| インターンシップ推進のための産学懇談会(第2回)議事要旨 I 日 時 平成9年7月30日(水)10:00〜12:00 II 場 所 文部省5B会議室 III 出席者 (協 力 者)安生協力者,池上協力者,大野協力者,小川協力者,金子協力者,木村協力者(座長),黒田協力者,小林協力者,斉藤協力者,桜木協力者,舘協力者,田中協力者,新津協力者,森脇協力者,山ノ川協力者 (文 部 省)高等教育局長,官房審議官,専門教育課長,学生課長,リフレッシュ教育企画官 (オブザーバー)通商産業省産業技術課長,労働省業務調整課課長補佐 IV 配付資料 (1)インターンシップ推進のための産学懇談会(第1回)議事要旨 (2)インターンシップ導入・普及に関する各省の取り組み (3)平成8年度インターンシップの実施状況調査結果について(最終集計) (4)「インターンシップの推進について」(緊急提言骨子案) V 議事概要 (1)事務局より資料確認と配付資料について説明があった。 (2)関係省庁におけるインターンシップに対する取組の事例紹介及びそれに対する質疑が行われた。事例紹介の概要は以下のとおり。 通産省の取組について ○ 東海地域の大学と企業を対象として,中部通産局を軸に関連する大学や企業と一緒に検討を進めているが,これからも数回開催した上で,具体的には秋までに中間とりまとめを行った上で,来年の春に向けて,実際のインターンシップのモデルを進めてまいりたいと思っております。 実際に参加していただいているのは,中部通産局で進めている検討会の上のアドバイザリーボードは名古屋大学の加藤総長に中心になっていただいて,名古屋大学,名古屋工業大学,日本福祉大学,豊橋科学技術大学等の大学長及び局長の方,また,産業界といたしましては,名古屋商工会議所,中部経済連,中部経済同友会等産業界のグループの方々に集まっていただい て検討を進めております。 実際にはその下にワーキンググループを設置してそちらで検討を行っておりますが,こちらは,名古屋大学の森副学長に検討の主体となっていただいて,このほか産業界としてはNTT,トヨタ自動車,名古屋商工会議所,名古屋銀行,小島プレス工業といったメンバーで検討を進めているわけです。 これまで6月4日にアドバイザリーボードとワーキンググループの設置の議論を進めた後,7月8日,23日にワーキンググループを設置して検討を行い,8月6日にはインターンシップを行うための手引書の検討を行って,9月17日にはその手引き書を皆さんに御納得いただいて,10月4日に行われるワーキンググループでは,企業と学生のお互いの希望をどうマッチングさせるかというマッチングシステムの検討を行いたいと思います。また,中部地域にある一万社の企業に対してアンケート調査を行いまして,企業側の取組に対する問題意識とかこれからの希望をまとめてデータベースにして検討を進めたいと思います。その後,10月に中間とりまとめを行いまして,その後現実に来年の春休みの期間をうまく使って,数大学と数社の間でこういうインターンシップのモデル的事業を進めた上でその問題点を年度内までに取りまとめたいと思っております。 労働省の取組について ○6月4日に労使関係,大学,学識経験者,関係行政機関の方にメンバーになっていただいて,「インターシップ等学生の就業体験の在り方に関する研究」を開催し,若年層の短期の離職率が構造的に低下していることに鑑み,就職活動や労働の問題に関する弊害がおきないように,学生に職業についてゆっくり考える時間を与えるための方法を検討するなど,学生の職業に関する意識を啓発するための取組を行っているところ。 以下質疑応答 ○ 中部地域の一万社というのは,小さい企業も入っているんですね。 ○ インターンシップに対する期待感というのは,これまでなかなか学生の方が行ってくれなかった中小企業或いはベンチャーといった企業において,学生がこういう就業体験を通じることにより新たな魅力を感じ,就業の機会を与えてくれればありがたいという意欲はかなりありますし,ターゲットを絞るのではなく企業のサイズとしても業種としても多様なところを考えていくのが,インターンシップの推進につながるのではないかと思う。また,理工系は現場研修をやっていますが今回は,文化系も念頭に入れているということで,その意味でも幅広いチャンスを与えるということで,一万社にアンケートを行う予定です。 ○ いつ頃までに一万社のリアクションというのがまとまるのか ○1ヶ月程度でまとめる予定ですが,取りあえず,8月末を〆切としていますので,9月中にまとめることが出来れば良いなと思っております。 ○ 各省がそれぞれ取り組んでいるというのは良いことだと思うが最終的に三省が連名で出すということは出来ないか。 ○ 通産省は10月にマッチングシステムの検討をする予定みたいだが組織みたいなものを考えているのか。 ○ 具体的にシステムそのものを考えるに至っていないが,その基になるのが,この一万社におけるアンケートであり,実際ワーキンググループに出ていただいている企業に来春に試験的にやっていただく場合にどういうマッチングシステムを作ったら良いのかということを検討してもらう。最終的には,大学側と企業側が折り合えるシステム作りをやる必要がある。 ○ 大学側のアンケートについてはどれぐらい行う予定か。 ○ 大学は54校に行う予定。 ○ 春休みを考えているということであるが,又期間については前回も議論になり重要な事項になってくると思うが,2〜3週間と言うことですよね。 ○ 企業側もあんまり短いと困るというのもありますし,一定の期間を従来の学習に影響を及ぼさないということでとるとなるとそれぐらいになる。 ○ 期間については同じ科学技術大学の豊橋と長岡では考え方も違っているようですが。 ○ 例えば豊田では2ヶ月以下は受け付けないというのがある。 ○ 実業務の一部を分担させるということになると,10日程度で教えるだけで帰られると,企業側もメリットがないし,学生の能力を判断できない。それは会社の規模によって相当意識の差がある。 ○ 何年生を対象としているのか。 ○ それは大学及び企業次第である。 ○ 若年層の失業率が増えているということであるが,実際どれくらいか? ○ 全体の失業率がだいたい3.5%前後であるが,若年層だいたい24才くらいまででだいたい6.67%ぐらいです。 (3)事務局による骨子案についての概略説明のあと自由討議が行われた。 意見の概要は以下のとおり。 ○ インターンシップの定義について一貫性を保つ必要があると思うが,これについては各省了解しているのか。 資格を取るための者を含むか否かという点についてのすりあわせを行っているのか。 ○ インターンシップは閣議決定されたものとして考えているが,インターンシップが多様なものを含んでいるという点からあまり厳然とした定義づけをしていない。 ○ 定義については,とかくインターンシップの言葉だけだ先行しているようだが,アメリカの教育省の例を押さえておく必要があるのではないか。 ○ 前回も発言したが,産業技術に関する国際フォーラムでもインターンシップについては議論になったが,期間については,アメリカ,カナダの大学,企業でそれぞれあった。 ○ なぜ,緊急提言が必要なのかはっきりしない。なぜ,今必要なのか,なぜ緊急性を要するのかという説明がないことがパンチが効いてない原因と思うがそれについて文部省はどう考えているのか。 インターンシップを我が国で導入する意義というのは,将来の教育とか雇用慣行を含めて非常に大きな変更を促す可能性をもっている。そうしたときに文部省としては教育の面からインターンシップをどう考えるか。通産省としては企業,労働省は雇用という問題からなぜ,今インターンシップという制度を社会的要請の中から行わなければならないかということを押さえておかないと小手先の制度だけを作るいうだけでは本来の意味からの人材育成が曲がった形にならないか心配である。 ○ 科学技術基本計画をずっとやってきて,その中で日本の将来を考えた場合,科学技術を発展させていく必要があり,そのためには産官学の協力が必要である。その中での一つの方法としてインターンシップがある。そのため,科学技術の観点からはわかりやすいが,そのほかの人文社会科学系の話になるとわかりにくい。それはインターンシップの意義が高い職業意識の涵養にあるからではないか。 ○ 自然工学系は社会との接点が科学技術の振興と人材育成という点ではっきりしているが,人文科学系についてはそこまでははっきりしていないが将来を担う人材育成という点では共通している。 ○ インターンシップの定義については3Pに書かれており,これを鑑に持っていくといったことはできる。 インターンシップの定義は一般的であるがこの会議で扱うものについては教育実習は除外する。先ほど田中委員がアメリカの例を把握しておく必要があるといっておられましたが,必ずしもアメリカでもインターンシップの定義ははっきりしていない。 ○ 意義というよりも,理念をきちんとする必要がある。三省(文部,通産,労働)で揃った形でやるのが望ましい。 ○ 青田買いの防止という表現は極めて不適切である。インターンシップの促進は採用オープン化につながるというのではなく,学生の就労観や大学教育の活性化につながるという表現ぶりにした方がよい。 ○ 社会全体としては,日本の9割方は関係ないと思っているのでインターンシップの意義が実現されることにより平たくいえば日本の将来が活性化されるという書き方にした方がよい。 ○ 6Pに書かれていることはかなり楽観的な認識であり,インターンシップが促進されると多様な学生を企業が受け入れると書いてあるが,このためには制度的な裏付けがないと,企業側が学生を選別するといった青田買いの変形にしかならない。 太鼓をたたくといった面と危険な方向性の排除という二面性を考えて国の方向性を決める必要がある。 ○ 提言自体が,インターンシップが就職採用のためにあるといった形で書かれている。 なぜ,緊急提言かということについて考えると教育改革プログラムの話或いは閣議決定の話に改めて触れ,その上で文部省の立場をはっきりさせればよいのではないか。 ○ 緊急提言の頭と最後をどのように結論づけるかと考えた場合に,三省に限らず,国全体でやろうと締めくくるというのも一つの方法であるし,また,大学と企業がどういうふうに取り組むかを企業と大学合同の協議会を開いて,国がそれをサポートするというのもある。安生:就職の絡みでの捉え方が強い感じがする。インターンシップも含めて過度にそれに期待するのは間違いであり,社会全体の意識改革の一つの方法であるという位置づけをしたほうがよい ○ インターンシップだけで大きな期待は難しいがそれを突破口にしたいという教育界の思いもある。これを基にして教育改革をどう考えるか。また学生の経験をどう教育に活かしていくか,学校が産官とどう連携していくかを考える必要があるし,そのためのシステムも大事であるので,この緊急提言中に,学校の意識改革が必要だという文章が必要ではないか。 ○ なぜ今なのかという所にフォーカスする必要がある。 企業側から見ると従来の日本的経営システムの崩壊により,企業側は意識改革を迫られ大学側に創造的な人材の育成を望んでいる。インターンシップはそのための一つの方法論ではないか。創造的人材というのはクリエイティブというより主体性とか自己責任を有した学生を育てることであり,そのためには教室以外のところで何かを経験させるというのは非常に有効であり,そのへんを提言に盛り込む必要があるのではないか。採用問題は小さい問題であり,これと絡める必要はない。 ○ 意義のところで創造的な人材というのは主体性とか自己責任を持ったという風にした方がよいのではないか。 ○ 企業にとってのメリットは何か。企業のスリム化に伴い企業が学生を受け入れてくれるのか。 ○ 社会的に見れば良いが,中小企業には教育に純粋に貢献するといった点では有用性は伝わらない。もっとインターンシップにかかわることにより将来よりよい人材を確保できるというメリットを伝える必要がある。インターンシップの受け皿としてあるのは大企業であるが,中小企業にお願いする際には,経済団体を通せばよいのではないか。 ○ 学生の方は単位化によって増えているが,企業の受けいれ減というのは,メリットがないこともあるが安全性の問題があるためである。 ○ 企業の方は短大の受け入れについてどう考えているのか。理工系の場合は,歴史もあるが,今関心は,ビジネスインターンシップである。企業のほうも,創造的人材を求めているが,それに対して,大学側はどうすれば答えることが出来るか現在模索中であり,限られた教室だけでは無理である。今後インターンシップをきっかけとして,大学と企業とのつながりをどう作っていくかが重要となってくる。 ○ 教育改革フォーラムが東京と大阪でおこなわれたがその時経済界の代表の方も出席しておられていたが,その方々からは必ずと言っていいほどインターンシップの話があった。 そういう方はかなりその重要性を理解している。 大学側も夏休み期間に行うということで教官がそこに行かないのに単位を出してよいのかという議論は昔からあったが,それがここでの議論で解決することになる。こういうインターンシップの推進が今受け入れるかどうか迷っているところ及び大学・高専に対する火付けになるのではないか。 ○ 現在,就職協定が形骸化していく中で,日経連と大学で3年ほど前に今の大学がよい人材を輩出していないのは今の大学教育ではよき企業人を輩出できないという反省に立って,大学がよき企業人を輩出できる方法を考えようということで就職協定の委員は勉強してきた。インターンシップの基盤というのもそこにあるのではないかという風に理解している。 ○ 6P以降の整理をする必要があるのではないか。 ○ 4Pの大学側の意義が大きいということで,大学側が深く反省する必要があるといった書きぶりになっているが,アカデミズムというのも必要であるので,アカデミックな内容と就業体験を結びつける機会ができるといったポジティブな書き方にして欲しい。 6Pでインターンシップの推進方策ということで大学・高等専門学校における検討事項についての所は大変よくまとまっているが,インターンシップの評価方法というのが重要ではないか。これは必ずしも確立していないが,大学が企業にすべて任せて良いのか。特に単位化するに当たってその評価方法が重要ではないか。それから,インターンシップの実施時期について,教育課程との兼ね合いというのが書かれているが,学生生活への配慮といった記述も必要ではないか。大学,短大の機能の一つとして学生生活を基盤とした人間形成というのもあるので, 配慮事項としては入れた方がよいのではないか。 7Pの企業の検討事項として,就労条件が書かれているが,インターンシップの受け入れが就労体験と同時に企業が学生に何を教育してくれるのかという訓練の目標(目的・方法)を明確にして欲しい。 ○ 社会の大きな変動を学生に教えるためには,家庭,学校だけでなく企業の協力も必要。 システム化により,しっかりとした目的をもっていない学生もインターンシップを行う例もあるが企業もそれにもしっかり対応して欲しい。 ○ 企業サイドに問題がある。いわゆる日本に対する忠誠心の希薄化とか国益より企業益を優先するといったことであるが,企業サイドを動かすには,三省が共同して行うのがよいのではないか。 ○ 企業が学生を受け入れるのは大変だと思うが,国の企業への支援とは具体的にどのようなことを考えているのか。 ○ 学生一人を受け入れることにより,新たに設置されるポストや時間に対する支援を考えている。緊急提言が地域的にも,企業の意識の中でも,大学の中でも差があるといったところでスタートしようとしている人たちの起爆剤になってくれればありがたい。通産省としても,そういう企業に対して予算措置などで少しでもサポート出来ればと考えている。 ○ 緊急提言について,その中身を8月1日の労働省の会議において検討したい。 ○ 企業教育或いは学校教育以前に家庭内教育の問題が大きい。大きな役割分担としては企業が担当する部分があることは承知しているが,企業の方で教育目標を考えて欲しいということについては,本来,大学教育の主体は大学の中にあるわけでインターンシップといえども企業が主体になるのは無理ではないか。そういった意味で大きな役割分担として企業の方がどんなことを学生に教えられるかということは検討するが,大学の方から,こういうことを教えて欲しいということを明確にするということが重要ではないか。 経費負担のところで,報酬については,ある程度大学に留意点を考えてもらう必要があるのではないか。 ○ 報酬という考え方はないのではないか。今の時点ではあまり触れない方がよいのではないか。 ○ 企業の方で一人受け入れてもらうごとに企業の方に謝礼を払うことになっているが,ほとんどの企業は断っている現状である。 ○ 報酬がゼロじゃないと困るという風に議論を進められると困る。実社会の中で企業の一部の業務をやってくれるというのであれば当然対価を支払われて然るべきであるという考えもありますので,そこをフィックスして考えると受け入れる企業も特定されるので,もっと中身的に多様性を持たせて欲しい。 ○ 基本マニュアルというのが欲しい。いろんなオプションがあるというだけでもよい。何か具体的イメージがあると分かりやすい。 ○ 大学としてこれを機会にカリキュラムの変更にまでやってしまう必要があるのではないか。 今の学生は自己責任を自覚していない。カリキュラム全体が変わっていないと小手先に終わってしまう。 ○ 海外においてインターンシップを受けたものに関することも検討する必要があるのではないか。 |
高等教育局専門教育課
-- 登録:平成21年以前 --