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平成17年度(第3回)議事録・配付資料

1  日時 平成17年12月5日(月曜日)15時30分〜17時30分

2  場所 三菱ビル 地下1階 M1会議室

3  議題
(1) 高大連携について(事例報告)
・東京都立戸山高等学校長 佐藤徹委員
・愛知県立高蔵寺高等学校長 鈴木一男委員
・麻布中学校・麻布高等学校長 氷上信廣委員
・立命館大学高大連携推進室長・教学部副部長 上田高弘委員
(2) 協議するべき事項の整理について
(3) その他

4  配布資料
資料1  大学への早期入学及び高等学校・大学間の接続の改善に関する協議会(第2回)議事要旨(案)
資料2   千葉大学先進科学研究教育センター視察 学生とのフリートーキング概要(案)(PDF:90KB)
資料3   平成18年度飛び入学実施予定大学について(PDF:108KB)
資料4   佐藤徹委員発表資料(PDF:130KB)
資料5   鈴木委員発表資料(PDF:591KB)
資料6   氷上委員発表資料(PDF:15KB)
資料7−1、7−2 上田委員発表資料(PDF:36KB)
資料8   本協議会において協議するべき事項の整理(案)(PDF:94KB)
資料9  今後の日程について

(机上資料)
 ○  佐藤徹委員参考資料
 ○  鈴木委員参考資料
 ○  氷上委員参考資料
 ○  上田委員参考資料
 ○  文部科学統計要覧(平成17年版)
 ○  大学設置審査要覧(平成17年度)
 ○  教育指標の国際比較(平成17年版)
 ○  臨時教育審議会 第一次答申、第二次答申、第四次答申(抜粋)
 ○  大学審議会全28答申・報告集
 ○  中央教育審議会答申
   「新しい時代に対応する教育の諸制度の改革について」
   「21世紀を展望した我が国の教育の在り方について(第二次答申)」
   「初等中等教育と高等教育との接続の改善について(答申)」
   「我が国の高等教育の将来像(答申)」
 ○  教育上の例外措置に関する調査研究協力者会議 審議のまとめ
 ○  教育改革国民会議報告 −教育を変える17の提案−

5 出席者:
(委員)  丹保憲仁(座長)、荻上紘一(副座長)、上田高弘、上野信雄、大塚雄作、佐々木恒男、佐藤徹、四方義啓、鈴木一男、氷上信廣、藤井久丈、松下倶子の各委員
(文部科学省)  中岡大学振興課長、山ざき主任大学改革官 他

6  議事
(1) 事務局より、資料についての説明があった。
(2) 佐藤徹委員(東京都立戸山高等学校長)、鈴木一男委員(愛知県立高蔵寺高等学校長)、氷上信廣委員(麻布中学校・麻布高等学校長)、上田高弘委員(立命館大学高大連携推進室長・教学部副部長)より、それぞれ資料4から資料7に沿って、高大連携についての事例報告があった。
(3) 質疑応答が行われた。概要は次のとおり。

(□:事例報告者、○:委員)

委員  PTAの一員としての観点から意見を述べさせていただきたい。私の地元の富山県立富山高校もスーパーサイエンスハイスクール(以後「SSH」と記述)に指定されているが、私の認識では、学習指導要領によらない教育課程の編成ができること、実験が充実していること等が、当初のSSHの趣旨だったと理解している。この事業を通じて、大学へ進学するモチベーションを子どもに与えることが大事と思うが、現在のSSHの取組は、プレゼンテーション能力の育成のような、総合的な内容を重視するものになってきており、当初のSSHの取組とは、違うものとなってきているような気がする。
 PTAとしては、高大連携により、(本来の大学の役割とは異なるかと思うが)子どもたちに生きる力を与えられれば良いと考える。
 麻布高校では、OBの大学人等と連携した取組をしているとのことであった。高大連携の方法は、それぞれの高校の個性を踏まえて考えるべきと思った。
 高大連携には、「入学」という意味の連携もあり、(この協議会では、当初、早期入学と高大連携を区別して考えるべきだとの議論もあったが)突き詰めると、これは飛び入学にもつながってくるものと思う。
 高大連携の意義を今後明らかにしていく必要があると思う。

委員  「講演」と「講義」は違う。講演がいくらうまくても、講義がうまく行えない者が多い。自分の大学においても、最初の方はうまく講義が行えたとしても、15回の講義を最後まで続けてうまく行うことができる者は稀有。高大連携では、このような点も踏まえることが重要。今後の議論に生かして欲しい。

委員  高大連携に熱心な教員は、高校においてはどのくらいいるのか。大学の教員が1回高校に行くよりも、高校教員の熱意を上げていく方が、高大連携にとって長く効果があるはず。

事例報告者  佐藤徹委員
 戸山高校では4分の1程度かと思う。理科系の教員はSSHに取り組んでいる。一方、実技系の教員の場合、今は高校内に高大連携の役割がない。
 SSHの担当教員に現在の状況を聞くと「大変だけど面白い」とのことだった。「大変だ」という不満はあまりないようだった。

事例報告者  氷上委員
 麻布高校の特別授業(主体的な学習意欲の涵養、専門領域への導入、教養教育の実施を目指した授業)の取組には、全教員中、半分以上の教員が手を上げた。特別授業の実施は、生徒のみならず、教員の意識変革にも役立っている。

事例報告者  鈴木委員
 公立高校は予算が厳しい。このため、高大連携についても、個々の教員のつながりに頼っている状況。理数分野については、各科の数名が高大連携に興味、意識がある。高大連携については、学校単位ではなく、教科単位、各教科の研究会の取組でも対応が考えられる。

委員  高校の教員だった者が、大学の教員になるようなケースはあるのか。

委員  名城大学には、教職課程部というのがある。ここでは、高校の校長経験者2〜3名が働いている。

事例報告者  上田委員
 立命館大学では、教職関係の部局に加え、高大連携推進室でも、高校教員だった者が働いている。

事例報告者  氷上委員
 麻布高校では、国語のスタッフが大学の教員になることが多い。

委員  大学での教養教育が崩壊し、教養教育は高校の役割になったとおっしゃられたが、具体的にはどのようにお考えか。
 また、特別授業の内容は、私にはとても良いものに見えるが、実際にはどのようにこなしているのか。

事例報告者  氷上委員
 私どもの学校は、戦前は麻布中学校であった。現在も旧制中学の伝統を引き継いでいる。戦後の大学が専門教育重視になっている現状を見ると、どこでリベラルアーツをやるのかという思いを強くする。私の学校のような、中高一貫で比較的にカリキュラムの実施に余裕がある学校が、取り組まねばならないのではないかと思う。それが特別授業の実施につながっている。
 特別授業における、語学教育においては、語学のみに特化しないで、背景となる文化とともに教えていくことが大事と考えている。特別授業で語学を担当している教員は、必ずしも語学の専門家ではない。

委員  教育が崩壊したのではなく、哲学が崩壊したような気がする。

事例報告者  氷上委員
 大学の先生方が集まってこのような協議会が開催されていること自体、学問への危機感があるからではないか。どこかでしっかりとした取組をやらないといけない。

委員  放送大学は、まさにそこを狙いとしている。
 大学を全部同じ形にしてしまったのが、崩壊の原因ではないか。巨大な総合大学は「学部段階では専門教育はやらない」くらいの思いがないといけない。教養教育の実施を高校に全部をお願いすることは無理。
 過去は飛び級は普通に行われていたが、一般の子どもは扱っていなかった。戦後、全ての子どもを同じように扱ったことが間違いだったと思う。

5  次回の日程
 次回は、日程調整の上、決定することとなった。

(高等教育局大学振興課大学改革推進室)

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