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欠 席 委 員 か ら の 意 見
NPO法人ささえあい医療人権センターCOML 辻本 好子 |
1. | 「1.看護学教育の現状」について 2つめの項目2行目に「人々の意識は、思いやりと倫理感のあふれる医療、リスクマネジメントを求めるようになってきている」とありますが、「人々の意識は、質の高い技術、そして思いやりと倫理感のあふれる医療、リスクマネジメントを求めるようになってきている」というように、下線部の内容を加える必要があると思います。 |
2. | 「2−![]() 1行目に「新卒時の看護実践能力の不足が指摘されたことから」とありますが、多くの臨床現場の声を聞くと、「新卒時の看護実践能力に本人が悩んでいるというよりも、むしろあっけらかんと『私のプライドが許さない』と、なかには数日で辞めてしまうような大卒者が続出している」という実態も耳にします。このような現状を聞くと、臨床家としての行動や理念という基本そのものが教育されていないのではないかと疑問を感じます。患者の立場としては、大学教育そのものを今一度見つめ直すべきだと思います。 |
3. | 「2−![]() 表題に「社会に対する説明責任の遂行」とありますが、そもそも看護職の業務や役割など、専門性の何たるかをほとんどの国民が理解できていません。COMLにも、「ナースって、何を期待できる人なのか?」「どういうことなら私たちの支援をしてくれるのか?」という患者・家族の声が多数寄せられています。 今後、外来や地域医療、在宅など患者のニーズが多様化するなかで、ますます看護職の支援が必要になってきています。それだけに、社会に対する説明責任は、重点的に取り組むべき課題だと考えます。 |
4. | 「2−![]() 5行目に「リーダーシップや指導力を備えた実践家となるため教育が求められている」とあります。しかし、臨床現場で役立つリーダーシップや指導力を備えるならば、実際に臨床現場がどのようなリーダーシップや指導力を必要としているのかについて、もっと現場の声に耳を傾け、議論する必要があると考えます。大学教育と現場との乖離が深まることは、患者にとって何の利益にもならないばかりか、却って大きな損失です。 |
5. | 「2−![]() 多様な人材の教育の必要性が謳われていますが、昨年度の議論の際には、多様な人材を教育するだけではなく、多様な人材による教育の必要性が盛り込まれていたはずです。たとえば、若くして白血病になった患者や生活習慣病を抱える人、さらには高齢者の期待、患者を看取った家族など、患者・家族の話を聴くという教育が考えられると思います。 また、医科で取り組まれ始めた臨床教授制度の導入も、ぜひとも盛り込む必要があると考えます。 |