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資料5

その他高大連携の取り組みについて

岡山理科大学における取組の事例
「インターネット遠隔授業による高大連携の広域化 −e-Learningによる高大連携の取組−」

1.高大連携の概要
事業概要: 平成14年度より、情報科学科の専門基礎科目である「インターネット入門」(前期1単位)と「アルゴリズム入門」(後期1単位)の講義をインターネット遠隔授業(同期双方向と非同期双方向の併用)により参加高校に配信する事業を開始した。所定の成績をとった高校生に本学の単位を認定している。高校の単位認定・取得については各高校が独自に行っている。受講する高校生の学年は特に制限を設けておらず、高校により異なる。
参画状況: 本学と連携高校は独自に教育協定を締結しているが、その内容は岡山県教育委員会と県内大学とが締結している包括協定に準拠している。協定高校は平成18年度時点で県内の高校8校(県立5校、私立3校)、県外の高校3校である。
成績評価: 講義担当の本学教員が定期試験(ペーパーテスト)と受講状況をもとに大学生と高校生の区別なく成績評価を行っている。定期試験は同期双方向遠隔授業システムを使用して、本学と全高校が同時に実施している。

表1.高校生の年度別受講者数と大学単位認定者数
年度 平成14年度(前) 平成15年度(前) 平成15年度(後) 平成16年度(前) 平成16年度(後) 平成17年度(前) 平成17年度(後) 平成18年度(前) 合計
受講登録者数 16 74 39 59 30 58 58 40 374
単位認定者数 8 30 26 38 20 30 34 20 206

高校における単位認定状況: 高校により状況は異なる。一例として、某高校(単位制高校)の平成17年度後期のデータを提示する。受講生数10名で大学単位認定者数は6名、高校の単位認定者数(増加単位)は9名である。

2.地域間格差・コスト負担の問題に対する取組
地域間格差の解消: インターネットにより物理的距離に影響されずに高大連携が可能である。近隣に大学がない高校でも連携でき、地域間格差が解消され教育の機会均等の原則が守れる。岡山県内においても多くの大学は岡山市や倉敷市の県南にあり、本事業は特に県北の高校にとって大きなメリットがあると考えられる。
コスト負担: 県教育委員会との協定により、高校生の受講料は無料である。高校は既にブロードバンドインターネット回線に接続しており、またパソコン実習室が整備されているため、本取り組みのために高校サイドには設備面で特にコストはかかっていない。大学は私学助成や研究助成を得るよう努力している。また、Learning Management System(LMS)を自作することにより、開発費やライセンス料などのランニングコストを抑えている。

3.高校生のニーズに応じた授業を展開するための工夫
授業の工夫: Webアンケートによる授業評価を毎回実施し、必要に応じて授業内容の構成の仕方等を検討している。 毎回の授業をVODにし、復習や欠席した生徒の便宜をはかっている。
システムの工夫: 授業のサポートや受講者管理など遠隔授業システム全体を管理するLMSを独自に研究開発をし、有効に活用している。

4.今後の課題:
担当高校教員の負荷を評価すること
高校と大学の1単位授業時間数の違い
e-learningにおける講義者の授業テクニック、 など


和歌山県教育委員会における取組の事例

1. 高大連携の概要
 
(1) 高大連携事業の概要
  協定書を結んでいる大学
和歌山大学
取組の経過
平成11年12月   和歌山大学教育学部との間で「和歌山大学教育学部・和歌山県教育委員会連携協議会」を発足する。「カリキュラム開発専門委員会」、「高等教育・初等中等教育専門委員会」など、8つの専門委員会を設置する。
平成12年4月〜 「高等教育・初等中等教育専門委員会」の事業として、教育学部教員による県立高校への出前講義を開始する。
平成18年度は、「人間理解の心理学」「異文化理解」「古典文学の魅力」「地震・津波のメカニズム」等をテーマに15校で実施する。
平成13年4月 和歌山県教育委員会から和歌山大学学長あて「高校生のための公開講座」開設に向けての要望書を提出する。
平成13年9月〜 高校生のための公開講座を和歌山大学で開始する。
県民を対象とした和歌山大学教員による講座(土曜講座)を、高校生のための公開講座として位置づける。
平成14年4月〜 高等学校を会場とした紀南講座を開始する。
高校生のための公開講座の概要(平成18年度)
教育学部、経済学部、システム工学部のすべての学部で講座を開設する。
各講座の概要
前期、後期講座 大学で学部生といっしょに講義を受ける。前期8科目(15名受講)、後期13科目(12名受講)を開講。夕刻の講義を公開講座とし、高校生は放課後大学へ移動して受講。
紀南講座 紀南地方の高校生が、専門性の高い大学の講義を受講できるように紀南の高等学校で開講。毎週土曜日に大学教員が出向き講義。1科目(50名受講)
集中講座 夏期集中講座のひとつであるコンピュータの講義を高校生も受講できるようにしている。1科目(6名受講)
土曜講座 生涯学習センターで、大学が一般県民向けに開設している「土曜講座」を高校生のための公開講座と位置づけ受講させる。(48名受講)
上記講座のうち、紀南講座は、和歌山大学から遠距離にある高校生の受講機会として、また、土曜講座は、課業日に受講できない高校生への機会として設定している。

和歌山県の特色
上記のように、県内すべての公立高等学校生徒が受講できるよう、場と機会を工夫した講座を設定している。また、各学校への周知と募集については、県教育委員会で行っている。

(2) 教育委員会の関与のメリット
高等学校と大学あるいは教員同士の個人的なつながりによるのではなく、組織としてとりまとめることにより、一定のルールに基づく実施が可能となる。
高等学校の置かれた地理的条件に左右されることなく、すべての高校を対象とすることができる。
大学と教育委員会の連携関係が強化され、大学教員が行う出前講義が年間をとおした指導へと発展するケースも生まれている。

2. 連携協議会
   平成13年9月から開始した和歌山大学による「高校生のための公開講座」の実施に当たっては、大学当局との事務連携がスムーズに運び、協定書に基づいた講座が毎年開講できていることから、担当者或いは担当課長レベルの総括協議は毎年行っているが、連携協議会は設けていない。ただし、平成11年12月に発足した和歌山大学教育学部との連携協議会は現在も継続して行っており、その概要は以下の通りである。

(1) 和歌山大学教育学部・和歌山県教育委員会連携協議会の概要
  構成員(別紙名簿:資料1の通り)
連携協議会
総会は、年1度。連携協議会企画委員会は、必要に応じ年数回。
協議内容
各事業の在り方や方向性について(別紙協議会構成表:資料2の通り)

3. 成果と課題
 
高校生の学究的な学びに対する意識が高まる。
出前授業等で大学教員が高校へ出向いて授業することにより、大学教員の高校生に対する理解が深まる。
講義によっては(例えば「CAD」など)、専門高校の生徒の方が学部生より知識がある場合があり、大学の講義にも緊張感を与える場合もある。
学部生と高校生が同時に受講するため、大学教員の講義への工夫改善につながる。
和歌山大学の地理的位置から大学へ行くまでに時間がかかり、前期・後期講座には、近隣の高等学校しか受講できない。
専門性を持ちながら基礎的な内容の講義を開設することとしているが、講義によっては高校生には難しい内容もある。
高校での単位認定を前提としているため、欠席が多くなると途中挫折する生徒もでてくる。


資料1

和歌山県教委育委員会・和歌山大学教育学部連携協議会 事業推進代表者名簿

2006年6月15日現在
区分 ナンバー 名称 和歌山大学教育学部代表者 和歌山県教育委員会担当者
大学院3コース 1 学校マネージメント
力量形成コース
市川(学校教育専修)
総務課教育政策班長   田村光穂
2 科学教員養成コース 宮永(理科専修)
県立学校課指導一班指導主事   茂田嘉朗
3 地域文化コミュニケーター養成コース 海津(博物館運営委員会)
紀伊風土記の丘副館長   武内雅人
学部3講座 1 教育の現状と課題 石塚(教務委員長)
総務課教育政策班教育企画員   鈴木晴久
2 教師力養成特講 野中・豊田(教育実践総合センター)
総務課教育政策班指導主事   森下英男
3 学習指導におけるコンピュータ活用 野中・豊田(教育実践総合センター)
教育センター学びの丘研究開発課指導主事   桑木義典
教員研修   研修センター実施講座 市川(教育学部)
教育センター学びの丘研究開発課指導主事   中村和穂
連携地域8事業 1 中高連携事業 山下・山本(哲)
県立学校課指導二班指導主事   西岡大修
2 高大連携事業
(出前講義)
石塚(教務委員長)
県立学校課指導二班指導主事   前田成穂
3 高校非常勤教頭派遣事業 石塚(星林高校非常勤教頭)
総務課教育政策班長   田村光穂
4 実習・体験学習実施事業 石塚・菊川・江田・船越
(教育ボランティア・教育実習)
小中学校課指導二班指導主事   秦野稔子
松浦・野中・豊田(スクールボランティア)
小中学校課指導二班指導主事   前田文久
永守・海津・高須・高橋(ミュージアムボランティア)
県立美術館学芸課長   浜田拓志
県立博物館学芸課長 竹中康彦
石塚(インターンシップ)
総務課秘書班指導主事   中村憲司
5 共同研究実施事業
(実践センター研究プロジェクト・教育相談)
教育臨床プロジェクト(竹田・松浦)
情報教育プロジェクト(野中・豊田)
教育実習改革プロジェクト(松浦・野中・豊田・川本・植西・泉・附属学校)
総務課教育政策班教育企画員   森下英男
6 科学教育振興事業
(実験工作キャラバン隊)
宮永
小中学校課指導二班指導主事   嶋田文紀
7 文部科学省委嘱事業 松村(外国語多様化推進事業)
石塚(SPP・スーパーサイエンスハイスクール)
山本(哲)(スーパーイングリシッシュハイスクール)
県立学校課指導二班指導主事   松本泰幸
県立学校課指導一班指導主事 茂田嘉朗
県立学校課指導二班指導主事 松本泰幸
8 地域共同研究事業
(教育フォーラム企画・ 実施)
川本(教育学部)
教育センター学びの丘研究開発課長   亀井晴史
研究開発3プロジェクト 1 カリキュラム開発プロジェクト 市川・宮永・川本・船越
小中学校課指導二班指導主事   木下昌久
2 情報教育プロジェクト 野中・豊田
教育センター学びの丘研究開発課指導主事   窪田充男
3 障害者・生涯学習プロジェクト 池際・山崎(由)
県立学校課特別支援班指導主事   米田良博
連携協議会企画委員会 川本・市川・池際(評議員)
副島(人事委員長)
石塚(教務委員長)
船越(教育実習委員長)
沼田(事務長)
教育総務局総務課長   中村正次
生涯学習局生涯学習課長 勝丸健司
学校教育局県立学校課長 岸田正幸
学校教育局小中学校課長 西原孝幸
教育センター学びの丘所長 吉松敏隆
教育総務局総務課教育政策班長 田村光穂


資料2

協議会構成表


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