5.高等学校と大学との連携の現状について

 高等学校においては、大学との連携の下、特定の分野等に関心を示す生徒に対し、1科目等履修生や聴講生等として大学レベルの教育を履修する機会を与えることや、2大学の教員が高等学校において、学校紹介や講義を実施することなどの取組が進められている。
 このような取組は年々増加しており、生徒に多様な学習の機会を与えることで、自己の能力、適性等を見極めさせることにより、将来を見通した進路選択が可能となるなどの効果が上がっている。

1.高等学校と大学との連携の現状

(1)大学、高等専門学校又は専修学校等における学修を高等学校の単位として認定

  • 平成10年度より、大学等における科目等履修生、研究生又は聴講生としての学修及び公開講座における学修を、高等学校の単位として認めることができる制度を導入した。さらに、平成17年度より、これらの学修に係る認定可能な単位数の上限を、従来の20単位から36単位に拡大した。
  • 平成15年度実施校:261校

 大学又は専修学校等における学習の単位認定実施学校数の推移

(2)大学の科目等履修生、聴講生又は公開講座などの制度の活用

 (高等学校で単位認定しているものを除く)

  • 平成15年度実施校:414校

 大学の科目等履修生等の制度を活用している学校数の推移

(3)大学教員による高等学校での学校紹介や講義の実施

  • 平成15年度実施校:1,654校

 大学教員による高等学校での学校紹介や講義の実施

(4)高等学校と大学との間における連携協議会等の設置

  • 平成15年度設置都道府県・指定都市:41都道府県6市

2.取組の具体例(平成15年度)

(1)大学における学修の単位認定(和歌山県)

 和歌山県においては、県教育委員会と和歌山大学が協定書を締結し、平成15年度は21校で公立高等学校の生徒を対象とした授業公開、集中講座や土曜講座などにおける学修を単位認定。(受講生徒数 延べ282名)

実施校の例

高等学校名 大学名 高校の科目名 単位数 受講者数 大学の科目名
田辺高校 和歌山大学 社会探究 1 24 紀南講座(前期)
理科探究 1 13 紀南講座(後期)
和大公開講座 1 3 紀南講座(前期)
和大公開講座 1 4 紀南講座(後期)
粉河高校 和歌山大学 自然科学基礎 1 68 自然科学基礎
人間と世界 1 80 人間と世界

(2)高等学校と大学との連携(岩手県)

 岩手県では、「学力向上プロジェクト」の一環として、生徒の学ぶ意欲や関心を喚起し、学力の向上を図るとともに、大学についての理解を深め、進路意識を高める観点から、県教育委員会と県内5大学(岩手大学、岩手県立大学、岩手医科大学、富士大学、盛岡大学)とが協定書を締結し、大学と協力し、高大連携に関する基本調査や高校生に大学における高度な学習の機会を提供する事業を実施。

1.大学における高校生のための公開講座の実施

  • ウインター・セッションの実施(3日間)
    • 「柔軟な発想と大きな視野を求めて」、「今日の社会現象から福祉課題を学ぶ」「いわて学入門」など
    • 受講生徒数 延べ274名

2.高大連携推進会議の開催

  • 平成16年度以降の高大連携の在り方等について協議

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高等教育局大学振興課大学改革推進室

(高等教育局大学振興課大学改革推進室)