資料4 |
【検討の趣旨】
前検討会報告では、評価について「各大学での主体的取組の積み上げとして学生の到達度の確認を行う体制を、大学ごとに、そして大学同士の協力によって構築していく必要がある。」としており、今後の課題のひとつとして「学生の看護実践能力の質を保証するしくみ作りの検討」があげられている。
本検討会から提示される看護実践能力の到達目標は、学士課程全体を視野に入れた目標であり、その到達レベルを含むものとして示される。この到達目標の提示を受けて、各大学では、自大学の教育課程の確認や見直しを行うが、その際、到達目標達成度の評価についても、教育課程の中にどのように位置づけて実施していくのかを考えていかなければならない。卒業時の看護実践能力について、各大学は、独自の教育目標に基づいた達成度評価を実施していく必要がある。
看護実践能力の到達目標の提示は、到達度評価のあり方に関する議論の基盤となる。現時点で、看護実践能力の到達度評価に関する議論は十分とは言えず、具体的な評価方法を提示するには至っていない。したがって、報告書では、各大学が創意工夫による独自の評価を実施していく上で合意しておくべき事項について提言する。
【検討のポイント】
到達度評価の目的
評価を行う意義や目的を明らかにし、その上で評価結果の活用方法を決めておく必要がある。「総合的な」看護実践能力の評価を、教育的に活用するにはどうしたらよいか、特に、不合格者のフォローをどうするかという点は重要である。
教育課程における到達度評価の位置づけ
「総合的な」看護実践能力の到達度評価の結果が、卒業試験に相当する程の重要な意味を持つことから、既存の授業科目の単位認定や卒業要件との関係を明らかにしておく必要がある。到達度評価に関する教科目を教育課程に位置づける必要はないか。
評価項目・評価基準
評価項目・評価基準は、学士課程で育成される看護実践能力の特色に鑑み、形式的な手技・手法や、知識の理解状況に偏った評価項目・評価基準であってはならない。策定に際し、大学の経験を集約した多角的な検討が必要ではないだろうか。
評価方法とシステム化
学士課程全般にわたる「総合的な」看護実践能力の評価方法を確立するためには、教員の能力開発や実習目標の統合、カリキュラムの見直しといった課題があるのではないか。さらに、大学間で共通のしくみを構築するには、何が必要か。