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資料2

看護学教育の在り方に関する検討会報告書(案)に対する意見

【はじめに】
大学の増加をよりわかりやすく示すために、看護師等の全養成者数における大学の養成者数を記入してはどうか。

2   到達目標を示すにあたっての学士課程における看護学教育の特質】
前文
看護系大学における人材育成に関する見解は、日本看護大学系協議会だけではなく、大学基準協会の見解も記述した方がよい。
1.保健師・助産師・看護師に共通した看護学の基礎を教授する課程であること
「学士課程教育では、三職種に共通した専門職としての看護の基礎部分を各大学で体系化し……」は、「三職種の免許取得に必要な基礎の部分を教授している」という内容を記述した方がよい。
職業人としての倫理等を大切な教育内容と位置づけているのは大学だけではないので、表現を工夫した方がよい。
「看護師を例にしてみると、従来は、医療施設での診療に関わる職種として養成され…」とあるが、「従来」と言うには制度改正から長い年月が経過しているし、「医療施設での診療」では看護活動が限定されてしまうので、表現を工夫した方がよい。
2.看護生涯学習の出発点となる基礎能力を培う課程であること
看護生涯学習の中にある看護の大学院教育の紹介では、高度な実践者を専門看護師、認定看護管理者等、具体的に表現した方がよい。
図1についての説明が必要ではないか。
図の学士課程の楕円部分「臨地実習など」の意味がわかりにくい。楕円は必要ないのではないか。
3.創造的に開発しながら行う看護実践を学ぶ課程であること
卒業研究について、看護事象と関連のない一般的な研究手法の修得をめざしたり、看護実践から乖離した研究指導をしたりするのではなく、4年間の集大成にふさわしい、看護実践の改革と深くかかわりを持った指導が必要であることを強調してほしい。教育の現状では、混乱が見られている点である。
「看護実践の改革に向けた指導能力を有する教員による指導体制」では、体制には触れていないので、例えば、「指導能力を有する教員による看護実践の改革に向けた指導」等の表現がよいのではないか。
教員自身の看護実践能力も重要であることを付け加えた方がよい。
4.人間関係形成過程を伴う体験学習が中核となる課程であること
人間関係形成について、利用者の選択と自己決定という視点を含めて「利用者がサービスを選択でき、自己決定ができる人間関係を形成し……」等の表現がよいのではないか。

3   卒業時到達目標とした看護実践能力の構成と卒業時到達度】
1.ヒューマンケアの基本に関する実践能力
「1)人間の尊厳の重視と人権の擁護を基本に据えた援助行動」について
       細項目に、職能としての倫理綱領の遵守を挙げた方がよい。
「2)の(1) 利用者の意思決定に必要な情報の提供」について
       「利用者が選択し、意思決定に必要な情報の提供」というような、利用者が選択できるという文言を入れた方がよい。
「2)の(3) 利用者の意思の関係者への伝達、代弁者役割の遂行」について
       「代弁者役割の遂行」は、「代弁者役割の一端を担う」に留めてもよいのではないか。代弁者役割を、説明文にある「チームメンバーへの伝達とチームメンバー側の受容」に限定して捉えれば、自立してできる段階を到達目標としてよい。
2.看護の計画的な展開能力
「4)看護の計画立案・実施・評価の展開」について
       インフォームドコンセントの重要性について、(2)か(3)の文中にも「利用者への説明」を入れ、その重要性を明確にしておく必要がある。
「7)看護の基本技術の適確な実施」について
       説明にある「看護計画に即してそれらを説明し……」は、「利用者の選択と決定を確認してから実施の了解を得る」という記述の方がよい。
また、基本技術の実施上の安全性、安楽性の確保については、11)にも「安全・安楽を充たす」が出てくることから、誤解が生ずると考える。
3.特定の健康問題を持つ人への実践能力
「9)次代を育むための援助」について
       健康障害を持つ児、学校生活集団における健康問題、児童虐待に関する説明が少ないのではないか。
「10)の(3) 労働にかかわる支援」について
       「利用者の雇用主等との連携、資源活用支援」は、「熟練看護職者の助言の下にできる」レベルではなく、その問題に気付いたり考えることができればよい。
「11)の(3) 安全・安楽を充たす日常生活援助」について
       「日常生活援助」を取り上げた説明が必要。治療・回復過程と日常生活との関連を、(2)と連動させながら表現し、日常生活援助の範囲や内容を解説する必要がある。
「12)健康の危機的状況にある人への援助」について
       災害・防災に関する事を入れた方がよい。
4.ケア環境とチーム体制整備能力
「15)地域ケア体制の充実に向けた看護の機能」について
       説明文の第3段落「この項の能力には……」と (1)〜(4)との関連がわかりくい。説明が必要ではないか。
「16)の(3) ヘルスケアサービス利用支援」について
       働く場だけではなく、就業場所以外での看護者や他職種との連携等の記述を入れた方がよい。
「17)ヘルスケア提供組織の中での看護の展開」について
       看護の国際的な動向に関心がもてることの記述を入れたほうがよい。
5.実践の中で研鑽する基本能力
「19)看護実践を積み重ねる課程で専門性を深める方法の修得」について
       学会や職能団体等の研修への参加という記述を追加した方がよい。

4   看護実践能力にかかる卒業時到達度評価について】
4.評価の実施に向けた今後の課題
2)にある「臨地実習の場の関係者との協力体制」は、「臨地実習の場の関係者の理解と協力連携」の方がよい。

5   看護実践能力育成にかかわる今後の課題】
3.助産師の看護実践能力の大学卒業時到達目標の明確化
「付加的に運営している」という表現は、「選択コースとして運営している」がふさわしい。さらに、「これらの選択科目に関わる看護実践能力についても……」は、「学部におけるこれらの選択科目についての看護実践能力についても……」の方がわかりやすい。
6.地域・社会とのつながりの強化
職能団体や学会等とのつながりについても記述した方がよい。

【その他】
文中の「看護職者」という表現については、ICN等の倫理綱領等の文書と統一して、「看護者」としたほうがよい。


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