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資料2−1

国際的な大学の質保証作業部会
EラーニングWG報告

Eラーニングによる高等教育の質保証に関する提言等


OECD/CERI
   近年、質的保証とアクレディテーションについて考える上で注目を集めている話題の1つにICTによる高等教育(遠隔教育、e-ラーニング、ヴァーチャル大学等)がある。
   質保証とアクレディテーションは、通常、国が認定した「公的」な制度に限定されるため、国境を越えた学生、プログラム、プロバイダーの動きと、遠隔教育やe-ラーニングといった新しい配信モードの発展は、質保証とアクレディテーション手続きについて特別な問題を提起する。→非国家的なプログラムとプロバイダーについては、既存のシステムの範囲を広げることで対応できるのか、あるいは、特別なシステムを作る必要があるのか。
   遠隔教育、WEB配信、e-ラーニング、バーチャル大学と行った新しい配信・学習モードの成長は、伝統的な教育アプローチや実践に対する挑戦であるとともに、質保証とアクレディテーションに対しても問題を投げかけるものであるのか。

イギリス
   遠隔教育が多様な形式で発展したことに伴い、より広範囲に高等教育を提供する機関が増えてきている。遠隔教育の質を保証するためには、通常のオンキャンパスによる教育提供のための質保証の基準等では必ずしも適当ではないという、イギリスの遠隔教育コミュニティーの要求により、イギリスの質保証機関「QAA(高等教育質保証機関(Quality  Assurance  Agency  for  Higher  Education)」が、遠隔教育により提供される高等教育プログラムの質及び標準的な保証についてのガイドラインを作成した。
   このガイドラインは「システムデザイン」「プログラム設計、承認及び調査」「プログラム配信のマネージメント」「学生開発、支援」「学生評価」の6つの項目から構成されている。

アメリカ
1   遠隔教育が、対面教育と異なる教育形態をもつ、新たなプロバイダーが多く参入にしている、短期訓練的なコースが多いために、これまでと異なるアクレディテーションの基準が必要だという議論に対して、CHEA(Council  for  Higher  Education  Accreditation)が遠隔教育に関わるアクレディテーション団体の実態を調査研究した。
   17の地域及び全米アクレディテーション団体
      →    新たに7つの領域に重点をおくべき(機関のミッション、組織構造、財政基盤、カリキュラム・指導法デザイン、教員支援、学生支援、学生の到達度)
   59のアクレディテーション団体
      →    遠隔教育の比重が小さいうえに、competency  standardsがあるため新たな基準を作る必要はない。

2   全米教育協会とブラックボード社が高等教育政策研究所に委託し、Eラーニングの質のベンチマークに関する調査を行った。Eラーニングに相当の経験をもっている6機関を対象に、「学内体制」「コース開発」「教授法・学習課程」「コースの構造」「学生支援」「教員支援」「評価」という7側面について調査された。その結果、7側面について24のベンチマークが析出された。

3   西部諸州高等教育協議会の中のWCET(Western  Cooperative  for  Educational  Telecommunication)のプロジェクトの成果として「電子メディアを通した望ましい教育とは」として、「カリキュラムと指導法」「機関での取り組み」等について電子メディアを通した教育に関する原則を提言している。

4    全米の8つの地区基準協会すべてが共同で、Eラーニングの質の問題に関するガイドラインを作成し、新たな遠隔教育の質確保を目的とし、「伝統・価値・方針に関するコミットメント」「協同、一貫性、協力に関するコミットメント」「良き実践の支援に関するコミットメント」の3つのコミットメントを掲げている。


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