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資料2

第2回、第3回検討会における主な意見

1.「看護学の学士課程の特色(第2回,資料3)」に関する意見

「保健師・助産師・看護師に共通した基本を教授する看護学の専門の基礎課程であること」について
統合カリキュラムである意義や考え方を強調した方がよい。看護学の基礎とは何かを深めることになる。
3つの資格を持つジェネラリストとしての基礎教育が確立しつつあることをきちんと示す。

「大学院教育によって専門性を高めるための基礎能力を培う課程であること」について
大学院に進学しない看護職、教育を受ける立場にない現場の看護職の生涯教育にもつながる学士課程でなくてはならない。
看護専門職者としての生涯教育の起点と考える。一部は大学院につながり、一部は実践の中の学びであるが、常に学習していく専門職者としての基礎能力を培う課程と考える。
看護系大学が、看護職者の生涯教育にも貢献していることを表現する。

「創造的に開発しながら行う看護実践を学ぶ課程であること」について
研究だけでなく、日常的な看護実践の中で、主体的、創造的に看護技術や方法論を創造的に工夫していくことを入れる。
「創造的に開発しながら行う看護実践」ではわかりにくい。「21世紀に求められる看護学教育」の表現を活用できるのではないか。
研究は、創造的な看護実践と一体であるため、研究の到達目標も明確にする。
「看護実践に役立つ研究」が看護学を基盤におくことは当然だが、必ずしも実践に直結するものだけではない。卒業研究と臨地実習は別々に考えていく方がよい。

「正確な技術の基礎とともに人間関係形成過程を伴う体験学習が中核となる課程であること」について
到達目標には、看護職のインフォームドコンセントも入れた方がよい。

「教養教育が基盤に位置づけられた課程であること」について
大学入学までの教養教育とのつながりから、学士課程での教養教育をとらえていくべき。
人間の教養としての教養か、専門教育科目の素地としての教養か、どちらがよいか議論すべき。

全般にわたる意見
看護職は、療養生活支援の専門家、医療の統括者として位置付け、それにふさわしい表現を用いる方がよい。
個別的な援助だけではなく、集団やシステムの中で看護職に期待される能力は何かという視点からも考えていく必要がある。
医師との関係の中で看護が自立し、キュアとケアが横並びとなることを意識してほしい。
「学士課程の特色」では現状分析にとどまる。「学士課程のあり方」にすべきではないか。
社会に対して看護系大学の存在意義を伝えるために、専門学校や短期大学との概念的な違いを追加した方がよい。
ここに示されるものは、時代の変遷とともに変化するものであり、適時に見直し修正していくフレキシビリティを持つことを明記しておく必要がある。

2.「看護学の学士課程卒業時の看護実践能力の到達目標(第3回,資料2)」に関する意見

「5.生活集団の健康問題アセスメント」について
家族に対するアセスメントも含め、個・家族・地域集団と、それぞれのアセスメントの特性が網羅されているとよい。

「7.看護の基本的技術の的確な実施」について
文中の「技術施行」は違和感がある。「技術の実施」がよい。
EBMに基づいた情報提供が重要であることから、2)の「意義」は、主観的なイメージが強く、客観的な表記(必要性、位置付け等)がよい。

「13.地域ケア体制の充実に向けた看護職の役割の実施」について
地域ケア支援、保健師活動、助産師活動が漠然としていてわかりにくい。
14,15と一緒にして、ケアシステムに関わることとして整理した方がよいのではないか。
看護実践を言っているから、一緒にはならないのではないか。

「14.看護職チーム・他職種を含むケアチームでの協働・連携」について
「他職種を含むケアチーム」は「医療チーム」とした方がよい。
「他職種を含むケアチーム」とは、非専門職を含むケアのチームを念頭においたもの。
ケア同様、キュアに対するニーズもあり、キュアが排除されると狭くなる。医師も含めた、キュアとケアを両方含む「医療チーム」がよい。

「15.ヘルスケア提供組織の中での看護の展開・発展」について
社会的制度の中での看護という広い視点を持つべきであることから、「ヘルスケア提供組織や社会制度(または社会保障制度)」がよい。

「16.研究成果の収集と実践への応用」について
研究を行うことではなく、研究的な態度、専門職性の素地、探求的な姿勢の涵養が学士課程の到達目標となる。

追加が提案されている項目
倫理的配慮:根底を成すものとして全体に網羅されているとしても、文言に出した方がよい。
評価:自分の行動を絶えず評価し、責任を持っていくことが求められている。「6」に加える方法もある。
健康増進:一次予防にもっと関与していくべき。
クリティカルケア:侵襲性の高い診療、侵襲を受けた人への看護を扱っていく必要がある。
心理的側面に対するケア:心理面へのケアは含まれていることがわかるように表現。
リスクマネジメント:全体的な意味でのリスクマネジメントが必要。

全般にわたる意見
1「利用者」という表現について
「利用者」は本当に適切か。
看護サービス(あるいは医療サービス、医療保健福祉サービス)を利用する全ての方を指すものとして用いる。
サービスとは何かに触れておかないといけないのでは。
サービスを受けると意識していない人も、「利用者」としてよいか。
「利用者」とした理由を説明することが大事。
2看護実践を表す用語について
支援、援助、介入等、概念を明確に定義し、適切に使い分ける必要がある。
   定義の例: 支援−主体は受け手その人,
  援助−一般的に使われている言葉,
  介入−専門的な援助
多くの看護実践の方法から適切な方法を選択する必要があり、様々な方法論を身につけるべき。
3教養教育について
教養教育は、看護実践能力の底力になるもの。教養教育での目標も入れて示す必要がある。
看護学を学ぶ学生の素地、基盤、思考能力を反映している。専門の基礎なのか、人間性の涵養なのかをまとめることも必要。
417項目をカテゴリー化
・カテゴリー毎の見出しがあるとよい。
・教養教育との関係からカテゴリー化できる。
5「能力」のとらえ方について
・達成される能力は、competenceか、performanceか。
6下位項目の表現について
・行動目標でない方がよい。


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