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資料1

看護学教育の在り方に関する検討会(第6回)議事要旨(案)

1.日   時 :    平成16年1月29日(木)   15:00〜17:00

2.場   所 経済産業省別館1028号会議室

3.出席者
(委          員) 平山(座長)、島内(副座長)、安藤、草間、佐藤(エ)、佐藤(禮)、新道、辻本、藤村、南の各委員
(文部科学省) 小松医学教育課長、加藤(敏)課長補佐、石井看護教育専門官   他

4. 配付資料
資料1     看護学教育の在り方に関する検討会(第5回)議事要旨(案)
資料2   看護学教育の在り方に関する検討会報告(案)
資料3   今後の課題として提示する事項案

5. 前回議事要旨の確認
   資料1について、意見があれば1月30日(金)までに、事務局に連絡することとした。

6.議   事
(1)    事務局から、資料2の「4   看護実践能力の到達度評価」について説明があり、引き続き議論を行った。発言の概要は以下のとおり。

(○:各委員)

到達「度」とすると定量的なイメージがあるので到達「目標」とし、最小限の目標を示すのがよい。また、到達目標や到達度の捉え方や評価については、大学の判断であることを明記すべきである。

大学教育が長い目で見た成長を目標とするものであることから、卒業時の到達度を示すことに抵抗を感じる。卒業時に素質が開花しなくても、何年かたって開花することもある。大学教育は、卒業時の能力を開発するだけが目的ではない。

ここでの議論は、大卒者がここまでできるという最低限の看護実践能力についてであり、それを大学と臨床が共有するのが元々のねらいである。卒業後の成長を視野に入れた上での卒業時の到達目標である。「到達度」という表現は考えていかなければならないが、大学の自治を脅かすものではない。

報告書案は、各大学の自治の中で責任をもって実践能力のある学生を育成するという方向でまとめられたものであり、大学の自治を侵害するものではない。表現が足りない部分については修正したい。

到達目標はミニマムであるとしているが、レベルが高いように感じる。

到達目標や評価が均一であるべきという表現は不適切である。報告書をもとに見直しをするかどうか、または評価をいつどのように行うかは大学が判断して行うことであり、強要するような表現はさけた方がよい。

国家試験と評価の関係について記述した方がよいのではないか。

全ての総合的評価を看護実践の場で行うとするのは現実的ではない。学生の評価のために患者さんを利用することの倫理的な問題もある。シミュレーション等により行うことも考えられるのではないか。

実施にあたっては工夫が必要だが、実践能力の評価は実際の臨地の場で看護サービスの利用者と対峙した状況で行う必要がある。

評価のために場を設けるのではなく、実践能力の最終仕上げをする実習等の場を1つの評価の場として利用しようという発想である。不足している部分があればその部分を補った上で卒業させるという卒業時の能力を保証する体制が必要であるという考えに基づいている。

大学教育はある一定の単位を積み重ねながら行うので、一律に最後の段階で評価を行うとするのはいかがなものか。卒業時の到達度の保証の仕方は、段階的評価もあれば最終的評価も考えられるので、評価をどのような方法で行うかは大学の判断によるものと考える。

最終段階で全ての到達目標の評価を行うとは限らないが、その背後にあるそれまでの様々な評価の積み重ねについても確認し、それも含めて最終段階の評価をするという考え方である。


(2)    事務局から、資料2の「はじめに」、「2   到達目標を示すにあたっての学士課程における看護学教育の特質」、「3   看護学学士課程卒業時の看護実践能力の到達目標」について説明があり、引き続き議論を行った。発言の概要は以下のとおり。

(○:各委員)

「改革」という表現が多用されているが、これまで改善に努めてこなかったように受け取れるので変更して欲しい。また、新しく設置される看護系大学がカリキュラムを作成するときに、この報告書を参考として欲しい旨の記述を加えて欲しい。

看護師の活動の場に福祉施設も含めるべきではないか。また、看護師と助産師については言及しているので、保健師についての記述も必要ではないか。

前段部分に、大学教育が目指す看護職者像について強調して記述した方がよいと思う。

「3職種に共通した基礎を教育する」という表現は、今回の到達目標が最低限求められるものである点からは理解できるが、到達目標に書かれていない内容は大学院で教育すべきと誤解される恐れがあるので、表現に留意すべきである。また、看護師・保健師免許に関係する基本的能力は記述されているので、選択科目である助産師に関する記述に工夫が必要ではないか。

「大学における教育活動と研究活動との関係の見直しをする」の記述は、看護実践能力を示す報告には適さないのではないか。

看護実践能力を育成するには、教員が実践に精通していなくてはならず、そのための研究活動が必要だという意味である。

教養教育と看護実践能力との関連が図示されているが、位置づけがよくわからない。説明が必要である。

到達目標1の「それを擁護する行動をとることができなくてはならない」とあるのは「それを擁護する行動をとることが期待されている」とした方がよい。

到達目標3にある「任務紹介」という言葉はわかりづらいので、他の表記にした方がよい。

到達目標4の看護過程の展開の中に看護のインフォームドコンセントを入れた方がよい。

到達目標4にある「問題解決」は、全ての問題の解決までは期待されていないので、表現を工夫した方がよい。

到達目標8に看護職とヘルスプロモーションとの関わりについて記述した方がよい。

到達目標14の「理解した苦悩を本人に伝え」という表現は誤解を招きやすいので、工夫した方がよい。

到達目標14にある「人生途上で」は、いつまでが人生途上なのか判断がつかないので削除した方がよい。

「自立」と「自律」をきちんと区別して記述すべきである。

「利用者」が誰を指すのか、適宜明記すべきである。


(3)    事務局から、「今後の課題として提示する事項案」(資料3)について説明があり、引き続き審議を行った。発言の概要は以下のとおり。

1に実践能力を教育するためには、看護実践に係る研究業績が必要であることを記述した方がよい。

単科大学では、一般教養科目担当教員も看護教育に関わっていくことが重要なので、教員には実践能力が必要であるという限定的な書き方をされると困る。大学の形態に応じた記述の工夫ができないか。

2には医療スタッフだけではなく、保健・福祉等のスタッフも含まれるのではないか。

3で専門職大学院の開設について記述する必要はないのではないか。学士課程と一般の大学院の関係について記述した方がよい。

今後の課題は、事項のみを記述する方がよいのではないか。

読む側にとっては説明があった方がわかりやすい。

地域と連携をとることが教育の改善にもつながる。看護系大学と地域との連携について追加した方がよい。


(4)    資料2、資料3に追加意見等がある場合は、平成16年2月6日(金)までに、事務局に連絡することとなった。

(5)    次回は、「報告書(案)」について議論することとし、2月27日(金)15時から学術総合センター特別会議室にて開催することとなった。


以      上   


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