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学士を対象とする医学教育の在り方に関する調査研究協力者会議

2000/01/17 議事録

学士を対象とする医学教育の在り方に関する調査研究協力者会議 (第3回)議事要旨


 学士を対象とする医学教育の在り方に関する調査研究協力者会議(第3回)議事要旨


日時     平成12年1月17日(月)15:00〜17:00
場所     文部省5B会議室
出席者  協力者:鈴木主査、池田、遠藤、越智、加藤、桐野、久保、黒川、小宮山、櫻井、中里(代理)、高折、野田(代理)、久道の各協力者
            文部省:布村医学教育課長、浅野課長補佐、松浦専門官ほか関係官

議事等
1  開会
(1)主査から代理出席者の紹介があった。
(2)前回議事要旨(案)について、意見等があれば1週間以内に事務局に連絡することとなった。
(3)事務局から配付資料の説明があった。

2  大阪、東海、群馬、島根医科、千葉、神戸の6大学における学士編入学の入学者選抜について自由討論。
(協力者:○、文部省:△)
○  島根医科大学は「自然科学総合問題」を課しているが、やはり入学試験で理系としての能力をかなり厳しく見ておかないと、3年次からの医学教育についていけないのか。
○  問題数は5〜6題で、一般教養程度のことを聞くが、この成績にあまりウェイトは置かず総合点で判断している。編入後にどのくらい影響しているかは分からない。但し、必要な単位を取っていない場合は、1年次、2年次の授業を受けさせて単位を取らせている。
○  千葉大学の学士編入学については、カリキュラム的には高卒で入学した学生と同じだが、一般学生との違いとしては、研究室に所属させ、いろいろな研究をさせたいと考えている。
○  大阪大学で特別なコースを設けていた時期もあるが、基礎系の教員の負担が大きいのでやめた。MD-PhDコースを設けたのは、少なくとも大学院を卒業するまではいてくれるという読みもあってのこと。
○  青森県の保健所では公衆衛生の人材が不足している。基礎のみならず公衆衛生もやるべきと学内で検討したが、医学部内では構想を立てることも難しい。
○  学士編入学者を特別なコースに入れる場合が多いが、カリキュラムと入学制度は別々に考えても良いのではないか。
○  多様な医学部ということで良いのではないか。
○  質の高い臨床のトレーニングは自分の大学だけで行えるわけではないし、そもそも、入った学生から後継者を確保しようとする発想では駄目。卒業生を全国規模でマッチングするためには、卒後臨床研修は自分の大学ではやらないという社会の仕組みが必要。

3  医学部の学士編入学における入学者選抜の在り方に関する論点について自由討論。
(○:協力者、△:文部省)
○  患者にとって良い医者を評価できる制度が必要。学生にとっては、他大学出身の雰囲気の違う学生が交じることは良い。
○  良医育成と研究者養成を分けて整理することは、学生の「囲い込み」的で問題ではないか。
○  学士でなければ良医になれないイメージを与える。
○  そもそも、悪医を作ろうとしているところはないのであるから、「良医」という言葉自体、問題がないわけではない。
○  学生のロンダリングは好ましくないという観点からは、制限もあり得るのではないか。
○  編入学受験に落ちた人からの問い合わせは一般受験生より多い。
○  今後、情報公開との関係でどこまでオープンにするかが問題。
○  推薦書については、社会人になって間もない人は良いが、現在の仕事の上司などには頼みにくい。
○  推薦書はあってもなくてもよいのではないか。
○  セルフラーナーとしての能力をうたい込めると良い。
○  ハーバードでも昔は知識を重視していたが、今は態度を重視していると聞いている。
○  大学改革が進む中、アドミッション・オフィスを作る方向に動いているので、今後は面接が通年で実施されることもあり得るのではないか。それは各大学で考えれば良いこと。それを学生が選べば良い。
  なお、文部省で発表時期等についての制約はあるか。
△  通知でいつ以降でなければならないとか、推薦で半数以上は採ってはならないなどの制約はある。
○  東海大学では、面接官には試験の成績は見せない。成績でミニマムの線を引いて、その一定の学力がある者から公平に採っている。
○  アメリカのMCATのようなものが必要になるかもしれない。
○  編入学年次は3年次でなければならないのか。
△  今後は2年次後期からの編入学が増える見込みであり、受験者の立場からすれば、編入学後の在学が4年でよかったところが、4年半になることになる。
○  社会に対してアカウンタブルなプロダクトを作るためには、休みは少なくなるということを言っておいた方が良い。
○  基本的には大学の見識の問題ではあろうが、モラトリアム学生の不在など、学士編入学のネガティブな側面もきちんと議論する必要がある。

4  次回については、学士編入学生等からのヒアリングを実施することで了承され、詳細、日程等は事務局で調整することとされた。

(高等教育局医学教育課)

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