戻る


おわりに

   平成4年の「看護師等の人材確保の促進にかかる法律」の制定以降、わが国の看護系大学の数的拡大はめざましい勢いで進んでいる。今日、看護学教育関係者が直面している課題は、量的な拡大だけではなく、学士課程での看護学教育の質を充実させることである。
   本検討会は、看護系大学の教育の更なる充実を目指し、社会が求める確かな看護実践能力を有した人材が育成される基盤整備として、学士課程で育成される看護実践能力を整理し、その到達目標を提示した。さらに、教育の質保証の観点から、卒業時到達度の評価についても言及した。検討会では、看護系大学の教員、臨地看護職及び医療職、看護サービスの利用者と、多岐にわたる立場にある委員の参画を得て、活発な議論が重ねられた。各委員の尽力によりまとめられた本報告が、大学関係者並びに看護サービスの利用者である国民に広く周知され、国民の理解と協力の下に、学士課程における看護学教育が発展することを望む。
   本報告をまとめるにあたり、検討の原案を作成してくださった、日本看護系大学協議会看護実践能力検討委員会には大変なご尽力をいただいた。委員会での精力的な討議の結果、多岐にわたる看護実践能力が系統的に整理され、検討会に提示された。この原案があったからこそ、短期間の検討にもかかわらず、報告がまとめられたものであり、委員各位に心より感謝したい。また、看護学教育ワークショップにおいても、80名の参加者が活発な討論をし、到達目標に関する貴重な意見を提示してくれた。これらは検討会での議論を深める上で大いに活用された。さらに、最終的な報告の取りまとめに際しても、ワークショップ参加者からの指摘をいただき、一層の充実を図ることができた。本報告の取りまとめに様々な形でお力添えをいただいた全ての方々に、心よりお礼申し上げる。
   今後は、各看護系大学の教育充実に向けた取り組みを尊重しつつ、本報告で提示された課題について、関係各位が連携を図りながら、わが国の看護学教育の更なる発展に向けた努力が引き続き行われることを期待する。



ページの先頭へ