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資料1

看護学教育の在り方に関する検討会(第1回)議事要旨(案)

1.日   時 :    平成15年7月7日(月)   15:00〜17:00

2.場   所 経済産業省別館1028号会議室

3.出席者
(委   員) 安藤、笹田、佐藤(エ)、佐藤(禮)、島内、新道、平山、廣井、藤村、弓削の各委員
(文部科学省) 小松医学教育課長、加藤(敏)課長補佐、石井看護教育専門官   他
4. 配付資料
資料1     看護学教育の在り方に関する検討会実施要項
資料2   審議会等の透明化、見直し等について(抄)
資料3−1   看護学教育の現状と課題
3−2   看護師養成の概要
3−3   看護系大学に関する統計資料
3−4   看護師等の人材確保の促進に関する法律(抄)
3−5   国・公・私立看護系大学一覧(平成15年度)
3−6   国・公・私立看護系大学院一覧(平成15年度)
3−7   「大学における看護実践能力の育成の充実に向けて」概要図
資料4−1   検討会の進め方(案)
4−2   検討会日程(案)
4−3   日本看護系大学協議会看護実践能力検討委員会の概要
資料5−1   欠席委員からの意見(草間委員)
5−2               〃            (辻本委員)
5−3               〃            (南委員)

5.議   事
(1)    会議の公開について、原則公開とすることが了承され、以下公開された。

(2)    座長、副座長の選任が行われ、座長に平山委員が、副座長に島内委員が選任された。

(3)    事務局より、看護学教育の現状と課題及び配布資料についての説明があり、その後、自由討議が行われた。発言の概要は以下のとおり。

(○:各委員)

看護学学士課程の到達目標、卒業時までに達成すべき看護実践能力の到達目標及び到達目標達成度の評価方法については、一連のものとして検討する必要がある。その内容は具体的になりすぎても抽象的になりすぎてもいけないので、注意が必要である。

学士課程の到達目標の検討にあたっては、大学院との連動の中で、学士課程が保健師・助産師・看護師の基礎教育の場であることを十分踏まえて行うことが必要と考える。

大学における看護教育の特徴は、社会全体の中での看護の在り方を見られることであり、幅広い視点から看護を位置づけて見ることができるような理解力や実践力を身に付けさせることが大学教育の重要な要素ではないか。

豊かな人間性、問題解決能力やチーム医療における道徳的、倫理的な態度、責任感の育成が看護教育でも重要である。

医療現場ではメディカルスタッフの教育に関する問題を抱えている。CureからCareへと医療が変わっている中で、看護教育の重みを感じている。

学士課程では、個人がどのような看護を受けるかを考える考え方を十分に教育しなければならないし、実践の科学を具現化する人として実践能力をきちんと身につけなければならない。そのためにどんな到達目標が共有されればよいかということが、今回の大きな課題である。

看護の現場では、「実践できる」ところまでの卒業時の到達を求めざるを得ない状況であるが、現状から難しいことは承知しており、実践能力の到達目標を設定することが大事だと考える。実践能力に加え、臨床家としての行動や理念といった基本そのもののも含め、どのように教育していったらよいか考えたい。

大学を卒業した後の5年、10年先を見据えて学士課程の到達目標を考えていったらよいのではないか。他職種をよく知り統括者となって、チーム医療を発展させることが看護師には必要ではないかと考える。

保健・医療・福祉それぞれの専門性が高まる中、他職種との協働の中で看護の専門性を発揮するためには、看護の専門性を追求することが重要と考える。保健師・助産師・看護師の職業人教育ではなく、看護学を追究する教育であることや総合的に看護職として必要な視点を学ぶことが大学教育の魅力である。

大卒者の中には、課題を把握して追求していく能力が弱い者もいる。経験を積んで成長できる理念や哲学が重要だが、それをどのように評価していくのかという議論が大切である。

大学がどんな教育をめざしどのように努力しているのかは、大学人同士が協力して社会に説明していかなければならない。検討会の見解は各大学で議論されるであろうから、日本看護系大学協議会の協力を得ながら進めていきたい。

大学の独自性は尊重すべきものではあるが、大学における看護学教育像を明確にするために、ある共通の到達目標の下に各看護系大学が教育を行っているということを社会に対して示すことも必要なのではないか。

看護実践能力は、実践の科学としての実践力であり、どの場にあっても使えるものとして大学教育の中で必ず到達しておくべき目標を示す必要がある。

看護実践能力の到達目標については、臨地実習そのものの到達目標を達成するための実習指導体制についても含めて考えるべきと考える。

学士課程の到達目標は、その後臨床で実践を積み、大学院へ進学するというステップにつながるための一つの区切りとしての到達目標として考えてはどうか。大学卒業者に対する継続教育プログラムも視野に入れて検討することも必要ではないか。

臨床の現場では卒業時に即戦力として使える人材が欲しいという声も聞かれるが、大学教育を受けた看護師は数年後の成長の度合いが高く、その卒業後の成長も視野に入れた部分を到達目標に入れるべきと考える。

看護専門学校などの他の学校種との違いを踏まえ、学士課程の到達目標を考えるべきと考える。3年制の看護師養成課程と4年制の看護師養成課程とでは教育理念や目標などが異なるので、その特殊性を明示することが重要である。

大学教育では、短期的な即戦力ではなく長期的な視点から見たより高い能力が重要ではないか。また、大卒看護師の現場での役割分担・分化を視野に入れて大卒看護師に求められる資質がどのようなものなのか考えることが重要と考える。

卒業直後は3年制の教育と4年制の教育を受けた看護師の違いは見えないかもしれないが、患者との関係の中で実践を積むことで実践能力が開花したときに、自ずとその違いが明らかになると考える。

看護技術という点でそれぞれの特徴を出すことは難しいと考えるが、問題解決能力、判断力といった部分で違いがでるのではないか。

リカレント教育や生涯学習センターとしての大学の役割について、それ自体は直接のテーマとなっていないが、学士課程の在り方・役割の中で検討してはどうか。

最終的にまとめる際は、看護職しか理解できない用語は使用せず、他職種の方々が理解・共有できる表現にすることが必要と考える。


(4)    次回は看護学学士課程の到達目標の考え方について議論することとし、8月8日(金)13時から文部科学省分館201・202特別会議室にて開催することとなった。
   また、次回会議において、日本看護系大学協議会看護実践能力検討委員会から、調査研究事項の1つである「学士課程における到達目標について」の試案が提出されることとなった。


以      上   


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