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資料1

薬学教育の改善・充実に関する調査研究協力者会議(第11回)議事要旨(案)

1.日   時 平成15年7月2日(水)10:00〜12:30

2.場   所 経済産業省   別館944会議室

3.出席者 末松座長、佐藤副座長、野村副座長、秋尾、市川、乾、入村、北澤、桐野、児玉、全田、高柳、舘、寺田、富田、福田、望月、矢内原、吉岡の各協力者
文部科学省:木谷審議官、小松課長、北山課長補佐、加藤(健)課長補佐ほか関係官

4.議   事

(1) 「中間まとめに盛り込むべき事項」について議論が行われた。発言の概要は以下のとおり。

   高い臨床能力を持った薬剤師を目指す場合でも、創薬研究者を目指す場合でも、この薬学教育においては全員が薬剤師資格の取得を目指すというのが前提。

   薬学教育及び薬剤師行政が大きく変化するということを社会にアピールする際に、国際化に対応できるということ、国際性を明記する必要がある。

   日本の基礎薬学のすばらしい点、特徴を今後どのようにしていくのかという議論が行われていない。基礎薬学、薬学研究をどのように充実するのか、について議論をする必要がある。

   大学において研究者がいないと、学生に教える内容も深まらない。研究者養成も大学の重要な役割。日本の薬学は、世界有数の有機化学の拠点となっており、それは日本の薬学の優れた点であり評価も高い。国際的にも非常に優れた研究者がおり、それに続く人もいる。これまで持っていた長所をなかったかのような表現にすれば、日本の薬学にとって損失である。

   薬学教育への期待の記載をもっと充実させるべき。

   薬学という学問に様々な分野があると誤解されないよう、薬学という共通教育を受け薬剤師になった人の進路の多様性について、何が共通で、どのような多様性があるのかということの表現を工夫するべきである。

   全体の構成として、初めに医療薬学の充実に向けた社会からの期待、その期待を受けて指導者に求められるものを記述し、続けて創薬研究者養成との関係、我が国の薬学の特徴、世界に誇れるもの、という流れで記述するべき。

   基礎となる研究と基盤となる研究は分けて整理する必要がある。業務の高度化には、基盤となるサイエンスが必要で、その基盤となるサイエンスを支えるのが基礎となるサイエンスである。

   現在薬の副作用が非常に大きくなっている中、社会からの期待は、薬学の専門家が更に医療現場にコミットする、すなわち医療チームの中に直接入っていき、医療の質を更に向上させること。そのためには様々な技術の修得が必要であり、時間も要することから、教育に6年間が必要である。

   今までの教育が間違っていなかったことを示す必要がある。また今の教育に更に何が必要で6年間になるのかということを明確に示さないと、最終的に年限を変更することにつながっていかない。

   今までの4年間の薬学教育で養成する薬剤師は、他の医療人に比べてやや力が弱い。それを何とかするために6年間という修業年限が必要だという結論。

   6年間の薬学教育の中で、卒業研究とアドバンスト・カリキュラムを十分に行えば、その後、専門性のある薬剤師、創薬研究、薬事行政に進むということが可能。専門に出る際の芽を6年間の教育の中で育てるということが大切。

   薬の適正使用というキーワードを明記すべき。薬剤師にとって薬の適正使用は非常に大事な責務。医療現場の人間にとっては当然だが、企業の人間にとっても適正使用のための情報の把握・提供は非常に大切な責務。

   薬局の現場の立場としては、医薬品の適正使用のため、医療薬学なり臨床薬学なりを学生に教えていただきたいと考えている。また、今後は医薬品の適正使用に係る情報を広く提供するため情報処理能力を高めることが非常に大事。それが結果的には薬の安全性を高めることとなる。

   指導方法の工夫についての記載が抜けている。リサーチマインドを有する薬剤師、自分で考え自主的・積極的に問題解決していく薬剤師を養成するための前向きで具体的な指導方法を盛り込むべき。

   教育者主体の教育ではなく学習者主体の教育、受身型から能動型の教育ということを記述すべき。

   モデル・コアカリキュラムの指導方法から変えるべきである。スモールグループディスカッションが必要。医学部におけるチューター制度については、現状においては人材的な問題等から学部レベルでは困難であるが、何らかの形で検討すべき。

   修業年限を6年間にする、量的に増やしていく必要性を明確にすべきである。何を何単位増やさなければ、今後、社会から求められる薬剤師を養成できないということを裏付けなければならない。6年間という年限の必要性を裏付ける説明を行うことが必要。

   質の精選を行った上でなおかつ量的に増えるという表現が必要。

   5月30日の国公立大学薬学部長会議において、共用試験、実務実習、評価について検討するワーキンググループの設置が提案され、了承された。今後、これらの事項につき検討が進められる予定であり、10月に開催される同会議に提案が行われる予定。

   私立薬科大学長会議においても、国公立大学薬学部長会議の検討と並行して検討を進め、また意見交換を行うなど連携していきたい。さらに、日本中の薬学系大学学長・学部長会議という形で実務実習、共用試験、評価という3分野について話を進めていきたい。

   今年6月より都道府県薬剤師会の担当役員を集めて、受け入れ先の洗い直し、指導薬剤師養成等につき再整理を行い、今年度中に作業を終了させる予定である。

   実務実習の国立大学病院での受け入れについて、文部科学省からも病院長会議に対し説明を行い、理解を得ていただきたい。

   学生指導も行うということになると、現場の病院薬剤師の仕事はとてもハードになると思われる。指導薬剤師の質の保障が必要。そのためにも、第三者評価機関が重要。

(2) 市川委員より、実務実習モデル・コアカリキュラムの作成に関する小委員会の設置要綱及び今後の作業方針について説明があり、議論の結果、小委員会の設置等について承認された。

(3) 次回は、引き続き論点整理に基づき議論を行うとともに、中間まとめをとりまとめる作業をすることとなった。

(4) 閉会


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