ち出されたもの又は消えるものがあるという状況で、果たして年金制度がどういう方向に進んでいくのだろうかと強く思っているが、実際にはどのような形で反映され、現実化されるかというのがわかりにくい。 |
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私ども政府としては9月以降に案をきちんと出す責任があり、政府全体の中での意見調整を経て最終的なものを決めていくことになるが、例えば社会保障審議会では、まず年金を長期的なものとして姿を明確にさせ、それを前提に医療や介護など様々な仕組みが考え得るのではないかと強く指摘を受けているので、責任をもってやっていかなければいけないと思っている。 |
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厚生労働省から、いずれ具体的な年金改正案が示されると思うが、今後、私学共済年金としてどのように対応していくのか。 |
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私学共済年金については厚生年金の改正内容を踏まえつつ検討する必要があろうかと思っているが、概ね、準用している国共済法の改正に準じた措置をとることになろうと考えている。具体的には、厚生年金の改正案が示され次第、この場でもご議論いただき、最終的には来年の通常国会に改正案を提出したいと考えている。 |