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飛び入学生の選抜方法、飛び入学生に対する指導体制の在り方の検討 |
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(選抜方法) |
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学校教育法施行規則上、飛び入学生を入学させる大学は、出願者が特に優れた資質を有すると認めるに当たっては、入学しようとする者の在学する学校の校長の推薦を求める等により、適切に飛び入学制度が運用されるよう工夫を行うものとされている。 |
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○ |
この推薦については、
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高等学校等の校長等、出願者の資質を知り得る者からの推薦を求めること等により、特に優れた資質を有するか否かを適切に判断できるようにするとともに、 |
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推薦に当たって、大学関係者と高等学校関係者等との積極的な意見交換・連携に努めること |
を求めているものである。 |
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○ |
一方、実際に高校生が大学へ飛び入学することを希望していたが、当該高等学校が推薦を行わなかった事例があるとの指摘もある。
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(飛び入学生に対する指導体制) |
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○ |
学校教育法上、飛び入学生を受け入れる大学は、「特に優れた資質を有する者の育成を図るのにふさわしい教育研究上の実績及び指導体制を有すること」とされており、この「教育研究上の実績及び指導体制」の具体的内容は、
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特定の分野における特に優れた資質を伸長するため、適切なカリキュラムを編成するとともに、必要な教員が確保されており、十分な指導体制が整っていること |
) |
飛び入学により入学した学生が、様々な分野での基礎的な内容を必要に応じ学習することが可能であるようなカリキュラム及び指導体制が整っていること |
) |
学生に対する助言指導又は指導体制が整備されていること |
) |
円滑に学位が授与されているなど充実した教育研究活動が行われていること |
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募集を行う学部等から大学院への進学の実績があること |
と示されている(平成13年12月27日13文科高第1396号学校教育法施行規則の一部改正等について)。 |
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○ |
特に指導体制に関しては、協議会として視察を行った千葉大学・先進科学研究教育センターにおいても、充実した指導体制の下で、飛び入学生に対する教育が行われていたところである。 |
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○ |
飛び入学生が通常の大学入学生より1歳以上年齢が低いこと等に鑑みれば、大学として上記に掲げられた諸点に留意することは必要と考えられるところであるが、一方で、今後飛び入学制度の一層の活用を促進していく観点に立つと、飛び入学生を対象とした指導体制を必要以上に手厚く求めるべきではないとの指摘もある。
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(選抜方法、指導体制の在り方の検討) |
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○ |
さらに、前述の文部科学省調査結果によると、「飛び入学の実施の予定はない」と回答した大学学部のうち、21.2パーセントが、関係法令等で大学側に求められている飛び入学させた者への特別な配慮(※)を行うことが困難ということを、実施の検討を行っていない要因に挙げていた。
※ここで言う配慮事項は、選抜方法、教育研究上の実績・指導体制や自己点検・評価の実施等を指す。 |
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○ |
これらを踏まえ、今後、飛び入学制度の趣旨に反した各大学の安易な運用は抑止しつつも、意欲があり優れた生徒の期待に応え、かつ大学や高等学校等に過度の負担を強いない選抜方法、指導体制等の在り方について、協議会として検討を進めていく必要がある。 |
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○ |
むしろ、飛び入学制度の活用が進む中で、飛び入学生によっては、一部科目については一般の大学生に比してより時間をかけた学習が必要となる可能性もあることを踏まえ、飛び入学生を受け入れる大学は、必要に応じて弾力的な学習進度を認める等、柔軟な指導体制を整えることが必要との指摘もある。 |
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○ |
なお、大学へ飛び入学した学生についても、単位制高等学校(定時制又は通信制)における特定の授業科目を聴講生として履修することも制度上可能である。学生の学習状況に応じ、これらの制度の有効活用を検討していくことも考えられる。 |